説明

眼の3次元解析用デュアルシャインプルーフシステム

眼球を撮像するための装置は、一対のシャインプルーフ撮像システムを含むことができる。各シャインプルーフ撮像システムは、それぞれ、ビデオカメラと、眼球から反射される光をビデオカメラに方向付けるように構成される、光学部とを有することができる。装置はまた、眼球追跡撮像システムによって検出された眼球運動に従って、一対のシャインプルーフ撮像システムを移動させるように構成される、可動プラットフォームを有することもできる。いくつかの実施形態では、シャインプルーフ撮像システムは、検査されている眼球の光軸の周りを90度回転することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、米国仮特許出願第61/016,424号(2007年12月21日出願)に対し米国特許法119条(e)に基づく優先権の利益を主張する。該仮出願の全内容は本明細書において参照により援用される。
【0002】
さらに、本願は、米国仮特許出願第61/100,668号(2008年9月26日出願)に対し米国特許法119条(e)に基づく優先権の利益を主張する。該仮出願の全内容は本明細書において参照により援用される。
【0003】
(技術分野)
本発明は、眼球を分析するためのシステムおよび方法に関し、より具体的には、いくつかの実施形態は、相互に対して垂直に位置付けられる、一対の回転式シャインプルーフカメラを使用した、眼球の複数の部分の撮像に関する。
【背景技術】
【0004】
概してケラトメトリまたはケラトグラフィと称される、角膜のトポグラフィックマッピングは、角膜の前部形状を測定するためと角膜形状異常を検出するためとの両方に利用され得る。得られた角膜形状を表示するために、ケラトグラフィ法が開発され、コンピュータ支援分析と連結され得る。シャインプルーフ撮像は、眼球前部分析のために使用される方法であり得る。眼球前部のシャインプルーフ画像を撮影することができるシャインプルーフカメラの組み込みは、角膜前面からの詳細な情報を含むことができる、鮮鋭かつ鮮明な画像を提供することができる。
【0005】
シャインプルーフ撮像は、1つまたは2つの回転式シャインプルーフカメラを有することができる。シャインプルーフ撮像は、曲率、接線、および矢状(軸)マップを含む、角膜前面および後面トポグラフィの完全な分析を提供することができる。角膜前面および後面トポグラフィは、実際の高度測定から生成することができる。シャインプルーフの原理は、他の種類の撮像(例えばプラシド撮像)において検出されない、重大な円錐角膜および他の重度の異常を有する患者における、データ収集を可能にすることができる。シャインプルーフに基づく方法は、角膜縁から角膜縁までの角膜厚測定(パキメトリ)を計算し、結果をカラーマップに表示することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
いくつかの実施形態は、全自動、非侵襲的、眼科用アナライザデバイスを備えることができる。該デバイスは、角膜前面および後面曲率、ならびに角膜厚(パキメトリ)、ならびに前房容積を測定するために使用することができる。該デバイスはまた、調節幅のリアルタイム評価を可能にすることもできる。
【0007】
いくつかの実施形態は、相互に対して垂直に位置付けられる一対の回転式シャインプルーフカメラを使用して、前眼部を撮像することが可能である、眼科用デバイスを含むことができる。角膜中央部の正確な測定、患者にとって容易な固視、および極端に短い検査時間を提供するために、回転撮像処理を使用することができる。加えて、90度の回転によって、該デバイスは、前眼部の全ての表面を測定することによって、前房全体の3次元表現を生成することができる。故に、角膜前面、角膜後面、虹彩前面、および水晶体前面の3次元表現を生成し、モニタ上に表示することができる。該デバイスの実施形態はまた、近方および遠方固視標に対する眼の調節を測定することもできる。角膜厚および前房の深度に関するデータは、コンピュータモニタ上に表示することができる。
【0008】
実施形態はまた、眼球運動の影響を最小限に抑えるために、眼球運動を検出し、光学システムの整列を自動的に調整する、追跡カメラを含むことができる。眼球運動は、例えば、患者による不随意反応の結果であり得る。該光学システムは、測定プロセス中にX/Y/Z自動整列機構を使用して、能動的に整列することができる。眼球運動を追跡および補正するために追跡カメラを使用することによって、前眼部を測定するためにソフトウェアによる推定を使用する必要はない。
【0009】
故に、いくつかの実施形態は、光学システムの整列を能動的に補正するために、追跡カメラを介した眼球のリアルタイム追跡のために構成することができる。追跡カメラ整列システムは、前角膜トポグラフィ分析および調節幅測定のためのセンサ、アクチュエータ、および自動整列機構を含むことができる。
【0010】
いくつかの実施形態は、前および後角膜の3次元分析が可能である、デュアルシャインプルーフ光学システムを備えることができる。該光学システムは、2つの直交経線における測定を提供することができ、それによって90度に回転する3次元スキャンを可能にする。故に、該光学システムは、90度に回転する全表面評価を実行することができる。
【0011】
いくつかの実施形態は、全自動、非侵襲的、リアルタイム眼球運動追跡システムを含むことができる。該システムは、患者自己整列のための人間工学的ヘッドレスト、追跡カメラを介した眼球のリアルタイム追跡を可能にする機構、および検出された眼球運動に従って、x、y、およびz次元でシステムを移動させることができる自動整列機構を含むことができる。
【0012】
いくつかの実施形態は、検査された眼球の正確なモデルを再現し、モデルに対する関数的な波面分析を提供することができる。該モデルは、眼内レンズ(IOL)移植、光学板および支持部の偏心および寸法等の製造パラメータの決定、レンズの傾斜、水晶体嚢への正確な適合、ならびに固視のためのシミュレーション環境を生成するために使用することができる。該モデルはまた、得られたトポグラフィ、パキメトリ、および前房の深度、角間距離等の他の前眼部パラメータと関連して、他の種類の屈折矯正手術を計画するために使用することができる。
【0013】
本発明の実施形態は、検査中にユーザの操作の必要性がほとんどまたは全くないことから、正確な再現性を達成することができる。また、実施形態は、検査デバイスが前側(従来)から、または患者の肩から操作されることを可能にする、回転式タッチスクリーンモニタを含むことができ、後者は、例えば、姿勢を調整する必要があるか、または眼瞼を開くために補助を必要とする高齢患者を検査する際に、好適であり得る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1A】図1Aは、本発明のいくつかの実施形態による、概略的に描写された種々の構成要素を含む、例示的眼科用アナライザデバイスの選択した要素の斜視切り欠き図である。
【図1B】図1Bは、本発明のいくつかの実施形態による、シャインプルーフカメラが90度回転した図1Aのデバイスを図示する。
【図1C】図1Cは、本発明のいくつかの実施形態による、例示的前眼部アナライザデバイスの選択した光学要素の斜視図である。
【図2】図2は、本発明のいくつかの実施形態による、追跡カメラシステムの選択した光学要素の斜視図である。
【図3】図3は、本発明のいくつかの実施形態による、一対のシャインプルーフカメラシステムの選択した光学要素の斜視図である。
【図4A】図4Aは、本発明のいくつかの実施形態による、選択した青色光源システム構成要素の斜視図である。
【図4B】図4Bは、本発明のいくつかの実施形態による、選択した赤外光源システム構成要素の斜視図である。
【図5A】図5A−Eは、本発明のいくつかの実施形態による、患者の眼球を分析するための例示的プロセスである。
【図5B】図5A−Eは、本発明のいくつかの実施形態による、患者の眼球を分析するための例示的プロセスである。
【図5C】図5A−Eは、本発明のいくつかの実施形態による、患者の眼球を分析するための例示的プロセスである。
【図5D】図5A−Eは、本発明のいくつかの実施形態による、患者の眼球を分析するための例示的プロセスである。
【図5E】図5A−Eは、本発明のいくつかの実施形態による、患者の眼球を分析するための例示的プロセスである。
【図6】図6は、本発明のいくつかの実施形態による、例示的眼科用アナライザデバイスの例示的実装の斜視図である。
【図7A】図7A、7Bおよび7Cは、それぞれ、本発明のいくつかの実施形態による、別の例示的眼科用アナライザデバイスの上面図、斜視図、および側面図である。
【図7B】図7A、7Bおよび7Cは、それぞれ、本発明のいくつかの実施形態による、別の例示的眼科用アナライザデバイスの上面図、斜視図、および側面図である。
【図7C】図7A、7Bおよび7Cは、それぞれ、本発明のいくつかの実施形態による、別の例示的眼科用アナライザデバイスの上面図、斜視図、および側面図である。
【図8】図8は、本発明のいくつかの実施形態による、例示的前眼部アナライザデバイスの部分切り欠き図である。
【図9】図9は、本発明のいくつかの実施形態による、図8の前眼部アナライザデバイスの種々の光学システムを図示する。
【図10】図10は、本発明のいくつかの実施形態による、図8の前眼部アナライザデバイスに組み込まれ得る、例示的瞳孔カメラシステムを図示する。
【図11】図11は、本発明のいくつかの実施形態による、図8の前眼部アナライザデバイスに組み込まれ得る、例示的光投影システムを図示する。
【図12】図12は、本発明のいくつかの実施形態による、図8の前眼部アナライザデバイスに組み込まれ得る、例示的視標固視システムを図示する。
【図13】図13は、本発明のいくつかの実施形態による、図8の前眼部アナライザデバイスに組み込まれ得る、例示的波面検知システムを図示する。
【図14】図14は、本発明のいくつかの実施形態による、図8の前眼部アナライザデバイスに組み込まれ得る、例示的光学プラットフォームを図示する。
【図15A】図15A−15Dは、ヒトの眼球の種々の軸を図示する。
【図15B】図15A−15Dは、ヒトの眼球の種々の軸を図示する。
【図15C】図15A−15Dは、ヒトの眼球の種々の軸を図示する。
【図15D】図15A−15Dは、ヒトの眼球の種々の軸を図示する。
【図16】図16は、本発明のいくつかの実施形態による、例示的前眼部アナライザシステムの概略図である。
【図17A】図17A−17Cは、例示的シャインプルーフおよび瞳孔画像である。
【図17B】図17A−17Cは、例示的シャインプルーフおよび瞳孔画像である。
【図17C】図17A−17Cは、例示的シャインプルーフおよび瞳孔画像である。
【図18】図18は、本発明のいくつかの実施形態による、調節検査の例示的フロー図である。
【図19A】図19A−19Eは、本発明のいくつかの実施形態による、例示的前眼部アナライザデバイスの種々の図である。
【図19B】図19A−19Eは、本発明のいくつかの実施形態による、例示的前眼部アナライザデバイスの種々の図である。
【図19C】図19A−19Eは、本発明のいくつかの実施形態による、例示的前眼部アナライザデバイスの種々の図である。
【図19D】図19A−19Eは、本発明のいくつかの実施形態による、例示的前眼部アナライザデバイスの種々の図である。
【図19E】図19A−19Eは、本発明のいくつかの実施形態による、例示的前眼部アナライザデバイスの種々の図である。
【図20−1】図20は、本発明のいくつかの実施形態による、例示的デバイスのプロセスフロー図である。
【図20−2】図20は、本発明のいくつかの実施形態による、例示的デバイスのプロセスフロー図である。
【図21】図21は、本発明のいくつかの実施形態による、波面収差測定検査の例示的フロー図である。
【図22】図22は、本発明のいくつかの実施形態による、検査プロセスの例示的フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下の発明を実施するための形態において、本明細書の一部を形成し、かつ本発明が実施され得る特定の実施形態を例示目的で示す添付図面を参照する。本発明の好ましい実施形態の範囲から逸脱することなく、他の実施形態が利用され得ること、および構造的変更が加えられ得ることを理解されたい。
【0016】
図面を参照すると、図1Aおよび1Bは、前眼部アナライザデバイス100の例示的実施形態を図示する。デバイス100は、患者の眼球に移植される眼内レンズの幾何学的パラメータおよび材料パラメータを決定するために使用される、バイオメトリックデータ一式を、専門家に提供することができる。故に、本バイオメトリックデータは、眼球の視覚障害を補正するレンズを特注設計するために使用することができる。
【0017】
図1Aおよび1Bは、デバイス100の内部を図示する。デバイス100は、一次ロータ103を介して無段式に回転させることができる、可動プラットフォーム107を含むことができる。プラットフォーム107は、2つのシャインプルーフカメラ101および102と、2つの光源システム104および105を有する投影システムとを支持することができる。
【0018】
図1Aおよび1Bをさらに参照すると、追跡カメラシステム106は、眼球撮像セッション中に眼球の運動を監視または検出し、眼球運動情報をコンピュータ110に送信することができる。いくつかの実施形態では、追跡カメラ106は、回転式プラットフォーム107が移動する際に、追跡カメラ106は変わらず定位置にあるように、回転式プラットフォーム107に接続される必要はない。
【0019】
図2は、いくつかの実施形態による、カメラ追跡システム106の光学構成要素を図示する。例示的カメラ追跡システム106は、眼球から光学投影レンズシステムを通して、CMOS検出器に反射される、赤外光等の光を反射するためのビームスプリッタを含むことができる。
【0020】
応答において、コンピュータ110は、検出された眼球の運動に従って、プラットフォーム107、従って、シャインプルーフカメラ101および102を移動させる方式で、追跡ロータ112(追跡ロータは、容易に理解できるように、図1Aおよび1Bに象徴的に描写される)を制御することができる。このようにして、デバイス100は、デバイス100と眼球との適切な整列を維持するために、眼球撮像セッション中に眼球の運動を追跡し、任意の眼球運動に従って、シャインプルーフカメラ101および102等の撮像構成要素を調整することができる。シャインプルーフカメラ101および102は、相互に対して90度の角度で、回転式プラットフォーム107上に位置付けることができる。
【0021】
図3は、いくつかの実施形態による、シャインプルーフカメラ101および102の選択した光学構成要素を図示する。ここで、各シャインプルーフ光学システム101および102は、シャインプルーフ原理を満たすように構成される。この目的を達成するために、各シャインプルーフカメラシステムは、眼球面(例えば患者の眼球の面)、シャインプルーフカメラシステムのレンズシステムの面、およびCCDの面が、1つの共通軸で交差するような方法で相互に対して傾斜しているように、配設される。
【0022】
図1Aおよび1Bをさらに参照すると、プラットフォーム107は、眼球の種々の測定を撮影するように回転することができる。図1Bは、図1Aに示すプラットフォーム107の位置から90度回転させられた、回転式プラットフォーム107、ならびにカメラ101および102等の関連構成要素を示す。いくつかの実施形態では、プラットフォーム107は、90度の回転が眼球の角膜全体および前房全体の撮像を完了するのに十分であり得るため、90度回転することができる。しかしながら、他の実施形態は、プラットフォーム107が90度を超えて、またはそれ未満回転することを可能にすることから、デバイス100は、90度の回転に限定される必要はない。
【0023】
図1Aおよび1Bを参照すると、投影システムは、2つの光源システム104および105を含むことができる。光システム104は、青色光源を有することができ、光システム105は、赤外光源を含むことができる。赤外光システム105は、赤外光を眼球の内部に方向付けるために使用することができる。次いで、眼球から反射される赤外光は、追跡カメラシステム106によって検出することができる。いくつかの実施形態では、追跡カメラシステム106は、眼球撮像セッションの大部分または全ての間、反射された赤外光を連続的に検出し、追跡カメラから生成されるビデオ信号をコンピュータ110に送信することができる。青色光システム104は、角膜、水晶体、および眼の前房の大部分または全体に光を方向付けることができる。次いで、眼球から後方反射される光は、シャインプルーフカメラ101および102が90度回転する際に、シャインプルーフカメラ101および102を介して撮影することができる。このようにして、シャインプルーフカメラ101および102は、角膜の内表面および外表面、水晶体、ならびに眼の前房の大部分または全体から散乱される青色光を撮像することができる。
【0024】
図1Cは、いくつかの実施形態による、シャインプルーフカメラ101および102、光源104および105、ならびに追跡カメラ106等の、デバイス100の選択した光学構成要素を図示する。
【0025】
光システム104および105の実施形態は、それぞれ、図4Aおよび図4Bにさらに図示される。図示するように、各光システム104および105は、それぞれの光源113および114、ならびにそれぞれの投影システム115および116を含むことができる。各光源113および114は、それぞれ、赤外光または青色光のスリットビームプロファイルを生成することができる。いくつかの実施形態によると、スリットプロファイルを生成し、投影光学部によって集束される各投影システムに焦点内位置でダイヤフラムが取り付けられることができる。赤外線および青色光源は、例えば、発光ダイオード(LED)、LEDアレイ、レーザダイオード、または放電バルブであり得る。いくつかの実施形態では、光源は、投影光学部の光軸に対して垂直な平面上に位置付けることができる。他の実施形態では、光源は、同軸に対して傾斜した平面上に位置付けることができる。
【0026】
図1Aおよび1Bをさらに参照すると、デバイス100は、可動プラットフォーム107から離れた固定位置で維持することができる、インジケータ108を含むことができる。インジケータ108は、例えば赤色LEDであり得るが、他のインジケータも同様に使用することができる。例えば、いくつかの実施形態では、多色照射パターンをインジケータ108として使用することができる。デバイス100を使用した眼検査セッション中、患者は、インジケータ108を絶えず見る(例えば、焦点を合わせる)ように指示され得る。追跡カメラシステム106は、インジケータ108から離れた任意の眼球運動を追跡することができる。インジケータ108から離れた任意の検出された眼球運動に対応して、デバイス100は、シャインプルーフカメラ101および102と眼球との適切な整列を維持するために、検出された眼球運動に従って、プラットフォーム107を調整することができる。言い換えると、たとえ眼球がインジケータ108から離れて運動しても、コンピュータ110は、追跡カメラ106を介してそのような運動を検出し、眼球の運動を補うように追跡ロータ112を介してプラットフォーム107の位置付けを調整し、それによって眼球との適切な整列を維持することができる。デバイス100のこのコンピュータ支援追跡能力は、「インテリジェントポインタ」と称することができ、インテリジェントな整列の概念を実現することができる。
【0027】
いくつかの実施形態による、角膜外表面の頂点上の接平面に対する、または眼球の光軸に対するシャインプルーフカメラ101および102の傾斜は、40度未満であり得る。これは、デバイス100が眼球内を撮像する改善された被写界深度を取得すると同時に、鮮鋭さを改善し、かつ眼球のより深い画像を提供することを可能にする。解像度の改善もまた、各シャインプルーフカメラ101および102からのビデオデータストリームを組み合わせることによって達成することができる。各ビデオストリームは、処理のためにコンピュータ110に送信することができる。
【0028】
シャインプルーフカメラ101および102から提供されるビデオから、コンピュータ110は、データを処理し、完全な角膜トポグラフィックプロファイル、パキメトリックプロファイル、眼の水晶体の両面の詳細なトポグラフィ、および眼の前房に関するバイオメトリックデータセットを構築することができる。この情報は、回転させると同時に相互から90度の角度に傾斜することができる、2つのシャインプルーフカメラ101および102の90度の回転によって取得することができる。
【0029】
いくつかの実施形態によると、図1Aおよび1Bに単に象徴的に描写される波面収差測定器ユニット109を、デバイス100に随意に含むことができる。波面収差測定器ユニット109は、眼球に向かって1つ以上の所定の波面を放射することができる。各波面は、例えば、赤外波面、数学的に予め形状決定された波面、およびよく知られている波面であり得る。収差測定器ユニット109はまた、眼球から反射される各波面を検出および測定することもでき、2つの波面を比較することによって、収差測定器ユニット109は、検査下の眼球の視覚障害を評価するために必要とされる情報を専門家に提供することができる。例示的収差測定器ユニットは、図13に関してより詳細に説明する、収差測定器1300であり得る。
【0030】
いくつかの実施形態によると、デバイス100は、コンピュータ110のメモリ内にある、コンピュータ可読命令の形態の設計およびモデリングソフトウェアを随意に含むことができる。そのようなソフトウェアは、カメラ101および102から得られる情報、ならびに入力デバイス(図示せず)を介してコンピュータ110に入力される情報を処理するように、コンピュータ110のプロセッサに命令を提供することができる。入力デバイスは、例えば、キーボード、マウス、トラックボール、またはタッチセンサ式ディスプレイであり得る。入力された情報は、製造された眼内レンズの表面形状、眼内レンズの寸法、および眼内レンズが製造され得る材料に関する、幾何学的パラメータを含むことができる。続いて、コンピュータ内にあるソフトウェアを使用して、コンピュータ110は、眼球内に取り付けられる際の、すでに入力されたパラメータを有する眼内レンズのシミュレーション性能を説明するデータ出力一式を、専門家に提供することができる。
【0031】
上記に簡単に述べたように、デバイス100は、タッチセンサ式ディスプレイユニット111を含むことができる。ディスプレイユニット111は、容易に、かつ素早くデバイスを操作するためのインターフェースを提供することができる。一実施例として、デバイス100を操作する専門家は、眼の前房の取得された画像の領域の上にタッチスクリーン111上に表示される仮想マーカを位置付けることによって、オンデマンドで出力データにアクセスすることができる。次いで、専門家は、その領域を分析するために、選択された領域上の種々の測定を選択することができる。当然ながら、ディスプレイユニット111は、タッチセンサ式である必要はなく、他の入力デバイスも同様に使用することができる。
【0032】
上記のように、デバイス100は、測定機器が、眼内レンズを設計するために必要とされるバイオメトリックパラメータの大部分または全てを取得および出力することができるように、視覚光軸に沿って眼球の整列を保持することができる。故に、デバイス100は、前眼房計測器として説明することができ、眼球の前眼部の表面または容積の詳細を検出および測定することができる。このようにして、角膜、虹彩、瞳孔、および水晶体の厚さおよび表面を完全にマップすることができる。
【0033】
有利には、デバイス100はまた、水様体液で充填される眼の前房の線寸法、前房の全容積、および角膜の内表面が虹彩の縁表面と形成する角度振幅を測定することもできる。前房の線寸法は、角間距離とも称することができ、角度の大きさは、角度振幅とも称することができる。
【0034】
デバイス100を使用した眼検査セッション中に収集されるデータは、角膜プロファイル、外表面および内表面の両方のトポグラフィ、高度マップ、および角膜パキメトリを含むことができる。このデータ収集は、第1のデータセットと称することができる。この第1のデータセットから、専門家は、円錐角膜の存在を判定することができ、より全般的には、角膜の任意の異常を評価することができる。トポグラフィックマップは、1つ以上の異なるカラーマップとして専門家に伝送することができ(例えば、ディスプレイ111上に表示される)、マップ上の各色は、異なる値を表す(ゼロ−クォートとも称することができる)。高度マップは、異なるカラーマップを使用することができ、各色は、値を表すことができる(角膜の頂点とも称することができる)。
【0035】
デバイス100を使用して取得することができる第2のデータセットは、角間距離、角度振幅、および全前房容積を含むことができる。このデータセットは、前房分析によって判定することができる眼球の光学収差および眼球の他の視覚障害を評価するために、使用することができる。
【0036】
第3のデータセットは、角膜と水晶体との間の距離、水晶体の両面の完全マッピング(すなわち、前面および裏面)、および水晶体の安定能力を含むことができる。この測定値の群は、眼球の視覚障害全般を評価すると同時に、例えば、眼内レンズを処方するための設計情報およびパラメータを専門家に提供するために、使用することができる。
【0037】
デバイス100を使用して取得することができる第4の出力データ群は、水晶体の濃度測定データであってもよく、専門家が水晶体自体の濃度測定分析を生成することを可能にすることができる。第4のデータ出力はまた、眼の前房に関する追加情報に関する、デバイス100を使用する専門家によって指示される、一連のオンデマンド測定値を含むことができる。このオンデマンドデータセットは、専門家から要求することができ、タッチスクリーンディスプレイ111を用いて、前眼房のすでに取得された画像の所望の領域上に仮想マーカを位置付けることによって、そのような情報を受信することができる。画像上のどの点を専門家が選択するのかに応じて、デバイス100は、選択された領域に関連する、厚さデータ、距離データ等の種々の種類の情報を提供することができる。
【0038】
随意に、第5のデータ群もまた、デバイス100を使用して取得することができ、第5のデータ群は、任意の収差測定器ユニット109の使用に関連し得る。このデータ群は、例えば、ユニット109によって放射される波面と、眼の前房の内部から反射される、得られる波面とを比較する、干渉計測を含むことができる。コンピュータ110は、波面測定値を処理し、補正用眼内レンズを設計するために有用な出力データを提供することができる。
【0039】
第6のデータ群もまた、デバイス100から取得することができる。上記のように、その表面、厚さ、および材料データ等の眼内レンズに関する仕様は、デバイス100に入力することができる。このデータは、眼内レンズがまるで眼球のレンズ房内に位置付けられるかのように、眼内レンズの光学性能をシミュレートするために使用することができる。したがって、このシミュレーションは、それらの仕様を有する眼内レンズが、眼球に移植される前に実行することができる。言い換えると、デバイス100は、存在するが、まだ移植されていない眼内レンズの光学性能をシミュレートすることができる。したがって、デバイス100は、候補の眼内レンズが、一旦移植されると、眼球の視覚障害の補正を適切に行うかどうかを認識するための手段を、専門家に提供することができる。
【0040】
いくつかの実施形態による、眼球の測定値を取得するための例示的プロセス500を、図5を参照して説明する。プロセス500に記載するステップの多くは、例えば、デバイス100のメモリ内にあるコンピュータ可読命令によって、自動的に実行することができる。加えて、当業者は、明確にする目的で、本フローチャートから、種々のタイミングおよびメモリ記憶の事項が省略されることを理解するであろう。
【0041】
プロセス500は、患者がインジケータ108を見ているように、患者がデバイス100に合わせて位置付けられる、ステップ502から開始することができる。次いで、ステップ504において、スキャニングが開始することができる。スキャニングは、カメラ101および102からコンピュータ110にビデオ出力を提供している間中、シャインプルーフカメラ101および102の両方を90度の弧状に回転するステップを含むことができる。さらに、ステップ506において、デバイス100は、スキャニングステップ504中の任意の眼球運動を検出することができる。運動が検出された場合、デバイス100は、眼球運動に従って、カメラ101および102を調整することができる。完全な90度の回転後、ステップ508において、スキャニングは完了することができる。
【0042】
デバイス100はまた、ステップ510において、水晶体調節能力テストが実行されるべきかどうかクエリすることができる。水晶体調節テストが実行される必要がない場合、プロセス500は、ステップ516に進むことができ、前ステップにおいて取得された角膜データは、後の処理のためにデバイス100内に記憶することができる。一方で、水晶体調節テストが実行されるべきである場合、デバイス100は、ステップ512において、水晶体調節テストを自動的に実行することができる。次いで、ステップ512中に取得されるデータは、ステップ514において、後の処理のためにデバイス100内に記憶することができる。
【0043】
次に、ステップ518において、デバイス100は、完全な前房データが必要であるかどうかクエリすることができる。はいの場合、前房データは、ステップ520において記憶することができる。ステップ520の後、またはステップ518において、答えがいいえの場合、プロセス500はステップ522に進む。ステップ522において、デバイス100は、バイオメトリック眼内レンズ仕様および設計が要求されるかどうかクエリすることができる。いいえの場合、プロセス500は、ステップ530に進み、終了することができる。一方で、はいの場合、デバイス100は、ステップ524において、眼内レンズ仕様および設計データを提供することができる。次いで、プロセスは、ステップ526において、補正データが入力されるかどうかクエリすることができる。データ補正が入力されない場合、プロセス500は、ステップ530において終了することができる。レンズ設計補正が入力される場合、そのような補正用データを入力することができ、プロセス500は、ステップ528に進むことができる。ステップ528において、修正された眼内レンズ仕様設計データを出力することができる。次いで、プロセスは、ステップ530において終了することができる。
【0044】
プロセス500の1つ以上のステップは、コンピュータ110のメモリ内にある、コンピュータ可読の形態の命令によって実行することができる。コンピュータベースシステム、プロセッサを含むシステム、あるいは命令実行システム、装置、またはデバイスからの命令を取り出し、命令を実行することができる他のシステム等、命令実行システム、装置、またはデバイスによる使用のための、またはそれらに関連する任意のコンピュータ可読媒体上に、命令を記憶および伝送することができることに留意されたい。本文との関連で、「コンピュータ可読媒体」は、命令実行システム、装置、またはデバイスによる使用のための、またはそれらに関連するプログラムを内蔵、記憶、通信、伝播、または伝送することができる任意の媒体であり得る。コンピュータ可読媒体は、例えば、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、または半導体システム、装置、デバイス、または伝播媒体であり得るが、これに限定されない。コンピュータ可読媒体のより具体的な実施例(限定的なリスト)としては以下が挙げられる。1つ以上のワイヤを有する電気的接続(電子)、ポータブルコンピュータディスケット(磁気)、ランダムアクセスメモリ(RAM)(磁気)、読み取り専用メモリ(ROM)(磁気)、消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ(EPROM)(磁気)、光ファイバ(光学)、CD、CD−R、CD−RW、DVD、DVD−R、もしくはDVD−RW等のポータブル光ディスク、またはコンパクトフラッシュ(登録商標)カード、セキュアデジタルカード、USBメモリデバイス、メモリスティック等のフラッシュメモリ等。プログラムテキストは、紙または他の媒体の光学スキャニングを介して電子的に収集し、次いで必要に応じて、コンパイルするか、解釈するか、または別様に好適な方法で処理し、次いでコンピュータメモリ内に記憶することができるため、コンピュータ可読媒体は、プログラムが印刷される紙または別の好適な媒体でさえあり得ることに留意されたい。
【0045】
いくつかの実施形態によると、デバイス100は、デバイスの種々の構成要素を含む筐体を含むことができる。
【0046】
例示的実施形態600を図6に図示する。図示するように、シャインプルーフカメラ101および102は、相互から約90度の角度で位置付けられる。プラットフォーム107は、カメラと患者の眼球との整列を維持し、眼の眼球運動を補うように、x、y、およびz方向に移動すること、ならびに傾斜することができる。この目的を達成するために、追跡カメラ106は、眼球の任意の運動を追跡するように位置付けられ、構成される。操作中、ロータ103は、眼球の測定値を取得するために、カメラ101および102を約90度回転することができる。
【0047】
さらなる例示的実施形態の上面図、斜視図、および側面図を、それぞれ、図7A、7B、および7Cに図示する。デバイス700は、小型筐体内に、上記に記載するデバイス100の種々の構成要素を含むことができる。加えて、デバイス700は、デバイス700の正面に患者を位置付けることを補助することができる、ヘッドレスト720を含むことができる。デバイス700はまた、図1Aを参照して説明するディスプレイ111と同様の、タッチセンサ式ディスプレイパネル711も含むことができる。便利なことに、シャインプルーフカメラ101および102は、眼検査中、デバイス700の筐体内に存在し、かつ回転することができる。
【0048】
ここで、前眼部アナライザ(ASA)デバイス800の例示的実施形態、およびそれを使用する方法を、図8〜21を参照して説明する。図8〜21を参照して説明する種々の構成要素およびプロセスは、図1〜7を参照して上記に説明する構成要素およびプロセスと同一または同様であり得ることを理解されたい。
【0049】
図8は、ある特定の特徴を図示するために、種々の構成要素が取り除かれた、ASA800を図示する。ASA800は、回転式プラットフォーム804に取り付けられる、回転式シャインプルーフシステム802を備える。一実施形態では、シャインプルーフシステム802は、光軸806の周りで90度回転することが可能である。光学ヘッドは、電子ボード(例えば、図16に図示する電気ボード1604)によって駆動され、検査される眼球812とASA800とを自動的に整列することができる内部コンピュータ(例えば、図16に図示するコンピュータ1602)に接続され、該内部コンピュータによって制御される、三軸機械アセンブリ808によって支持することができる。ASAデバイス800はまた、検査される眼球812の前部を照射するように位置付けられる、赤外線(IR)発光ダイオード(LED)810も含むことができる。このようにして、瞳孔カメラシステム(例えば、図10にさらに詳細に記載する瞳孔カメラシステム1000)は、検査される眼球812の瞳孔の画像を撮影し、光軸806と検査される眼球812の視軸との整列を維持することができる。
【0050】
図9は、一実施形態による、シャインプルーフシステム802の光学構成要素を図示する。シャインプルーフシステム802は、第1のカメラ902および第2のカメラ904を備えることができる。図9はまた、光源908a、908b、および908cから放出される光を、検査される眼球812に向かって投影するように構成され、かつそのように動作可能である、光投影システム906も図示する。光源908a、908b、および908cは、IRおよび青色LEDの組み合わせを備えることができる。図9はまた、検査される眼球812の視軸と整列される、ASA800の光軸806も図示する。
【0051】
図10は、一実施形態による、瞳孔カメラシステム1000の光学構成要素を図示する。瞳孔カメラシステム1000は、検査される眼球812から瞳孔カメラ1004に向かって光軸806に沿って伝播する光を、分割するように構成される、プリズムビームスプリッタ1002を含むことができる。瞳孔カメラシステム1000はまた、瞳孔カメラ1004が、内部コンピュータシステム(例えば、図16のコンピュータ1602)によって分析される画像を撮影することができるように、検査される眼球812の虹彩および瞳孔を照射するように構成される、IR LED810も含む。
【0052】
図11は、一実施形態による、光投影システム906を図示する。一実施形態では、光源908aおよび908bは、青色光を放出するLEDであり、光源908cは、IR光を放出するLEDである。
【0053】
図12は、一実施形態による、固視標システム1200を図示する。固視標システム1200は、瞳孔カメラシステム1000(図10)の光軸806を結合/分割する、プリズムビームスプリッタ1002を共有することができる。固視標システム1200は、集束レンズ1204を用いて、検査される眼球812の網膜の焦点面に投影される、LEDパターンまたはカラーの裏面照射画像から形成される固視標1202を含むことができる。図12は、遠方焦点位置A、近方焦点位置B、または例えば中間焦点位置C等の、遠方位置Aと近方位置Bとの間の任意の位置等、種々の位置の間で、集束レンズを移動することが可能であることを図示する。
【0054】
図13は、一実施形態による、ASAデバイス800に組み込むことができる波面検知システム1300を図示する。一般に、波面検知システム1300は、波面を放射し、検査される眼球から反射される波面を測定することができる。波面検知システム1300は、検査される眼の網膜の焦点面に光刺激を投影する、レーザ投影システム(図示せず)を含むことができる。波面検知システム1300はまた、検査される眼球812から反射される波面を受信および検出するように動作可能な、波面センサ(図示せず)を組み込む。
【0055】
図14は、容易に理解できるように、種々の構成要素が取り除かれた(機械アセンブリ808の取り付けを含む)、ASAデバイス800の斜視図である。図14は、シャインプルーフシステム802のカメラ902および904が、図8のカメラ902および904の位置と比較して、光軸806に対して90度回転したことを図示することにも留意されたい。
【0056】
眼検査中の適切な眼球の整列および適切な整列の利点を理解するために、眼軸の簡単な説明が、図15A〜15Dを参照して記載される。図15Aを参照すると、最小二乗の意味で眼球812の光学面の曲率中心を通過する線は、眼球1500の光軸と称することができる。一般に、光軸1500は、種々の眼表面の複雑な形状のため、場合によっては明確に定義することができない。図15Bを参照すると、視軸1502は、固視点Aから前側節点Nおよび後側節点N’から中心窩Bを接続すると、本明細書に定義することができる。視軸1502は、光軸から測定される角度αによって、光軸1500から偏位することができる。典型的には、4°≦α≦8°である。図15を参照すると、瞳孔軸1504は、直角に眼球812の角膜にぶつかり、眼球812の入射瞳の中心を通過する軸として、本明細書に定義することができる。図15Dを参照すると、視線(LOS)軸は、固視点Aから眼球812の入射瞳Eの中心、および射出瞳E’の中心から中心窩Bを接続する軸として、本明細書に定義することができる。LOSは、固視点Aからの主光線と同等であり得る。瞳孔軸1504からの角度Kを有するLOSは、典型的には以下の関係を有する。K≦α。
【0057】
図16は、一実施形態による、例示的ASAシステム1600の概略図である。ASAシステム1600の種々の構成要素は、図8〜15を参照して記載するASAデバイス800と同一または同様であり得る。ASAシステム1600は、コンピュータユニット1602、電子制御ボード1604、収差測定器システム1606、回転式シャインプルーフカメラシステム1608、固視標システム1610、瞳孔カメラシステム1612、および機械アセンブリ1614を備える。
【0058】
図17Aおよび17Cは、図9のカメラ902および904等のシャインプルーフカメラによって撮影された、例示的シャインプルーフ画像である。図17Bは、図10の瞳孔カメラ1004等の瞳孔カメラによって撮影された、例示的画像である。図17Aはさらに、図示されたシャインプルーフ画像の強調された抽出されたプロファイル1700を描写する。
【0059】
図18は、一実施形態による、調節検査プロセス1800の例示的フロー図である。プロセス1800と関連して実行される種々のタスクは、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせによって実行され得る。プロセス1800は、任意の数の追加または代替タスクを含み得ることを理解されたい。図18に示すタスクは、図示された順序で実行される必要はなく、プロセス1800は、本明細書に詳細に記載されない追加の機能性を有する、より包括的な手順またはプロセスに組み込まれ得る。
【0060】
図19A〜19Eは、一実施形態による、小型筐体内に構成される例示的ASAデバイス1900の種々の図を示す。ASAデバイス1900は、例えば、ASAデバイス800および1600の構成要素の多くまたは全てを組み込むことができる。図19〜19Eに図示するように、ASAデバイス1900はまた、回転式タッチスクリーン1902も備えることができる。
【0061】
図20は、一実施形態による、ASAデバイス操作プロセス2000の例示的フロー図である。プロセス2000と関連して実行される種々のタスクは、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせによって実行され得る。プロセス2000は、任意の数の追加または代替タスクを含み得ることを理解されたい。図20に示すタスクは、図示された順序で実行される必要はなく、プロセス2000は、本明細書に詳細に記載されない追加の機能性を有する、より包括的な手順またはプロセスに組み込まれ得る。
【0062】
図21は、一実施形態による、波面収差測定検査プロセス2100の例示的フロー図である。プロセス2100と関連して実行される種々のタスクは、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせによって実行され得る。プロセス2100は、任意の数の追加または代替タスクを含み得ることを理解されたい。図21に示すタスクは、図示された順序で実行される必要はなく、プロセス2100は、本明細書に詳細に記載されない追加の機能性を有する、より包括的な手順またはプロセスに組み込まれ得る。
【0063】
図22は、一実施形態による、検査プロセス2200の例示的フロー図である。プロセス2200と関連して実行される種々のタスクは、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせによって実行され得る。プロセス2200は、任意の数の追加または代替タスクを含み得ることを理解されたい。図22に示すタスクは、図示された順序で実行される必要はなく、プロセス2200は、本明細書に詳細に記載されない追加の機能性を有する、より包括的な手順またはプロセスに組み込まれ得る。例示目的で、プロセス2200の以下の説明は、図1〜21に関連した上記の要素を指し得る。
【0064】
ASAデバイス800は、ステップ2200において整列することができる。瞳孔カメラシステム1000(図10)のコンピュータ分析からの情報を使用して、デバイス800は、三軸機械アセンブリ808を使用して、デバイス800の光軸806と、検査される眼球の視軸1504(図15B)とを整列する。
【0065】
整列ステップ2002において、固視標システム1200はまた、患者の屈折異常に適応し、検査の種類に応じて、遠方視力、近方視力、または任意の中間距離視力に対して、固視調整可能レンズを設定することができる。
【0066】
整列ステップ2202は、2つの眼球測定(例えば、波面およびシャインプルーフ)を、同一または同様条件中、同時またはほぼ同時に、かつ同一視軸を通して実行することができるため、波面検知システム1300によって実行される関数分析に関して、眼球検査および眼球モデルの構築のための正確な整列を可能にする。
【0067】
次に、プロセス2200は、画像取得ステップ2204に進む。特定の検査の種類に応じて、ASAデバイス800は、最大で360個のシャインプルーフ経線の画像を取得し得る。シャインプルーフカメラシステム802は、90度にわたって連続的に回転させることができる。これは、デュアルシャインプルーフカメラシステム802を使用して、視軸の周囲における角膜の360°の撮像区間(所定の精度ステップ内)の取得を可能にすることができる。
【0068】
以下は、ステップ2204において実行され得る、例示的な検査の種類である。
・単一画像検査:0°(水平線に平行)で撮影され、AC深度、白色間および溝間距離、角膜パキメトリ、水晶体の寸法、ならびにバイオメトリックデータと視軸との間の関係等の、AC(前房)バイオメトリックデータを抽出するために使用される、単一画像。
・二画像検査(ケラトメトリ):一次乱視軸(または0°)、および二次乱視軸(または90°)において取得される、2つの画像。本検査は、角膜曲率測定データを取得するために使用することができる。
・三画像以上の検査:前眼部の完全な3次元モデルを構築し、角膜および水晶体のトポグラフィおよびパキメトリマップを生成するために使用することができる、一連の画像。
・ビデオストリーム検査(調節):このモードでは、該システムは、内部固視および照明システムが、昼間/夜間遠方/近方条件を再現するために適切に駆動される一方で、ビデオストリームを取得する。本検査モードは、調節および固視プロファイル、ならびに異なる焦点/照明条件内の視軸変位を提供する。
・波面収差測定検査:該検査は、検査される眼の波面の関数評価である。検査される眼の網膜に発光刺激を方向付けるために、レーザ照明システムが使用される。次いで、波面システム1300は、検査される眼の瞳孔面から出て来る(反射された)波面を受信および検出することができる。受信された波面は、波面収差測定マップに表示することができる。
・全検査:上記の検査全てが自動的に実行される。
【0069】
調節等の上記の検査のいくつかは、検査される眼の瞳孔が収縮することを予防するために、IR照明を用いて実行することができる(非散瞳)。眼検査に関与する光投影システム906は、何を撮影するかに応じて、青色光またはIR光から自動的に選択することができる(シャインプルーフ画像に対しては青色光、調節検査に対してはIR光)。
【0070】
画像分析および3次元モデリングは、ステップ2206において実行することができる。本ステップにおいて、青色および/またはIR光を眼球に投影し、眼球の角膜および全ての他の光学要素(虹彩および水晶体)を照明し、眼球の前眼部を通してプロファイルを提供することができる。眼球の分析された光学要素の形状を判定するために、専用のレイトレーシングアルゴリズムを使用することができる。この目的を達成するために、プロセス2200は、中間光学面から屈折される散乱光によって引き起こされる歪曲を補正することができる。
【0071】
シャインプルーフ画像(例えば、図17Aおよび17Cの画像等)を撮影した後、例えば、図17Aに図示するように、光学要素の縁部を見つけ、それぞれのプロファイルを計算するために、アルゴリズムを使用することができる。眼検査が検査される眼球のモデルを生成する場合、プロファイルをコリメートし、単一3次元モデルに統合することができる。
【0072】
次いで、プロセス2200は、照会ステップ2208に進む。ステップ2208において、いくつかまたは全てのプロファイルおよびマップを表示し、検査照会に含むことができる。一実施形態によると、以下のいずれかまたは全てを含む、検査される眼球に関する一連の広範な臨床情報を提供することができる。
・前房バイオメトリ(遠方/近方+暗所/明所)
・ケラトメトリ
・前角膜トポグラフィックマップ
・後角膜トポグラフィックマップ
・角膜パキメトリマップ
・前水晶体トポグラフィマップ
・後水晶体トポグラフィマップ
・波面収差測定マップ
・調節プロファイル(遠方/近方+暗所/明所)
・瞳孔測定プロファイル(遠方/近方+暗所/明所)
・固視安定性プロファイル(遠方/近方+暗所/明所)
・BIOLシミュレーションインプラント
・CLシミュレーション適合
次いで、プロセス2200中に収集および生成されたデータを、ステップ2210において記憶することができる。一実施形態によると、収集されたデータは、生成されたマップおよびプロファイルのプレビューを伴って、その未加工フォーマットで記憶することができる。該データは、コンピュータ1602、またはいくつかの他のローカルもしくはリモートデータ記憶デバイスに記憶することができる。
【0073】
本発明をいくつかの例示的実施形態の観点から説明してきたが、これらの例示的実施形態の多くの代替物、置換物、および同等物が可能である。例えば、「コンピュータ」という用語は、任意の特定の種類のデバイス、ハードウェアおよび/またはソフトウェアの組み合わせを必ずしも意味するとは限らず、また多目的あるいは専用デバイスのいずれかに限定されると考慮されるべきではない。
【0074】
本発明の方法および装置を実施する代替方法が多く存在することにも留意されたい。したがって、以下の添付の特許請求の範囲は、全てのそのような代替物、置換物、および同等物を含むと解釈されることを目的とする。加えて、本明細書で使用する「コンピュータプログラム」および「ソフトウェア」という用語は、コンピュータによって処理されるように適合される、人または機械によって認識可能な任意の一連のステップを指し得る。そのようなものは、例えば、C/C++、Fortran、COBOL、PASCAL、Perl、Prolog、アセンブリ言語、スクリプト言語、マークアップ言語(例えば、HTML、SGML、XML、VoXML)、関数型言語(例えば、APL、Erlang、Haskell、Lisp、ML、F#、およびScheme)等を含む、任意のプログラミング言語または環境、ならびにCommon Object Request Broker Architecture(CORBA)、Java(登録商標)(J2ME、Java(登録商標) Beans等を含む)等のオブジェクト指向環境にレンダリングされ得る。
【0075】
さらに、本文に使用される用語およびフレーズ、ならびにその変化形は、明示的に別段の定めがない限り、制限とは対照的に、非制限語句として解釈されるべきである。上記の実施例として、「含む(including)」という用語は、「含むがこれに限定されない」等を意味すると読み取られるべきであり、「実施例」という用語は、その限定的または制限的リストではなく、考察中の事項の例示的事例を提供するために使用され、「従来の」、「伝統的な」、「通常の」、「標準的な」、「既知の」、および同様の意味の用語等の形容詞は、記載する事項を所与の期間に、または所与の時間の時点で利用可能な事項に限定すると解釈されるべきではなく、むしろ現在、または将来の任意の時間において利用可能または既知であり得る、従来の、伝統的な、通常の、または標準的な技術を包含すると読み取られるべきである。同様に、「および(and)という接続詞で接続される事項の群は、それらの事項の全てが、該群内に存在する必要があると読み取られるべきではなく、むしろ明示的に別段の定めがない限り、「および/または」として読み取られるべきである。同様に、「または(or)という接続詞で接続される事項の群は、該群間で相互排他性を必要とすると読み取られるべきではなく、むしろ明示的に別段の定めがない限り、「および/または」として読み取られるべきである。さらに、本発明の事項、要素、または構成要素は、単数形で説明および請求される場合があるが、単数形への限定が明示的に規定されない限り、複数形が本発明の範囲内にあると考えられる。いくつかの事例における、「1つ以上の」、「少なくとも」、「〜がこれに限定されない」、または同様のフレーズ等の幅の広い用語およびフレーズの存在は、そのような幅の広いフレーズが存在していない場合がある事例において、より幅の狭い場合が意図または必要とされることを意味すると読み取られるものではない。「モジュール」という用語の使用は、モジュールの一部として記載または請求される構成要素または機能性が、全て共通のパッケージ内に構成されることを意味していない。実際には、制御論理構成要素であるか、または他の構成要素であるかにかかわらず、モジュールの種々の構成要素のいずれかまたは全ては、単一パッケージ内で組み合わせるか、別々に維持することができ、複数の位置にわたってさらに分布することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼球を撮像するための装置であって、
第1のビデオカメラと、検査されている眼球から反射される第1の群の光を該ビデオカメラに方向付けるように構成される第1の光学部とを有する、第1のシャインプルーフ撮像システムと、
第2のビデオカメラと、検査されている眼球から反射される第2の群の光を該第2のビデオカメラに方向付けるように構成される第2の光学部とを有する、第2のシャインプルーフ撮像システムであって、該第2のシャインプルーフ撮像システムおよび該第1のシャインプルーフ撮像システムは、相互に対して垂直に位置付けられる、第2のシャインプルーフ撮像システムと、
プラットフォームに固定して接続される、該第1のシャインプルーフ撮像システムの少なくとも一部および該第2のシャインプルーフ撮像システムの少なくとも一部を有する、可動プラットフォームであって、該第1および第2のシャインプルーフ撮像システムの該それぞれの部分が、該プラットフォームの任意の移動に従って移動する、可動プラットフォームと、
第3のビデオカメラと、該眼球から反射される第3の群の光を該第3のビデオカメラに方向付けるように構成される第3の光学部を備える、眼球運動追跡システムと
を備え、
該眼球運動追跡システムは、整列位置から離れた眼球運動を検出することが可能であり、該可動プラットフォームは、該整列位置で該眼球を保持するよう、該検出された眼球運動を補償するように移動することが可能である、
装置。
【請求項2】
前記可動プラットフォームは、眼検査中に約90度回転するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
プロセッサと、メモリユニットとを有するコンピュータシステムであって、前記第1および第2のシャインプルーフ撮像システム、ならびに前記眼球運動追跡撮像システムからビデオデータを受信し、該メモリユニット内に該データを記憶するように構成される、コンピュータシステムをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記コンピュータはさらに、前記メモリユニットに記憶される機械可読命令であって、整列位置で眼球を保持するよう、眼球運動を判定し、該眼球運動に従って前記プラットフォームを移動させるための命令を含む、機械可読命令を備える、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
各シャインプルーフ撮像システムは、眼球前部の画像を撮影するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
所定の波面を生成し、患者の眼球上で該所定の波面を撮像し、該患者の眼球から該所定の波面の反射された部分を受信するように構成される、波面収差測定器をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
ディスプレイであって、眼球撮像セッションの処理された結果を表示するように構成される、ディスプレイをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記プラットフォームは、検出された眼球運動に対応して、3次元で移動することが可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
眼球上に光を放出する、第1の光源および第2の光源をさらに備え、前記第1の群の光および第2の群の光は、眼球から反射された該第1の光源からの光を含み、前記第3の群の光は、眼球から反射される該第2の光源からの光である、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記第1の光源は青色光を生成し、前記第2の光源は赤外光を生成する、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記第1および第2の光源は、それぞれ、LED、スリットダイヤフラム、および投影光学部を備える、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
眼球を分析するための方法であって、
第1のシャインプルーフ撮像システムおよび第2のシャインプルーフ撮像システムを使用して、眼球を撮像することと、
眼球の光路の周りで、該第1および第2のシャインプルーフ撮像システムを回転させることと、
眼球追跡撮像システムを使用して、眼球の運動を撮像することと、
該第1および第2のシャインプルーフ撮像システムが、該眼球の光路の周りを回転し続けるように、検出された眼球運動に従って、該第1および第2のシャインプルーフ撮像システムの両方を一緒に移動させることと
を含む、方法。
【請求項13】
前記第1および第2のシャインプルーフ撮像システムを介して、眼球のビデオデータを収集することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
眼球の一部の3次元表現を生成するように、前記ビデオデータを処理することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
ディスプレイ上に前記3次元表現を表示することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
各シャインプルーフ撮像システムは、相互から約90度の角度で眼球の画像を撮影する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
各シャインプルーフ撮像システムは、眼球の光軸の接平面に対して約40度傾斜させられる、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記回転させるステップは、前記シャインプルーフカメラを前記光軸の周りで90度回転させることを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
眼球を撮像する装置であって、
検査されている眼球の画像を取得するための第1のシャインプルーフ撮像手段と、
検査されている眼球の画像を取得するための第2のシャインプルーフ撮像手段と、
検査されている眼球の任意の運動を追跡するための眼球追跡手段と、
該眼球追跡手段によって追跡される任意の眼球運動に従って、該第1および第2のシャインプルーフ撮像手段を移動させるための移動手段と
を備える、装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図15D】
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【図16】
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【図17A】
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【図17B】
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【図17C】
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【図18】
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【図19A】
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【図19B】
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【図19C】
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【図19D】
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【図19E】
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【図20−1】
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【図20−2】
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【図21】
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【図22】
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【公表番号】特表2011−507572(P2011−507572A)
【公表日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−538954(P2010−538954)
【出願日】平成20年12月19日(2008.12.19)
【国際出願番号】PCT/IB2008/003956
【国際公開番号】WO2009/081286
【国際公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(510172527)