説明

盗難防止具

【課題】盗難防止対象機器に特別な仕掛けを要さず、施錠後は作業工具などで盗難防止対象機器の装着部や盗難防止具自体や施錠具を破壊し難く、盗難防止対象機器の筐体カバーの開蓋をも阻止できる盗難防止具を提供する。
【解決手段】盗難防止対象機器の筐体100外部に使用されているネジ50自体で3ピース構造の盗難防止具10の固定底座を筐体に固定する。固定底座で筐体外部に装着した底板付回転筒にネジ頭を覆う天蓋付回転筒を装着して施錠した組合せがネジに対して自在に回転できる構造として作業工具では破壊し難い盗難防止具を実現した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】

本発明は、例えばコンピュータのカバーなどを固定するために用いられたネジを用いて装着し、そのネジをネジ形状に拘わりなく捻回操作できなくすることで盗難を防止する盗難防止具に関する。

【背景技術】
【0002】

例えば卓上などに置かれた盗難防止対象機器であるコンピュータや事務機が盗難に遭うことを防止する器具は既に多くのものが開発され実用化されているが、盗難防止のために特別な構造や仕掛けを盗難防止対象機器の側に求めるものでは、この構造や仕掛けを備えていない盗難防止対象機器の盗難を防ぐことは容易でなく、また盗難を防止する仕掛けが利用できても開蓋できてしまう場合は前記機器内部の素子や器具の盗難は防止できないことが多く、更に盗難に遭わなくても破壊される恐れが有る。

【0003】

盗難防止のために特別な構造や仕掛けを備えていない盗難防止対象機器にも用い得るだろう盗難防止ネジも既に考案され実用されているが、例えばコンピュータや事務機器のような盗難防止対象機器は夫々のメーカの独自の判断で様々なネジが用いられるため必ずしもこのネジを盗難防止ネジに替えて利用できるとは限らないのが現状である。

【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】

【特許文献1】特願2006-324837
【特許文献2】特開平8-114214
【特許文献3】特開平10-131584
【特許文献4】登録実用新案第3092297号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】

優れた仕掛けの盗難防止具であっても、

(1)盗難防止具を利用するために特別な構造や仕掛けを必要とする場合は、この仕掛けを持たない盗難防止対象機器ではその盗難防止具を利用することができない。

(2)盗難防止機能を備えたネジやそのカバーであっても、盗難を防止しようとする盗難防止対象機器で使用されているネジに互換性が無ければ利用できない。

(3)盗難防止具が装着できてもカバーの取り外しを防げなければ盗難防止対象機器は内部の部品が盗難に遭ったり破壊されたりする被害を防止できない。

(4)盗難防止具がカバーの取り外しを防いで装着できても盗難防止対象機器や盗難防止具自体の形状がペンチなどの作業工具で掴みやすい場合は強い力を加えられて破壊され易い構造になり被害を防止できない。特に特開平10-131584は盗難防止具が装着先の太さに比較して長いため盗難防止具を捻り易く前記係止先を破壊する力を掛け易い。

本発明は上記に鑑み、

【0006】

盗難防止具の盗難防止対象機器への装着は元々盗難防止対象機器に用いられていたネジを用いることができて、施錠後はこのネジの操作が不可能であり、前記盗難防止具の装着は盗難防止対象機器のカバーの留めネジで行うこともでき、盗難防止具は装着面積に対する装着面に垂直な方向の長さが短くできて堅牢な構造であり、前記ネジの捻回進行方向を軸とする盗難防止具の回転が自在なため装着後はネジを緩めることができず、盗難防止具の前記軸をペンチなどの作業工具で捻っても壊され難い形状の盗難防止具を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】
【0007】

上記目的を達成するための本発明の盗難防止具は例えば盗難防止対象機器のカバーなどを固定するために用いられたネジを用いて装着し、そのネジをネジ形状に拘わりなく捻回操作できなくすることで盗難を防止する盗難防止具に関する。

【0008】

(1)本発明の盗難防止具は、側面に南京錠のツルが貫通する施錠孔と底部に固定底座の台部が貫通する円形孔とを備えた中空構造の底板付回転筒と、側面に南京錠のツルが貫通する施錠孔と天部に天蓋とを備えた中空構造の天蓋付回転筒と、その中央に底板付回転筒の底部の円形孔を貫通する短円柱形の台部と盗難防止対象機器にネジ留め固定するためのネジが貫通する丸孔とを備え底板付回転筒の底部の円形孔を貫通できない縁部が台部に重なって備えられた固定底座とで構成される。

【0009】

(2)前記の底板付回転筒と天蓋付回転筒は異なった直径を有し、一方を他方にほぼ接して挿し込むことができる。差し込まれたとき何れが外筒で何れが中筒になる組合せも、共に本発明の範囲に含まれる。

ここで、前記の底板付回転筒、天蓋付回転筒、固定底座は、

【0010】

(3)例えば鋼材などの十分な強度が備わった材質の鋳造、鍛造、旋盤加工などの工法を用いてペンチやプライヤなどの工具で容易に破壊できない強度にすることが好ましい。

ここで固定底座は、

【0011】

(4)台部の厚み寸法が底板付回転筒底部の厚み寸法より大きいものであり、

(5)貫通するネジとの間にネジ径調整座金を装着するための座金室を設けてもよい。

またここで底板付回転筒と天蓋付回転筒は、

(6)施錠孔に南京錠のツルや鋼索を通して施錠した状態で底板付回転筒内と固定底座の夫々が同時にペンチなどの作業工具で掴めないことが好ましい。

更にここで底板付回転筒は、

【0012】

(7)軸方向の長さ寸法がより短く、外周直径と同等、或いは以下にすることが好ましい。

【発明の効果】
【0013】

盗難防止対象機器に固定底座を底板付回転筒を介してネジで装着した後で底板付回転筒に天蓋付回転筒を被せ或いは挿し込んで南京錠のツルや鋼索を通して施錠すると盗難防止具の外部からネジ頭には接触できず、その捻回操作が不可能になって盗難防止を達成できる。

【0014】

盗難防止対象機器の筐体に使用されているネジを用いて本発明の盗難防止具はコンピュータや事務機は勿論だがそれ以外にも装着できるので広く多様な機器を盗難防止対象機器として盗難防止具を提供できる。

【0015】

本発明の盗難防止具は盗難防止対象機器の筐体のカバーの留めネジで装着することもできるので盗難防止対象機器の盗難を防止するとともに筐体内部の盗難や破壊も防止できる。

【0016】

前記施錠後はペンチなどの工具で捕捉できるのは回転筒の外周部のみになり、前記外周を捕捉して無理にネジの回転を試みてもネジは回転筒内部で固定底座を固定しているために回転筒はネジの捻回進行方向を軸に自在に空転してしまうので内部のネジを外すことはできない。

【0017】

施錠後外部に露出している回転筒外周部と天蓋付回転筒の天蓋部は容易にドリルで穴あけできないため、盗難防止具内で固定底座を固定しているネジに触れることができない。

【0018】

盗難防止具の筐体への固定面寸法に比較して固定面から垂直方向の寸法が短く押えられるシンプルな構造なので盗難防止具自体及び盗難防止具を装着した機器の盗難防止具の取り付け部は破壊し難い。

【図面の簡単な説明】
【0019】

【図1】(A)は盗難防止対象機器に盗難防止具が未装着の例えばコンピュータの筐体断面図であり(B)は本発明の盗難防止具をそのカバーの留めネジで装着している途中の前記コンピュータの筐体断面図である。
【図2】例えばコンピュータ本体のカバー用留めネジで盗難防止具を装着した本発明の盗難防止具を南京錠で施錠し鋼索を南京錠と卓の足とに係縛した断面図である。
【図3】は本盗難防止具の底板付回転筒が天蓋付回転筒より大きい構成を示す断面図である。
【図4】は本盗難防止具の天蓋付回転筒が底板付回転筒より大きい構成を示す断面図である。
【図5】は本盗難防止具の底板付回転筒を円錐台形にした構成を示す断面図である。
【図6】は本盗難防止具の天蓋付回転筒を円錐台形にした構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】

本発明の盗難防止具は、例えばコンピュータのカバーなどを固定するために用いられたネジを用いて装着し、そのネジをネジ形状に拘わりなく捻回操作できなくすることで盗難を防止する盗難防止具において実現された。

【実施例1】
【0021】

図1(A)ならびに図1(B)と図2とを参照して、例えばコンピュータ等の盗難防止対象機器の筐体の、例えばカバー部などを固定するために用いられたネジを用いて装着し、そのネジをネジ形状に拘わりなく捻回操作できなくすることで盗難を防止する盗難防止具の実施例1を説明する。

【0022】

図1(A)は盗難防止具10が装着される前の盗難防止対象機器の筐体100をカバー110を固定したネジ50の位置で前後に切断した断面図である。図1(B)は盗難防止対象機器の筐体100のカバー110を留めていたネジ50により、本発明の盗難防止具10を盗難防止対象機器に装着する過程を示し、底板付回転筒30は既に固定底座40を介して前記ネジ50がカバー110の折り曲げ縁部115を貫通して筐体100に固定された状態を、ネジ50の位置で筐体を前後に切断した断面図として示したが、盗難防止の完了には天蓋付回転筒20が底板付回転筒30に装着される必要があり、その後施錠されて図2の状態になると盗難防止機能を発揮する。

【0023】

本発明の実施例1では4種類の底板付回転筒30と天蓋付回転筒20の組合せ形態を用い得るが、夫々は何れも底板付回転筒30がネジ50により固定底座40を介して盗難防止対象機器の筐体100に装着され、何れの組合せ形態を用いても、底板付回転筒30は固定底座40により盗難防止対象機器にネジ50によってネジ50を軸に回転自在に固定され装着完了時は天蓋付回転筒が外部からネジ50への接触を阻止する。この状態で施錠孔に施錠すれば底板付回転筒30と天蓋付回転筒20は引き離せなくなり盗難防止目的は達成される。

【0024】

図2は盗難防止対象機器の筐体100にカバー110をカバー縁の折り曲げ縁部115を介してネジ50で装着し、盗難防止具10の施錠孔21,31にツル155を貫通した南京錠150で施錠し、前記ツル155と盗難防止対象機器を設置した卓の脚部200を鋼索で係縛した状態を示した断面図である。

【0025】

盗難防止対象機器の盗難を防止するには、前記の通り底板付回転筒30を盗難防止対象機器に固定した後、底板付回転筒30と天蓋付回転筒20との側面を貫通して設けられた施錠孔が重なるように底板付回転筒30と天蓋付回転筒の一方を他方に挿し込んで底板付回転筒30内に在るネジ50の頭を天蓋付回転筒20の天蓋22で覆い、施錠孔21,31に南京錠150のツル155や鋼索160を通して施錠することで、天蓋付回転筒20を底板付回転筒30から抜き取れなくしてネジ50の操作を阻止して盗難防止具10を盗難防止対象機器から外せなくできる。したがって、南京錠150や鋼索160を卓の脚部200や建物に係縛することで盗難防止対象機器の盗難を防止できる。また、底板付回転筒30はネジ50を軸にして自在に回転できるので、施錠後にペンチなどの作業工具を用いて盗難防止具10を掴んで回してネジ50を緩めようとしても盗難防止具10はネジ50に対し空回りするので盗難防止具10が盗難防止対象機器から外されることはない。

【0026】

盗難防止機能を解除するには南京錠150や鋼索160を用いた施錠を解き、天蓋付回転筒20を底板付回転筒30から抜き外し、その後ネジ50を緩めて底板付回転筒30と固定底座40を盗難防止対象機器から撤去すればよい。

【0027】

本実施例の盗難防止具10において、盗難防止具10を筐体100に装着するために盗難防止対象機器の筐体100に特別な仕掛けは不要である。同時に盗難防止具10を盗難防止対象機器に装着するネジ50は形状を選ばないため、盗難防止具10を筐体100に装着するネジは筐体100の外周面のネジを利用できる。そのネジが筐体カバー110を固定しているネジ50であれば、盗難防止具10が装着されている間はカバー110の開蓋が阻止されて盗難防止対象機器の内部が盗難や破壊から保護される。

【0028】

盗難防止具10は盗難防止対象機器に装着後は例えばペンチなどの作業工具で掴まれ無理な力が加えられないことが好ましい。このためには盗難防止具10と盗難防止対象機器との接触面から垂直方向の盗難防止具10の寸法が盗難防止具10と盗難防止対象機器の接触面の直径に比較して極力短いことが好ましく、例えばその比を1以下にすることが良い。

【0029】

固定底座40はネジ50のネジ頭の裏側が接触する部分にネジ孔と同心円でネジ頭より大きな直径の凹部を座金室42として設けてもよい。固定底座40の中央に設けられたネジ孔に対しネジ50の径が小さい場合、ネジ径50に合わせた孔を設けた調整座金を座金室42に装着することで、固定底座40の中央の孔とは径が異なるネジ50を使用する場合でも固定底座40とネジ50間にネジ締め付け状態を害する可能性がある不要な隙間を排除してもよい。
【0030】
例えば、固定底座がM6のネジ用に用意された盗難防止具10を用いるが、盗難防止対象機器の該当するネジ50がM3ネジであった場合に中央孔径が3ミリの調整座金を座金室に装着することでM3ネジによる確実な盗難防止具の装着が実現する。同様に盗難防止対象機器の該当するネジがM5であってもM4であっても夫々に対応する調整座金によりM6ネジ用の固定底座で構成された盗難防止具を不都合なく使用することが可能である。

【0031】
本発明の盗難防止具の実施例1に用い得る底板付回転筒と天蓋付回転筒のと組み合わせ(回転筒の組合せ)には複数の種類があるので、各種の例を図を参照しながら説明する。

【0032】

図3を参照して、底板付回転筒、天蓋付回転筒の組み合わせの実施例1を説明する。図3は底板付回転筒30、天蓋付回転筒20を含む本発明の盗難防止具の断面図である。この図では図1(A)、図1(B)と図2とに示す構成要素と同じ構成要素には同じ符号が付されている。

【0033】

図3に示す回転筒の組み合わせの実施例1では、底板付回転筒30が外筒で天蓋付回転筒20が中筒であり、天蓋付回転筒20の底板付回転筒30への装着は天蓋付回転筒20を底板付回転筒30に挿し込んで行う。

【0034】

回転筒の組み合わせの実施例1では天蓋付回転筒20を底板付回転筒30に完全に差し込んだとき両回転筒の側面を貫通する施錠孔21,31はほぼ完全に重なることが好ましく、施錠孔21,31に施錠具を挿し込んで施錠することで盗難防止機能が得られる。更に、用いる南京錠150や鋼索160などの施錠具を施錠孔21,31に貫通させて通したとき中筒の天部にある天蓋22の縁は角を落としたり、底板付回転筒30の上縁より下に在ることが作業工具を用いて回転筒の夫々を掴んで施錠具を捻り壊すことを阻むことができ都合が良い。

【0035】

図4を参照して、底板付回転筒、天蓋付回転筒の組み合わせの実施例2を説明する。図4は底板付回転筒30、天蓋付回転筒20を含む本発明の盗難防止具の断面図である。この図では図1(A)、図1(B)と図2とに示す構成要素と同じ構成要素には同じ符号が付されている。

【0036】

図4に示す回転筒の組み合わせの実施例2では、天蓋付回転筒20が外筒で底板付回転筒30が中筒であり、天蓋付回転筒20の底板付回転筒30への装着は天蓋付回転筒20を底板付回転筒30に被せて行う。

【0037】

回転筒の組み合わせの実施例2では天蓋付回転筒20を底板付回転筒30に完全に被せたとき両回転筒の側面を貫通する施錠孔21,31はほぼ完全に重なることが好ましく、施錠孔21,31に施錠具を挿し込んで施錠することで盗難防止機能が得られる。この回転筒の組み合わせの実施例2では作業工具を用いて掴める回転筒は天蓋付回転筒20のみであり、両回転筒を掴んで施錠具を捻り壊すことができないため都合が良い。

【0038】

図5を参照して、底板付回転筒、天蓋付回転筒の組み合わせの実施例3を説明する。図5は底板付回転筒30、天蓋付回転筒20を含む本発明の盗難防止具の断面図である。この図では図1(A)、図1(B)、図2と図3とに示す構成要素と同じ構成要素には同じ符号が付されている。

【0039】

図5に示す回転筒の組み合わせの実施例3では、底板付回転筒30が外筒で天蓋付回転筒20が中筒であり、天蓋付回転筒20の底板付回転筒30への装着は天蓋付回転筒20を底板付回転筒30に挿し込んで行う。

【0040】

回転筒の組み合わせの実施例1では天蓋付回転筒20を底板付回転筒30に完全に差し込んだとき両回転筒の側面を貫通する施錠孔21,31はほぼ完全に重なることが好ましく、施錠孔21,31に施錠具を挿し込んで施錠することで盗難防止機能が得られる。更に、用いる南京錠150や鋼索160などの施錠具を施錠孔21,31に貫通させて通したとき中筒の天部にある天蓋22の縁は角を落としたり、底板付回転筒30の上縁より下に在ることが作業工具を用いて回転筒の夫々を掴んで施錠具を捻り壊すことを阻むことができ都合が良い。

【0041】

更にまた、外筒である底板付き回転筒30は外周を盗難防止対象機器に近い側の直径が大きく、遠い側の直径が小さい略円錐台形とした。この結果、作業工具を用いて外筒を掴む場合作業工具が滑り易く作業工具を用いて回転筒の夫々を掴んで施錠具を捻り壊すことを阻むことが更に容易にでき都合が良い。

【0042】

図6を参照して、底板付回転筒、天蓋付回転筒の組み合わせの実施例4を説明する。図6は底板付回転筒30、天蓋付回転筒20を含む本発明の盗難防止具の断面図である。この図では図1(A)、図1(B)図2と図4とに示す構成要素と同じ構成要素には同じ符号が付されている。

【0043】

図6に示す回転筒の組み合わせの実施例4では、天蓋付回転筒20が外筒で底板付回転筒30が中筒であり、天蓋付回転筒20の底板付回転筒30への装着は天蓋付回転筒20を底板付回転筒30に被せて行う。

【0044】

回転筒の組み合わせの実施例2では天蓋付回転筒20を底板付回転筒30に完全に被せたとき両回転筒の側面を貫通する施錠孔21,31はほぼ完全に重なることが好ましく、施錠孔21,31に施錠具を挿し込んで施錠することで盗難防止機能が得られる。この回転筒の組み合わせの実施例2では作業工具を用いて掴める回転筒は天蓋付回転筒20のみであり、両回転筒を掴んで施錠具を捻り壊すことができないため都合が良い。

【0045】

更にまた、外筒である底板付回転筒30は外周を盗難防止対象機器に近い側の直径が大きく、遠い側の直径が小さい略円錐台形とした。この結果、作業工具を用いて外筒を掴む場合作業工具が滑り易く作業工具を用いて回転筒の夫々を掴んで施錠具を捻り壊すことを阻むことが更に容易にでき都合が良い。

【0046】

10 盗難防止具

20 天蓋付回転筒

21 天蓋付回転筒の施錠孔

22 天蓋付回転筒天蓋

30 底板付回転筒

31 底板付回転筒の施錠孔

32 底板付回転筒底部

40 固定底座

41 固定底座台部

42 座金室

50 留めネジ

100 コンピュータや事務機器など盗難防止対象機器の筐体

105 コンピュータや事務機器など盗難防止対象機器の前面パネル

110 コンピュータや事務機器など盗難防止対象機器のカバー

115 コンピュータや事務機器など盗難防止対象機器のカバーの落ち曲げ縁部

150 南京錠

155 南京錠のツル

160 鋼索

165 楕円圧着管

200 卓脚部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
例えばコンピュータのカバーなどを固定するために用いられたネジを用いて装着し、そのネジをネジ形状に拘わりなく捻回操作できなくすることで盗難を防止する盗難防止具において、

その側面左右に南京錠のツルが貫通できるよう施錠孔を設け底面に固定底座の台部が貫通する円形孔が設けられた底付略円筒形の底板付回転筒と、底板付回転筒内にほぼ密着して収まるその側面左右に前記南京錠のツルが貫通できるよう施錠孔が設けられ天面が塞がれた天蓋付略円筒形の天蓋付回転筒と、底板付回転筒の底面の円形孔にその台部のみがほぼ密着して貫通し中央に盗難防止対象機器にネジ留め固定するためのネジを貫通する丸孔を備えた固定底座とで構成され、固定底座を介して底板付回転筒を盗難防止対象機器に固定したネジ頭を底板付回転筒に嵌め込んだ天蓋付回転筒により外部よりの接触を阻止することで操作不可能にできて底板付回転筒と天蓋付回転筒とを貫通した施錠孔にそのツルが貫通する南京錠で施錠することで盗難防止対象機器の盗難防止を可能にすることを特徴とする盗難防止具。

【請求項2】
施錠後、底板付回転筒と天蓋付回転筒とが固定底座を盗難防止対象機器に固定したネジの進行方向を軸に自在に回転でき盗難防止具外部から該ネジを緩めることが不可能になることを特徴とする請求項1の盗難防止具。

【請求項3】
盗難防止対象機器の筐体外面に施されたタップ孔にねじ込まれたネジで盗難防止対象機器に装着可能なことで盗難防止対象機器に特別な盗難防止具装着用加工を必要とせずに装着可能なことを特徴とする請求項1並びに請求項2の盗難防止具。

【請求項4】
固定底座に設けた座金室に装着する盗難防止具固定に使用されるネジ径に合わせた中央孔を持つ寸法調整座金を装着、撤去或いは交換することで複数の固定ネジ径に対応可能なことを特徴とする請求項1、請求項2並びに請求項3の盗難防止具。

【請求項5】
回転外筒の外周形状に傾斜を持たせて底部側の直径を大きく天縁側の直径を小さくフジツボ型とすることで回転筒を作業工具で掴み難くし固定底座を盗難防止対象機器に固定したネジの軸を捻ろうとすると作業工具が底板付回転筒からすべり易くして盗難防止具や盗難防止対象の機器を破壊することを防ぐことを特徴とした請求項1、請求項2、請求項3並びに請求項4の盗難防止具。

















【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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