説明

破断紙復活手品具

【課題】 観者に破断した新聞紙やポスターなどの大判紙が再生したかのように感じさせることのできる破断紙復活の手品を容易に実演することのできる破断紙復活手品具を提供する。
【解決手段】 破断紙復活手品具1は、両面に粘着部20を有する取着板2と、該取着板2の一端において、該取着板2の表面及び裏面に対して接離するように回動可能に取付けられた挟持部材3と、を備え、該挟持部材3を回動させて前記取着板2の表面或いは裏面に近接させたとき、当該挟持部材3が前記取着板2から離隔しないように固定可能とされていることとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、破断した紙が恰も再生したかのように観者に感じさせることのできる破断紙復活手品具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、新聞紙やポスターなどの大判紙を破断した後に、破断した大判紙を破断する前の状態に一瞬にして再生する破断紙復活に関する手品が知られている。この手品には様々な手法がある。
【0003】
例えば、演技者は予め二枚の大判紙を用意して、一方を小さく折り畳み、もうひとつの大判紙の裏に隠し持っておく。この二枚の大判紙については、実際に破く方を破断紙といい、この破断紙を破った後に破断紙とすり替えて観者に見せる破かない大判紙を以下、非破断紙という。そして上記のように非破断紙を隠し持ち、他方の破断紙を観者に見せ破る。そして非破断紙を広げつつ、その陰で破いた破断紙を裏に隠してすり替えてしまう。尚、この際、非破断紙に、別の大判紙の一部を切り貼りして作った隠しポケットを設けておき、その中にすり替えの大判紙を隠す方法がある。この方法は、糊や鋏を使った工作が前もって必要で、準備が大変であった。
【0004】
又、従来、この大判紙復活の手品具に関する発明及び考案は無いものの、特開2008−73352号公報「手品具」の如く、ケースの中に差し込まれたクレジットカードや名刺などの紙片の一部分を消して、切り離したように見せた後に、元の状態の紙片に再生するという不思議さを観者に与えることのできる手品具は提案されている。
【特許文献1】特開2008−73352号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の破断紙復活手品の実演方法は、破断紙と非破断紙とを観者に悟られずにすり替える動作に熟練を要するため、熟練者でなくとも容易に手品を実演することのできる新しい手品具が求められていた。
【0006】
又、特許文献1の提案は、ケース内にクレジットカードや名刺などの紙片を入れて実演するものであるため、新聞紙やポスターなどの大判紙に比べて小さい紙を対象とするものであった。又、それは特殊なケースの中で行われるものであって、日常品に見えるものだけを使って行うものではなかった。
【0007】
そこで、本発明は、観者に破断した新聞紙やポスターなどの大判紙が再生したかのように感じさせることのできる破断紙復活の手品を容易に実演することのできる破断紙復活手品具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の破断紙復活手品具は、両面に粘着部を有する取着板と、該取着板の一端において、該取着板の表面及び裏面に対して接離するように回動可能に取付けられた挟持部材と、を備え、該挟持部材を回動させて前記取着板の表面或いは裏面に近接させたとき、当該挟持部材が前記取着板から離隔しないように固定可能とされているものである。
【0009】
そして、前記挟持部材は、連結板を介して前記取着板に取付けられているものである。又、この破断紙復活手品具は、前記連結板が、前記取着板に対して略垂直となるまで回動可能に取付けられ、前記挟持部材が、前記連結板に対して略垂直となるまで回動可能に取付けられているものである。
【0010】
そして、この破断紙復活手品具は、前記挟持部材が、可塑性材料から成る連結部材を介して前記取着板に取付けられていることもある。
【0011】
更に、この破断紙復活手品具は、前記挟持部材に、迷彩部が形成されているものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、二枚の大判紙のうち一方を折り畳み、他方を広げて、予め折り畳まれた非破断紙を破断紙復活手品具の挟持部材と取着板とによって挟持すると共に、当該破断紙復活手品具の取着板の両面を夫々折り畳まれた非破断紙、及び、これから破断する広げられた破断紙に取着しておき、破断紙を破断して小さく折り畳み、非破断紙を挟持している挟持部材を破断紙側へ回動して、非破断紙の挟持状態を解放すると共に破断紙を挟持し、その後非破断紙を広げることで、観者に破断した大判紙が再生したかのように感じさせることのできる手品を容易に実演することができる。
【0013】
そして、挟持部材が、取着板に対して略垂直となるまで回動して固定される連結板を介して、該連結板に対して略垂直となるまで回動して固定されるように形成されているため、折り畳まれた非破断紙或いは破られて重ねられた破断紙を確実に挟持することができる。
【0014】
そして、挟持部材を可塑性材料から成る連結部材を介して取着板に取付ければ、連結部材を変形させることで、挟持部材を取着板に近接させるように回動させて折り畳まれた非破断紙或いは破られて重ねられた破断紙を挟持した状態で固定させておくことができる。
【0015】
又、挟持部材には迷彩部が形成されているため、観者に手品の仕掛けを悟られ難くすることができ、より容易に手品を実演することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明を実施するための最良の形態の破断紙復活手品具1は、両面に粘着部20を有する取着板2と、該取着板2の一端において、該取着板2の表面及び裏面に対して接離するように回動可能に取付けられた挟持部材3と、を備え、該挟持部材3を回動させて取着板2の表面或いは裏面に近接させたとき、当該挟持部材3が取着板2から離隔しないように固定可能とされているものである。
【0017】
そして、挟持部材3は、連結板30を介して取着板2に取付けられているものである。又、この破断紙復活手品具1は、連結板30が、取着板2に対して略垂直となるまで回動可能に取付けられ、挟持部材3が、連結板30に対して略垂直であって、挟持部材3と連結板30とのなす角が僅かに鋭角となって挟持部材3の先端が取着板2に当接するまで回動可能に取付けられているものである。
【0018】
更に、この破断紙復活手品具1は、矩形平板である挟持部材3の一方の面に、迷彩部32が形成されているものである。
【実施例】
【0019】
以下、本発明の実施例を図に基づいて詳説する。図1は本発明の実施例に係る破断紙復活手品具1の外観を示す斜視図である。破断紙復活手品具1は、図1に示すように、取着板2と、該取着板2の一端である下端部において、取着板2の両面(表面及び裏面)に対して接離するように回動可能に取付けられた挟持部材3と、を備えているものである。尚、本実施形態において接離とは、接近或いは当接させたり離隔させたりすることをいう。
【0020】
そして、この取着板2は、H字状の薄板であり、又、矩形状の薄板として形成される挟持部材3は、両端に回転軸を保持する回転軸保持部を有する矩形状の薄板である連結板30を介して取着板2に取付けられているものである。
【0021】
そして、この取着板2の両面(表面及び裏面)における上部及び下部には粘着性を有するジェルシートや両面テープなどから成る粘着層が貼着された粘着部20が形成されている。尚、この粘着部20を、水分を含ませることで粘着性を回復可能なジェルシートで形成すれば、粘着部20を取り替えることなく何度でも手品を行うことができるため好適である。
【0022】
又、連結板30は、一端が取着板2の下端部に枢結され、他端に挟持部材3が枢結されているものである。そして、連結板30は、取着板2に対して略垂直となるまで回動可能に取付けられ、挟持部材3は、連結板30に対して略垂直となるまで回動可能に取付けられている。更に、連結板30は取着板2に対して略垂直となったときに固定され、挟持部材3は連結板30に対して略垂直となったときに固定されるようになっている。
【0023】
図2は、本発明の実施例に係る破断紙復活手品具1の枢結部の側面断面図である。連結板30の枢結部となる両端には、回転軸を保持する回転軸保持部35が形成されている。又、この回転軸保持部35は、弾性部材から成り扁平円筒状であって、突起部36が連結板30の側面視四隅近傍から外方に突出するように配設されている。
【0024】
そして、回転軸保持部35が連結板30の両端面において扁平となるように形成されているため、図2(a)に示すように、取着板2或いは挟持部材3が、連結板30と平行となるように配置されている状態或いはその周辺に配置されている状態にあっては、取着板2或いは挟持部材3の連結板30側の端面が連結板30の回転軸保持部35に接触されておらず、取着板2及び挟持部材3を軽い力で回動させることができる。
【0025】
これに対して、回転軸保持部35に突起部36が連結板30の側面視四隅近傍に形成されているため、図2(b)、(c)に示すように、取着板2或いは挟持部材3を連結板30に対して略垂直となるように回動させた状態或いはその周辺に配置されている状態にあっては、取着板2或いは挟持部材3の連結板30側の端面が回転軸保持部35の突起部36を押圧している。
【0026】
したがって、取着板2或いは挟持部材3が連結板30に対してなす角が90度近傍となっている状態にあっては、連結板30の回転軸保持部35の突起部36と取着板2或いは挟持部材3の端面が係合することで、突起部36の弾性力により取着板2或いは挟持部材3を押圧して、その回動状態が維持されるように固定されることとなる。
【0027】
このように、取着板2に対して連結板30を約90度回動させ、更に同一方向に連結板30に対して挟持部材3を約90度回動させることで、取着板2の粘着部20の形成される面のうちの何れか一方の面(表面或いは裏面)に挟持部材3を近接させてその状態を維持するように固定することができるため、この取着板2と挟持部材3とで、複数枚の紙が重ねられた紙の束を挟持させた際にも挟持部材3が取着板2から離隔しないように固定することができる。
【0028】
尚、挟持部材3及び取着板2の連結板30に対する回動範囲は、夫々連結板30に対してなす角が90度となるまで回動可能としているも、連結板30とのなす角が僅かに鋭角となるように枢結部を形成することが好適である。
【0029】
具体的には、図2(b)、(c)に示したように、挟持部材3及び取着板2の回動範囲は、枢結部側の挟持部材3及び取着板2の一方の角部が連結板30の一方の面と係合することで制限されることとなるが、挟持部材3及び取着板2の少なくとも一方、或いは、両方とも連結板30とのなす角が略垂直であるも僅かに鋭角となるまで回動させて挟持部材3の先端が取着板2に当接されるように当該枢結部を形成すれば、少ない枚数の紙の束であっても確実に挟持部材3と取着板2とで紙の束を挟持することができる。
【0030】
そして、図1に示したように、挟持部材3の一方の面には、迷彩部32が形成されている。この迷彩部32は、大判紙の文字列や模様に対応させた紙やシートを貼着することで形成されるものである。即ち、手品に用いる大判紙に新聞紙の株価欄を用いることとすれば、この迷彩部32は、新聞紙の株価欄の一部を切り抜いて貼着することで形成することが好適である。
【0031】
以下、この破断紙復活手品具1を用いて手品を実演する手順について説明する。図3乃至図5は、本発明の実施例に係る破断紙復活手品具1の準備手順を説明する図であり、図6乃至図8は、本発明の実施例に係る破断紙復活手品具1の実演手順を説明する図である。
【0032】
手品を実演する前の準備として演技者は、予め二枚の大判紙を用意しておく。この大判紙は、同一のものが好ましいが、二枚の大判紙が観者にとって違うものであるということが認知されなければよいため、例えば、新聞紙の株価欄などを用いれば、同一のものでなくともよい。
【0033】
そして、用意した二枚の大判紙のうち非破断紙を折り畳んで小さくしておき、破断紙復活手品具1の取着板2の一方の面に貼着させると共に、挟持部材3と取着板2とで挟持し、更に、取着板2の他方の面を破断紙に貼着させておく。
【0034】
この準備手順の詳細については、図3(a)に示すように、先ず非破断紙40が例えば1区画の横幅が非破断紙40の横幅の1/8となり、且つ、1区画の縦幅が非破断紙40の縦幅の1/4となって、非破断紙40の全体が32区画に区分されるように、非破断紙40に折り目をつけておく。ここで、図に示す区画中の番号は、非破断紙40の区画を示す番号であり、区画の表面は番号のみで表し、裏面は対応する区画番号にrを付記して表すこととして以下説明する。又、破断紙及び非破断紙には新聞紙を用いることとする。
【0035】
そして、図3(a)に示すように、非破断紙40を広げ左右幅中央の折り目を摘み上げ中央部を右側に折り曲げることで図3(b)に示すように、区画17〜20と区画21〜24とを対向させると共に区画13r〜16rと区画17r〜20rとを対向させるように当該非破断紙40を折り畳む。
【0036】
次に、図3(b)に示すように、区画9〜12と区画13〜16との境界線を折り目として非破断紙40の左側を右側に揃えるように折り曲げることで、図3(c)に示すように、非破断紙40の区画9〜12と区画13〜16とを対向させる。
【0037】
又、区画13r〜16rと区画17r〜20rとが接触している状態(即ち、左側1/3が断面M字状の積層構造となっている状態)を維持したまま、区画5r〜8rと区画9r〜12rとが対向するように非破断紙40の左側1/3を右側に折り畳み、図3(d)に示すように、そのまま全体を横方向に引っ繰り返す。
【0038】
更に、図3(e)に示すように、引っ繰り返した非破断紙40の左側半分を右側に折って、図4(a)に示すように、当該非破断紙40の区画25r〜28rと区画29r〜32rとを対向させる。
【0039】
そして、図4(a)に示すように、下側1/4を上側に折り畳み、図4(b)に示すように、区画3rと区画4rとを対向させ、更に下側1/3を上側に折り畳んで図4(c)に示すように区画2rと区画24rとを対向させる。
【0040】
次いで、図4(c)に示すように、横方向に非破断紙40を引っ繰り返し、図4(d)に示すように、上半分を下側に折って、図4(e)に示すように、区画21rと区画22rとを対向させる。
【0041】
そして、図4(e)に示すように、折り畳まれた大判紙の手前の一枚を右斜め上方に折って、図4(f)に示すように、三角形状の斜め折り曲げ部41を形成し、更に、次の一枚を僅かに右斜め上方に折って、図4(g)に示すように、三角形状の斜め折り曲げ部41を形成する。
【0042】
尚、折り畳む方法については、折り畳まれた非破断紙40を実演の際に後述するように瞬時に広げることができればよいため、上記の例に限ることなく、様々な方法を採用することができる。
【0043】
そして、このように折り畳まれた非破断紙40を、図5(a)に示すように、迷彩部32が形成される挟持部材3と同じ側の面における取着板2の粘着部20に、非破断紙40の下辺と取着板2の下辺とが揃うようにして取付ける。そして、図5(b)に示すように、迷彩部32と非破断紙40とが対向するように、挟持部材3及び連結板30を回動させて、図5(c)に示すように、挟持部材3と取着板2とで非破断紙40を挟持する。
【0044】
準備の最後に、図5(d)に示すように、8区画に区分されるように折り目のつけられた破断するための大判紙である破断紙50の左下の区画中右上近傍に非破断紙40を挟持する破断紙復活手品具1の取着板2の粘着部20を貼着させることにより、破断紙50に破断紙復活手品具1を取付ける。
【0045】
次に、実演の手順を図6乃至図8を参照して以下説明する。尚、図6乃至図8中の図6(b)及び図7(d)を除く図は演技者側から見た図であって、図6(b)及び図7(d)のみが観者側から見た図である。実演の手順としては、上記のごとく非破断紙40を折り畳み、非破断紙40を挟持させた破断紙復活手品具1の取着板2の両面に夫々非破断紙40及び破断紙50を貼着させた状態で、図6(a)、(b)に示すように、破断紙50を広げるように破断紙50の両側上端部を両手で摘んで、非破断紙40を挟持する破断紙復活手品具1が演技者側に配置されるように持つ。
【0046】
そして、図6(c)に示すように、観者に破断紙復活手品具1が見えないように破断紙50を中央で破断させて破断紙50を二分する。そして、破断紙復活手品具1の取付けられていない破断紙50を観者側(演技者側から見て向こう側)に重ねて、全体を90度回転させ、図6(d)に示すように、更に破断紙50を二分するように破断させる。又、同様に、破断紙復活手品具1の取付けられていない右手に持っている破断紙50を観者側に重ねて90度回転させ、図6(e)に示すように破断紙50を破断する。
【0047】
そして、三度破断した破断紙50のうち右手に持っている破断紙50の束(破断紙復活手品具1の取付けられた破断紙50の束でない方)を観者側に重ね、その状態で、図7(a)に示すように、破断紙50の左側を破断紙復活手品具1の向こう側に折り、図7(b)に示すように、左手の親指で非破断紙40を押さえると共に右手の親指で破断紙復活手品具1の挟持部材3を手前側に引いて、連結板30と挟持部材3とを下げる。
【0048】
更に、図7(c)に示すように、両手の中指、薬指、小指を破断紙復活手品具1の手前側にまわして、これらの指を使って、挟持部材3及び連結板30を演技者側から見て向こう側へ折り返すと、非破断紙40の破断紙復活手品具1による挟持状態が解放されて、逆に破断紙50の下部が向こう側に折り曲げられると共に破断紙50の束が破断紙復活手品具1の取着板2と挟持部材3とで挟持されることとなる。
【0049】
このとき、破断紙50は小さく折り畳まれているが、観者側からは、図7(d)に示すように、非破断紙40及び破断紙復活手品具1が破断紙50によって隠された状態となっている。又、観者から挟持部材3が見えることとなるが、観者から見える挟持部材3の面には迷彩部32が形成されているため、観者が手品の仕掛けを認知することは容易ではない。
【0050】
そして、図8(a)に示すように、非破断紙40の斜め折り曲げ部41を両手で夫々掴むと共に、残りの指で破断紙50を挟持している破断紙復活手品具1を支える。
【0051】
ここで、破断紙50に息を吹きかけたり破断紙50の上端部を指で叩くなど、おまじないをかける演技をした後、破断紙50を挟持している破断紙復活手品具1を離しながら、斜め折り曲げ部41を持って両手を広げれば、図8(b)に示すように、折り畳まれていた非破断紙40が瞬時に広がって、挟持部材3が上側となるように破断紙復活手品具1が演技者側に配置されることとなる。したがって、観者からは非破断紙40によって、破断紙50を挟持し非破断紙40に取付けられている破断紙復活手品具1が見えず、観者は破断したはずの大判紙が一瞬で元の状態に再生したかのように感じられることとなる。
【0052】
このように、二枚の大判紙のうち一方を折り畳み、他方を広げて、予め折り畳まれた非破断紙40を破断紙復活手品具1の挟持部材3と取着板2とによって挟持すると共に、当該破断紙復活手品具1の取着板2の両面を夫々折り畳まれた非破断紙40、及び、これから破断する広げられた破断紙50に取着しておき、破断紙50を破断して小さく折り畳み、非破断紙40を挟持している挟持部材3を破断紙50側へ回動して、非破断紙40の挟持状態を解放すると共に破断紙50を挟持し、その後非破断紙40を広げることで、観者に破断した大判紙が再生したかのように感じさせることのできる手品を容易に実演することができる。
【0053】
尚、実演及び準備の際に、破断紙復活手品具1以外の道具(例えば、糊や鋏など)を要することもないため、様々な場所で手軽に演技を行うことができる。更に、手品具を見せずに、日常よく用いる新聞やポスターなどの大判紙だけを相手に見せて手品を行うことができるため、より観者を驚かせることができる
【0054】
そして、挟持部材3が、取着板2に対して略垂直となるまで回動して固定される連結板30を介して、該連結板30に対して略垂直となるまで回動して固定されるように形成されているため、折り畳まれた非破断紙40或いは破られて重ねられた破断紙50を確実に挟持することができる。又、挟持部材3には迷彩部32が形成されているため、観者に手品の仕掛けを悟られ難くすることができ、より容易に手品を実演することができる。
【0055】
又、本発明は、以上の実施例に限定されるものでなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で自由に変更、改良が可能である。例えば、取着板2は、両面に粘着部20を有し、一端に挟持部材3が回動可能に取付けられていればよいため、H字状の薄板として形成する場合に限定されることはない。
【0056】
又、挟持部材3を、連結板30を介して取付けることで、二段ジョイントで回動可能とする場合に限ることなく、断面Y字状の薄板の挟持部材を取着板2の端部に設ければ、取着板2の両面のうち何れか一方の面(表面或いは裏面)に回動させたときに、先端で紙の束を取着板2側に押圧して当該紙の束を挟持させることができる。更に、挟持部材3を可塑性材料で形成し、演技の際に挟持部材3を変形させて破断紙50或いは非破断紙40を挟持させてもよい。
【0057】
更に、挟持部材3は、取着板2の両面のうち何れか一方の面(表面或いは裏面)に近接させたときに固定されるように形成されていればよいため、上述のごとく扁平円筒形状の回転軸保持部35に突起部36を設けて、突起部36を弾性変形させることにより、挟持部材3を回動させた状態で維持する場合に限ることなく、固定するための種々の機構を採用することができる。
【0058】
そして、この破断紙復活手品具1は、挟持部材3が、手で力を加えて変形させ、その変形状態が維持される針金や薄肉金属板のような可塑性材料から成る連結部材を介して取着板2に取付けられていることもある。
【0059】
このように、挟持部材3を可塑性材料から成る連結部材を介して取着板2に取付ければ、連結部材を変形させることで、挟持部材3を取着板2に近接させるように回動させて折り畳まれた非破断紙40或いは破られて重ねられた破断紙50を挟持した状態で固定させておくことができるため、上述と同様に、観者に破断した大判紙が再生したかのように感じさせることのできる手品を容易に実演することができる。
【0060】
又、上述のように、挟持部材3の一方の面に、大判紙に記載された文字列や模様に対応する紙やシートを貼着することで迷彩部32を形成せずに、挟持部材3の一方の面を大判紙と近似する色彩を施すのみとしても、両手で挟持部材3を覆うことで十分にカムフラージュすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の実施例に係る破断紙復活手品具の外観を示す斜視図。
【図2】本発明の実施例に係る破断紙復活手品具の枢結部の側面断面図。
【図3】本発明の実施例に係る破断紙復活手品具の準備手順を説明する図。
【図4】本発明の実施例に係る破断紙復活手品具の準備手順を説明する図。
【図5】本発明の実施例に係る破断紙復活手品具の準備手順を説明する図。
【図6】本発明の実施例に係る破断紙復活手品具の実演手順を説明する図。
【図7】本発明の実施例に係る破断紙復活手品具の実演手順を説明する図。
【図8】本発明の実施例に係る破断紙復活手品具の実演手順を説明する図。
【符号の説明】
【0062】
1 破断紙復活手品具 2 取着板
3 挟持部材 20 粘着部
30 連結板 32 迷彩部
35 回転軸保持部 36 突起部
40 非破断紙 41 斜め折り曲げ部
50 破断紙


【特許請求の範囲】
【請求項1】
両面に粘着部を有する取着板と、
該取着板の一端において、該取着板の表面及び裏面に対して接離するように回動可能に取付けられた挟持部材と、を備え、
該挟持部材を回動させて前記取着板の表面或いは裏面に近接させたとき、当該挟持部材が前記取着板から離隔しないように固定可能とされていることを特徴とする破断紙復活手品具。
【請求項2】
前記挟持部材は、連結板を介して前記取着板に取付けられ、
前記連結板が、前記取着板に対して略垂直となるまで回動可能に取付けられ、前記挟持部材が、前記連結板に対して略垂直となるまで回動可能に取付けられていることを特徴とする請求項1に記載の破断紙復活手品具。
【請求項3】
前記挟持部材は、可塑性材料から成る連結部材を介して前記取着板に取付けられていることを特徴とする請求項1に記載の破断紙復活手品具。
【請求項4】
前記挟持部材に、迷彩部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の破断紙復活手品具。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−69105(P2010−69105A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−241629(P2008−241629)
【出願日】平成20年9月19日(2008.9.19)
【出願人】(391010529)株式会社テンヨー (33)