説明

硫酸アルミニウムの製造方法

【課題】
無機系不純物および有機系不純物を含んだ回収アルミニウムスラッジから、簡便なプロセスで含有する無機系不純物および有機系不純物を効率よく除去できる硫酸アルミニウムの製造方法を提供する。
【解決手段】
アルミニウム含有廃液処理により得られる、有機物と無機系酸化物を不純物として含む回収水酸化アルミニウムスラッジと、硫酸とを反応させ、硫酸アルミニウムを製造する方法であって、その方法が、不純物除去工程として、pH1.5以下へのpH調整工程および塩析処理工程を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミニウム含有廃液処理により得られる無機系不純物および有機系不純物を含んだ回収アルミニウムスラッジから硫酸アルミニウムを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アルミニウムのアルマイト処理工程においては、アルミニウム素地表面に付いた傷等を落としてアルミニウム表面を滑らかにするため苛性ソーダ溶液でアルミニウムをエッチングすることが行われる。また、アルミニウム箔を使用したコンデンサーの製造工程においては、実行面積を大きくするため箔の表面を粗面化するエッチングが行われる。
【0003】
このようなエッチング工程からの廃液としてアルミニウムイオンが含まれており、廃水処理工程へ送られ、中和処理されるときに水酸化アルミニウムの沈殿物が生ずる。これらの廃液(スラリー)は、通常アクリルアミドなどの高分子凝集剤を添加してフロックを作り、脱水してアルミニウムスラッジとしている。
【0004】
このスラッジは、通常、水分70〜90%、AlOHが10〜25%、無機系不純物0.1〜6%および有機系不純物が0.1〜8%の組成からなっている。このようなアルミニウムスラッジは、環境保全および資源の有効利用の観点から、一般に硫酸アルミニウム水溶液の合成などにその利用が試みられている。
【0005】
従来のアルミニウムスラッジから硫酸アルミニウムを製造する方法としては、たとえば特許文献1に示されている。この方法によると、可溶性ケイ酸分を含むアルミニウムスラッジに硫酸を加えて硫酸アルミニウムを製造する方法において、アルミニウムに対する硫酸のモル比がSO2−/Alで2.1〜2.5になるよう調製することによりケイ酸分などを不溶解分として分離除去する。
【0006】
また特許文献2には、高分子凝集剤に起因するアンモニア性窒素を含むアルミニウムスラッジから硫酸アルミニウムを製造する方法が記載されている。この方法によると、アンモニア性窒素を明礬(NHAl(SO、NHFe(SO)として析出させ除去することが可能と記載されている。
【0007】
また特許文献3には、有機物質を含む酸化アルミニウムから硫酸アルミニウムを製造する方法が記載されている。この方法によると、酸化アルミニウムと硫酸を70℃以上で反応開始させ、さらに放出される反応熱により120℃〜200℃に上昇させ、有機物を炭化させることにより不溶性の物質とし、濾過等により除去することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開昭54−157792号公報
【特許文献2】特開昭53−29298号公報
【特許文献3】特開平10−29817号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1の方法では、必ずしもケイ酸分などの不純物の除去が十分ではなく、また有機系不純物の除去は考慮されていないため、有機系不純物除去のための別工程が必要となるがその方法は提示されていない。
【0010】
特許文献2の方法では、高分子凝集剤が存在している場合、硫酸アルミニウムを製造する工程で、高分子凝集剤は分解、低分子化など種々の反応が生じ種々の形態の有機物が生ずる。上記特許文献2の方法ではアンモニア性窒素の一部は明礬として除去できるが、他の形態の有機物の除去は困難である。
【0011】
特許文献3の方法では、溶液の沸点を超えると加圧になるため、装置的に費用がかかること、均一にまた完全に炭化することが難しいため、有機物質の除去が十分でなくまたバラツキが生ずることなどの欠点を有している。
【0012】
本発明の目的は、無機系不純物および有機系不純物を含んだ回収アルミニウムスラッジから硫酸アルミニウムを製造する方法を提供するものであり、簡便なプロセスで含有する無機系不純物および有機系不純物を効率よく除去できる硫酸アルミニウムの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、アルミニウム含有廃液処理により得られる、有機物と無機系酸化物を不純物として含む回収水酸化アルミニウムスラッジと、硫酸とを反応させ、硫酸アルミニウムを製造する方法であって、その方法が、不純物除去工程として、pH1.5以下へのpH調整工程および塩析処理工程を含むことを特徴とする硫酸アルミニウムの製造方法を提供する。
【0014】
また、本発明は、前記不純物除去工程として、さらに有機物の気化・蒸発工程を含むことを特徴とする前記記載の硫酸アルミニウムの製造方法を提供する。
【0015】
また、本発明は、前記不純物除去工程として、pH1.5以下へのpH調整工程、塩析処理工程および気化・蒸発工程を共に含むことを特徴とする前記記載の硫酸アルミニウム製造方法を提供する。
【0016】
また、本発明は、前記有機物が、高分子凝集剤および/または高分子凝集剤由来のものであることを特徴とする前記記載の硫酸アルミニウムの製造方法を提供する。
【0017】
また、本発明は、前記無機系酸化物が、シリコン系化合物であることを特徴とする前記記載の硫酸アルミニウムの製造方法を提供する。
【0018】
また、本発明は、前記塩析処理工程において、アルミニウムイオン濃度および硫酸イオン濃度の合計を3.6mol/kg以上とすることを特徴とする前記記載の硫酸アルミニウム製造方法を提供する。
【0019】
また、本発明は、前記硫酸アルミニウムの製造において、水酸化アルミニウムスラッジを硫酸アルミニウム水溶液でスラリー化し、該スラリーを硫酸との反応に供することを特徴とする前記記載の硫酸アルミニウムの製造方法を提供する。
【0020】
また、本発明は、前記スラリー化に使用する硫酸アルミニウムが、前記記載の方法で製造した硫酸アルミニウムであることを特徴とする前記記載の硫酸アルミニウムの製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、簡便なプロセスで、アルミニウムスラッジ中に含有する無機系不純物および有機系不純物を効率よく除去できる硫酸アルミニウムの製造方法を提供することができる。
【0022】
より具体的に説明すれば、本発明は、アルミニウム含有廃液処理により得られる、有機物と無機系酸化物を不純物として含む回収水酸化アルミニウムスラッジと、硫酸とを反応させて、pHを1.5以下に調整することによって生じるアルミニウムイオンと硫酸イオンの塩析効果で、有機物と無機系不純物を塩析工程において沈殿物として分離させ、気化・蒸発工程によって反応液からの気化性の有機不純物を分離することによって高純度の硫酸アルミニウムを回収することができるという効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の処理工程を図示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は、アルミニウム含有廃液処理により得られる、有機物と無機系酸化物を不純物として含む回収水酸化アルミニウムスラッジと、硫酸とを反応させたのち、不純物を除去して、硫酸アルミニウムを製造する方法であって、前記不純物除去工程として、前記スラッジに硫酸を加えてpH1.5以下に調整するpH調整工程、塩析処理する工程および不純物をろ過する工程を実施することによって硫酸アルミニウムを製造することができる。
【0025】
また、さらに、上記工程に気化・蒸発工程を加えて実施することによっても硫酸アルミニウムを製造することができる。
【0026】
本発明で用いる回収水酸化アルミニウムスラッジ(以下、単に水酸化スラッジということがある)としては、アルミニウムのエッチング工程等の廃水処理において回収されるアルミニウムスラッジがあげられる。
【0027】
水酸化アルミニウムスラッジは、廃水処理において中和、凝集、脱水などの方法で水処理した際に発生し、シリコン系化合物(Si元素を含む成分)などの無機系不純物が含まれ、その回収工程で高分子凝集剤を添加することなどによる有機系不純物が含まれている。このようなスラッジは、通常、水分70〜90%、AlOHが10〜25%、無機系不純物0.1〜6%および有機系不純物が0.1〜8%の組成からなっている。
【0028】
水酸化アルミニウムスラッジは、処理工程により性状が異なるため、pHの幅が広く、pHは5〜12である。酸性領域のスラッジは、水酸化アルミニウムで存在するアルミニウム成分と余剰の酸が存在し、アルカリ性領域では、水酸化アルミニウムで存在するアルミニウム成分と余剰のアルカリが存在する。このため、硫酸アルミニウムを合成するための硫酸の添加量は、水酸化アルミニウムスラッジのAl濃度と、余剰の酸・アルカリ濃度を分析して決める必要がある。
【0029】
このような水酸化アルミニウムスラッジを用いて、これに硫酸を加え以下の反応をさせることにより硫酸アルミニウムを製造する。使用する硫酸は、後述のpH調製工程、塩析処理工程など、各工程に支障をきたさないものであれば、どのようなものも使用可能である。
2AlOH+3HSO→Al(SO+6H
【0030】
なお、水酸化アルミニウムスラッジに水が多く含まれている場合には、移送などのプロセス実行上の手段として、さらに水でスラリー化するとことができる。しかし、イオン濃度が下がり塩析のための所定のイオン濃度にすることができなかったり、反応後の硫酸アルミニウム溶液中のシリコン系化合物濃度が上がり安定性が失われたりする場合がある。このような場合には、水でスラリー化することに代えて、硫酸アルミニウム溶液でスラリー化することが望ましい。
【0031】
上述の通り、水酸化アルミニウムスラッジ中には、シリコン系化合物などの無機系不純物、高分子凝集剤に起因する有機系不純物が含まれており、これらが製品である硫酸アルミニウム中にできるだけ含まれないようにすることが必要である。したがって、不純物除去工程として、pH調製工程、塩析処理工程、気化・蒸発工程などを組み合わせる必要がある。
【0032】
図1は、本発明の処理工程を図示したフローチャートである。
図1において、pH調製工程は、水に可溶性のシリコン系化合物などを不溶性のものとして沈澱除去するために行う。このシリコン系化合物などの沈澱作用は、無機物だけでなく後述の塩析処理による有機物の沈澱も促進するため、有機系不純物および無機系不純物も相乗的に除去することが可能になる。
【0033】
pHの調整は、水酸化アルミニウムスラッジに硫酸を加えて反応液のpHを1.5以下とする。pH値が1.5を超えると、この無機物および有機物の沈澱作用が十分でなく、結果として溶液中に残存するシリコン系化合物濃度が高くなり、また液の安定性が悪くなるので好ましくない。
【0034】
硫酸の水酸化スラッジへの添加は、スラッジを撹拌しながら硫酸を加えることによって実施でき、スラッジ中の水酸化アルミニウムは、概ね容易に硫酸アルミニウムとすることができる。
【0035】
本発明において、塩析処理は、塩析効果により水溶液中の不純物である、有機系不純物を析出させシリコン系化合物濃度をより低下させるために行う。
【0036】
水酸化アルミニウムスラッジ中には、有機系不純物として、高分子凝集剤(アニオン系、カチオン系、ノニオン系)の分解物 、カルボン酸およびカルボン酸塩、アンモニア、アンモニウム塩やアミン化合物などの低分子有機化合物、高分子凝集剤(アニオン系、カチオン系、ノニオン系)などの高分子有機化合物などが含まれている。
【0037】
このような有機物は、溶液中のアルミニウムイオン、硫酸イオンなどのイオン濃度が増大すると溶液から析出するため、この塩析効果により除去することができる。
【0038】
ここで用いる塩析処理は、アルミニウムイオンおよび硫酸イオンの合計のイオン濃度が3.6モル/kg以上とすることにより達成できる。3.6モル/kg未満であると塩析効果が十分でなく、特に分子量の大きい有機物が残留し硫酸アルミニウム溶液の安定性が著しく阻害されるので好ましくない。反応時のイオン濃度が高ければ高いほど塩析の効果は高いが、8.0モル/kgを超えると液の粘度が上昇し撹拌するには好ましくない。より好ましい合計イオン濃度の範囲は3.8〜6.0モル/kgであり、また、アルミニウムイオン濃度としては1.0〜2.5モル/kgであり、硫酸イオン濃度としては2.0〜4.0モル/kgである。
【0039】
通常、前記pH調整工程を実施すれば、アルミニウムイオンおよび硫酸イオンの合計のイオン濃度が3.6モル/kg以上となるので、塩析工程も同時に実施することができるが、pH調整工程を実施した場合でも、アルミニウムイオンおよび硫酸イオンの合計のイオン濃度が3.6モル/kgに達しないときは、前記反応液に硫酸アルミニウムまたはその溶液を加えて、アルミニウムイオンおよび硫酸イオンの合計のイオン濃度が3.6モル/kg以上となるよう調整することによって、塩析工程を実施することができる。
【0040】
気化・蒸発工程は、有機系不純物の除去を十分行うため、有機物の気化・蒸発工程を併用するのが好ましい。この気化・蒸発工程は、溶液を沸点で還流することにより達成することができる。
【0041】
反応液の沸点は、反応液中のアルミニウムイオンおよび硫酸イオンの合計のイオン濃度によって異なるが、通常100℃〜110℃の温度である。気化・蒸発工程は、常圧ないし減圧下に行うことができる。
【0042】
気化・蒸発工程では、前記のとおり有機系不純物を反応液中から蒸散させて除去する。気化・蒸発工程の終了時点は、適宜決定することができるが、1例をあげるとすれば気化蒸発による発泡がおさまり、沸騰の発泡のみになると溶液は無機・有機析出物のみの白濁色になるのが、一つの目安であり、この工程で高分子凝集剤の分解物(カルボン酸やアミン)が蒸発する。
【0043】
この気化・蒸発工程では、沸点が低く分子量が小さい有機物を除去するのに有効であるが、沸点が高く分子量が大きい有機物を除去するのは困難である。一方、塩析処理においては、分子量の大きい有機物を塩析により除去するのは比較的容易であるが、分子量の小さい有機物を除去するのは困難である。したがって、これら気化・蒸発工程と、塩析処理を組み合わせるのが最も好ましい。
【0044】
気化・蒸発工程の終了後、所定の硫酸アルミニウム濃度となるように調整する必要があるときは水を加え、放冷または冷却し、液中に析出、生成した不純物をろ過、遠心分離、静置など常法によって分離、除去することによって、硫酸アルミニウム溶液を得ることができる。
【実施例】
【0045】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、これによって本発明が限定されるものではない。なお、実施例および比較例中、%またはppmは全て質量基準である。
【0046】
ここで分析は以下の方法により行った。
1)Al濃度:キレート滴定法
2)余剰酸・アルカリ濃度:中和滴定法
3)Si含有量(シリコン系化合物濃度):ICP発光分析
4)溶液中有機炭素含有量:全有機炭素分析装置
5)濾過残渣または原料スラッジ中有機炭素含有量:TG/DTA分析装置
【0047】
1)Al濃度はキレート滴定法により測定した。すなわち、エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウムとキレート生成し、キシレノールオレンジ指示薬を加え亜鉛溶液で逆滴定した。
【0048】
2)余剰酸・アルカリ濃度は、中和滴定法により測定した。すなわち、硫酸を加えた加熱した後、フッ化カリウムでアルミニウムを沈殿させ、フェノールフタレインを指示薬とし、水酸化カリウムで逆滴定した。
【0049】
3)Si含有量(シリコン系化合物濃度)はICP発光分析により測定した。すなわち、硝酸を加え、適正な濃度に希釈後、検量線を用い測定した。
【0050】
4)溶液中有機炭素含有量は全有機炭素分析装置を用いて測定した。すなわち、適正な濃度に希釈後、装置内の触媒により有機炭素を二酸化炭素とし、二酸化炭素濃度から検量線を用い測定した。
【0051】
5)濾過残渣または原料スラッジ中の有機炭素含有量は、TG/DTA分析装置を用いて測定した。すなわち、500℃まで加熱を行ない、重量減量を測定し求めた。
【0052】
また、製品の安定性の評価は、以下の評価とした。
◎ : 室温、もしくは50℃保管で3ヶ月以上白濁しない
○ : 室温、もしくは50℃保管で1ヶ月以上白濁しない
△ : 室温、もしくは50℃保管で1週間以上白濁しない
× : 室温、もしくは50℃保管で1週間以内に白濁する
【0053】
(実施例1)
表1に示す組成の水酸化アルミニウムスラッジ357.2gを硫酸アルミニウム溶液(Al:6%)に混合しスラリー化した。このスラリーに濃硫酸(98%)130.0gを添加し、pHを0.6になるよう調整した。また、このときのアルミニウムイオン濃度および硫酸イオン濃度の合計は4.0モル/kgであり、濃硫酸添加時の反応熱により溶液の温度は90℃以上になっており、この状態で10分撹拌することにより塩析処理を行った。次いで、この溶液の温度を沸点の106℃まで上げ、1時間、沸騰させて加熱還流し、気化性の不純物である高分子凝集剤の分解物(表中では有機物と表示)を気化・蒸発させて除去した。
【0054】
ついで、溶液を冷却し、ろ過することにより、硫酸アルミニウム溶液を得た。得られた硫酸アルミニウムの物性を表4に示す。
【0055】
(実施例2〜7)
表2に示す原料を用い、表3に示す条件で実施する以外は、実施例1と同様に行った。結果は表4に示す。
(比較例1〜5)
表2に示す原料を用い、表3に示す条件で実施する以外は、実施例1と同様に行った。結果は表4に示す。
【0056】
【表1】

【0057】
【表2】

【0058】
【表3】

【0059】
【表4】

【0060】
これらより明らかなように、溶液のイオン濃度が3.6モル/kg未満のものは、有機物の沈澱が十分でなく、製品中に混入する量が増え、経時安定性が阻害される。また沸点での還流を行わないものは、行ったものに比べ製品への有機物の残留が多くなる傾向にあり、経時安定性が悪くなる傾向にある。また、pH調整の値が大きくなると製品中のシリコン濃度が増える傾向を示すことがわかる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミニウム含有廃液処理により得られる、有機物と無機系酸化物を不純物として含む回収水酸化アルミニウムスラッジと、硫酸とを反応させ、硫酸アルミニウムを製造する方法であって、その方法が、不純物除去工程として、pH1.5以下へのpH調整工程および塩析処理工程を含むことを特徴とする硫酸アルミニウムの製造方法。
【請求項2】
アルミニウム含有廃液処理により得られる、有機物と無機系酸化物を不純物として含む回収水酸化アルミニウムスラッジと、硫酸とを反応させ、硫酸アルミニウムを製造する方法であって、その方法が、不純物除去工程として、pH1.5以下へのpH調整工程、塩析処理工程および気化・蒸発工程を共に含むことを特徴とする硫酸アルミニウムの製造方法。
【請求項3】
前記有機物が、高分子凝集剤および/または高分子凝集剤由来のものであることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の硫酸アルミニウムの製造方法。
【請求項4】
前記無機系酸化物が、シリコン系化合物であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の硫酸アルミニウムの製造方法。
【請求項5】
前記塩析処理工程において、アルミニウムイオン濃度および硫酸イオン濃度の合計を3.6mol/kg以上とすることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の硫酸アルミニウムの製造方法。
【請求項6】
前記硫酸アルミニウムの製造において、水酸化アルミニウムスラッジを硫酸アルミニウム水溶液でスラリー化し、該スラリーを硫酸との反応に供することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1に記載の硫酸アルミニウムの製造方法。
【請求項7】
前記スラリー化に使用する硫酸アルミニウムが、前記1〜5のいずれか1に記載の方法で製造した硫酸アルミニウムであることを特徴とする請求項6記載の硫酸アルミニウムの製造方法。

【図1】
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