説明

着脱式棒状道具立て

【課題】歯ブラシのような棒状道具のための道具立てを汎用の容器内に挿入して保持可能とすることにより、保管及び持ち運びを容易にすることを課題とする。
【解決手段】上方が開放された容器21,22に挿入されて保持される本体11,12,13と、該本体上に設けられ、容器の内部を覆う上蓋31,32とを備え、上蓋には容器の内部から外部へ貫通する孔31a,32aが設けられ、孔は歯ブラシのような棒状道具が挿入して支持される。汎用の容器内に必要時に挿入して使用される着脱式棒状道具立てであるため、専用の容器は不要であり、体積が小さくて済み、保管及び持ち運びが容易である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、旅行先や自宅で使用した後の歯ブラシや食器類の道具、例えばスプーン、フォーク、箸を使い易い状態で保管する棒状道具立てに関する。
【背景技術】
【0002】
旅行先や自宅で使用した後の歯ブラシを保管する際、洗面所付近にそのまま置いたり、コップに入れたりしている。下記特許文献1には複数本の歯ブラシをコンパクトかつ衛生的に支持し保管することのできる歯ブラシ立てが開示されている。特許文献1に記載の歯ブラシ立ては複数本の歯ブラシが隣り合ったもの同士で当たるのを抑制して複数本の歯ブラシを衛生的に保管するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−233009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の歯ブラシ立ては容器が一体になっているので体積が大きく保管及び持ち運びに不便であるという問題がある。
本発明は、このような問題に鑑み、歯ブラシのような棒状道具のための道具立てを汎用の容器内に挿入して保持可能とすることにより、保管及び持ち運びを容易にすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1発明は、上方が開放された容器に挿入されて保持される本体と、該本体上に設けられ、前記容器の内部を覆う上蓋とを備え、前記上蓋には前記容器の内部から外部へ貫通する孔が設けられ、該孔は棒状道具が挿入して支持されることを特徴とする着脱式棒状道具立てである。
第1発明によれば、汎用の容器内に必要時に挿入して使用される着脱式棒状道具立てであるため、専用の容器は不要であり、体積が小さくて済み、保管及び持ち運びが容易である。
【0006】
本発明の第2発明は、上記第1発明において、前記上蓋には複数の孔が設けられ、各孔を互いに識別可能なように、上蓋上における孔毎の位置決め、孔毎の形状変更、又は孔毎に対応した前記上蓋上への表示の付与が成されていることを特徴とする着脱式棒状道具立てである。
第2発明によれば、同じ種類の棒状道具を複数本各孔に挿入した場合でも、各孔が互いに識別可能とされているため、各道具を容易に識別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す説明図であり、A、Bは本体の正面図、C、Dは枠体の平面図及び正面図、E、Fは上蓋の平面図及び正面図、G、Hは別の上蓋の平面図及び正面図、I、Jは容器内に保持された状態の正面図である。
【図2】図1の実施形態の変形例を示す説明図であり、Aは斜視図、Bは部分断面正面図、Cは平面図、D,Eは容器内に保持された状態の正面図である。
【図3】図1の実施形態の本体の構成を示す正面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態を示す説明図、A、Bは本体を成す板の正面図、Cは本体の平面図、Dは本体の正面図、E、Fは上蓋の平面図及び正面図、G、Hは別の上蓋の平面図及び正面図、Iは容器内に保持された状態の正面図である。
【図5】本発明の第3の実施形態を示す説明図、A、B、Cは本体を成す板の正面図、Dは本体の平面図、E、Fは上蓋の平面図及び正面図、G、Hは別の上蓋の平面図及び正面図、Iは容器内に保持された状態の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、汎用の容器21,22に挿入される本体11、12が樹脂製のジャバラによって形成され、樹脂製の上蓋31、32が別体とされたものを示す。本体11、12は図1I及び図1Jに示すような容器21、22の各形状に合わせて使い分けできるように、図1Aに示すストレートタイプと図1Bに示す傾斜タイプが用意されている。ジャバラから成る本体11、12の上には、図1A、図1B、図1Cに示されるように中心部に孔開けされたリング状の枠体13が嵌め込まれて一体化されている。更に、枠体13の上には図1E、図1F、図1G、図1Hに示される上蓋31、32が載置されて、図1I及び図1Jのように容器21、22(この場合、ガラスコップ)の中に挿入されて保持されている。本体11,12がジャバラ形状であるため、内径が違う容器に対してもジャバラ形状の下端部の外径と容器21、22の内径とが一致する位置で本体11,12が保持される。また、容器21、22の内径がジャバラ形状の外径よりも大きい場合には、本体11,12が容器21、22の底部に当接して保持される。本体11、12を容器21、22から取り出す場合には、枠体13の内側に指を掛けて容易に取り出すことができる。
上蓋31、32には、複数の孔31a,32aが開けられており、図1E及び図1Fには2つの楕円形の孔31aが開けられた例が示されており、図1G及び図1Hには4つの小孔32aが開けられた例が示されている。このように上蓋31、32は種々の形状の孔のものを用意することができ、用途に応じて使い分けることができる。
【0009】
図3には、本体11、12のジャバラ部分のバリエーションが示されており、図3A及び図3Cは簡単にジャバラ11a、12aが収縮しないハードタイプを示し、図3B及び図3Dはジャバラ11a、12aが収縮するソフトタイプを示す。図3A及び図3Bは図1Aに対応するストレートタイプを示し、図3C及び図3Dは図1Bに対応する傾斜タイプを示している。収縮するソフトタイプであれば、持ち運び時に収縮させることができ便利である。
【0010】
図2は、図1の実施形態における枠体13と上蓋31,32とを一体化したものを示している。この場合も、容器21、22内への本体11、12及び上蓋14の挿入、保持は図1の場合と同様である。この変形例では、本体11、12と上蓋14が一体化されているため、図1の場合に比べて部品点数が少なくて済み、持ち運び時の取り扱いが容易である。なお、この場合の上蓋14の孔14aは7つ(図2A参照)若しくは5つ(図2C参照)開けられている。
【0011】
図4は、本体が2枚の板15、16を組合わせたものから成り、上蓋33、34が別体とされたものを示す。2枚の板15、16及び上蓋33,34は、軽量で軟質である発泡樹脂製とすることが望ましい。2枚の板の一方15は図4Aのように上端中央にスリット15aが形成され、他方16は図4Bのように下端中央にスリット16aが形成されている。一方の板15を下、他方の板16を上にして、各板15、16のスリット15a,16aを互いに合わせて、板15、16をクロスさせて組立てることによって、図4C及び図4Dに示すように平面視で十字形に組み合わされた2枚の板15、16から成る本体が完成する。この本体15、16をガラスコップのような容器21に挿入することによって、図4Iのように本体15、16は容器21内で保持される。この状態で、本体15、16の上に上蓋33、34を置くことにより道具立てが完成する。この場合も、図1の場合と同様、図4E、図4F、図4G、図4Hに示すように、上蓋33、34の孔33a,34aには用途に応じて種々のものを用意することができる。2枚の板15、16は、図4A、図4Bに示されるように、下底が上底に比べて僅かに短くされた台形とされ、図4Iのように汎用のガラスコップのような容器21に挿入されたとき、本体が容器21の底に達する前に止まるようにされている。容器が大きい場合には、本体15、16は容器21の底部に当接して保持される。
【0012】
2枚の板15、16の面にスポンサー広告を付ければ2枚の板15、16を組立てる前の状態でも、組立て後でも広告をユーザーに見せることができる。容器21がガラスコップである場合には、本体15、16を容器21内に挿入して道具立てとして使用中でも広告機能を発揮させることができる。
また、上蓋33、34の複数の孔33a,34aの形状を孔毎に変化させておけば、歯ブラシのような道具が複数本同じものであっても使用中に個々の道具の識別をすることができる。孔33a,34aの形状を変化させる代わりに孔33a,34aの近くに、それぞれ違うマーク、記号、各種名称などの表示を付けておいても同様の効果を発揮できる。
【0013】
図5は、本体が3枚の板17〜19を組合わせるものから成り、上蓋35、36が別体とされたものを示す。この場合の3枚の板17〜19及び上蓋35、36の材料は図4の場合と同様、発泡樹脂が良い。3枚の板17〜19には図5A、図5B、図5Cのようにそれぞれにスリットが形成されており、第1の板17には上端左側に2本のスリット17a,17bが互いに並行して形成され、第2の板18には上下互い違いで中央部に2本のスリット18a,18bが形成され、第3の板19には下端左側に2本のスリット19a,19bが互いに並行して形成されている。3枚の板17〜19は、第2の板18を間にして上方から第3の板19、下方から第1の板17を各スリットを合わせて、本体が平面視で図5Dの形状となるように組合される。組合せ後の本体17〜19は、図4の場合と同様に容器21内に挿入され、上蓋35、36が置かれて道具立てが完成する。板17〜19も汎用のガラスコップの形状に合わせて下底が上底に比べて短い台形に形成されている。
【0014】
上蓋35、36の孔35a,36aは、円の中心から偏倚した位置に形成されている。これは図5Dから明らかなように3枚の板17〜19によって組立てられた本体の道具のための受入れスペースSが中心から偏倚した位置にあるためである。しかし、そのように中心から偏倚した位置に上蓋35、36の孔35a,36aが開けられているため、図4の場合のように孔の形状を変えたり、マークなどを付けなくても孔の位置で、そこに挿入された複数の道具を個々に識別することができる。
【0015】
上記各実施形態では、容器が円筒形及び円錐台形のものを例に説明したが、容器は角形のものでも良い。容器の形状に合わせて、着脱式棒状道具立てを成す本体、上蓋の形状も適宜変更される。
その他、本発明は、その発明思想の範囲内で各種形態で実施可能である。
【符号の説明】
【0016】
11、12 ジャバラ(本体)
13 枠体(本体)
15、16、17、18、19 板(本体)
21、22 容器
14、31、32、33、34、35、36 上蓋


【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方が開放された容器に挿入されて保持される本体と、該本体上に設けられ、前記容器の内部を覆う上蓋とを備え、前記上蓋には前記容器の内部から外部へ貫通する孔が設けられ、該孔は棒状道具が挿入して支持されることを特徴とする着脱式棒状道具立て。
【請求項2】
請求項1の着脱式棒状道具立てにおいて、前記上蓋には複数の孔が設けられ、各孔を互いに識別可能なように、上蓋上における孔毎の位置決め、孔毎の形状変更、又は孔毎に対応した前記上蓋上への表示の付与が成されていることを特徴とする着脱式棒状道具立て。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−254880(P2011−254880A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−129813(P2010−129813)
【出願日】平成22年6月7日(2010.6.7)
【出願人】(510158532)株式会社CTA (1)
【Fターム(参考)】