説明

皮膚貼付用シート

【目的】皮膚の創傷、火傷、炎症患部、その他の疾患を治療または予防をするための、あるいは美容を目的とした皮膚の手入れ用のシートとして用いることができる安全な皮膚貼付用シートを提供する。
【構成】海藻から抽出された多糖体を0.1〜10%量含有する溶液またはゲルをシート状に乾燥させて得られた皮膚貼付用シート。

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、皮膚貼付用のシート状加工物に関するものである。さらに詳しくは、海藻より抽出された多糖体をシート状に乾燥させた医療用または美容用に適した安全性の高い皮膚貼付用シートを提供するものである。
【0002】
【産業上の利用分野】本発明による皮膚貼付用シートは、皮膚の創傷、火傷、炎症患部、その他の疾患を治療または予防をするための、あるいは美容を目的とした皮膚の手入れ用のシートとして用いることができる。具体的には、絆創膏や薬用の皮膚ハップ剤、眼帯、化粧用シートなどへの応用が適しており、必要に応じて任意の形状にカットして用いられる。
【0003】
【従来の技術】これまで皮膚貼付用シートまたはパック剤として、例えば、天然および合成のゴム質ポリマーなどの高分子化合物と油性分とからなる油性の連続相中に5〜70重量%の水分を粒子状に分散させた形で含む室温で安定な含水ゲルからなるフィルムまたはシート状パック剤(特開昭55-92306号)や、ポリウレタン発泡体、ゴム発泡体などの多孔質弾性シートの表面にアクリル系樹脂などの粘着剤層を設けた多層構造をもつ化粧用パックシート(特開昭56-145210号)、あるいはカルボキシメチルセルロース塩、ポリビニルアルコールなどの水可溶性高分子からなるパック化粧シート(特開昭58-21608号)といったものが提案されてきた。また、天然のコラーゲン線維をシート状に乾燥加工したものが化粧用として一般的に用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】化粧料用の保湿剤や増粘剤として広く一般的に用いられているアルギン酸やその誘導体、あるいはアラビアガム、カルボキシメチルセルロースといった高分子化合物は水可溶性の多糖体であり、このような性質を有する素材だけでつくられたハップ剤は、ゲル形成能により皮膚への密着性があるものの、ベタツキ感が強くあまり好ましい使用感とはいい難い。また、多層構造を有するシートは製造が容易でなく、その分、管理にも手間がかかりコスト高につながる。さらに化粧用として用いられているコラーゲン線維の乾燥シートは、肌触り感触、使用感、美容的効果の点では優れるものであるものの、素材としては非常に高価なものであり、他の液状、乳液、クリームといった化粧品類ほど広く日常的に使用されているものではない。また、コラーゲンは動物組織由来の蛋白ということで生物学的に必ずしも生体に対する抗原性がないとはいい難く、そればかりか近年においては動物愛護の風潮も手伝って、どちらかというとその需要は低下している傾向にある。
【0005】こうした事情に鑑み、本発明者らは次のような問題点を解決した新規な皮膚貼付用シートを開発することを目的とし鋭意研究を重ねてきた。
(1)免疫学的に抗原性がない(安全性が高い)。
(2)一般細菌などに利用されず、皮膚を衛生的に保つことができる。
(3)従来より使用されてきたものと同等もしくはそれ以上に感触、使用感に優れている。
(4)医療から美容までその用途が多目的に応用可能である。
(5)簡易な製法により工業的に大量生産できる。
(6)極めて低コストで安定に供給が可能である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、医療から美容用として多目的に応用可能な皮膚貼付用シートを開発するにあたり、容易且つ安価に入手可能な海藻由来の水難溶性多糖体に着目し、種々の検討を試みてきた。その結果、海藻から抽出された多糖体を0.1〜10%量含有する溶液またはゲルをシート状に乾燥させることによって、標記の目的を達成する皮膚貼付用シートが得られることを知り、本発明を完成した。以下、さらに詳しく説明する。
【0007】本発明で用いられる海藻由来の多糖体とは、紅藻類より抽出されたアガロースやフノリン、褐藻類から抽出されたフコイジン、また海藻の細胞壁に一般的に含まれるセルロースを用いることができる。もちろん食用として供されている寒天であっても何等かまわない。
【0008】本発明による皮膚貼付用シートは、海藻から抽出された多糖体を0.1〜10%量含む溶液またはゲルをシート状に乾燥させて得られるものであるが、乾燥する前の溶液またはゲルに、例えば次のような成分を1種もしくは2種以上を含んだものを調整しておき、これを乾燥することによって所望の皮膚貼付用シートを製することもできる。
【0009】(a)水によりゲル形成能、粘着性を有する水溶性の高分子化合物カルボキシアルキルキチンまたはキトサン,ヒドロキシアルキルキチンまたはキトサン,低分子キトサン,キトサン塩,硫酸化キチンまたはキトサン,リン酸化キチンまたはキトサン,カルボキシメチルセルロース,ヒドロキシエチルセルロース,メチルセルロース,エチルセルロース,アラビアガム,ポリビニルアルコール,ポリビニルピロリドン,ポリビニルメタアクリレート,ポリアクリル酸塩,ポリエチレンオキサイドやポリプロピレンオキサイド等のポリアルキレンオキサイドまたはその架橋重合物,カルボキシビニルポリマー,カラギーナン,ペクチン,カゼイン,ゼラチン,アルギン酸およびその塩,でんぷん,ヒアルロン酸およびその塩,コンドロイチン硫酸,ヘパリンなど
【0010】(b)殺菌・消毒薬として用いられる成分アクリノール,イオウ,塩化ベンザルコニウム,塩化ベンゼトニウム,塩化メチルロザニリン,クレゾール,グルコン酸カルシウム,グルコン酸クロルヘキシジン,スルファミン,マーキュロクロム,ラクトフェリンまたはその加水分解物など
【0011】(c)抗炎症剤として用いられる成分イクタモール,インドメタシン,カオリン,サリチル酸,サリチル酸ナトリウム,サリチル酸メチル,アセチルサリチル酸,塩酸ジフェンヒドラミン,dまたはdl-カンフル,ヒドロコルチゾン,グアイアズレン,カマズレン,マレイン酸クロルフェニラミン,グリチルリチン酸およびその塩,グリチルレチン酸およびその塩など
【0012】(d)収斂剤として用いられる成分アラントイン,タンニン酸,硫酸亜鉛,塩化亜鉛,酸化亜鉛など
【0013】(e)動物組織あるいは植物、生薬の抽出物(植物類にあっては、水,エタノール,プロピレングリコール,1,3-ブチレングリコールからなる群の1種または2種以上の混液で抽出されたエキスが望ましい。また動物組織にあっては、前記植物と同法により得られるエキスの他、組織を加水分解して得られたエキスなどであってもよい。これらは保湿成分として、あるいはこれまでに知られる種々の美容効果、医療的効果を目的として用いられる。)
アセンヤク(阿仙薬),アシタバ,アルテア,アルニカ,アボカド,アマチャ(甘茶),アロエ,アロエベラ,イラクサ,イチョウ(銀杏葉,銀杏),ウイキョウ(茴香),ウコン(鬱金),ウスバサイシン(細辛),ウメ(烏梅),ウラジロガシ,ウワウルシ,ノイバラ(営実),ヒキオコシ(延命草),オウギ(黄耆),コガネバナ(オウゴン),ヤマザクラ(桜皮),キハダ(黄柏),オウレン(黄連),オタネニンジン(人参),オトギリソウ(弟切草),オドリコソウ,オランダガラシ,オレンジ,イトヒメハギ(遠志),ウツボグサ(夏枯草),ツルドクダミ(何首烏),エンジュ(槐花),ヨモギ(ガイ葉),ガジュツ(莪朮),クズ(葛根),カノコソウ(吉草根),カミツレ,キカラスウリ(瓜呂根),カワラヨモギ(茵チン蒿),カンゾウ(甘草),キイチゴ,キウイ果実,キキョウ(桔梗),キク(菊花),キササゲ(梓実),ミカン属植物果実(枳実),タチバナ(橘皮),キュウリ,ウドまたはシシウド(羌活,独活),アンズ(杏仁),クコ(地骨皮,枸杞子,枸杞葉),クララ(苦参),クスノキ,クマザサ,グレープフルーツ果実,ニッケイ(桂皮),ケイガイ(ケイガイ),エビスグサ(決明子),マルバアサガオまたはアサガオ(ケン牛子),ベニバナ(紅花),ゴバイシ(五倍子),クチナシ(山梔子),ゲンチアナ,ホオノキ(厚朴),ヒナタイノコズチ(牛膝),ゴシュユ(呉茱萸),ゴボウ,チョウセンゴミシ(五味子),米,米ぬか,コムギ,ヒレハリソウ(コンフリー),ミシマサイコ(柴胡),サフラン,サボンソウ,サンザシ(山ザ子),サンショウ(山椒),サルビア,サンシチニンジン(三七人参),シイタケ,ジオウ(地黄),シクンシ(使君子),ムラサキ(紫根),シソ(紫蘇葉,紫蘇子),カキ(柿蒂),シャクヤク(芍薬),オオバコ(車前子,車前草),ショウガ(生姜),ショウブ(菖蒲),トウネズミモチ(女貞子),シモツケソウ,シラカバ,スイカズラ(金銀花,忍冬),セイヨウキヅタ,セイヨウノコギリソウ,セイヨウニワトコ,アズキ(赤小豆),ニワトコ(接骨木),ゼニアオイ,センキュウ(川キュウ),センブリ(当薬),クワ(桑白皮,桑葉),ナツメ(大棗),ダイズ,タラノキ,チクセツニンジン(竹節人参),ハナスゲ(知母),ワレモコウ(地楡),ドクダミ(十薬),フユムシナツクサタケ(冬虫夏草),トウガラシ,ホオズキ(登呂根),タチジャコウソウ,リョクチャ(緑茶),コウチャ(紅茶),チョウジ(丁子),ウンシュウミカン(陳皮),ツバキ,ツボクサ,トウガラシ(番椒),トウキ(当帰),トウキンセンカ,ダイダイ(橙皮),ワレモコウ(地楡),トウモロコシ(南蛮毛),トチュウ(杜仲,杜仲葉),トマト,ナンテン(南天実),ニンニク(大サン),オオムギ(麦芽),ハクセン(白蘚皮),ジャノヒゲ(麦門冬),パセリ,ハッカ(薄荷),ハマメリス,バラ,ビワ葉(枇杷葉),マツホド(茯リョウ),ブドウまたはその葉,ヘチマ,ボダイジュ,ボタン(牡丹皮),ホップ,マイカイ(マイ瑰花),松葉,マロニエ,マンネンロウ,ムクロジ,メリッサ,メリロート,ボケ(木瓜),モヤシ,モモ(桃仁,桃葉),ヒオウギ(射干),ビンロウジュ(檳ロウ子),メハジキ(益母草),ヤグルマギク,ユキノシタ(虎耳草),ヤマモモ(楊梅皮),ハトムギ(ハトムギ,ヨクイニン),モウコヨモギ,ヤマヨモギ,ラベンダー,リンゴ果実,マンネンタケ(霊芝),レモン果実,レンギョウ(連翹),レンゲソウ,ゲンノショウコ(老鸛草),ハシリドコロ(ロート根),鶏トサカ,牛・人の胎盤抽出物,豚・牛の胃,十二指腸,あるいは腸の抽出物もしくはその分解物,水溶性コラーゲン,水溶性コラーゲン誘導体,コラーゲン加水分解物,エラスチン,エラスチン加水分解物,水溶性エラスチン誘導体,シルク蛋白,シルク蛋白分解物,牛血球蛋白分解物など
【0014】(f)微生物代謝物酵母エキス,セレン含有酵母エキス,米醗酵エキス,ユーグレナ抽出物,脱脂粉乳の乳酸発酵物など
【0015】(g)ビタミン類アスコルビン酸およびその誘導体(ビタミンC),トコフェロールおよびその誘導体(ビタミンE),塩酸チアミン(ビタミンB1),リボフラビン(ビタミンB2),塩酸ピリドキシン(ビタミンB6)など
【0016】(h)アミノ酸(主として保湿成分として用いられる。)
バリン,ロイシン,イソロイシン,トレオニン,メチオニン,フェニルアラニン,トリプトファン,リジン,グリシン,アラニン,アスパラギン,グルタミン,セリン,システイン,シスチン,チロシン,プロリン,ヒドロキシプロリン,アスパラギン酸,グルタミン酸,ヒドロキシリジン,アルギニン,オルニチン,ヒスチジンなどや、それらの硫酸塩,リン酸塩,硝酸塩,クエン酸塩、あるいはピロリドンカルボン酸の如きアミノ酸誘導体など
【0017】(i)α−ヒドロキシ酸グリコール酸,クエン酸,リンゴ酸,酒石酸,乳酸など
【0018】(j)その他天然物色素,合成色素,香料,消臭・脱臭剤,防腐剤など
【0019】また、使用時にこうした薬剤、成分を1種または2種以上含んだ溶液(ローション製剤,噴霧剤やエアゾール剤),クリーム,軟膏,ゲルなどや、あるいは水及び/又は、エタノール,1,3-ブチレングリコール,プロピレングリコール,界面活性剤などを含んだ溶液をシートに含ませたり、あるいは塗ったりして、皮膚創傷、火傷、炎症、その他の疾患の治療や予防、美容などを目的として皮膚に貼付けて使用することも可能である。
【0020】また、本発明のシートに水やアルコールなどとともに前記のような薬用成分や美容成分を含有もしくは含浸させたものを、さらにフィルムやアルミパックなどで密閉した製品となし提供すれば、非常に手軽かつ便利な、携帯用の常備薬あるいは化粧品とすることができる。
【0021】
【実施例】皮膚貼付用シートの製造例海藻より抽出した多糖体(アガロースやフノリンなど,あるいは市販の寒天でもよい)を、沸騰水浴中に適当濃度に加熱溶解した後、適当な平板状容器に移し20℃付近まで冷却しゲル、または粘性質な溶液を得る。尚、前記のような薬剤または美容成分などを添加する場合は、ゲル化する(多糖体の濃度により温度差があるが20〜50℃)前に、任意に混合し溶解させる。このゲルを厚さ数ミリにカッティングするか、または粘性質な溶液であればそのまま急速凍結し、これを真空凍結乾燥する。
【0022】
【実施例】海藻由来多糖体の使用量の検討海藻由来の多糖体の濃度をいろいろと変えて標記の方法により製したシートの使用感を評価した。その結果、0.1〜10重量%ぐらいが、柔らかさ、感触、強度など、シートとしての使用性が最も好ましいものが得られることがわかった。
【0023】
【実施例】各種皮膚貼付用シートの試作製造前記の各種の薬剤、美容成分、増粘剤などを添加した医療用または化粧用の皮膚貼付用シートを試作した。製したシートは表1の通りである。尚、本発明の皮膚貼付用シートとは決してこれらに限定されるものではなく、このように目的に応じていろいろなものを製することができることを意味するものである。
【表1】


【0024】
【実施例】吸水力と保水力本発明の皮膚貼付用シートの吸水力と保水力について、これまで主に美容用として用いられてきたコラーゲンシートと比べるため以下のような試験を行った。
a)検体(1)実施例で試作製造したシート1(厚さ約1mm,約15cm2,乾燥重量0.072g)
(2)コラーゲンシート(厚さ約1mm,約15cm2,乾燥重量0.072g,ヘンケル社製)
b)吸水力と保水力検体に精製水を十分に吸収させ重量を測定した後、恒温室(28℃,湿度60%)にて放置し、経時的に重量の変化を求めた。
c)結果図1の通りである。実施例で得られた本発明のシートの方が吸水力が高いことが確認された。経時的な保水量の変化は両者とも同様であった。
【図1】
【0025】
【実施例】皮膚安全性試験(人パッチテスト)
健康成人男性ボランティア7名(25〜47才)と健康成人女性ボランティア23名の合計30名を対象に48時間クローズドパッチテストを行った。
a)検体(1)実施例で試作製造したシート1に精製水を含ませたもの(2)ろ紙に精製水を含ませたもの(比較対象)
b)方法Finn chamber,Scanpor tapeを用いて検体をボランティアの上腕内側に48時間クローズドパッチした。判定は除去後、1時間,24時間に貼付部の反応を観察した。
c)結果30名すべてのボランティアとも、除去後1時間及び24時間にあって、何等、紅斑,浮腫等の異常を認めず無反応(陰性)であることが確認された。
【0026】
【実施例】人及び動物による使用試験実施例で試作製造したシートを用いて下記、動物および各々の被検者に対して使用試験を試み、動物にあっては判定を、また人にあってはそれぞれ感想、意見を求めた。
【0027】a)皮膚創傷治癒試験ラット(5匹,154〜168g)をアバチン(2,2,2-tribromoethanol)溶液(1.8gを100mLの精製水に溶かしたもの,1.6mL/100g)で麻酔した後、背部を除毛し、皮革用ポンチ(内径9mm)にて皮膚の一部分を円形に切除し、左右対称の2個の皮膚剥離創を作製した。創作製後経日的に剥離部の長径及び短径をノギスにて測定し、面積(長径×短径)の平均値を剥離部面積として算出した。尚、左側には被検薬物溶液(0.5%アラントイン溶液)をそのまま1滴(1回/1日)塗擦し、また右側には実施例で得られたシート1(1.5cm×1.5cm)に同被検薬物溶液を含浸させたものを剥離部に軽くテープでとめ、1日毎の測定時に取り替えた。結果は、図2の通りである。
【図2】
【0028】b)カラゲニン誘発皮膚浮腫抑制試験ラット(1群5匹,151〜171g)の背部を脱毛し、脱毛背部左側に1%カラゲニン水溶液(0.1mL)を皮内注射し、対応する右側には生理食塩水(0.1mL)を皮内注射した。カラゲニン注射3時間後にラットを麻酔死させ、カラゲニンおよび生理食塩水注射部位の皮膚を円形(直径9mm)にパンチ切除し、それらの皮膚片の重量を測定し、浮腫率を次式により算出した。
【数1】


被検薬物は、1群に対しては実施例で得られたシート7に精製水を十分含ませたものを、そしてもう1群に対してはシート7の製造の際に併用添加した各種薬用成分のみを同濃度に調整した水溶液を、カラゲニン注射3時間からカラゲニン注射部位を含む皮膚に貼付、または塗擦した。結果は、表2の通りである。
【表2】


【0029】c)化粧用シートとしての使用試験成人女性パネラー(8名,24〜33才)に、実施例で製したシートとコラーゲンシートを自由に使用してもらい、両者の使用感、感触などについて感想や意見を求めた。また、あらかじめ用意したアンケートについても回答を求め、点数法で集計した。結果は、表3および表4の通りである。
【表3】


【表4】


【0030】
【発明の効果】本発明による皮膚貼付用シートは安全性が極めて高く、一般細菌に侵されない素材を使用したことで皮膚を衛生的に保つことができる。またシート成形時において、医薬成分や美容成分などを目的に応じ配合することにより多目的な応用範囲が広がる。簡易な製法により、これまでのシートよりも低コストで安定供給することができることにより、日常雑貨から化粧品、医薬品まで人の生活に広く貢献できるものと考える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の皮膚貼付用シートの吸水力と保水力を示す。図中、●を結ぶ実線は実施例で得られたシート1での結果を表す。△を結ぶ破線はコラーゲンシートでの結果を表す
【図2】ラットの皮膚創傷治癒試験結果である。図中、■を結ぶ実線は実施例で得られたシート1を使用した時の結果を表す。○を結ぶ破線は被検薬物溶液のみの使用した時の結果を表す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 海藻から抽出された多糖体を0.1〜10%量含有する溶液またはゲルをシート状に乾燥させて得られた皮膚貼付用シート。

【図1】
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【図2】
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