説明

眼科測定装置

【課題】測定開始の指示をジョイスティックで受け付ける際に、アライメントを狂わせない眼科測定装置を提供する。
【解決手段】被検眼に接近、離間する方向であるZ軸方向、Z軸方向に垂直な平面上のX、Y軸方向に移動可能であり、被検眼の測定を行う眼科測定ユニット11と、検者の操作に応じて、X、Y、Z軸方向の移動指示を受け付け、測定開始指示を受け付けるジョイスティック12と、移動指示に応じて眼科測定ユニット11を移動させる移動部13と、眼科測定ユニット11が被検眼に対してアライメントのとれたことを検出するアライメント検出部14と、を備え、眼科測定ユニット11は、測定開始指示が受け付けられた場合に測定を開始し、移動部13は、アライメントのとれたことをアライメント検出部14が検出した場合に、移動指示に応じた眼科測定ユニット11の移動を行わない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジョイスティックにより眼科測定ユニットを移動させる眼科測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の眼科測定装置において、ジョイスティックを用いることにより、被検眼に対して眼科測定ユニットを移動させ、アライメントをとることが行われていた。例えば、ジョイスティックを前後左右に傾倒させることにより、眼科測定ユニットを被検眼に対して上下左右に移動させ、ジョイスティックを捻ったり、ジョイスティックに設けられたホイールを回転させたりすることにより、眼科測定ユニットを被検眼に対して接近、離間させていた(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
また最近では、眼科測定ユニットの被検眼に対するアライメントを自動的に行う眼科測定装置も提案されている。例えば、眼科測定ユニットから指標光を照射し、被検眼からの反射光を眼科測定ユニットで受光して解析することでアライメントを自動で行うことができるようにしたもので、ジョイスティックを用いて眼科測定ユニットを移動し、眼科測定ユニットが被検眼からの反射光を受光できると、受光した画像を解析し眼科測定ユニットを所定の位置になるよう自動で移動してアライメントを行なっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−136480号公報
【特許文献2】特開2008−35905号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような従来の眼科測定装置において、アライメントが完了すると、検者はジョイスティックに設けられた測定開始スイッチを操作し、被検眼に対する各種の測定を行っていた。ここで、測定開始スイッチはジョイスティック操作によるアライメントの完了後に、検者が素早く測定を開始することが必要となるため、ジョイスティックの一部に設けられていることが一般的である。そのため、アライメントが完了した後に検者が測定開始スイッチを操作することによって、意図しないでジョイスティックが変動し、眼科測定ユニットが移動してアライメントが狂うことが発生していた。アライメントが狂うと適切な測定を行うことができないため、再度、アライメントと測定開始の操作を行わなければならず、その結果、測定時間が長くなり、被検者の負担が大きくなっていた。
【0006】
一般的に言えば、ジョイスティックによって眼科測定ユニットの移動の指示と、測定開始の指示とを受け付ける眼科測定装置において、測定開始の指示を受け付ける際に、検者が意図せずにジョイスティックを操作することによってアライメントが狂うことがあるという問題があった。そのような場合には、当然ながら適切な測定ができないことになってしまう。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、測定開始の指示をジョイスティックで受け付ける際に、アライメントが狂わないようにすることができる眼科測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明による眼科測定装置は、被検眼に接近、離間する方向であるZ軸方向、並びに当該Z軸方向に垂直な平面上の独立した方向であるX軸方向及びY軸方向に移動可能であり、被検眼に対する測定を行う眼科測定ユニットと、前記眼科測定ユニットのX軸方向、Y軸方向、Z軸方向の移動の指示を受け付けると共に、前記眼科測定ユニットによる測定の開始の指示を受け付けるジョイスティックと、前記眼科測定ユニットを移動させる移動部と、前記眼科測定ユニットが被検眼に対してアライメントのとれたことを検出するアライメント検出部と、を備え、前記眼科測定ユニットは、前記ジョイスティックが測定の開始の指示を受け付けた場合に、被検眼に対する測定を開始し、前記移動部は、前記眼科測定ユニットが被検眼に対してアライメントのとれたことを前記アライメント検出部が検出した場合には、前記ジョイスティックが受け付けた移動の指示に応じた前記眼科測定ユニットの移動を行わない、ものである。
【0009】
このような構成により、アライメントをとることができた後は、ジョイスティックが測定開始の指示を受け付ける際に、例えば、ジョイスティックが傾倒等されることによって、眼科測定ユニットの移動の指示が受け付けられたとしても、それに応じた眼科測定ユニットの移動を行わないことにより、検者の意図に反してアライメントが狂う事態を防止することができる。その結果、適切な測定を行うことができるようになる。また、測定のやり直しをしなくてもよくなり、速やかな測定を行うことができるようになる。そのため、被検者の負担も軽減されることになる。
【0010】
また、本発明による眼科測定装置では、前記ジョイスティックは測定開始スイッチを有し、当該測定開始スイッチが操作されることによって、測定の開始の指示を受け付けてもよい。
このような構成により、検者は、ジョイスティックに設けられた測定開始スイッチを操作することによって、測定の開始の指示を入力することができるようになる。
【0011】
また、本発明による眼科測定装置では、前記移動部は、前記眼科測定ユニットが被検眼に対してアライメントのとれたことを前記アライメント検出部が検出した場合であって、前記ジョイスティックが中心位置から所定の傾斜角までの範囲内にある場合には、前記ジョイスティックが受け付けた移動の指示に応じた前記眼科測定ユニットの移動を行わず、前記眼科測定ユニットが被検眼に対してアライメントのとれたことを前記アライメント検出部が検出した場合であっても、前記ジョイスティックが前記所定の傾斜角よりも大きな傾斜角の範囲になった場合には、前記ジョイスティックが受け付けた前記眼科測定ユニットの移動の指示に応じて、前記眼科測定ユニットを移動させてもよい。
【0012】
このような構成によって、アライメントがとれている場合には、例えば複数回連続して被検眼に対する測定を行うこともでき、また、アライメントがとれている場合であっても、ジョイスティックを所定の傾斜角よりも大きく傾けることによって、眼科測定ユニットを移動させることができうるようになる。
【発明の効果】
【0013】
本発明による眼科測定装置によれば、測定開始の指示をジョイスティックで受け付ける際に、アライメントが狂わないようにすることができる。その結果、眼科測定のやり直しを減らすことができ、速やかな眼科測定を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態1による眼科測定装置の外観の一例を示す斜視図
【図2】同実施の形態による眼科測定装置の構成を示すブロック図
【図3】同実施の形態による眼科測定装置の動作を示すフローチャート
【図4】同実施の形態におけるX軸、Y軸方向のアライメントについて説明するための図
【図5】同実施の形態におけるZ軸方向のアライメントについて説明するための図
【図6】同実施の形態におけるジョイスティックの傾斜角の範囲の検出について説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明による眼科測定装置について、実施の形態を用いて説明する。なお、以下の実施の形態において、同じ符号を付した構成要素及びステップは同一または相当するものであり、再度の説明を省略することがある。
【0016】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1による眼科測定装置について、図面を参照しながら説明する。本実施の形態による眼科測定装置1は、ジョイスティックによって、眼科測定ユニットの移動の指示と、測定の開始の指示とを受け付けるものである。
【0017】
図1は、本実施の形態による眼科測定装置1の外観の一例を示す斜視図である。本実施の形態による眼科測定装置1は、被検眼に対する測定を行うものである。被検眼に対する測定とは、例えば、被検眼の屈折度に関する測定であってもよく、被検眼の角膜形状に関する測定であってもよく、被検眼の眼圧測定であってもよく、その他の測定であってもよい。
【0018】
また、眼科測定装置1では、ジョイスティック12によって眼科測定ユニット11の移動の指示と、測定開始の指示とが受け付けられる。本実施の形態では、測定開始の指示が、ジョイスティック12に設けられた測定開始スイッチ31が操作されることによって、受け付けられるものとする。
【0019】
図2は、本実施の形態による眼科測定装置1の構成を示すブロック図である。図2において、本実施の形態による眼科測定装置1は、眼科測定ユニット11と、ジョイスティック12と、移動部13と、アライメント検出部14とを備える。
【0020】
眼科測定ユニット11は、X軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向に移動可能である。また、この眼科測定ユニット11によって、被検眼に対する測定が行われる。被検眼に対する測定とは、前述の通りであり、例えば、被検眼の屈折度に関する測定等である。ここで、Z軸方向とは、被検眼に接近、離間する方向である。また、X軸方向、Y軸方向とは、Z軸方向に垂直な平面上の独立した二方向である。なお、本実施の形態では、X軸方向が水平方向であり、Y軸方向が鉛直方向である場合(すなわち、両方向が直交している場合)について説明するが、それ以外であってもよい。例えば、X軸方向、Y軸方向は、独立した方向であれば、直交していなくてもよい。
【0021】
また、眼科測定ユニット11は、ジョイスティック12が測定の開始の指示を受け付けた場合に、被検眼に対する測定を開始する。本実施の形態では、ジョイスティック12に設けられた測定開始スイッチ31が操作されたことに応じて、眼科測定ユニット11は、被検眼に対する測定を開始する。
【0022】
また、本実施の形態では、眼科測定ユニット11は、被検眼に光を照射し、被検眼からの反射光を受光してケラトリング像を取得するものであるとする。また、本実施の形態では、眼科測定ユニット11は、測距用光源から出射された光が被検眼上で反射した反射光を、ラインセンサで受光するものであるとする。また、眼科測定ユニット11は、検者が被検眼を見ることができるように、被検眼の前眼部を撮影して、その画像を図示しないモニタに表示するものとする。検者は、その表示された画像を見ることによって、眼科測定ユニット11の位置を、被検眼の正面に移動させることができる。
【0023】
ジョイスティック12は、検者の操作に応じて、眼科測定ユニット11による測定の開始の指示を受け付ける。本実施の形態では、前述のように、ジョイスティック12は測定開始スイッチ31を有し、その測定開始スイッチ31が操作されることによって、測定の開始の指示を受け付ける。その測定開始スイッチ31の操作は、例えば、測定開始スイッチ31が押下可能なプッシュ型のスイッチである場合には、その測定開始スイッチ31の押下であってもよく、測定開始スイッチ31が傾倒可能なレバースイッチやトグルスイッチである場合には、その測定開始スイッチ31の傾倒であってもよく、測定開始スイッチ31がスライドスイッチである場合には、その測定開始スイッチ31のスライドであってもよく、その他の形式の測定開始スイッチ31であれば、その測定開始スイッチ31に応じた操作であってもよい。本実施の形態では、測定開始スイッチ31が回動可能であると共に押下可能なホイールであるとする。そして、その測定開始スイッチ31が押下された場合に、測定の開始の指示がジョイスティック12で受け付けられることになる。そのようなスイッチの構成については、前述の特許文献2を参照されたい。
【0024】
また、ジョイスティック12は、検者の操作に応じて、眼科測定ユニット11のX軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向の移動の指示を受け付ける。本実施の形態では、検者がジョイスティック12を被検者側に傾倒させることによって、眼科測定ユニット11をY軸方向の上側に移動させる指示が受け付けられるものとする。また、検者がジョイスティック12を検者側に傾倒させることによって、眼科測定ユニット11をY軸方向の下側に移動させる指示が受け付けられるものとする。また、検者がジョイスティック12を右側に傾倒させることによって、眼科測定ユニット11をX軸方向の右側に移動させる指示が受け付けられるものとする。また、検者がジョイスティック12を左側に傾倒させることによって、眼科測定ユニット11をX軸方向の左側に移動させる指示が受け付けられるものとする。また、検者がジョイスティック12の頭部に設けたホイール(これは測定開始スイッチ31を兼ねている)を被検者側に向かって回動させることにより、眼科測定ユニット11をZ軸方向の被検者側に移動させる指示が受け付けられるものとする。また、検者がそのホイールを検者側に向かって回動させることにより、眼科測定ユニット11をZ軸方向の検者側に移動させる指示が受け付けられるものとする。なお、上記説明での右側、左側は、検者が被検者の方を向いた状態での右側、左側である。また、これらの説明は一例であって、これ以外の形態の移動の指示が受け付けられてもよい。
【0025】
ジョイスティック12は、例えば、前後や左右の傾倒を検知するエンコーダを用いて、ジョイスティック12の傾倒の方向と程度に応じた眼科測定ユニット11の移動の指示を受け付けてもよい。また、ジョイスティック12は、例えば、測定開始スイッチ31であるホイールの回転を検知するエンコーダを用いて、そのホイールの回転の方向と程度に応じた眼科測定ユニット11の移動の指示を受け付けてもよい。この測定開始スイッチ31は、例えば、Z軸方向への移動入力手段であるダイヤル式エンコーダと、押し下げ式の測定開始スイッチとの2つの機能を備えたものであってもよい。また、ジョイスティック12は、1以上の方向、好ましくは2以上の方向に傾倒可能な操作桿を有する入力機器であれば、その構成を問わない。
【0026】
移動部13は、ジョイスティック12が受け付けた眼科測定ユニット11の移動の指示に応じて、眼科測定ユニット11を移動させる。その移動部13は、例えば、眼科測定ユニット11をX軸方向、Y軸方向、Z軸方向にそれぞれに移動させる図示しない手段、すなわち、X軸方向駆動手段と、Y軸方向駆動手段と、Z軸方向駆動手段とを備えてもよい。
【0027】
ただし、移動部13は、眼科測定ユニット11が被検眼に対してアライメントのとれたことを後述するアライメント検出部14が検出した場合には、ジョイスティック12が受け付けた移動の指示に応じた眼科測定ユニット11の移動を行わない。すなわち、アライメントがとられた後は、ジョイスティック12によって眼科測定ユニット11が移動されないことになる。なお、結果として、アライメントのとれたことが検出された場合に、ジョイスティック12が受け付けた移動の指示に応じた眼科測定ユニット11の移動を行わないのであれば、その方法は問わない。例えば、アライメントがとれた場合には、たとえジョイスティック12が移動の指示を受け付けたとしても、移動部13がそれに応じた移動の処理を行わなくてもよく、アライメントがとれた場合には、ジョイスティック12が移動の指示を受け付けなくてもよく、アライメントがとれた場合には、ジョイスティック12が移動の指示を受け付けたとしても、移動部13に渡さなくてもよい。
【0028】
また、移動部13は、眼科測定ユニット11が被検眼に対してアライメントのとれたことを後述するアライメント検出部14が検出した場合であって、ジョイスティック12が中心位置から所定の傾斜角までの範囲内にある場合には、ジョイスティック12が受け付けた移動の指示に応じた眼科測定ユニット11の移動を行わず、眼科測定ユニット11が被検眼に対してアライメントのとれたことをアライメント検出部14が検出した場合であっても、ジョイスティック12が所定の傾斜角よりも大きな傾斜角の範囲になった場合には、ジョイスティック12が受け付けた眼科測定ユニット11の移動の指示に応じて、眼科測定ユニット11を移動させてもよい。本実施の形態では、このような場合について説明する。なお、ジョイスティック12が中心位置から所定の傾斜角までの範囲内にあるのか、あるいは、所定の傾斜角よりも大きな傾斜角の範囲にあるのかの判断については、後述する。
【0029】
アライメント検出部14は、眼科測定ユニット11が被検眼に対してアライメントのとれたことを検出するものであり、Z軸アライメント検出手段21と、XY軸アライメント検出手段22とを備える。このZ軸アライメント検出手段21によってZ軸方向のアライメントが検出され、XY軸アライメント検出手段22によってX軸方向、Y軸方向の両方のアライメントが検出された場合に、眼科測定ユニット11が被検眼に対してアライメントのとれたことが、アライメント検出部14で検出されたことになる。
【0030】
Z軸アライメント検出手段21は、Z軸方向のアライメントを検出する。Z軸アライメント検出手段21は、測距用光源から出射された光が被検眼上で反射した反射光を受光したラインセンサ上の受光位置が、あらかじめ決められた位置となった場合に、Z軸方向のアライメントを検出する。このZ軸方向のアライメントの検出については後述する。
【0031】
XY軸アライメント検出手段22は、X軸方法及びY軸方向のアライメントを検出する。XY軸アライメント検出手段22は、ケラトリング像の中心が、あらかじめ決められた位置となった場合に、X軸方法及びY軸方向のアライメントを検出する。このX軸方向、Y軸方向のアライメントの検出については後述する。
【0032】
次に、本実施の形態による眼科測定装置1の動作について、図3のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS101)移動部13は、ジョイスティック12によって移動の指示が受け付けられたかどうか判断する。例えば、ジョイスティック12が傾倒されたり、ジョイスティック12のホイールが回動されたりしたことを検知した場合には、移動の指示が受け付けられたと判断する。そして、移動の指示が受け付けられた場合には、ステップS102に進み、そうでない場合には、移動の指示が受け付けられるまで、ステップS101の処理を繰り返す。
【0033】
(ステップS102)移動部13は、ジョイスティック12によって受け付けられた移動の指示に応じて、眼科測定ユニット11を移動させる。
【0034】
(ステップS103)XY軸アライメント検出手段22は、眼科測定ユニット11によって撮影されたケラトリング像の位置から、被検眼と眼科測定ユニット11とのX軸方向、Y軸方向の相対位置を検出する。
【0035】
(ステップS104)XY軸アライメント検出手段22は、その検出したケラトリング像のX軸方向、Y軸方向の位置が、あらかじめ決められた位置と一致するかどうか判断する。そして、一致する場合には、X軸方向、Y軸方向のアライメントがとられたとして、ステップS105に進み、そうでない場合には、X軸方向、Y軸方向のアライメントがとられていないとして、ステップS101に戻る。なお、XY軸アライメント検出手段22は、検出したX軸方向、Y軸方向の位置と、あらかじめ決められた位置とが厳密に同じである場合に、両者が一致すると判断してもよく、あるいは、両者の誤差が所定のしきい値よりも小さい場合に、両者が一致すると判断してもよい。
【0036】
(ステップS105)Z軸アライメント検出手段21は、眼科測定ユニット11の被検眼に対するZ軸方向の位置を検出する。具体的には、Z軸アライメント検出手段21は、眼科測定ユニット11の被検眼に対するZ軸方向の位置に対応する、眼科測定ユニット11のラインセンサによる反射光の受光位置を検出する。
【0037】
(ステップS106)Z軸アライメント検出手段21は、ラインセンサによる反射光の受光位置が、あらかじめ決められた位置と一致するかどうか判断する。そして、一致する場合には、Z軸方向のアライメントがとられたとして、ステップS107に進み、そうでない場合には、Z軸方向のアライメントがとられていないとして、ステップS101に戻る。なお、Z軸アライメント検出手段21は、ラインセンサによる反射光の受光位置と、あらかじめ決められた位置とが厳密に同じである場合に、両者が一致すると判断してもよく、あるいは、両者の誤差が所定のしきい値よりも小さい場合に、両者が一致すると判断してもよい。
【0038】
(ステップS107)眼科測定ユニット11は、ジョイスティック12の測定開始スイッチ31が操作されることによって、測定開始の指示が受け付けられたかどうか判断する。そして、測定開始の指示が受け付けられた場合には、ステップS108に進み、そうでない場合には、ステップS109に進む。
【0039】
(ステップS108)眼科測定ユニット11は、被検眼に対する測定を行う。そして、測定が終了すれば、ステップS103に戻る。
【0040】
(ステップS109)移動部13は、ジョイスティック12が所定の傾斜角よりも大きな傾斜角の範囲になったことに応じた移動の指示を受け付けたかどうか判断する。そして、ジョイスティック12が所定の傾斜角よりも大きな傾斜角の範囲になったことに応じた移動の指示を受け付けた場合には、ステップS102に戻り、そうでない場合には、ステップS103に戻る。
【0041】
なお、図3のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。また、図3のフローチャートでは、被検眼に対するアライメントがとられた場合(すなわち、ステップS106でYESの場合)に、移動部13がジョイスティック12からの移動指示を受け付けない場合について説明したが、被検眼に対するアライメントがとられた場合(すなわち、ステップS106でYESの場合)には、積極的に、ジョイスティック12からの移動指示に応じた移動処理を行わない旨の制御を図示しない制御部が行ってもよい。その制御は、例えば、イネーブル信号の出力によって行われてもよい。具体的には、被検眼に対するアライメントがとられていない状態では、図示しない制御部は、移動してもよい旨のイネーブル信号(例えば、0Vの信号)を移動部13に出力し、移動部13は、そのイネーブル信号に応じて、ジョイスティック12が受け付けた移動の指示に応じた移動処理を行う。一方、被検眼に対するアライメントがとられた後には、図示しない制御部は、移動してはいけない旨のイネーブル信号(例えば、5Vの信号)を移動部に出力し、移動部13は、そのイネーブル信号に応じて、ジョイスティック12が受け付けた移動の指示に応じた移動処理を行わないようにしてもよい。また、そのような制御を行う場合には、アライメントがとられた状態において、ジョイスティック12が所定の傾斜角よりも大きな傾斜角の範囲になった際に、図示しない制御部は、移動してもよい旨のイネーブル信号を移動部13に出力するようにしてもよい。
【0042】
また、図3のフローチャートにおいて、アライメントがとられてから測定が開始されるまでにアライメントの狂うことがほとんどないと考えられるのであれば、ステップS109において、所定の傾斜角よりも大きな傾斜角の範囲になっていないと判断された場合に、ステップS107に戻るようにしてもよい。
【0043】
また、図3のフローチャートにおいて、測定開始の指示が受け付けられると、一回の測定が行われる場合について説明したが、そうでなくてもよい。例えば、測定開始の指示の受け付けに応じて、二回以上の測定が行われてもよい。その測定の回数は、あらかじめ定められていてもよい。
【0044】
次に、X軸方向、Y軸方向のアライメントの検出について、図4を用いて説明する。図4は、眼科測定ユニット11の図示しないケラトリング像受光センサによって撮像された、被検眼に反射したケラトリング41の像を示す画像である。このケラトリング41のリング中心42が、画面中心43に位置した場合に、X軸方向、Y軸方向のアライメントがとられたことになる。このアライメントがとられたことを、「照準が合った」と表現することもある。
【0045】
X軸方向、Y軸方向のアライメントの検出は、具体的には次のようにして行われる。眼科測定ユニット11は、ケラトリング像受光センサによって撮像されたケラトリング41の画像をXY軸アライメント検出手段22に渡す。すると、XY軸アライメント検出手段22は、その画像から、ケラトリング41の像の位置を検出し、そのケラトリング41の像の位置からリング中心42の位置を求める。例えば、XY軸アライメント検出手段22は、ケラトリング41の図4における横軸の最も右の端点の座標値と、最も左の端点の座標値とを取得し、その両座標値の平均値を算出する。その平均値に対応する位置が、リング中心42の横軸方向の位置となる。また同様に、XY軸アライメント検出手段22は、ケラトリング41の図4における縦軸の最も上の端点の座標値と、最も下の端点の座標値とを取得し、その両座標値の平均値を算出する。その平均値に対応する位置が、リング中心42の縦軸方向の位置となる。このようにして、XY軸アライメント検出手段22は、リング中心42の座標を求めることができ、それがあらかじめ図示しない記録媒体で記憶されている画面中心43の座標と一致するかどうか判断することによって、X軸方向、Y軸方向のアライメントがとられているかどうかを判断することができる。なお、ケラトリング41の画像からリング中心42の座標を求める上記説明の方法は一例であって、それ以外の方法によってリング中心42の座標を求めてもよいことは言うまでもない。
【0046】
なお、ここでは、リング中心42が画面中心43と一致した場合に、X軸方向、Y軸方向のアライメントがとられたことになる場合について説明したが、そうでなくてもよい。例えば、リング中心42があらかじめ決められた位置(ただし、画面中心43以外の位置である)と一致した場合に、X軸方向、Y軸方向のアライメントがとられたことになってもよい。
【0047】
次に、Z軸方向のアライメントの検出について、図5を用いて説明する。図5は、眼科測定ユニット11が有する測距用光源51と、ラインセンサ52とを示す模式図である。図5において、測距用光源51から出射された光は被検眼上で反射し、その反射光はラインセンサ52で受光される。一般に、Z軸方向における被検眼と眼科測定ユニット11とのアライメントがとられているときには、反射光を受光したラインセンサ52上の受光位置が、あらかじめ決められた位置(通常は、ラインセンサ52の中心である)となるように設計されている。したがって、反射光を受光したラインセンサ52上の受光位置が、あらかじめ決められた位置となった場合に、Z軸方向のアライメントがとられたことになる。このアライメントがとられたことを、「合焦した」と表現することもある。なお、反射光を受光したラインセンサ52上の受光位置は、例えば、そのラインセンサ52上の最も明るい位置であってもよい。
【0048】
Z軸方向のアライメントの検出は、具体的には次のようにして行われる。眼科測定ユニット11は、ラインセンサ52による受光結果をZ軸アライメント検出手段21に渡す。すると、Z軸アライメント検出手段21は、その受光結果から、最も明るい位置を検出し、その検出した受光位置と、あらかじめ図示しない記録媒体で記憶されているラインセンサ52上の位置とが一致するかどうか判断することによって、Z軸方向のアライメントがとられているかどうかを判断することができるようになる。
【0049】
なお、Z軸アライメント検出手段21、XY軸アライメント検出手段22によるアライメントの検出は、従来の眼科測定ユニット11によっても行われていたものである。したがって、Z軸アライメント検出手段21、XY軸アライメント検出手段22は、眼科測定ユニット11の一部を構成するものであると考えてもよく、あるいは、眼科測定ユニット11のアライメントを検出する部分のみを取り出したものであると考えてもよい。
【0050】
次に、ジョイスティック12が中心位置から所定の傾斜角までの範囲内にあるのか、あるいは、所定の傾斜角よりも大きな傾斜角の範囲にあるのかを判断する方法について、図6を用いて説明する。ジョイスティック12の傾斜にともなって、動作切替板61,63、及び位置検出板71,73が回転する。フォトインタラプタ62,64は、発光素子と、その発光素子の発した光を受光する受光素子とを有している。そして、ジョイスティック12が中心位置から所定の傾斜角までの範囲にある場合には、動作切替板61,63によって、フォトインタラプタ62,64の発光素子から発した光が遮蔽されており、ジョイスティック12が所定の傾斜角よりも大きな傾斜角の範囲にある場合には、動作切替板61,63によって、フォトインタラプタ62,64の発光素子から発した光が遮蔽されないような動作切替板61,63の形状となっている。なお、この検出は、結果としてジョイスティック12が中心位置から所定の傾斜角までの範囲内にあるかどうかを検出することができればよいため、フォトインタラプタ62,64は、ジョイスティック12が中心位置から所定の傾斜角までの範囲内にないかどうかを検出してもよい。このように、動作切替板61,63と、フォトインタラプタ62,64とを用いることによって、移動部13は、ジョイスティック12が所定の傾斜角よりも大きな傾斜角の範囲にあるかどうかを判断することができる。
【0051】
なお、位置検出板71,73に設けられた扇状のスリットの通過を、位置検出センサ72,74によって検知することにより、ジョイスティック12の傾斜の程度を知ることができる。なお、位置検出センサ72,74は、発光素子と、その発光素子の発した光を受光する受光素子とを有している。位置検出センサ72,74は、発光素子の発した光が、位置検出板71,73に設けられた扇状のスリットを通過したり、位置検出板71,73で遮蔽されたりすることを受光素子によって検知することによって、そのスリットの動きを検出することができ、ジョイスティック12の2軸の回転軸方向の傾斜角度をそれぞれ知ることができる。この位置検出センサ72,74によってジョイスティック12の傾斜角度を検出する方法はすでに公知である。
【0052】
また、ここでは、フォトインタラプタ62,64によって、ジョイスティック12が中心位置から所定の傾斜角までの範囲内にあるかどうかを検出する場合について説明したが、そうでなくてもよい。その他のセンサを用いて、フォトインタラプタ62,64と同様の検出処理を行ってもよい。例えば、第1のセンサは、ジョイスティック12の第1の方向への移動について、ジョイスティック12が中心位置から所定の傾斜角までの範囲内にあるかどうかを検出してもよい。また、第2のセンサは、ジョイスティック12の第1の方向に直交する第2の方向への移動について、ジョイスティック12が中心位置から所定の傾斜角までの範囲内にあるかどうかを検出してもよい。その第1及び第2のセンサは、例えば、位置検出板71,73を用いてそれらの傾斜角を検出する位置検出センサ72,74と、その位置検出センサ72,74が検出した傾斜角度が所定の傾斜角よりも小さいかどうか(あるいは、大きいかどうか)を判断する図示しない判断部とから構成されてもよい。位置検出センサ72,74等を用いて、ジョイスティック12が中心位置から所定の傾斜角までの範囲内にあるかどうかを検出する場合に、ジョイスティック12が中心位置から所定の傾斜角までの範囲に存在する場合に位置検出センサ72,74を通過する位置検出板71,73のスリットの幅と、ジョイスティック12が所定の傾斜角よりも大きい傾斜角の範囲に存在する場合に位置検出センサ72,74を通過する位置検出板71,73のスリットの幅とを変えることによって(例えば、一方のスリット幅が、他方のスリット幅よりも大きくてもよい)、位置検出センサ72,74が、ジョイスティック12が中心位置から所定の傾斜角までの範囲に存在するかどうかを判断できるようにしてもよい。また、ジョイスティック12が中心位置から所定の傾斜角までの範囲に存在するかどうかの判断方法は、これらに限定されるものではなく、その他の方法を用いてもよいことは言うまでもない。
【0053】
次に、本実施の形態による眼科測定装置1の動作について、具体例を用いて説明する。
まず、眼科測定装置1の本体基台部に設けられた、被検者の顔の位置決めのための顔受けに被検者の顔を固定したとする。その状態で、検者がジョイスティック12を傾倒させたり、測定開始スイッチ31であるホイールを回動させたりすることによって、被検眼に対して眼科測定ユニット11を移動させる(ステップS101〜S104)。そのような眼科測定ユニット11の移動によって、X軸方向、Y軸方向のアライメントがとられ、さらに、Z軸方向のアライメントもとられたとする(ステップS101〜S106)。そして、その後に、検者がジョイスティック12の測定開始スイッチ31を押下することによって、測定の開始を指示すると、それに応じて、測定が開始される(ステップS107,S108)。なお、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向のアライメントがとられた後に、検者がジョイスティック12を中心位置から所定の傾斜角の範囲内で傾倒させたり、測定開始スイッチ31であるホイールを回動させたりしても、それに応じた眼科測定ユニット11の移動が行われないことになり、検者は、アライメントのとられている状態において測定開始を指示することができるようになる。一方、アライメントのとられた後に測定開始スイッチ31が押下されることを待っている状態において、被検者が動いてしまうことなどによってアライメントが狂ってしまった場合には、そのことが検出され(ステップS104,S106)、再度、検者はジョイスティック12を用いた眼科測定ユニット11の移動を行うことができるようになる。また、検者が測定開始スイッチ31を押下することによって測定が行われた後であっても、アライメントがとられている状態であれば、検者は、続けて測定開始スイッチ31を押下することによって、2回以上の測定を行うこともできる。また、測定が終了した後であって、アライメントがとられている状態であっても、検者がジョイスティック12を所定の傾斜角よりも大きな傾斜角の範囲まで傾倒させることによって、眼科測定ユニット11を移動させることができる(ステップS109,S102)。したがって、例えば、一方の被検眼の測定が終了した後であって、まだアライメントがとられている状態であっても、検者がジョイスティック12を大きく傾倒させることによって、他方の被検眼の位置にまで眼科測定ユニット11を移動させることができうる。
【0054】
以上のように、本実施の形態による眼科測定装置1によれば、測定開始の指示をジョイスティック12で受け付ける際に、アライメントが狂わないようにすることができる。その結果、眼科の測定のやり直しを減らすことができ、速やかな眼科測定を実現することができるようになる。
【0055】
なお、本実施の形態では、Z軸アライメント検出手段21が、測距用光源51から出射された光が被検眼で反射された反射光を受光したラインセンサ52上の受光位置を用いて、Z軸方向のアライメントを検出する場合について説明したが、そうでなくてもよい。Z軸アライメント検出手段21は、公知の眼科測定装置で用いられている、その他のアライメントの検出方法を用いて、Z軸方向のアライメントの検出を行ってもよいことは言うまでもない。なお、その場合には、眼科測定ユニット11は、測距用光源51から出射された光が被検眼上で反射した反射光をラインセンサ52で受光しなくてもよい。
【0056】
また、本実施の形態では、XY軸アライメント検出手段22が、ケラトリング像の中心を用いてX軸方向、Y軸方向のアライメントを検出する場合について説明したが、そうでなくてもよい。XY軸アライメント検出手段22は、公知の眼科測定装置で用いられている、その他のアライメントの検出方法を用いて、X軸方向、Y軸方向のアライメントの検出を行ってもよいことは言うまでもない。なお、その場合には、眼科測定ユニット11は、被検眼に照射されたケラトリングの画像を取得するものでなくてもよい。
【0057】
また、本実施の形態では、アライメント検出部14が、Z軸アライメント検出手段21と、XY軸アライメント検出手段22とを備える場合について説明したが、そうでなくてもよい。例えば、アライメント検出部14は、X軸方向、Y軸方向と、Z軸方向とに分けないで、アライメントの検出を行ってもよい。
【0058】
また、本実施の形態では、ジョイスティック12が測定開始スイッチ31を備え、その測定開始スイッチ31が操作されることによって測定の開始の指示が受け付けられる場合について説明したが、そうでなくてもよい。例えば、その他のジョイスティック12の操作によって、測定開始の指示が受け付けられてもよい。その他のジョイスティック12の操作とは、例えば、アライメントがとられた状態において、検者がジョイスティック12を傾倒する操作(傾倒の方向は決まっていてもよく、決まっていなくてもよい)であってもよく、検者がジョイスティック12をある方向に傾倒させた後に、その傾倒の角度を保ったまま、ジョイスティック12の端点が円を描くようにジョイスティック12をぐるりと回すことであってもよく、その他の操作であってもよい。
【0059】
また、前述のように、ジョイスティック12が中心位置から所定の傾斜角の範囲内にあるかどうかを判断する方法は問わない。ジョイスティック12が中心位置から所定の傾斜角の範囲内にあるかどうかを判断することができるのであれば、どのような方法を用いてその判断を行ってもよい。
【0060】
また、本実施の形態では、移動部13が、アライメントがとられている場合であって、ジョイスティック12が中心位置から所定の傾斜角までの範囲内にある場合には、ジョイスティック12が受け付けた移動の指示に応じた眼科測定ユニット11の移動を行わず、アライメントがとられている場合であっても、ジョイスティック12が所定の傾斜角よりも大きな傾斜角の範囲になった場合には、ジョイスティック12が受け付けた眼科測定ユニット11の移動の指示に応じて、眼科測定ユニット11を移動させる場合について説明したが、そうでなくてもよい。アライメントがとられている限りは、ジョイスティック12が受け付けた移動の指示に応じた眼科測定ユニット11の移動が行われなくてもよい。その場合には、例えば、1回の測定が終わった後には、ジョイスティック12が受け付けた移動の指示に応じた眼科測定ユニット11の移動が行われるようにしてもよい(すなわち、図3のフローチャートにおいて、ステップS108からステップS101に戻ってもよい)。
【0061】
また、本実施の形態では、マニュアル操作によってアライメントを行う眼科測定装置1について説明したが、本実施の形態による眼科測定装置1は、被検眼に対するアライメントを自動的に行うものであってもよい。アライメントを自動的に行われる場合であっても、通常、ジョイスティック12が操作されると、それに応じた眼科測定ユニット11の移動が行われることになる。したがって、本実施の形態による眼科測定装置1のように、アライメントがとられた場合には、ジョイスティック12が受け付けた移動の指示に応じた眼科測定ユニット11の移動を行わないことによって、測定開始の指示をジョイスティック12で受け付ける際に、アライメントが狂わないようにすることができる。なお、眼科測定装置1が、被検眼に対するアライメントを自動的に行うものである場合には、移動部13は、被検眼に対するアライメントを自動的にとるための処理に応じて眼科測定ユニット11を移動させてもよい。その場合には、移動部13は、ジョイスティック12の受け付けた眼科測定ユニット11の移動の指示に応じてのみ眼科測定ユニット11を移動させるものでなくてもよい。
【0062】
また、上記実施の形態において、各構成要素は専用のハードウェアにより構成されてもよく、あるいは、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、プログラムを実行することによって実現されてもよい。例えば、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。
【0063】
また、本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0064】
以上より、本発明による眼科測定装置等によれば、測定開始の指示をジョイスティックで受け付ける際に、アライメントが狂わないようにできるという効果が得られ、眼科測定装置として有用である。
【符号の説明】
【0065】
1 眼科測定装置
11 眼科測定ユニット
12 ジョイスティック
13 移動部
14 アライメント検出部
14 検出部
21 Z軸アライメント検出手段
22 XY軸アライメント検出手段
31 測定開始スイッチ
41 ケラトリング
42 リング中心
43 画面中心
51 測距用光源
52 ラインセンサ
61,63 動作切替板
62,64 フォトインタラプタ
71,73 位置検出板
72,74 位置検出センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検眼に接近、離間する方向であるZ軸方向、並びに当該Z軸方向に垂直な平面上の独立した方向であるX軸方向及びY軸方向に移動可能であり、被検眼に対する測定を行う眼科測定ユニットと、
前記眼科測定ユニットのX軸方向、Y軸方向、Z軸方向の移動の指示を受け付けると共に、前記眼科測定ユニットによる測定の開始の指示を受け付けるジョイスティックと、
前記眼科測定ユニットを移動させる移動部と、
前記眼科測定ユニットが被検眼に対してアライメントのとれたことを検出するアライメント検出部と、を備え、
前記眼科測定ユニットは、前記ジョイスティックが測定の開始の指示を受け付けた場合に、被検眼に対する測定を開始し、
前記移動部は、前記眼科測定ユニットが被検眼に対してアライメントのとれたことを前記アライメント検出部が検出した場合には、前記ジョイスティックが受け付けた移動の指示に応じた前記眼科測定ユニットの移動を行わず、
前記ジョイスティックは、測定開始スイッチを有し、当該測定開始スイッチが操作されることによって、測定の開始の指示を受け付ける、眼科測定装置。
【請求項2】
前記移動部は、
前記眼科測定ユニットが被検眼に対してアライメントのとれたことを前記アライメント検出部が検出した場合であって、前記ジョイスティックが中心位置から所定の傾斜角までの範囲内にある場合には、前記ジョイスティックが受け付けた移動の指示に応じた前記眼科測定ユニットの移動を行わず、
前記眼科測定ユニットが被検眼に対してアライメントのとれたことを前記アライメント検出部が検出した場合であっても、前記ジョイスティックが前記所定の傾斜角よりも大きな傾斜角の範囲になった場合には、前記ジョイスティックが受け付けた前記眼科測定ユニットの移動の指示に応じて、前記眼科測定ユニットを移動させる、請求項1記載の眼科測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−264020(P2010−264020A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−116913(P2009−116913)
【出願日】平成21年5月13日(2009.5.13)
【出願人】(390000594)株式会社レクザム (64)