説明

真空断熱材及びそれを用いた冷蔵庫

【課題】性能低下を抑制した外観意匠性が良好な立体形状の真空断熱材及びそれを用いた冷蔵庫を得る。
【解決手段】無機繊維の芯材51と、該芯材51を収納する内包材52と、該内包材52を収納する外被材と、を有する真空断熱材50において、前記内包材52は熱溶着した樹脂繊維層で構成されて、該樹脂繊維層が前記芯材51の厚みを保持する。また、前記内包材52の前記樹脂繊維層の端部は、熱溶着により収縮する。さらに、前記内包材52の前記樹脂繊維層の表面は、熱溶着により凹凸形状又は平面形状とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は真空断熱材及び真空断熱材を適用した冷蔵庫に関するものである。
【背景技術】
【0002】
地球温暖化防止に対する社会の取り組みとして、CO2の排出抑制を図るため、様々な分野で省エネ化が推進されている。近年の電気製品、特に冷熱関連の家電製品においては消費電力量低減の観点から、真空断熱材を採用して断熱性能を強化したものが主流になっている。また、各種原材料から製品の製造工程に至るまでのあらゆるエネルギー消費量を抑制するため、原材料についてはリサイクル化の推進,製造工程においては燃料代や電気代の抑制等、省エネ化が推進されている。そのため、より断熱性能の高い断熱材や、使用する用途に沿った形状の断熱材を用いることでより、断熱面積を大きくすることができる優れた真空断熱材が求められている。
【0003】
一般に用いられる真空断熱材の芯材は無機繊維であり、大気圧の状態では嵩が大きくそのまま真空断熱材の芯材として使用するには、外被材を芯材の嵩を考慮した大きいものを使用するか、芯材にバインダを付着させ、圧縮プレス等によりボード化しなければならない。しかし、外被材を大きくすることにより、外被材からが熱の回りが大きくなり断熱性能が低下することや、製造費においても高くなってしまう。そのため、特許文献1に示された真空断熱材では、芯材となるガラス繊維の集合体を熱圧縮することで、ガラス繊維が塑性変形して形状を保持するものである。これによりガラス繊維の集合体の嵩を小さい芯材とすることで、断熱ボードが得られるものである。
【0004】
特許文献2に示された真空断熱材では、芯材であるガラス繊維を不織布で挟みニードルパンチ加工により、ガラス繊維を不織布で固定することで、ガラス繊維の嵩を小さい芯材が得られるものである。
【0005】
特許文献3に示された真空断熱材では、グラスウール等の繊維質材の芯材を圧縮し内包材で収納することで、芯材の嵩を内包材で保持することにより小さくすることができる。これにより、外袋材の大きさを最小限にすることができ、また、内包材を外袋材に収納することで、挿入時の接触抵抗が繊維質材よりも少ないことから容易に外袋材に挿入することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−220954号公報
【特許文献2】特開2010−60048号公報
【特許文献3】特開平4−337195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1では、芯材であるガラス繊維を加熱プレスすることにより、ガラス繊維を塑性変形することで嵩の小さい芯材としているが、芯材に用いられるガラス繊維は耐熱性が高く、塑性変形温度以上で熱プレスするには膨大な熱量が必要となる。また、ガラス繊維の塑性変形温度以下で形状を保持するには、結合材を用いる必要があるが、結合材を用いることで、芯材となるガラス繊維同士が結合材により結合するため、熱の伝達が大きくなり真空断熱材としたときに断熱性能が悪化する虞がある。
【0008】
特許文献2では、芯材であるガラス繊維を不織布で挟み、ニードルパンチ加工をすることでガラス繊維の嵩を小さくしているが、ニードルパンチ加工では繊維が縦方向になることから、熱伝導が大きくなり真空断熱材としたときに断熱性能が悪化する虞がある。
【0009】
特許文献3では、芯材を内包材で収納して圧縮することで、外袋材に収納することができるが、真空包装前に内包材内部から空気を出す開口部を設ける必要がある。しかし、この開口部により内包材に空気が入ることでグラスウール等の繊維質材が大気中での体積へと戻ってしまう。これにより外袋材の最終シール部にシワの発生、又はシワを発生させないために外袋材を大きくしなければならない。
【0010】
そこで本発明は、性能低下を抑制した外観意匠性が良好な立体形状の真空断熱材及びそれを用いた冷蔵庫を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、無機繊維の芯材と、該芯材を収納する内包材と、該内包材を収納する外被材と、を有する真空断熱材において、前記内包材は熱溶着した樹脂繊維層で構成されて、該樹脂繊維層が前記芯材の厚みを保持する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、性能低下を抑制した外観意匠性が良好な立体形状の真空断熱材及びそれを用いた冷蔵庫を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施例における冷蔵庫の正面図。
【図2】本発明の実施例1を示す冷蔵庫の縦断面図(図1のA−A断面図)。
【図3】本発明に用いた真空断熱材の概略断面図。
【図4】本発明の実施例1を示す真空断熱材の樹脂繊維内包材の構成説明図。
【図5】本発明の実施例2を示す真空断熱材の樹脂繊維内包材凹部形状の構成説明図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図1〜図3を用いて説明する。図1は本実施形態を示す冷蔵庫の正面図であり、図2は図1のA−A断面図を示している。
【0015】
図1に示す本実施形態を備えた冷蔵庫1は、図2に示すように、上から冷蔵室2,貯氷室3(及び切替え室),冷凍室4,野菜室5を有している。図1の符号は、上記各室の前面開口部を閉塞する扉であり、上から冷蔵室扉6a,6b,貯氷室扉7aと上段冷凍室扉7b,下段冷凍室扉8,野菜室扉9を配置する。これらの引き出し式扉6〜9は扉を引き出すと、各室を構成する容器が扉と共に引き出されてくる。
【0016】
冷蔵室扉6a,6bは、ヒンジ10等を中心に回動する回転式扉であり、貯氷室扉7a,上段冷凍室扉7b,下段冷凍室扉8,野菜室扉9は、引き出し式の扉である。
【0017】
各扉6〜9には、冷蔵庫1と密閉するためのパッキン11を備え、各扉6〜9の室内側外周縁に取り付けられている。また、冷蔵室2と製氷室3a及び上段冷凍室3bとの間を区画断熱するために仕切断熱壁12を配置している。この仕切断熱壁12は厚さ30〜50mm程度の断熱壁で、スチロフォーム,発泡断熱材(硬質ウレタンフォーム),真空断熱材等、それぞれを単独使用又は複数の断熱材を組み合わせて作られている。
【0018】
製氷室3a及び上段冷凍室3bと下段冷凍室4の間は、温度帯が同じであるため区画断熱する仕切り断熱壁ではなく、パッキン11受面を形成した仕切り部材13を設けている。下段冷凍室4と野菜室5の間には区画断熱するための仕切断熱壁14を設けており、仕切断熱壁12と同様に30〜50mm程度の断熱壁で、スチロフォーム、或いは発泡断熱材(硬質ウレタンフォーム)、真空断熱材等で作られている。基本的に冷蔵,冷凍等の貯蔵温度帯の異なる部屋の仕切りには仕切断熱壁を設置している。尚、箱体20内には上から冷蔵室2,製氷室3a及び上段冷凍室3b,下段冷凍室4,野菜室5の貯蔵室をそれぞれ区画形成しているが、各貯蔵室の配置については特にこれに限定するものではない。また、冷蔵室扉6a,6b,製氷室扉7a,上段冷凍室扉7b,下段冷凍室扉8,野菜室扉9に関しても回転による開閉,引き出しによる開閉及び扉の分割数等、特に限定するものではない。
【0019】
箱体20は、外箱21と内箱22とを備え、外箱21と内箱22とによって形成される空間に断熱部を設けて箱体20内の各貯蔵室と外部とを断熱している。この外箱21と内箱22の間の空間に真空断熱材50を配置し、真空断熱材50以外の空間には硬質ウレタンフォーム等の発泡断熱材23を充填してある。真空断熱材50については図3で説明するが、後述する固定部材70,支持部材80等で固定支持されている。
【0020】
また、冷蔵庫の冷蔵室2,冷凍室3a,4,野菜室5等の各室を所定の温度に冷却するために冷凍室3a,4の背側には冷却器28が備えられており、この冷却器28と圧縮機30と凝縮機30a、図示しないキャピラリーチューブとを接続し、冷凍サイクルを構成している。冷却器28の上方にはこの冷却器28にて冷却された冷気を冷蔵庫内に循環して所定の低温温度を保持する送風機27が配設されている。
【0021】
また、冷蔵庫の冷蔵室2と製氷室3a及び上段冷凍室3b、冷凍室4と野菜室5を区画する断熱材として、それぞれ断熱仕切り12,14を配置し、発泡ポリスチレン33と真空断熱材50cで構成されている。この断熱仕切り12,14については硬質ウレタンフォーム等の発泡断熱材23を充填しても良く、特に発泡ポリスチレン33と真空断熱材50cに限定するものではない。
【0022】
また、箱体20の天面後方部には冷蔵庫1の運転を制御するための基板や電源基板等の電気部品41を収納するための凹部40が形成されており、電気部品41を覆うカバー42が設けられている。カバー42の高さは外観意匠性と内容積確保を考慮して、外箱21の天面とほぼ同じ高さになるように配置している。特に限定するものではないが、カバー42の高さが外箱の天面よりも突き出る場合は10mm以内の範囲に収めることが望ましい。これに伴って、凹部40は断熱材23側に電気部品41を収納する空間だけ窪んだ状態で配置されるため、断熱厚さを確保するため必然的に内容積が犠牲になってしまう。内容積をより大きくとると凹部40と内箱22間の断熱材23の厚さが薄くなってしまう。このため、凹部40の断熱材23中に真空断熱材50aを配置して断熱性能を確保、強化している。本実施例では、真空断熱材50aを前述の庫内灯45のケース45aと電気部品41に跨るように略Z形状に成形した1枚の真空断熱材50aとしている。尚、前記カバー42は外部からのもらい火や何らかの原因で発火した場合等を考慮し鋼板製としている。
【0023】
また、箱体20の背面下部に配置された圧縮機30や凝縮機31は発熱の大きい部品であるため、庫内への熱侵入を防止するため、内箱22側への投影面に真空断熱材50dを配置している。
【0024】
ここで、真空断熱材50について、図3を用いてその構成を説明する。真空断熱材50は、芯材51と該芯材51を圧縮状態に保持するための内包材52、内包材52で圧縮状態に保持した芯材51を被覆するガスバリヤ層を有する外被材53から構成してある。該外被材53は真空断熱材50の両面に配置され、同じ大きさのラミネートフィルムの稜線から一定の幅の部分を熱溶着により貼り合わせた袋状で構成されている。なお、本実施例において、芯材51についてはバインダ等で接着や結着していない無機繊維の積層体として平均繊維径4μmのグラスウールを用いた。
【0025】
芯材51については、無機系繊維材料の積層体を使用することによりアウトガスが少なくなるため、断熱性能的に有利であるが、特にこれに限定するものではなく、例えばセラミック繊維やロックウール,グラスウール以外のガラス繊維等の無機繊維等でもよい。
【0026】
外被材53のラミネート構成についてはガスバリヤ性を有し、熱溶着可能であれば特に限定するものではないが、本実施形態においては、表面保護層,ガスバリヤ層1,ガスバリヤ層2,熱溶着層の4層構成からなるラミネートフィルムとし、表面層は保護材の役割を持つ樹脂フィルムとし、ガスバリヤ層1は樹脂フィルムに金属蒸着層を設け、ガスバリヤ層2は酸素バリヤ性の高い樹脂フィルムに金属蒸着層を設け、ガスバリヤ層1とガスバリヤ層2は金属蒸着層同士が向かい合うように貼り合わせている。熱溶着層については表面層と同様に吸湿性の低いフィルムを用いた。
【0027】
具体的には、表面層を二軸延伸タイプのポリプロピレン,ポリアミド,ポリエチレンテレフタレート等の各フィルム,ガスバリヤ層1をアルミニウム蒸着付きの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム,ガスバリヤ層2をアルミニウム蒸着付きの二軸延伸エチレンビニルアルコール共重合体樹脂フィルム又はアルミニウム蒸着付きの二軸延伸ポリビニルアルコール樹脂フィルム、或いはアルミ箔とし、熱溶着層を未延伸タイプのポリエチレン,ポリプロピレン等の各フィルムとした。この4層構成のラミネートフィルムの層構成や材料については特にこれらに限定するものではない。例えばガスバリヤ層1や2として、金属箔、或いは樹脂系のフィルムに無機層状化合物,ポリアクリル酸等の樹脂系ガスバリヤコート材,DLC(ダイヤモンドライクカーボン)等によるガスバリヤ膜を設けたものや、熱溶着層には例えば酸素バリヤ性の高いポリブチレンテレフタレートフィルム等を用いても良い。
【0028】
また、ガスバリヤ層2に使用する金属箔以外の樹脂系フィルムは、吸湿することによってガスバリヤ性が著しく悪化してしまうため、熱溶着層についても吸湿性の低い樹脂を配置することで、ガスバリヤ性の悪化を抑制すると共に、ラミネートフィルム全体の吸湿量を抑制するものである。これにより、先に述べた真空断熱材50の真空排気工程においても、外被材53が持ち込む水分量を小さくできるため、真空排気効率が大幅に向上し、断熱性能の高性能化につながっている。尚、各フィルムのラミネート(貼り合わせ)は、二液硬化型ウレタン接着剤を介してドライラミネート法によって貼り合わせるのが一般的であるが、接着剤の種類や貼り合わせ方法には特にこれに限定するものではなく、ウェットラミネート法,サーマルラミネート法等の他の方法によるものでも何ら構わない。
【0029】
また、吸着剤は図示していないが、本実施例には物理吸着タイプの合成ゼオライトを用いている。しかし、いずれもこれらの材料に限定するものではない。
【0030】
(実施例1)
本発明の実施の形態1について図4を参照しながら説明する。図4は本発明の実施形態の冷蔵庫1の外箱21に設けた真空断熱材50の断面図である。真空断熱材50の構成は、芯材51を形成する無機繊維のグラスウール繊維と、内包材52である有機繊維のポリスチレン繊維から成っている。本実施例においては無機繊維グラスウールの目付量2800g/m2、寸法300mm×300mmを用いており、内包材52においては、有機繊維のポリスチレン繊維の繊維径4〜15μmの目付量50g/m2を用いている。
【0031】
真空断熱材50の芯材51の無機繊維のグラスウール繊維集合体を、有機繊維の内包材52で包み込み、内包材52の周囲4辺をヒートシールする。ヒートシール後に荷重0.02kg/cm2をかけながら、100℃の炉で30分間加熱する。加熱することで、有機繊維のポリスチレン繊維の繊維同士が溶着し、収縮することで形状を保持することができる。また、加熱することでポリスチレン繊維の繊維同士が溶着し収縮することから、内包材52の周囲4辺をヒートシール部が収縮し耳部も溶着して収縮するため、耳部を少なくすることができる。これにより、真空断熱材50の完成寸法が芯材51の寸法に近くすることかでき、真空断熱材50の完成寸法の誤差を少なくすることができる。
【0032】
芯材51を挿入した内包材52を外被材53に挿入し、真空包装を行うことができる。従来の芯材を内包材52に入れた場合においては、真空包装を行う直前に開口部を設ける必要があるが、本実施例の内包材52は有機繊維の繊維間から芯材内部のガスを脱気することができる。これにより、内包材全体から芯材51内部のガスを脱気できることから、開口部を設けることなく真空を引くことができる。また、内包材52全体で芯材51内部のガスを脱気し、開口部を設ける必要がないことから、袋状の内包材52を用いて開口部を設けたときに外気流入してしまい、芯材51が大気圧の嵩まで復元してしまうことなく真空包装することができる。また、より芯材51内部の真空を速くするために、内包材52に開口部を設けることも可能である。開口部を設けた場合においても、荷重をかけながら加熱し、ポリスチレン繊維の繊維同士が溶着していることから、開口部から空気が流入しても、ポリスチレン繊維の繊維同士が溶着し芯材51を保持していることから、芯材51が大気圧の嵩まで復元してしまうことなく真空包装することができる。
【0033】
(実施例2)
本発明の実施の形態2について図5を参照しながら説明する。図5は真空断熱材50の芯材51の無機繊維のグラスウール繊維集合体を、有機繊維の内包材52で包み込み、内包材52の周囲4辺をヒートシールしたものを加熱し、加熱時の荷重に温度をかけたものを、真空包装したものである。加熱工程では、荷重0.02kg/cm2をかけながら100℃の炉で10分間加熱したものである。
【0034】
また、荷重においては110℃の熱板を用いて加熱することで、熱板と接触している内包材52の有機繊維のポリスチレン繊維が、100℃の溶着部よりもより溶着することで、荷重の熱板との接触面である表面に内包材溶着部54を設けることができる。内包材溶着部54は繊維同士が溶着していることから、無機繊維のグラスウール繊維集合体よりも真空包装後に厚み方向の圧縮は少なく、目付差による凹凸の影響も少ない。これにより、真空包装後の真空断熱材50の表面凹凸を抑制することができる。熱板との接触面のみを固形化することで、表面の一面のみを硬化させることで多面からの芯材内部のガスを脱気し、開口部を設けることなく真空を引くことができる。
【0035】
また、熱板との接触面のみが固形化することから、芯材51の無機繊維のグラスウール繊維集合体と同じ寸法とすることができ、芯材51の無機繊維のグラスウール繊維集合体との層ずれが発生することなく、真空断熱材50としたときに寸法誤差の少ない真空断熱材を得ることができる。
【0036】
(実施例3)
本実施例の真空断熱材50においては、加熱工程で熱板に凸を設けて荷重をかけて内包材52の有機繊維のポリスチレン繊維に凹を設けたものである。加熱工程での荷重の熱板に凸を設けることで、内包材52の有機繊維のポリスチレン繊維が熱板に凹凸形状に沿って溶着することから、内包材包装後に凹形状55を設けることができる。
【0037】
これにより、芯材51の無機繊維のグラスウール繊維集合体が真空包装後においても、内包材52の凹形状55に保持されていて、真空断熱材50の表面に凹部を設けることができる。
【0038】
以上の各実施例によれば、無機繊維の芯材と、該芯材を収納する内包材と、該内包材を収納する外被材と、を有する真空断熱材において、前記内包材は熱溶着した樹脂繊維層で構成されて、該樹脂繊維層が前記芯材の厚みを保持する。
【0039】
また、前記内包材の前記樹脂繊維層の端部は、熱溶着により収縮する。
【0040】
また、前記内包材の前記樹脂繊維層の表面は、熱溶着により凹凸形状又は平面形状とした。
【0041】
また、前記内包材の片側面を熱溶着して前記凹凸形状又は前記平面形状とした。
【0042】
また、前記外被材内を大気開放した後、前記内包材は前記凹凸形状又は前記平面形状を保持する。
【0043】
また、外箱面又は内箱面に真空断熱材を配置した冷蔵庫において、前記真空断熱材は、無機繊維の芯材と、該芯材を収納する内包材と、該内包材を収納する外被材と、を有する真空断熱材であって、前記内包材は熱溶着した樹脂繊維層で構成されて、該樹脂繊維層が前記芯材の厚みを保持して、前記外箱面又は前記内箱面に接するように配置した。
【0044】
このように、真空断熱材の無機繊維の芯材を内包材である樹脂繊維に内包し、樹脂繊維を熱溶着することで芯材の嵩を小さくすることができる。これにより、無機繊維に結合材や縦方向への繊維をなくすことで、性能の低下を抑制することができる。また、樹脂繊維に凹凸形状を設けることで、芯材に凹部を形成した真空断熱材を提供することができる。
【符号の説明】
【0045】
1 冷蔵庫
50 真空断熱材
51 芯材
52 内包材
53 外被材
54 内包材溶着部
55 凹形状

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無機繊維の芯材と、該芯材を収納する内包材と、該内包材を収納する外被材と、を有する真空断熱材において、前記内包材は熱溶着した樹脂繊維層で構成されて、該樹脂繊維層が前記芯材の厚みを保持することを特徴とする真空断熱材。
【請求項2】
請求項1記載の真空断熱材において、前記内包材の前記樹脂繊維層の端部は、熱溶着により収縮したことを特徴とする真空断熱材。
【請求項3】
請求項1又は2記載の真空断熱材において、前記内包材の前記樹脂繊維層の表面は、熱溶着により凹凸形状又は平面形状としたことを特徴とする真空断熱材。
【請求項4】
請求項3記載の真空断熱材において、前記内包材の片側面を熱溶着することで前記凹凸形状又は前記平面形状としたことを特徴とする真空断熱材。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の真空断熱材において、前記外被材内を大気開放した後、前記内包材は前記凹凸形状又は前記平面形状を保持することを特徴とする真空断熱材。
【請求項6】
外箱面又は内箱面に真空断熱材を配置した冷蔵庫において、
前記真空断熱材は、無機繊維の芯材と、該芯材を収納する内包材と、該内包材を収納する外被材と、を有する真空断熱材であって、前記内包材は熱溶着した樹脂繊維層で構成されて、該樹脂繊維層が前記芯材の厚みを保持して、前記外箱面又は前記内箱面に接するように配置したことを特徴とする冷蔵庫。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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