的叩きゲームシステム
【課題】対戦の要素を加えてプレイヤの対戦感を満たすことが可能な的叩きゲームシステムを提供する。
【解決手段】的叩きゲーム機1Aの叩き用の的5が叩き位置αにあり、的叩きゲーム機1Aと通信ネットワーク99を介して対戦プレイをする的叩きゲーム機1Bの的5が退避位置βにある状態の的叩きゲームシステム100において、的叩きゲーム機1Aの的制御部43は、叩き操作に応じて的5が退避位置βに移動された状態を維持するように制御し、的叩きゲーム機1Aの通信部65は、叩き位置αにある的5のプレイヤPによる叩き操作を検出するセンサ24,25の出力に応じて打撃データ生成部42aにより生成された打撃データを的叩きゲーム機1Bに送信し、的叩きゲーム機1Bの通信部65は、的叩きゲーム機1Aから打撃データを受信し、的叩きゲーム機1Bの的制御部43は、打撃データに基づき的5を退避位置βから叩き位置αへと駆動するように制御する。
【解決手段】的叩きゲーム機1Aの叩き用の的5が叩き位置αにあり、的叩きゲーム機1Aと通信ネットワーク99を介して対戦プレイをする的叩きゲーム機1Bの的5が退避位置βにある状態の的叩きゲームシステム100において、的叩きゲーム機1Aの的制御部43は、叩き操作に応じて的5が退避位置βに移動された状態を維持するように制御し、的叩きゲーム機1Aの通信部65は、叩き位置αにある的5のプレイヤPによる叩き操作を検出するセンサ24,25の出力に応じて打撃データ生成部42aにより生成された打撃データを的叩きゲーム機1Bに送信し、的叩きゲーム機1Bの通信部65は、的叩きゲーム機1Aから打撃データを受信し、的叩きゲーム機1Bの的制御部43は、打撃データに基づき的5を退避位置βから叩き位置αへと駆動するように制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、的叩きゲーム機を用いた的叩きゲームシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、前面側に叩き用の的が設けられた複数のゲーム装置が通信手段を介して信号の送受信可能になっている的叩きゲーム装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−85804号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の的叩きゲーム装置は、2人以上のプレイヤで同一ゲームを行って、各プレイヤの得点により勝敗を決める競争をするものであり、対戦する要素に乏しいものであった。
【0005】
本発明の課題は、対戦の要素を加えてプレイヤの対戦感を満たすことが可能な的叩きゲームシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。また、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
【0007】
第1の発明は、叩き用の的(5)を有した複数の的叩きゲーム機(1)が通信ネットワーク(99)を介して接続された的叩きゲームシステム(100)において、前記的叩きゲーム機の各々は、前記的が、プレイヤ(P)による叩き操作が可能な位置である叩き位置(α)と、前記叩き位置に配置された状態で前記プレイヤが叩き操作をすることで移動する退避位置(β)との間で移動可能に保持する保持部(23)と、前記保持部により保持された前記的が叩き操作に応じて前記叩き位置から前記退避位置へと移動された状態を維持し、前記退避位置から前記叩き位置へと前記的を駆動するように制御する的制御部(43)と、前記叩き位置にある前記的の前記プレイヤによる叩き操作を検出する打撃検出部(24,25)と、前記打撃検出部による出力に応じて、叩かれた前記的の打撃データを生成する打撃データ生成部(42a)と、他の前記的叩きゲーム機との間でデータを送受信する通信部(65)と、を備え、一の前記的叩きゲーム機(1A)の前記的が前記叩き位置にあり、前記一の的叩きゲーム機と前記通信ネットワークを介して対戦プレイをする前記他の的叩きゲーム機(1B)の前記的が前記退避位置にある状態において、前記一の的叩きゲーム機の前記的制御部は、叩き操作に応じて前記的が前記退避位置に移動された状態を維持するように制御し、前記一の的叩きゲーム機の前記通信部は、前記打撃検出部の出力に応じて前記打撃データを前記他の的叩きゲーム機に対して送信し、前記他の的叩きゲーム機の前記通信部は、前記一の的叩きゲーム機から前記打撃データを受信し、前記他の的叩きゲーム機の前記的制御部は、前記打撃データに基づいて前記的を前記退避位置から前記叩き位置へと駆動するように制御すること、を特徴とする的叩きゲームシステムである。
第2の発明は、第1の発明の的叩きゲームシステム(100)において、前記的叩きゲーム機(1)の各々は、前記的(5)に対する叩き操作が可能になってから前記打撃検出部(24,25)が出力するまでの時間を計測する反応時間計測部(44)と、前記反応時間計測部により計測された反応時間が短いほど高い得点を付与する得点付与部(46)と、を備えること、を特徴とする的叩きゲームシステムである。
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明の的叩きゲームシステム(100)において、前記的叩きゲーム機(1)の各々は、前記打撃検出部(24,25)が前記的(5)の叩き操作を検出してから前記的制御部(43)が前記退避位置(β)へと前記的が移動された状態を維持するように制御するまでの時間を計測する的移動時間計測部(45)と、前記的移動時間計測部により計測された的移動時間が短いほど高い得点を付与する得点付与部(46)と、を備えること、を特徴とする的叩きゲームシステムである。
第4の発明は、第1の発明から第3の発明までのいずれかの的叩きゲームシステム(100)において、前記叩き位置(α)と前記プレイヤ(P)との距離は、前記退避位置(β)と前記プレイヤとの距離よりも小さいこと、を特徴とする的叩きゲームシステムである。
第5の発明は、第1の発明から第4の発明までのいずれかの的叩きゲームシステム(100)において、前記的叩きゲーム機(1)の各々は、前記的(5)が前記プレイヤ(P)の左右方向に少なくとも2つ配置されており、叩かれた前記的の打撃データを、前記的の左右方向を反転して生成する反転データ生成部(42b)を備え、前記他の的叩きゲーム機(1B)の前記的制御部(43)は、前記反転データ生成部により生成された前記打撃データに対応する的を前記退避位置(β)から前記叩き位置(α)へと駆動する正対向プレイを行うように制御すること、を特徴とする的叩きゲームシステムである。
第6の発明は、第1の発明から第4の発明までのいずれかの的叩きゲームシステム(100)において、前記的叩きゲーム機(1)の各々は、前記的(5)が前記プレイヤ(P)の左右方向に少なくとも2つ配置されており、前記他の的叩きゲーム機(1B)の前記的制御部(43)は、前記打撃データ生成部(42a)により生成された前記打撃データに対応する的を前記退避位置(β)から前記叩き位置(α)へと駆動する反転対向プレイを行うように制御すること、を特徴とする的叩きゲームシステムである。
第7の発明は、第1の発明から第5の発明までのいずれかの的叩きゲームシステム(100)において、前記的叩きゲーム機(1)の各々は、前記プレイヤ(P)を撮影する撮影部(7)と、画像を表示する画像表示部(6)と、を備え、前記一の的叩きゲーム機(1A)の前記通信部(65)は、前記撮影部で撮影して取得した前記プレイヤの画像を、前記他の前記的叩きゲーム機(1B)に対して送信し、前記他の前記的叩きゲーム機の前記画像表示部は、前記一の的叩きゲーム機から受信した対戦相手の前記プレイヤの画像を表示すること、を特徴とする的叩きゲームシステムである。
第8の発明は、第6の発明の的叩きゲームシステム(100)において、前記的叩きゲーム機(1)の各々は、前記プレイヤ(P)を撮影する撮影部(7)と、画像を表示する画像表示部(6)と、前記撮影部で撮影して取得した画像を左右方向に反転させる画像反転部(48)と、を備え、前記一の的叩きゲーム機(1A)の前記通信部(65)は、前記撮影部で撮影して取得した前記プレイヤの画像を、前記他の前記的叩きゲーム機(1B)に対して送信し、前記他の前記的叩きゲーム機の前記画像表示部は、前記一の的叩きゲーム機から受信し前記画像反転部により反転させた対戦相手の前記プレイヤの画像を表示すること、を特徴とする的叩きゲームシステムである。
第9の発明は、第7の発明又は第8の発明の的叩きゲームシステム(100)において、前記的叩きゲーム機(1)の各々は、前記撮影部(7)で撮影して取得した画像を左右方向に反転させる画像反転部(48)を備え、前記他の前記的叩きゲーム機(1B)の前記画像表示部(6)は、その一部に、前記画像反転部により画像を反転させた前記他の的叩きゲーム機の前記プレイヤ(P)の画像を表示すること、を特徴とする的叩きゲームシステムである。
第10の発明は、第7の発明又は第8の発明の的叩きゲームシステム(100)において、前記的叩きゲーム機(1)の各々は、前記画像表示部(6)を制御する画像表示制御部(49)を備え、前記他の的叩きゲーム機(1B)の前記画像表示制御部は、前記対戦相手のプレイヤ(P)の画像を、前記的制御部(43)による制御と同期させて前記画像表示部に表示させること、を特徴とする的叩きゲームシステムである。
第11の発明は、第1の発明から第4の発明までのいずれかの的叩きゲームシステム(100)において、前記的叩きゲーム機(1)の各々は、前記的(5)が前記プレイヤ(P)の左右方向に少なくとも2つ配置されており、前記プレイヤの所望の利手情報及び前記プレイヤの利手情報を入力する属性入力部(9B)と、叩かれた前記的の打撃データを、前記的の左右方向を反転して生成する反転データ生成部(42b)と、前記属性入力部での前記プレイヤの所望の利手情報と、対戦相手の前記的叩きゲーム機で入力されたプレイヤの利手情報とが異なるか否かを判定する属性判定部(47)と、を備え、前記他の的叩きゲーム機(1B)の前記的制御部(43)は、前記属性判定部により前記属性入力部での前記プレイヤの所望の利手情報と、対戦相手の前記的叩きゲーム機で入力されたプレイヤの利手情報とが異なると判定された場合に、前記打撃データ生成部(42a)により生成された前記打撃データに対応する的(5)を前記退避位置(β)から前記叩き位置(α)へと駆動する反転対向プレイを行うように制御し、前記属性判定部により前記属性入力部での前記プレイヤの所望の利手情報と、対戦相手の前記的叩きゲーム機で入力されたプレイヤの利手情報とが同じであると判定された場合に、前記反転データ生成部により生成された前記打撃データに対応する的を前記退避位置から前記叩き位置へと駆動する正対向プレイを行うように制御すること、を特徴とする的叩きゲームシステムである。
第12の発明は、第11の発明の的叩きゲームシステム(100)において、前記的叩きゲーム機(1)の各々は、前記プレイヤ(P)を撮影する撮影部(7)と、画像を表示する画像表示部(6)と、前記撮影部で撮影して取得した画像を左右方向に反転させる画像反転部(48)と、を備え、前記一の的叩きゲーム機(1A)の前記通信部(65)は、前記撮影部で撮影して取得した前記プレイヤの画像を、前記他の前記的叩きゲーム機(1B)に対して送信し、前記他の前記的叩きゲーム機の前記画像表示部は、前記的制御部(43)が正対向プレイを行う場合には、前記一の的叩きゲーム機から受信した前記対戦相手のプレイヤの画像を表示し、前記的制御部が反転対向プレイを行う場合には、前記一の的叩きゲーム機から受信し前記画像反転部により反転させた前記対戦相手のプレイヤの画像を表示すること、を特徴とする的叩きゲームシステムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本発明は、対戦プレイをする2台の的叩きゲーム機が通信ネットワークを介して接続されており、一の的叩きゲーム機の的が叩かれてその位置が叩き位置から退避位置へ変化することで、他の的叩きゲーム機の的の位置が退避位置から叩き位置へと変化する。よって、的が叩かれたことで生成されるプレイヤの打撃データが、通信ネットワークを介して2台の的叩きゲーム機の間で送受信されて、打撃データによって的の位置が変化することで、双方の的叩きゲーム機のプレイヤに、擬似的に実際に直接対決をするような臨場感を与えることができる。また、対戦プレイを行うプレイヤ同士で駆け引きをしながらプレイができ、プレイヤの対戦感を満たすことができる。さらに、対戦相手が異なれば的が叩かれるタイミングが異なるので、対戦相手の癖を感じながらプレイをすることができ、マンネリ化しにくく飽きにくいプレイを実現できる。
【0009】
(2)本発明は、的が叩ける状態になってから、実際に叩かれるまでの反応時間を計測して、得点を付与する。得点は、反応時間が短いほど高くなるので、敏捷性を必要とする面白い態様のプレイができる。
(3)本発明は、的が叩かれたことを検出してから、移動して退避位置に至るまでの的移動時間を計測して、得点を付与する。得点は、的移動時間が短いほど高くなるので、的を叩く強さやスピードを要求する面白い態様のプレイができる。
(4)本発明は、的の叩き位置とプレイヤとの距離が、的の退避位置とプレイヤとの距離よりも短いので、プレイヤが的を叩くことで的がプレイヤから離れていき、対戦プレイの相手が的を叩くことで的がプレイヤに近づいてくるといった、臨場感溢れるプレイを行うことができる。
【0010】
(5)本発明は、左右方向に少なくとも2つ配置された的を備えるので、実際のボクシングに近い状態で、プレイヤは、叩く操作を行うことができる。また、複数の的の位置の変化は、対戦相手のプレイヤの的を叩く操作に連動して行われるので、予めパターン化されたものではない。対戦相手によりそのパターンが変化するものであるので、プレイに飽きられにくくすることができる。さらに、的が叩かれたことで生成される打撃データを的の左右方向を反転して生成するので、対戦相手が右の的を叩いた場合には、プレイヤ自身の左の的の位置が変化するので、対戦相手とプレイヤ自身とが向かい合ってプレイを行う正対向プレイを実現できる。
【0011】
(6)本発明は、対戦相手が右の的を叩いた場合には、プレイヤ自身の右の的の位置が変化するので、対戦相手とプレイヤ自身とが向かい合った時に叩いた的とは左右方向が逆である的の位置を変化させる反転対向プレイを実現できる。
(7)本発明は、プレイヤの画像を撮影して対戦相手の画像表示部に表示することができる。よって、対戦相手の画像を見ることで、例えば、次にどの的が叩かれるかを、対戦相手の動きから想定してプレイができるので、対戦感を出して、対戦プレイをよりリアルに再現することができる。
【0012】
(8)本発明は、反転対向プレイを行う場合には、対戦相手のプレイヤの画像の左右方向を反転させて対戦相手の画像表示部に表示するので、位置が変化したプレイヤが操作する的と、対戦相手のプレイヤの叩き操作の画像とを、違和感のないように出力できる。
(9)本発明は、プレイヤの画像を撮影して、左右方向を反転させてプレイヤ自身の画像を表示するので、プレイヤが自身の動きを見ながらプレイができる。よって、ボクシング等で、鏡を見ながら自分のフォームをチェックするのと同等のことが実現できる。
【0013】
(10)本発明は、対戦相手のプレイヤの画像と、的制御部による制御とを同期させて、対戦相手のプレイヤの画像を画像表示部に表示させる。画像データは、的制御部の制御を行う打撃データに比較してデータ量が多く、データ伝送に時間がかかるが、同期させることでタイムラグを解消して、違和感のない一連となった処理を行うことができる。
(11)本発明は、プレイヤの利手と、対戦相手として所望の利手とを入力することで、プレイヤの利手と、実際の対戦相手の所望の利手とが一致するか否かにかかわらず、常に所望の利手のプレイヤの対戦を実現できる。具体的には、対戦相手の利手と、実際の対戦相手の所望の利手とから、正対向プレイを行うか、反転対向プレイを行うかを決定することで実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1実施形態に係る的叩きゲームシステムの全体構成を示す図である。
【図2】第1実施形態に係る的叩きゲーム機の正面図である。
【図3】第1実施形態に係る的叩きゲーム機のA−A線による平面断面図である。
【図4】第1実施形態に係る的叩きゲーム機の機能ブロックを示す図である。
【図5】第1実施形態に係る空気砲の構造を簡略化した図である。
【図6】第1実施形態に係る的叩きゲーム機のメイン処理のフローチャートである。
【図7】第1実施形態に係るマッチング処理のフローチャートである。
【図8】第1実施形態に係るモニタの表示例を示す図である。
【図9】第1実施形態に係る正対向プレイ及び反転対向プレイを示す図である。
【図10】第1実施形態に係るプレイ実行処理のフローチャートである。
【図11】第1実施形態に係るモニタの表示例を示す図である。
【図12】第1実施形態に係るプレイヤのモニタへの表示例を示す図である。
【図13】第2実施形態に係る様々な空気砲の構造を簡略化した図である。
【図14】第2実施形態に係る的叩きゲーム機の機能ブロックのうち空気砲に関する部分を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る的叩きゲームシステム100の全体構成を示す図である。
図2は、第1実施形態に係る的叩きゲーム機1の正面図である。
図1に示すように、的叩きゲームシステム100は、2台以上(複数台)の的叩きゲーム機1(1A,1B,…)が、通信ネットワーク99を介して接続されている。的叩きゲームシステム100は、そのうち2台の的叩きゲーム機1(1A,1B)を用いて、プレイヤP(P1,P2)による叩き操作で得た得点により勝敗を競う、対戦プレイを行うシステムである。
【0016】
的叩きゲーム機1は、例えば、ゲームセンタ等の店舗に設置され、左右方向Xが1.5m、奥行方向Yが1m、鉛直方向Zが2m程度の大型の業務用ゲーム機である。的叩きゲーム機1は、複数台が同一店舗に設置されていてもよいし、異なる店舗に設置されていてもよい。
通信ネットワーク99は、例えば、インターネット等であり、的叩きゲーム機1同士でデータの伝送を行うための通信網である。
【0017】
図2に示すように、的叩きゲーム機1は、ケース2と、空気砲3と、スピーカ4と、計6つの的5と、モニタ6(画像表示部)と、カメラ7(撮影部)と、マイク8と、操作台9と、コイン投入口10と、コイン排出口11とを備える。
ケース2は、的叩きゲーム機1のケースである。
空気砲3は、プレイヤPに向けて空気を発射させる装置である。空気砲3は、ケース2の上側Z1の中央に配置され、手前側Y1に設けられた発射口32が、プレイヤPの立ち位置に向けて開口されている。
スピーカ4は、効果音等を出力する装置である。スピーカ4は、ケース2の上側Z1の手前側Y1であって左右方向Xに、計2つ配置されている。スピーカ4は、プレイ中に対戦相手が的5を叩いた効果音や、BGM(background music)等の音楽を出力し、臨場感溢れるプレイを演出する。
【0018】
的5は、左右方向Xに2つ並び、それらを1セットとして鉛直方向Zの上中下の位置にそれぞれ1セットずつ計3セットが配置されており、プレイヤPが叩く操作を行うための装置である。的5は、その個々の配置位置から、右上の的5RU、右中の的5RM、右下の的5RD、左上の的5LU、左中の的5LM、左下の的5LDの合計6つの的を有する。的5は、プレイヤPの胸の位置あたりを中心に上下に配置されることが望ましい。的5は、プレイヤPが叩くことができる位置(叩き位置α)と、プレイヤPが叩くことができない位置(退避位置β)との間を回転移動可能に保持される(図3参照)。プレイヤPが叩くことができる位置の的5に対して、プレイヤPにより叩く操作が行われると、その的5は、プレイヤPとの距離が段々と離れるように移動して、プレイヤPが叩くことができない位置に移動する。このように、的叩きゲーム機1は、左右方向Xに2つずつ、鉛直方向Zの上下に3つずつの計6つが配置された的5を備えるので、プレイヤPは、実際のボクシングのように打ち位置を変えてプレイができる。
【0019】
モニタ6は、対戦相手のプレイヤPの画像や、プレイヤP自身の画像を表示する液晶表示装置等の表示装置である。モニタ6は、プレイヤPが見ながらプレイができるように、プレイ中のプレイヤPが視認可能であり、的5よりも奥側Y2であって、的5が叩き位置αと退避位置βとの間を移動してもぶつからない位置に配置されている。
カメラ7は、プレイヤPを撮影する装置である。カメラ7は、プレイヤPの表情を撮影するために、モニタ6の上端であり、プレイヤPの顔の付近の高さに配置する。
マイク8は、的5が叩かれた際に、的5から生じる音を集音する装置である。マイク8は、モニタ6の上端に配置して、的5を叩く音を集音する。
【0020】
操作台9は、プレイヤPの腰の位置付近の高さに手前側Y1に突出して配置され、プレイヤPの左右の手による操作入力を受け付ける。操作台9には、2つのボタン9B(属性入力部)が設けられている。より具体的には、左右方向Xの左側X1にボタン9BLが、右側X2にボタン9BRが設けられている。
コイン投入口10は、コインを投入するための投入口である。コイン投入口10の内部には、投入されたコインを検出する光学センサ(図示せず)等が設けられており、この光学センサ等がコインを検出すると、制御部40(後述する)に検出信号を出力し、制御部40がプレイ料金の受け付け処理を行う。所定のコインを投入することで、的叩きゲーム機1は、後述する一連の処理を開始する。
【0021】
コイン排出口11は、例えば、プレイを開始する前にプレイヤPが自発的にプレイを終了した場合等に、プレイのために投入したコインを返却する排出口である。
なお、ケース2には、プレイヤPが誤ってケース2を叩いた場合等を考慮して、的5の付近の手前側Y1の位置にクッション部材12が取り付けられている。
【0022】
次に、的5の機構について説明する。
図3は、第1実施形態に係る的叩きゲーム機1のA−A線(図2参照)による平面断面図である。
実線で示す左側X1の左上の的5LUの叩き位置αは、左上の的5LUが最も手前側Y1に起きた位置である。他方、2点鎖線で示す左上の的5LUの退避位置βは、左上の的5LUが最も奥側Y2に倒れた位置である。退避位置βにある左上の的5LUは、プレイヤPが的叩きゲーム機1の正面に立った状態で叩くことができない。このように、的5の叩き位置αとプレイヤPとの距離が、的5の退避位置βとプレイヤPとの距離よりも短いので、プレイヤPが的5を叩くことで的5がプレイヤPから離れていき、後述する所定の条件により的5がプレイヤPに近づいてくるといった、臨場感溢れるプレイができる。
【0023】
的5は、パッド20と、パッド支持部21と、保持軸22と、取付部材23(保持部)とを備える。
また、センサ24,25の2つのセンサを備える。
さらに、的5が退避位置βにある状態を保持する的留め部26を、取付部材23の奥側Y2に備える。的留め部26は、フック留部27と、ストッパ28と、留め回転部29とを有する。
【0024】
パッド20は、プレイヤPが実際に手で叩く部材である。パッド20は、その外表面を覆うように、衝撃吸収材が設けられている。パッド20の衝撃吸収材は、プレイヤPの叩き操作による手への衝撃を低減するのに有用である。
パッド支持部21は、パッド20を支持する部材である。パッド支持部21は、パッド20が叩かれた際には、パッド20と一体となってM1方向に回転移動する。
保持軸22は、パッド20が叩かれる側とは反対側に設けられた部材である。保持軸22は、退避位置βに移動した的5がフック留部27により留めることが可能な位置に設けられる。
【0025】
取付部材23は、ケース2にパッド支持部21を取り付ける部材である。取付部材23は、その内部にねじりコイルバネ(図示せず)を備える。ねじりコイルバネは、パッド支持部21を退避位置βから叩き位置αの方向(矢印M2方向)に付勢する。
センサ24,25(打撃検出部)は、パッド支持部21の動作を検出する検出装置である。具体的には、センサ24,25は、パッド支持部21の移動状況から、パッド20の位置の変化を検出する。例えば、センサ24は、的5が叩き位置αになるとONになり、センサ25は、的5が退避位置βになるとONになるマイクロスイッチである。
【0026】
フック留部27は、的5が退避位置βに位置した際に、勢いよく移動してきた的5の保持軸22を掛かり止めて、的5を退避位置βに保持する部材である。
ストッパ28は、的5が叩かれて回転移動してきたときに、退避位置βよりもさらにM1方向へ回転しないようにするストッパである。ストッパ28は、衝撃吸収部材により形成される。
留め回転部29は、制御部40(図4参照)からの信号を受けて、保持軸22を外す方向にフック留部27を移動させるものである。留め回転部29は、例えば、ソレノイド等の駆動装置を備え、フック留部27を回転移動する。
【0027】
次に、的叩きゲーム機1の機能ブロックについて説明する。
図4は、第1実施形態に係る的叩きゲーム機1の機能ブロックを示す図である。
的叩きゲーム機1は、図1から図3で説明した空気砲3と、スピーカ4と、的5と、モニタ6と、カメラ7と、マイク8と、ボタン9Bと、コイン投入口10と、コイン排出口11と、センサ24,25と、留め回転部29とを備える他、制御部40と、記憶部60と、通信部65とを備える。
【0028】
制御部40は、打撃判定部41と、入力データ生成部42と、的制御部43と、反応時間計測部44と、的移動時間計測部45と、得点付与部46と、属性判定部47と、画像反転部48と、画像表示制御部49と、空気砲制御部50とを備える。
制御部40は、情報の演算、及び処理を行う情報演算処理装置(CPU)であり、当該的叩きゲーム機1の全体を制御するものである。制御部40は、記憶部60に記憶されたゲームプログラム61等を適宜読み出して実行することにより、的叩きゲーム機1のハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
【0029】
打撃判定部41は、叩き位置αにある的5に対して、プレイヤPによる叩き操作がされたか否かを判定する制御部である。
入力データ生成部42は、さらに、打撃データ生成部42aと、反転データ生成部42bと、操作データ生成部42cとを有する。
【0030】
打撃データ生成部42aは、的5が叩かれたことで、6つの的5のうち叩かれた各的5を識別する情報を含む打撃データを生成する。例えば、右上の的5RUが叩かれた場合には、右上の的5RUが叩かれたことを示す打撃データを生成する。
反転データ生成部42bは、的5が叩かれたことで、6つの的5のうち叩かれた各的5を識別する情報に対して左右方向の情報を入れ替えた打撃データを生成する。例えば、右上の的5RUが叩かれた場合に、左上の的5LUが叩かれたことを示す打撃データを生成する。
操作データ生成部42cは、的5が叩かれたことで、後述する的移動時間計測部45により計測された的移動時間から、的5が叩かれた強さを示す操作量を算出して、操作量を含む的5が叩かれたことを示すデータを生成する。
【0031】
的制御部43は、パッド支持部21により支持された的5に対してプレイヤPによる叩き操作があり、その叩く力によって的5が叩き位置αからM1方向に移動して退避位置βに配置された場合に、その退避位置βの状態を維持する。また、的制御部43は、後述する所定の条件により、退避位置βからM2方向に移動して叩き位置αへと的5を駆動するように制御する。
反応時間計測部44は、的制御部43が退避位置βの的5を叩き位置αへM2方向に駆動してするように制御して、的5が叩き位置αに配置されてから、センサ24がその的5の叩き操作を検出するまでの時間を計測する。例えば、センサ24がONになってからOFFになるまでの時間に基づいて、反応時間を演算する。
【0032】
的移動時間計測部45は、センサ24,25が的5の叩き操作を検出してから、退避位置βへと移動された的5の状態を維持するように制御するまでの時間を計測する。例えば、センサ24がONからOFFになってから、センサ25がOFFからONになるまでの時間に基づいて、的移動時間を演算する。
得点付与部46は、反応時間計測部44により計測された反応時間が短いほど、高い得点を付与する。また、得点付与部46は、的移動時間計測部45により計測された的移動時間が短いほど、高い得点を付与する。
【0033】
属性判定部47は、属性入力部からの操作により、プレイヤPが対戦相手として所望する利手情報と、対戦相手の的叩きゲーム機1で入力されたプレイヤPの利手情報とが異なるか否かを判定する制御部である。なお、属性判定部47の判定結果に基づいて、対戦相手の的叩きゲーム機1に送信する打撃データの生成が行われる。
画像反転部48は、カメラ7で撮影して取得した画像を左右方向に反転させる制御部である。
画像表示制御部49は、画像をモニタ6に表示させるための制御部である。
空気砲制御部50は、空気砲3を制御する制御部である。
これらの各制御部の処理の詳細は、後述する。
【0034】
記憶部60は、ゲームプログラム61を備える。
記憶部60を実現するものとしては、電気的、磁気的、光学的、電磁的に実現するものを含んでよい。より具体的には、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、リード・オンリー・メモリ(ROM)等を含む半導体記憶装置、磁気ディスク等が含まれる。
ゲームプログラム61は、制御部40がこのゲームのプレイを実行するためのプログラムであり、例えば、プレイ画面に関する情報、音声に関する情報等を含む。
【0035】
記憶部60は、その他デモンストレーション画面を表示等するプログラムを含んでよい。また、記憶部60は、ゲームプログラム等の各種プログラムの実行時に、テーブル等を展開するためのローカルメモリ、及びキャッシュメモリを含んでよい。
なお、本発明でいうコンピュータとは、記憶装置、制御部等を備えた情報処理装置をいい、的叩きゲーム機1は、記憶部60、制御部40等を備えた情報処理装置であり、本発明のコンピュータの概念に含まれる。
通信部65は、他の的叩きゲーム機1との通信を行うためのインタフェースである。通信部65は、他の的叩きゲーム機1との間でのデータの送受信を行うための、例えば、ネットワーク・アダプタである。
【0036】
空気砲3は、径変更部39を有する。
径変更部39は、発射口32の径の大きさを変更する制御部である。
ここで、空気砲3の構造について説明する。
図5は、第1実施形態に係る空気砲3の構造を簡略化した図である。
空気砲3は、貯留部31と、発射口32と、ハンマ34とからなる。
貯留部31は、ケース2内に設置され、ケース2の外部からは視認ができない。貯留部31は、一定量の空気を溜める容器である。貯留部31は、例えば、段ボール箱で作成される。
【0037】
発射口32は、カメラ用レンズの絞り機構のように、複数の絞り羽根によってその開口径が変更可能なものである。発射口32は、径変更部39の制御により、その開口径が変更可能に構成される。開口径を変更することで、発射口32は、その開口の度合いを変更する。
また、ハンマ34は、貯留部31の左側面に有し、左側面の外側から左側面を叩くための部材である。ハンマ34は、空気砲制御部50により左側面の外側から左側面を叩く動きを制御する。空気砲3は、ハンマ34による叩き動作により、貯留部31の空気が圧縮されて発射口32から外部に発射される。なお、ハンマ34が叩く位置は、側面であれば、左側面に限定されない。
このように、的叩きゲーム機1は、空気砲3に発射口32の径の大きさを変更する径変更部39を有する。本実施形態では、ハンマ34による叩く力が一定であるので、排出される空気量が一定である。よって、発射口32の径の大きさを変更することで、同じ強さでハンマ34を制御して叩いた場合であっても、空気砲3から発射される空気の速度が変化するので、勢いに強弱をつけることができる。
【0038】
次に、的叩きゲーム機1の動作内容について説明する。
図6は、第1実施形態に係る的叩きゲーム機1のメイン処理のフローチャートである。
図7は、第1実施形態に係るマッチング処理のフローチャートである。
図8は、第1実施形態に係るモニタ6の表示例を示す図である。
図9は、第1実施形態に係る正対向プレイ及び反転対向プレイを示す図である。
図10は、第1実施形態に係るプレイ実行処理のフローチャートである。
図11は、第1実施形態に係るモニタ6の表示例を示す図である。
図12は、第1実施形態に係るプレイヤP1,P2のモニタ6への表示例を示す図である。
以下、2台の的叩きゲーム機1A,1Bによって対戦プレイを行う例を、一方の的叩きゲーム機1Aのフローチャートで説明するが、対戦相手の的叩きゲーム機1Bもほぼ同様の処理を行う。
【0039】
まず、図6のステップS1では、制御部40は、プレイヤP1によりコイン投入口10にコインが投入されたことを検出する。この検出により、制御部40は、当該的叩きゲーム機1Aのステータスを、対戦相手を見つける状態、つまり対戦相手がいれば即時にプレイが開始できるスタンバイ状態にする。
ステップS2では、制御部40は、マッチング処理を行う。
【0040】
ここで、マッチング処理について、図7を用いて説明する。
図7のステップS21では、制御部40は、通信ネットワーク99に接続され、スタンバイ状態の的叩きゲーム機1(1B,…)が存在するか否かを判定する。例えば、制御部40は、通信ネットワーク99を介して接続された的叩きゲーム機1(1B,…)に対して、ステータスの問い合わせのデータを送信し、スタンバイ状態の的叩きゲーム機1(1B,…)からレスポンスがあるか否かにより、スタンバイ状態の的叩きゲーム機1(1B,…)が存在するか否かを判断する。対戦相手になる的叩きゲーム機1(1B,…)の存在を確認している間に、制御部40は、モニタ6に、例えば、図8(1)(a)に示す画面を表示する。スタンバイ状態の的叩きゲーム機1Bが存在する場合(ステップS21:YES)には、制御部40は、処理をステップS22に移す。他方、スタンバイ状態の的叩きゲーム機1(1B,…)が存在しない場合(ステップS21:NO)には、制御部40は、処理をステップS23に移す。
【0041】
ステップS22では、制御部40は、そのスタンバイ状態の的叩きゲーム機1Bと対戦プレイをすることを決定して、本処理を終了する。その際、制御部40は、モニタ6に、例えば、図8(1)(b)に示す画面を表示する。
ステップS23では、制御部40は、モニタ6に待機画面を表示する。待機画面は、例えば、図8(1)(c)に示すように、対戦相手を待っている状態である旨をプレイヤP1に対して報知し、さらに、例えば、15秒からカウントダウンするように時間70を表示する画面である。待機画面は、ボタン表示71,72を用意して、プレイヤP1から終了の指示を受付可能な状態にする。待ちきれないプレイヤP1が、ボタン表示72に対応する位置のボタン9BR(図2参照)を操作することで、制御部40は、プレイの終了を受け付ける。
【0042】
ステップS24では、制御部40は、プレイの終了を受け付けたか否かを判断する。終了を受け付けた場合(ステップS24:YES)には、制御部40は、処理をステップS25に移す。他方、終了を受け付けないで捜索を再開する場合(ステップS24:NO)には、制御部40は、処理をステップS21に移して、スタンバイ状態の他の的叩きゲーム機1(1B,…)が存在するか否かを再度判定する。
ステップS25では、制御部40は、コイン排出口11にコインを排出して、本処理及びメイン処理(図6)を終了する。
【0043】
図6に戻って、ステップS3では、制御部40は、当該的叩きゲーム機1Aのステータスを、対戦相手が見つかってプレイが開始可能な状態であるプレイ可能状態に変更する。
ステップS4では、制御部40は、ボタン9B(属性入力部)からプレイヤP1の利手の入力を受け付ける。制御部40は、例えば、図8(2)に示すような、ボタン表示73,74を有する画面をモニタ6に表示する。プレイヤP1がボタン表示73,74に対応するボタン9Bを操作することで、制御部40は、プレイヤP1の利手の入力を受け付ける。
図6に戻って、ステップS5では、制御部40は、ボタン9B(属性入力部)からプレイヤP1が所望する対戦相手の利手の入力を受け付ける。制御部40は、例えば、図8(3)に示すような、ボタン表示75,76を有する画面をモニタ6に表示する。プレイヤP1がボタン表示75,76に対応するボタン9Bを操作することで、制御部40は、プレイヤP1が所望する対戦相手の利手の入力を受け付ける。なお、この処理は、対戦プレイのうちのどちらかの的叩きゲーム機1でのみ行うことができものとし、例えば、先に対戦プレイにエントリした的叩きゲーム機1が、所望する対戦相手の利手の入力を受付可能にしてもよい。
【0044】
図6に戻って、ステップS6では、制御部40は、ステップS4及びステップS5で受け付けたプレイヤP1の利手情報及びプレイヤP1の所望の利手情報を、通信部65を介して的叩きゲーム機1Bに送信する。また、制御部40は、的叩きゲーム機1Bから対戦相手であるプレイヤP2の利手情報を、通信部65を介して受信する。なお、プレイヤP2の利手情報は、プレイヤP2によって的叩きゲーム機1Bに入力される。
ステップS7では、制御部40(属性判定部47)は、ステップS5で受け付けたプレイヤP1の所望の利手情報と、受信したプレイヤP2の利手情報とが異なるか否かを判定して、プレイの態様を決定する。例えば、プレイヤP1の所望の利手情報とプレイヤP2の利手情報とが異なる場合には、制御部40は、以降のプレイにおいて、反転対向プレイを行うことを決定する。他方、プレイヤP1の所望の利手情報とプレイヤP2の利手情報とが同じである場合には、制御部40は、以降のプレイにおいて、正対向プレイを行うことを決定する。
【0045】
ここで、正対向プレイとは、図9(a)の鉛直方向Zから下に向かって見た図に示すように、プレイヤP1が的叩きゲーム機1Aの右上の的5RUを叩いて、右上の的5RUを叩き位置αから退避位置βに移動させた場合に、的叩きゲーム機1Bの左上の的5LUを、退避位置βから叩き位置αに移動させるプレイ、つまり、プレイヤP1,P2同士が実際に対向して、パンチをしているかのように、的5を動かすプレイをいう。
また、反転対向プレイとは、図9(b)に示すように、プレイヤP1が的叩きゲーム機1Aの右上の的5RUを叩いて、その右上の的5RUを叩き位置αから退避位置βに移動させた場合に、的叩きゲーム機1Bの右上の的5RUを、退避位置βから叩き位置αに移動させるプレイをいう。
なお、的叩きゲーム機1Bでは、ステップS6で受信したプレイヤP1の所望の利手情報と、ステップS4で受け付けたプレイヤP2の利手情報とに基づいてプレイの態様を決定する。
【0046】
図6に戻って、ステップS8では、制御部40は、ステップS7で決定したプレイ態様を記憶部60に記憶する。例えば、プレイヤP1の所望の利手が「左」であり、プレイヤP2の利手が「右」である場合、的叩きゲーム機1Aの処理として、「反転対向プレイ」であることが決定される。よって、制御部40は、「反転対向プレイ」である旨を記憶部60に記憶する。
ステップS9では、制御部40は、プレイ実行処理を行う。
【0047】
ここで、プレイ実行処理について、図10を用いて説明する。
図10のステップS31では、制御部40は、プレイヤP1に、的5をプレイ開始の状態にするように促す。プレイ開始の状態とは、的叩きゲームシステム100が、的叩きゲーム機1A,1Bの背面同士をくっつけた状態に位置していると仮定して、正対向プレイの場合には、的叩きゲーム機1Aの的5の位置と、的叩きゲーム機1Bの正対向である的5の位置とが、異なる位置である状態にあることをいう。例えば、的叩きゲーム機1Aの右上の的5RUの位置が叩き位置αであれば、その右上の的5RUに対応する的叩きゲーム機1Bの左上の的5LUの位置が退避位置βである状態をいう。プレイ開始の状態は、正対向プレイの場合、各々の的叩きゲーム機1A,1Bにおいて、制御部40により、図11(a)に示すような画面が各々のモニタ6に表示される。プレイヤP1は、モニタ6に指示されたように的5の位置を、例えば手動で変更する。
一方、反転対向プレイの場合には、図11(b)に示すような画面が、各々の的叩きゲーム機1のモニタ6に表示される。
【0048】
ステップS32では、両方の的叩きゲーム機1A,1Bにおいてプレイ開始の状態になったことで、制御部40は、プレイ開始の状態になったことを認識して、プレイを開始する。
ステップS33では、制御部40は、音付きの画像の送受信処理を行う。具体的には、制御部40は、カメラ7の撮影を開始し、撮影した画像データを、通信部65を介して的叩きゲーム機1Bに連続的に送信する。また、制御部40は、マイク8から集音した音データを、通信部65を介して的叩きゲーム機1Bに連続的に送信する。同様に、制御部40は、通信部65を介して、的叩きゲーム機1Bから画像データ及び音データを連続的に受信する。
【0049】
ステップS34では、制御部40(打撃判定部41)は、叩き位置αの的5について叩き操作を検出したか否かを判定する。叩き操作を検出した場合(ステップS34:YES)には、制御部40は、処理をステップS35に移す。他方、叩き操作を検出しない場合(ステップS34:NO)には、制御部40は、処理をステップS38に移す。
【0050】
ステップS35では、制御部40(反応時間計測部44)は、的5が叩き位置αに配置されてから、叩き操作により的5が叩かれるまでの時間である反応時間を計測する。また、制御部40(的移動時間計測部45)は、叩き操作により的5が叩かれてから、的5が退避位置βに移動した時間である的移動時間を計測する。制御部40は、計測した反応時間及び的移動時間を、記憶部60に記憶する。
【0051】
具体的には、反応時間は、制御部40が保持軸22を外すように的留め部26を制御したことで的5が叩き位置αまで移動し、センサ24がONになってから、的5が叩かれたことでセンサ24がOFFになったことを打撃判定部41が判定するまでの時間を計測することで、得ることができる。また、的移動時間は、的5が叩かれたことを打撃判定部41が判定してから、保持軸22が的留め部26にひっかかるまでの時間を計測することで、得ることができる。ここで、保持軸22が的留め部26にひっかかることは、例えば、的5のセンサ25がパッド支持部21の位置によって、そのパッド支持部21の動作が止まったことを検出してセンサ25がOFFの信号を制御部40に送信したり、的留め部26の留め回転部29が、フック留部27に保持軸22がかかっていることを検出してその信号を制御部40に送信したりすることで実現できる。
なお、的5は、叩き操作でプレイヤP1が与えた所定量以上の叩く力の作用によって、叩き位置αから退避位置βに移動する。退避位置βに移動した的5の保持軸22が的留め部26にひっかかることで、制御部40(的制御部43)は、的5を、退避位置βに移動された状態で保持する。
【0052】
ステップS36では、制御部40(入力データ生成部42)は、入力データを生成する。入力データとして、制御部40(打撃データ生成部42a、反転データ生成部42b)は、打撃データを生成する。この時、記憶部60を参照して「正対向プレイ」である場合には、制御部40(反転データ生成部42b)は、的の左右方向を反転した打撃データを生成する。他方、記憶部60を参照して「反転対向プレイ」である場合には、制御部40(打撃データ生成部42a)は、叩かれた的に対する打撃データを生成する。
例えば、的叩きゲーム機1AのプレイヤP1の利手が「右」で、プレイヤP1が所望する的叩きゲーム機1BのプレイヤP2の所望の利手が「左」である場合、つまり、プレイヤP1が、左利きのプレイヤと対戦したいと望んでいる場合には、的叩きゲーム機1Aの記憶部60には「反転対向プレイ」の旨が記憶されているので、打撃データ生成部42aが打撃データを生成する。
【0053】
また、制御部40(操作データ生成部42c)は、操作量を含む操作データを生成する。操作量は、上述のステップS35で計測した的移動時間に対応する。操作量は、プレイヤP1による的5の叩き具合に応じた量であり、より強く叩いた場合には、的移動時間が短くなるので、操作量は増加する。よって、生成する操作データは、弱く叩くほど、つまり、的移動時間が長いほど少なく、一方、強く叩くほど、つまり、的移動時間が短いほど多い操作量を含む。
的5には、叩き操作をしたプレイヤPの腕の運動量が伝達される。強く叩くほど、腕の運動量が大きくなる。伝達される運動量が大きいほど、的5が高速で回転移動する。
ステップS37では、制御部40は、生成した入力データとして打撃データ及び操作データを、通信部65を介して的叩きゲーム機1Bに送信する。
【0054】
ステップS38では、制御部40は、通信部65を介して的叩きゲーム機1Bから入力データを受信したか否かを判断する。入力データを受信した場合(ステップS38:YES)には、制御部40は、処理をステップS39に移す。他方、入力データを受信しない場合(ステップS38:NO)には、制御部40は、処理をステップS42に移す。
ステップS39では、制御部40(空気砲制御部50)は、受信した操作データの操作量に応じて、径変更部39を制御して、発射口32の径を変更する。径変更部39は、受信した操作データの操作量が多いほど、発射口32の径の大きさを小さくする。また、径変更部39は、操作量が少ないほど、発射口32の径の大きさを大きくする。このようにすることで、的叩きゲーム機1BでプレイヤP2が的5を強く叩いた場合には、的叩きゲーム機1Aの空気砲3から発射される空気の発射速度が大きくなる。
【0055】
このように、的叩きゲーム機1Bで生成した操作データには、操作の強弱に関する操作量を含むので、操作量を用いて的叩きゲーム機1Aの径変更部39が、空気砲3の発射口32の径の大きさを変更して、空気砲3から発射させる空気の勢いを変化させることができる。そして、操作量が大きい場合には、発射口32の径を小さくすることで、空気砲3から空気を発射させる勢いを強くし、操作量が小さい場合には、発射口32の径を大きくすることで、空気砲3から空気を発射させる勢いを弱くする。よって、的叩きゲームシステム100は、的5を叩く操作の強弱と、対戦プレイの相手の空気砲3から発射される空気の勢いの強弱を対応させることができる。また、プレイヤP1は、プレイヤP2の操作の強弱を、空気砲3から発射される空気の勢いを通じて体感することができる。
【0056】
ステップS40では、制御部40は、同期合わせ処理を行う。同期合わせ処理とは、的制御部43の処理と、画像表示制御部49の処理と、空気砲制御部50の処理とを同期して、これらの処理が同時に行われるように制御する処理をいう。
的制御部43の処理は、制御部40が打撃データを受信することで、打撃データに対応する的5を退避位置βから叩き位置αへと駆動するように制御する処理である。
画像表示制御部49の処理は、プレイヤP2が的5を叩く画像をモニタ6に表示する処理である。なお、制御部40は、画像と共に、プレイヤP2が的5を叩いた音に関しても同期を合わせる。
空気砲制御部50の処理は、空気砲3を発射するためのハンマ34を制御して空気を発射させる処理である。
【0057】
例えば、制御を開始してから空気砲3から空気が発射されるまでのタイムラグや、的叩きゲーム機1A,1B間での入力から出力までの時間等を、事前に何度も試行テストを行って、その結果の統計をとる。そして、各制御にかかる時間を調査してずれ時間を記憶部60に記憶しておき、記憶部60に記憶したずれ時間に基づいて各処理をずらして行うことで、同期合わせの制御が実現できる。例えば、的制御部43の処理が最も早く、空気砲制御部50の処理が最も遅い場合には、制御部40は、空気砲制御部50の処理の後に、画像表示制御部49の処理をし、最後に的制御部43の処理をすることで、同期を合わせることができる。
【0058】
ステップS41では、制御部40は、各種出力処理を行う。具体的には、制御部40(画像反転部48)は、記憶部60を参照して、「反転対向プレイ」である場合に、プレイヤP2の画像を反転させる。また、制御部40(画像反転部48)は、反転対向プレイであるか、正対向プレイであるかにかかわらず、プレイヤP1の画像を反転させる。
そして、制御部40(画像表示制御部49)は、モニタ6にプレイヤP2の画像を表示し、その一部に反転したプレイヤP1の画像を表示するように制御する。そして、制御部40は、音データをスピーカ4から出力する。
【0059】
このように、画像表示制御部49は、プレイヤP2の画像をモニタ6に表示するので、プレイヤP1は、プレイヤP2の画像を見ることができる。そして、プレイヤP1は、プレイヤP2の画像から、例えば、プレイヤP2の動きを捉えて、次にどの的が叩かれるかを想定してプレイができる。このように、的叩きゲームシステム100は、対戦感を出して、対戦プレイをよりリアルに再現することができる。
また、的叩きゲーム機1Aは、反転対向プレイを行う場合には、プレイヤP2の画像の左右方向を反転させてモニタ6に表示するので、的叩きゲーム機1Aの的5の位置の変化に応じて、プレイヤP2の画像を違和感のない状態で出力できる。
さらに、的叩きゲーム機1Aは、左右方向を反転させたプレイヤP1の画像を、プレイヤP1のモニタ6に表示するので、プレイヤP1は、自身の動きを見ながらプレイができる。よって、プレイヤP1は、自分のフォームを鏡で見るようにプレイができ、違和感なくプレイができる。
【0060】
また、ステップS41では、制御部40(的制御部43)は、留め回転部29を制御して保持軸22を外すことで、退避位置βの的5を、バネの力により叩き位置αに駆動させる。
さらに、制御部40(空気砲制御部50)は、ハンマ34(図5)を動作させて側面を叩くように制御して、空気砲3から空気を発射させる。
このように、的叩きゲームシステム100は、対戦相手のプレイヤP2の画像と、的制御部43による制御とを同期させて、プレイヤP2の画像をモニタ6に表示させる。画像データは、一般的に、的制御部43の制御を行う打撃データに比較してデータ量が多く、通信ネットワーク99を介したデータ伝送に時間がかかる。しかし、的叩きゲームシステム100は、伝送によるタイムラグを、同期させることで解消して、違和感のない一連となった処理を行うことができる。
【0061】
また、的叩きゲームシステム100は、的叩きゲーム機1Bから操作データを受信することで、対戦プレイの的叩きゲーム機1Aの空気砲3から空気を発射させる。よって、的叩きゲームシステム100は、プレイヤP2の的5を叩く操作に直接的に対応して、プレイヤP1がプレイする的叩きゲーム機1Aの空気砲3から空気を発射させるという、空気砲3を打ち合う新しい態様のプレイを行うことができる。そして、空気砲3から空気を発射させるタイミングは、操作データを受信したタイミングで空気砲3から空気を発射させるので、対戦するプレイヤPによって変わるものである。よって、プレイヤPは、対戦相手が変わるたびに、変化に富み、しかも、臨場感のあるプレイを体感できる。
さらに、的叩きゲームシステム100は、対戦相手のプレイヤP2の画像と空気砲3からの空気の発射とを同期させるので、対戦相手に攻撃されたことを、画像だけでなく、空気砲3から発射された空気の塊で体感できる。
【0062】
ここで、プレイヤP1の画像及びプレイヤP2の画像のモニタ6への表示例を、図12を用いて説明する。
図12(1)は、プレイヤP1が右手で的叩きゲーム機1Aの的5を叩く動作を、鉛直方向Zから下に向かって見た図である。
図12(2)は、図12(1)の場合に、的叩きゲーム機1Aのモニタ6への表示例である。ここで、プレイヤP2は、いずれも自分の右手を使って叩く動作を行っている。
図12(2)(a)は、正対向プレイを行う場合であり、図12(2)(b)は、反転対向プレイを行う場合である。
図12(2)は、いずれもモニタ6の右上部分にウィンドウが表示され、プレイヤP1の画像が表示されている。プレイヤP1の画像は、画像反転部48により反転されており、プレイヤP1がちょうど鏡に映ったかのように表示される。また、プレイヤP1の画像は、カメラ7で撮影したものを即時に反転させて表示したものであり、タイムラグは発生しない。
【0063】
図12(2)(a)のプレイヤP2の画像は、画像反転部48で反転させて表示したものである。また、図12(2)(b)のプレイヤP2の画像は、カメラ7で撮影したそのままの画像を表示したものである。いずれも、同期合わせを行ってから出力するので、プレイヤP2の動作よりも遅れて画像として表示される。
このように、的叩きゲーム機1AにプレイヤP2の画像を表示することで、あたかも現実に対戦しているような気分を味わうことができる。また、例えば、フェイントのように、対戦相手をだますような動きをすることで、対戦相手に動揺を与えて、より面白味のあるプレイをすることができる。
【0064】
図10に戻って、ステップS42では、プレイ終了時間(例えば、プレイが3分程度経過した場合等)になったか否かを判断する。プレイ終了時間になった場合(ステップS40:YES)には、制御部40は、本処理を終了する。他方、プレイ終了時間になっていない場合(ステップS40:NO)には、制御部40は、処理をステップS34に移す。
なお、本処理を終了するものとして、プレイ終了時間になる前であっても、例えば、プレイヤP1が全ての的5を叩いた状態、つまり的叩きゲーム機1Aの全ての的5が退避位置βにある状態で10秒経過した場合に、相手のプレイヤP2が「KO」で負けたものとしてもよい。
【0065】
このように、的叩きゲームシステム100では、的叩きゲーム機1Aの複数の的5の移動が、的叩きゲーム機1BでプレイヤP2が的5を叩く操作に連動して行われるので、対戦相手が異なれば、的5が叩かれるタイミングが異なるものになる。よって、的叩きゲームシステム100は、予めパターン化されたものを読み出して的5を移動させるものとは異なり、プレイに飽きられにくくすることができる。
また、的叩きゲームシステム100は、プレイヤP1の利手と、対戦相手として所望の利手とを入力することで、常に所望の利手のプレイヤと対戦可能にすることができる。具体的には、制御部40が、プレイヤP1の所望の利手とプレイヤP2の利手とから、プレイヤP2が右の的5を叩いた場合には、プレイヤP1の左の的5の位置を変化させる正対向プレイを行うか、プレイヤP2が右の的5を叩いた場合には、プレイヤP1の右の的5の位置を変化させる反転対向プレイを行うか、を決定するので、いつでも所望の利手のプレイヤを相手にプレイをすることができる。
【0066】
プレイを終了することで、図6に戻って、ステップS10では、制御部40は、勝敗を決定する。勝敗は、制御部40(得点付与部46)が、例えば、記憶部60に記憶した反応時間及び的移動時間を各々集計して、各々の得点を合計して総得点を算出する。その結果、制御部40は、総得点の高いプレイヤPを勝者に決定する。その後、制御部40は、本処理を終了する。
【0067】
このように、得点付与部46は、的5が叩ける状態になってから、実際に叩かれるまでの反応時間を計測して、得点を付与する。得点は、反応時間が短いほど高くなるので、敏捷性を必要とする面白い態様のプレイができる。また、得点付与部46は、的5が叩かれたことを検出してから、移動して退避位置βに至るまでの的移動時間を計測して、得点を付与する。得点は、的移動時間が短いほど高くなるので、的5を叩く強さやスピードを要求する面白い態様のプレイができる。
【0068】
的叩きゲームシステム100は、対戦プレイをする2台の的叩きゲーム機1A,1Bを用いて、的5が叩かれたことで生成されるプレイヤPの打撃データを、通信ネットワーク99を介して2台の的叩きゲーム機1A,1Bの間で送受信して、的5の位置を変化させる。よって、双方の的叩きゲーム機1A,1BのプレイヤP1,P2は、擬似的に実際に直接対決をするような臨場感を得ることができる。そして、的叩きゲームシステム100は、プレイヤP1,P2同士で駆け引きをしながら対戦プレイをさせることができるので、プレイヤP1,P2の対戦感を満たすプレイができる。
【0069】
(第2実施形態)
次に、本発明を適用した空気砲の第2実施形態について説明する。
第2実施形態の空気砲は、プレイ結果に応じて空気を発射させるものである。
なお、以下の説明及び図面において、上述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
【0070】
図13は、第2実施形態に係る様々な空気砲203(203X,203Y)の構造を簡略化した図である。
図14は、第2実施形態に係る的叩きゲーム機201(201X,201Y)の機能ブロックのうち空気砲203に関する部分を抜き出して示す図である。
図13(a)の空気砲203Xは、大小あわせて3個の発射口232a,232b,232cを備えたものである。
図13(b)の空気砲203Yは、可変の貯留部231Yを備えたものである。
図14(a)は、図13(a)に対応し、図14(b)は、図13(b)に対応する。
【0071】
図13(a)の空気砲203Xにおいて、貯留部231Xは、一定量の空気を溜める容器である。
発射口232a,232b,232cは、各々開状態と閉状態とを変更可能にする。発射口232a,232b,232cは、次に説明する発射口塞部239Xの制御により、1つの発射口232を開状態にし、残りの発射口232を閉状態にする。
図14(a)に示すように、空気砲203Xは、発射口塞部239Xを有する。発射口塞部239Xは、複数の発射口232a,232b,232cの各々について、開状態と閉状態とを制御する。
【0072】
制御部240Xの空気砲制御部250Xは、操作量に応じて発射口塞部239Xを制御して、操作量が大きければ、開口が小さい発射口232cを開状態にして、残りの発射口232a,232bを閉状態にする。また、空気砲制御部250Xは、操作量が小さければ、開口の大きい発射口232aを開状態にして、残りの発射口232b,232cを閉状態にする。操作量が中程度であれば、開口が中間の大きさの発射口232bを開状態にして、残りの発射口232a,232cを閉状態にする(図13(a)参照)。さらに、空気砲制御部250Xは、操作量を記憶部60(操作量蓄積部)に蓄積させることで、勝敗決定処理(図6のステップS10)において、記憶部60に蓄積した操作量に対応する空気を、敗者の空気砲203Xから発射させる。
【0073】
このように、的叩きゲーム機201Xは、空気砲203Xに設けられた開口の径の大きさが異なる複数の発射口232a〜232cから1つの発射口232bを選択して、発射口塞部239Xにより開状態にする。そして、的叩きゲーム機201Xは、発射口塞部239Xにより残りの発射口232a,232cを閉状態にする。よって、発射口232を1つ選択して、開口の径の大きさに応じた空気を空気砲203Xから発射させることで、発射される空気の勢いに強弱をつけることができる。
【0074】
図13(b)の空気砲203Yにおいて、貯留部231Yは、空気を溜める容器である。貯留部231Yは、貯留量変更部239Yの制御により、その大きさを、貯留部231Yを構成する部材の重なり部分を変化させることで、変更可能になっている。
発射口232dは、1つの開口部を有する。
図14(b)に示すように、空気砲203Yは、貯留量変更部239Yを有する。貯留量変更部239Yは、大きさを変更可能な貯留部231Yの大きさを変更するように制御する。
制御部240Yの空気砲制御部250Yは、操作量に応じて貯留量変更部239Yを制御して、操作量が大きければ貯留量が多くなるように、貯留部231Yの奥側Y2の面をさらに奥側Y2にスライドさせる。また、空気砲制御部250Xは、操作量が小さければ貯留量が少なくなるように、貯留部231Yの奥側Y2の面を手前側Y1にスライドさせる。なお、貯留部231Yの貯留量が大きくなるにつれて、より大きな力でハンマを叩く必要がある。さらに、空気砲制御部250Yは、操作量を記憶部60(操作量蓄積部)に蓄積させることで、勝敗決定処理(図6のステップS10)において、敗者の空気砲203Yから空気を発射させる。
【0075】
このように、的叩きゲーム機201Yは、貯留量変更部239Yを有するので、空気砲203Yの空気の貯留量を変更することができる。よって、的叩きゲーム機201Yは、空気の貯留量に応じて空気を空気砲203Yから発射させることで、発射される空気の勢いに強弱をつけることができる。
また、的叩きゲーム機201は、操作量を記憶部60に蓄積して、勝敗決定処理にて敗者に決定した的叩きゲーム機201の空気砲203から、蓄積された操作量に応じた勢いで空気を発射させるので、空気砲203から発射された空気の勢いにより、敗者に敗北感を体感させることができる。
【0076】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、上述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0077】
(変形形態)
(1)各実施形態において、6個の的を有する的叩きゲーム機の例を示したが、的の数はこれに限定されない。例えば、8個でも10個でもよい。また、左右に有する的だけでなく、中央にも的を有してもよい。
【0078】
(2)各実施形態において、的叩きゲーム機は1つのモニタを有して、対戦プレイ中は、対戦相手のプレイヤの画像の一部にプレイヤ自身の画像を表示するものを例に示したが、これに限定されない。例えば、的叩きゲーム機に2つのモニタを有して、一方に対戦相手のプレイヤの画像を表示し、他方にプレイヤ自身の画像を表示するようにしてもよい。このようにすることで、対戦相手のプレイヤの画像をより見やすくプレイヤに提供できる。
【0079】
(3)各実施形態において、的の叩き操作により空気砲が空気を発射するものとしたが、これに限定されない。例えば、ボタンを操作することで、空気砲が空気を発射するものとしてよい。より具体的には、所定時間でのボタンの連打の回数に応じた操作量を用いて、空気砲から発射させる空気の勢いを変化させてもよい。また、空気砲が空気を発射するものとして、的叩きゲームに限定されない。プレイヤの操作に応じて、プレイ相手に対して空気砲から空気を発射させるようなものであれば、他の種類のゲームにおいても用いることができる。
【0080】
(4)各実施形態において、反応時間は、叩き位置に的が移動してからその的が叩かれるまでの間の時間としたが、これに限定されない。例えば、叩き位置に的が移動する前の、退避位置から叩き位置に的が移動を始めてから、その的が叩かれるまでの時間であってもよい。
【符号の説明】
【0081】
1,1A,1B,201,201X,201Y…的叩きゲーム機、 3,203,203X,203Y…空気砲、 5,5RU,5RM,5Rd,5LU,5LM,5LD…的、 6…モニタ、 7…カメラ、 9B,9BR,9BL…ボタン、 20…パッド、 22…保持軸、 23…取付部材、 24,25…センサ、 26…的留め部、 31,231X,231Y…貯留部、 32,232,232a〜232d…発射口、 39…径変更部、 40,240X、240Y…制御部、 41…打撃判定部、 42…入力データ生成部、 42a…打撃データ生成部、 42b…反転データ生成部、 42c…操作データ生成部、 43…的制御部、 44…反応時間計測部、 45…的移動時間計測部、 46…得点付与部、 47…属性判定部、 48…画像反転部、 49…画像表示制御部、 50,250X、250Y…空気砲制御部、 60…記憶部、 61…ゲームプログラム、 65…通信部、 99…通信ネットワーク、 100,200…的叩きゲームシステム、 239X…発射口塞部、 239Y…貯留量変更部、 α…叩き位置、 β…退避位置、 P1,P2…プレイヤ
【技術分野】
【0001】
本発明は、的叩きゲーム機を用いた的叩きゲームシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、前面側に叩き用の的が設けられた複数のゲーム装置が通信手段を介して信号の送受信可能になっている的叩きゲーム装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−85804号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の的叩きゲーム装置は、2人以上のプレイヤで同一ゲームを行って、各プレイヤの得点により勝敗を決める競争をするものであり、対戦する要素に乏しいものであった。
【0005】
本発明の課題は、対戦の要素を加えてプレイヤの対戦感を満たすことが可能な的叩きゲームシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。また、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
【0007】
第1の発明は、叩き用の的(5)を有した複数の的叩きゲーム機(1)が通信ネットワーク(99)を介して接続された的叩きゲームシステム(100)において、前記的叩きゲーム機の各々は、前記的が、プレイヤ(P)による叩き操作が可能な位置である叩き位置(α)と、前記叩き位置に配置された状態で前記プレイヤが叩き操作をすることで移動する退避位置(β)との間で移動可能に保持する保持部(23)と、前記保持部により保持された前記的が叩き操作に応じて前記叩き位置から前記退避位置へと移動された状態を維持し、前記退避位置から前記叩き位置へと前記的を駆動するように制御する的制御部(43)と、前記叩き位置にある前記的の前記プレイヤによる叩き操作を検出する打撃検出部(24,25)と、前記打撃検出部による出力に応じて、叩かれた前記的の打撃データを生成する打撃データ生成部(42a)と、他の前記的叩きゲーム機との間でデータを送受信する通信部(65)と、を備え、一の前記的叩きゲーム機(1A)の前記的が前記叩き位置にあり、前記一の的叩きゲーム機と前記通信ネットワークを介して対戦プレイをする前記他の的叩きゲーム機(1B)の前記的が前記退避位置にある状態において、前記一の的叩きゲーム機の前記的制御部は、叩き操作に応じて前記的が前記退避位置に移動された状態を維持するように制御し、前記一の的叩きゲーム機の前記通信部は、前記打撃検出部の出力に応じて前記打撃データを前記他の的叩きゲーム機に対して送信し、前記他の的叩きゲーム機の前記通信部は、前記一の的叩きゲーム機から前記打撃データを受信し、前記他の的叩きゲーム機の前記的制御部は、前記打撃データに基づいて前記的を前記退避位置から前記叩き位置へと駆動するように制御すること、を特徴とする的叩きゲームシステムである。
第2の発明は、第1の発明の的叩きゲームシステム(100)において、前記的叩きゲーム機(1)の各々は、前記的(5)に対する叩き操作が可能になってから前記打撃検出部(24,25)が出力するまでの時間を計測する反応時間計測部(44)と、前記反応時間計測部により計測された反応時間が短いほど高い得点を付与する得点付与部(46)と、を備えること、を特徴とする的叩きゲームシステムである。
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明の的叩きゲームシステム(100)において、前記的叩きゲーム機(1)の各々は、前記打撃検出部(24,25)が前記的(5)の叩き操作を検出してから前記的制御部(43)が前記退避位置(β)へと前記的が移動された状態を維持するように制御するまでの時間を計測する的移動時間計測部(45)と、前記的移動時間計測部により計測された的移動時間が短いほど高い得点を付与する得点付与部(46)と、を備えること、を特徴とする的叩きゲームシステムである。
第4の発明は、第1の発明から第3の発明までのいずれかの的叩きゲームシステム(100)において、前記叩き位置(α)と前記プレイヤ(P)との距離は、前記退避位置(β)と前記プレイヤとの距離よりも小さいこと、を特徴とする的叩きゲームシステムである。
第5の発明は、第1の発明から第4の発明までのいずれかの的叩きゲームシステム(100)において、前記的叩きゲーム機(1)の各々は、前記的(5)が前記プレイヤ(P)の左右方向に少なくとも2つ配置されており、叩かれた前記的の打撃データを、前記的の左右方向を反転して生成する反転データ生成部(42b)を備え、前記他の的叩きゲーム機(1B)の前記的制御部(43)は、前記反転データ生成部により生成された前記打撃データに対応する的を前記退避位置(β)から前記叩き位置(α)へと駆動する正対向プレイを行うように制御すること、を特徴とする的叩きゲームシステムである。
第6の発明は、第1の発明から第4の発明までのいずれかの的叩きゲームシステム(100)において、前記的叩きゲーム機(1)の各々は、前記的(5)が前記プレイヤ(P)の左右方向に少なくとも2つ配置されており、前記他の的叩きゲーム機(1B)の前記的制御部(43)は、前記打撃データ生成部(42a)により生成された前記打撃データに対応する的を前記退避位置(β)から前記叩き位置(α)へと駆動する反転対向プレイを行うように制御すること、を特徴とする的叩きゲームシステムである。
第7の発明は、第1の発明から第5の発明までのいずれかの的叩きゲームシステム(100)において、前記的叩きゲーム機(1)の各々は、前記プレイヤ(P)を撮影する撮影部(7)と、画像を表示する画像表示部(6)と、を備え、前記一の的叩きゲーム機(1A)の前記通信部(65)は、前記撮影部で撮影して取得した前記プレイヤの画像を、前記他の前記的叩きゲーム機(1B)に対して送信し、前記他の前記的叩きゲーム機の前記画像表示部は、前記一の的叩きゲーム機から受信した対戦相手の前記プレイヤの画像を表示すること、を特徴とする的叩きゲームシステムである。
第8の発明は、第6の発明の的叩きゲームシステム(100)において、前記的叩きゲーム機(1)の各々は、前記プレイヤ(P)を撮影する撮影部(7)と、画像を表示する画像表示部(6)と、前記撮影部で撮影して取得した画像を左右方向に反転させる画像反転部(48)と、を備え、前記一の的叩きゲーム機(1A)の前記通信部(65)は、前記撮影部で撮影して取得した前記プレイヤの画像を、前記他の前記的叩きゲーム機(1B)に対して送信し、前記他の前記的叩きゲーム機の前記画像表示部は、前記一の的叩きゲーム機から受信し前記画像反転部により反転させた対戦相手の前記プレイヤの画像を表示すること、を特徴とする的叩きゲームシステムである。
第9の発明は、第7の発明又は第8の発明の的叩きゲームシステム(100)において、前記的叩きゲーム機(1)の各々は、前記撮影部(7)で撮影して取得した画像を左右方向に反転させる画像反転部(48)を備え、前記他の前記的叩きゲーム機(1B)の前記画像表示部(6)は、その一部に、前記画像反転部により画像を反転させた前記他の的叩きゲーム機の前記プレイヤ(P)の画像を表示すること、を特徴とする的叩きゲームシステムである。
第10の発明は、第7の発明又は第8の発明の的叩きゲームシステム(100)において、前記的叩きゲーム機(1)の各々は、前記画像表示部(6)を制御する画像表示制御部(49)を備え、前記他の的叩きゲーム機(1B)の前記画像表示制御部は、前記対戦相手のプレイヤ(P)の画像を、前記的制御部(43)による制御と同期させて前記画像表示部に表示させること、を特徴とする的叩きゲームシステムである。
第11の発明は、第1の発明から第4の発明までのいずれかの的叩きゲームシステム(100)において、前記的叩きゲーム機(1)の各々は、前記的(5)が前記プレイヤ(P)の左右方向に少なくとも2つ配置されており、前記プレイヤの所望の利手情報及び前記プレイヤの利手情報を入力する属性入力部(9B)と、叩かれた前記的の打撃データを、前記的の左右方向を反転して生成する反転データ生成部(42b)と、前記属性入力部での前記プレイヤの所望の利手情報と、対戦相手の前記的叩きゲーム機で入力されたプレイヤの利手情報とが異なるか否かを判定する属性判定部(47)と、を備え、前記他の的叩きゲーム機(1B)の前記的制御部(43)は、前記属性判定部により前記属性入力部での前記プレイヤの所望の利手情報と、対戦相手の前記的叩きゲーム機で入力されたプレイヤの利手情報とが異なると判定された場合に、前記打撃データ生成部(42a)により生成された前記打撃データに対応する的(5)を前記退避位置(β)から前記叩き位置(α)へと駆動する反転対向プレイを行うように制御し、前記属性判定部により前記属性入力部での前記プレイヤの所望の利手情報と、対戦相手の前記的叩きゲーム機で入力されたプレイヤの利手情報とが同じであると判定された場合に、前記反転データ生成部により生成された前記打撃データに対応する的を前記退避位置から前記叩き位置へと駆動する正対向プレイを行うように制御すること、を特徴とする的叩きゲームシステムである。
第12の発明は、第11の発明の的叩きゲームシステム(100)において、前記的叩きゲーム機(1)の各々は、前記プレイヤ(P)を撮影する撮影部(7)と、画像を表示する画像表示部(6)と、前記撮影部で撮影して取得した画像を左右方向に反転させる画像反転部(48)と、を備え、前記一の的叩きゲーム機(1A)の前記通信部(65)は、前記撮影部で撮影して取得した前記プレイヤの画像を、前記他の前記的叩きゲーム機(1B)に対して送信し、前記他の前記的叩きゲーム機の前記画像表示部は、前記的制御部(43)が正対向プレイを行う場合には、前記一の的叩きゲーム機から受信した前記対戦相手のプレイヤの画像を表示し、前記的制御部が反転対向プレイを行う場合には、前記一の的叩きゲーム機から受信し前記画像反転部により反転させた前記対戦相手のプレイヤの画像を表示すること、を特徴とする的叩きゲームシステムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本発明は、対戦プレイをする2台の的叩きゲーム機が通信ネットワークを介して接続されており、一の的叩きゲーム機の的が叩かれてその位置が叩き位置から退避位置へ変化することで、他の的叩きゲーム機の的の位置が退避位置から叩き位置へと変化する。よって、的が叩かれたことで生成されるプレイヤの打撃データが、通信ネットワークを介して2台の的叩きゲーム機の間で送受信されて、打撃データによって的の位置が変化することで、双方の的叩きゲーム機のプレイヤに、擬似的に実際に直接対決をするような臨場感を与えることができる。また、対戦プレイを行うプレイヤ同士で駆け引きをしながらプレイができ、プレイヤの対戦感を満たすことができる。さらに、対戦相手が異なれば的が叩かれるタイミングが異なるので、対戦相手の癖を感じながらプレイをすることができ、マンネリ化しにくく飽きにくいプレイを実現できる。
【0009】
(2)本発明は、的が叩ける状態になってから、実際に叩かれるまでの反応時間を計測して、得点を付与する。得点は、反応時間が短いほど高くなるので、敏捷性を必要とする面白い態様のプレイができる。
(3)本発明は、的が叩かれたことを検出してから、移動して退避位置に至るまでの的移動時間を計測して、得点を付与する。得点は、的移動時間が短いほど高くなるので、的を叩く強さやスピードを要求する面白い態様のプレイができる。
(4)本発明は、的の叩き位置とプレイヤとの距離が、的の退避位置とプレイヤとの距離よりも短いので、プレイヤが的を叩くことで的がプレイヤから離れていき、対戦プレイの相手が的を叩くことで的がプレイヤに近づいてくるといった、臨場感溢れるプレイを行うことができる。
【0010】
(5)本発明は、左右方向に少なくとも2つ配置された的を備えるので、実際のボクシングに近い状態で、プレイヤは、叩く操作を行うことができる。また、複数の的の位置の変化は、対戦相手のプレイヤの的を叩く操作に連動して行われるので、予めパターン化されたものではない。対戦相手によりそのパターンが変化するものであるので、プレイに飽きられにくくすることができる。さらに、的が叩かれたことで生成される打撃データを的の左右方向を反転して生成するので、対戦相手が右の的を叩いた場合には、プレイヤ自身の左の的の位置が変化するので、対戦相手とプレイヤ自身とが向かい合ってプレイを行う正対向プレイを実現できる。
【0011】
(6)本発明は、対戦相手が右の的を叩いた場合には、プレイヤ自身の右の的の位置が変化するので、対戦相手とプレイヤ自身とが向かい合った時に叩いた的とは左右方向が逆である的の位置を変化させる反転対向プレイを実現できる。
(7)本発明は、プレイヤの画像を撮影して対戦相手の画像表示部に表示することができる。よって、対戦相手の画像を見ることで、例えば、次にどの的が叩かれるかを、対戦相手の動きから想定してプレイができるので、対戦感を出して、対戦プレイをよりリアルに再現することができる。
【0012】
(8)本発明は、反転対向プレイを行う場合には、対戦相手のプレイヤの画像の左右方向を反転させて対戦相手の画像表示部に表示するので、位置が変化したプレイヤが操作する的と、対戦相手のプレイヤの叩き操作の画像とを、違和感のないように出力できる。
(9)本発明は、プレイヤの画像を撮影して、左右方向を反転させてプレイヤ自身の画像を表示するので、プレイヤが自身の動きを見ながらプレイができる。よって、ボクシング等で、鏡を見ながら自分のフォームをチェックするのと同等のことが実現できる。
【0013】
(10)本発明は、対戦相手のプレイヤの画像と、的制御部による制御とを同期させて、対戦相手のプレイヤの画像を画像表示部に表示させる。画像データは、的制御部の制御を行う打撃データに比較してデータ量が多く、データ伝送に時間がかかるが、同期させることでタイムラグを解消して、違和感のない一連となった処理を行うことができる。
(11)本発明は、プレイヤの利手と、対戦相手として所望の利手とを入力することで、プレイヤの利手と、実際の対戦相手の所望の利手とが一致するか否かにかかわらず、常に所望の利手のプレイヤの対戦を実現できる。具体的には、対戦相手の利手と、実際の対戦相手の所望の利手とから、正対向プレイを行うか、反転対向プレイを行うかを決定することで実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1実施形態に係る的叩きゲームシステムの全体構成を示す図である。
【図2】第1実施形態に係る的叩きゲーム機の正面図である。
【図3】第1実施形態に係る的叩きゲーム機のA−A線による平面断面図である。
【図4】第1実施形態に係る的叩きゲーム機の機能ブロックを示す図である。
【図5】第1実施形態に係る空気砲の構造を簡略化した図である。
【図6】第1実施形態に係る的叩きゲーム機のメイン処理のフローチャートである。
【図7】第1実施形態に係るマッチング処理のフローチャートである。
【図8】第1実施形態に係るモニタの表示例を示す図である。
【図9】第1実施形態に係る正対向プレイ及び反転対向プレイを示す図である。
【図10】第1実施形態に係るプレイ実行処理のフローチャートである。
【図11】第1実施形態に係るモニタの表示例を示す図である。
【図12】第1実施形態に係るプレイヤのモニタへの表示例を示す図である。
【図13】第2実施形態に係る様々な空気砲の構造を簡略化した図である。
【図14】第2実施形態に係る的叩きゲーム機の機能ブロックのうち空気砲に関する部分を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る的叩きゲームシステム100の全体構成を示す図である。
図2は、第1実施形態に係る的叩きゲーム機1の正面図である。
図1に示すように、的叩きゲームシステム100は、2台以上(複数台)の的叩きゲーム機1(1A,1B,…)が、通信ネットワーク99を介して接続されている。的叩きゲームシステム100は、そのうち2台の的叩きゲーム機1(1A,1B)を用いて、プレイヤP(P1,P2)による叩き操作で得た得点により勝敗を競う、対戦プレイを行うシステムである。
【0016】
的叩きゲーム機1は、例えば、ゲームセンタ等の店舗に設置され、左右方向Xが1.5m、奥行方向Yが1m、鉛直方向Zが2m程度の大型の業務用ゲーム機である。的叩きゲーム機1は、複数台が同一店舗に設置されていてもよいし、異なる店舗に設置されていてもよい。
通信ネットワーク99は、例えば、インターネット等であり、的叩きゲーム機1同士でデータの伝送を行うための通信網である。
【0017】
図2に示すように、的叩きゲーム機1は、ケース2と、空気砲3と、スピーカ4と、計6つの的5と、モニタ6(画像表示部)と、カメラ7(撮影部)と、マイク8と、操作台9と、コイン投入口10と、コイン排出口11とを備える。
ケース2は、的叩きゲーム機1のケースである。
空気砲3は、プレイヤPに向けて空気を発射させる装置である。空気砲3は、ケース2の上側Z1の中央に配置され、手前側Y1に設けられた発射口32が、プレイヤPの立ち位置に向けて開口されている。
スピーカ4は、効果音等を出力する装置である。スピーカ4は、ケース2の上側Z1の手前側Y1であって左右方向Xに、計2つ配置されている。スピーカ4は、プレイ中に対戦相手が的5を叩いた効果音や、BGM(background music)等の音楽を出力し、臨場感溢れるプレイを演出する。
【0018】
的5は、左右方向Xに2つ並び、それらを1セットとして鉛直方向Zの上中下の位置にそれぞれ1セットずつ計3セットが配置されており、プレイヤPが叩く操作を行うための装置である。的5は、その個々の配置位置から、右上の的5RU、右中の的5RM、右下の的5RD、左上の的5LU、左中の的5LM、左下の的5LDの合計6つの的を有する。的5は、プレイヤPの胸の位置あたりを中心に上下に配置されることが望ましい。的5は、プレイヤPが叩くことができる位置(叩き位置α)と、プレイヤPが叩くことができない位置(退避位置β)との間を回転移動可能に保持される(図3参照)。プレイヤPが叩くことができる位置の的5に対して、プレイヤPにより叩く操作が行われると、その的5は、プレイヤPとの距離が段々と離れるように移動して、プレイヤPが叩くことができない位置に移動する。このように、的叩きゲーム機1は、左右方向Xに2つずつ、鉛直方向Zの上下に3つずつの計6つが配置された的5を備えるので、プレイヤPは、実際のボクシングのように打ち位置を変えてプレイができる。
【0019】
モニタ6は、対戦相手のプレイヤPの画像や、プレイヤP自身の画像を表示する液晶表示装置等の表示装置である。モニタ6は、プレイヤPが見ながらプレイができるように、プレイ中のプレイヤPが視認可能であり、的5よりも奥側Y2であって、的5が叩き位置αと退避位置βとの間を移動してもぶつからない位置に配置されている。
カメラ7は、プレイヤPを撮影する装置である。カメラ7は、プレイヤPの表情を撮影するために、モニタ6の上端であり、プレイヤPの顔の付近の高さに配置する。
マイク8は、的5が叩かれた際に、的5から生じる音を集音する装置である。マイク8は、モニタ6の上端に配置して、的5を叩く音を集音する。
【0020】
操作台9は、プレイヤPの腰の位置付近の高さに手前側Y1に突出して配置され、プレイヤPの左右の手による操作入力を受け付ける。操作台9には、2つのボタン9B(属性入力部)が設けられている。より具体的には、左右方向Xの左側X1にボタン9BLが、右側X2にボタン9BRが設けられている。
コイン投入口10は、コインを投入するための投入口である。コイン投入口10の内部には、投入されたコインを検出する光学センサ(図示せず)等が設けられており、この光学センサ等がコインを検出すると、制御部40(後述する)に検出信号を出力し、制御部40がプレイ料金の受け付け処理を行う。所定のコインを投入することで、的叩きゲーム機1は、後述する一連の処理を開始する。
【0021】
コイン排出口11は、例えば、プレイを開始する前にプレイヤPが自発的にプレイを終了した場合等に、プレイのために投入したコインを返却する排出口である。
なお、ケース2には、プレイヤPが誤ってケース2を叩いた場合等を考慮して、的5の付近の手前側Y1の位置にクッション部材12が取り付けられている。
【0022】
次に、的5の機構について説明する。
図3は、第1実施形態に係る的叩きゲーム機1のA−A線(図2参照)による平面断面図である。
実線で示す左側X1の左上の的5LUの叩き位置αは、左上の的5LUが最も手前側Y1に起きた位置である。他方、2点鎖線で示す左上の的5LUの退避位置βは、左上の的5LUが最も奥側Y2に倒れた位置である。退避位置βにある左上の的5LUは、プレイヤPが的叩きゲーム機1の正面に立った状態で叩くことができない。このように、的5の叩き位置αとプレイヤPとの距離が、的5の退避位置βとプレイヤPとの距離よりも短いので、プレイヤPが的5を叩くことで的5がプレイヤPから離れていき、後述する所定の条件により的5がプレイヤPに近づいてくるといった、臨場感溢れるプレイができる。
【0023】
的5は、パッド20と、パッド支持部21と、保持軸22と、取付部材23(保持部)とを備える。
また、センサ24,25の2つのセンサを備える。
さらに、的5が退避位置βにある状態を保持する的留め部26を、取付部材23の奥側Y2に備える。的留め部26は、フック留部27と、ストッパ28と、留め回転部29とを有する。
【0024】
パッド20は、プレイヤPが実際に手で叩く部材である。パッド20は、その外表面を覆うように、衝撃吸収材が設けられている。パッド20の衝撃吸収材は、プレイヤPの叩き操作による手への衝撃を低減するのに有用である。
パッド支持部21は、パッド20を支持する部材である。パッド支持部21は、パッド20が叩かれた際には、パッド20と一体となってM1方向に回転移動する。
保持軸22は、パッド20が叩かれる側とは反対側に設けられた部材である。保持軸22は、退避位置βに移動した的5がフック留部27により留めることが可能な位置に設けられる。
【0025】
取付部材23は、ケース2にパッド支持部21を取り付ける部材である。取付部材23は、その内部にねじりコイルバネ(図示せず)を備える。ねじりコイルバネは、パッド支持部21を退避位置βから叩き位置αの方向(矢印M2方向)に付勢する。
センサ24,25(打撃検出部)は、パッド支持部21の動作を検出する検出装置である。具体的には、センサ24,25は、パッド支持部21の移動状況から、パッド20の位置の変化を検出する。例えば、センサ24は、的5が叩き位置αになるとONになり、センサ25は、的5が退避位置βになるとONになるマイクロスイッチである。
【0026】
フック留部27は、的5が退避位置βに位置した際に、勢いよく移動してきた的5の保持軸22を掛かり止めて、的5を退避位置βに保持する部材である。
ストッパ28は、的5が叩かれて回転移動してきたときに、退避位置βよりもさらにM1方向へ回転しないようにするストッパである。ストッパ28は、衝撃吸収部材により形成される。
留め回転部29は、制御部40(図4参照)からの信号を受けて、保持軸22を外す方向にフック留部27を移動させるものである。留め回転部29は、例えば、ソレノイド等の駆動装置を備え、フック留部27を回転移動する。
【0027】
次に、的叩きゲーム機1の機能ブロックについて説明する。
図4は、第1実施形態に係る的叩きゲーム機1の機能ブロックを示す図である。
的叩きゲーム機1は、図1から図3で説明した空気砲3と、スピーカ4と、的5と、モニタ6と、カメラ7と、マイク8と、ボタン9Bと、コイン投入口10と、コイン排出口11と、センサ24,25と、留め回転部29とを備える他、制御部40と、記憶部60と、通信部65とを備える。
【0028】
制御部40は、打撃判定部41と、入力データ生成部42と、的制御部43と、反応時間計測部44と、的移動時間計測部45と、得点付与部46と、属性判定部47と、画像反転部48と、画像表示制御部49と、空気砲制御部50とを備える。
制御部40は、情報の演算、及び処理を行う情報演算処理装置(CPU)であり、当該的叩きゲーム機1の全体を制御するものである。制御部40は、記憶部60に記憶されたゲームプログラム61等を適宜読み出して実行することにより、的叩きゲーム機1のハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
【0029】
打撃判定部41は、叩き位置αにある的5に対して、プレイヤPによる叩き操作がされたか否かを判定する制御部である。
入力データ生成部42は、さらに、打撃データ生成部42aと、反転データ生成部42bと、操作データ生成部42cとを有する。
【0030】
打撃データ生成部42aは、的5が叩かれたことで、6つの的5のうち叩かれた各的5を識別する情報を含む打撃データを生成する。例えば、右上の的5RUが叩かれた場合には、右上の的5RUが叩かれたことを示す打撃データを生成する。
反転データ生成部42bは、的5が叩かれたことで、6つの的5のうち叩かれた各的5を識別する情報に対して左右方向の情報を入れ替えた打撃データを生成する。例えば、右上の的5RUが叩かれた場合に、左上の的5LUが叩かれたことを示す打撃データを生成する。
操作データ生成部42cは、的5が叩かれたことで、後述する的移動時間計測部45により計測された的移動時間から、的5が叩かれた強さを示す操作量を算出して、操作量を含む的5が叩かれたことを示すデータを生成する。
【0031】
的制御部43は、パッド支持部21により支持された的5に対してプレイヤPによる叩き操作があり、その叩く力によって的5が叩き位置αからM1方向に移動して退避位置βに配置された場合に、その退避位置βの状態を維持する。また、的制御部43は、後述する所定の条件により、退避位置βからM2方向に移動して叩き位置αへと的5を駆動するように制御する。
反応時間計測部44は、的制御部43が退避位置βの的5を叩き位置αへM2方向に駆動してするように制御して、的5が叩き位置αに配置されてから、センサ24がその的5の叩き操作を検出するまでの時間を計測する。例えば、センサ24がONになってからOFFになるまでの時間に基づいて、反応時間を演算する。
【0032】
的移動時間計測部45は、センサ24,25が的5の叩き操作を検出してから、退避位置βへと移動された的5の状態を維持するように制御するまでの時間を計測する。例えば、センサ24がONからOFFになってから、センサ25がOFFからONになるまでの時間に基づいて、的移動時間を演算する。
得点付与部46は、反応時間計測部44により計測された反応時間が短いほど、高い得点を付与する。また、得点付与部46は、的移動時間計測部45により計測された的移動時間が短いほど、高い得点を付与する。
【0033】
属性判定部47は、属性入力部からの操作により、プレイヤPが対戦相手として所望する利手情報と、対戦相手の的叩きゲーム機1で入力されたプレイヤPの利手情報とが異なるか否かを判定する制御部である。なお、属性判定部47の判定結果に基づいて、対戦相手の的叩きゲーム機1に送信する打撃データの生成が行われる。
画像反転部48は、カメラ7で撮影して取得した画像を左右方向に反転させる制御部である。
画像表示制御部49は、画像をモニタ6に表示させるための制御部である。
空気砲制御部50は、空気砲3を制御する制御部である。
これらの各制御部の処理の詳細は、後述する。
【0034】
記憶部60は、ゲームプログラム61を備える。
記憶部60を実現するものとしては、電気的、磁気的、光学的、電磁的に実現するものを含んでよい。より具体的には、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、リード・オンリー・メモリ(ROM)等を含む半導体記憶装置、磁気ディスク等が含まれる。
ゲームプログラム61は、制御部40がこのゲームのプレイを実行するためのプログラムであり、例えば、プレイ画面に関する情報、音声に関する情報等を含む。
【0035】
記憶部60は、その他デモンストレーション画面を表示等するプログラムを含んでよい。また、記憶部60は、ゲームプログラム等の各種プログラムの実行時に、テーブル等を展開するためのローカルメモリ、及びキャッシュメモリを含んでよい。
なお、本発明でいうコンピュータとは、記憶装置、制御部等を備えた情報処理装置をいい、的叩きゲーム機1は、記憶部60、制御部40等を備えた情報処理装置であり、本発明のコンピュータの概念に含まれる。
通信部65は、他の的叩きゲーム機1との通信を行うためのインタフェースである。通信部65は、他の的叩きゲーム機1との間でのデータの送受信を行うための、例えば、ネットワーク・アダプタである。
【0036】
空気砲3は、径変更部39を有する。
径変更部39は、発射口32の径の大きさを変更する制御部である。
ここで、空気砲3の構造について説明する。
図5は、第1実施形態に係る空気砲3の構造を簡略化した図である。
空気砲3は、貯留部31と、発射口32と、ハンマ34とからなる。
貯留部31は、ケース2内に設置され、ケース2の外部からは視認ができない。貯留部31は、一定量の空気を溜める容器である。貯留部31は、例えば、段ボール箱で作成される。
【0037】
発射口32は、カメラ用レンズの絞り機構のように、複数の絞り羽根によってその開口径が変更可能なものである。発射口32は、径変更部39の制御により、その開口径が変更可能に構成される。開口径を変更することで、発射口32は、その開口の度合いを変更する。
また、ハンマ34は、貯留部31の左側面に有し、左側面の外側から左側面を叩くための部材である。ハンマ34は、空気砲制御部50により左側面の外側から左側面を叩く動きを制御する。空気砲3は、ハンマ34による叩き動作により、貯留部31の空気が圧縮されて発射口32から外部に発射される。なお、ハンマ34が叩く位置は、側面であれば、左側面に限定されない。
このように、的叩きゲーム機1は、空気砲3に発射口32の径の大きさを変更する径変更部39を有する。本実施形態では、ハンマ34による叩く力が一定であるので、排出される空気量が一定である。よって、発射口32の径の大きさを変更することで、同じ強さでハンマ34を制御して叩いた場合であっても、空気砲3から発射される空気の速度が変化するので、勢いに強弱をつけることができる。
【0038】
次に、的叩きゲーム機1の動作内容について説明する。
図6は、第1実施形態に係る的叩きゲーム機1のメイン処理のフローチャートである。
図7は、第1実施形態に係るマッチング処理のフローチャートである。
図8は、第1実施形態に係るモニタ6の表示例を示す図である。
図9は、第1実施形態に係る正対向プレイ及び反転対向プレイを示す図である。
図10は、第1実施形態に係るプレイ実行処理のフローチャートである。
図11は、第1実施形態に係るモニタ6の表示例を示す図である。
図12は、第1実施形態に係るプレイヤP1,P2のモニタ6への表示例を示す図である。
以下、2台の的叩きゲーム機1A,1Bによって対戦プレイを行う例を、一方の的叩きゲーム機1Aのフローチャートで説明するが、対戦相手の的叩きゲーム機1Bもほぼ同様の処理を行う。
【0039】
まず、図6のステップS1では、制御部40は、プレイヤP1によりコイン投入口10にコインが投入されたことを検出する。この検出により、制御部40は、当該的叩きゲーム機1Aのステータスを、対戦相手を見つける状態、つまり対戦相手がいれば即時にプレイが開始できるスタンバイ状態にする。
ステップS2では、制御部40は、マッチング処理を行う。
【0040】
ここで、マッチング処理について、図7を用いて説明する。
図7のステップS21では、制御部40は、通信ネットワーク99に接続され、スタンバイ状態の的叩きゲーム機1(1B,…)が存在するか否かを判定する。例えば、制御部40は、通信ネットワーク99を介して接続された的叩きゲーム機1(1B,…)に対して、ステータスの問い合わせのデータを送信し、スタンバイ状態の的叩きゲーム機1(1B,…)からレスポンスがあるか否かにより、スタンバイ状態の的叩きゲーム機1(1B,…)が存在するか否かを判断する。対戦相手になる的叩きゲーム機1(1B,…)の存在を確認している間に、制御部40は、モニタ6に、例えば、図8(1)(a)に示す画面を表示する。スタンバイ状態の的叩きゲーム機1Bが存在する場合(ステップS21:YES)には、制御部40は、処理をステップS22に移す。他方、スタンバイ状態の的叩きゲーム機1(1B,…)が存在しない場合(ステップS21:NO)には、制御部40は、処理をステップS23に移す。
【0041】
ステップS22では、制御部40は、そのスタンバイ状態の的叩きゲーム機1Bと対戦プレイをすることを決定して、本処理を終了する。その際、制御部40は、モニタ6に、例えば、図8(1)(b)に示す画面を表示する。
ステップS23では、制御部40は、モニタ6に待機画面を表示する。待機画面は、例えば、図8(1)(c)に示すように、対戦相手を待っている状態である旨をプレイヤP1に対して報知し、さらに、例えば、15秒からカウントダウンするように時間70を表示する画面である。待機画面は、ボタン表示71,72を用意して、プレイヤP1から終了の指示を受付可能な状態にする。待ちきれないプレイヤP1が、ボタン表示72に対応する位置のボタン9BR(図2参照)を操作することで、制御部40は、プレイの終了を受け付ける。
【0042】
ステップS24では、制御部40は、プレイの終了を受け付けたか否かを判断する。終了を受け付けた場合(ステップS24:YES)には、制御部40は、処理をステップS25に移す。他方、終了を受け付けないで捜索を再開する場合(ステップS24:NO)には、制御部40は、処理をステップS21に移して、スタンバイ状態の他の的叩きゲーム機1(1B,…)が存在するか否かを再度判定する。
ステップS25では、制御部40は、コイン排出口11にコインを排出して、本処理及びメイン処理(図6)を終了する。
【0043】
図6に戻って、ステップS3では、制御部40は、当該的叩きゲーム機1Aのステータスを、対戦相手が見つかってプレイが開始可能な状態であるプレイ可能状態に変更する。
ステップS4では、制御部40は、ボタン9B(属性入力部)からプレイヤP1の利手の入力を受け付ける。制御部40は、例えば、図8(2)に示すような、ボタン表示73,74を有する画面をモニタ6に表示する。プレイヤP1がボタン表示73,74に対応するボタン9Bを操作することで、制御部40は、プレイヤP1の利手の入力を受け付ける。
図6に戻って、ステップS5では、制御部40は、ボタン9B(属性入力部)からプレイヤP1が所望する対戦相手の利手の入力を受け付ける。制御部40は、例えば、図8(3)に示すような、ボタン表示75,76を有する画面をモニタ6に表示する。プレイヤP1がボタン表示75,76に対応するボタン9Bを操作することで、制御部40は、プレイヤP1が所望する対戦相手の利手の入力を受け付ける。なお、この処理は、対戦プレイのうちのどちらかの的叩きゲーム機1でのみ行うことができものとし、例えば、先に対戦プレイにエントリした的叩きゲーム機1が、所望する対戦相手の利手の入力を受付可能にしてもよい。
【0044】
図6に戻って、ステップS6では、制御部40は、ステップS4及びステップS5で受け付けたプレイヤP1の利手情報及びプレイヤP1の所望の利手情報を、通信部65を介して的叩きゲーム機1Bに送信する。また、制御部40は、的叩きゲーム機1Bから対戦相手であるプレイヤP2の利手情報を、通信部65を介して受信する。なお、プレイヤP2の利手情報は、プレイヤP2によって的叩きゲーム機1Bに入力される。
ステップS7では、制御部40(属性判定部47)は、ステップS5で受け付けたプレイヤP1の所望の利手情報と、受信したプレイヤP2の利手情報とが異なるか否かを判定して、プレイの態様を決定する。例えば、プレイヤP1の所望の利手情報とプレイヤP2の利手情報とが異なる場合には、制御部40は、以降のプレイにおいて、反転対向プレイを行うことを決定する。他方、プレイヤP1の所望の利手情報とプレイヤP2の利手情報とが同じである場合には、制御部40は、以降のプレイにおいて、正対向プレイを行うことを決定する。
【0045】
ここで、正対向プレイとは、図9(a)の鉛直方向Zから下に向かって見た図に示すように、プレイヤP1が的叩きゲーム機1Aの右上の的5RUを叩いて、右上の的5RUを叩き位置αから退避位置βに移動させた場合に、的叩きゲーム機1Bの左上の的5LUを、退避位置βから叩き位置αに移動させるプレイ、つまり、プレイヤP1,P2同士が実際に対向して、パンチをしているかのように、的5を動かすプレイをいう。
また、反転対向プレイとは、図9(b)に示すように、プレイヤP1が的叩きゲーム機1Aの右上の的5RUを叩いて、その右上の的5RUを叩き位置αから退避位置βに移動させた場合に、的叩きゲーム機1Bの右上の的5RUを、退避位置βから叩き位置αに移動させるプレイをいう。
なお、的叩きゲーム機1Bでは、ステップS6で受信したプレイヤP1の所望の利手情報と、ステップS4で受け付けたプレイヤP2の利手情報とに基づいてプレイの態様を決定する。
【0046】
図6に戻って、ステップS8では、制御部40は、ステップS7で決定したプレイ態様を記憶部60に記憶する。例えば、プレイヤP1の所望の利手が「左」であり、プレイヤP2の利手が「右」である場合、的叩きゲーム機1Aの処理として、「反転対向プレイ」であることが決定される。よって、制御部40は、「反転対向プレイ」である旨を記憶部60に記憶する。
ステップS9では、制御部40は、プレイ実行処理を行う。
【0047】
ここで、プレイ実行処理について、図10を用いて説明する。
図10のステップS31では、制御部40は、プレイヤP1に、的5をプレイ開始の状態にするように促す。プレイ開始の状態とは、的叩きゲームシステム100が、的叩きゲーム機1A,1Bの背面同士をくっつけた状態に位置していると仮定して、正対向プレイの場合には、的叩きゲーム機1Aの的5の位置と、的叩きゲーム機1Bの正対向である的5の位置とが、異なる位置である状態にあることをいう。例えば、的叩きゲーム機1Aの右上の的5RUの位置が叩き位置αであれば、その右上の的5RUに対応する的叩きゲーム機1Bの左上の的5LUの位置が退避位置βである状態をいう。プレイ開始の状態は、正対向プレイの場合、各々の的叩きゲーム機1A,1Bにおいて、制御部40により、図11(a)に示すような画面が各々のモニタ6に表示される。プレイヤP1は、モニタ6に指示されたように的5の位置を、例えば手動で変更する。
一方、反転対向プレイの場合には、図11(b)に示すような画面が、各々の的叩きゲーム機1のモニタ6に表示される。
【0048】
ステップS32では、両方の的叩きゲーム機1A,1Bにおいてプレイ開始の状態になったことで、制御部40は、プレイ開始の状態になったことを認識して、プレイを開始する。
ステップS33では、制御部40は、音付きの画像の送受信処理を行う。具体的には、制御部40は、カメラ7の撮影を開始し、撮影した画像データを、通信部65を介して的叩きゲーム機1Bに連続的に送信する。また、制御部40は、マイク8から集音した音データを、通信部65を介して的叩きゲーム機1Bに連続的に送信する。同様に、制御部40は、通信部65を介して、的叩きゲーム機1Bから画像データ及び音データを連続的に受信する。
【0049】
ステップS34では、制御部40(打撃判定部41)は、叩き位置αの的5について叩き操作を検出したか否かを判定する。叩き操作を検出した場合(ステップS34:YES)には、制御部40は、処理をステップS35に移す。他方、叩き操作を検出しない場合(ステップS34:NO)には、制御部40は、処理をステップS38に移す。
【0050】
ステップS35では、制御部40(反応時間計測部44)は、的5が叩き位置αに配置されてから、叩き操作により的5が叩かれるまでの時間である反応時間を計測する。また、制御部40(的移動時間計測部45)は、叩き操作により的5が叩かれてから、的5が退避位置βに移動した時間である的移動時間を計測する。制御部40は、計測した反応時間及び的移動時間を、記憶部60に記憶する。
【0051】
具体的には、反応時間は、制御部40が保持軸22を外すように的留め部26を制御したことで的5が叩き位置αまで移動し、センサ24がONになってから、的5が叩かれたことでセンサ24がOFFになったことを打撃判定部41が判定するまでの時間を計測することで、得ることができる。また、的移動時間は、的5が叩かれたことを打撃判定部41が判定してから、保持軸22が的留め部26にひっかかるまでの時間を計測することで、得ることができる。ここで、保持軸22が的留め部26にひっかかることは、例えば、的5のセンサ25がパッド支持部21の位置によって、そのパッド支持部21の動作が止まったことを検出してセンサ25がOFFの信号を制御部40に送信したり、的留め部26の留め回転部29が、フック留部27に保持軸22がかかっていることを検出してその信号を制御部40に送信したりすることで実現できる。
なお、的5は、叩き操作でプレイヤP1が与えた所定量以上の叩く力の作用によって、叩き位置αから退避位置βに移動する。退避位置βに移動した的5の保持軸22が的留め部26にひっかかることで、制御部40(的制御部43)は、的5を、退避位置βに移動された状態で保持する。
【0052】
ステップS36では、制御部40(入力データ生成部42)は、入力データを生成する。入力データとして、制御部40(打撃データ生成部42a、反転データ生成部42b)は、打撃データを生成する。この時、記憶部60を参照して「正対向プレイ」である場合には、制御部40(反転データ生成部42b)は、的の左右方向を反転した打撃データを生成する。他方、記憶部60を参照して「反転対向プレイ」である場合には、制御部40(打撃データ生成部42a)は、叩かれた的に対する打撃データを生成する。
例えば、的叩きゲーム機1AのプレイヤP1の利手が「右」で、プレイヤP1が所望する的叩きゲーム機1BのプレイヤP2の所望の利手が「左」である場合、つまり、プレイヤP1が、左利きのプレイヤと対戦したいと望んでいる場合には、的叩きゲーム機1Aの記憶部60には「反転対向プレイ」の旨が記憶されているので、打撃データ生成部42aが打撃データを生成する。
【0053】
また、制御部40(操作データ生成部42c)は、操作量を含む操作データを生成する。操作量は、上述のステップS35で計測した的移動時間に対応する。操作量は、プレイヤP1による的5の叩き具合に応じた量であり、より強く叩いた場合には、的移動時間が短くなるので、操作量は増加する。よって、生成する操作データは、弱く叩くほど、つまり、的移動時間が長いほど少なく、一方、強く叩くほど、つまり、的移動時間が短いほど多い操作量を含む。
的5には、叩き操作をしたプレイヤPの腕の運動量が伝達される。強く叩くほど、腕の運動量が大きくなる。伝達される運動量が大きいほど、的5が高速で回転移動する。
ステップS37では、制御部40は、生成した入力データとして打撃データ及び操作データを、通信部65を介して的叩きゲーム機1Bに送信する。
【0054】
ステップS38では、制御部40は、通信部65を介して的叩きゲーム機1Bから入力データを受信したか否かを判断する。入力データを受信した場合(ステップS38:YES)には、制御部40は、処理をステップS39に移す。他方、入力データを受信しない場合(ステップS38:NO)には、制御部40は、処理をステップS42に移す。
ステップS39では、制御部40(空気砲制御部50)は、受信した操作データの操作量に応じて、径変更部39を制御して、発射口32の径を変更する。径変更部39は、受信した操作データの操作量が多いほど、発射口32の径の大きさを小さくする。また、径変更部39は、操作量が少ないほど、発射口32の径の大きさを大きくする。このようにすることで、的叩きゲーム機1BでプレイヤP2が的5を強く叩いた場合には、的叩きゲーム機1Aの空気砲3から発射される空気の発射速度が大きくなる。
【0055】
このように、的叩きゲーム機1Bで生成した操作データには、操作の強弱に関する操作量を含むので、操作量を用いて的叩きゲーム機1Aの径変更部39が、空気砲3の発射口32の径の大きさを変更して、空気砲3から発射させる空気の勢いを変化させることができる。そして、操作量が大きい場合には、発射口32の径を小さくすることで、空気砲3から空気を発射させる勢いを強くし、操作量が小さい場合には、発射口32の径を大きくすることで、空気砲3から空気を発射させる勢いを弱くする。よって、的叩きゲームシステム100は、的5を叩く操作の強弱と、対戦プレイの相手の空気砲3から発射される空気の勢いの強弱を対応させることができる。また、プレイヤP1は、プレイヤP2の操作の強弱を、空気砲3から発射される空気の勢いを通じて体感することができる。
【0056】
ステップS40では、制御部40は、同期合わせ処理を行う。同期合わせ処理とは、的制御部43の処理と、画像表示制御部49の処理と、空気砲制御部50の処理とを同期して、これらの処理が同時に行われるように制御する処理をいう。
的制御部43の処理は、制御部40が打撃データを受信することで、打撃データに対応する的5を退避位置βから叩き位置αへと駆動するように制御する処理である。
画像表示制御部49の処理は、プレイヤP2が的5を叩く画像をモニタ6に表示する処理である。なお、制御部40は、画像と共に、プレイヤP2が的5を叩いた音に関しても同期を合わせる。
空気砲制御部50の処理は、空気砲3を発射するためのハンマ34を制御して空気を発射させる処理である。
【0057】
例えば、制御を開始してから空気砲3から空気が発射されるまでのタイムラグや、的叩きゲーム機1A,1B間での入力から出力までの時間等を、事前に何度も試行テストを行って、その結果の統計をとる。そして、各制御にかかる時間を調査してずれ時間を記憶部60に記憶しておき、記憶部60に記憶したずれ時間に基づいて各処理をずらして行うことで、同期合わせの制御が実現できる。例えば、的制御部43の処理が最も早く、空気砲制御部50の処理が最も遅い場合には、制御部40は、空気砲制御部50の処理の後に、画像表示制御部49の処理をし、最後に的制御部43の処理をすることで、同期を合わせることができる。
【0058】
ステップS41では、制御部40は、各種出力処理を行う。具体的には、制御部40(画像反転部48)は、記憶部60を参照して、「反転対向プレイ」である場合に、プレイヤP2の画像を反転させる。また、制御部40(画像反転部48)は、反転対向プレイであるか、正対向プレイであるかにかかわらず、プレイヤP1の画像を反転させる。
そして、制御部40(画像表示制御部49)は、モニタ6にプレイヤP2の画像を表示し、その一部に反転したプレイヤP1の画像を表示するように制御する。そして、制御部40は、音データをスピーカ4から出力する。
【0059】
このように、画像表示制御部49は、プレイヤP2の画像をモニタ6に表示するので、プレイヤP1は、プレイヤP2の画像を見ることができる。そして、プレイヤP1は、プレイヤP2の画像から、例えば、プレイヤP2の動きを捉えて、次にどの的が叩かれるかを想定してプレイができる。このように、的叩きゲームシステム100は、対戦感を出して、対戦プレイをよりリアルに再現することができる。
また、的叩きゲーム機1Aは、反転対向プレイを行う場合には、プレイヤP2の画像の左右方向を反転させてモニタ6に表示するので、的叩きゲーム機1Aの的5の位置の変化に応じて、プレイヤP2の画像を違和感のない状態で出力できる。
さらに、的叩きゲーム機1Aは、左右方向を反転させたプレイヤP1の画像を、プレイヤP1のモニタ6に表示するので、プレイヤP1は、自身の動きを見ながらプレイができる。よって、プレイヤP1は、自分のフォームを鏡で見るようにプレイができ、違和感なくプレイができる。
【0060】
また、ステップS41では、制御部40(的制御部43)は、留め回転部29を制御して保持軸22を外すことで、退避位置βの的5を、バネの力により叩き位置αに駆動させる。
さらに、制御部40(空気砲制御部50)は、ハンマ34(図5)を動作させて側面を叩くように制御して、空気砲3から空気を発射させる。
このように、的叩きゲームシステム100は、対戦相手のプレイヤP2の画像と、的制御部43による制御とを同期させて、プレイヤP2の画像をモニタ6に表示させる。画像データは、一般的に、的制御部43の制御を行う打撃データに比較してデータ量が多く、通信ネットワーク99を介したデータ伝送に時間がかかる。しかし、的叩きゲームシステム100は、伝送によるタイムラグを、同期させることで解消して、違和感のない一連となった処理を行うことができる。
【0061】
また、的叩きゲームシステム100は、的叩きゲーム機1Bから操作データを受信することで、対戦プレイの的叩きゲーム機1Aの空気砲3から空気を発射させる。よって、的叩きゲームシステム100は、プレイヤP2の的5を叩く操作に直接的に対応して、プレイヤP1がプレイする的叩きゲーム機1Aの空気砲3から空気を発射させるという、空気砲3を打ち合う新しい態様のプレイを行うことができる。そして、空気砲3から空気を発射させるタイミングは、操作データを受信したタイミングで空気砲3から空気を発射させるので、対戦するプレイヤPによって変わるものである。よって、プレイヤPは、対戦相手が変わるたびに、変化に富み、しかも、臨場感のあるプレイを体感できる。
さらに、的叩きゲームシステム100は、対戦相手のプレイヤP2の画像と空気砲3からの空気の発射とを同期させるので、対戦相手に攻撃されたことを、画像だけでなく、空気砲3から発射された空気の塊で体感できる。
【0062】
ここで、プレイヤP1の画像及びプレイヤP2の画像のモニタ6への表示例を、図12を用いて説明する。
図12(1)は、プレイヤP1が右手で的叩きゲーム機1Aの的5を叩く動作を、鉛直方向Zから下に向かって見た図である。
図12(2)は、図12(1)の場合に、的叩きゲーム機1Aのモニタ6への表示例である。ここで、プレイヤP2は、いずれも自分の右手を使って叩く動作を行っている。
図12(2)(a)は、正対向プレイを行う場合であり、図12(2)(b)は、反転対向プレイを行う場合である。
図12(2)は、いずれもモニタ6の右上部分にウィンドウが表示され、プレイヤP1の画像が表示されている。プレイヤP1の画像は、画像反転部48により反転されており、プレイヤP1がちょうど鏡に映ったかのように表示される。また、プレイヤP1の画像は、カメラ7で撮影したものを即時に反転させて表示したものであり、タイムラグは発生しない。
【0063】
図12(2)(a)のプレイヤP2の画像は、画像反転部48で反転させて表示したものである。また、図12(2)(b)のプレイヤP2の画像は、カメラ7で撮影したそのままの画像を表示したものである。いずれも、同期合わせを行ってから出力するので、プレイヤP2の動作よりも遅れて画像として表示される。
このように、的叩きゲーム機1AにプレイヤP2の画像を表示することで、あたかも現実に対戦しているような気分を味わうことができる。また、例えば、フェイントのように、対戦相手をだますような動きをすることで、対戦相手に動揺を与えて、より面白味のあるプレイをすることができる。
【0064】
図10に戻って、ステップS42では、プレイ終了時間(例えば、プレイが3分程度経過した場合等)になったか否かを判断する。プレイ終了時間になった場合(ステップS40:YES)には、制御部40は、本処理を終了する。他方、プレイ終了時間になっていない場合(ステップS40:NO)には、制御部40は、処理をステップS34に移す。
なお、本処理を終了するものとして、プレイ終了時間になる前であっても、例えば、プレイヤP1が全ての的5を叩いた状態、つまり的叩きゲーム機1Aの全ての的5が退避位置βにある状態で10秒経過した場合に、相手のプレイヤP2が「KO」で負けたものとしてもよい。
【0065】
このように、的叩きゲームシステム100では、的叩きゲーム機1Aの複数の的5の移動が、的叩きゲーム機1BでプレイヤP2が的5を叩く操作に連動して行われるので、対戦相手が異なれば、的5が叩かれるタイミングが異なるものになる。よって、的叩きゲームシステム100は、予めパターン化されたものを読み出して的5を移動させるものとは異なり、プレイに飽きられにくくすることができる。
また、的叩きゲームシステム100は、プレイヤP1の利手と、対戦相手として所望の利手とを入力することで、常に所望の利手のプレイヤと対戦可能にすることができる。具体的には、制御部40が、プレイヤP1の所望の利手とプレイヤP2の利手とから、プレイヤP2が右の的5を叩いた場合には、プレイヤP1の左の的5の位置を変化させる正対向プレイを行うか、プレイヤP2が右の的5を叩いた場合には、プレイヤP1の右の的5の位置を変化させる反転対向プレイを行うか、を決定するので、いつでも所望の利手のプレイヤを相手にプレイをすることができる。
【0066】
プレイを終了することで、図6に戻って、ステップS10では、制御部40は、勝敗を決定する。勝敗は、制御部40(得点付与部46)が、例えば、記憶部60に記憶した反応時間及び的移動時間を各々集計して、各々の得点を合計して総得点を算出する。その結果、制御部40は、総得点の高いプレイヤPを勝者に決定する。その後、制御部40は、本処理を終了する。
【0067】
このように、得点付与部46は、的5が叩ける状態になってから、実際に叩かれるまでの反応時間を計測して、得点を付与する。得点は、反応時間が短いほど高くなるので、敏捷性を必要とする面白い態様のプレイができる。また、得点付与部46は、的5が叩かれたことを検出してから、移動して退避位置βに至るまでの的移動時間を計測して、得点を付与する。得点は、的移動時間が短いほど高くなるので、的5を叩く強さやスピードを要求する面白い態様のプレイができる。
【0068】
的叩きゲームシステム100は、対戦プレイをする2台の的叩きゲーム機1A,1Bを用いて、的5が叩かれたことで生成されるプレイヤPの打撃データを、通信ネットワーク99を介して2台の的叩きゲーム機1A,1Bの間で送受信して、的5の位置を変化させる。よって、双方の的叩きゲーム機1A,1BのプレイヤP1,P2は、擬似的に実際に直接対決をするような臨場感を得ることができる。そして、的叩きゲームシステム100は、プレイヤP1,P2同士で駆け引きをしながら対戦プレイをさせることができるので、プレイヤP1,P2の対戦感を満たすプレイができる。
【0069】
(第2実施形態)
次に、本発明を適用した空気砲の第2実施形態について説明する。
第2実施形態の空気砲は、プレイ結果に応じて空気を発射させるものである。
なお、以下の説明及び図面において、上述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
【0070】
図13は、第2実施形態に係る様々な空気砲203(203X,203Y)の構造を簡略化した図である。
図14は、第2実施形態に係る的叩きゲーム機201(201X,201Y)の機能ブロックのうち空気砲203に関する部分を抜き出して示す図である。
図13(a)の空気砲203Xは、大小あわせて3個の発射口232a,232b,232cを備えたものである。
図13(b)の空気砲203Yは、可変の貯留部231Yを備えたものである。
図14(a)は、図13(a)に対応し、図14(b)は、図13(b)に対応する。
【0071】
図13(a)の空気砲203Xにおいて、貯留部231Xは、一定量の空気を溜める容器である。
発射口232a,232b,232cは、各々開状態と閉状態とを変更可能にする。発射口232a,232b,232cは、次に説明する発射口塞部239Xの制御により、1つの発射口232を開状態にし、残りの発射口232を閉状態にする。
図14(a)に示すように、空気砲203Xは、発射口塞部239Xを有する。発射口塞部239Xは、複数の発射口232a,232b,232cの各々について、開状態と閉状態とを制御する。
【0072】
制御部240Xの空気砲制御部250Xは、操作量に応じて発射口塞部239Xを制御して、操作量が大きければ、開口が小さい発射口232cを開状態にして、残りの発射口232a,232bを閉状態にする。また、空気砲制御部250Xは、操作量が小さければ、開口の大きい発射口232aを開状態にして、残りの発射口232b,232cを閉状態にする。操作量が中程度であれば、開口が中間の大きさの発射口232bを開状態にして、残りの発射口232a,232cを閉状態にする(図13(a)参照)。さらに、空気砲制御部250Xは、操作量を記憶部60(操作量蓄積部)に蓄積させることで、勝敗決定処理(図6のステップS10)において、記憶部60に蓄積した操作量に対応する空気を、敗者の空気砲203Xから発射させる。
【0073】
このように、的叩きゲーム機201Xは、空気砲203Xに設けられた開口の径の大きさが異なる複数の発射口232a〜232cから1つの発射口232bを選択して、発射口塞部239Xにより開状態にする。そして、的叩きゲーム機201Xは、発射口塞部239Xにより残りの発射口232a,232cを閉状態にする。よって、発射口232を1つ選択して、開口の径の大きさに応じた空気を空気砲203Xから発射させることで、発射される空気の勢いに強弱をつけることができる。
【0074】
図13(b)の空気砲203Yにおいて、貯留部231Yは、空気を溜める容器である。貯留部231Yは、貯留量変更部239Yの制御により、その大きさを、貯留部231Yを構成する部材の重なり部分を変化させることで、変更可能になっている。
発射口232dは、1つの開口部を有する。
図14(b)に示すように、空気砲203Yは、貯留量変更部239Yを有する。貯留量変更部239Yは、大きさを変更可能な貯留部231Yの大きさを変更するように制御する。
制御部240Yの空気砲制御部250Yは、操作量に応じて貯留量変更部239Yを制御して、操作量が大きければ貯留量が多くなるように、貯留部231Yの奥側Y2の面をさらに奥側Y2にスライドさせる。また、空気砲制御部250Xは、操作量が小さければ貯留量が少なくなるように、貯留部231Yの奥側Y2の面を手前側Y1にスライドさせる。なお、貯留部231Yの貯留量が大きくなるにつれて、より大きな力でハンマを叩く必要がある。さらに、空気砲制御部250Yは、操作量を記憶部60(操作量蓄積部)に蓄積させることで、勝敗決定処理(図6のステップS10)において、敗者の空気砲203Yから空気を発射させる。
【0075】
このように、的叩きゲーム機201Yは、貯留量変更部239Yを有するので、空気砲203Yの空気の貯留量を変更することができる。よって、的叩きゲーム機201Yは、空気の貯留量に応じて空気を空気砲203Yから発射させることで、発射される空気の勢いに強弱をつけることができる。
また、的叩きゲーム機201は、操作量を記憶部60に蓄積して、勝敗決定処理にて敗者に決定した的叩きゲーム機201の空気砲203から、蓄積された操作量に応じた勢いで空気を発射させるので、空気砲203から発射された空気の勢いにより、敗者に敗北感を体感させることができる。
【0076】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、上述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0077】
(変形形態)
(1)各実施形態において、6個の的を有する的叩きゲーム機の例を示したが、的の数はこれに限定されない。例えば、8個でも10個でもよい。また、左右に有する的だけでなく、中央にも的を有してもよい。
【0078】
(2)各実施形態において、的叩きゲーム機は1つのモニタを有して、対戦プレイ中は、対戦相手のプレイヤの画像の一部にプレイヤ自身の画像を表示するものを例に示したが、これに限定されない。例えば、的叩きゲーム機に2つのモニタを有して、一方に対戦相手のプレイヤの画像を表示し、他方にプレイヤ自身の画像を表示するようにしてもよい。このようにすることで、対戦相手のプレイヤの画像をより見やすくプレイヤに提供できる。
【0079】
(3)各実施形態において、的の叩き操作により空気砲が空気を発射するものとしたが、これに限定されない。例えば、ボタンを操作することで、空気砲が空気を発射するものとしてよい。より具体的には、所定時間でのボタンの連打の回数に応じた操作量を用いて、空気砲から発射させる空気の勢いを変化させてもよい。また、空気砲が空気を発射するものとして、的叩きゲームに限定されない。プレイヤの操作に応じて、プレイ相手に対して空気砲から空気を発射させるようなものであれば、他の種類のゲームにおいても用いることができる。
【0080】
(4)各実施形態において、反応時間は、叩き位置に的が移動してからその的が叩かれるまでの間の時間としたが、これに限定されない。例えば、叩き位置に的が移動する前の、退避位置から叩き位置に的が移動を始めてから、その的が叩かれるまでの時間であってもよい。
【符号の説明】
【0081】
1,1A,1B,201,201X,201Y…的叩きゲーム機、 3,203,203X,203Y…空気砲、 5,5RU,5RM,5Rd,5LU,5LM,5LD…的、 6…モニタ、 7…カメラ、 9B,9BR,9BL…ボタン、 20…パッド、 22…保持軸、 23…取付部材、 24,25…センサ、 26…的留め部、 31,231X,231Y…貯留部、 32,232,232a〜232d…発射口、 39…径変更部、 40,240X、240Y…制御部、 41…打撃判定部、 42…入力データ生成部、 42a…打撃データ生成部、 42b…反転データ生成部、 42c…操作データ生成部、 43…的制御部、 44…反応時間計測部、 45…的移動時間計測部、 46…得点付与部、 47…属性判定部、 48…画像反転部、 49…画像表示制御部、 50,250X、250Y…空気砲制御部、 60…記憶部、 61…ゲームプログラム、 65…通信部、 99…通信ネットワーク、 100,200…的叩きゲームシステム、 239X…発射口塞部、 239Y…貯留量変更部、 α…叩き位置、 β…退避位置、 P1,P2…プレイヤ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
叩き用の的を有した複数の的叩きゲーム機が通信ネットワークを介して接続された的叩きゲームシステムにおいて、
前記的叩きゲーム機の各々は、
前記的が、プレイヤによる叩き操作が可能な位置である叩き位置と、前記叩き位置に配置された状態で前記プレイヤが叩き操作をすることで移動する退避位置との間で移動可能に保持する保持部と、
前記保持部により保持された前記的が叩き操作に応じて前記叩き位置から前記退避位置へと移動された状態を維持し、前記退避位置から前記叩き位置へと前記的を駆動するように制御する的制御部と、
前記叩き位置にある前記的の前記プレイヤによる叩き操作を検出する打撃検出部と、
前記打撃検出部による出力に応じて、叩かれた前記的の打撃データを生成する打撃データ生成部と、
他の前記的叩きゲーム機との間でデータを送受信する通信部と、
を備え、
一の前記的叩きゲーム機の前記的が前記叩き位置にあり、前記一の的叩きゲーム機と前記通信ネットワークを介して対戦プレイをする前記他の的叩きゲーム機の前記的が前記退避位置にある状態において、
前記一の的叩きゲーム機の前記的制御部は、叩き操作に応じて前記的が前記退避位置に移動された状態を維持するように制御し、
前記一の的叩きゲーム機の前記通信部は、前記打撃検出部の出力に応じて前記打撃データを前記他の的叩きゲーム機に対して送信し、
前記他の的叩きゲーム機の前記通信部は、前記一の的叩きゲーム機から前記打撃データを受信し、
前記他の的叩きゲーム機の前記的制御部は、前記打撃データに基づいて前記的を前記退避位置から前記叩き位置へと駆動するように制御すること、
を特徴とする的叩きゲームシステム。
【請求項2】
請求項1に記載の的叩きゲームシステムにおいて、
前記的叩きゲーム機の各々は、
前記的に対する叩き操作が可能になってから前記打撃検出部が出力するまでの時間を計測する反応時間計測部と、
前記反応時間計測部により計測された反応時間が短いほど高い得点を付与する得点付与部と、
を備えること、
を特徴とする的叩きゲームシステム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の的叩きゲームシステムにおいて、
前記的叩きゲーム機の各々は、
前記打撃検出部が前記的の叩き操作を検出してから前記的制御部が前記退避位置へと前記的が移動された状態を維持するように制御するまでの時間を計測する的移動時間計測部と、
前記的移動時間計測部により計測された的移動時間が短いほど高い得点を付与する得点付与部と、
を備えること、
を特徴とする的叩きゲームシステム。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の的叩きゲームシステムにおいて、
前記叩き位置と前記プレイヤとの距離は、前記退避位置と前記プレイヤとの距離よりも小さいこと、
を特徴とする的叩きゲームシステム。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の的叩きゲームシステムにおいて、
前記的叩きゲーム機の各々は、
前記的が前記プレイヤの左右方向に少なくとも2つ配置されており、
叩かれた前記的の打撃データを、前記的の左右方向を反転して生成する反転データ生成部を備え、
前記他の的叩きゲーム機の前記的制御部は、前記反転データ生成部により生成された前記打撃データに対応する的を前記退避位置から前記叩き位置へと駆動する正対向プレイを行うように制御すること、
を特徴とする的叩きゲームシステム。
【請求項6】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の的叩きゲームシステムにおいて、
前記的叩きゲーム機の各々は、
前記的が前記プレイヤの左右方向に少なくとも2つ配置されており、
前記他の的叩きゲーム機の前記的制御部は、前記打撃データ生成部により生成された前記打撃データに対応する的を前記退避位置から前記叩き位置へと駆動する反転対向プレイを行うように制御すること、
を特徴とする的叩きゲームシステム。
【請求項7】
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の的叩きゲームシステムにおいて、
前記的叩きゲーム機の各々は、
前記プレイヤを撮影する撮影部と、
画像を表示する画像表示部と、
を備え、
前記一の的叩きゲーム機の前記通信部は、前記撮影部で撮影して取得した前記プレイヤの画像を、前記他の前記的叩きゲーム機に対して送信し、
前記他の前記的叩きゲーム機の前記画像表示部は、前記一の的叩きゲーム機から受信した対戦相手の前記プレイヤの画像を表示すること、
を特徴とする的叩きゲームシステム。
【請求項8】
請求項6に記載の的叩きゲームシステムにおいて、
前記的叩きゲーム機の各々は、
前記プレイヤを撮影する撮影部と、
画像を表示する画像表示部と、
前記撮影部で撮影して取得した画像を左右方向に反転させる画像反転部と、
を備え、
前記一の的叩きゲーム機の前記通信部は、前記撮影部で撮影して取得した前記プレイヤの画像を、前記他の前記的叩きゲーム機に対して送信し、
前記他の前記的叩きゲーム機の前記画像表示部は、前記一の的叩きゲーム機から受信し前記画像反転部により反転させた対戦相手の前記プレイヤの画像を表示すること、
を特徴とする的叩きゲームシステム。
【請求項9】
請求項7又は請求項8に記載の的叩きゲームシステムにおいて、
前記的叩きゲーム機の各々は、前記撮影部で撮影して取得した画像を左右方向に反転させる画像反転部を備え、
前記他の前記的叩きゲーム機の前記画像表示部は、その一部に、前記画像反転部により画像を反転させた前記他の的叩きゲーム機の前記プレイヤの画像を表示すること、
を特徴とする的叩きゲームシステム。
【請求項10】
請求項7又は請求項8に記載の的叩きゲームシステムにおいて、
前記的叩きゲーム機の各々は、前記画像表示部を制御する画像表示制御部を備え、
前記他の的叩きゲーム機の前記画像表示制御部は、前記対戦相手のプレイヤの画像を、前記的制御部による制御と同期させて前記画像表示部に表示させること、
を特徴とする的叩きゲームシステム。
【請求項11】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の的叩きゲームシステムにおいて、
前記的叩きゲーム機の各々は、
前記的が前記プレイヤの左右方向に少なくとも2つ配置されており、
前記プレイヤの所望の利手情報及び前記プレイヤの利手情報を入力する属性入力部と、
叩かれた前記的の打撃データを、前記的の左右方向を反転して生成する反転データ生成部と、
前記属性入力部での前記プレイヤの所望の利手情報と、対戦相手の前記的叩きゲーム機で入力されたプレイヤの利手情報とが異なるか否かを判定する属性判定部と、
を備え、
前記他の的叩きゲーム機の前記的制御部は、
前記属性判定部により前記属性入力部での前記プレイヤの所望の利手情報と、対戦相手の前記的叩きゲーム機で入力されたプレイヤの利手情報とが異なると判定された場合に、前記打撃データ生成部により生成された前記打撃データに対応する的を前記退避位置から前記叩き位置へと駆動する反転対向プレイを行うように制御し、
前記属性判定部により前記属性入力部での前記プレイヤの所望の利手情報と、対戦相手の前記的叩きゲーム機で入力されたプレイヤの利手情報とが同じであると判定された場合に、前記反転データ生成部により生成された前記打撃データに対応する的を前記退避位置から前記叩き位置へと駆動する正対向プレイを行うように制御すること、
を特徴とする的叩きゲームシステム。
【請求項12】
請求項11に記載の的叩きゲームシステムにおいて、
前記的叩きゲーム機の各々は、
前記プレイヤを撮影する撮影部と、
画像を表示する画像表示部と、
前記撮影部で撮影して取得した画像を左右方向に反転させる画像反転部と、
を備え、
前記一の的叩きゲーム機の前記通信部は、前記撮影部で撮影して取得した前記プレイヤの画像を、前記他の前記的叩きゲーム機に対して送信し、
前記他の前記的叩きゲーム機の前記画像表示部は、
前記的制御部が正対向プレイを行う場合には、前記一の的叩きゲーム機から受信した前記対戦相手のプレイヤの画像を表示し、
前記的制御部が反転対向プレイを行う場合には、前記一の的叩きゲーム機から受信し前記画像反転部により反転させた前記対戦相手のプレイヤの画像を表示すること、
を特徴とする的叩きゲームシステム。
【請求項1】
叩き用の的を有した複数の的叩きゲーム機が通信ネットワークを介して接続された的叩きゲームシステムにおいて、
前記的叩きゲーム機の各々は、
前記的が、プレイヤによる叩き操作が可能な位置である叩き位置と、前記叩き位置に配置された状態で前記プレイヤが叩き操作をすることで移動する退避位置との間で移動可能に保持する保持部と、
前記保持部により保持された前記的が叩き操作に応じて前記叩き位置から前記退避位置へと移動された状態を維持し、前記退避位置から前記叩き位置へと前記的を駆動するように制御する的制御部と、
前記叩き位置にある前記的の前記プレイヤによる叩き操作を検出する打撃検出部と、
前記打撃検出部による出力に応じて、叩かれた前記的の打撃データを生成する打撃データ生成部と、
他の前記的叩きゲーム機との間でデータを送受信する通信部と、
を備え、
一の前記的叩きゲーム機の前記的が前記叩き位置にあり、前記一の的叩きゲーム機と前記通信ネットワークを介して対戦プレイをする前記他の的叩きゲーム機の前記的が前記退避位置にある状態において、
前記一の的叩きゲーム機の前記的制御部は、叩き操作に応じて前記的が前記退避位置に移動された状態を維持するように制御し、
前記一の的叩きゲーム機の前記通信部は、前記打撃検出部の出力に応じて前記打撃データを前記他の的叩きゲーム機に対して送信し、
前記他の的叩きゲーム機の前記通信部は、前記一の的叩きゲーム機から前記打撃データを受信し、
前記他の的叩きゲーム機の前記的制御部は、前記打撃データに基づいて前記的を前記退避位置から前記叩き位置へと駆動するように制御すること、
を特徴とする的叩きゲームシステム。
【請求項2】
請求項1に記載の的叩きゲームシステムにおいて、
前記的叩きゲーム機の各々は、
前記的に対する叩き操作が可能になってから前記打撃検出部が出力するまでの時間を計測する反応時間計測部と、
前記反応時間計測部により計測された反応時間が短いほど高い得点を付与する得点付与部と、
を備えること、
を特徴とする的叩きゲームシステム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の的叩きゲームシステムにおいて、
前記的叩きゲーム機の各々は、
前記打撃検出部が前記的の叩き操作を検出してから前記的制御部が前記退避位置へと前記的が移動された状態を維持するように制御するまでの時間を計測する的移動時間計測部と、
前記的移動時間計測部により計測された的移動時間が短いほど高い得点を付与する得点付与部と、
を備えること、
を特徴とする的叩きゲームシステム。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の的叩きゲームシステムにおいて、
前記叩き位置と前記プレイヤとの距離は、前記退避位置と前記プレイヤとの距離よりも小さいこと、
を特徴とする的叩きゲームシステム。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の的叩きゲームシステムにおいて、
前記的叩きゲーム機の各々は、
前記的が前記プレイヤの左右方向に少なくとも2つ配置されており、
叩かれた前記的の打撃データを、前記的の左右方向を反転して生成する反転データ生成部を備え、
前記他の的叩きゲーム機の前記的制御部は、前記反転データ生成部により生成された前記打撃データに対応する的を前記退避位置から前記叩き位置へと駆動する正対向プレイを行うように制御すること、
を特徴とする的叩きゲームシステム。
【請求項6】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の的叩きゲームシステムにおいて、
前記的叩きゲーム機の各々は、
前記的が前記プレイヤの左右方向に少なくとも2つ配置されており、
前記他の的叩きゲーム機の前記的制御部は、前記打撃データ生成部により生成された前記打撃データに対応する的を前記退避位置から前記叩き位置へと駆動する反転対向プレイを行うように制御すること、
を特徴とする的叩きゲームシステム。
【請求項7】
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の的叩きゲームシステムにおいて、
前記的叩きゲーム機の各々は、
前記プレイヤを撮影する撮影部と、
画像を表示する画像表示部と、
を備え、
前記一の的叩きゲーム機の前記通信部は、前記撮影部で撮影して取得した前記プレイヤの画像を、前記他の前記的叩きゲーム機に対して送信し、
前記他の前記的叩きゲーム機の前記画像表示部は、前記一の的叩きゲーム機から受信した対戦相手の前記プレイヤの画像を表示すること、
を特徴とする的叩きゲームシステム。
【請求項8】
請求項6に記載の的叩きゲームシステムにおいて、
前記的叩きゲーム機の各々は、
前記プレイヤを撮影する撮影部と、
画像を表示する画像表示部と、
前記撮影部で撮影して取得した画像を左右方向に反転させる画像反転部と、
を備え、
前記一の的叩きゲーム機の前記通信部は、前記撮影部で撮影して取得した前記プレイヤの画像を、前記他の前記的叩きゲーム機に対して送信し、
前記他の前記的叩きゲーム機の前記画像表示部は、前記一の的叩きゲーム機から受信し前記画像反転部により反転させた対戦相手の前記プレイヤの画像を表示すること、
を特徴とする的叩きゲームシステム。
【請求項9】
請求項7又は請求項8に記載の的叩きゲームシステムにおいて、
前記的叩きゲーム機の各々は、前記撮影部で撮影して取得した画像を左右方向に反転させる画像反転部を備え、
前記他の前記的叩きゲーム機の前記画像表示部は、その一部に、前記画像反転部により画像を反転させた前記他の的叩きゲーム機の前記プレイヤの画像を表示すること、
を特徴とする的叩きゲームシステム。
【請求項10】
請求項7又は請求項8に記載の的叩きゲームシステムにおいて、
前記的叩きゲーム機の各々は、前記画像表示部を制御する画像表示制御部を備え、
前記他の的叩きゲーム機の前記画像表示制御部は、前記対戦相手のプレイヤの画像を、前記的制御部による制御と同期させて前記画像表示部に表示させること、
を特徴とする的叩きゲームシステム。
【請求項11】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の的叩きゲームシステムにおいて、
前記的叩きゲーム機の各々は、
前記的が前記プレイヤの左右方向に少なくとも2つ配置されており、
前記プレイヤの所望の利手情報及び前記プレイヤの利手情報を入力する属性入力部と、
叩かれた前記的の打撃データを、前記的の左右方向を反転して生成する反転データ生成部と、
前記属性入力部での前記プレイヤの所望の利手情報と、対戦相手の前記的叩きゲーム機で入力されたプレイヤの利手情報とが異なるか否かを判定する属性判定部と、
を備え、
前記他の的叩きゲーム機の前記的制御部は、
前記属性判定部により前記属性入力部での前記プレイヤの所望の利手情報と、対戦相手の前記的叩きゲーム機で入力されたプレイヤの利手情報とが異なると判定された場合に、前記打撃データ生成部により生成された前記打撃データに対応する的を前記退避位置から前記叩き位置へと駆動する反転対向プレイを行うように制御し、
前記属性判定部により前記属性入力部での前記プレイヤの所望の利手情報と、対戦相手の前記的叩きゲーム機で入力されたプレイヤの利手情報とが同じであると判定された場合に、前記反転データ生成部により生成された前記打撃データに対応する的を前記退避位置から前記叩き位置へと駆動する正対向プレイを行うように制御すること、
を特徴とする的叩きゲームシステム。
【請求項12】
請求項11に記載の的叩きゲームシステムにおいて、
前記的叩きゲーム機の各々は、
前記プレイヤを撮影する撮影部と、
画像を表示する画像表示部と、
前記撮影部で撮影して取得した画像を左右方向に反転させる画像反転部と、
を備え、
前記一の的叩きゲーム機の前記通信部は、前記撮影部で撮影して取得した前記プレイヤの画像を、前記他の前記的叩きゲーム機に対して送信し、
前記他の前記的叩きゲーム機の前記画像表示部は、
前記的制御部が正対向プレイを行う場合には、前記一の的叩きゲーム機から受信した前記対戦相手のプレイヤの画像を表示し、
前記的制御部が反転対向プレイを行う場合には、前記一の的叩きゲーム機から受信し前記画像反転部により反転させた前記対戦相手のプレイヤの画像を表示すること、
を特徴とする的叩きゲームシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−233782(P2010−233782A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−84521(P2009−84521)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(310009993)株式会社タイトー (207)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(310009993)株式会社タイトー (207)
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