説明

石炭流均衡装置

【課題】分割ヘッドの下流側の粒子の分布の改善を可能にする。
【解決手段】パイピングシステムを通って流体中を流れる固体粒子(例えば空気中を流れる石炭粒子)を、分流装置104が分配する。この分流装置は、上流側の1本のパイプに接続するように構成された吸入口126、および、下流側の複数のパイプに例えば分割ヘッドを介して接続するように構成された排出口を有する分割器筐体部124を備えている。この分割器筐体部内に分割器本体部128が取り付けられる。それぞれが上記分割器本体部から分割器筐体部まで延びる、複数の分割器翼部130が備えられている。上記分割器筐体部、分割器本体部、および、分割器翼部は、該吸入口からの粒子濃度の非均一性を低減し、該排出口から下流側の各パイプへ実質的に等しい粒子流を供給するように構成および調整されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体中を流れる固体粒子の分布に関し、さらに具体的には、石炭パイピングシステムを通る空気流中の石炭粒子の分布に関する。
【背景技術】
【0002】
当該技術分野では、細かく粉砕された石炭を、石炭を燃料とするバーナーまで搬送するためのさまざまな装置および方法が公知である。このような装置の多くは、燃やされる石炭を搬送するための石炭パイピングシステム内の粒子の分布を改善することに向けられている。
【0003】
石炭を燃料とする発電所には、燃料としての石炭を供給し、熱を発生させる効率的な手段が必要である。通常は、原料の石炭を石炭粉砕器または製粉器で細かく粉砕し、微小石炭粒子または炭塵を生成する。そして、この細かく粉砕された石炭を燃焼炉またはバーナーまで搬送して、そこで燃焼させるために使用する。この移送は、通常、空気流を利用して、細かく粉砕された石炭粒子を製粉器または粉砕器からノズルまで搬送する石炭パイピングシステムを持ちして行われる。なお、このノズルにおいて、石炭粒子は石炭バーナーまたは燃焼炉に投入される。石炭粒子はパイピングシステムを通って空気流中を進むので、パイピングおよびパイプ形状の湾曲部が、一般に、非均一な石炭粒子の分布を引き起こす傾向がある。パイピングシステムを通って延びる、石炭粒子が高密度に集まる領域は、石炭“ロープ”と呼ばれる。
【0004】
石炭ロープは、石炭システムを運転および保守する上でさまざまな技術的な問題を引き起こす。石炭粒子の不良分布状態は燃焼区域にまで延びることがあり、この場合、燃料と空気との混合物中で局部的な不均衡が生じることによって、燃焼効率が低下したり、NOやCOなどの汚染物質の排出量が増加したりする傾向が高くなる。この局部的な不均衡によって、さらに、燃焼効率の低下を招く、飛灰中の未燃焼炭素レベルが上昇する可能性もある。また、石炭ロープの非常に高い磨耗性が石炭用パイピングおよび燃焼システムの部品に衝突・摩擦することによって、該システムのパイプなどの部品が広範囲に侵食され、さらに、バーツを頻繁に検査、修理、取り替える必要が生じる。検査、修理、および、取り替えを常に実施しなければ、石炭ロープによる磨耗によって主要な部品が作動しなくなり、コストが高くついたり、危険が発生したりする可能性が高くなる。
【0005】
石炭ロープに関連して特に大きな問題となる部品は、例えば方向性を有するフレームバーナー石炭ノズル(directional flame burner coal nozzle)上流によく見られる、上流側の1本のパイプと下流側で枝別された2本以上のパイプとの間の接合部分に設けられる分割ヘッドである。このような分割ヘッドにおいて、石炭ロープをともなう流れが分割ヘッドに入ると、流れの中の石炭ロープは下流側の脚部のうちの1つを通って流れる傾向がある。つまり、下流側のノズルのうちの1本が、同じ分割ヘッドに接続されている残りの1本または複数の本のノズルに比べてはるかに多量の石炭を流すことになる。
【0006】
このような従来の方法およびシステムは、一般に、意図されている用途に用いる限り十分であると考えられてきた。しかしながら、当該技術分野では、例えば、分割ヘッドの下流側の粒子の分布の改善を可能にするシステムおよび方法が依然必要とされている。さらに、当該技術分野においては、製造および使用しやすい上記のようなシステムおよび方法も依然求められている。本発明はこれらの問題に対する解決策を提供するものである。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、パイピングシステムを通って流体中を流れる固体粒子を分配するための新規かつ有用な分流装置を対象とする。本分流装置は、上流側の1本のパイプに接続するように構成された吸入口、および、下流側の複数のパイプに例えば分割ヘッドを介して接続するように構成された排出口を有する分割器筐体部を備えている。この分割器筐体部内に分割器本体部が取り付けられる。それぞれが上記分割器本体部から分割器筐体部まで延びる、複数の分割器翼部が備えられている。上記分割器筐体部、分割器本体部、および、分割器翼部は、該吸入口からの粒子濃度の非均一性を低減し、該排出口から下流側の各パイプへ実質的に等しい粒子流を供給するように構成および調整されている。
【0008】
ある態様では、上記分割器本体部が、円錐形であり、かつ、上記分割器筐体部内に同心状態で取り付けられ、さらに、上記分割器本体部が、上記分割器筐体部の吸入口から排出口に向かって拡がる形状を有する。上記分割器本体部が、上記分割器筐体部の吸入口から排出口まで延びてもかまわない。さらに、上記吸入口が、半径方向にそって内向きに突き出た、周辺部において離間する複数の歯を備えた城壁形状を有してもかまわない。上記吸入口が円形であり、上記排出口が矩形であってもかまわない。
【0009】
その他の態様では、上記複数の分割器翼部が、分割器本体部の長軸の周囲において45°の間隔で離間する8枚の分割器翼部を含み、さらに、上記分割器翼部が上記吸入口から排出口まで延びる。上記各分割器翼部が、上記吸入口から排出口まで延びる長軸に対して平行に配置されてもかまわない。ある実施形態では、上記排出口が矩形であり、上記翼部のうちの4枚が、それぞれ上記矩形の排出口の角部に合わせて配置され、該翼部のうちの残りの4枚が、それぞれ上記矩形の排出口のエッジ部の中央部に合わせて配置される。
【0010】
上記吸入口から排出口に到る流路にそって実質的に一定な流域を、上記分割器筐体部と分割器本体部との間に規定してもかまわない。また、上記分割器筐体部を通過する際の圧力低下が約3.2inHO未満であってもかまわない。
【0011】
本発明は、さらに、ボイラーで燃焼させるために、空気流中を流れる石炭微粒子を搬送するための石炭パイピングシステムをも提供する。本システムは、上流の供給源から石炭微粒子を搬送するための上流側石炭パイプと、該上流側石炭パイプに取り付けられた円形の吸入口、および、1対の矩形の下流側石炭パイプにつながる分割ヘッドに取り付けられた矩形の排出口を有する分割器筐体部とを備えている。この分割器筐体部内に分割器本体部が取り付けられる。それぞれが上記分割器本体部から分割器筐体部まで延びる、複数の分割器翼部が備えられている。上記分割器筐体部、分割器本体部、および、分割器翼部は、該吸入口からの石炭粒子濃度の非均一性を低減し、該排出口から下流側の各パイプへ実質的に等しい石炭粒子流を供給するように構成および調整されている。また、1対のサイドキッカー(side kicker)が備えられている。各サイドキッカーは、上記下流側のパイプのうちの対応するパイプに取り付けられる。さらに、各サイドキッカーは、この対応する下流側のパイプの上流側の部分に対して内向きに突き出ており、該キッカーの下流の石炭粒子の分布の均一性を増加させる。上記サイドキッカーが、対応する下流側のパイプの対向する側面に取り付けられてもかまわない。さらに、それぞれがこの下流側のパイプのうちの対応するパイプに取り付けられた1対の底部キッカーを備えていてもかまわない。該底部キッカーは、どちらも、対応する各下流側のパイプの類似の面に取り付けられる。例えば、底部キッカーは、どちらも、対応する下流側のパイプの底面に取り付けられる。
【0012】
本発明のシステムおよび方法のこれらの特徴およびその他の特徴は、当業者にとっては、好適な実施形態に関する以下の詳細な説明を図面ととも読めば、さらに明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明の装置および方法を必要以上の実験を行わずに製造および使用するためにはどうすればよいのかを、本発明が関連する分野の当業者が容易に理解できるように、本発明の好適な実施形態について以下の説明において図面を参照しながら詳細に記載する。
【図1】本発明にしたがって製作される石炭パイピングシステムの一例としての実施形態の一部を示す斜視図であって、分割ヘッドの上流に位置する、1本の上流側石炭パイプから2本の下流側石炭パイプに到る流れを分割するための分流装置を示している。
【図2】図1の石炭パイピングシステムの一部を示す分解斜視図であって、上流側のパイプおよび分割ヘッドから分離した上記分流装置の拡大図を示している。
【図3】図2の分流装置を示す分解斜視図であって、上記分割器本体部、分割器翼部、および、城壁形状を有する吸入口の歯を示している。
【図4】図2の分流装置の一部を示す破断斜視図であって、上記分割器本体部を下流側から示している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、図面を参照しながら説明する。なお、図面中、同じ参照番号は、本発明の類似の構造的特徴または態様を示している。限定を加えるのではなく、説明および図示することを目的として、本発明に係る石炭パイピングシステムの一例としての実施形態の部分図を図1に示し、その全体を参照番号100と表記する。本発明に係る石炭パイピングシステムの他の実施形態(または態様)を、下記のように図2〜図4に示す。本発明のシステムおよび方法を使用すれば、例えば石炭パイピングシステムなどにおける分割ヘッドの下流側の粒子の分布を改善することができる。
【0015】
石炭パイピングシステム100は、下流の燃焼炉またはボイラーで燃焼させるために、上流の供給源(例えば粉砕器)から石炭微粒子を空気の流れに載せて輸送するための上流側のパイプ102を備えている。分流装置104はパイプ102に接続し、システム100を通って流体中を流れる固体粒子を均一に分配するための内部部品(詳細な説明については後述)を備える。上流側のパイプ102からの流れの分割は、分流装置104によって開始され、分流装置104の下流側に配置された分割ヘッド106において完了する。分割ヘッド106の各脚部108は、別々の下流側石炭パイプ110に取り付けられ、このパイプ110は、例えば石炭を投入し燃焼させる石炭ノズルにつながっている。
【0016】
次に図2を参照すると、分流装置104は、石炭パイプ102と分割ヘッド106との間に取り付けられるように構成されている。パイプ102の円形フランジ112は、分流装置104の円形フランジ116に、例えばボルト(例えばボルト114)を用いてボルト留めすればよい。同様に、矩形フランジ118も、分流装置104の矩形フランジ120に、例えばボルト(例えばボルト122)を用いてボルト留めすればよい。分流装置104を、既存のシステムに対して改造を施す必要がほとんどない、または、全くない後付け部品として、石炭パイプの既存のフランジと隣接する分割ヘッドとの間に取り付けてもかまわない。また、分流装置、例えば分流装置104を、新規に製作された石炭パイピングシステムに取り付けてもかまわない。
【0017】
次に図3を参照すると、分流装置104の内部部品は、上述のようにフランジ116によって上流側石炭パイプ102に取り付けられた円形の吸入口126を有する分割器筐体部124内に収納される。吸入口126は、周辺部において離間する隙間134間で半径方向にそって内向きに突き出た、周辺部において離間する複数の歯132を備えた城壁形状を有する(図3では、分かりやすいように、歯132および隙間134の一部にしか参照番号を付していない)。全部で16個の歯132と16個の隙間134がある。ただし、当業者であれば、適用分野に応じて、任意の適した個数の歯および隙間が使用可能であり、これが本発明の精神および技術的範囲から逸脱するものではないことが容易に理解できるであろう。分割器筐体部124の排出口は、上述のように分割ヘッド106に取り付けられた矩形の排出口127である。分割器筐体部124の外面および内面は、一般に、円形の吸入口126における円形の断面から矩形の排出口127における正方形断面に到る連続的に変化する形状を規定する。分割器筐体部124の矩形の排出口127は正方形であるとして図示し説明しているが、当業者であれば、この排出口に対して、他の任意の適切なサイズの矩形、または、その他の任意の適した形状が一般に使用可能であり、これが本発明の精神および技術的範囲から逸脱するものではないことが容易に理解できるであろう。
【0018】
分割器本体部128は、分割器筐体部124内に軸を揃えた同心状態で取り付けられ、分割器筐体部124の吸入口側端部から排出口側端部まで延びる。分割器本体部128は円錐形であって、分割器筐体部124の吸入口側端部から排出口側端部に向かって拡がる形状を有する。
【0019】
再び図3を参照すると、分割器筐体部124内には、8枚の分割器翼部130が設けられている。分割器翼部130はそれぞれが、中心の分割器本体部128から分割器筐体部124へ半径方向に延びる。分割器筐体部124、分割器本体部128、および、分割器翼部130は互いに溶接留めされるが、その他の任意の適切な手法を用いて接合してもかまわないのであって、これが本発明の精神および技術的範囲から逸脱するものではない。図4は、分割器本体部128および分割器翼部130の構成を示すために分割器筐体部124を取り外した、分流装置104を示している。この8枚の分割器翼部130は、分割器本体部128の長軸を中心として外周部において45°の間隔で離間している。8枚の分割器翼部130は、軸方向に、分割器筐体部124の吸入口側端部から排出口側端部まで延び、分割器本体部128の排出口側端部の手前で途切れる。図4に示すように、分割器本体部128の排出口側端部は翼部130の下流側で円筒状であり、分割器本体部128は中空であり、その下流側端部は開いている。
【0020】
分割器翼部130は、それぞれ、分割器本体部128の吸入口側端部から排出口側端部まで延びる長軸に対して平行に配置される。分割器翼部のうちの4つは、それぞれ、分割器筐体部124の矩形の排出口の角部に合わせて配置され、分割器翼部130のうちの残りの4つは、それぞれ、分割器筐体部124の矩形の排出口のエッジ部の中央部に合わせて配置される。各分割器翼部130の半径方向内側のエッジ部および半径方向外側のエッジ部は、それぞれ、分割器本体部128および分割器筐体部124の隣接する面に接する。図2および図4に示す分割器翼部128ならびに吸入口126の歯132および隙間134の配置は一例であり、これらの部材は任意の適した配置を取ってもかまわないのであって、これが本発明の精神および技術的範囲から逸脱するものではない。
【0021】
分流装置104は、一般に、2つのバーツからなる部材であり、具体的には、歯を備えた吸入口126の環状部と、8枚の分割器翼部130を含む分流装置104の主要部内の8つの流路を備えた分流部とからなる。上述の分流装置104の全体的な形状および流域面積は、分流装置104を使用する石炭パイピングシステムにおいて、圧力低下に対する影響を低減または最小化するように構成されている。分流装置104を通過する際の圧力低下は約3.2inHO未満であってもかまわない。上記吸入口から排出口に到る流路にそって実質的に一定な流域を、上記分割ヘッドと分割器本体部との間に規定してもかまわない。
【0022】
再度図1を参照すると、下流側のパイプ110は、流れの均一性を改善するためにキッカーを備えている。各パイプ110は、サイドキッカー136および下部キッカー138を備えている。各キッカー136および138は、対応するパイプ110の主断面に対して、例えば対応するキッカーの上流部分および下流部分に対して内向きに突き出たバンパーである。流域へ向かって突き出たこれらの部分は分流装置104と協調して、各キッカー136および138の下流の石炭粒子の分布の均一性を増加させる。長い動作および寿命を実現するために、侵食に優れた材料を、分流装置104およびキッカー136および138に適用してもよい。
【0023】
分割器筐体部124、分割器本体部128、および、分割器翼部130は、吸入口からの粒子濃度の非均一性を低減し、排出口から下流側の各パイプへ実質的に等しい粒子流を供給するように構成および調整されている。特に、分流装置104は、石炭ロープを切断し、下流側の2本のパイプ間で石炭粒子を再分配するように構成されている。この2本のパイプの一例としては、米国特許第5,623,884に記載された矩形の方向性を有するフレームバーナー石炭ノズル内に設けられたものがあげられる。なお、該特許文献は参照によってここにすへで引用されるものとする。
【0024】
分流装置104は、そこを通過する石炭の流れにおいて均一性が高い石炭分配を行い、その結果、制御可能な燃焼効率が改善される。分流装置104は、さらに、上流側石炭パイプ(例えばパイプ102)と下流側の2本のパイプ(例えばパイプ110)との間の分岐点において石炭の流れの均衡を取るように構成および調整されている。換言すれば、分流装置104は、どの石炭ロープも切断して実質的に等しい量の石炭を下流側の各パイプ110に供給すること、さらに、下流側の各パイプ110内で石炭粒子を実質的にほぼ均一に分配することの両方によって、粒子の分布を改善する。これは、吸入口126の歯を有する環状部を用いて、どの石炭ロープをも切断すること、および、翼部130を有する分流装置とキッカー136、138とを用いて、下流側の2本のパイプ110を流れる粒子を分配し粒子の分布の均衡を取ることによって達成される。これは、下流側の2本のパイプ110が方向性を有するフレームバーナー石炭ノズルの一部である場合には特に効果的である。
【0025】
パイピングシステム100では、分流装置104が流れの均衡を取るので、各石炭分割ヘッドの脚部108において石炭粒子および空気が高い均一度で分配されることによって、その下流に配置されたバーナーやノズルなどに対して、均一性が高く均衡の取れた流れを発生させる。上述した分流装置104の特定の形状は、上記装置の外周付近の傾斜領域(例えば、分割器本体部128の表面)、分割領域(例えば、吸入口126の歯状部)、および、中実領域(例えば、翼部130の表面)の組み合わせを利用して、クロスミキシング(cross mixing)領域を形成する。分流装置104の精密な設置は石炭パイプの向きに基づいて行われ、最適な燃料の均衡を取るためには重要である。ここで図示し説明した配置は一例であって、当業者であれば、ある任意の適用事例について他の任意の適した配置を取ってもかまわないのであって、これが本発明の精神および技術的範囲から逸脱するものではないことが容易に理解できるであろう。
【0026】
上記の記載では下流側の2本のパイプ110の一例としての場合において説明したが、当業者であれば、任意の適した本数の下流側のパイプが使用可能であり、これが本発明の精神および技術的範囲から逸脱するものではないことが容易に理解できるであろう。また、ここでは石炭パイピングシステムの一例としての場合において説明したが、当業者であれば、ここで説明した方法および装置が、粒子が流体中を流れる流れの、他の任意の適したタイプを使用可能であり、これが本発明の精神および技術的範囲から逸脱するものではないことが容易に理解できるであろう。
【0027】
本発明の方法およびシステムは、上記において説明し図面に示したように、分割ヘッドの下流の均一性の高い流れを含めた、優れた特性を有する粒子の分布を実現するためのシステムを提供する。本発明の装置および方法について好適な実施形態を参照しながら図示および説明したが、当業者であれば、該装置および方法に対して変更および/または修正を行ってもかまわないのであって、これが本発明の精神および技術的範囲から逸脱するものではないことが容易に理解できるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイピングシステムを通って流体中を流れる固体粒子を分配するための分流装置であって、
a)上流側の1本のパイプに接続するように構成された吸入口、および、下流側の複数のパイプに接続するように構成された排出口を有する分割器筐体部と、
b)該分割器筐体部内に取り付けられた分割器本体部と、
c)それぞれ該分割器本体部から分割器筐体部まで延びる複数の分割器翼部とを備え、
該分割器筐体部、分割器本体部、および、分割器翼部が、該吸入口からの粒子濃度の非均一性を低減し、該排出口から下流側の各パイプへ実質的に等しい粒子流を供給するように構成および調整された、分流装置。
【請求項2】
上記分割器本体部が、円錐形であり、かつ、上記分割器筐体部内に同心状態で取り付けられている、請求項1に記載の分流装置。
【請求項3】
上記分割器本体部が、上記分割器筐体部の吸入口から排出口に向かって拡がる形状を有する、請求項2に記載の分流装置。
【請求項4】
上記分割器本体部が、上記分割器筐体部の吸入口から排出口まで延びる、請求項3に記載の分流装置。
【請求項5】
上記吸入口が、半径方向にそって内向きに突き出た、周辺部において離間する複数の歯を、備えた城壁形状を有する、請求項1に記載の分流装置。
【請求項6】
上記吸入口が円形であり、
上記排出口が矩形である、請求項1に記載の分流装置。
【請求項7】
上記複数の分割器翼部が、分割器本体部の長軸の周囲において45°の間隔で離間する8枚の分割器翼部を含む、請求項1に記載の分流装置。
【請求項8】
上記分割器翼部が上記吸入口から排出口まで延びる、請求項1に記載の分流装置。
【請求項9】
上記各分割器翼部が、上記吸入口から排出口まで延びる長軸に対して平行に配置される、請求項1に記載の分流装置。
【請求項10】
上記排出口が矩形であり、
上記複数の分割器翼部が、分割器本体部の長軸の周囲において45°の間隔で離間する8枚の分割器翼部を含み、
この翼部のうちの4枚が、それぞれ上記矩形の排出口の角部に合わせて配置され、
該翼部のうちの残りの4枚が、それぞれ上記矩形の排出口のエッジ部の中央部に合わせて配置される、請求項1に記載の分流装置。
【請求項11】
上記分割器筐体部と分割器本体部との間に規定される流域が、上記吸入口から排出口に到る流路にそって実質的に一定である、請求項1に記載の分流装置。
【請求項12】
上記分割器筐体部を通過する際の圧力低下が約3.2inHO未満である、請求項1に記載の分流装置。
【請求項13】
石炭パイピングシステムを通って空気流中を流れる石炭微粒子を分配するための石炭分流装置であって、
a)上流側石炭パイプに接続するように構成された円形の吸入口、および、矩形の1対の下流側石炭パイプに接続するように構成された排出口を有する分割器筐体部と、
b)該分割器筐体部内に取り付けられた分割器本体部と、
c)それぞれ該分割器本体部から分割器筐体部まで延びる複数の分割器翼部とを備え、
該分割器筐体部、分割器本体部、および、分割器翼部が、該吸入口からの石炭粒子濃度の非均一性を低減し、該排出口から各下流側石炭パイプへ実質的に等しい石炭粒子流を供給するように構成および調整された、石炭分流装置。
【請求項14】
上記分割器本体部が、円錐形であり、かつ、上記分割器筐体部内に同心状態で取り付けられ、
上記分割器本体部が、上記分割器筐体部の吸入口から排出口まで延び、
上記分割器本体部が、上記分割器筐体部の吸入口から排出口に向かって拡がる形状を有する、請求項13に記載の石炭分流装置。
【請求項15】
上記吸入口が、半径方向にそって内向きに突き出た、周辺部において離間する複数の歯を、備えた城壁形状を有する、請求項13に記載の石炭分流装置。
【請求項16】
上記複数の分割器翼部が、分割器本体部の長軸の周囲において45°の間隔で離間する8枚の分割器翼部を含み、
該翼部のうちの4枚が、それぞれ上記矩形の排出口の角部に合わせて配置され、
該翼部のうちの残りの4枚が、それぞれ上記矩形の排出口のエッジ部の中央部に合わせて配置され、
上記分割器翼部が上記吸入口から排出口まで延び、
上記各分割器翼部が、上記吸入口から排出口まで延びる長軸に対して平行に配置される、請求項13に記載の石炭分流装置。
【請求項17】
上記分割器筐体部と分割器本体部との間に規定される流域が、上記吸入口から排出口に到る流路にそって実質的に一定であり、
上記分割器筐体部を通過する際の圧力低下が3.2inHO未満である、請求項13に記載の石炭分流装置。
【請求項18】
ボイラーで燃焼させるために、空気流中を流れる石炭微粒子を搬送するための石炭パイピングシステムであって、
a)上流の供給源から石炭微粒子を搬送するための上流側石炭パイプと、
b)該上流側石炭パイプに取り付けられた円形の吸入口、および、1対の矩形の下流側石炭パイプにつながる分割ヘッドに取り付けられた矩形の排出口を有する分割器筐体部と、
c)該分割器筐体部内に取り付けられた分割器本体部と、
d)それぞれ該分割器本体部から分割器筐体部まで延びる複数の分割器翼部であって、該分割器筐体部、分割器本体部、および、分割器翼部が、該吸入口からの石炭粒子濃度の非均一性を低減し、該排出口から下流側の各パイプへ実質的に等しい石炭粒子流を供給するように構成および調整された、複数の分割器翼部と、
e)それぞれが上記下流側のパイプのうちの対応するパイプに取り付けられ、かつ、この対応する下流側のパイプの上流側の部分に対して内向きに突き出た、下流の石炭粒子の分布の均一性を増加させるための1対のサイドキッカー(side kicker)とを備えた、システム。
【請求項19】
上記サイドキッカーが、対応する下流側のパイプの対向する側面に取り付けられ、さらに、それぞれがこの下流側のパイプのうちの対応するパイプに取り付けられた1対の底部キッカーを備え、
該底部キッカーが、対応する下流側のパイプの類似の面に取り付けられた、請求項18に記載の石炭パイピングシステム。
【請求項20】
上記複数の分割器翼部が、分割器本体部の長軸の周囲において45°の間隔で離間する8枚の分割器翼部を含み、
この翼部のうちの4枚が、それぞれ上記矩形の排出口の角部に合わせて配置され、
該翼部のうちの残りの4枚が、それぞれ上記矩形の排出口のエッジ部の中央部に合わせて配置され、
上記分割器翼部が上記吸入口から排出口まで延び、
上記各分割器翼部が、上記吸入口から排出口まで延びる長軸に対して平行に配置される、請求項19に記載の石炭パイピングシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−177536(P2012−177536A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−10078(P2012−10078)
【出願日】平成24年1月20日(2012.1.20)
【出願人】(512017235)バブコック パワー サービシーズ インコーポレイテッド (4)
【氏名又は名称原語表記】BABCOCK POWER SERVICES INC.
【住所又は居所原語表記】5 Neponset Street,Worcester,Massachusetts 01606,United States of America