説明

研磨搬送リフト

【課題】集塵力が低下することなく、フィルタの交換時期および塵埃の廃棄時期を長期化させた集塵機が備えられた研磨搬送リフトを提供する。
【解決手段】遊技球2を研磨材により研磨しながら搬送し、研磨により除去した塵埃を集塵する集塵機10を備えた研磨搬送リフト1において、集塵機10を、塵埃を搬送する集塵ホース23を接続した集塵ケース20と、この集塵ケース20に収納した回転筒フィルタ30と、この回転筒フィルタ30の外周面に接触するブラシ40と、回転筒フィルタ30に連結した駆動モータ50と、回転筒フィルタ30に形成された開口部に連結した吸引コンプレッサ60とから構成し、吸引コンプレッサ60の吸気により集塵ホース23から搬送された塵埃を回転筒フィルタ30に濾させて外周面に付着させ、駆動モータ50により回転させることで回転筒フィルタ30をブラシ40により清掃させ、塵埃を集塵ケース10内に蓄積する研磨搬送リフト1を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集塵機が備えられた研磨搬送リフトに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のパチンコ球揚送装置は、パチンコ球と研磨粒との混合体を、揚送パイプ内に設けられた移送螺旋体の回転により撹拌させてパチンコ球に付着した塵埃を除去しながら搬送し、搬送した混合体を選別器に通すことでパチンコ球と研磨粒とを分離し、パチンコ球を各パチンコ機に供給し、研磨粒を揚送パイプに戻して循環使用するという構成である。そして、除去した塵埃を揚送パイプの途中に設けられた集塵装置により集塵する。
【0003】
上記の集塵装置は、例えば、下記特許文献1に記載されているように、選別装置から選別用吸塵パイプを経て塵埃を搬送する吸塵パイプの先端が、集塵ボックスの一側壁に設けられた吸塵口に接続され、この吸塵口からのエアを集塵ボックスの外側に送り出すための吸引パイプが、集塵モータから延設されて他側壁に接続され、袋状パック式の集塵フィルタが、集塵ボックス内の吸塵口に対向して取り付け板を介して取り付けられて構成されている。
【0004】
そして、集塵モータの作動により、吸塵パイプから搬送された塵埃は吸塵口を経て集塵フィルタに蓄積され、塵埃が除去されたエアが吸引パイプから集塵ボックスの外側へ送られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第2569884号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記した集塵装置は、蓄積した塵埃を廃棄するため、また、目詰まりを起こすと集塵フィルタの集塵力が低下するため、少なくとも月に1回程度、集塵フィルタを交換する必要がある。集塵フィルタの交換は、主に研磨搬送リフトのメーカーが請け負う場合が多く、メーカーの作業員が毎月客先にアポイントを取りつけて作業をすることになるが、閉店後の作業であるため、時間的、経済的に大きな負担となっていた。
【0007】
本発明は、上記の実情に鑑みて提案されたものである。すなわち、集塵力が低下することなく、フィルタの交換時期および塵埃の廃棄時期を長期化させた集塵機が備えられた研磨搬送リフトの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、遊技球を研磨材により研磨しながら搬送し、前記研磨により除去された塵埃を集塵する集塵機が備えられた研磨搬送リフトにおいて、前記集塵機は、前記塵埃が搬送される集塵ホースが接続された集塵ケースと、この集塵ケースに収納された回転筒フィルタと、この回転筒フィルタの外周面に接触するブラシと、前記回転筒フィルタに連結された駆動モータと、前記回転筒フィルタに形成された開口部に連結された吸引コンプレッサと、から構成され、前記吸引コンプレッサの吸気により前記集塵ホースから前記集塵ケース内へ搬送された前記塵埃が前記回転筒フィルタに濾されてこの外周面に付着し、前記回転筒フィルタが前記駆動モータにより回転させられることで前記ブラシにより清掃され、前記塵埃が前記集塵ケース内に蓄積されることを特徴としている。
【0009】
また、前記回転筒フィルタが、同軸上に備えられた弾性部材および前記開口部に備えられたシール部材により前記吸引コンプレッサ側に押し付けられて密着させられたことを特徴としている。
【0010】
また、前記駆動モータおよび前記吸引コンプレッサを所定のスケジュールに従って稼働または休止する制御手段が備えられたことを特徴としている。
【0011】
また、前記集塵ケースは、集塵ケース本体と、この集塵ケース本体を閉塞する着脱可能な集塵ケース蓋と、から構成されたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る研磨搬送リフトでは、集塵機は、塵埃が搬送される集塵ホースが接続された集塵ケースと、この集塵ケースに収納された回転筒フィルタと、この回転筒フィルタの外周面に接触するブラシと、回転筒フィルタに連結された駆動モータと、回転筒フィルタに形成された開口部に連結された吸引コンプレッサと、から構成され、吸引コンプレッサの吸気により集塵ホースから集塵ケース内へ搬送された塵埃が回転筒フィルタに濾されてこの外周面に付着し、回転筒フィルタが駆動モータにより回転させられることでブラシにより清掃され、塵埃が集塵ケース内に蓄積される。
したがって、集塵力が低下することなく、回転筒フィルタの交換時期および塵埃の廃棄時期を長期化させることができる。
【0013】
特に、回転筒フィルタが、同軸上に備えられた弾性部材および開口部に備えられたシール部材により吸引コンプレッサ側に押し付けられて密着させられることが好ましい。
この構成により、回転筒フィルタの集塵力を高めることができる。
【0014】
特に、駆動モータおよび吸引コンプレッサを所定のスケジュールに従って稼働または休止する制御手段が備えられることが好ましい。
この構成により、回転筒フィルタの集塵力を維持することができる。
【0015】
特に、集塵ケースは、集塵ケース本体と、この集塵ケース本体を閉塞する着脱可能な集塵ケース蓋とから構成されていることが好ましい。
この構成により、塵埃の廃棄を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る研磨搬送リフトの一実施形態を説明する概略説明図である。
【図2】集塵機の正面図である。
【図3】集塵機の平面図である。
【図4】集塵機の要部を示す部分断面正面図である。
【図5】集塵機の要部を示す部分断面平面図である。
【図6】集塵機の要部を示す分解斜視図である。
【図7】回転筒フィルタの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
図1において、本実施形態に係る研磨搬送リフト1では、図示しないパチンコ機からアウトした遊技球2が、球通路3を流下して研磨搬送パイプ4に搬送される。研磨搬送パイプ4内では、遊技球2が軸方向に回転する螺旋撹拌具5によって研磨材Aと共に撹拌され、研磨されながら上昇して上部球タンク6へ搬送される。上部球タンク6では、遊技球2が球補給通路8へ搬送され、球補給通路8を流下した遊技球2は再びパチンコ機へ搬送される。一方、遊技球2と分離された研磨材Aは、研磨材通路9内を落下した後、研磨搬送パイプ4内へ搬送され、再び遊技球2を研磨する。同時に、研磨材Aによって遊技球2から除去された図示しない塵埃は、研磨材通路9途中に設けられた集塵機吸い込み口7から集塵ホース23を通って、吸気する集塵機10に集塵される。
【0019】
図2、図3において、集塵機10は研磨搬送リフト1に取り付けられ、集塵部100と、この集塵部100を回動可能に支持する吸引部200とから構成されている。集塵部100は、塵埃が搬送される集塵ホース23が接続された集塵ケース20と、この集塵ケース20に収納された回転筒フィルタ30と、この回転筒フィルタ30の外周面に接触するブラシ40と、回転筒フィルタ30の一端に備えられた駆動モータ50とから構成されている。さらに、集塵部100には集塵部フレーム110が取り付けられている。吸引部200は、回転筒フィルタ30の他端に形成された開口部32a(図7参照)に連通された吸引コンプレッサ60である。この吸引部200には吸引部フレーム160が取り付けられている。
【0020】
集塵部フレーム110は、向かい合う側面板111と、この側面板111の一辺同士を連接する背面板112と、この背面板112の一辺と側面板111の他の一辺同士とを連接する上面板113とから構成されている。なお、図3では理解しやすくするために上面板113が透かして表されている。集塵部フレーム110は、側面板111が一方の側面板111aに貫通して備えられた駆動モータ接続ベース70と、他方の側面板111bに貫通して備えられた吸引コンプレッサ接続ベース80とを介して、両側から集塵ケース20を挟んで支持している。また、上面板113には、集塵ケース20に接続された集塵ホース23を貫通させる貫通孔が形成されている。なお、駆動モータ接続ベース70および吸引コンプレッサ接続ベース80については後述する。
【0021】
図4、図5、図6において、集塵ケース20は、透明な六面体の箱であり、集塵ケース本体21と、この集塵ケース本体21を閉塞する集塵ケース蓋22とから構成されている。集塵ケース20は、集塵ケース本体21と集塵ケース蓋22とを開閉可能とする着脱可能なヒンジ部27が背面側に、開閉時に係止または解除する係止部28が正面側にそれぞれ備えられている。また、集塵ケース20には、集塵ホース23が接続される集塵ホース接続口24が上面側に備えられ、集塵ケース20に収納された回転筒フィルタ30を支持する連通孔25が両側面側にそれぞれ形成されている。これらの連通孔25は、集塵ケース本体21と集塵ケース蓋22との嵌合箇所に同軸上に形成されている。集塵ケース蓋22は、集塵ケース本体21の縁と嵌合する縁に集塵ケースシールゴム26が周回して備えられ、この集塵ケースシールゴム26を介して集塵ケース本体21と嵌合することで、閉塞させた集塵ケース20内の気密性を保たせることができる。集塵ケース蓋22は、一側面側が駆動モータ接続ベース70に、他側面側が吸引コンプレッサ接続ベース80にそれぞれビスで固定されることで集塵部フレーム110に挟まれている。
【0022】
駆動モータ接続ベース70は、略円盤状に形成され、一面の略中央から円筒状の連通支持軸72が突出している。この連通支持軸72の外周にはリング状の連通孔シールゴム90が備えられ、内側には駆動軸73が駆動モータ接続ベース70を貫通し、回転可能に支持されている。連通孔シールゴム90は、集塵ケース20内の気密性を保たせるように、集塵ケース20の側面側に形成された連通孔25に嵌合される。駆動軸73は一端が、回転筒フィルタ30の一端に圧縮して備えられた弾性部材としてのコイルバネ91を介して連結され、他端が、被駆動平歯車74を介して駆動モータ50に連結されている。
【0023】
吸引コンプレッサ接続ベース80は、略円盤状に形成され、一面から円筒状の連通支持口82が突出し、他面に吸引コンプレッサ60の吸気口61(図4参照)に被せる吸気口蓋部83が形成されている。この連通支持口82の外周には、リング状の連通孔シールゴム90、シール部材としてのOリング92および連通支持口側潤滑リング84が備えられ、内側には吸引コンプレッサ接続ベース80を貫通する通風連通路85が形成されている。連通孔シールゴム90は、集塵ケース20内の気密性を保たせるように、集塵ケース20の側面側に形成された連通孔25に嵌合されている。吸引コンプレッサ接続ベース80は、連通支持口82が回転筒フィルタ30の他端に連結され、吸気口蓋部83が吸引コンプレッサ60の吸気口61に被せられている。
【0024】
図2において、集塵ホース23は、一端が集塵ケース20の上面側に備えられた集塵ホース接続口24に接続されてホースバンドで留められ、他端が集塵機吸い込み口7に接続されている(図1参照)。集塵ホース接続口24は、集塵ケース20の上面側を貫通し、集塵ホース23により搬送される塵埃を集塵ケース20内に集塵する。集塵ケース20内で集塵ホース接続口24と対峙する位置には回転筒フィルタ30が備えられる。
【0025】
図6、図7において、回転筒フィルタ30は、軸を形成する中筒31と、この中筒31が挿入された円筒状の筒状スポンジ33と、この筒状スポンジ33を覆う集塵シート34とから構成されている。回転筒フィルタ30は、一端が中筒31の一端である閉塞鍔31aにより閉塞され、他端が中筒31の他端である開口鍔31bにより開口されて形成されている。回転筒フィルタ30は、一端側が駆動モータ接続ベース70に支持された駆動軸73に、他端側が吸引コンプレッサ接続ベース80に形成された連通支持口82にそれぞれ支持されて集塵ケース20内に収納されている。
【0026】
中筒31は、側面が通気性のよい格子状に形成された円筒状の通風軸31cを有し、この通風軸31cにより筒の内側に通風路32が形成されている。通風軸31cの一端に形成された閉塞鍔31aは円盤状に形成され、通風路32の一端を閉塞している。通風軸31の他端に形成された開口鍔31bは円環状に形成され、通風路32の他端に開口部32aを形成している。これらの鍔(31a、31b)は、径が筒状スポンジ33と略同径であり、筒状スポンジ33を両端から挟んでいる。
【0027】
閉塞鍔31aには、凸状軸部35が中心から突出して形成され、この凸状軸部35が駆動モータ接続ベース70に支持された駆動軸73に連結されている。凸状軸部35と駆動軸73との間にはコイルバネ91が圧縮されて備えられている(図4参照)。閉塞鍔31aがこの圧縮されたコイルバネ91の復元力を受けることで、回転筒フィルタ30は吸引コンプレッサ接続ベース80側に押し付けられている。
【0028】
一方、開口鍔31bに開口された通風路32の開口部32aの内周にはフィルタ側潤滑リング36が備えられ、このフィルタ側潤滑リング36が吸引コンプレッサ接続ベース80に形成された連通支持口82の連通支持口側潤滑リング84に回転可能に嵌合される。より具体的には、フィルタ側潤滑リング36の内径と連通支持口側潤滑リング84の外径とが略同一であるため、フィルタ側潤滑リング36の内周に連通支持口側潤滑リング84の外周が嵌合されて両潤滑リングが同心円となる。この両潤滑リングにより、回転筒フィルタ30の回転時の摩擦を低減させる。開口部32aは、縁が連通支持口側潤滑リング84の同軸上に備えられたOリング92により軸方向側からシールされ吸引コンプレッサ接続ベース80に密着させられる。
【0029】
筒状スポンジ33は、円筒状に形成され、通気性のよい弾性体である例えばスポンジなどから構成されている。特に気泡体のスポンジであれば軽量であるため、回転筒フィルタ30を回転させやすくなる。
【0030】
筒状スポンジ33の外周面を覆う集塵シート34は、例えば、紙、布などから構成され、中筒31の両鍔(31a、31b)に結束バンド37で挟まれて固定されている。
【0031】
集塵シート34に接触するブラシ40は、板バネ41に支持されて集塵ケース蓋22の内側で背面側に備えられたヒンジ部27寄りに備えられ、毛先が回転筒フィルタ30の周面の略法線方向に延びて集塵シート34に当たっている。ブラシ40は、全長が回転筒フィルタ30の全長と略同じ長さに形成され、回転筒フィルタ30を覆う集塵シート34の全体を清掃することができる。
【0032】
駆動モータ50は、駆動モータフレーム150が取り付けられ、この駆動モータフレーム150が集塵部フレーム110を構成する側面板111aに取り付けられている。駆動モータ50には駆動平歯車51が備えられ、この駆動平歯車51が駆動モータ接続ベース70の駆動軸73の他端に備えられた被駆動平歯車74とかみ合わされている(図4、図5参照)。
【0033】
図2、図3において、吸引コンプレッサ60は、例えばブロアモータであり、吸引部フレーム160が取り付けられ、この吸引部フレーム160が集塵部フレーム110を構成する側面板111bに取り付けられている。吸引コンプレッサ60には、ファンを回転させて吸気する吸気口61が形成されている(図4参照)。吸気口61は、内周と略同径の円盤状スポンジ62が備えられ(図4参照)、吸引コンプレッサ接続ベース80の吸気口蓋部83(図6参照)が嵌合されている。吸引コンプレッサ60には、圧力センサ63が吸引部フレーム160に取り付けられて備えられている。圧力センサ63は、図示しないコイルバネが挿入されたチューブ64によって吸引コンプレッサ60の吸気口61に接続され、吸気による負圧が規定値に達すると図示しない外部装置などへ信号を出力する出力端子が備えられている。
【0034】
上記のように構成された集塵機10によれば、遊技球2から除去された塵埃は以下のように集塵される。ここで、吸気による空気の流れと塵埃の流れとは経路が同じであるため、理解しやすくするために、それぞれの流れを併せて説明する。
【0035】
図1、図2において、集塵機10を稼働させると、集塵機10を構成する吸引コンプレッサ60がファンを回転させて吸気を開始する。研磨搬送パイプ4内で遊技球2から除去された塵埃は集塵機引き込み口7から集塵ホース23を経由して集塵機10を構成する集塵ケース20内に吸引される。吸引された塵埃は、吸引コンプレッサ60による吸気が集塵ケース20内に収納された回転筒フィルタ30の外側から内側へ向かうため、回転筒フィルタ30を構成する集塵シート34に濾されて付着し、空気のみが回転筒フィルタ30を通過する。通過した空気は、回転筒フィルタ30を構成する格子状の中筒31を通過し、通風路32から吸引コンプレッサ接続ベース80の通風連通路85を通って吸引コンプレッサ60の吸気口61より吸気される(図6、図7参照)。仮に、僅かな塵埃が回転筒フィルタ30を通過した場合であっても、吸気口61には円盤状スポンジ62が備えられているため、吸引コンプレッサ60内に塵埃が入ることがない(図4参照)。
【0036】
図4、図5において、回転筒フィルタ30は集塵ホース接続口24の真下に備えられているため、塵埃が回転筒フィルタ30の周面のうち集塵ホース接続口24に直近した上側の面に蓄積される。回転筒フィルタ30は、駆動モータ50が所定のスケジュールに制御されて駆動することで回転させられ、その回転方向は一端側である駆動モータ50側から見て反時計回りとなる(図中矢印方向)。回転筒フィルタ30が回転すると、蓄積された塵埃の一部は、重力によって落下して集塵ケース20内に蓄積される。回転筒フィルタ30が更に回転すると、落下しなかった残りの塵埃は、この集塵シート34の全体に当たるように備えられたブラシ40によって清掃される。ブラシ40によって清掃され、集塵シート34から剥離された塵埃は集塵ケース20内に蓄積される。
【0037】
回転筒フィルタ30が回転している間、すなわち、駆動モータ50が駆動している間は、吸引コンプレッサ60が所定のスケジュールに制御されてファンの回転を停止する。
【0038】
駆動モータ50および吸引コンプレッサ60の制御は、制御手段としての例えばタイマーリレーやシーケンサーなどによって行い、所定の時刻となった場合や所定の時間が経過した場合など、あらかじめ設定したスケジュールに従って稼働、休止するようにする。例えば、吸引コンプレッサ60を6時間毎に1分間休止させ、その間に駆動モータ50を10回転または15秒間稼働させる、などのスケジュールを組む。更に、圧力センサ63による信号に基づいて制御することも可能である。なお、手動によるスイッチのオンまたはオフによる制御も可能である。また、制御手段は、ホールコンピュータに備えられていてもよい。
【0039】
集塵ケース20は、集塵ケース本体21と集塵ケース蓋22とから構成され、これらは着脱可能であるため、塵埃が蓄積された集塵ケース本体21を集塵ケース蓋22から外して容易に塵埃を廃棄することができる。具体的には、集塵ケース20の正面側に備えられた係止部28を解除し、集塵ケース本体21を集塵ケース蓋22に対し横向きにスライドすることで集塵ケース20の背面側に備えられたヒンジ部27を雄側と雌側とに分離する。このように、集塵ケース本体21を集塵ケース蓋22から簡単に外すことが出来る。外した集塵ケース本体21を水などで洗浄した後、再び元に戻す。
【0040】
集塵シート34は、ブラシ40により清掃されるため目詰まりが防止されるが、塵埃による汚れが目立つ場合は交換することができる。集塵シート34は結束バンド37で挟まれて固定されているため、結束バンド37を外せば新たな集塵フィルタへ容易に交換することができる。なお、集塵フィルタ34の交換は、回転筒フィルタ30ごと行ってもよい。
【0041】
上記したように、本実施形態に係る集塵機10は、回転筒フィルタ30が回転させられて集塵シート34がブラシ40によって清掃される。したがって、集塵シート34の目詰まりが防止され、集塵力が低下せず、集塵シート34の交換時期および塵埃の廃棄時期を6カ月程度に長期化させることができる。
【0042】
集塵ケース20は、集塵ケース蓋22の縁に、集塵ケース本体21の縁と嵌合する集塵ケースシールゴム26が周回して備えられ、内側に備えられた回転筒フィルタ30を両側面側で支持する連通孔25が、駆動モータ接続ベース70および吸引コンプレッサ接続ベース80に備えられた連通孔シールゴム90によってシールされる。したがって、集塵ケース20内の気密性が保たれ、集塵機10の集塵力を高めることができる。
【0043】
さらに、回転筒フィルタ30は、一端に中筒31の閉塞鍔31aが形成されて駆動モータ接続ベース70との間にコイルバネ91が圧縮されて備えられ、他端に中筒31の開口鍔31bが形成されてOリング92により吸引コンプレッサ接続ベース80との間がシールされている。この構成により、回転筒フィルタ30は、一端側からコイルバネ91の復元力によって押され、Oリング92によってシールされた他端側が吸引コンプレッサ接続ベース80に密着させられる。したがって、吸気による空気が開口鍔31bに形成された開口部32aから漏れることがなく、集塵機10の集塵力をさらに高めることができる。
【0044】
また、回転筒フィルタ30が吸引コンプレッサ接続ベース80に密着させられても、回転筒フィルタ30は、開口部32aの内周に備えられたフィルタ側潤滑リング36と、吸引コンプレッサ接続ベース80の連通支持口82に備えられた連通支持口側潤滑リング84とが回転可能に嵌合されているため、回転時の摩擦が低減されて容易に回転することができる。
【0045】
また、回転筒フィルタ30の集塵シート34は、筒状スポンジ33が吸気によって縮径することなく筒状の一定形状に保たれているため、この筒状スポンジ33により弛むことなく内側から径方向に張られた状態に維持されて塵埃を確実に付着させることができる。
【0046】
また、回転筒フィルタ30の回転方向は一端側である駆動モータ50側から見て反時計回りであるが、時計回りであってもよい。ただし、時計回りとすると、ブラシ40が受け皿となって、集塵フィルタに蓄積された塵埃が重力によって落下するのが妨げられ、清掃効率が落ちる場合がある。この場合であっても、ブラシ40の位置を、例えば集塵ケース20の内側で、正面側に備えられた係止部28寄りに変更することで、清掃効率を維持することができる。すなわち、回転筒フィルタ30の回転方向およびブラシ40の位置は、清掃効率が妨げられなければ、その回転方向および位置を適宜変更することできる。
【0047】
また、本実施形態には制御手段が備えられているため、回転筒フィルタ30の回転方向およびブラシ40の位置を変更しなくても、スケジュールを調節して回転筒フィルタ30の回転回数や回転時間を増やすことで清掃効率を維持することができる。
【0048】
駆動モータ50および吸引コンプレッサ60は、稼働および休止が所定のスケジュールによって制御され、駆動モータ50が回転することで回転筒フィルタ30の集塵シート34がブラシ40によって定期的に清掃される。したがって、目詰まりが防止されて集塵機10の集塵力を維持することができる。
【0049】
以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。そして本発明は、特許請求の範囲に記載された事項を逸脱することがなければ、種々の設計変更を行うことが可能である。
【符号の説明】
【0050】
研磨搬送リフト 1
遊技球 2
球通路 3
研磨搬送パイプ 4
螺旋撹拌具 5
上部球タンク 6
集塵機吸い込み口 7
球補給通路 8
研磨材通路 9
集塵機 10
集塵ケース 20
集塵ケース本体 21
集塵ケース蓋 22
集塵ホース 23
集塵ホース接続口 24
連通孔 25
集塵ケースシールゴム 26
ヒンジ部 27
係止部 28
回転筒フィルタ 30
中筒 31
閉塞鍔 31a
開口鍔 31b
通風軸 31c
通風路 32
開口部 32a
筒状スポンジ 33
集塵シート 34
凸状軸部 35
フィルタ側潤滑リング 36
結束バンド 37
ブラシ 40
板バネ 41
駆動モータ 50
駆動平歯車 51
吸引コンプレッサ 60
吸気口 61
円盤状スポンジ 62
圧力センサ 63
チューブ 64
駆動モータ接続ベース 70
連通支持軸 72
駆動軸 73
被駆動平歯車 74
吸引コンプレッサ接続ベース 80
連通支持口 82
吸気口蓋部 83
連通支持口側潤滑リング 84
通風連通路 85
連通孔シールゴム 90
コイルバネ 91
Oリング 92
集塵部 100
集塵部フレーム 110
側面板 111(111a、111b)
背面板 112
上面板 113
駆動モータフレーム 150
吸引部フレーム 160
吸引部 200
研磨材 A

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球を研磨材により研磨しながら搬送し、前記研磨により除去された塵埃を集塵する集塵機が備えられた研磨搬送リフトにおいて、
前記集塵機は、前記塵埃が搬送される集塵ホースが接続された集塵ケースと、この集塵ケースに収納された回転筒フィルタと、この回転筒フィルタの外周面に接触するブラシと、前記回転筒フィルタに連結された駆動モータと、前記回転筒フィルタに形成された開口部に連結された吸引コンプレッサと、
から構成され、
前記吸引コンプレッサの吸気により前記集塵ホースから前記集塵ケース内へ搬送された前記塵埃が前記回転筒フィルタに濾されてこの外周面に付着し、前記回転筒フィルタが前記駆動モータにより回転させられることで前記ブラシにより清掃され、前記塵埃が前記集塵ケース内に蓄積される、
ことを特徴とする研磨搬送リフト。
【請求項2】
前記回転筒フィルタが、同軸上に備えられた弾性部材および前記開口部に備えられたシール部材により前記吸引コンプレッサ側に押し付けられて密着させられた、
ことを特徴とする請求項1に記載の研磨搬送リフト。
【請求項3】
前記駆動モータおよび前記吸引コンプレッサを所定のスケジュールに従って稼働または休止する制御手段が備えられた、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の研磨搬送リフト。
【請求項4】
前記集塵ケースは、集塵ケース本体と、この集塵ケース本体を閉塞する着脱可能な集塵ケース蓋と、から構成された、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の研磨搬送リフト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−52004(P2013−52004A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−190272(P2011−190272)
【出願日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(390025586)株式会社大都製作所 (12)
【Fターム(参考)】