説明

眼用流体ポンプ

本発明は、液体を眼に投与するためのポンプを提供する装置及び方法を開示し、いくつかの実施形態においては、ポンプは瞬き検出機構に接続されて、液体を眼に投与するタイミングを決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2010年10月12日に出願された米国特許出願第12/902,603号及び2009年10月29日に出願された米国特許仮出願第61/256,111号に対する優先権を主張するものである。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、眼に液体又はミストを投与するための装置であって、より具体的には、いくつかの実施形態において、瞬きの検出に基づいて眼にスプレー又はミストを投与する装置について記載する。
【背景技術】
【0003】
多くの異なる装置を使用して眼に液体又はミストを投与することは知られている。しかし、多くの装置を使用して眼に液体が注入されたとしても、液体が眼に入るという経験は、一般に満足なものではない。
【0004】
液体を自己投与するための装置は、通常、ユーザーがまぶたを押さえて開いておき、瞬目反射を起こさないようにする必要がある。この拮抗により、所望の流体を容易に付加することはできない。いくつかの自動装置は、一方のまぶたを引き下げるか、又は眼域を覆ってまぶたが閉じないようにする。この接触は化粧を損なうものであり、装置の汚染及び眼への液体の流入をもたらす場合がある。
【0005】
システムからの投与は、ユーザーがあまり努力をしなくても、まぶたやユーザーの顔面の他の部分ではなく、常にユーザーの眼に投与されるべきであり、最も好ましくは、化粧を崩したり、装置を汚染したりする方法で顔に接触するべきではない。
【0006】
いくつかの投与装置は「銃」を模しており、瞬目反射を克服するように計算された速度で眼に流体を吹き付けるが、流体の速度及び衝撃は患者に不快感を生じさせると考えられる。
【0007】
他の装置は、まぶたの下の頬及び上まぶたの上にある眉毛範囲に接触してさまざまな方法でまぶたを開かせてから、流体を眼にスプレーする。このようにまぶたを開かせることは不快であり、この装置自体も大型で扱いにくくなる。このプロセス中に消費者のあらゆる化粧が崩れてしまい、ディスペンサー及び/又は投与される液体を汚染することもある。
【0008】
眼全体、又は更には顔面領域に流体をミストすることも考えられるが、眼だけではなく、まぶた、額、及び鼻など望ましくない表面も濡れる。まぶたへの液体の付加は、眼に流入することにより眼も濡らすことを示すが、この方法による結果は良し悪しであり、まぶた自体を濡らすことは、通常望ましくない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
したがって、本発明は、ポンプを備える自動装置を含み、このポンプは、電気信号に反応して眼に1回量の液体を投与する。いくつかの実施形態においては、マイクロコントローラを使用してポンプを制御する。いくつかの更なる実施形態は、投与される所定の量の液体を含む。所定の量は、投与される1回量の液体が入っている別個のリザーバによるものであっても、又はポンプ注入される所定の量の液体に一致する、ポンプサイクルの期間の特定の制御を介してもよい。
【0010】
いくつかの実施形態においては、本発明は、瞬き又は他の外部状況を自動的に感知し、その外部状況に基づいてタイミング良く液体を投与する。例えば、マイクロコントローラは、瞬きが発生したことを知らせる信号を受信し、瞬きに続いて液体を投与するタイミングを決定して、眼が再び瞬きを行う前に液体を眼に注入できるようにしてよい。瞬き直後の時間帯を用いることにより、本発明は、眼に投与するための十分な時間、また、眼に対する流体の慣性衝撃を快適なレベルに維持するように流体が十分緩やかに眼に付加される速度で投与するための十分な時間を常に提供する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明のいくつかの実施形態による、閉じた眼を感知する投与装置を図示。
【図2】本発明のいくつかの実施形態による、開いた眼を感知する投与装置を図示。
【図3】開いた眼又は閉じた眼の状態を感知する例示の装置を図示。
【図4】所定の投与量の液体を眼に投与するのに好適なポンプを図示。
【図5】本発明のいくつかの実施形態を実践するために使用され得るマイクロコントローラを図示。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、眼に所定の投与量の液体を投与するための自動装置を含む。この装置はポンプを備え、このポンプは、電気信号に反応して眼に1回量の液体を投与する。いくつかの実施形態においては、マイクロコントローラを使用してポンプを制御する。所定の量は、マイクロコントローラによって制御されるコマンド信号に応じて投与されてよい。制御信号は、例えば、ポンプに供給される電圧を決定してよい。この電圧は、特定のポンプ注入速度、特定のポンプ注入期間、及びポンプ注入動作中に引き込み元となる特定のリザーバのうちの1つ又は2つ以上をもたらす。
【0013】
いくつかの実施形態においては、所定の量は、投与される1回量の液体を含む別個のリザーバによるものであっても、又はポンプ注入される所定の量の液体に一致する、ポンプ注入サイクル期間の特定の制御を介してもよい。
【0014】
瞬き検出器を使用するいくつかの実施形態においては、液体又はミストを眼に投与するための装置は検出機構を備えており、瞬きの完了時期を決定する。投与は、例えば意識的に行われた瞬き又は自然の瞬きなどにおける、液体が投与される眼の開閉時期の決定に基づいて、ある間隔に合わせてタイミングが決定される。瞬きは、眼が開いていることを確認できるかどうかを決定するために用いられ、これにより患者が眼を閉じる前に液体を投与できる。
【0015】
マイクロコントローラ:(マイクロコントローラユニット、MCU,又はμCと称されることもある)本明細書で使用する場合、中央演算処理装置(CPU)からなる集積回路で、水晶発振器、タイマ、ウォッチドッグタイマ、直列及びアナログI/Oなどの支援機能回路、NOR型フラッシュメモリ又はこれもよく含まれるOTP ROMの形態をとるプログラムメモリ、及びある程度の大きさのRAMと組み合わされたものを指す。いくつかの好適なマイクロコントローラには、4kHzという低いクロック周波数で動作し得るものもあるが、これは低い電力消費(ミリワット又はマイクロワット)を可能にし、多くの典型的な用途に適したものだからである。これらのマイクロコントローラは一般に、状態変化マイクロコントローラ又はその他の割り込みのようなイベントを待つ間、機能性を維持する能力を有する。
【0016】
いくつかの実施形態においては、この装置は、液体付加中に顔面に接触する必要性を最小限に抑える機構を備える。更なる実施形態は、眼に対して装置を確実に適切な位置に合わせるための位置合わせ機構を備える。例えば、いくつかの実施形態においては、投与装置は、眉毛の上に配置する突出部を備え、ユーザーが覗き見るための小口径の穴を有する。ユーザーがその穴から覗き見ることができれば、適切な位置合わせが達成されている)。
【0017】
装置と眼が適切に位置合わせされると、眼の開閉がセンサによって自動的に判定される。センサと論理通信を行う投与装置は、瞬きの開放サイクルのタイミングに応じて、液体又はミストを眼に投与するようにプログラミングされている。瞬き検出を伴う位置合わせプロセスは、まぶたを開いた状態に保つこと、顔面に接触することの必要性、又は定期的に顔面に接触することに付随した汚染を排除する。更に、まぶたを開く動作に基づいて投与することにより、本発明によるディペンサーは、まぶた又は周囲の顔面を濡らすことなく、常に眼を湿らせる。
【0018】
以下の項において、本発明の実施形態がより詳細に説明される。好ましい実施形態及び代替の実施形態の両方の説明は、代表的な実施形態に過ぎず、当業者にとっては変形、修正、及び代替が明白であり得ることが理解される。したがって、上述した代表的な実施形態は、基礎となる発明の範囲を限定するものではないと理解されるべきである。
【0019】
ここで図1を参照すると、いくつかの実施形態においては、液体投与装置100は、眼105の開放状態又は閉鎖状態を感知できるセンサ101を備える。いくつかの実施形態においては、センサ101は、エミッタ102と、検出器103と、を備える。エミッタ102は、反射点104から反射し、検出器103へと戻る光線106を放射する。図1に図示するように、反射点104は、眼のまぶた107上にある。光線106は、例えば、赤外線、可視光線、超音波波長、又は他の波長の1つ又は2つ以上を含んでよい。
【0020】
ここで図2を参照すると、開いた眼105は、まぶた107とは対照的に、眼105の開放部分203上に反射点104を設ける。眼の開放部分203は、例えば、眼の強膜又は他の部分からの反射を含んでよい。いくつかの実施形態においては、放射された光線の波長は、反射点104の物理的特性に関連付けられている。まぶたからのエミッタ光線106の反射は第1の組の反射特性で反射され、眼の開放部分203からの反射は第2の組の反射特性で反射される。この反射特性は、検出器103によって感知される。
【0021】
本発明の別の態様では、眼105と液体投与装置100との位置合わせは、液体投与装置によって促進される。本発明によると、エミッタ102の焦点は、眼の所定部分、例えば、眼の強膜、虹彩、及び瞳孔などの位置に合わせられる。位置合わせは、例えば、視線201を介して達成されてよい。いくつかの実施形態においては、瞳孔202が視線201の位置と合わせられると、センサ101も適切に位置合わせされ、眼105の開放状態及び閉鎖状態を感知する。例えば、いくつかの実施形態においては、患者と投与装置内に視線201を含む管状切り取り部との位置が合わせられると、視線と管の中心部との間に同軸合わせが生じる。この位置合わせは、投与装置100に対する、瞳孔の角位置及びX−Y位置を確立し、X−Yは、眼から所定の距離にある垂直及び水平平面位置と相関する。
【0022】
いくつかの実施形態においては、視線は、顔面及び/又は額に押し付ける1つ又は2つ以上の位置合わせ用脚部を備える位置決め装置と組み合わされてよい。
【0023】
更に、いくつかの実施形態においては、センサは、眼から装置までの距離を測定し、この距離が最適な投与を行うために眼からの許容可能なZ位置範囲内にあることを示す信号(場合によっては、クリック、音、又は振動による)を送信する。この場合、Z寸法は、深さ又は眼からの距離と相関する。この範囲は、比較的幅広(2〜5mmの範囲)であり、瞬きを検出できるセンサとして上述したセンサのいずれもが、眼から投与装置100までの距離を検出するためにも使用できることが期待される。
【0024】
ここで図3を参照すると、センサ101が、眼105が開放状態にあると感知すると、投与ノズル301がスプレー302又はミスト(図示せず)によって液体を投与する。開放状態は、検出器103によって感知される光線106の性質によって決定される。好ましい実施形態では、まぶた107が開放サイクルに含まれていることを示すタイミングに基づいて、液体スプレー302が投与される。眼の開放サイクル中のスプレー302の投与は、液体が投与される前に患者が物理的に瞬きをして眼を閉じることができないように達成されてよい。スプレーは、液体流又はミストであってよい。
【0025】
ここで図4を参照すると、メインリザーバ401と、投与リザーバ402と、電気的に制御されたポンピング機構403と、眼用オリフィスノズル404と、を備える例示のポンピング装置が図示される。ポンピング機構403を作動させると、メインリザーバ401及び投与リザーバ402のいずれか又は両方から引き込み、眼用オリフィスノズル404に近接する眼に液体スプレー405又は液体ミストをポンプ注入する。
【0026】
メインリザーバ401は、眼に投与される液体を収容できる。この液体は、例えば、乾燥状態又は眼の他の状態の治療に有用な溶液、薬剤、栄養素、又は眼に有効な他の物質を含んでよい。
【0027】
いくつかの実施形態においては、単回投与リザーバ402が備えられる。他の実施形態は、メインリザーバ401から直接機能する。単回投与リザーバ402はメインリザーバ401と流体連通しており、眼に投与される1回量の液体にほぼ等しい量で充填されることができる。
【0028】
ポンプは、単回投与リザーバ402及びメインリザーバ401のいずれか、又は両方から引き込む。ポンプには、圧電ポンプ、ダイヤフラム式ポンプ、容積流量式ポンプ、又は特定量の液体を眼にポンプ注入できる他の装置が挙げられてよい。いくつかの好ましい実施形態では、圧電式ポンプが一般に用いられて、特定量の液体を定期的に投与する。例えば、静注への薬剤のポンプ注入に用いられる圧電ポンプは、眼用ノズルオリフィスを通ってリザーバ401〜402のいずれか又は両方から液体をポンプ注入するように構成されてよい。通常、薬剤投与ポンプは、液体を眼に投与するために必要な脈動送達をもたらすために、より短期間及びより高圧動作でポンプ注入を行うように構成される必要があるだろう。これは、一定の低速からの変化であるが、厳密に制御された量が静注に供給される。いくつかの特定の例は、Bartels Mikrotechnik GmbHによって提供されるMP5及びMP6を含んでよい。マイクロポンプの動作方法を示す機能図(406)も含まれる。
【0029】
例えば、仕様には以下が含まれてよい。
ポンプタイプ圧電ダイヤフラムポンプ
アクチュエータの数2
寸法(コネクタ部なし)30×15×3.8mm
重量2g
流体コネクタチューブ留め(外径1.6mm、長さ3.5mm)
電気コネクタ屈曲コネクタ/Molex FCC
1:25mmピッチ
消費電力<200mW
自給式はい2
ポンピング媒体液体、ガス、及び混合物
動作温度0〜70℃ 3
耐用期間5000時間3
IPコードIP33 4
媒体と接触する物質ポリフェニレンスルホン(PPSU)
好適な評価コントローラmp−x及びmp6−OEM
選択された媒体の流量及び背圧の標準値
(mp−xを使用して定義された値:250V、SRS):
ガス最大流量要求に応じて
最大背圧要求に応じて
液状水分の最大流量6mL/分+/−15%(100Hz)
最大背圧55kPa(550mbar)+/−15%(100Hz)
【0030】
ポンプ仕様の追加例には、以下が含まれてよい。
ポンプタイプ圧電ダイヤフラムポンプ
アクチュエータの数1
寸法(コネクタ部なし)14×14×3.5mm
重量0.8g
流体コネクタチューブ留め(外径2mm、長さ3mm)
電気コネクタ屈曲コネクタ/電話用ジャック
消費電力<200mW
自給式はい2
ポンピング媒体液体又はガス
動作温度0〜70℃
耐用期間5000時間3
IPコードIP44
媒体と接触する物質ポリフェニレンスルホン(PPSU)、
ポリイミド(PI)、ニトリルブタジエン
ゴム(NBR)
好適な評価コントローラmp−x及びmp5−a
選択された媒体の流量及び背圧の標準値
(mp−xを使用して定義された値:250V、SRS):
ガス最大流量15mL/分(300Hz)
線形範囲0〜5mL/分@0〜50Hz
最大背圧3kPa(30mbar)(300Hz)
液状水分の最大流量5mL/分(100Hz)
線形範囲0〜3mL/分@0〜30Hz
最大背圧25kPa(250mbar)(100Hz)
再現性
(30Hz、250V、SRS)
<12%
粘性<〜120mPas
1標準値。値は、付加条件に応じて異なる場合がある。内容は、予告なく変更することがある。2
条件:吸気圧力<1kPa(10mbar)、DI水、mp−xの設定:100Hz、250v、SRS、最大流量は手動プライミングで到達可能。
3条件:DI水、室温、mp−xの設定:100Hz、250v、SRS。
【0031】
いくつかの好ましい実施形態において、ポンプは、約15ミリメートル(mm)の距離から眼にスプレーするのに十分な圧力を提供する。したがって、距離は約5mm〜45mmであってよい。更に、スプレー量は、3〜30マイクロリットル、好ましくは約15マイクロリットルの量において約5マイクロリットル以内の精度で制御可能であるべきである。
【0032】
本発明のいくつかの実施形態によると、検出器は、眼用オリフィスノズルを通って眼に所定の量の液体を投与できる自動ポンプ403と論理通信するように配置される。
【0033】
ここで図5を参照すると、本発明のいくつかの実施形態で使用し得るマイクロコントローラ500が図示される。マイクロコントローラ500は、プロセッサ510と、1つ又は2つ以上のプロセッサコンポーネント及び/又は水晶発振器、タイマ、ウォッチドッグタイマ、直列及びアナログI/Oなど支援機能回路511〜514と、NOR型フラッシュメモリ又はこれもよく含まれるOTP ROMの形態をとるプログラムメモリと、ある程度の大きさのRAMと、を備える。
【0034】
マイクロコントローラ500は、通信装置520を備えてもよい。いくつかの実施形態においては、マイクロコントローラ500を使用して、眼が第1の状態にあるか、又は第2の状態にあるかの論理的示唆を受信し、第1の状態から第2の状態への移行に基づいて、液体又はミストを眼に投与するのに適切なタイミングで液体ディスペンサーにエネルギーを伝達することができる。また、他の論理がマイクロコントローラにプログラミングされて、機能の柔軟性をもたらしてよい。非限定例として、このような機能には、メインリザーバ及び投与リザーバのいずれか又は両方に現在収容されている流体の量、リザーバが引き込まれ、眼に投与される液体の量に関連するポンプの作動期間、液体放出の定期的なタイミング、液体放出の期間、及びポンプ動作に関連するその他のほぼすべての機能をモニタリングすることが挙げられてよい。
【0035】
1つ又は2つ以上のプロセッサは、通信チャネルを介してエネルギーを伝達するように構成された通信装置520に接続してよい。通信装置は、例えば、液体投与のタイミング、液体の投与量、投与動作の期間、投与動作回数の追跡、経時的な投与パターンの追跡、又は投与に関連する他の動作の1つ又は2つ以上を電気的に制御するために用いられてよい。
【0036】
プロセッサ510は、記憶装置530とも通信する。記憶装置530は、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)装置及び読み取り専用メモリ(ROM)装置など半導体メモリ装置を含む、任意の適切な情報記憶装置を含んでよい。
【0037】
記憶装置530は、プロセッサ510を制御するためのプログラム560を記録することができる。プロセッサ510は、プログラム560の指示を実行し、それによって、本発明に従って作動する。例えば、プロセッサ510は、投与される液体、投与量、投与パターンなどを記述する情報を受信してよい。
【0038】
更に、本発明は、エネルギー貯蔵手段としての電気化学セル、又は電池などのエネルギー源550、及びいくつかの実施形態においては、眼用ポンプが定置される環境からのエネルギー源を含む材料の封入、及び分離を含み得る。エネルギー源550は、マイクロコントローラを起動する電力を提供することができる。いくつかの実施形態においては、休止中(CPUクロック及び大部分の周辺装置がオフ)におけるマイクロコントローラの電力消費はわずかナノワットの程度であり得る。
【0039】
結論
上述したように、また下記の「特許請求の範囲」で更に定めるように、本発明は、液体を眼に投与するためのポンプを提供する装置及び方法を提供し、いくつかの実施形態においては、ポンプは瞬き検出機構に接続されて、液体を眼に投与するタイミングを決定する。
【0040】
〔実施の態様〕
(1) 液体を眼に投与するための装置であって、
1つ又は2つ以上のリザーバと、
制御信号の受信に基づいて作動させることができる自動ポンプであって、1つ又は2つ以上のリザーバと流体連通している、自動ポンプと、
前記自動ポンプを作動させる信号を発生させるための信号発生器と、
前記自動ポンプが、前記信号発生器によって発生した信号に基づいて前記1つ又は2つ以上のリザーバに収容された液体をポンプ注入して通過させる眼用オリフィスノズルと、を備える、装置。
(2) 眼に近接した位置に配置されると、眼の第1の状態及び眼の第2の状態を検出し、前記眼が前記第1の状態の眼及び前記第2の状態の眼のいずれかであることを示す信号を発生させるように機能するセンサを更に備える、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記センサが、所定の波長の信号を発するエミッタを備える、実施態様2に記載の装置。
(4) 前記センサが、前記所定の波長の信号を検出できる検出器を更に備える、実施態様3に記載の装置。
(5) 前記センサが、前記眼が前記第1の状態にあるか、前記第2の状態にあるかを示す前記信号を発生させる、実施態様4に記載の装置。
(6) 前記眼が前記第1の状態にあるか、前記第2の状態にあるかを示す前記信号を受信し、前記眼が前記第1の状態にあるか、前記第2の状態にあるかを示す前記信号に基づいて、前記ポンプに対して制御信号を発生させて前記ポンプを動作させるためのマイクロコントローラを更に備える、実施態様5に記載の装置。
(7) 眼と前記眼用オリフィスノズルとの位置を合わせるための位置合わせ装置を更に備える、実施態様6に記載の装置。
(8) 前記位置合わせ装置が視線を含む、実施態様7に記載の装置。
(9) 前記位置合わせ装置が、位置合わせ付属品を更に含む、実施態様8に記載の装置。
(10) 眼に投与される液体の所定量を収容できる投与リザーバを更に備える、実施態様6に記載の装置。
【0041】
(11) 前記マイクロコントローラが、前記ポンプを制御して、前記眼の前記第1の状態又は前記第2の状態の示唆に基づいて所定の投与量を投与させるための実行可能コードを保存する記憶装置を備える、実施態様6に記載の装置。
(12) 前記マイクロコントローラが、ある期間に投与された回数を追跡するための実行可能コードを保存する記憶装置を備える、実施態様11に記載の装置。
(13) 前記マイクロコントローラが、外部状況を示す信号に基づいて所定の期間に前記ポンプを動作させるための実行可能コードを保存する記憶装置を備える、実施態様6に記載の装置。
(14) 前記外部状況が、開放位置への眼の移動を含む、実施態様13に記載の装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を眼に投与するための装置であって、
1つ又は2つ以上のリザーバと、
制御信号の受信に基づいて作動させることができる自動ポンプであって、1つ又は2つ以上のリザーバと流体連通している、自動ポンプと、
前記自動ポンプを作動させる信号を発生させるための信号発生器と、
前記自動ポンプが、前記信号発生器によって発生した信号に基づいて前記1つ又は2つ以上のリザーバに収容された液体をポンプ注入して通過させる眼用オリフィスノズルと、を備える、装置。
【請求項2】
眼に近接した位置に配置されると、眼の第1の状態及び眼の第2の状態を検出し、前記眼が前記第1の状態の眼及び前記第2の状態の眼のいずれかであることを示す信号を発生させるように機能するセンサを更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記センサが、所定の波長の信号を発するエミッタを備える、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記センサが、前記所定の波長の信号を検出できる検出器を更に備える、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記センサが、前記眼が前記第1の状態にあるか、前記第2の状態にあるかを示す前記信号を発生させる、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記眼が前記第1の状態にあるか、前記第2の状態にあるかを示す前記信号を受信し、前記眼が前記第1の状態にあるか、前記第2の状態にあるかを示す前記信号に基づいて、前記ポンプに対して制御信号を発生させて前記ポンプを動作させるためのマイクロコントローラを更に備える、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
眼と前記眼用オリフィスノズルとの位置を合わせるための位置合わせ装置を更に備える、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記位置合わせ装置が視線を含む、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記位置合わせ装置が、位置合わせ付属品を更に含む、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
眼に投与される液体の所定量を収容できる投与リザーバを更に備える、請求項6に記載の装置。
【請求項11】
前記マイクロコントローラが、前記ポンプを制御して、前記眼の前記第1の状態又は前記第2の状態の示唆に基づいて所定の投与量を投与させるための実行可能コードを保存する記憶装置を備える、請求項6に記載の装置。
【請求項12】
前記マイクロコントローラが、ある期間に投与された回数を追跡するための実行可能コードを保存する記憶装置を備える、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記マイクロコントローラが、外部状況を示す信号に基づいて所定の期間に前記ポンプを動作させるための実行可能コードを保存する記憶装置を備える、請求項6に記載の装置。
【請求項14】
前記外部状況が、開放位置への眼の移動を含む、請求項13に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−509243(P2013−509243A)
【公表日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−536875(P2012−536875)
【出願日】平成22年10月19日(2010.10.19)
【国際出願番号】PCT/US2010/053144
【国際公開番号】WO2011/053479
【国際公開日】平成23年5月5日(2011.5.5)
【出願人】(510294139)ジョンソン・アンド・ジョンソン・ビジョン・ケア・インコーポレイテッド (48)
【氏名又は名称原語表記】Johnson & Johnson Vision Care, Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 Centurion Parkway, Jacksonville, FL 32256, United States of America