説明

硬貨取扱い装置

【課題】硬貨投入口よりも上方に硬貨を金種別に収納庫に振り分ける振分け収納機構が配置された硬貨取扱い装置において、モータの個数を増やしたり大型化することなく、投入された硬貨を上方に搬送することができるようにした。特に、対向配置された他の硬貨投入口からの硬貨も上昇させることができる。
【解決手段】上昇機構4は、硬貨支持面12上に移動してきた硬貨の後面をガイドする硬貨ガイド縦壁20と、硬貨ガイド縦壁前面と対向させた状態で回転自在、且つ該硬貨ガイド壁前面と直交する軸方向へ移動自在に軸支された下部プーリ30と、硬貨ガイド縦壁前面と対向させた状態で回転自在、且つ軸方向移動自在に軸支される上部プーリ50と、下部プーリと上部プーリに巻掛けられた硬貨上昇ベルト55と、を備え、下降傾斜路10から移動してきた硬貨の移動方向と、該硬貨が最初に接する硬貨上昇ベルトの下向き走行領域とのなす角度が鋭角である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動販売機等の硬貨取扱い装置に装備される投入硬貨の上昇装置に関し、装置レイアウト上の理由から投入された硬貨を投入口よりも高い位置に引上げ搬送して金種別の収納庫に振り分けるように構成された硬貨取扱い装置において、モータの個数を増やしたり大型化することなく、投入された硬貨を上方に搬送することができるようにした硬貨取扱い装置に関する。特に、対向配置された2つの硬貨投入口から夫々搬送されてくる硬貨を一つの上昇機構によって引き上げ搬送することが可能な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
自動販売機、両替機、金銭払出装置、精算機等の硬貨取扱い装置には、硬貨投入部から一個ずつ投入された硬貨を装置内部に搬送する搬送機構と、個々の金種、真贋を識別する識別部と、識別部を通過した硬貨を金種別に分別、振分けして金種別の収納庫に収納保管するための振分け収納機構と、を備えた硬貨処理ユニットが設けられている。
振分け収納機構は、横方向へ一列に配置された金種別の収納庫と、各収納庫の上方に沿って硬貨を一個ずつ水平方向に搬送するために配置された水平搬送機構と、を備え、水平方向へ搬送する過程で各硬貨が対応する金種の収納庫の直上に達した時点で落下させるように構成されている。
【0003】
ところで、硬貨投入部が装置内部に設けられた水平搬送機構よりも低い位置にある場合には、硬貨投入部から投入された硬貨を水平搬送機構まで上昇させるための搬送機構を設ける必要がある。
具体的には例えばセルフ給油方式のガソリンスタンドに設置される給油装置では、図12に示すように、給油装置200の一面に給油ノズル201を着脱する給油ノズルホルダ202が配置され、更にその上方に硬貨投入部211、図示しない操作スイッチ、ディスプレイ等を含めた入力操作部210が配置されている。硬貨投入部211の高さ位置は、平均的な身長を有した利用者Pが背伸びをせずに投入できるように、利用者の目の高さよりも低い位置(胸の高さ位置)に設置されることが多い。
一方、給油ポンプ等の給油機構205によるレイアウト上の制限により、水平搬送機構220aを含んだ振分け収納機構220を図中に破線で示したように給油装置内部の上方に配置せざるを得ない場合があるが、この場合には硬貨投入部211から投入された硬貨Cを上方に引き上げるための機構221が必要となる。
【0004】
ところで、最近では一つの給油装置の対向する両側面に夫々給油ノズルを含む給油操作部と、硬貨投入部を含む入金操作部を設けた両面操作式の給油装置が普及している。この種の給油装置にあっては、部品点数の削減による低コスト化、薄型化のために収納庫、振分け収納機構等を可能な限り一本化(共用)することが求められる。しかし、図12に示した給油装置のように硬貨投入部よりも振分け収納機構の方が上方に位置している場合には、装置の両側面に夫々配置された硬貨投入部から投入され搬送されてくる硬貨を一つの振分け収納機構に引き上げるための装置構成が複雑化する虞がある。
特許文献1(特開2006−65546公報)には、縦長のスリット状の硬貨投入口から投入された硬貨を縦姿勢を維持したままローラによって内部に水平に搬送してから、上昇搬送ベルトによって上方に配置された振分け収納機構に移送するための構成を備えた硬貨処理装置が開示されている。また、上昇搬送ベルトによって上方に搬送されてきた硬貨を続いて水平な搬送ベルト上に移送して水平に搬送しつつ金種別の収納庫に落下させる行程が実施される。
しかし、硬貨を水平に搬送するためのローラの回転軸と、上昇搬送ベルトを駆動するプーリの回転軸とが直交する位置関係にあるため、ローラと上昇搬送ベルトのプーリを同一の駆動源によって駆動することが難しくモータを2基使用せざるを得ない構成となる。また、2基のモータは直交した姿勢で配置する必要があるため、これが占有スペースを増大させる原因となる。
更に、水平搬送ベルトの駆動源が別個必要となるため、硬貨の搬送のためだけに合計3個のモータが必要となり、部品点数の増大によるコストアップ、装置の大型化を招く原因となっている。設置スペースの関係からモータを3個設置することが困難な場合には、このような構成は採用できない。
【0005】
或いは、ハスバギヤのように直交する回転軸間を連結するギヤ機構を使用すれば、一つのモータによってローラと上昇搬送ベルトのプーリを駆動することが可能であるが、ハスバギヤは占有スペースの増大をもたらすという不具合を有している。
更に、ローラによって硬貨投入口から水平に搬送されてきた硬貨を上昇搬送ベルトの下部で上昇方向へ転換させるために、上昇搬送ベルトの下部の奥側には硬貨の搬送方向を垂直方向へ転換するための硬貨ガイドが必要となり、この硬貨ガイドも部品点数増加、大型化の原因となる。
給油装置を小型化する場合、給油ポンプ類はその機能上、小型化することに限界があるため、硬貨処理ユニットの方を小型化することが求められ、小型化に対応できない硬貨処理ユニットは給油装置のメーカーによって採用されなくなる。
【0006】
ところで、特許文献1に係る硬貨処理装置を両面操作方式の給油装置に適用するために改良する場合には、構造上難しい問題がある。即ち、特許文献1では、一方の硬貨投入部から投入され、上昇搬送ベルト下部の奥側にローラによって送り込まれてきた硬貨を上昇搬送ベルトとの協働により上向きに案内するガイドレールが設けられているが、このガイドレールは上搬送ベルトを間に挟んで対向配置される他の硬貨投入部から搬送される硬貨を上搬送ベルトに移送する際の障害となることが明らかであり、このガイドレールを除去しない限り、他方の硬貨投入部を設けることはできない。しかし、特許文献1では硬貨を上向きに搬送する際にガイドレールが必須であるため、この硬貨処理装置を両面操作方式に給油装置に適用することは不可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−65546公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の硬貨取扱い装置において、硬貨投入部よりも振分け収納機構の方が上方に位置している場合には、投入された硬貨を振分け収納機構の高さ位置に上昇させてから、更に横方向に搬送しながら金種別の収納庫内に振分ける必要があるため駆動源の個数が最低3個必要となり、大型化、コストアップを招く虞があった。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、装置のレイアウト上の理由から硬貨投入口よりも上方に硬貨を金種別に収納庫に振り分ける振分け収納機構が配置された硬貨取扱い装置において、モータの個数を増やしたり大型化することなく、投入された硬貨を上方に搬送することができるようにした硬貨取扱い装置を提供することを目的としている。
特に、本発明では、対向配置された2つの硬貨投入口から夫々搬送されてくる硬貨を共通した硬貨上昇機構によって引き上げ搬送することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、硬貨投入口から投入された硬貨を縦姿勢で斜め下方へ移動させる下降傾斜路と、該下降傾斜路から移動してきた硬貨を受け継いで該下降傾斜路の延長上を縦姿勢で略水平に搬送する硬貨支持面と、該硬貨支持面上の硬貨を前記硬貨投入口よりも上方に上昇させる上昇機構と、上昇機構によって上昇させられた硬貨を受けて横方向へ搬送する横搬送機構と、を備え、前記上昇機構は、前記硬貨支持面上に移動してきた前記硬貨の後面を前面によりガイドする硬貨ガイド縦壁と、後面を該硬貨ガイド縦壁前面と対向させた状態で回転自在、且つ該硬貨ガイド壁前面と直交する軸方向へ移動自在に軸支されると共に軸方向最後方に位置する時に該硬貨ガイド縦壁前面との間に硬貨の厚みよりも小さいギャップを形成する下部プーリと、該下部プーリを前記硬貨ガイド縦壁に向けて付勢する弾性部材と、前記下部プーリの上方において、後面を該硬貨ガイド縦壁前面と対向させた状態で回転自在、且つ軸方向移動自在に軸支されると共に軸方向最後方に位置する時に該硬貨ガイド縦壁前面との間にギャップを形成する上部プーリと、該上部プーリを前記硬貨ガイド縦壁前面に向けて付勢する弾性部材と、前記下部プーリと前記上部プーリにエンドレスに巻掛けられた硬貨上昇ベルトと、該下部プーリ又は上部プーリを駆動することにより該硬貨上昇ベルトを走行させる駆動源と、を備え、前記下降傾斜路から移動してきた硬貨は、前記硬貨上昇ベルトと前記硬貨ガイド縦壁前面との間に形成される硬貨進入用隙間内に進入するように構成され、前記下降傾斜路から移動してきた硬貨の移動方向と、該硬貨が最初に接する前記硬貨上昇ベルトの下向き走行領域とのなす角度が鋭角であり、前記硬貨進入用隙間内に進入してきた硬貨は、前記硬貨上昇ベルトの下向き走行領域と前記硬貨ガイド縦壁前面との間に挟まれて前記硬貨支持面上を下流側に移動し、前記下部プーリ外周の該硬貨上昇ベルトが上向きに反転する位置で該硬貨上昇ベルトによって上向きに引き上げられ、前記硬貨上昇機構を間に挟んで前記硬貨投入口と対向配置された他の硬貨投入口と、該他の硬貨投入口から投入され硬貨を縦姿勢で斜め下方へ移動させる他の下降傾斜路と、該下降傾斜路の終端部から前記硬貨上昇機構まで延在する水平な底面を有した搬送路と、該搬送路に沿って配置され前記底面と直交する回転軸により回転自在に軸支された複数の搬送ローラと、該各搬送ローラによりエンドレスに張架された搬送ベルトと、該搬送ベルトの一方の走行部分と対向配置されて前記搬送路上の硬貨の後面を支持するガイド壁と、を有した硬貨導入機構を備え、前記搬送ベルトの最奥部に位置する前記搬送ローラは、前記下部プーリ外周の前記硬貨上昇ベルトの上昇部分に近接した位置にあり、前記最奥部の搬送ローラの後方であって前記第1の補助ローラの横方向には第2の補助ローラの前面が対向配置されており、該第2の補助ローラは前記硬貨上昇ベルトの上昇部分との間に挟んだ硬貨を上昇させる方向へ回転駆動され、前記硬貨は前記最奥部の搬送ローラ外周の前記搬送ベルトから前記硬貨上昇ベルトと前記第2の補助ローラとの隙間内に進入するように構成されていることを特徴とする。
上下のプーリにより支持された硬貨上昇ベルトと、硬貨ガイド縦壁、及び補助ローラとの協働によって、硬貨投入口から投入されてきた硬貨を上方に位置する振分け収納機構に移送することができるため、部品点数の増大による大型化やコストアップを招くことなく、両面に操作部を備えた自動販売機等に適用することが可能となる。特に、硬貨を上向きにガイドするための固定されたガイドレールが存在しないため、硬貨上昇機構を間に挟んで対向配置された他の硬貨投入口から搬送されてくる硬貨を硬貨上昇機構にスムーズに受け渡すことができ、硬貨上昇機構の共通化が可能となる。
【0010】
請求項2の発明は、前記下部プーリと対向する前記硬貨ガイド縦壁の部位に設けた開口部と、該開口部内に配置され、且つ前面を該硬貨ガイド縦壁の前面と略面一に配置された第1の補助ローラと、を備え、前記硬貨進入用隙間内に進入してきた硬貨は、前記下部プーリ外周の該硬貨上昇ベルトが上向きに反転する位置で該硬貨上昇ベルトと、前記第1の補助ローラとの協働によって上向きに搬送されることを特徴とする。
硬貨上昇ベルトと硬貨ガイド縦壁との協働によっても硬貨を上昇させることは可能であるが、補助ローラを併用することにより、より確実に硬貨を上昇させることが可能となる。
【0011】
請求項3の発明では、前記上昇機構は、前記硬貨ガイド縦壁の前面側に配置された支持部材によって前部を固定されて該硬貨ガイド縦壁と直交する方向へ延び、且つ該硬貨ガイド縦壁の手前で終端する第1の固定軸と、該第1の固定軸により軸方向へ進退自在、且つ回転自在に軸支されると共に軸方向最後方に位置する時に該硬貨ガイド縦壁前面との間にギャップを形成する前記下部プーリと、該下部プーリを該第1の固定軸に沿って前記硬貨ガイド縦壁に向けて常時弾性付勢する前記弾性部材と、前記下部プーリと対向する前記硬貨ガイド縦壁の部位に設けた開口部と、該開口部を介して前記第1の固定軸の後端部と前端部を離間させて同一軸線上に対向配置された第1の回転軸と、該第1の回転軸により軸心部を支持されて前記開口部内に配置され、且つ前面を該硬貨ガイド縦壁の前面と略面一に配置された第1の補助ローラと、前記第1の固定軸よりも前記下降傾斜路寄りの上方において該第1の固定軸と平行に配置された第2の回転軸と、該第2の回転軸によって軸方向へ進退自在、且つ回転方向へ固定されると共に前記下部プーリと略同一平面内に配置された前記上部プーリと、該上部プーリを該第2の回転軸に沿って前記硬貨ガイド縦壁の前面に向けて常時弾性付勢する前記弾性部材と、前記下部プーリと前記上部プーリにエンドレスに巻掛けられた前記硬貨上昇ベルトと、前記下部プーリ、又は前記上部プーリに駆動力を伝達して該下部プーリ、該上部プーリ、及び該硬貨上昇ベルトを回転させる第1の駆動伝達機構と、前記第1の補助ローラを前記下部プーリと同期して同方向へ回転させる第2の駆動伝達機構と、前記第1の駆動伝達機構と第2の駆動伝達機構を駆動する単一の駆動源と、を備え、前記下部プーリの後面と前記硬貨ガイド縦壁の前面との間には硬貨の厚みよりも小さい硬貨進入用隙間が形成され、前記下降傾斜路から移動してきた硬貨が該硬貨進入用隙間内に進入するように設定されており、前記駆動源によって前記第1及び第2の駆動伝達機構が駆動している時に、前記硬貨進入用隙間内に進入してきた硬貨は、前記硬貨上昇ベルトの下向き走行領域と前記硬貨ガイド縦壁前面との間に挟まれて前記硬貨支持面上を下流側に移動し、前記下部プーリ外周の硬貨上昇ベルトが上向きに反転する位置で該硬貨上昇ベルトと前記第1の補助ローラ前面によって挟持されて上昇し、前記上部プーリ外周で該硬貨上昇ベルトが下向きに反転する手前で前記横搬送機構に移送するように構成したことを特徴とする。
このように構成したため、投入された硬貨を横方向に搬送してから上昇させるための作業を全て一つの駆動源によって実現できる。
【0012】
請求項4の発明は、前記下部プーリと前記上部プーリとの間に前記硬貨上昇ベルトを外周面で支持する中間プーリを配置することにより、前記下部プーリに対する前記上部プーリの離隔距離を拡大し、前記中間プーリは、後面を該硬貨ガイド縦壁前面と対向させた状態で回転自在、且つ該硬貨ガイド壁前面と直交する軸方向へ移動自在に軸支されると共に軸方向最後方に位置する時に該硬貨ガイド縦壁前面との間に硬貨の厚みよりも小さいギャップを形成し、且つ前記硬貨ガイド縦壁前面に向けて弾性付勢されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、装置のレイアウト上の理由から硬貨投入口よりも上方に硬貨を金種別に収納庫に振り分ける振分け収納機構が配置された硬貨取扱い装置において、モータの個数を増やしたり大型化することなく、投入された硬貨を上方に搬送することができる。
特に、硬貨を上向きにガイドするための固定されたガイドレールが存在しないため、硬貨上昇機構を間に挟んで対向配置された他の硬貨投入口から搬送されてくる硬貨を硬貨上昇機構にスムーズに受け渡すことができ、硬貨上昇機構の共通化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係る硬貨取扱い装置の全体構成を示す外観斜視図である。
【図2】(a)及び(b)はこの硬貨取扱い装置における硬貨上昇機構を含む概略構成を示す外観斜視図、及びその要部拡大斜視図である。
【図3】硬貨上昇機構の具体的構成例を示す外観斜視図である。
【図4】(a)及び(b)は硬貨上昇機構の構成を示す前面側斜視図、及び支持部材を除去した状態を示す前面側斜視図である。
【図5】(a)及び(b)は硬貨上昇機構の構成を示す背面側斜視図、及び軸支部材を除去した状態を示す背面側斜視図である。
【図6】第1の駆動伝達機構、及び各プーリを除去した状態を示す正面側斜視図である。
【図7】硬貨上昇機構の一部の分解斜視図である。
【図8】(a)(b)及び(c)は下部プーリの直上位置の横断面図である。
【図9】(a)(b)及び(c)は上下のプーリ、硬貨上昇ベルト、及び補助ローラを中心とした硬貨上昇手順を示す前面側斜視図である。
【図10】(a)乃至(d)は補助ローラを中心とした硬貨上昇手順を示す前面側斜視図である。
【図11】(a)及び(b)は本発明の変形実施形態に係る硬貨取扱い装置の要部(硬貨上昇機構)の構成を示す正面図、及び斜視図である。
【図12】セルフ給油方式のガソリンスタンドに設置される給油装置の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る硬貨取扱い装置の全体構成を示す外観斜視図であり、図2(a)及び(b)はこの硬貨取扱い装置における硬貨上昇機構を含む概略構成を示す外観斜視図、及びその要部拡大斜視図であり、図3は硬貨上昇機構の具体的構成例を示す外観斜視図であり、図4(a)及び(b)は硬貨上昇機構の構成を示す前面側斜視図、及び支持部材を除去した状態を示す前面側斜視図であり、図5(a)及び(b)は硬貨上昇機構の構成を示す背面側斜視図、及び軸支部材を除去した状態を示す背面側斜視図であり、図6は第1の駆動伝達機構、及び各プーリを除去した状態を示す正面側斜視図であり、図7は硬貨上昇機構の一部の分解斜視図であり、図8(a)(b)及び(c)は下部プーリの直上位置の横断面図であり、図9(a)(b)及び(c)は上下のプーリ、硬貨上昇ベルト、及び補助ローラを中心とした硬貨上昇手順を示す前面側斜視図であり、図10(a)乃至(d)は補助ローラを中心とした硬貨上昇手順を示す前面側斜視図である。
【0016】
図1に示した硬貨取扱い装置1は、対向配置された第1及び第2の硬貨投入口2、3と、硬貨投入口2、及び3から一個ずつ投入されてきた硬貨を夫々上昇させる硬貨上昇機構4と、第1の硬貨投入口2から投入されてきた硬貨を硬貨上昇機構4に搬送する第1の硬貨導入機構5と、第2の硬貨投入口3から投入されてきた硬貨を硬貨上昇機構4に搬送する第2の硬貨導入機構6と、硬貨上昇機構4によって上方(硬貨投入口よりも高い位置)に上昇させられてきた硬貨を各硬貨導入機構5、6による硬貨搬送方向とは直交する横方向へ搬送する横搬送機構7と、横搬送機構7によって搬送される硬貨の金種、真贋を識別する図示しない識別部と、識別部により正規であると判定された硬貨を横方向へ搬送する過程で一個ずつ金種別に金庫に落下させる図示しない振分け収納機構と、識別部により正規でないと判定された硬貨を横方向へ搬送する過程でリジェクト部へ落下させて機外に排出するリジェクト機構と、を有する。
【0017】
第1の硬貨導入機構5は、第1の硬貨投入口2から投入されてきた硬貨Cを縦姿勢のまま直近にある硬貨上昇機構4に導入する手段であり、硬貨を支持する底面が下向きに傾斜した下降傾斜路(第1の下降傾斜路)10と、下降傾斜路10に沿って移動してきた縦姿勢の硬貨Cを受け継いで下降傾斜路の延長上に水平に搬送する硬貨支持面12と、を有する。
第2の硬貨導入機構6は、第2の硬貨投入口3から投入されてきた硬貨Cを縦姿勢のまま長い距離を搬送して硬貨上昇機構4に導入する手段であり、硬貨を支持する底面が下向きに傾斜した下降傾斜路(第2の下降傾斜路)101と、下降傾斜路101の終端部から硬貨上昇機構4まで延在する水平な底面102aを有した搬送路102と、搬送路102に沿って配置された複数のローラ105と、各ローラ105によりエンドレスに張架された搬送ベルト(Vベルト)106と、搬送ベルト106の一方の走行部分に沿って対向配置された垂直なガイド壁107と、を有する。各ローラ105は、搬送路102の底面102aと直交する回転軸によって回転自在に軸支されている。搬送ベルト106の後側の走行部分とガイド壁107の前面との間で、下降傾斜路101から移動してきた縦姿勢の硬貨を挟み込んで奥部に位置する硬貨上昇機構4へ移送する。
【0018】
硬貨上昇機構4は、硬貨支持面12の幅方向一端縁である後端縁から起立して硬貨支持面上に移動してきた硬貨の一面(後面)を前面20bによりガイドする硬貨ガイド縦壁20と、硬貨ガイド縦壁の前面側に対向配置された板金製の支持部材22によって前端部25aを固定されて硬貨ガイド縦壁20と直交する方向へ延び、且つ硬貨ガイド縦壁の手前で後端部25b(図8)が終端する第1の固定軸25と、第1の固定軸25により軸方向へ進退自在、且つ回転自在に軸支された下部プーリ(第1のプーリ)30と、下部プーリ30を第1の固定軸25に沿って硬貨ガイド縦壁前面20bに向けて常時弾性付勢するために第1の固定軸25に嵌挿されたコイルバネ(弾性部材)32と、下部プーリ30と対向する硬貨ガイド縦壁20の部位に設けた開口部20aと、開口部20aを介して第1の固定軸25の後端部25bと前端部を離間させて同一軸線上に対向配置された第1の回転軸35と、第1の回転軸35の前端部により軸心部を軸方向へ進退自在、且つ一体回転するように支持されて開口部20a内に配置された第1の補助ローラ40と、第1の補助ローラの前面40aを硬貨ガイド縦壁20の前面20bと略面一となる位置で停止させる図示しないストッパと、第1の補助ローラ40を前方へ向けて付勢する図示しない補助ローラ付勢手段(コイルバネ)と、第1の固定軸25よりも下降傾斜路寄りの上方において第1の固定軸と平行に配置された第2の回転軸45と、第2の回転軸45によって軸方向へ進退自在、且つ一体回転するように支持されると共に下部プーリ30と略同一平面内に配置された上部プーリ(第2のプーリ)50と、上部プーリ50を第2の回転軸45に沿って硬貨ガイド縦壁の前面に向けて(後方へ)常時弾性付勢する弾性部材51と、下部プーリ30と上部プーリ50間にエンドレスに巻掛けられた硬貨上昇用の硬貨上昇ベルト(丸ベルト)55と、上部プーリ50に駆動力を伝達して硬貨上昇ベルト55を介して下部プーリ30を回転させる第1の駆動伝達機構60と、第1の駆動伝達機構60からの駆動力を第1の回転軸35に伝達して第1の補助ローラ40を下部プーリ30と同期して同方向へ回転させる第2の駆動伝達機構70と、各駆動伝達機構60、70を共通して駆動する図示しない駆動源(モータ)と、駆動源を制御する制御手段と、を備える。
【0019】
硬貨ガイド縦壁20の前面には、硬貨をスムーズにガイドするために低摩擦、耐摩耗処理を施すのが好ましい。
下部プーリ30と上部プーリ50は図示しないストッパによって後方(硬貨ガイド縦壁方向)への移動の限界が規定されている一方で、前方へ向かう外力が加わった時に弾性部材32、51に抗して前方へ移動するように構成されている。下部プーリと上部プーリが最後方位置にある時には、両プーリに巻掛けられた硬貨上昇ベルト55と硬貨ガイド縦壁前面との間(硬貨進入用隙間S)は、最小厚みの硬貨の厚さよりも小さく設定される。硬貨が硬貨進入用隙間S内に圧入してきた時には各プーリは各弾性部材32、51に抗して前方へ移動することにより硬貨の進入を許容する。
【0020】
下部プーリ30は、図8に示すように硬貨上昇ベルト55を巻掛けるように外周面が凹状となった巻掛け部分30aと、巻掛け部分30aの前面に同軸状に一体化され且つ巻掛け部分30aよりも若干大径の円盤状部分30bとから一体構成されている。上部プーリ50も同様の構成である。巻掛け部分30aは丸ベルトである硬貨上昇ベルトの直径よりも薄肉に構成されているため、硬貨上昇ベルトを巻き掛けたときにその側面が巻掛け部分30aの一側面よりも後方(硬貨ガイド縦壁20側)へ突出した状態となる。また、巻掛け部分30aの他側面側(前方側)には円盤状部分30bが近接配置されているため、硬貨上昇ベルトが前方側にずれることが防止されている。従って、後述するように硬貨上昇ベルトの後側側面によって硬貨を挟圧した時に硬貨からの反力によって硬貨上昇ベルトが前方へずれることがない。
硬貨上昇ベルト55の後面と硬貨ガイド縦壁20の前面20bとの間、及び硬貨上昇ベルトと第1の補助ローラ40の前面40aとの間には硬貨進入用隙間Sが形成され、下降傾斜路10から硬貨支持面12上に移動してきた硬貨が硬貨進入用隙間S内に進入するように設定されている。硬貨進入用隙間Sは、最小厚みの硬貨一枚の厚みよりも狭く設定されているが、弾性部材32、51に抗して下部プーリ30と上部プーリ50は隙間Sを拡大させる方向へ移動可能となっている。つまり、硬貨は各弾性部材の付勢力によって確実に挟圧保持されることとなる。
【0021】
各弾性部材32、51による付勢力は、隙間S内を硬貨が移動する際に硬貨が各プーリを前方へ押し出すと共に、硬貨の通過を阻害しない程度に設定する。
第1の回転軸35によって軸方向へ移動自在、且つ回転方向には固定された第1の補助ローラ40は、図10に示すように常時においてはその前面40aを硬貨ガイド縦壁20の前面20bと同じ平面内に位置させているが、硬貨進入用隙間S内に硬貨が進入してきた時には、図示しない補助ローラ付勢手段に抗して若干後方へ退避できるように構成されている。
第1の補助ローラ40を前方へ付勢する弾性部材の付勢力は各プーリ30、50を付勢する弾性部材32、51の付勢力よりも強く設定するのが好ましい。下部プーリ30を介して弾性部材32から硬貨へ加わる後方への圧力によって第1の補助ローラ40が極端に且つ容易に後方へ位置ずれを起こす場合には、硬貨の安定した搬送が妨げられるからである。
【0022】
一方、第1の補助ローラ40を軸方向へ進退自在に構成し、且つ弾性部材によって前方へ付勢することにより、第1の補助ローラは下部プーリ30の取付け時のガタを吸収し、かつ下部プーリ30を硬貨の厚みに追従して軸方向へ適度に進退させることを可能ならしめて、安定搬送を可能とする。
駆動源の駆動によって各駆動伝達機構60、70が駆動している時に下降傾斜路10から硬貨進入用隙間S内に進入してきた硬貨Cは、下向きに移動する硬貨上昇ベルト55の下部側面55aと硬貨ガイド縦壁前面20bとの間に挟まれて硬貨支持面12上を下流側に水平移動する。次いで、この硬貨は、下部プーリ外周の硬貨上昇ベルトが上向きに反転する位置で、硬貨上昇ベルト55と、下部プーリと同期して回転する第1の補助ローラ40の前面とによって挟持されて上昇し、上部プーリ50の外周で硬貨上昇ベルト55が下向きに反転する手前で横搬送機構7に移送するように構成している(図9)。
つまり、下降傾斜路10上を勢いよく移動してきた硬貨は、硬貨進入用隙間Sに達した時点で、硬貨上昇ベルト55と硬貨ガイド縦壁20との間に入り込んで確実に挟持されて、硬貨上昇ベルトが上向きに反転する位置に移送される。続いて、この上向き反転位置で、硬貨上昇ベルト55と第1の補助ローラ40との間に挟まれることにより、第1の補助ローラによる搬送力の補助を得て、下部プーリの外周に沿って搬送方向を上向きに転換され、その後は硬貨上昇ベルトに沿って上昇してゆく。
【0023】
このようにローラ、ベルト類だけによって構成された上昇機構によって、硬貨を確実に挟持し、安定して水平搬送、上方への反転、上向き搬送できるため、硬貨の搬送方向転換に際して格別のガイド手段が不要となる。
また、横方向へ搬送されてきた硬貨を上方向へ搬送する際の方向転換に際してガイド手段を配置する必要がないため、対向配置された第2の硬貨投入口3から夫々搬送されてくる硬貨の搬送経路上に障害物が存在せず、異方向から搬送されてくる硬貨を一つの硬貨上昇機構4によって上昇させることができる。つまり、硬貨上昇機構を共通化して部品点数を減少することができる。
【0024】
本発明においては、下部プーリ30に対する上部プーリ50の位置関係を垂直線に沿った上下位置関係とせず、上部プーリ50を第1の硬貨投入口2側に偏位させている点も特徴的である。つまり、硬貨上昇ベルト55の対向する2つの走行領域55Aは、下降傾斜路10による硬貨の移動方向と鋭角をなすように構成される。2つの走行領域55Aのうちの硬貨投入口2寄りの走行領域、即ち、下向き走行領域55A`と、下降傾斜路10から転動して下降してきた硬貨Cの移動方向とは鋭角θをなすように構成されている(図9(a))。
このため、硬貨上昇ベルト55と第1の補助ローラ40との間での硬貨の取込み動作と、その後の引き上げ動作を効果的に実現できることとなる。即ち、下降傾斜路10に沿って勢いよく移動してくる硬貨が、傾斜した硬貨上昇ベルトの下向き走行領域55A`と接触する際に硬貨の移動方向と同じ方向に強い摩擦力が発生し、下向き走行領域55A`と第1の補助ローラとの間に強い力でニップされ、更に下流側に搬送される。
実験によれば、硬貨上昇ベルトの下向き走行領域55A`と下降傾斜路10による硬貨の移動方向とが鋭角をなさない場合、即ち、直角、或いは鈍角をなす場合には、硬貨上昇ベルトと第1の補助ローラによる硬貨の引き込みと引き上げが十分に行われなかった。
【0025】
次に、第1の駆動伝達機構60は、図3乃至図6に示すように、第1の固定軸25、第1の回転軸35、及び第2の回転軸45と平行に配置され、且つ図示しない駆動源により回転駆動される駆動軸61と、駆動軸61により軸心を固定的に支持されて一体回転する第1のギヤ62と、上部プーリ50を支持した第2の回転軸45により軸心を一体的に支持され、第1のギヤ62と噛合する第2のギヤ64と、を備えている。駆動軸61は、前端部を支持部材22により回転自在に軸支され、その他の部位は適宜軸受部材により軸支されている。
駆動軸61が図3、図4中に矢印で示した硬貨上昇方向に回転すると、駆動軸61と一体の第1のギヤ62と、これと噛合する第2のギヤ64が矢印方向へ回転する。第2のギヤ64と回転方向に一体化された上部プーリ50は硬貨上昇ベルト55を介して下部プーリ30を図9等に示した硬貨上昇方向へ回転させる。外径が同等である下部プーリ30と上部プーリ50とは、硬貨上昇ベルト55によって連結されているため、同じ周速度で回転する。
【0026】
次に、第2の駆動伝達機構70は、駆動軸61と、駆動軸に軸心を固定されて一体回転する第3のギヤ71と、第1の補助ローラ40を支持した第1の回転軸35により軸心を固定され第3のギヤ71と噛合する従動ギヤとしての第4のギヤ73と、を有する(図5)。
駆動軸61が矢印で示した硬貨上昇方向へ回転すると、第3のギヤ71を介して第4のギヤ73が回転駆動されるため、第1の回転軸35の先端部に固定された第1の補助ローラ40が下部プーリ30と同方向に同期して回転する。
下部プーリ30の外周に巻き付けられた硬貨上昇ベルト55の上向き走行領域と第1の補助ローラ40の前面40aとが対向するように第1の補助ローラの外径が設定されており、しかも下部プーリと第1の補助ローラの周速度が同等となるように各ギヤ62、64、71、73間のギヤ比を適切に設定することにより、硬貨上昇ベルトと第1の補助ローラとの間で硬貨を確実に挟持して上方へ搬送することができる。
なお、第5のギヤ75は第4のギヤ73と噛合することにより回転駆動され、第5のギヤ75の軸部76は、他の軸35、45、61と平行な姿勢で軸支部材77によって回転自在に軸支されている。軸部76の前端部には第2の補助ローラ78の軸心部が軸方向移動自在、且つ一体回転するように支持されている。また、第2の補助ローラ78は図示しない弾性部材により常時前方へ向けて付勢されており、常時においては第2の補助ローラの前面78aは、第1の補助ローラ40の前面40aと同じ平面上に位置している。第2の補助ローラ78は、第2の硬貨導入機構6を構成する搬送ベルト106との協働により第2の硬貨投入口3から投入されてきた硬貨を硬貨上昇機構4に引き込む手段である。
【0027】
次に、図8、図9、図10に基づいて第1の硬貨投入口2から投入されてきた硬貨Cを上昇させる手順について説明する。
図示しない駆動源を駆動して駆動軸61を図3等に矢印で示した硬貨上昇方向へ回転させると、駆動力が第1のギヤ62、第2のギヤ64、第2の回転軸45を経由して上部プーリ50へ伝達される。上部プーリ50が図9中において矢印で示した硬貨上昇方向へ回転すると、硬貨上昇ベルト55を介して下部プーリ30が矢印方向へ回転する。また、これと並行して駆動軸61に固定された第3のギヤ71から、第4のギヤ73、第1の回転軸35への駆動力が伝達されるため、第1の回転軸35の前端部に固定された第1の補助ローラ40が硬貨上昇方向へ回転する。
このように下部プーリ30、上部プーリ50、硬貨上昇ベルト55、第1の補助ローラ40を夫々矢印で示した硬貨上昇方向へ等速で回転させた状態で、第1の硬貨投入口2から硬貨Cを投入すると、硬貨Cは硬貨上昇ベルト55と第1の補助ローラ40との間に挟まれて取り込まれ、その後上方へ引き上げられて横搬送機構7へスムーズに移送される。
【0028】
まず、第1の硬貨投入口2内に縦姿勢で投入された硬貨Cは、図8(a)、図9(a)、図10(a)に示すように底面が下向きに傾斜した下降傾斜路10に沿って硬貨上昇機構4に向けて移動する。硬貨上昇機構4を構成する硬貨上昇ベルト55の下部に達する直前に縦姿勢の硬貨は略水平な硬貨支持面12上に接触し、硬貨支持面12に沿って硬貨上昇ベルト55と第1の補助ローラ40との間の硬貨進入用隙間Sに進入してゆく。この際、硬貨の重量と、傾斜面を転動する勢い、及び上昇ベルト55による引き込みによって硬貨はコイルバネ32による後方への付勢力に抗して硬貨進入用隙間S内に入り込むことができる。
下部プーリ30は第1の回転軸35によって軸方向へ進退自在に支持されていると共に、コイルバネ32によって後方(硬貨ガイド縦壁の前面、及び第1の補助ローラの前面側)へ向けて付勢されており、しかもコイルバネ32の付勢力は硬貨が硬貨進入用隙間Sに入り込んだときに下部プーリ30及び硬貨上昇ベルト55を前方へ退避させることができる程度に設定されているため、硬貨の厚みの違いに対応しつつ硬貨上昇ベルトと硬貨ガイド縦壁20の前面20bとの間で硬貨を確実に挟圧保持しつつ移動させることができる。硬貨は硬貨支持面12上を下流側に移動する過程で、その後面が硬貨ガイド縦壁の前面と接触した状態から、第1の補助ローラ40の前面40aと接触した状態へ移行する。
【0029】
図8(b)(c)、図9(b)、及び図10(b)の状態では硬貨Cは硬貨上昇ベルト55の下部と硬貨ガイド縦壁前面との間、硬貨上昇ベルト下部と第1の補助ローラ40の前面との間に順次挟まれ、図9(c)、図10(c)のように硬貨進入用隙間S内に引き込まれてゆく。この際、硬貨は硬貨上昇ベルト55及び第1の補助ローラ前面の同じ部位と接触したまま硬貨支持面12に沿って水平に移動して行く。
硬貨Cが図10(c)の位置に達すると、硬貨上昇ベルト55、及び第1の補助ローラ40が上向きに反転するため、硬貨は図10(d)のように上向きに搬送される。
なお、第2の回転軸45に沿って軸方向へ進退自在に支持された上部プーリ50も、コイルバネ51の付勢力によって後方へ付勢されているが、硬貨からの反力を受けた場合にはコイルバネの付勢力に抗して前方へ移動することができるので、硬貨を硬貨上昇ベルトと接触させたまま上昇方向へ移動させることができる。
【0030】
このように硬貨進入用隙間S内に硬貨が進入してから反転部で上向きに反転するまでは硬貨上昇ベルト55と硬貨ガイド縦壁、硬貨上昇ベルトと第1の補助ローラ40との協働による硬貨搬送が行われるが、反転後に硬貨が第1の補助ローラの前面と接触しない位置まで上昇すると、その後の硬貨は上部プーリ50を弾性部材51に抗して前方へ押圧しつつ上昇し、最後に硬貨は図7中に示した硬貨ガイド縦壁20に設けた開口部20a内に露出した横搬送機構を構成する横搬送ベルト上へ倒れ込んで移送される。
即ち、開口部20aは硬貨上昇ベルト55と第1の補助ローラ40とによる硬貨のニップ領域が終了する位置に形成されており、硬貨上昇ベルト55と第1の補助ローラ40とに挟持されながら上昇してきた硬貨は、硬貨後面が第1の補助ローラと接触しなくなった時点で硬貨前面のみが硬貨上昇ベルトと接触しつつ上向きの搬送力を受ける。しかし、後面を第1の補助ローラにより支持されていない硬貨は垂直な姿勢を維持することができず、後方へ倒れ込んで、開口部20aの後方に配置された横搬送機構の横搬送ベルト上に移動する。
【0031】
なお、第2の補助ローラ78と対向配置されたローラ105aは所定の範囲内で前後方向へ移動自在に構成され、且つ弾性部材110によって第2の補助ローラの前面に向けて付勢されている。このため、ローラ105aの外周に巻掛けられた搬送ベルト106と第2の補助ローラとの間に硬貨が進入してきた際にローラ105aは前方に退避して硬貨の進入をスムーズにすることができる。
また、前述のように、第2の補助ローラ78も弾性部材によって前方へ向けて付勢されており、ローラ105aとの間に硬貨が進入してきた際には、弾性部材に抗して後方へ退避する。第2の補助ローラを付勢する弾性部材の付勢力は各プーリを付勢する弾性部材の付勢力よりも強く設定する。
【0032】
次に、第2の硬貨投入口3から投入されてきた硬貨Cは、下降傾斜路101から搬送路102上に移動して搬送ベルト106によって奥方向へ移送され、最後は硬貨上昇機構4の手前に達する。第1の補助ローラ40の横には第2の補助ローラ78が、その前面78aを第1の補助ローラの前面40aと同一平面状となるように配置されている。搬送ベルト106によって硬貨上昇機構4に向けて搬送されてきた硬貨は、図2(b)に示した受け渡し部において、硬貨上昇ベルト55をコイルバネ32に抗して前方へ移動させつつ、硬貨上昇ベルト55と第1の補助ローラ40との間に形成される硬貨進入用隙間S内に押し込まれる。この際、矢印方向へ回転する第2の補助ローラ78が搬送ベルト106との協働により硬貨を挟みつつ横方向(奥方向)へ移動させることにより、硬貨をスムーズに硬貨進入用隙間S内に押し込むことができる。
【0033】
硬貨が硬貨進入用隙間内に引き込まれた後は、硬貨上昇ベルト55と第1の補助ローラ40との協働によって上昇させられ、横搬送機構へと受け渡される。
なお、搬送ベルト106による硬貨の搬送速度は、硬貨上昇ベルト55の速度と同等か、或いは、少し速く設置する方が、硬貨の挟持力が高まるので好ましい。硬貨上昇ベルトの搬送速度が搬送ベルト106の搬送速度を上回る場合には硬貨の受け渡しがスムーズにゆかない。
なお、上記実施形態は上部プーリ50を駆動源により駆動し、下部プーリ30については上昇ベルトを介して従動する構成例を示したが、下部プーリを駆動して上部プーリを従動させるようにしてもよい。
また、第1の補助ローラ40は必須ではなく、下部プーリ30と硬貨ガイド縦壁の前面20bとの間で硬貨を確実に挟持して引き上げ可能な場合には第1の補助ローラを省略してもよい。
【0034】
以上の構成を備えた本発明の硬貨取扱い装置は、プーリにより支持された硬貨上昇ベルトと、硬貨ガイド縦壁、及び補助ローラとの協働によって、硬貨投入口から投入されてきた硬貨を上方に位置する振分け収納機構に移送することができるため、部品点数の増大による大型化やコストアップを招くことなく、両面に操作部を備えた自動販売機等に適用することが可能となる。即ち、本発明にあっては、特許文献1の従来装置のように水平に搬送されてきた硬貨を上方に引き上げるためのガイドレールを設ける必要がないため、硬貨上昇機構を間に挟んで対向配置された2つの硬貨投入口のうちの一方から搬送されてきた硬貨を硬貨上昇機構に移送する際の障害物となる部材が存在しない。このため、異なった方向から搬送されてきた硬貨を、硬貨上昇ベルト、硬貨ガイド縦壁、補助ローラのみによって上昇させることが可能となる。
しかも、第1の駆動伝達機構60と第2の駆動伝達機構70を一つの駆動源(モータ)によって駆動することができるため、構成をシンプル化することができる。即ち、特許文献1では、硬貨投入口から投入された硬貨を水平に搬送するためのモータの他に、硬貨を上昇させるためのモータと、更に振分け収納機構に硬貨を水平搬送するための機構を駆動するためのモータとが必要となり、合計3個のモータが必要とされていた。これに対して本発明では、硬貨投入口から投入された硬貨を受入れて上昇させる硬貨上昇ベルト55と、補助ローラ40を駆動させる駆動源が共通であるため、振分け収納機構を駆動するモータを含めて合計2個のモータで済むこととなる。
【0035】
また、他方の硬貨投入口3から投入され搬送ベルト106によって水平に搬送されてきた硬貨を硬貨上昇機構4に引き渡すための第2の補助ローラ78も第1及び第2の駆動伝達機構60、70と同じ駆動源によって駆動できるため、本発明の硬貨取扱い装置を両面操作方式の自動販売機等に適用した場合にも部品点数の削減、構成のシンプル化、小型化、薄型化、低コスト化を達成できることが明かである。
なお、硬貨上昇機構4の駆動源を、搬送ベルト106の駆動源として共用することにより、装置全体の構成を更にシンプル化することができる。
【0036】
次に、図11(a)及び(b)は本発明の変形実施形態に係る硬貨取扱い装置の要部(硬貨上昇機構)の構成を示す正面図、及び斜視図である。なお、前記各実施形態の構成を併せて参照し、同一部分には同一符号を付して説明する。
本実施形態に係る硬貨取扱い装置の硬貨上昇機構4は、下部プーリ30と上部プーリ50との間に硬貨上昇ベルト55を外周面で支持する従動プーリとしての中間プーリ80を配置することにより、下部プーリ30に対する上部プーリ50の離隔距離を拡大し、硬貨を上昇搬送する距離を長くしている。符号85は、テンションプーリである。
なお、第1、及び第2の補助ローラ、その他の共通する部材は図示を省略している。
【0037】
中間プーリ80は、後面を硬貨ガイド縦壁20の前面20bと対向させた状態で、第3の回転軸81によって回転自在、且つ硬貨ガイド壁前面と直交する軸方向(前後方向)へ移動自在に軸支される。中間プーリが軸方向最後方に位置する時に硬貨ガイド縦壁前面との間に硬貨の厚みよりも小さいギャップを形成し、且つ弾性部材82によって硬貨ガイド縦壁前面に向けて弾性付勢されている。
テンションプーリ85も後面を硬貨ガイド縦壁の前面20bと対向させた状態で、第4の回転軸86によって回転自在、且つ硬貨ガイド壁前面と直交する軸方向(前後方向)へ移動自在に軸支される。更に弾性部材87によって硬貨ガイド縦壁前面に向けて弾性付勢されている。
各プーリ、及び硬貨上昇ベルト55は、上記実施形態における第1及び第2の駆動伝達機構60、70、及び駆動源と同様の駆動機構によって回転駆動される。
【0038】
本実施形態においても、硬貨投入口2から導入された硬貨Cは下降傾斜路10から硬貨支持面12上に移動し、矢印方向へ回転する硬貨上昇ベルト55と硬貨ガイド縦壁の前面20b、及び図示しない第1の補助ローラとの間で挟持されつつ上方に搬送される。上部プーリ50で硬貨上昇ベルト55が反転する手前で硬貨は図示しない横搬送機構に受け渡される。
この実施形態は、中間プーリ80、テンションプーリ85を追加し、且つ硬貨上昇ベルト55を長尺化した点を除けば、前記実施形態と同様であり、一つの駆動源によって硬貨の水平方向への搬送と上昇搬送を実施できる。また、第2の硬貨投入口3から投入されてきた硬貨を硬貨上昇機構4に搬送する第2の硬貨導入機構6と、硬貨上昇機構4との受け渡し部の構成も前記実施形態と同様にすることができる。
【符号の説明】
【0039】
1…硬貨取扱い装置、2…第1の硬貨投入口、3…第2の硬貨投入口、5、6…硬貨導入機構、7…横搬送機構、12…硬貨支持面、20…硬貨ガイド縦壁、20a…開口部、20b…硬貨ガイド縦壁前面、22…支持部材、25…第1の固定軸、25a…前端部、25b…後端部、30…下部プーリ、30a…巻掛け部分、30b…円盤状部分、32…コイルバネ(弾性部材)、35…第1の回転軸、40…第1の補助ローラ、40a…前面、45…第2の回転軸、50…上部プーリ、51…コイルバネ(弾性部材)、55…硬貨上昇ベルト、55A…走行領域、55A`…下向き走行領域、55a…下部側面、60…第1の駆動伝達機構、61…駆動軸、62…第1のギヤ、64…第2のギヤ、70…第2の駆動伝達機構、71…第3のギヤ、73…第4のギヤ、75…第5のギヤ、76…軸部、77…軸支部材、78…第2の補助ローラ、78a…前面、80…中間プーリ、81…第3の回転軸、82…弾性部材、85…テンションプーリ、86…第4の回転軸、87…弾性部材、101…下降傾斜路(第2の下降傾斜路)、102a…底面、102…搬送路、105…ローラ、106…搬送ベルト、107…ガイド壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬貨投入口から投入された硬貨を縦姿勢で斜め下方へ移動させる下降傾斜路と、該下降傾斜路から移動してきた硬貨を受け継いで該下降傾斜路の延長上を縦姿勢で略水平に搬送する硬貨支持面と、該硬貨支持面上の硬貨を前記硬貨投入口よりも上方に上昇させる上昇機構と、上昇機構によって上昇させられた硬貨を受けて横方向へ搬送する横搬送機構と、を備え、
前記上昇機構は、前記硬貨支持面上に移動してきた前記硬貨の後面を前面によりガイドする硬貨ガイド縦壁と、後面を該硬貨ガイド縦壁前面と対向させた状態で回転自在、且つ該硬貨ガイド壁前面と直交する軸方向へ移動自在に軸支されると共に軸方向最後方に位置する時に該硬貨ガイド縦壁前面との間に硬貨の厚みよりも小さいギャップを形成する下部プーリと、該下部プーリを前記硬貨ガイド縦壁に向けて付勢する弾性部材と、前記下部プーリの上方において、後面を該硬貨ガイド縦壁前面と対向させた状態で回転自在、且つ軸方向移動自在に軸支されると共に軸方向最後方に位置する時に該硬貨ガイド縦壁前面との間にギャップを形成する上部プーリと、該上部プーリを前記硬貨ガイド縦壁前面に向けて付勢する弾性部材と、前記下部プーリと前記上部プーリにエンドレスに巻掛けられた硬貨上昇ベルトと、該下部プーリ又は上部プーリを駆動することにより該硬貨上昇ベルトを走行させる駆動源と、を備え、
前記下降傾斜路から移動してきた硬貨は、前記硬貨上昇ベルトと前記硬貨ガイド縦壁前面との間に形成される硬貨進入用隙間内に進入するように構成され、
前記下降傾斜路から移動してきた硬貨の移動方向と、該硬貨が最初に接する前記硬貨上昇ベルトの下向き走行領域とのなす角度が鋭角であり、
前記硬貨進入用隙間内に進入してきた硬貨は、前記硬貨上昇ベルトの下向き走行領域と前記硬貨ガイド縦壁前面との間に挟まれて前記硬貨支持面上を下流側に移動し、前記下部プーリ外周の該硬貨上昇ベルトが上向きに反転する位置で該硬貨上昇ベルトによって上向きに引き上げられ、
前記硬貨上昇機構を間に挟んで前記硬貨投入口と対向配置された他の硬貨投入口と、該他の硬貨投入口から投入され硬貨を縦姿勢で斜め下方へ移動させる他の下降傾斜路と、該下降傾斜路の終端部から前記硬貨上昇機構まで延在する水平な底面を有した搬送路と、該搬送路に沿って配置され前記底面と直交する回転軸により回転自在に軸支された複数の搬送ローラと、該各搬送ローラによりエンドレスに張架された搬送ベルトと、該搬送ベルトの一方の走行部分と対向配置されて前記搬送路上の硬貨の後面を支持するガイド壁と、を有した硬貨導入機構を備え、
前記搬送ベルトの最奥部に位置する前記搬送ローラは、前記下部プーリ外周の前記硬貨上昇ベルトの上昇部分に近接した位置にあり、前記最奥部の搬送ローラの後方であって前記第1の補助ローラの横方向には第2の補助ローラの前面が対向配置されており、該第2の補助ローラは前記硬貨上昇ベルトの上昇部分との間に挟んだ硬貨を上昇させる方向へ回転駆動され、
前記硬貨は前記最奥部の搬送ローラ外周の前記搬送ベルトから前記硬貨上昇ベルトと前記第2の補助ローラとの隙間内に進入するように構成されていることを特徴とする硬貨取扱い装置。
【請求項2】
前記下部プーリと対向する前記硬貨ガイド縦壁の部位に設けた開口部と、該開口部内に配置され、且つ前面を該硬貨ガイド縦壁の前面と略面一に配置された第1の補助ローラと、を備え、
前記硬貨進入用隙間内に進入してきた硬貨は、前記下部プーリ外周の該硬貨上昇ベルトが上向きに反転する位置で該硬貨上昇ベルトと、前記第1の補助ローラとの協働によって上向きに搬送されることを特徴とする請求項1に記載の硬貨取扱い装置。
【請求項3】
前記上昇機構は、前記硬貨ガイド縦壁の前面側に配置された支持部材によって前部を固定されて該硬貨ガイド縦壁と直交する方向へ延び、且つ該硬貨ガイド縦壁の手前で終端する第1の固定軸と、該第1の固定軸により軸方向へ進退自在、且つ回転自在に軸支されると共に軸方向最後方に位置する時に該硬貨ガイド縦壁前面との間にギャップを形成する前記下部プーリと、該下部プーリを該第1の固定軸に沿って前記硬貨ガイド縦壁に向けて常時弾性付勢する前記弾性部材と、前記下部プーリと対向する前記硬貨ガイド縦壁の部位に設けた開口部と、該開口部を介して前記第1の固定軸の後端部と前端部を離間させて同一軸線上に対向配置された第1の回転軸と、該第1の回転軸により軸心部を支持されて前記開口部内に配置され、且つ前面を該硬貨ガイド縦壁の前面と略面一に配置された第1の補助ローラと、
前記第1の固定軸よりも前記下降傾斜路寄りの上方において該第1の固定軸と平行に配置された第2の回転軸と、該第2の回転軸によって軸方向へ進退自在、且つ回転方向へ固定されると共に前記下部プーリと略同一平面内に配置された前記上部プーリと、該上部プーリを該第2の回転軸に沿って前記硬貨ガイド縦壁の前面に向けて常時弾性付勢する前記弾性部材と、前記下部プーリと前記上部プーリにエンドレスに巻掛けられた前記硬貨上昇ベルトと、前記下部プーリ、又は前記上部プーリに駆動力を伝達して該下部プーリ、該上部プーリ、及び該硬貨上昇ベルトを回転させる第1の駆動伝達機構と、前記第1の補助ローラを前記下部プーリと同期して同方向へ回転させる第2の駆動伝達機構と、前記第1の駆動伝達機構と第2の駆動伝達機構を駆動する単一の駆動源と、を備え、
前記下部プーリの後面と前記硬貨ガイド縦壁の前面との間には硬貨の厚みよりも小さい硬貨進入用隙間が形成され、前記下降傾斜路から移動してきた硬貨が該硬貨進入用隙間内に進入するように設定されており、
前記駆動源によって前記第1及び第2の駆動伝達機構が駆動している時に、前記硬貨進入用隙間内に進入してきた硬貨は、前記硬貨上昇ベルトの下向き走行領域と前記硬貨ガイド縦壁前面との間に挟まれて前記硬貨支持面上を下流側に移動し、前記下部プーリ外周の硬貨上昇ベルトが上向きに反転する位置で該硬貨上昇ベルトと前記第1の補助ローラ前面によって挟持されて上昇し、前記上部プーリ外周で該硬貨上昇ベルトが下向きに反転する手前で前記横搬送機構に移送するように構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の硬貨取扱い装置。
【請求項4】
前記下部プーリと前記上部プーリとの間に前記硬貨上昇ベルトを外周面で支持する中間プーリを配置することにより、前記下部プーリに対する前記上部プーリの離隔距離を拡大し、
前記中間プーリは、後面を該硬貨ガイド縦壁前面と対向させた状態で回転自在、且つ該硬貨ガイド壁前面と直交する軸方向へ移動自在に軸支されると共に軸方向最後方に位置する時に該硬貨ガイド縦壁前面との間に硬貨の厚みよりも小さいギャップを形成し、且つ前記硬貨ガイド縦壁前面に向けて弾性付勢されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の硬貨取扱い装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−109463(P2013−109463A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−252473(P2011−252473)
【出願日】平成23年11月18日(2011.11.18)
【出願人】(305027456)ネッツエスアイ東洋株式会社 (200)
【出願人】(591231421)コモタ株式会社 (7)
【Fターム(参考)】