説明

盗難防止のための鍵付きネジ蓋

【課題】 本発明は、例えば自動車の車内等にネジ止め固定してあるナビゲーション等の電装品等を盗難やイタズラから守る鍵付きネジ蓋に関し、従来は、簡単で確実な盗難防止手段はなかった。
【解決手段】 座盤と、ネジを覆う蓋盤と、前記蓋盤に設けられた鍵穴と、からなり、ステーなどの固定金具をネジ止めした後、固定金具とネジとの間に咬まされた前記座盤に前記蓋盤を嵌着施錠し、前記鍵穴へ鍵を差し込んで前記蓋盤と前記座盤との施錠を解除させることができるようにしたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動車の車内等にネジ止め固定してあるカーナビゲーション、カーテレビ、カーステレオ、無線機、アンプ、スピーカ等の電装品、ナンバープレート等を盗難から守る鍵付きネジ蓋に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の車内に取り付けられるカーナビゲーション、カーテレビ、カーステレオ、無線機、アンプ、スピーカ等は、一般的に使用されている+や−のタッピングネジが用いられているため、一般の工具さえ手に入れば、プロの車上荒らしでなくても簡単に取り外して持ち去ることができる。
【0003】
そのような盗難を防止するため、+や−のタッピングネジの頭を潰して取り外しができないようにしたり、+や−のタッピングネジの頭の溝に蝋を垂らして埋め、一般の工具がすぐには使えない工夫を施していた。
【0004】
また、特殊のネジやビスを用いて取り付ける方法もあるが、取り外しにはそれに見合う特殊な工具が必要であった。
【特許文献1】特開2003−130024号公報
【特許文献2】特開2003−90322 号公報
【非特許文献1】ネジの高山のホームページの中から、いたずら防止ネジ。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら+や−のタッピングネジの頭を潰して取り外しができないようにしてしまうと、電装品の修理や交換のため取り外しもできなくなるため、好ましい盗難防止策とは言えないし、+や−のタッピングネジの頭の溝に蝋を垂らして埋める方法も、加熱して蝋を溶かせば簡単に取り外すことができ、十分な役には立たなかった。
【0006】
また、特殊のネジやビスを用いて取り付ける方法は、取り外すのにそれに見合う特殊な専用工具が必要であり、また、その専用工具さえ手に入れれば、簡単に螺解され、確実な安全策とは言えなかった。
【0007】
本発明は、簡単な構造で盗難が確実に防止でき、しかも、必要なときに、電装品等を簡単に取り外しできる盗難防止のための鍵付きネジ蓋を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
斯かる目的を達成するため、請求項1に係る発明は、座盤と、ネジを覆う蓋盤と、前記蓋盤に設けられた鍵穴とからなり、ステーなどの固定金具をネジ止めした後、固定金具とネジとの間に咬まされた前記座盤に前記蓋盤を嵌着施錠し、前記鍵穴へ鍵を差し込んで前記蓋盤と前記座盤との施錠を解除させることができるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、ステーなどの固定金具をネジ止めした後、固定金具とネジとの間に咬まされた前記座盤に前記蓋盤を嵌着施錠し、前記鍵穴へ鍵を差し込んで前記蓋盤と前記座盤との施錠を解除させることができるものであることから、鍵がなければ、蓋盤を取り外すことができない。
【0010】
また、スパナやプライヤーなどの工具で強引に回したり、または、引き抜こうとしても、滑りやすい構造となっているドーム状の蓋盤を挟むことはほぼ不可能である。よって、盗難を確実に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は、ステー等の固定金具2にカーナビゲーションが取り付けられた状態を示し、3は従来の+や−のタッピングネジを表し、4は本発明に係る盗難防止のための鍵付きネジ蓋が取り付いた状態を示している。通常は、このような取り付け方はしないが、従来品と本発明品との違いを分かり易くするために示してある。
【0012】
図2(a)は、本発明に係る盗難防止のための鍵付きネジ蓋4の分解図であり、6はネジを覆うドーム状の蓋盤で、外側中央に鍵穴13が穿たれ、下部には後述する座盤9の内部に穿たれた座盤のネジ溝11に嵌め込むための蓋盤のネジ溝7が穿たれ、さらに、相対する位置にストッパー用の爪8が設けられている。
【0013】
図中、5は一般的な+や−のタッピングネジである。9は図3(a)で明らかの如く、ドーム状の蓋盤に穿たれた蓋盤のネジ溝7を嵌め込むための座盤のネジ溝11が内部に穿たれ、さらに、蓋盤6に設けられたストッパー用の爪8を落とし込む溝(ストッパー止め)10が穿たれている座盤である。また、ネジ5を差し込む穴14が穿たれている。
【0014】
図2(b)は鍵付きネジ蓋4を組み付けた状態図である。図3(a)は図2を別の角度から見たもので、図3(b)は平面図である。
【0015】
図4は、ステー等の固定金具2に鍵付きネジ蓋4を取り付ける状態の分解図であり、12は施錠を解除させるための鍵である。
【0016】
本発明は、このように構成されているから、座盤9を通したタッピングネジ5をステー等の固定金具2に取り付けて締め上げた後、鍵付きネジ蓋4を座盤9に嵌め込み、ストッパー用の爪8が溝(ストッパー止め)10に落とし込まれるまでねじ込む。カチッと音がすれば、落とし込みが完了する。以後は鍵12を使わない限り、施錠を解除できない。すなわち、固定金具とネジとの間の咬まされた座盤に蓋盤を嵌着施錠するため、鍵穴へ鍵を差し込んで蓋盤と座盤との施錠を解除させない限り、取り外すことができない。
【0017】
ステーなどの固定金具2に施錠されたネジ蓋4の解除方法については、あらかじめネジ蓋専用鍵12でネジ蓋の鍵穴13に差し込みながら、施錠された時との逆方向へ回し、カチッとという音がしたら、ストッパーの爪8と溝(ストッパー止め)10の解除ができたというサインなので、そのまま蓋盤を数回まわして行けば、蓋盤と座盤の解除が完了。あとは通常通りに螺解することができ、取り外しは簡単である。
【0018】
本発明の蓋盤は、丸みのあるドーム状になっているため、スパナやプライヤーなどの工具で挟んで回したり、または、引き抜こうとしても、滑って挟むことができない。また、マイナスドライバーなどで蓋盤を抉じ開けようとしても、蓋盤のネジ溝7と座盤のネジ溝11がお互いに噛み込んでいるため、マイナスドライバーで蓋盤を抉じ開けることは不可能である。
【0019】
本発明は、自動車の車内に於ける電装品やナンバープレートの盗難防止を中心に説明してきたが、自動車に限らず、バイクや自転車、公共施設などに装備された品々の盗難やイタズラ防止にも適用可能なことは、言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】ステー等の固定金具2にカーナビゲーション1が取り付けられた状態 を示す図。
【図2】(a)は本発明に係る盗難防止のための鍵付きネジ蓋4の分解図。 (b)は、鍵付きネジ蓋4を組み付けた状態図。
【図3】(a)は、図2を別の角度から見た分解図。 (b)は、図3(a)平面図である。
【図4】ステー等の固定金具2に鍵付きネジ蓋4を取り付ける状態の分解図。
【符号の説明】
【0021】
1 カーナビゲーション等の電装品
2 ステー等の固定金具
3 タッピングネジ
4 鍵付きネジ蓋
5 タッピングネジ(側面)
6 蓋盤
7 蓋盤のネジ溝
8 ストッパー用の爪
9 座盤
10 溝(ストッパー止め)
11 座盤のネジ溝
12 鍵
13 鍵穴
14 差し込み穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
座盤と、ネジを覆う蓋盤と、前記蓋盤に設けられた鍵穴とからなり、ステーなどの固定金具をネジ止めした後、固定金具とネジとの間に咬まされた前記座盤に前記蓋盤を嵌着施錠し、前記鍵穴へ鍵を差し込んで前記蓋盤と前記座盤との施錠を解除させることができる盗難やイタズラ防止のための鍵付ネジ蓋。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2006−177029(P2006−177029A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−370942(P2004−370942)
【出願日】平成16年12月22日(2004.12.22)
【出願人】(304061745)