説明

眼鏡の調整構造

【課題】本発明は、汎用的に使用することができる眼鏡の調整構造を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る眼鏡の調整構造は、フレームと、2つの回転軸と、2つのトーションバネと、2つのモダンと、を備える。前記フレームの両側には、連接部がそれぞれ連接されており、各々のモダンは、一つの前記回転軸を介して前記連接部に回転可能に枢着され、前記連接部の自由端には挟持部が設けられ、前記モダンの前記連接部に枢着される一端には枢着部が設けられ、前記トーションバネは、前記枢着部を囲むように設けられ、且つ該トーションバネの一端は、前記挟持部に固定され、該トーションバネの他端は、前記枢着部に固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、眼鏡の調整構造に関し、特に3D映像を観賞することができる3D眼鏡の調整構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、3D映画が流行しているが、3D映画を鑑賞する際は、通常、3D立体視覚効果を持つ専用の眼鏡(以下、3D眼鏡とする)をかけなければならない。
【0003】
しかし、現在映画館において使用されている3D眼鏡の2つのモダン間の幅は固定されており、使用者自ら調整することはできない。そのため、映画館では、通常、大人及び子供用に、規格が異なる2種類の3D眼鏡を使用している。しかし、メーカーは、異なる規格及びサイズの3D眼鏡を製造しなければならないため、多くの生産コストを要する。また、老若男女、各々頭のサイズは違うため、単一規格の眼鏡では、サイズが合わず、頭にフィットしない。従って、モダン間の幅が調整不可能な3D眼鏡では、掛けた際に不安定であり、観賞するときに見にくいなどの影響を与えることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明は、上記の問題点を考慮してなされたものであり、汎用的に使用することができる眼鏡の調整構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、本発明に係る眼鏡の調整構造は、フレームと、2つの回転軸と、2つのトーションバネと、2つのモダンと、を備える。前記フレームの両側には、連接部がそれぞれ連接されており、各々のモダンは、一つの前記回転軸を介して前記連接部に回転可能に枢着され、前記連接部の自由端には挟持部が設けられ、前記モダンの前記連接部に枢着される一端には枢着部が設けられ、前記トーションバネは、前記枢着部を囲むように設けられ、且つ該トーションバネの一端は、前記挟持部に固定され、該トーションバネの他端は、前記枢着部に固定される。
【発明の効果】
【0006】
従来の技術と比較して、本発明に係る眼鏡の調整構造は、前記トーションバネを設けることによって、前記眼鏡の2つの前記モダンの間に適度な挟持力を生じさせ、且つ前記モダンの材質自体にも弾性力が備わっているので、ユーザーの頭のサイズが異なっていても、前記眼鏡を安定して使用することができる。また、前記眼鏡の調整構造も簡単であるため、組み立て操作が容易で、製造コストも削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の調整構造を備える眼鏡が使用されていない際の状態を示す図である。
【図2】図1に示す眼鏡の調整構造の拡大図である。
【図3】図1に示す眼鏡の調整構造の連接部とモダンとを組み立てた状態を示す断面図である。
【図4】本発明の調整構造を備える眼鏡が使用されている状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1及び図2に示したように、本発明の実施形態に係る眼鏡100は、フレーム12と、2つの回転軸14と、2つのトーションバネ16と、2つのモダン18と、を備える。
【0009】
前記フレーム12は、フロントカバー122及び該フロントカバー122に対向して設けられたバックカバー124によって構成され、前記フロントカバー122と前記バックカバー124との間には、レンズが装着されている。電池、3D映像制御回路、赤外線受信器等を備える3D映像発生装置(図示せず)は、前記フレーム12の互いに反対側に位置する2つの側辺に設けられる。また、前記フレーム12の2つの側辺の端部には、連接部126がそれぞれ設置されている。好ましくは、前記3D映像発生装置は、前記フレーム12の両側の前記連接部126に設けられる。該連接部126は、前記フレーム12と一体成形され、且つ前記回転軸14を介して、前記モダン18を枢着する。従って、前記モダン18は、前記連接部126に対して回転可能である。前記連接部126の内側は、前記バックカバー124の一部であり、前記連接部126の外側は、前記フロントカバー122の一部である。
【0010】
また、前記連接部126の自由端には、前記バックカバー124の一端に一体形成された挟持部1240が設けられている。該挟持部1240は、上下に平行に設けられた2つの挟持片1242を備え、該2つの挟持片1242間には、収容空間1244が形成されている。各々の前記挟持片1242の中央部には、前記回転軸14を貫通させるための第一貫通孔1246がそれぞれ設けられている。また、前記フロントカバー122の、前記挟持部1240に対応する箇所には、保護カバー1222が形成されている。前記保護カバー1222は、上方の前記挟持片1242の上面から下方の前記挟持片1242の底面まで延在して、前記挟持部1240の外側の一部を包むように設けられている。前記保護カバー1222の上端及び下端には、前記第一貫通孔1246と同軸上に位置する第二貫通孔1224がそれぞれ設けられている。
【0011】
前記モダン18の前記連接部126と連接される一端には、枢着部182が設けられている。該枢着部182は、中空のロッドであり、且つその上下両端には同軸に位置する軸孔184が設けられている。しかも、該枢着部182の中空部分と該枢着部182の上下両端に位置する軸孔184とは、連通する。前記枢着部182が前記挟持部1240の前記収容空間1244内に取り付けられた後、前記枢着部182の上下の軸孔184は、2つの前記第一貫通孔1246と2つの前記第二貫通孔1224とに互いに連通する。
【0012】
前記トーションバネ16は、コイル状部と、該コイル状部の上端及び下端にそれぞれ位置する取付端部162、164と、を備える。これら取付端部162、164の延在方向は、互いにほぼ直交している。
【0013】
図3に示すように、前記モダン18を前記連接部126に組み立てる場合、先ず、前記トーションバネ16のコイル状部が前記枢着部182の周りを囲むように設置する。そして、該トーションバネ16の取付端部162を、前記モダン18における前記枢着部182の横方向の側辺において横方向に沿って設けられたスロット186内に挿入する。次に、トーションバネ16が装着された前記モダン18の一端を前記収容空間1244内にセットすると共に、該トーションバネ16の取付端部164を下方の前記挟持片1242に設けられたスロット1248内に挿入する。次に、前記第一貫通孔1246、前記第二貫通孔1224及び前記軸孔184を同一直線上に位置させるように位置合わせしてから、前記回転軸14で上方の前記第二貫通孔1224、上方の前記第一貫通孔1246、上方の前記軸孔184、下方の前記軸孔184、下方の前記第一貫通孔1246及び下方の前記第二貫通孔1224を順次に挿通する。これにより、前記トーションバネ16全体は、前記モダン18と前記連接部126との接続部位に安定して装着され、前記モダン18は、前記フレーム12に回転可能に枢着される。
【0014】
上記した内容から分かるように、本発明の眼鏡100の調整構造10は、前記連接部126の前記挟持部1240と、前記回転軸14と、前記トーションバネ16と、前記モダン18の前記枢着部182及び前記軸孔184と、により構成される。
【0015】
図1は、前記眼鏡100が使用されていない状態を示し、2つの前記モダン18は、前記フレーム12の内側へそれぞれ折り曲げられて交差し、収容されている。このようにモダン18がフレーム12の内側へ折り曲げられて収納されているときに、トーションバネ16には、負荷がかけられていない。
【0016】
前記眼鏡100を使用する際、2つの前記モダン18を、収容されている状態から、前記フレーム12の外側へ、且つ前記連接部126とほぼ同一直線上に位置するように回転させればよい。この際、前記トーションバネ16は捩れて弾性変形して、前記モダン18を内側へ弾性復帰させるための弾性力を蓄える。
【0017】
前記モダン18への外力が除去される(つまり、前記フレーム12が鼻に掛けられる)と、前記トーションバネ16は弾性力を解放して、前記モダン18を内側へ適度に移動させる。次いで、2つの前記モダン18を、前記フレーム12の内側から外側に向かって同時に動かすと、各々の前記モダン18は、前記トーションバネ16の弾性力によって、前記モダン18における互いに反対の方向に向かって、それぞれ適度に移動して、図4に示す矢印の方向に沿う挟持力を生じる。ここで、前記モダン18の移動量、つまり前記「挟持力」の大小は、前記トーションバネ16の弾性変形量によって異なる。なお、前記トーションバネ16の弾性変形量は、前記モダン18を動かす角度及び力によって決まる。
【0018】
つまり、ユーザーは、前記眼鏡100の前記フレーム12を、顔の鼻筋の部分に掛けることによって、2つの前記モダン18間の挟持力は、ユーザーの頭の両側の、耳より上方に適度な圧力をかける。これにより、前記眼鏡100を安定して掛けることができる。しかも、前記モダン18自体の材質にも弾性力が備わっているので、ユーザーの頭に十分に適合する。言い換えれば、頭のサイズが違っても、前記フレーム12を鼻筋に掛けるだけで、2つの前記モダン18間の挟持力によって、ユーザーは前記眼鏡100を安定して掛けることができる。
【0019】
また、ユーザーが、前記眼鏡100を取りはずした際は、前記調整構造10は、前記「挟持力」によって、2つの前記モダン18が、前記フレーム12の内側で自動的に交差するように収納される。
【0020】
本発明の調整構造10は、前記トーションバネ16を設けることによって、前記眼鏡100の2つの前記モダン18の間に適度な挟持力を生じさせ、且つ前記モダン18の材質自体にも弾性力が備わっているので、ユーザーの頭のサイズが異なっていても、前記眼鏡100を安定して使用することができ、また、構造も簡単であるため、組み立て操作が容易で、製造コストも削減できる。
【符号の説明】
【0021】
10 調整構造
12 フレーム
14 回転軸
16 トーションバネ
18 モダン
100 眼鏡
122 フロントカバー
124 バックカバー
126 連接部
162 取付端部
164 取付端部
182 枢着部
184 軸孔
186 スロット
1222 保護カバー
1224 第二貫通孔
1240 挟持部
1242 挟持片
1244 収容空間
1246 第一貫通孔
1248 スロット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームと、2つの回転軸と、2つのトーションバネと、2つのモダンと、を備える眼鏡の調整構造であって、
前記フレームの両側には、連接部がそれぞれ連接されており、各々の前記モダンは、一つの前記回転軸を介して前記連接部に回転可能に枢着され、前記連接部の自由端には挟持部が設けられ、前記モダンの前記連接部に枢着される一端には枢着部が設けられ、
前記トーションバネは、前記枢着部を囲むように設けられ、且つ該トーションバネの一端は、前記挟持部に固定され、該トーションバネの他端は、前記枢着部に固定されることを特徴とする眼鏡の調整構造。
【請求項2】
前記フレームは、フロントカバー及び前記フロントカバーに対向して設けられたバックカバーによって構成され、
前記挟持部は、前記バックカバーの一端に一体成形され且つ上下に平行に設けられる2つの挟持片を備え、2つの前記挟持片の間には、収容空間が形成され、各々の前記挟持片の中央部には、前記回転軸を貫通させるための第一貫通孔がそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1に記載の眼鏡の調整構造。
【請求項3】
前記トーションバネは、前記枢着部の周りを囲むように装着され且つ2つの取付端部を備え、一方の取付端部は、前記モダンにおける前記枢着部の側辺に設けられたスロット内に挿入され、他方の取付端部は、下方に位置する前記挟持片に設けられたスロット内に挿入されることを特徴とする請求項2に記載の眼鏡の調整構造。
【請求項4】
前記フロントカバーの前記挟持部に対応する箇所には、上方の前記挟持片の上面から下方の前記挟持片の底面まで延在するように、前記挟持部の周囲の一部を取り囲む保護カバーが設けられ、前記保護カバーの上方及び下方には、前記第一貫通孔と同軸上に位置する第二貫通孔がそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項2または3に記載の眼鏡の調整構造。
【請求項5】
前記モダンの前記枢着部の上下両端には、前記第一貫通孔と前記第二貫通孔とに互いに連通する軸孔がそれぞれ設けられ、該枢着部が前記連接部の挟持部の収容空間内にセットされた後、前記回転軸は、2つの前記第二貫通孔、2つの前記第一貫通孔及び2つの前記軸孔に挿通して装着されることを特徴とする請求項4に記載の眼鏡の調整構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−61643(P2013−61643A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−187313(P2012−187313)
【出願日】平成24年8月28日(2012.8.28)
【出願人】(500080546)鴻海精密工業股▲ふん▼有限公司 (1,018)
【Fターム(参考)】