説明

知的財産情報検索システム

【課題】 本発明の目的は、目的とする知的財産情報に容易にアクセスすることができる知的財産情報検索システムを提供することにある。
【解決手段】 入力用ユーザインターフェース、出力用ユーザインターフェース、検索プロセッサエレメント、及び知的財産情報ダウンロードエレメントを含んでなる知的財産情報検索システムであって、
前記検索プロセッサエレメントが、前記入力用ユーザインターフェースを介して入力される検索条件を、検索対象となる知的財産情報が蓄積されている知的財産情報データベースが識別可能なフォーマットに変換する機能を有すること、並びに
前記知的財産情報ダウンロードエレメントが、前記知的財産情報データベースが識別可能なフォーマットに変換された検索条件を前記知的財産情報データベースに伝送し、前記知的財産情報データベースに検索を実行させる機能を有すること、
を特徴とする知的財産情報検索システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は知的財産情報検索システムに関する。詳細には、本発明は、目的とする情報に容易にアクセスすることができる知的財産情報検索システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、研究開発の現場のみならず、経営のビジネスモデルとしても特許等の知的財産が重要視され、かかる知的財産等に関する情報はあらゆる部門で必要とされるようになっており、企業等においてコンピュータシステムを用いた、知的財産情報(例えば特許公報)の検索システムが構築される例が多くなっている。
【0003】
知的財産情報は、例えば、世界知的所有権機関(WIPO)や各国特許庁のホームページに直接接続して閲覧したり、専用のダウンロードソフトを使って入手したりすることが可能であり、専門の提供業者から書面としての資料や電子情報としても入手可能である。
【0004】
本願発明に関連する先行技術文献としては、以下に示す2件の公開公報が挙げられる。
【0005】
【特許文献1】特開2003−316789号公報
【特許文献2】特開2003−316812号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、知的財産情報の入手は専門家でない人にとっては必ずしも容易でなく、また費用や時間、コストも無視することが出来ない状況にある。
【0007】
例えば、研究現場の研究者が特許情報を入手するには、資料購入担当者に手配を依頼したり、イントラネットを介して電子情報としての提供を依頼したりすることになり、必要な人が必要なときにいつでも閲覧出来る状況には必ずしもなっていないのが現状である。また、最近では、インターネットを介して有料、無料(各国特許庁等)のサイトから特許情報の入手が可能になっているが、各々が独自のサイトで独自のサービス方法をとっており、研究者等にとっては必ずしも容易にアクセス出来る状況には至っていない。
【0008】
更に、特許独立の原則により、各国で多くの言語で出願公開されており、言語の種類によっては内容の把握が困難であるといった問題にも直面していることから、容易に理解できる自国語もしくは国際語としての英語への迅速安価な翻訳が求められている。
【0009】
従って、本発明の目的は、目的とする知的財産情報に容易にアクセスすることができる知的財産情報検索システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、前記のような課題に着目して、いつでも/誰でも/安価に/容易に知的財産情報の入手が可能な方法を提供するものであり、前記目的は、
入力用ユーザインターフェース、出力用ユーザインターフェース、検索プロセッサエレメント、及び知的財産情報ダウンロードエレメントを含んでなる知的財産情報検索システムであって、
前記検索プロセッサエレメントが、
前記入力用ユーザインターフェースを介して入力される検索条件を記憶するための検索条件記憶手段、
検索対象となる知的財産情報が蓄積されている知的財産情報データベースが識別可能なフォーマットを予め記憶するための検索フォーマット記憶手段、及び
前記検索条件記憶手段に記憶された検索条件を、前記検索フォーマット記憶手段に予め記憶されているフォーマットに変換するための検索条件変換手段、
を具備することにより、前記検索条件を前記フォーマットに変換する機能を有すること、並びに
前記知的財産情報ダウンロードエレメントが、
前記知的財産情報データベースが識別可能なフォーマットに変換された検索条件を前記知的財産情報データベースに伝送するための検索条件伝送手段を具備することにより、前記知的財産情報データベースに検索を実行させる機能を有すること、
を特徴とする知的財産情報検索システムによって達成される。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように、本発明に係る知的財産情報検索システムによれば、知的財産情報を提供するシステム等に関する特段の知識を必要とすること無く、容易に多くの知的財産情報に対してアクセスすることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
前述の如く、本発明に係る知的財産情報検索システムは、
入力用ユーザインターフェース、出力用ユーザインターフェース、検索プロセッサエレメント、及び知的財産情報ダウンロードエレメントを含んでなる知的財産情報検索システムであって、
前記検索プロセッサエレメントが、
前記入力用ユーザインターフェースを介して入力される検索条件を記憶するための検索条件記憶手段、
検索対象となる知的財産情報が蓄積されている知的財産情報データベースが識別可能なフォーマットを予め記憶するための検索フォーマット記憶手段、及び
前記検索条件記憶手段に記憶された検索条件を、前記検索フォーマット記憶手段に予め記憶されているフォーマットに変換するための検索条件変換手段、
を具備することにより、前記検索条件を前記フォーマットに変換する機能を有すること、並びに
前記知的財産情報ダウンロードエレメントが、
前記知的財産情報データベースが識別可能なフォーマットに変換された検索条件を前記知的財産情報データベースに伝送するための検索条件伝送手段を具備することにより、前記知的財産情報データベースに検索を実行させる機能を有すること、
を特徴とする知的財産情報検索システムである。
【0013】
本明細書において使用される「知的財産情報」なる用語は、例えば特許公報等の知的財産そのものに関する情報に限らず、出願に関する関連情報(所謂「パテントファミリーや審査経過情報等」)をも含むものとする。
【0014】
前記入力用ユーザインターフェース及び出力用ユーザインターフェースとしては、例えば、CRTモニタ、液晶ディスプレイなどのディスプレイ上に表示される入力画面及び出力画面が挙げられる。また、当然のことながら、前記入力用ユーザインターフェース及び出力用ユーザインターフェースを具備する機器(例えば、コンピュータ)は、ユーザが前記検索条件を入力したり、複数の知的財産情報データベースの中から特定の知的財産情報データベースを指定したりするための周辺機器(例えば、キーボード、マウス、タッチパネルなど)をも具備する。
【0015】
前記検索プロセッサエレメントは、前記入力用ユーザインターフェースを介して入力される検索条件を、検索対象となる知的財産情報が蓄積されている知的財産情報データベースが識別可能なフォーマットに変換するために用いられ、かかる目的を達成するための手段として、前述の如く、検索条件記憶手段、検索フォーマット記憶手段、及び検索条件変換手段を具備する。
【0016】
上記「フォーマット」とは、知的財産情報データベースが検索条件として識別可能なデータの形式を指す。例えば、特許公報を始めとする種々の知的財産情報を提供する国際機関や各国特許庁のウェブサイトの中には、ウェブページ上の検索フォームにおける所定の入力欄に検索条件を入力することにより目的とする検索結果情報が得られるものや、所定のロケーション情報(例えば、所謂「URL」)を指定することによって効率的に検索結果情報を得ることができるものもある。本明細書において使用される「フォーマット」なる用語は、かかる検索条件の付与形態を広く指すものである。
【0017】
前記検索条件記憶手段及び前記検索フォーマット記憶手段としては、コンピュータにおける記憶手段として一般的に使用されている種々の記憶手段を使用することができ、例えば、主記憶装置(例えば、RAM)及び/又は補助記憶装置(例えば、ハードディスク)等の記憶手段を挙げることができる。
【0018】
また、前記検索条件変換手段は、例えば、上記の如く特許公報を始めとする種々の知的財産情報を提供する国際機関や各国特許庁のウェブサイトを介して公開されているデータベースを前記知的財産情報データベースとして使用する場合には、前記入力用ユーザインターフェースを介して入力される検索情報をこれらのウェブサイトが受け付けることができるフォーマットに変換するためのHTTPフォーマット変換モジュールとすることができる。
【0019】
前記知的財産情報ダウンロードエレメントは、前記知的財産情報データベースに検索を実行させて目的とする検索結果情報を得るために用いられ、かかる目的を達成するための手段として、前述の如く、前記知的財産情報データベースが識別可能なフォーマットに変換された検索条件を前記知的財産情報データベースに伝送するための検索条件伝送手段を具備する。
【0020】
前記検索条件伝送手段とは、一般的には、所謂「インターネット」や「プライベートネットワーク」等の種々のネットワークを介して知的財産情報データベースに検索条件を伝送するための手段を指し、所定の通信プロトコルに従って検索条件を知的財産情報データベースに伝送するためのソフトウェア及びハードウェア(例えば、ネットワークデバイス)を総称するものである。
【0021】
因みに、特許公報等の知的財産情報は、前述の如く、国際機関や各国特許庁のウェブサイトを介して広く公開されているので、前記検索条件伝送手段が知的財産情報データベースとの通信に使用する通信プロトコルとしてはHTTPが望ましいけれども、必ずしも当該プロトコルに限定されるものではない。
【0022】
本発明の好ましい態様に係る知的財産情報検索システムにおいては、
前記検索プロセッサエレメントが、
異なる知的財産情報データベースが識別可能な異なるフォーマットを予め記憶している複数の検索フォーマット記憶手段を具備すること、及び
前記複数の検索フォーマット記憶手段の中から、前記入力用ユーザインターフェースを介して指定される特定の知的財産情報データベースが識別可能な特定のフォーマットを予め記憶している特定の検索フォーマット記憶手段を選択するための検索フォーマット選択手段を具備すること、
により、
前記検索条件記憶手段に記憶された検索条件を、前記検索フォーマット選択手段によって選択される特定の検索フォーマット記憶手段に予め記憶されている特定のフォーマットに変換し、前記特定の知的財産情報データベースに検索を実行させる機能を有することが望ましい。
【0023】
上記の如き構成とすることにより、本発明の好ましい態様に係る知的財産情報検索システムのユーザは、複数の知的財産情報データベースの中から所望の知的財産情報データベースを選択し、当該選択された知的財産情報データベースから目的とする知的財産情報を得ることができる。
【0024】
本発明の更なる好ましい態様に係る知的財産情報検索システムは、前記知的財産情報データベースによって提供される検索結果情報を、予め定めた書式に変換するための検索結果情報整形エレメントを更に具備することが望ましい。かかる構成とすることにより、本発明の更なる好ましい態様に係る知的財産情報検索システムのユーザは、知的財産情報データベースから得られる検索結果情報を所望の書式で得ることができるので、知的財産情報データベースから得られた検索結果情報の編集や加工に要する労力を削減することができる。
【0025】
また、本発明に係る知的財産情報検索システムにおいては、前記入力用ユーザインターフェース、前記出力用ユーザインターフェース、前記検索プロセッサエレメント、及び知的財産情報ダウンロードエレメントが、単一のコンピュータに具備されていてもよく、あるいは、前記入力用ユーザインターフェース、前記出力用ユーザインターフェース、前記検索プロセッサエレメント、及び知的財産情報ダウンロードエレメントの少なくとも一部が、複数のコンピュータに分散されて具備されていてもよい。
【0026】
後者の場合、上記各種構成要素を分散して具備している複数のコンピュータは、所謂「インターネット」や「プライベートネットワーク」等の種々のネットワークを介して相互に接続されている必要があり、当然のことながら、相互間での通信を可能とするための通信手段をも具備している必要がある。
【0027】
上記の如き構成は、例えば、ユーザインターフェースを具備するコンピュータ端末の負荷の軽減、知的財産情報データベースが識別可能なフォーマットの変化への対応の省力化、及び当該システムを使用する検索の実行実績の把握等を行おうとする場合に有用であることは当業者に明らかである。
【0028】
特に好ましい態様において、前記検索プロセッサエレメント、知的財産情報ダウンロードエレメント、及び検索結果情報整形エレメントは、上記コンピュータ端末とは別個のコンピュータ(サーバ)上のスクリプトに含ませるのが望ましい。
【0029】
本発明の更なる好ましい態様に係る知的財産情報検索システムにおいては、前記入力用ユーザインターフェースが当該システムに固有の入力画面等として構成されているのではなく、オフィスや家庭において一般に広く使用されているワードプロセッシングソフトウェアや表計算ソフトウェア上に構成されていることが望ましい。かかる構成とすることにより、知的財産に関するドキュメントやスプレッドシート(ワークシート)そのものを、対応する知的財産情報を入手するためのインターフェースとして使用することができるので簡便である。
【0030】
入力用ユーザインターフェースとして特に好ましいのは表計算ソフトであり、かかる表計算ソフトの具体例としては、マイクロソフト社のエクセル(登録商標)を挙げることができる。本発明に係る知的財産情報検索システムの入力用インターフェースとして表計算ソフトを使用することにより、複数の知的財産情報データベースへの自動アクセス等を始めとする情報入手の更なる容易化、情報の管理及び情報へのアクセスの単一のインターフェースへの統合(つまり、データベース自体をユーザ入力用インターフェースとして使用することができる)等の更なるメリットを享受することが可能となる(図5参照:全文参照データベースの構築)。
【0031】
従って、本発明に係る知的財産情報検索システムは、入力用ユーザインターフェースを表計算ソフトの画面上に形成するためのユーザインターフェース形成手段を具備することが好ましく、当該入力用ユーザインターフェース形成手段が表計算ソフトのアドインモジュールであることがより望ましい。
【0032】
上記の如く表計算ソフトの画面上に形成される入力用ユーザインターフェースの構成例としては、例えば、スプレッドシート(ワークシート)上の所定のセルに検索情報(例えば、特許番号、出願番号等)を入力し、所定のセルに予め設定されているリンク(ハイパーリンク)をクリックすることにより、所定の知的財産情報データベースを公開しているウェブサイト(例えば、日本国特許庁電子図書館のウェブサイト)に対して当該検索情報を所定のフォーマットで伝送し、当該検索情報に対応する検索結果情報を得るもの、またはスプレッドシート(ワークシート)上の任意のセルに検索情報(例えば、特許番号、出願番号等)を入力し、当該セルにフォーカスがある状態でツールバー等の上に予め設けられたボタンをクリックすることにより、所定の知的財産情報データベースを公開しているウェブサイト(例えば、日本国特許庁電子図書館のウェブサイト)に対して当該検索情報を所定のフォーマットで伝送し、当該検索情報に対応する検索結果情報を得るもの等が挙げられる。
【0033】
また、出力用ユーザインターフェースとしては、所謂「ウェブブラウザ」が挙げられ、具体例としては、インターネットエクスプローラ(登録商標)やネットスケープ(登録商標)等を挙げることができる。
【実施例】
【0034】
以下に添付図面を参照しながら、本発明について詳細に説明する。
図1は、本発明に係る知的財産情報検索システム100の構造図である。この知的財産情報検索システム100は、入力用ユーザインターフェース110、出力用ユーザインターフェース120、及び種々の処理機能を含んでなり、当該処理機能は、検索プロセッサエレメント130、知的財産情報ダウンロードエレメント150、及び必要に応じて検索結果情報整形エレメント140を含んでなる。
【0035】
前記入力用ユーザインターフェース110はユーザが検索条件11を入力するために用いられ、前記検索プロセッサエレメント130は、HTTPフォーマット変換モジュール131を含んでなり、当該HTTPフォーマット変換モジュール131を用いて、ユーザによって入力された検索条件11を知的財産情報ウェブサイト13が識別することができるフォーマットに変換するために用いられる。
【0036】
前記知的財産情報ダウンロードエレメント150は、HTTPフォーマットに変換された検索条件11を、ユーザの指定した知的財産情報ウェブサイト13に伝送するために用いられる。
【0037】
前記検索結果情報整形エレメント140は、情報整形モジュール141を含んでなり、知的財産情報ウェブサイト13から返された検索結果情報を予め定めた書式に整形するために用いられ、前記出力用ユーザインターフェース120は、整形した結果情報をユーザに示すために用いられる。即ち、ユーザは、出力用ユーザインターフェース120によって検索結果情報12を見ることができる。
【0038】
前述の如く、入力用ユーザインターフェース110としては、データベースソフトとしても一般に使用されるいわゆる表計算ソフトを好ましい例として挙げることができ、具体例としてはマイクロソフト社のエクセル(登録商標)を挙げることができる。一方、出力用ユーザインターフェース120としては、ウェブブラウザが挙げられ、具体例としてはインターネットエクスプローラ(登録商標)やネットスケープ(登録商標)等を挙げることができる。
【0039】
図2には、検索結果情報整形エレメントを含んでなる態様に係る知的財産情報検索システムにおける、検索条件の入力から整形された検索結果情報の表示までの基本的な流れが示されている。
【0040】
図3は、本発明の好ましい実施態様に係る知的財産情報検索システム100のシステム構成を概略的に示す図である。前述の如く、検索プロセッサエレメント130、検索結果情報整形エレメント140、知的財産情報ダウンロードエレメント150等をコンピュータ端末212,224に設置することも可能ではあるが,サーバ221上のスクリプトに含めるのが好ましい。
【0041】
図3に示すように、本実施態様に係る知的財産情報検索システム100は、 プライベートネットワーク210を用いて構築されたシステムであり、プライベートネットワーク210に接続されたルータ211と複数のコンピュータ端末212及びコンピュータ端末224、及び必要に応じてインターネット220に接続された外部サーバ222,223によって構成されている。
【0042】
ルータ211は、インターネット220を介して国際機関や各国の特許庁のサーバ222−A、222−B、222−C・・・やその他の情報提供者のサーバ223に接続可能に構成されており、これにより、これらのサーバが提供するホームページの閲覧及びその内容のダウンロードが可能となっている。これらのサーバ222には、例えば、当該国に出願された特許出願についての書誌情報の他、公開公報や特許公報についてのデータ等が蓄積されている。
【0043】
本システムの最も重要な役割を果たす種々の処理機能の全てがコンピュータ端末212,224に格納されていてもよく、あるいは種々の処理機能の一部もしくは全部をサーバ221に分担させてもよい。
【0044】
プライベートネットワーク210は、例えば、企業内において構築される閉じたネットワークであり、コンピュータ端末212からのインターネット220へのアクセスは、基本的にルータ211を介して行われる。従って、コンピュータ端末212を操作する場合は、プライベートネットワーク210、ルータ211、及びインターネット220を介して、知的財産情報の検索を行うことができる。一方、直接インターネット220に接続されているコンピュータ端末224を操作する場合は、インターネット220を介して知的財産情報の検索を行うことができる。
【0045】
図4、5は、コンピュータ212、224に格納されたマイクロソフト社のエクセル(登録商標)を入力用ユーザインターフェースとして用いて知的財産情報検索システム100を利用した場合にディスプレイに表示される表示内容の一例を示す図である。
【0046】
図4に示すように、コンピュータ端末212、224を用いて知的財産情報検索システム100を利用する場合、コンピュータ212、224のディスプレイに表示されるワークシート上の特許番号欄のセルに閲覧すべき特許番号を入力し、当該セルと同じ行内のセルから検索を希望する情報を示すセルを選び、当該セルの内容をクリックすることにより、指定されたサーバより、所定の検索結果情報が得られ、コンピュータ端末のディスプレイ上に表示される。
【0047】
例えば、特定の特許に関するファミリーを入手しようとする場合には、当該特許の登録番号を特許番号の列にあるセルに入力し、当該セルと同じ行内にある「ファミリー」と表示されたセルの内容をクリックすればよく、当該特許公報の明細書の入手を望む場合には、「直接PDFへ」と表示されたセルの内容をクリックすればよい。また、「ClaimTXT」及び「DescTXT」なる表示のあるセルの内容をクリックした場合には、それぞれ請求の範囲及び詳細な説明の記載内容に対応するテキストファイルが得られるので、それらを機械翻訳ソフトによって翻訳すれば、迅速な内容把握が可能となる。
【0048】
また、図5は、予め検索によって収集された国際公開に関するデータからなる一覧表(データベース)であるが、最右欄に示されている「全文公報」なる表示のあるセルの内容をクリックすれば、指定されたサーバより、対応する特許公報明細書の情報が表示される。即ち、前述の如く、単なる一覧表としてのデータベースではなく、全文参照データベースを容易に構築することが可能となる。
【0049】
図6は、図4において説明した本発明の特定の態様に係るシステムにおける検索の実行を示すフローチャートの一例である。まず、当該システムの入力用ユーザインターフェースが構築されているマイクロソフト社のエクセル(登録商標)のファイル(ブック)を開き、当該ブックに含まれる複数のワークシートの中から、検索を実行しようとする知的財産データベースに対応するタブをクリックして1つのシートを選択する。これにより検索を行おうとするデータベースの選択を行ったことになる。
【0050】
次に、所定のセルに検索条件(この例では特許番号)を入力し、当該セルと同じ行内にある、入手しようとする情報を示す表示のあるセルの内容をクリックすることにより、選択されたデータベースが識別可能なフォーマットで検索条件(特許番号)が当該データベースに伝送される。
【0051】
選択されたデータベースにおいては、伝送された検索条件(特許番号)に基づき、当該データベースに蓄積されている情報データの検索が行われる。かかる検索の結果、伝送された検索条件に合致する(特許番号を有する)レコードが見つかった場合には、対応する特許情報データ(例えば、特許公報の画像データ)が読み出され、その内容が出力用ユーザインターフェース(例えば、ウェブブラウザ)上に表示される。これにより、ユーザは所望の特許情報を入手(例えば、特許公報の閲覧等)することが可能となる。
【0052】
当該実施例においては、特定の実施態様に基づいて、本発明に係る知的財産情報検索システムについて説明してきたけれども、本発明の範囲はかかる特定の実施態様に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【0053】
例えば、図4において説明した実施態様においては、知的財産情報(例えば、特許公報等)の入手先である外部のサーバとして各国特許庁のサーバを用いる例を挙げたが、本発明はこれに限定されず、例えば、特許情報提供業者等のサーバを使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の特定の態様に係る知的財産情報検索システム100の構造図である。
【図2】本発明の特定の態様に係る知的財産情報検索システムの基本的な流れを示すフローチャートである。
【図3】本発明の特定の態様に係る知的財産情報検索システム100のシステム構成を示す概略図である。
【図4】コンピュータ端末212、224のディスプレイに表示される表示内容の一例を示す図である。
【図5】コンピュータ端末212、224のディスプレイに表示される表示内容の一例を示す図である。
【図6】図4において説明した本発明の特定の態様に係るシステムにおける検索の実行を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0055】
11 検索条件
12 検索結果情報
13 知的財産情報ウェブサイト
100 知的財産情報検索システム
110 入力ユーザインターフェース
120 出力ユーザインターフェース
130 検索プロセッサエレメント
131 HTTPフォーマット変換モジュール
140 検索結果情報整形エレメント
141 情報整形モジュール
150 知的財産情報ダウンロードエレメント
210 プライベートネットワーク
211 ルータ
212 プライベートネットワーク内のコンピュータ端末
220 インターネット
221 サーバ
222 各国特許庁サーバ
223 外部情報提供者
224 コンピュータ端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力用ユーザインターフェース、出力用ユーザインターフェース、検索プロセッサエレメント、及び知的財産情報ダウンロードエレメントを含んでなる知的財産情報検索システムであって、
前記検索プロセッサエレメントが、
前記入力用ユーザインターフェースを介して入力される検索条件を記憶するための検索条件記憶手段、
検索対象となる知的財産情報が蓄積されている知的財産情報データベースが識別可能なフォーマットを予め記憶するための検索フォーマット記憶手段、及び
前記検索条件記憶手段に記憶された検索条件を、前記検索フォーマット記憶手段に予め記憶されているフォーマットに変換するための検索条件変換手段、
を具備することにより、前記検索条件を前記フォーマットに変換する機能を有すること、並びに
前記知的財産情報ダウンロードエレメントが、
前記知的財産情報データベースが識別可能なフォーマットに変換された検索条件を前記知的財産情報データベースに伝送するための検索条件伝送手段を具備することにより、前記知的財産情報データベースに検索を実行させる機能を有すること、
を特徴とする知的財産情報検索システム。
【請求項2】
前記検索プロセッサエレメントが、
異なる知的財産情報データベースが識別可能な異なるフォーマットを予め記憶している複数の検索フォーマット記憶手段を具備すること、及び
前記複数の検索フォーマット記憶手段の中から、前記入力用ユーザインターフェースを介して指定される特定の知的財産情報データベースが識別可能な特定のフォーマットを予め記憶している特定の検索フォーマット記憶手段を選択するための検索フォーマット選択手段を具備すること、
により、
前記検索条件記憶手段に記憶された検索条件を、前記検索フォーマット選択手段によって選択される特定の検索フォーマット記憶手段に予め記憶されている特定のフォーマットに変換し、前記特定の知的財産情報データベースに検索を実行させる機能を有することを特徴とする、請求項1に記載の知的財産情報検索システム。
【請求項3】
前記知的財産情報データベースによって提供される検索結果情報を、予め定めた書式に変換するための検索結果情報整形エレメントを更に具備することを特徴とする、請求項1又は2に記載の知的財産情報検索システム。
【請求項4】
前記入力用ユーザインターフェース、前記出力用ユーザインターフェース、前記検索プロセッサエレメント、及び知的財産情報ダウンロードエレメントが、単一のコンピュータに具備されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の知的財産情報検索システム。
【請求項5】
前記入力用ユーザインターフェース、前記出力用ユーザインターフェース、前記検索プロセッサエレメント、及び知的財産情報ダウンロードエレメントの少なくとも一部が、複数のコンピュータに分散されて具備されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の知的財産情報検索システム。
【請求項6】
前記入力用ユーザインターフェース、前記出力用ユーザインターフェース、前記検索プロセッサエレメント、知的財産情報ダウンロードエレメント、及び前記検索結果情報整形エレメントが、単一のコンピュータに具備されていることを特徴とする、請求項3に記載の知的財産情報検索システム。
【請求項7】
前記入力用ユーザインターフェース、前記出力用ユーザインターフェース、前記検索プロセッサエレメント、知的財産情報ダウンロードエレメント、及び前記検索結果情報整形エレメントの少なくとも一部が、複数のコンピュータに分散されて具備されていることを特徴とする、請求項3に記載の知的財産情報検索システム。
【請求項8】
前記知的財産情報データベースとの通信に使用される通信プロトコルがHTTPであることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の知的財産情報検索システム。
【請求項9】
前記入力用ユーザインターフェースを表計算ソフトの画面上に形成するためのユーザインターフェース形成手段を具備することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の知的財産情報検索システム。
【請求項10】
前記入力用ユーザインターフェース形成手段が前記表計算ソフトのアドインモジュールであることを特徴とする、請求項9に記載の知的財産情報検索システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−39835(P2006−39835A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−217254(P2004−217254)
【出願日】平成16年7月26日(2004.7.26)
【出願人】(304035838)有限会社ベストサポート (2)
【Fターム(参考)】