説明

監視システムにおける通報装置

【課題】本開示では、通報装置として通報中止機能の使用可否設定、通報先毎の通報中止機能の使用可否設定、通報する信号毎の通報中止機能使用可否設定などの組み合わせを可能とし、通報先に適応した使用を可能とした監視システムにおける通報装置を提供する。
【解決手段】通報信号が出力されている信号経路の途中で前記通報信号の出力を中止できる通報中止機能を有した通報装置において、装置対応ブロックは、通報装置全体としての通報中止機能の動作の可否を設定できる。また通報先対応ブロックは、複数の通報先に対して通報先毎の通報中止機能の動作の可否を設定できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、監視システムにおける通報装置に関する。
【背景技術】
【0002】
24時間連続稼働するプラント、例えば浄水場、上水道設備などの水処理施設には、水位を監視する監視システムが設備される。この種のプラントでは、夜間や休日に無人状態になっても監視システムにより水位の監視が続けられる。
【0003】
プラントで異常が発生した場合、例えば水位が予め設定されている基準を下回った場合、監視システムにおける通報装置が動作する。この通報装置は、プラント監視員や、需要家に対して異常を通知する。プラント監視員は、例えば、プラントの機能を維持・整備するためにプラント施設に常駐する者、あるいは自宅に待機する職員あるいは委託業者である。需要家は、プラントからの提供物(例えば水、ガスなど)を受けて使用し、費用を支払う立場にある人或いは工場、病院などの施設である。
【0004】
上記の通報装置には、通報を行うべき信号の種類、通報先、通報時間帯、通報方法が登録されており、通報が必要な時間帯、タイミングに、通報が必要な通報先に、通報が必要な内容を、設定された方法で通報している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−54115号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
通報する信号の状態が短い周期で変化した場合、繰り返し同じ通報が行われるケースがある。例えば、水処理施設において、水位が5m以下になった場合に通報する設定が行われている信号で、水位が5m付近で上下すると水位の下限異常の発生と下限異常の復帰を繰り返すことになる。この場合、通報装置は、水位の下限異常発生と下限異常復帰を繰り返し通報する。また、センサー等の計測機器の故障により計測値が不安定になった場合にも、通報装置は、異常発生の通報と、異常復帰の通報を繰り返し行う。
【0007】
プラント監視員は、異常であることの通報を通報装置から受けると、異常に対処するためにプラントの現場に向かい、異常の確認、異常を正常に戻すための処置を行う。
【0008】
しかし、通報が繰り返された場合、プラントの監視員は、現場に向かっている時や、処置を行っている時に通報が繰り返されることには意味がないので、通報先から監視システムに対して通報を一時中止する機能を必要としている。
【0009】
一方で、需要家は、何らかの操作によって意図せず通報が行われなくなると、必要な処置が行えなくなり、その結果、損害が発生する場合がある。このことを避けるためには、需要家にとっては、通報の一時中止はしない方が好ましい。
【0010】
例えば、水を使用する工場などでは、異常発生の通報ごとに、安全対策のために、作業を中止したり、水使用容量を下げたりする必要がある場合がある。このような需要家としての工場において、通報が一時的に中断されて、安全対策が実施されなと、工場での事故が生じたり、製品の不良が生じたりすることになる。このような需要家にとっては、通報の一時中止はしない方が好ましい。
【0011】
上記したように、同一プラントであっても、異常を知らせる通報の一時的中止が許されるケースと、通報の一時的中止が不可能なケースがある。
【0012】
そこで、本開示では、通報装置として通報中止機能の使用可否設定、通報先毎の通報中止機能の使用可否設定、通報する信号毎の通報中止機能使用可否設定などの組み合わせを可能とし、通報先に適応した使用を可能とした監視システムにおける通報装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
実施形態によれば、通報信号が出力されている信号経路の途中で前記通報信号の出力を中止できる通報中止機能を有した通報装置において、通報装置全体としての通報中止機能の動作の可否を設定できる装置対応手段と、複数の通報先に対して通報先毎の通報中止機能の動作の可否を設定できる通報先対応手段とを有する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施形態が適用されたプラント監視システムの概略構成を示す図である。
【図2】図1の通報装置の一動作態様を示すブロック構成図である。
【図3】図1の通報装置の他の動作態様を示すブロック構成図である。
【図4】図1の通報装置のさらに他の動作態様を示すブロック構成図である。
【図5】図1の通報装置のさらに他の動作態様を示すブロック構成図である。
【図6】図1の通報装置のセレクタの一例を示すブロック構成図である。
【図7】図1の通報装置のさらにまた他の動作態様を示すブロック構成図である。
【図8】図1の通報装置のまた他の動作態様を示すブロック構成図である。
【図9】図1の通報装置のさらにまた他の動作態様を示すブロック構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、実施形態が適用されたプラント監視システムの概略構成を示す図である。プラントは例えば水処理施設である。この実施形態は一例であり、水処理プラントなどの水処理施設に限定されるものではなく、電力、ガスなどのエネルギー供給プラント、空調プラントなどであってもよい。
【0016】
通報装置100には、例えば水位計からの計測データを取り込むコントローラ301が接続されている。また、通報装置100には、ネットワーク210が接続されており、このネットワーク210には、例えば別の水位計からの計測データを取り込むコントローラ301が接続されている。通報装置100は、上記の接続網を介して、水位計からの計測データを取り込みチェックすることができる。
【0017】
通報装置100には、例えばパーソナルコンピュータ200が接続されており、パーソナルコンピュータ200においては、通報装置100がデータ処理した結果をモニタすることができ、またパーソナルコンピュータ200から通報装置100に対して、各種の設定情報を与えることができる。また、通報装置100がデータ処理した結果は、ネットワークを介して接続されているパーソナルコンピュータ211、212、213などにおいてもモニタすることができる。さらにまた、パーソナルコンピュータ211から、通報装置100に対して、各種の設定情報を与えるようにしてもよい。
【0018】
通報装置100は、設定条件に応じて、予め設定されている通報先に”異常通報”を行うことができる。通報は、例えば電話回線310を介して携帯電話311に送信される経路と、ネール送信用ネットワーク410、メールサーバ411を介して、携帯電話412に送信される経路が可能である。携帯電話に限定されることなく、予め登録されている端末であればよい。端末としては、独自開発した携帯端末、或いは、据え置き型端末、電話器などが利用されてもよい。
【0019】
図2には、通報装置100の構成機能ブロックを簡略化して示している。通報装置100の周辺の装置であって、図1と同じ装置には、図1と同一符号を示している。120は、バスであり、システムコントローラ121が接続されている。通報装置100は、このシステムコントローラ121が中心となって動作する。バスには、動作モードを決めるモードセレクタ110が接続されこのモードセレクタ110の状態は、設定処理器122、端末応答処理器125により、切替えることができる。通報装置100は、モードセレクタ110に特徴を備えるが、まず、その周辺のブロックから説明する。
【0020】
バス120には、モデム126が接続されている。このモデム126は、図1で説明した電話回線310、メール送信用ネットワーク410と本通報装置100とを接続するものである。またバス120には、インターフェース123が接続されている。このインターフェースは、図1で説明したネットワーク210と本通報装置100とを接続するものである。
【0021】
モードセレクタ110について説明する。モードセレクタ110は、装置対応ブロック111と、通報先対応ブロック112、信号対応ブロック115を有する。
【0022】
装置対応ブロック111は、装置に対して通報中止機能設定を行うことができるブロックである。通報中止機能設定とは、装置が異常通報の出力を行った場合に、外部からの指示により、前記異常通報を中止可能とするか否かを設定することである。この装置対応ブロック111が「使用しない」と設定された場合、装置が異常通報の出力を行った場合に、どのような場合も、外部からの指示により、装置に対して異常通報の中止を実行させることはできない。
【0023】
この場合、後述する通報先毎と通報信号毎の設定は意味を持たず、通報先からの通報中止機能要求は行えなくなる。この設定の場合には、通報先毎と通報信号毎の両方で、通報中止機能によるフィルタリングが行われなくなり、全ての通報イベントが通報される。
【0024】
繰り返し通報が行われてしまう状況でも通報先からの操作により通報を中止することは出来ないが、通報装置で異常になっている通報信号を通報対象から除外する設定を行えば、繰り返し通報されなくすることは出来る。
【0025】
上記とは逆に、この装置対応ブロック111が「使用する」と設定された場合、装置が異常通報の出力を行った場合に、外部からの指示により、装置が異常通報を行うのを中止可能な状態となる。この場合、一部のプラント監視員、或いは一部の需要者は、設定状態に応じて装置が異常通報を行うのを中止させることができる。
【0026】
外部からの指示は、モデム126を介して、図1に示した携帯電話、パーソナルコンピュータなどから入力される。外部からの指示は、システムコントローラ121により解析される。通報中止機能の動作状態を解除するための指令のときは、端末応答処理器125が動作し、指令に応じて通報先対応ブロック、信号対応ブロックを制御する。
【0027】
先の異常通報とは、コントローラ303或いは302から入力した計測データを、システムコントローラ121が検出し、計測データが異常であると判定した場合、異常通報を監視員の端末や、需要化の端末に伝送することである。通報するイベントは、モードセレクタ110に入力される。モードセレクタ110は、設定処理器122により設定された状態に応じて、異常通報の形態を選択する。
【0028】
通報先対応ブロック112は、装置が異常通報の出力を行った場合に、いずれのプラント監視員或いは需要家が前記異常通報を中止させることができるか否かを設定するブロックである。通報先対応ブロック112では、前記異常通報を中止可能なプラント監視員(端末)及び又は需要者(端末)を選択的に設定できるもので、この設定も、設定処理器122から行われる。図3には、図2の一部分を取り出して示している。図3では、通報先対応ブロック112を「使用する」に設定している。この図3の例では、プラント監視員(端末)113が異常通報を中止できるように許可されており、需要家(端末)は、この許可が与えられていない例を示している。このようなときは、装置対応ブロック111では、使用すると設定されている。
【0029】
信号対応ブロック115は、装置が異常通報の出力を行った場合に、プラント監視員或いは需要家がいずれの信号に対する前記異常通報を中止させることができるか否かを設定するブロックである。信号としては、例えば、第1の貯蔵タンクAxの水位の状態を表す信号Aと、第2の貯蔵タンクBxの水位の状態を表す信号Bがある。さらには、水位の状態を表す信号Aと温度を表す信号Bでもよい。これらの信号A,Bは一例であり、プラントの種類、監視対象に応じて各種の信号がある。図4には、図2の一部分を取り出して示している。図4の例では、信号毎の通報中止機能を「使用する」に設定可能な例を示し、例えば、プラント監視員及び需要家に対して、信号Aに関しては中止できるように許可を与え、信号Bに関しては中止できないように設定した例を示している。
【0030】
図5の例は、通報先対応ブロック112において、プラント監視員に対しては中止機能を「使用する」と設定し、需要家に対しては中止機能を「使用しない」に設定した例を示している。そして、さらに信号対応ブロック115では、プラント監視員に対して送信される信号Aに関しては、中止機能を「使用する」にし、信号Bに関しては、中止機能を「使用しない」に設定した例である。また需要家に対しては、信号A,Bも必ず送信されるように設定した例である。
【0031】
上記したように、この通報装置では、通報装置全体の通報中止機能の動作可否を設定できる装置対応手段と、複数ある通報先毎の通報中止機能の動作可否を設定できる通報先対応手段と、複数ある通報信号毎の通報中止機能の動作可否を設定できる信号対応手段と、を有する。これにより、同一プラントであっても、異常を知らせる通報の一時的中止が許されるケースと、通報の一時的中止を禁止するケースを任意に設定することができる。
【0032】
図3の例にように、通報装置では、通報先毎に通報先からの通報中止機能の使用可否の設定が可能となる。例えば、プラント監視員には通報中止機能の使用を許可し、需要家には通報中止機能の使用を禁止することができる。このような場合、プラント監視は、通報が何度も繰り返された場合には、プラントでの異常状態の復旧作業が完了するまでは自身への通報を中止でき、需要家は通報が何度も繰り返されることに対する対応が行えないが、誤操作によって通報が中止されることを防ぐことができる。
【0033】
また図4に示したように、通報装置では、通報信号毎に通報中止機能の使用可否の設定が可能である。例えば、需要家への供給が停止する可能性があるプラントでの異常については通報中止機能を使用禁止として、それ以外の異常については通報中止機能を使用許可にすることができる。これにより、プラント監視員と需要家の両方とも、必ず通報されなければならない通報(信号)についてのみ通報中止操作が行えなくなり、重要な通報が確実に通報される様に設定することができる。よって、重要度の低い通報については、プラント監視員と需要家の両方で通報中止操作が行え、重要度の低い通報が繰り返されることはなく、重要な通報のみを受信できる様になる。
【0034】
さらに図5に示したように、通報装置では、通報先毎と通報信号毎に通報中止機能の使用可否設定が可能である。
【0035】
通報先毎の設定で通報中止機能を使用させない様にした場合、通報信号毎に通報中止機能が使用できる信号の通報が行われた場合でも、通報中止設定は行えなくなる。これにより、需要家などの重要な通報先については全ての通報イベントが通報される様になり、プラント監視員に対しては、重要度の高い通報イベントについては必ず通報されることができる。したがって、例えば、重要度が低い通報イベントについては通報中止にすることができる様になり、重要度に応じてきめ細かく通報内容を変更することが可能になる。
【0036】
図6には、通報装置100において通報の中止設定を行うことができる論理回路の一例を示している。論理的な設定機能は、パーソナルコンピュータ上のソフトウエアで実現してもよいが、専用の論理回路で実現してもよい。今、第1の貯蔵タンクAxの水位の異常を表す信号Aと、第2の貯蔵タンクBxの水位の異常を表す信号Bがあるものとする。
【0037】
まず信号Aと信号Bは、通報先対応ブロック112に含まれるゲート回路G11、G21に入力される。ゲート回路G11は、プラント監視員への信号経路を形成し、ゲート回路G21は、需要家への信号経路を形成している。ゲート回路G11から出力される信号A,Bは、信号毎対応ブロック115の一部を構成するゲート回路G12A、G12Bに入力することができる。またゲート回路G22から出力される信号A,Bは、信号毎対応ブロック115の一部を構成するゲート回路G22A,G22Bに入力することができる。
【0038】
ゲート回路G11,G12A,G12B、G21、G22A,G22Bには、それぞれゲート制御信号を与えることができる。まずゲート回路G1は、装置対応ブロック111の一部を構成している。
【0039】
装置全体の通報中止機能を「使用する」という設定が行われた場合は、ゲート回路G1は、ゲート回路G2からのゲート制御信号が、ゲート回路G11に供給されるように切り替わる。またこのときは、ゲート回路G1は、ゲート回路G3からのゲート制御信号が、ゲート回路G21に供給され、ゲート回路G4からのゲート制御信号が、ゲート回路G12Aに供給され、ゲート回路G5からのゲート制御信号が、ゲート回路G12Bに供給され、ゲート回路G6からのゲート制御信号が、ゲート回路G22Aに供給され、ゲート回路G7からのゲート制御信号が、ゲート回路G22Bに供給されるように切り替わる。
【0040】
装置全体の通報中止機能を「使用禁止する」という設定が行われた場合は、ゲート回路G1は、ゲート回路G11,G21,G12A,G12B,G22A,G22Bのゲート制御信号をすべて“1”にし、信号A,Bが常時通過できるようにする。
【0041】
今、ゲート回路G1が、装置の通報中止機能を「使用許可」の状態にあるものとする。次に、プラント監視員が、信号A,Bの通報を中止できるようにしたい場合は、ゲート回路G2の設定信号S2は、「使用許可S2=“1”」に設定される。すると、プラント監視員が、通報を中止させたいときに、「中止C2=“1”」のコマンドを送信してくると、ゲート回路G2の出力が“0”となり、ゲート回路G11は信号A,Bを通過禁止とすることができる。これにより、プラント監視員は、信号A,Bが繰り返し変化するような場合、その通報を中止させることができる。プラント監視員が、この中止を解除したい場合、C2=“0”のコマンドを送信すればよい。
【0042】
次に、プラント監視員が、信号Aのみを中止設定できるように、設定したい場合は、ゲート回路G2の設定信号S2は、「使用禁止S2=0」に設定され、ゲート回路G5の設定信号S5も「使用禁止S5=0」に設定される。そしてゲート回路G4の設定信号S4が「使用許可S4=1」に設定される。すると、プラント監視員が、信号Aの通報を中止させたいときに、「中止C4=“1”」のコマンドを送信してくると、ゲート回路G4の出力が“0”となり、ゲート回路G12Aは信号Aを通過禁止とすることができる。これにより、プラント監視員は、信号Aが繰り返し変化するような場合、その通報を中止させることができる。プラント監視員が、この中止を解除したい場合、C2=“0”のコマンドを送信すればよい。
【0043】
上記のようにこの通報装置は、需要家単位でも通報中止機能の「使用許可」または「使用禁止」を設定でき、また信号単位でも通報中止機能の「使用許可」または「使用禁止」を設定できる。
【0044】
通報中止機能を使用して通報を停止した場合、通報を再開する方法は、通報装置で通報中止設定を解除する方法、通報先から通報装置に対して通報中止設定の解除を要求する方法、通報装置に設定されている時間が経過した場合には通報中止設定を解除する方法の3つがある。
【0045】
通報装置で通報中止設定を解除するには、通報装置に接続されているパーソナルコンピュータ(操作卓、端末などの操作装置でもよい)の画面または、通報装置とネットワーク接続されている設定用パーソナルコンピュータで、通報中止機能の設定画面を表示して設定操作を行うことができる。設定画面には、通報中止設定を行う方法として、通報装置、通報先毎、通報信号毎の選択や、通報中止機能の使用可の場合、通報先毎と通報信号毎の通報中止設定が行われているかを確認する画面があり、プラントの監視員は通報装置の画面から通報中止設定の解除を行うことができる。
【0046】
通報先から通報装置に対して通報中止設定の解除を要求する方法について説明する。通報装置は、通報先に対して電話やメールで通報を行うが、通報先からも通報装置に対して電話やメールをすることで通報中止の解除を行うことができる。
【0047】
図7に、通報装置100にメールを送信することで通報中止設定の解除を行う場合の構成例を示している。
【0048】
通報装置100は、一定周期でメールを受信するメール受信器と、メールの送信元とメールの内容を解析するメール解析器を持つ。通報先から通報装置100に対して送信されたメールは、通報装置100が一定周期でメールサーバ411からメールを読み込む処理により通報装置100に取り込まれ、メール解析器142によりメールの発信者と内容が解析される。通報先として登録されているメールアドレスから発信されたメールがあった場合、メール内容の解析を行う。メール内容に予め決められた通報中止解除を行うための文字列が含まれていた場合には、通報中止設定器143に対してメール送信元の通報先に対して通報中止の解除を行う。通報中止設定器143は、通報中止設定の設定内容を更新して、次回のイベントから通報を再開する。
【0049】
図8は、通報装置100に電話をすることで通報中止設定の解除を行う場合の構成例を示している。
【0050】
通報装置100は、通報先からの電話を受ける電話着信器151と、通報先に操作ガイダンスを流すガイダンス送信器152と、通報先の電話からのガイダンスに従い操作を行ったプッシュボタンを認識するプッシュボタン操作解析器153を持つ。通報先から通報装置に対して電話を掛けた場合には、電話着信器151により通報装置100が電話を取り、ガイダンス送信器152によりプッシュボタン操作のガイダンスを再生する。電話によるプッシュボタンの操作があった場合にはプッシュボタン操作解析器153が操作内容を解析する。通報中止解除要求のプッシュボタン操作が行われた場合には、プッシュボタン解析器153が通報中止設定器154に対して電話を掛けてきた通報先に対して通報中止解除要求を行い、通報中止設定器154は、通報中止設定の設定内容を更新して、次回のイベントから通報を再開する。
【0051】
図9は、自動的に通報中止解除を行う場合の実施形態を示している。通報中止解除を行うためにどのような条件の下で、どの通報中止を解除するのか、予めデータベースとして構築しておく。このデータベースが通報中止解除定義格納部161に格納されている。通報中止が実行された後、通報中止設定器162は、通報中止解除定義格納部161のデータベースを監視し、条件(通報中止解除すべき対象、時間など)が満足されたとき、システムコントローラ121に通報中止解除信号を送信する。
【0052】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0053】
100・・・通報装置、200・・・パーソナルコンピュータ、210・・・ネットワーク、211、212、213・・・パーソナルコンピュータ、301、302・・・コントローラ、310・・・電話回線、311、412・・・携帯電話、410・・・メール送信用ネットワーク、411・・・メールサーバ、110・・・モードセレクタ、111・・・装置対応ブロック、112・・・通報先対応ブロック、115・・・信号対応ブロック。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通報信号が出力されている信号経路の途中で前記通報信号の出力を中止できる通報中止機能を有した通報装置において、
通報装置全体としての通報中止機能の動作の可否を設定できる装置対応手段と、
複数の通報先に対して通報先毎の通報中止機能の動作の可否を設定できる通報先対応手段と、を有する監視システムにおける通報装置。
【請求項2】
さらに、複数の通報信号に対して通報信号毎の通報中止機能の動作の可否を設定できる通報信号対応手段と、を有する請求項1記載の監視システムにおける通報装置。
【請求項3】
前記通報先毎の通報中止機能を起動するための信号は、前記通報信号を受信している端末から送られる信号である請求項1記載の監視システムにおける通報装置。
【請求項4】
前記端末は、プラント監視用のパーソナルコンピュータである請求項3記載の監視システムにおける通報装置。
【請求項5】
前記端末は、プラント監視員が所有する携帯電話である請求項3記載の監視システムにおける通報装置。
【請求項6】
さらに、前記通報中止機能が動作状態に設定された後、前記動作状態を解除し否動作状態にする手段を有する請求項1記載の監視システムにおける通報装置。
【請求項7】
前記通報中止機能の前記動作状態を解除する手段は、予め接続されている操作装置からの信号で動作する請求項4記載の監視システムにおける通報装置。
【請求項8】
前記通報中止機能の前記動作状態を解除する手段は、ネットワークを介して接続されている通報先の端末からの信号で動作する請求項4記載の監視システムにおける通報装置。
【請求項9】
前記通報中止機能の前記動作状態を解除する手段は、予め内蔵され、設定時間に基づいて出力される信号に基づいて動作する請求項4記載の監視システムにおける通報装置。
【請求項10】
前記通報信号は、水処理プラントの水位計の計測データに基づいて出力される信号である請求項1乃至9の何れかに記載の監視システムにおける通報装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−61864(P2013−61864A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−200773(P2011−200773)
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】