説明

石油ストーブの燃焼筒

【課題】石油ストーブ用燃焼筒において、上部外筒1は、透明ガラスを使用しているので、燃焼空間、2次燃焼室の暖房熱に対して、熱透過体として機能しているが、輝度が高くなる問題点がある。燃焼筒の輝度を選択自在とすること。
【解決手段】その内部に拡炎装置5を包囲して2次燃焼室Bを形成する上部外筒について、透明ガラス製の筒体に、その表面に耐熱塗料を霧状にスプレー塗布することにより形成された、着色塗布層を有することで、上部外筒を半透明としたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、石油ストーブ用燃焼筒に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の石油ストーブ用燃焼筒に関して、実開平5―79206号公開実用新案公報(特許文献1)には、図8を参照して、
同芯配置の内炎筒3と外炎筒4との間で燃焼空間を形成し、該燃焼空間の下部に燃焼芯6をのぞませ、燃焼芯6より上昇する気化ガスを燃焼空間で燃焼させることで石油ストーブ用バーナーを構成している。
耐熱ガラス製の透明外筒2が、外炎筒4の外方に間隔を置いて配置され、外炎筒4を包囲している。
内炎筒3の上方に拡炎装置5を装備し、外炎筒4の上端に支持される支持台7を設けて、該支持台7の周縁で、上部外筒1を支持している。
上部外筒1は、その内部に拡炎装置5を包囲し、2次燃焼室Bを形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平5―79206号公開実用新案公報「石油ストーブ用バーナー」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記の公知技術においては、透明外筒2および上部外筒1は、透明ガラスを使用しているので、燃焼空間、2次燃焼室の暖房熱に対して、熱透過体として機能しているが、輝度が高くなる問題点がある。
なお、透明ガラスを粗面加工してすりガラスとすることで、熱透過を低減することが考えられるが、ガラス表面に傷をつけるものであるから、ガラス製筒体が破損しやすい問題点がある。
よって、本発明は、すりガラスを使用することなく、上部外筒の透光性を低下させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願発明は、石油ストーブ用燃焼筒において、上部外筒を、透明ガラス製の筒体に、その表面に耐熱塗料を霧状にスプレー塗布することにより形成された、着色塗布層を有することで、上部外筒を半透明としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本願発明は、その表面に耐熱塗料を霧状にスプレー塗布することにより形成された、着色薄膜塗布層を有することで、スプレー塗布態様の選択により透明ガラス製の筒体の強度を損なうことなく、半透明性を容易に選択できる効果を有する。
すなわち、眩しさを緩和し、やわらかな光を得るために、塗布膜の薄厚によって透過光線を制御することで、燃焼筒の輝度を選択自在とする効果を有する石油ストーブ用燃焼筒を提供できる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本願発明の実施例を示す、石油ストーブ用燃焼筒の斜視図。
【図2】同じく正面図。
【図3】同じく縦断面図。
【図4】本願発明の上部外筒の第1実施例を示し、a図は縦断面図、b図は正面視による展開図。
【図5】本願発明の上部外筒の第2実施例を示し、a図は縦断面図、b図は正面視による展開図。
【図6】本願発明の上部外筒の第3実施例を示し、a図は縦断面図、b図は正面視による展開図。
【図7】本願発明の上部外筒の第4実施例を示し、a図は縦断面図、b図は正面視による展開図。
【図8】公知技術を示す、石油ストーブ用燃焼筒の縦断面図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
同芯配置の内炎筒3と外炎筒4との間で燃焼空間を形成し、該燃焼空間の下部に燃焼芯6をのぞませ、燃焼芯6より上昇する気化ガスを燃焼空間で燃焼させて、石油ストーブ用バーナーを構成し、外炎筒4の外方に間隔を置いて配置された耐熱ガラス製の透明外筒2で、外炎筒4を包囲して、主燃焼部Aを構成するとともに、
内炎筒3の上方に拡炎装置5を装備し、該拡炎装置5を包囲する上部外筒を設けて、上部外筒の内部で2次燃焼室を形成して、2次燃焼部Bを構成した、石油ストーブ用燃焼筒において、
上部外筒10について、透明ガラス製の筒体12に、その表面に耐熱塗料を霧状にスプレー塗布することにより、着色薄膜塗布層11をその表面に形成して、その表面を半透明とする。
【実施例】
【0009】
図1ないし図7に示す実施例にもとづいて、本願発明を詳細に説明する。
【0010】
同芯配置の内炎筒3と外炎筒4との間で燃焼空間を形成し、該燃焼空間の下部に燃焼芯6をのぞませ、燃焼芯6より上昇する気化ガスを燃焼空間で燃焼させることで石油ストーブ用バーナーを構成し、外炎筒4の外方に間隔を置いて配置された耐熱ガラス製の透明外筒2で、外炎筒4を包囲して、主燃焼部Aを構成すること、
および、内炎筒3の上方に拡炎装置5を装備し、該拡炎装置5を包囲する上部外筒を設けて、上部外筒の内部で2次燃焼室を形成して、2次燃焼部Bを構成することは、図8に示す、公知の石油ストーブ用燃焼筒と同様である。
【0011】
本発明の石油ストーブ用燃焼筒において、上部外筒を、透明ガラス製筒体12に、その表面に耐熱塗料を霧状にスプレー塗布することにより形成された、薄乳白色の着色表面である、着色薄膜塗布層11を形成した上部外筒10とすることで、上部外筒を半透明とする。
【0012】
図4に示す上部外筒10Aは、スプレー塗布による塗布層を肉厚とすることで、肉厚の着色薄膜塗布層11Aとする[例えば、スプレー塗布の回数を複数回とする、接近位置より塗布する等の手段で、スプレー塗布による塗布層を肉厚とする]。
上部外筒10の遮光性を高める。
【0013】
図5に示す上部外筒10Bは、スプレー塗布による塗布層を薄膜とすることで、肉厚を薄くした着色塗布層11Bとする[たとえば、スプレー塗布ヘッドと筒体12との距離を大とし、霧状のスプレー塗布雰囲気に筒体12を位置させることで、霧状塗布とする]。
【0014】
-
また、スプレー塗布ヘッドよりメルトブロー塗布によるファイバー状で塗布剤を吐出することで、薄い不織布を付着した状態の着色塗布層11B‘とする(図6参照)。
比較的に輝度を高めることなく上部外筒10の透光性を高める。
【0015】
図7に示す上部外筒10Cは、スプレー塗布による塗布層に多数の透孔13を存在させた着色塗布層11Cとする[例えば、ネット、小孔を有するマスク板等を介在させてスプレー塗布する]。
上部外筒10の透光性を高める。
【0016】
以上の実施例においては、着色塗布層11を薄乳白色の着色表面としたが、他の色彩を選択することができることは、勿論である。
青色、黄色等の色彩の選択、および濃淡の選択が可能である。
青色、黄色等の色彩の選択、および濃淡の選択により、上部外筒10の透光性の度合を任意に選択できるものである。
【産業上の利用可能性】
【0017】
本願発明は、石油ストーブの利用を高めることで、石油ストーブ製造産業の発展に寄与するものである。




【特許請求の範囲】
【請求項1】
同芯配置の内炎筒3と外炎筒4との間で燃焼空間を形成し、該燃焼空間の下部に燃焼芯6をのぞませ、燃焼芯6より上昇する気化ガスを燃焼空間で燃焼させ、外炎筒4の外方に間隔を置いて配置された耐熱ガラス製の透明外筒2で、外炎筒4を包囲して構成した主燃焼部Aと、
内炎筒3の上方に拡炎装置5を装備し、該拡炎装置5を包囲する上部外筒を設けて、上部外筒の内部で2次燃焼室Bを形成して構成した2次燃焼部Bとを有する、石油ストーブ用燃焼筒において、
上部外筒10を、透明ガラス製の筒体12に、その表面に耐熱塗料を霧状にスプレー塗布することにより形成された、着色薄膜塗布層11を有し、
上部外筒10を半透明としたことを特徴とする石油ストーブ用燃焼筒。
































【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−113500(P2013−113500A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260413(P2011−260413)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(592044499)株式会社千石 (19)