説明

石垣の構築方法

【課題】旧来の空積み石垣の修復に適用可能で、その耐震性と耐久性を向上させることのできる石垣の構築方法を提供すること。
【解決手段】石垣の基礎部分に第1の梯子状部材6を配置し、その上に円筒又は円柱状のころ7を第1の梯子状部材6の長手方向と直交する方向に配置し、その上に第2の梯子状部材8を第1の梯子状部材6に重ねるように配置し、その上に石垣の根石10を配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空積みの石垣、特に文化財建造物に係わる社寺城郭等の石垣、及び街並み保存や石造橋(眼鏡橋)に伴う石垣の保存修理のための石垣の構築方法に関する。
【背景技術】
【0002】
石垣の歴史は古く、既に古墳時代には4mの石室を作っていて、奈良時代には石を割る技術が有り、鎌倉時代には高石垣を築く技を持っていた。
【0003】
この空積み石垣は、地山や盛り土を根切りし、具利敷きして締固め、枕胴木を敷き根石を据付けて基礎を固め、その上に面石を横列に並べだんだんと上に、艫介石で勾配を調整しながら積み上げる組積構造体である。このように空積み石垣は、背面地盤にもたれかかってバランスを保っているため、振動や外力及び地盤空洞に弱いという欠点がある。具体的には、地震、水害、地すべり、木の根の侵入、基礎地盤の緩みや沈下などによって、石垣のはらみや緩みを伴うずれが起き、崩れの原因となる。
【0004】
石垣の崩れを防止、すなわち耐震性、耐久性を向上させるには、その基礎構造が重要である。これに対して、古くには、特に湿地帯である城郭の堀内石垣、河川の護岸石垣、海岸の防波堤や船着場の石垣等、不安定な地盤では、基礎地盤に松丸太杭を打ち込み、その上部の木口に、松丸太で梯子状に作った梯子胴木を木栓で固定する方法や、松丸太を載せて止め杭で固定する枕胴木方法で不等沈下を防止し、具利石で基礎を締固めて根石を据えるといった技法が採られていた。
【0005】
しかし、かかる技法によっても、石垣の耐震性、耐久性は充分ではない。また、こうした技法は、それぞれの地域に根付いた石匠によって秘伝秘技として考案されたもので、代々受け継がれてきたが。明治になると城が要らない時代となり、技術の伝承及び発展も途絶えてしまった。そのため、現代では、誰でもが築けて、しかも丈夫で大量生産のできる間知石積工法が一般的となり、胴込めコンクリートで練積みする工法が規格化されている。また、建築基準法の規制によって旧来の空積み石垣の新規構築が禁止されていることもあり、一般的な石垣の修復等に関する技術開発は行われているものの(特許文献1〜3参照)空積み石垣の修復、構築に関する技術開発は、全くと言って良いほど行われていないのが現状である。
【0006】
一方で、指定文化財では建築基準法の規制が除外されており、その反面、石垣の修復にコンクリートを使用することも許されていない。すなわち、原型を忠実に再現することが保存修理復元をする者の責務であり、そのなかで、見えないところに新しい素材や、新しい技術を取り入れて、石垣の耐震性や耐久性を向上させることが期待されている。そしてこれは、古来の石匠技術の再興と、その秘伝秘技の究明にもつながる。
【0007】
一方、現在、石垣に代わって主流となっているコンクリート擁壁は大きな一枚壁になっているか、又はコンクリートブロックや間知ブロックをコンクリートの裏込めによって練積みしたもので、このように隙間のないコンクリート擁壁で護岸や海洋構造物を構築したために魚の住処が奪われて特に川魚の繁殖に支障が起きている。環境を回復する上からも循環型生態系を守る護岸整備が求められており、そのためには、石垣の適用が有効である。
【特許文献1】特開平10−46610号公報
【特許文献2】特開平10−46611号公報
【特許文献3】特開2000−160579号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、旧来の空積み石垣の修復に適用可能で、その耐震性と耐久性を向上させることのできる石垣の構築方法を提供することにある。
【0009】
他の課題は、失われようとする古来の石匠技術を再興し、その秘伝秘技を究明、習得して後世に受け継ぐべき継承技能者の育成に寄与することにある。
【0010】
さらに他の課題は、石垣による護岸や海洋構造物の構築を普及させ、魚の住処等を確保し、循環型生態系を回復することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述のとおり、組積構造物の欠点は振動に弱い点にあり、その中でも空積み石垣は、石対石の目地を接着しないことが特徴であり、特に上下運動に弱い。地震波の初動は下から上に突き上げる上下運動であり、その後宙に浮いた状態で横揺れとなるうねり現象が起きる。その結果ずれや緩みが起きて、崩れやすくなる。
【0012】
そこで、本発明では耐震性と耐久性を向上させるために、基礎地盤と石垣の間に緩衝材を入れて、地震波等による振動を直接石垣に伝えないように遮断し、やわらかい動きに変えるようにする。すなわち、本発明の石垣の構築方法は第1にその基礎工法に特徴があり、具体的には、石垣の基礎部分に第1の梯子状部材を配置し、その上に円筒又は円柱状のころ(以下単に「ころ」という。)を第1の梯子状部材の長手方向と直交する方向に配置し、その上に第2の梯子状部材を第1の梯子状部材に重ねるように配置し、その上に石垣の根石を配置する。このように、第1の梯子状部材と第2の梯子状部材との間に配置したころによって、特に左右方向の強振を吸収し、また、第1及び第2の梯子状部材ところの組み合わせによって波状に上下左右に揺れる地震等による振動を吸収する。
【0013】
第1及び第2の梯子状部材は、末口直径100mm〜300mm程度の油分の多い松等の丸太あるいは太鼓落としした木材、直径40mm〜200mm程度の耐食性鋼棒あるいは鋼管等を用いて形成することができる。また、ころとしては、直径150mm〜300mm程度の円柱木材、直径40mm〜200mm程度の耐食性鋼棒あるいは鋼管を用いることができる。
【0014】
次に、本発明では石垣の空洞化等によるはらみや緩みを防ぐための補強工法を併用することができる。一般的に空洞化は、石垣背面に地下水や雨水が浸入し、その水によって背面や基礎部分の土が流されることで起きる。また、大雨などで土中の水分が過剰になると、土の流動性が高まり、土圧が増大し、石垣を押し崩す力となる。こうした空洞化や土圧は、石垣のバランスを不安定にし、はらみや緩みの原因となって、崩壊に繋がる。
【0015】
そこで、本発明では、石垣を構成する力石に取り付けたフックアンカーと、石垣の面石の艫部分に取り付けたフックアンカーとを緊結部材で緊結することで、背面土圧等の負荷による石垣のはらみや緩みを抑制するようにすることができる。また、はらみや緩みをより確実に抑制するには、石垣を構成する力石の両面にフックアンカーを取り付け、そのうちの一方のフックアンカーと、石垣の背面土層に打ち込んだロックアンカーとを緊結し、さらに、力石に取り付けた他方のフックアンカーと、石垣の面石の艫部分に取り付けたフックアンカーとを緊結部材で緊結するようにする。
【0016】
この補強工法において、フックアンカーを取り付ける力石(自然石)としては、直径300mm〜1200mm程度のものを使用することが好ましい。また、緊結部材としては、耐食性のワイヤー又は鎖、あるいは繊維グリッド等を使用することができる。
【0017】
さらに、本発明では石垣の空洞化等によるはらみや緩みを防ぐために緊結部材を利用した上記の補強工法のほかに、接着剤を利用した補強工法を併用することができる。すなわち、本発明では、石垣の面石と艫介石とを接着剤で界面接着するようにすることができる。
【0018】
ここで、艫介石は、石垣の勾配や各面石の動きを安定的に拘束するものである。この艫介石がずれたり、はずれたりすると、石垣は安定性を無くしはらみや緩みの原因となる。このように、艫介石は面石に次ぐ大切な役割を果たしており、石垣の空洞化等によるはらみや緩みの防止、ひいては石垣の耐震性と耐久性を向上させるには、地震等によるずれや雨水による空洞化、及び地盤沈下等による艫介石の狂いを防止することが重要である。そこで、本発明では、上述のとおり面石と艫介石とを接着剤で界面接着するという補強工法を併用することができる。これによって、艫介石の緩みや抜け落ちが防止でき、背面空洞や裏込石のずれ等による石垣本体の緩みも防止できる。なお、この補強工法において接着剤としては、ゴム系又は弾性系、あるいは靭性無機質系のものを使用することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、石垣の耐震性と耐久性を著しく向上させることができる。そして、本発明の工法はコンクリートを使用しないため、文化遺産等における旧来の空積み石垣の修理復原に適用可能である。石垣の石は、ばらばらに崩れてしまうと元の形に復原するのは不可能である。規模については元通りであってもそれは復原ではなく復元であり価値が下がる。したがって、危険度を判断し崩れる前に計画的に解体し修理復原しなくてはならない。このような、貴重な文化遺産の修理復原にとって本発明は非常に有用であり、本発明によれば、文化遺産を地震や水害から守り、崩れにくい石垣を構築し後世に残すことができる。
【0020】
また、本発明は、古来の石匠技術を再興し、その秘伝秘技を究明、習得して後世に受け継ぐべき継承技能者を育成する上でも重要である。
【0021】
加えて、本発明によれば、崩れにくい高石垣を新規に構築することもできるようになり、石垣による護岸や海洋構造物の構築が可能となる。石垣による護岸や海洋構造物は、豊富な魚の住処となり、循環型の生態系を再生し自然豊かな川岸等を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0023】
図1は本発明によって構築される石垣の全体像を示し、(a)は縦断面図、(b)は横断面図である。図2は石垣の基本三角形及び弓法勾配を示す。
【0024】
高石垣を新設する場合は、当然法令に則り、地盤及び地山のボーリング調査を行い、地質調査の結果において、支持力と背面土圧に応じた杭や背面補強の仕様を選定する。使用する縦杭5としては、耐震性を目的とする場合、瞬間衝撃を直接伝導するコンクリートパイルのように硬いものよりは、緩衝機能の高い松杭を用いるのが効果的である。しかし松杭は、湿潤状態であれば耐久性は保たれるが、乾燥する場所では耐久性の期待はできない。したがって、乾燥した場所に石垣を構築する場合は、鋼管や鋼棒のように靭性を有するものを用いて基礎組みを行う。
【0025】
石垣の根本を成す基本三角形は基礎地盤が一番低い地点を基準にして次の要領で決める。まず、図2に示すように一番低い地点である法尻Cを基点として、石垣の高さHを決める。法尻Cは後述する総矩Dと勾配線Sが交わる点で、図1(a)で言えば、根石10の下合端と第2の梯子状部材である枕梯子胴木8の外桁との接触点である。
【0026】
次に、高さHに乗ずる係数計算によって、底辺の長さ(奥行き)である総矩Dを決める。高さHと総矩Dとが交わる点が直角点Bである。また、高さHの頂点Aと法尻Cを結ぶ斜線が勾配線Sである。この頂点A、直角点B及び法尻Cを結んだ線を基本三角形という。
【0027】
この基本三角形の勾配延長線Sa上に、後述するように縦杭5→第1の梯子状部材である親梯子胴木6の外桁→ころ7→第2の梯子状部材である枕梯子胴木8の外桁→根石10の順に、全ての基礎構造部材の中心が位置する。また、基本三角形の頂点Aから法肩Nまでの規合Lを何段階せり出すかによって弓法勾配Sbが決まる。
【0028】
このようにして基本三角形を決めた後、石垣の構築に取りかかる。まず、本発明の石垣の構築方法においては、上述の親梯子胴木6、枕梯子胴木8及びころ7を前もって準備しておく必要がある。
【0029】
図3は親梯子胴木6及び枕梯子胴木8を示し、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は断面図である。親梯子胴木6及び枕梯子胴木7は同じ構成であり、この実施例では油分の多い松等の木材を太鼓落としして厚みを一定に揃えたものを使用し、図3に示すように、外桁23、内桁24及び桟木25をつなぎ合わせて製作する。このとき桁どうしのつなぎ合わせの方法としては、縦杭5の真上でつなぐ場合は真継ぎ28とし、途中でつなぐ場合は追いかけ込栓継ぎ27とする。また、桟木25は臍差口木栓止め26で外桁23及び内桁24につなぐ。
【0030】
図4はころ7を示し、(a)は平面図、(b)は断面図である。同図に示すように、この実施例ではころ7として円柱木材を使用している。このころ7の長さは、上述の親梯子胴木6及び枕梯子胴木8の短手方向(桟木25に沿った方向)の長さと同程度とする。
【0031】
親梯子胴木6、枕梯子胴木8及びころ7の準備ができたら、上述の基本三角形に則り遺り形及び丁張りするが、弓法勾配Sbについては構築する石垣と同形状で同寸法の広板定木を作り、杭や桟木で固定し規準とする。その丁張りに合わせて地山1は切り土3をし、土がない所は盛り土2をして背面土層を形成し、透水シート4を張る。基礎部分は根切りして腐葉土層を除去し、地盤を叩き締める。
【0032】
その後、図1(a)に示すように規定位置に縦杭5を打ち込み、親梯子胴木6の取り付け位置に合わせて縦杭5の木口を切り込みし、その周りの根切り部分に根固め石9を入れながら填圧して締め固め、木口天端の近くまで埋め戻す。
【0033】
図5は、本発明により構築される基礎部分の要部を示し、(a)は正面図、(b)は断面図である。同図に示すように、親梯子胴木6を縦杭5の木口天端に載せて大栓止め29で固定し、その上にころ7を親梯子胴木6の長手方向と直交する方向(前後方向)に並べ、その上に枕梯子胴木8を載せて、親梯子胴木6の外桁23及び内桁24と、枕梯子胴木8の外桁23及び内桁24とを耐食性のボルト30で緩めに固定する。その周りの隙間には図1(a)に示すように根固め石9をしっかりと詰め込む。
【0034】
そして、枕梯子胴木8の外桁23の中心軸上に根石10を据付ける。根石10の据付けは石垣の築造で最も重要な決め手である。根石選びは難しく、根石の下合端と枕梯子胴木8の外桁23との接地面が広いほど良く、狭いものは安定性に欠けるため使用しないほうが良い。根石10据付けの際には、その下合端と上合端とが図2に示す勾配線Sに一致する角度に据付ける。また、根石10の艫が横にずれないように、隣石との間を胴介石31で固定し、裏込石15を詰め込む。これによって石垣の基礎施工が完了する。
【0035】
基礎施工が完了すると面石の積み上げ施工を行う。まず、一段目面石11は地盤の低いところから据付けて、順次二段目三段目と面石12の段積みを重ねる。このとき、一番低い位置の一段目面石11を据付けたときの水糸が第二の基本線となり、目通りが通っていなければならない。また、面石12を据付ける場合、その石の上合端が図2に示す勾配線Sと一致する角度に据付ける。そのためには、面石尻に艫介石13を飼い込んで角度を調整し、隣り合う面石12との間に図1(b)に示すように胴介石31を挟み込んで面石が動かないように固定する。そして、面石12と艫介石13の界面及び上下に接する面石12の界面を接着剤14で接着する。面石12の据付けが終わった段単位で裏込石15を詰め込み突き締める。これは、全ての面石12の据付け施工に共通する。なお、艫介石13には上部の荷重が掛かるため、それに耐え得る大きさが必要である。
【0036】
石垣の崩れやすい位置は、一般的に面石12の三段目から六段目、及び総高さの5〜7部目と言われているが、そのほかにも地山1に断層がある場合はその位置の補強は欠かせない。したがって、補強する位置は地質調査等の結果で決まる。
【0037】
図6は、本発明における補強工法の説明図である。同図(a)に示す第1の補強工法は、背面土層が盛り土2のように強くない場合に適用するもので、この補強工法では、直径300mm〜1200mm程度の力石17(自然石)の両面にフックアンカー19を取り付け、そのうちの一方のフックアンカー19と、石垣の背面土層に打ち込んだロックアンカー18とを緊結する。さらに、力石17に取り付けた他方のフックアンカー19と、面石12の艫部分に取り付けたフックアンカー19とをアラミド繊維グリッド等の緊結部材20で緊結する。そして、緊結部材20で緊結された面石12、力石17及び背面土層の間には大き目の裏込石15を並べて緩みを防止する。
【0038】
図6(b)に示す第2の補強工法は、背面土層が地山1のように固く安定している場合に適用するもので、この補強工法では、背面土層に打ち込むロックアンカーは使用せず、力石17に取り付けたフックアンカー19と、面石12の艫部分に取り付けたフックアンカー19とを緊結部材20で緊結するだけで済ませる。
【0039】
以上の補強工法を必要に応じて行い、図1(a)に示すように最後の天端石16を据付けし、裏込石15を5部詰めして、残り上半分は三和土叩き21で防水した上に表土22を被せて石垣の構築を完了する。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、石垣の修理復原と新規構築の両方に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明によって構築される石垣の全体像を示し、(a)は縦断面図、(b)は横断面図である。
【図2】石垣の基本三角形及び弓法勾配を示す。
【図3】本発明に使用する親梯子胴木及び枕梯子胴木を示し、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は断面図である。
【図4】本発明に使用するころを示し、(a)は平面図、(b)は断面図である。
【図5】本発明により構築される基礎部分の要部を示し、(a)は正面図、(b)は断面図である。
【図6】本発明における補強工法の説明図である
【符号の説明】
【0042】
1 地山
2 盛り土
3 切り土
4 透水シート
5 縦杭
6 親梯子胴木(第1の梯子状部材)
7 ころ
8 枕梯子胴木(第2の梯子状部材)
9 根固め石
10 根石
11 一段目面石
12 面石
13 艫介石
14 接着剤
15 裏込石
16 天端石
17 力石
18 ロックアンカー
19 フックアンカー
20 緊結部材
21 三和度叩き
22 表土
23 外桁
24 内桁
25 桟木
26 臍差口木栓止め
27 追いかけ込栓継ぎ
28 真継ぎ
29 大栓止め
30 ボルト
31 胴介石

【特許請求の範囲】
【請求項1】
石垣の基礎部分に第1の梯子状部材を配置し、その上に円筒又は円柱状のころを第1の梯子状部材の長手方向と直交する方向に配置し、その上に第2の梯子状部材を第1の梯子状部材に重ねるように配置し、その上に石垣の根石を配置する工程を含む石垣の構築方法。
【請求項2】
石垣を構成する力石に取り付けたフックアンカーと、石垣の面石の艫部分に取り付けたフックアンカーとを緊結部材で緊結する工程を含む請求項1に記載の石垣の構築方法。
【請求項3】
石垣を構成する力石の両面にフックアンカーを取り付け、そのうちの一方のフックアンカーと、石垣の背面土層に打ち込んだロックアンカーとを緊結し、さらに、力石に取り付けた他方のフックアンカーと、石垣の面石の艫部分に取り付けたフックアンカーとを緊結部材で緊結する工程を含む請求項1に記載の石垣の構築方法。
【請求項4】
石垣の面石と艫介石とを接着剤で界面接着する工程を含む請求項1〜3のいずれかに記載の石垣の構築方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−63774(P2007−63774A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−247950(P2005−247950)
【出願日】平成17年8月29日(2005.8.29)
【出願人】(593230246)正栄建装株式会社 (1)
【Fターム(参考)】