説明

硬貨識別センサ

【課題】組立工程数を低減できるとともに組立精度のばらつきを抑制可能な硬貨識別センサを提供すること。
【解決手段】コイルが巻回されるコアと磁気遮蔽機能を備えたシールドとが一体に成形された複数のセンサ部材を互いに嵌合することにより、磁界を励磁する一次側のコイルが巻回されるコアと、一次側のコイルによって励磁された磁界を横切った硬貨の材質および形状に応じた信号を出力する二次側のコイルが巻回されるコアとが硬貨の搬送路を挟んで対向する所定位置に位置決めされるように硬貨識別センサを構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬貨識別センサに関するものであり、特に、組立工程数を低減できるとともに組立精度のばらつきを抑制可能な硬貨識別センサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、硬貨を取り扱う入出金機や両替機等の硬貨処理装置には、硬貨の金種や真偽を識別するためのセンサが設けられている。また、かかるセンサとして、磁気を利用した硬貨識別センサが知られている。
【0003】
たとえば、特許文献1には、硬貨の搬送路を挟んで対向する位置に一次コイルと二次コイルとを備え、一次コイルによって発生される磁界を横切った硬貨の材質や形状に応じた信号を二次コイルから出力する硬貨識別センサが記載されている。
【0004】
また、従来の硬貨識別センサは、外部への磁界の漏れや外部からの磁束の侵入によって硬貨の識別精度が低下することを防止するため、磁気遮蔽機能を備えたシールドの内部に一次コイルおよび二次コイルが設けられている。
【0005】
ところで、かかる硬貨識別センサは、一次コイル用のシールド、二次コイル用のシールド、一次コイルを巻回する一次側コア、二次コイルを巻回する二次側コア等といった複数の部材を組み立てることで形成されていた。
【0006】
たとえば、硬貨識別センサを組み立てる場合、所定の位置決め部材を用いて一次コイル用のシールドの所定位置へ一次側コアを接着し、二次コイル用のシールドの所定位置へ二次側コアを接着する。
【0007】
続いて、所定の位置決め部材を用いて一次コイル用のシールドと二次コイル用のシールドとを位置合わせして接着することで組み立てを行っていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−229428号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来の硬貨識別センサは、構成する部材の点数が多いため組立工程数の低減が困難であるという問題があった。また、従来の硬貨識別センサは、組立工程毎に部材の位置合わせを行う必要があるため組立精度にばらつきが生じるという問題があった。
【0010】
これらのことから、組立工程数を低減できるとともに組立精度のばらつきを抑制可能な硬貨識別センサをいかにして実現するかが大きな課題となっている。
【0011】
本発明は、上述した従来技術による課題を解決するためになされたものであって、組立工程数を低減できるとともに組立精度のばらつきを抑制可能な硬貨識別センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る硬貨識別センサは、一次側のコイルによって励磁された磁界を横切った硬貨の材質および形状に応じた信号を二次側のコイルから出力する硬貨識別センサであって、前記コイルが巻回されるコアと磁気遮蔽機能を備えたシールドとが一体に成形されたセンサ部材を備えたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る硬貨識別センサは、所定位置に雄部を有する前記センサ部材と、所定位置に雌部を有する前記センサ部材とを備え、前記雄部を前記雌部へ嵌合することで組み立てられていることを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る硬貨識別センサは、前記シールドは、前記雄部が前記雌部へ嵌合されていない場合に、当該シールドと一体に成形されている前記コアの頂面および少なくとも側面の一部が露出するように成形されていることを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る硬貨識別センサは、前記シールドは、前記雄部が前記雌部へ嵌合された場合に、当該シールドと一体に成形されている前記コアの露出部分を相互に遮蔽するように成形されていることを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る硬貨識別センサは、前記雄部を前記雌部へ嵌合することで複数の前記センサ部材に成形されている前記コア同士が接合されて一つのコアが組み立てられていることを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る硬貨識別センサは、前記センサ部材は、前記一次側のコイルが巻回されるコアと前記二次側のコイルが巻回されるコアとが硬貨の搬送路を挟んで対向する所定位置に位置決めされて一体に成形されていることを特徴とする。
【0018】
また、本発明に係る硬貨識別センサは、前記センサ部材とは別体に成形され、磁気遮蔽機能を有し、前記センサ部材を内包するカバー体を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、硬貨識別センサが備えるセンサ部材にコアとシールドとが予め一体に成形されているため、シールドとコアとを位置合わせして接着する工程を削減することで組立工程数を低減できるとともに組立精度のばらつきを抑制できるという効果を奏する。
【0020】
また、本発明によれば、センサ部材が備える雄部を他のセンサ部材が備える雌部へ嵌合することでセンサ部材同士の位置合わせを行うことができるため、組立精度のばらつきを抑制することができるという効果を奏する。
【0021】
また、本発明によれば、複数のセンサ部材を互いに嵌合していない場合に、各センサ部材に成形されているコアが露出状態となっているため、コアの露出部分へ容易にコイルを巻回できるという効果を奏する。
【0022】
また、本発明によれば、複数のセンサ部材を互いに嵌合した場合に、各センサ部材に成形されているコアの露出部分がシールドによって遮蔽されるため、組立て後の硬貨識別センサからの磁界の漏出を抑制することで硬貨の識別精度の低下を抑制することができるという効果を奏する。
【0023】
また、本発明によれば、各センサ部材に成形されているコア同士を接合させて一つのコアを形成できるため、コア同士の接合面に生じる微小な隙間によって硬貨の搬送等で発生する振動を吸収してコアの破損を抑制することができるという効果を奏する。
【0024】
また、本発明によれば、センサ部材に一次側のコイルが巻回されるコアと二次側のコイルが巻回されるコアとが硬貨の搬送路を挟んで対向する所定位置に位置決めされて一体に成形されているため、一次側のコイルが巻回されるコアと二次側のコイルが巻回されるコアとの相対位置にばらつきが生じることを抑制することができるという効果を奏する。
【0025】
また、本発明によれば、センサ部材とは別体に成形され、磁気遮蔽機能を有し、センサ部材を内包するカバー体を設けることでセンサ部材の形状に関係なく硬貨識別センサからの磁界の漏出を抑制することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は、従来の硬貨識別センサと本発明に係る硬貨識別センサとの構成の違いを示す図である。
【図2】図2は、本実施例に係る硬貨識別センサの構成および動作の概要を示す図である。
【図3】図3は、本実施例に係る硬貨識別センサを構成する各部材の形状および同センサの組立工程を示す図である。
【図4】図4は、一次コイルおよび二次コイルの巻回手順を示す図である。
【図5】図5は、変形例1に係る硬貨識別センサの一次側センサ部材を示す図である。
【図6】図6は、変形例2に係る硬貨識別センサを示す図である。
【図7】図7は、変形例3に係る硬貨識別センサを示す図である。
【図8】図8は、変形例4に係る硬貨識別センサを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る硬貨識別センサの実施例を詳細に説明する。まず、実施例の詳細な説明に先立って、従来の硬貨識別センサと比較しつつ本発明に係る硬貨識別センサの概要を説明する。
【0028】
図1は、従来の硬貨識別センサと本発明に係る硬貨識別センサとの構成の違いを示す図である。なお、図1(A)、(B)には、従来の硬貨識別センサの構成を示しており、図1(C)には、本発明に係る硬貨識別センサの構成の概要を示している。
【0029】
図1(A)に示すように、従来の硬貨識別センサ100は、一次コイルが巻回される一次側コア110と、二次コイルが巻回される二次側コア120とが対向する所定位置に位置決めされて設けられている。なお、同図では、一次コイルおよび二次コイルの図示を省略している。
【0030】
ここで、一次コイルは、励磁用の信号が入力されることで磁界を発生させるコイルである。また、二次コイルは、一次コイルによって発生された磁界を横切った硬貨の材質および形状に応じた信号を出力するコイルである。
【0031】
また、一次側コア110は、一次コイルによって発生された磁界が硬貨識別センサ100の外部へ漏出することを防止するため、磁気遮蔽機能を備えた一次側シールド111の内部に設けられている。同様に、二次側コア120は、磁気遮蔽機能を備えた二次側シールド121の内部に設けられている。
【0032】
そして、硬貨識別センサ100は、図1(B)に示すように、それぞれ別体に成形された一次側シールド111、一次側コア110、二次側シールド121、二次側コア120をそれぞれ位置合わせし、接着することで組み立てられていた。
【0033】
このように、従来の硬貨識別センサ100は、一次側シールド111、一次側コア110、二次側シールド121、二次側コア120が全て別体であったため組立工程数の低減が困難であるという問題があった。また、組立工程毎に各部材の位置合わせを行う必要があったため、組立精度にばらつきが生じるという問題があった。
【0034】
そこで、本発明に係る硬貨識別センサは、コアとシールドとを一体成形したセンサ部材同士を嵌合して組み立てる構成とすることにより、組立工程数の低減を可能とするとともに、組立精度にばらつきが生じることを抑制可能とした。
【0035】
具体的には、図1(C)に示すように、本発明に係る硬貨識別センサ1は、一次側コア11と一次側シールド12とを一体成形したセンサ部材10と、二次側コア21と二次側シールド22とを一体成形したセンサ部材20とを備えている。
【0036】
そして、硬貨識別センサ1は、一次側センサ部材10の所定位置(ここでは、硬貨識別センサ1の左右側面となる位置)に設けられた雌部へ二次側センサ部材20の所定位置に設けられた雄部を嵌合することによって組み立てるように構成している。
【0037】
このように、硬貨識別センサ1は、組み立ての際、一次側コア11と一次側シールド12とを接着する工程、二次側コア120と二次側シールド121とを接着する工程が不要なため、組立工程数を低減することができる。
【0038】
また、硬貨識別センサ1は、センサ部材10の雌部へセンサ部材20の雄部を嵌合するだけで一次側コア11、一次側シールド12、二次側コア21、二次側シールド22の相対位置が決定されるため組立精度にばらつきが生じることを抑制することができる。
【0039】
また、一次側シールド12は、センサ部材20の雄部がセンサ部材10の雌部へ嵌合されていない場合に、一次側コア11の頂面と少なくとも側面の一部とが露出するように成形している。同様に、二次側シールド22は、センサ部材20の雄部がセンサ部材10の雌部へ嵌合されていない場合に、二次側コア21の頂面と少なくとも側面の一部とが露出するように成形している。
【0040】
これにより、硬貨識別センサ1では、センサ部材20の雄部がセンサ部材10の雌部へ嵌合されていない場合に、一次側コア11の露出している側面(周面)へ容易に一次コイルを巻回することができる。同様に、硬貨識別センサ1では、二次側コア21の露出している側面(周面)へ容易に二次コイルを巻回することができる。
【0041】
また、一次側シールド12および二次側シールド22は、センサ部材20の雄部がセンサ部材10の雌部へ嵌合された場合に、二次側コア21および一次側コア11の露出部分を互いに遮蔽するように成形している。このため、硬貨識別センサ1は、一次コイルによって発生された磁界が外部へ漏出することを抑制することができるため、硬貨の識別精度の低下を防止することができる。
【0042】
上述したように、本発明に係る硬貨識別センサ1は、コアとシールドとを一体に成形したセンサ部材10、20を備えている。このため、本発明に係る硬貨識別センサ1によれば、組立時にコアとシールドとを接着する必要がない。このため、本発明に係る硬貨識別センサ1によれば、従来の硬貨識別センサ100に比べ、少ない組立工程数で組立を完了することができる。
【0043】
また、本発明に係る硬貨識別センサ1は、センサ部材20の所定位置に設けられた雄部を他のセンサ部材10の所定位置に設けられた雌部へ嵌合するだけで、各コアおよび各シールドの相対位置を決定することができる。
【0044】
このため、本発明に係る硬貨識別センサ1によれば、従来の硬貨識別センサ100に比べ、組立精度にばらつきが生じることを抑制することができる。以下に添付図面を参照して、本発明に係る硬貨識別センサ1の好適な実施例を詳細に説明する。
【実施例】
【0045】
まず、図2を用いて本実施例に係る硬貨識別センサの構成および動作の概要について説明する。図2は、本実施例に係る硬貨識別センサ1の構成および動作の概要を示す図である。なお、図2(A)は、硬貨識別センサ1の斜視図であり、図2(B)は、硬貨識別センサ1の平面図であり、図2(C)は、硬貨識別センサ1の正面図である。
【0046】
図2(A)に示すように、硬貨識別センサ1は、磁気遮蔽機能を備えた一次側シールド12および二次側シールド22と、一次側シールド11の内部に設けられた一次側コア11と、一対の二次側シールド22の内部にそれぞれ設けられた二次側コア21とを備えている。
【0047】
そして、一次側コア11には、励磁用の信号が入力されることで所定の磁界を発生する一次コイル13(図1(C)参照)が巻回されている。一方、各二次側コア21には、一次コイル13によって発生された磁界を横切った硬貨の材質および形状に応じた信号を出力する二次コイル23が巻回されている(図1(C)参照)。
【0048】
また、硬貨識別センサ1の正面および正面と対向する裏面を構成している一次側シールド12には、中央に硬貨Bの搬入および搬出を行うための窓部が設けられている。なお、図2における符号Aは、硬貨を搬送する搬送ベルトである。このように、硬貨識別センサ1には、正面側から裏面側へ貫通する空間が設けられており、かかる空間が硬貨Bの搬送路となる。
【0049】
また、図2(B)に示すように、硬貨識別センサ1は、一対の二次側シールド22の間に、硬貨識別センサ1の上面から硬貨Bの搬送路にまで至るスリットを備えている。これにより、硬貨識別センサ1では、搬送路内における硬貨Bの詰まりを硬貨識別センサ1の上方からスリットを通して目視により確認することができる。
【0050】
また、かかるスリットの幅は、搬送ベルトAの幅よりも幅広となるように設けられている。このため、硬貨識別センサ1では、搬送路内に硬貨Bが詰まった場合に、スリットから搬送ベルトAを引き出し、搬送路内に詰まった硬貨Bを搬送路外へ容易に排出することができる。また、かかるスリットを設けておくことで、搬送ベルトAの交換作業を容易に行うことができる。
【0051】
そして、硬貨識別センサ1は、硬貨Bを識別する場合、一次コイル13へ励磁用の信号が入力され、図2(C)に示すように、一次コイル13から磁界Cを発生させる。なお、一次コイル13へ入力する励磁用の信号としては、例えば、1または複数の周波数成分を含む信号を利用することができる。このとき、搬送ベルトAによって搬送されてきた硬貨Bが磁界Cを横切った場合、磁界を横切った硬貨Bの材質や形状(厚さ)に応じて磁界Cの磁束密度が変化する。
【0052】
このように、磁界Cの磁束密度が変化すると、二次コイル23には、磁束密度の変化に応じた誘導起電力が発生する。このとき、二次コイル23は、発生した誘導起電力に応じた信号、すなわち、識別対象の硬貨Bの材質および形状に応じた信号を所定の信号解析部(図示略)へ出力する。
【0053】
そして、信号解析部は、二次コイル23から入力される信号の波形と、予め硬貨の金種毎に記憶されている信号の波形やその波形の特徴部とを比較することにより、識別対象の硬貨Bの金種および真偽等を判定する。
【0054】
次に、図3を用いて本実施例に係る硬貨識別センサ1を構成する各部材の形状および硬貨識別センサ1の組立工程について説明する。図3は、本実施例に係る硬貨識別センサ1を構成する各部材の形状および同センサ1の組立工程を示す図である。
【0055】
本実施例に係る硬貨識別センサ1は、図3(A)に示すセンサ部材20(以下「二次側センサ部材20」という)と、図3(B)に示すセンサ部材10(以下、「一次側センサ部材10」という)とを互いに嵌合することで図3(C)に示すように組立てられる。
【0056】
二次側センサ部材20は、図3(A)に示すように、二次側コア21と二次側シールド22とが一体に成形されている。ここで、二次側センサ部材20は、強磁性体のなかで比較的保持力が小さく、透磁率が大きな軟磁性体を材料として用いて成形されている。
【0057】
かかる二次側センサ部材20は、たとえば、予め作成した金型にフェライト等の磁性材料を充填し焼結することにより容易に成形することができる。ただし、センサ部材10、20(一次側センサ部材10、二次側センサ部材20)の製法はこれに限らず、磁性材料を利用して所定の形状を得られるものであれば、機械加工等を利用する形態であっても構わない。
【0058】
ここで、二次側コア21は、直方体となるように成形され、上面が二次側シールド22の天板の下面に当接した状態で二次側シールド22と一体に成形されている。また、二次側シールド22は、二次側コア21の上面を非露出状態とする天板と、二次側コア21の側面の上半部を非露出状態とする側板とを備え、下部が開放された箱型に成形されている。
【0059】
さらに、二次側シールド22の4枚の側板のうち一枚の側板には、硬貨識別センサ1の側面を遮蔽する遮蔽板24が一体に成形されている。なお、かかる遮蔽板24もフェライトを材料として用いて成形されている。
【0060】
このように、二次側センサ部材20は、二次側コア21の頂面(下面)および側面の一部が露出するように二次側シールド22を成形することで、二次側コア21へ二次コイル23を容易に巻回できるようにしている。なお、二次コイル23の巻回手順については、図4を用いて後述する。
【0061】
また、一次側センサ部材10は、図3(B)に示すように、一次側コア11と一次側シールド12とが一体に成形されている。そして、かかる一次側センサ部材10は、たとえば、予め作成した金型へフェライトを充填し、焼結することにより成形する。
【0062】
また、一次側コア11は、二次側コア12よりも横長の直方体となるように成形され、下面が一次側シールド12の底板の上面に当接した状態で一次側シールド12と一体に成形されている。
【0063】
また、一次側シールド12は、一次側コア11の下面を非露出状態とする底板と、硬貨識別センサ1の正面側を構成する表板と、硬貨識別センサ1の裏面側を構成する裏板とを備えている。これら表板および裏板の中央には、それぞれ硬貨Bの搬入部および搬出部となる窓部が設けられている。
【0064】
ここで、表板の窓部は、一次側シールド12の外部から表板と対向する一次側コア11の側面が非露出状態となる位置に設けられ、裏板の窓部は、一次側シールド12の外部から裏板と対向する一次側コア11の側面が非露出状態となる位置に設けられている。
【0065】
すなわち、一次側シールド12は、内部に一次側コア11を備えるとともに、硬貨識別センサ1の正面側から裏面側へ貫通する硬貨B搬送用の空間を備え、左右側面および上面が開放された箱型に成形されている。
【0066】
そして、一次側センサ部材10は、一次側コア11の頂面(上面)および左右側面が露出するように一次側シールド12を成形することで、一次側コア11へ一次コイル13を容易に巻回できるようにしている。なお、一次コイル13の巻回手順については、図4を用いて後述する。
【0067】
また、一次側シールド12の表板および裏板の上部中央には、搬送ベルトAの幅よりも幅広なスリットが設けられている。さらに、一次側シールド12の表板および裏板の左右端縁には、二次側シールド22の遮蔽板24が嵌合される雌部としてレール状の凹部14が成形されている。
【0068】
そして、一次側シールド14の表板および裏板の左右端縁に成形された凹部14へ二次側シールド22に成形されている遮蔽板24の端縁を雄部として嵌合することで硬貨識別センサ1が組立てられる。
【0069】
すなわち、硬貨識別センサ1では、二次側センサ部材20に設けられた雄部を一次側センサ部10に設けられた雌部へ嵌合することで、一次側センサ部材10と二次側センサ部材20との相対位置が決定される。これにより、硬貨識別センサ1では、一次側コア11と二次側コア21とが硬貨Bの搬送路を挟んで上下に対向する所定位置となるように位置決めされる。
【0070】
このように、硬貨識別センサ1は、組立ての際に、一次側コア11および一次側シールド12、二次側コア21および二次側シールド22、一次側シールド12および二次側シールド22の各位置合わせを行う必要がないため、組立精度のばらつきを抑制することができる。
【0071】
また、硬貨識別センサ1は、一次側コア11と一次側シールド12とを一体成形した一次側センサ部材10と、二次側コア21と二次側シールド22とを一体成形した二次側センサ部材20とを嵌合するだけで組立を完了することができる。このため、硬貨識別センサ1は、従来の硬貨識別センサ100よりも少ない組立工程によって組立が可能である。
【0072】
次に、図4を用いて一次コイル13および二次コイル23の巻回手順について説明する。図4は、一次コイル13および二次コイル23の巻回手順を示す図である。
【0073】
図4(A)に示すように、二次側センサ部材20は、一次側センサ部材10へ嵌合する前の状態では、二次側コア21の頂面(下面)および側面の一部が二次側シールド22から露出した状態となっている。
【0074】
このため、二次コイル23を巻回する際、二次側シールド22の外部から内部の二次側コア21へ銅線等の針金部材Dの一端を差込み、露出している二次側コア21の側面へ巻回することで、図4(B)に示すように、容易に二次コイル23を巻回することができる。
【0075】
また、二次コイル23を巻回する際、二次側コア21の側面が二次側シールド22から露出状態となっているため、針金部材Dの他端側を二次側シールド22の外部から引っ張りながら二次側コア21へ巻回することができる。このため、針金部材Dに緩みを生じさせることなく、密に二次側コア21へ巻回することができる。
【0076】
また、図4(C)に示すように、一次側センサ部材10は、二次側センサ部材20が嵌合される前の状態では、一次側コア11の頂面(上面)および硬貨識別センサ1の左右側面と対向する側面が露出状態となっている。
【0077】
このため、一次コイル13を巻回する際、一次側シールド12の左右に設けられている開放部分から針金部材Dの一端を一次側シールド12の内部へ差込み、一次側コア12の側面へ巻回することで、図4(D)に示すように、容易に一次側コア13を巻回することができる。
【0078】
また、一次コイル13を巻回する際、一次側シールド12の左右に設けられている開放部分の外部から針金部材Dの他端側を引っ張りながら一次側コア11へ巻回することができる。このため、一次コイル12についても針金部材Dに緩みを生じさせることなく、密に一次側コア11へ巻回することができる。
【0079】
なお、硬貨識別センサ1の一次側センサ部材10の形状は、図3(B)に示すものに限定するものではない。ここで、図5を用いて一次側センサ部材10の形状が図3(B)に示すものとは異なる硬貨識別センサの変形例1について説明する。
【0080】
図5は、変形例1に係る硬貨識別センサの一次側センサ部材30を示す図である。なお、変形例1に係る硬貨識別センサの二次側センサ部材20は、図3(A)に示すものと同一であるため、ここでは、図示を省略する。
【0081】
図5に示すように、本変形例1に係る一次側センサ部材30は、図3(B)に示す一次側センサ部材10を硬貨Bの搬送方向に対して左右に分割した一対の分割部材30a、30bを互いに嵌合することで組み立てられる。
【0082】
すなわち、硬貨Bの搬送方向に対して一次側センサ部材30の右側を構成する分割部材30aは、図3(B)に示す一次側コア11および一次側シールド12をそれぞれ左右に分割した分割コア31aおよび分割シールド32aを備えている。
【0083】
同様に、硬貨Bの搬送方向に対して一次側センサ部材30の左側を構成する分割部材30bは、図3(B)に示す一次側コア11および一次側シールド12をそれぞれ左右に分割した分割コア31bおよび分割シールド32bを備えている。
【0084】
また、各分割シールド32a、32bには、図3(B)に示す一次側シールド12と同様に二次側シールド20の遮蔽板24が嵌合される凹部34a、34bが成形されている。
【0085】
さらに、硬貨Bの搬送方向に対して一次側センサ部材30の右側を構成する分割部材30aは、左側を構成する分割部材30bとの嵌合部となる分割コア31aの下面に嵌合用の凸部33aが成形されている。
【0086】
一方、硬貨Bの搬送方向に対して一次側センサ部材30の左側を構成する分割部材30bは、右側を構成する分割部材30aとの嵌合部となる分割コア31bの上面に嵌合用の凹部33bが成形されている。
【0087】
そして、一次側センサ部材30は、分割部材30aの凸部33aを分割部材30bの凹部33bへ嵌合することで組み立てられる。さらに、分割部材30a、30bの各々に、図3(A)に示す二次側センサ部材20を嵌合することで、図3(C)に示すものと同形状の硬貨識別センサ1が組み立てられる。
【0088】
このように、一次側センサ部材30では、雄部である分割部材30aの凸部33aを雌部である分割部材30bの凹部33bへ嵌合することで分割コア31aおよび分割コア31bを接合させて一つの一次側コアが形成される。
【0089】
このため、一次側センサ部材30によれば、分割コア31a、31b同士の接合面に生じる微小な隙間によって硬貨の搬送等で発生する振動を吸収することができるので、振動によるコアの破損を抑制することができる。
【0090】
また、一次側センサ部材30は、分割部材30a、30bのいずれか一方の凹部34a、34bに成形不良が生じていた場合、成形不良が生じている方のみ廃棄して良品と交換し、他方をそのまま使用できるため廃棄される部材の量を削減することができる。
【0091】
次に、図6を用いて変形例2に係る硬貨識別センサ1aについて説明する。図6は、変形例2に係る硬貨識別センサ1aを示す図である。
【0092】
図6(A)に示すように、硬貨識別センサ1aは、二次側コア21と二次側シールド42とが一体に成形された二次側センサ部材40と、一次側コア11と一次側シールド52とが一体に成形された一次側センサ部材50とを互いに嵌合することで組み立てられる。
【0093】
同図(A)に示すように、二次側シールド42は、内部に二次側コア21を内包する空間を備え、下面側が開放された箱型に成形されている。具体的には、二次側シールド422は、二次側コア21の上面を非露出状態とする天板と、二次側コア21の側面を非露出状態とする側板とを備えている。
【0094】
また、二次側シールド42の4枚の側板のうち一枚の側板は、他の側板よりも肉厚に成形されている。そして、かかる肉厚に成形された側板の底面には、一次側センサ部材50へ嵌合する雄部となる凸部43が成形されている。
【0095】
なお、これら二次側コア21と二次側シールド42とが一体に成形された二次側センサ部材40は、たとえば、予め作成した金型へフェライトを充填し、焼結することにより成形する。
【0096】
一方、一次側シールド52は、内部に一次側コア11を内包する空間を備え、硬貨識別センサ1aの正面側から裏面側へ貫通する硬貨B搬送用の空間を備え、上面が開放された箱型に成形されている。
【0097】
具体的には、一次側シールド52は、一次側コア11の底面を非露出状態とする底板と、一次側コアの側面を非露出状態とする側板とを備えている。また、一次側シールド52の4枚の側板のうち硬貨識別センサ1aの正面および裏面を構成する各側板には、図3(B)に示した一次側シールド12と同様に、硬貨Bの搬入および搬出用の窓部が設けられている。
【0098】
また、一次側シールド52の4枚の側板のうち硬貨Bの搬送路に対して硬貨識別センサ1aの左右側面を構成する2枚の側板は、他の側板よりも肉厚に成形されている。また、かかる肉厚に成形された側板の上面には、二次側センサ部材40の凸部43が嵌合される雌部となる凹部53が成形されている。
【0099】
なお、これら一次側コア11と一次側シールド52とが一体に成形された一次側センサ部材50は、たとえば、予め作成した金型へフェライトを充填し、焼結することにより成形する。
【0100】
そして、図6(B)に示すように、硬貨識別センサ1aは、一次側センサ部材50に成形された凹部53へ二次側センサ部材40に成形された凸部43を嵌合することで組立てる。これにより、硬貨識別センサ1aでは、一次側コア11と二次側コア21とが硬貨Bの搬送路を挟んで対向する所定位置に位置決めされる。
【0101】
すなわち、硬貨識別センサ1aで一次側コア11と二次側コア21との相対位置のばらつきを抑制するためには、一次側センサ部材50の凹部53および二次側センサ部材40の凸部43の形状と成形位置とを精度よく形成するだけでよい。
【0102】
このため、硬貨識別センサ1aは、図3に示す硬貨識別センサ1のように、一次側センサ部材10に成形されたレール状の凹部14と二次側センサ部材20の遮蔽板24とを嵌合する構成よりも組立精度のばらつきを抑制できる。
【0103】
また、硬貨識別センサ1aの一次側センサ部材50は、一次側シールド52により一次側コア11を非露出状態とし、二次側センサ部材40は、二次側シールド42により二次側コア21を非露出状態とするように成形している。
【0104】
このため、硬貨識別センサ1aは、図3(C)に示す硬貨識別センサ1のように、一次側シールド12および二次側シールド22によって相互に一次側コア11および二次側コア21を非露出状態とする構成よりも簡易な構造とすることができる。
【0105】
このように、硬貨識別センサ1aは、一次側センサ部材50および二次側センサ部材40の構造を簡易にすることで、組立時に各部材の嵌合部分が破損することを抑制することができる。
【0106】
ただし、硬貨識別センサ1aは、一次側センサ部材50および二次側センサ部材40を互いに嵌合する前の状態で一次側コア11および二次側コア21が非露出状態となっている。このため、硬貨識別センサ1aは、図3(C)に示す硬貨識別センサ1ほど容易に一次コイル13および二次コイル23を巻回することができない。
【0107】
そこで、硬貨識別センサ1aでは、図6(B)に示すように、予め一次側コア11と同一形状の箱体に針金部材Dを巻回して一次コイル13を形成し、二次側コア21と同一形状の箱体に針金部材Dを巻回して二次コイル23を形成しておく。
【0108】
そして、予め形成しておいた一次コイル13を一次側シールド52の外部から内部へ挿入して一次側コア11へ嵌合し、二次コイル23を二次側シールド42の外部から内部へ挿入して二次側コア21へ嵌合する。
【0109】
これにより、硬貨識別センサ1aは、一次側コア11および二次側コア21が非露出状態であっても容易に一次コイル13および二次コイル23を巻回することができる。
【0110】
次に、図7を用いて変形例3に係る硬貨識別センサについて説明する。図7は、変形例3に係る硬貨識別センサ1bを示す図である。図7に示すように、硬貨識別センサ1bは、硬貨Bの搬送方向に対して硬貨識別センサ1bの右側を構成する右側センサ部材60aと、左側を構成する左側センサ部材60bとを嵌合することで組み立てられる。
【0111】
同図に示すように、右側センサ部材60aは、一次側コアの右半部分を構成する分割コア31aと二次側コア21とが硬貨Bの搬送路を挟んで対向する所定位置に位置決めされ、シールド62aと一体に成形されている。なお、同図に示す分割コア31aは、図5に示す分割コア31aと同じものであり、下面に、左側センサ部材60bへ嵌合する凸部33aが成形されている。
【0112】
また、左側センサ部60bは、一次側コアの左半部分を構成する分割コア31bと二次側コア21とが硬貨Bの搬送路を挟んで対向する所定位置に位置決めされ、シールド62bと一体に成形されている。なお、同図に示す分割コア31bは、図5に示す分割コア31bと同じものであり、上面に、右側センサ部材60aが嵌合される凹部33bが成形されている。
【0113】
なお、これら右側センサ部材60aおよび左側センサ部60bは、たとえば、予め作成した金型へフェライトを充填し、焼結することによりそれぞれ成形する。そして、硬貨識別センサ1cは、右側センサ部材60aの凸部33aを左側センサ部材60bの凹部33bへ嵌合することで組み立てる。
【0114】
このように、硬貨識別センサ1bは、予め分割コア31aと二次側コア21とが対向する所定位置に位置決めされ、分割コア31bと二次側コア21とが対向する所定位置に位置決めされている。
【0115】
このため、硬貨識別センサ1bは、右側センサ部材60aと左側センサ部材60bとを互いに嵌合した場合に、分割コア31a、31bとが接合して形成される一つの一次側コアと二次側コア21との相対位置にばらつきが生じることを抑制することができる。
【0116】
次に、図8を用いて変形例4に係る硬貨識別センサ1cについて説明する。図8は、変形例4に係る硬貨識別センサ1cを示す図である。図8に示すように、硬貨識別センサ1cは、一次側コア11および二次側コア21が一体に成形されたセンサ部材70と、センサ部材70とは別体に成形され、磁気遮蔽機能を備えたカバー体80とを備えている。
【0117】
同図に示すように、カバー体80は、図3(C)に示す硬貨識別センサ1の正面、裏面、左右側面を構成するシールドと同一形状の側板を備えている。かかるカバー体80は、たとえば、予め作成した金型へフェライトを充填し、焼結することにより成形する。なお、かかるカバー体80は、たとえば、シート状のパーマロイから成形してもよい。
【0118】
また、センサ部材70は、図3(C)に示す硬貨識別センサ1の底面を構成する底板と同一形状の底板71と、底板71と一体に成形された一次側コア11とを備えている。さらに、センサ部材70は、底板71と一体に成形され、二次側コア21が硬貨Bの搬送路を挟んで一次側コア11と対向する所定位置に位置決めされるように二次側コア21を保持する保持体72を備えている。
【0119】
なお、一次側コア11および二次側コア21は、図3(C)に示す一次側コア11および二次側コア21と同じものである。ここで、これら一次側コア11、二次側コア21、保持体72を備えたセンサ部材70は、たとえば、予め作成した金型へフェライトを充填し、焼結することにより成形する。
【0120】
そして、硬貨識別センサ1cは、センサ部材70へカバー体80を嵌合し、一次側コア11および二次側コア21の露出部分を非露出状態として組み立てる。
【0121】
このように、硬貨識別センサ1cでは、予め一次側コア11および2次側コア21が対向する所定位置に位置決めされた状態で一体成形されているため、組立て時に一次側コア11および二次側コア21の取付工程を全て省くことができるため組立工程数をさらに低減することができる。
【0122】
また、硬貨識別センサ1cでは、組立時に一次側コア11および二次側コア21の相対位置が既に決定されているため、組立精度にばらつきが生じることを防止することができる。
【0123】
上述したように、本実施例に係る硬貨識別センサは、コアとシールドとを一体に成形した複数のセンサ部材を備えている。このため、本実施例に係る硬貨識別センサ1によれば、組立時にコアとシールドとを接着する必要がない。このため、本実施例に係る硬貨識別センサによれば、従来の硬貨識別センサに比べ、少ない組立工程数で組立を完了することができる。
【0124】
また、本実施例に係る硬貨識別センサは、センサ部材の所定位置に設けられた雄部を他のセンサ部材の所定位置に設けられた雌部へ嵌合するだけで、各コアおよび各シールドの相対位置を決定することができる。
【0125】
このため、本実施例に係る硬貨識別センサによれば、従来の硬貨識別センサに比べ、組立精度にばらつきが生じることを抑制することができる。
【0126】
なお、上記した各センサ部材の形状は、本発明の一例を示したものであり、上記したものに限定されるものではない。すなわち、本発明に係るセンサ部材は、コアとシールドとが一体に成形されたものであって、各センサ部同士を互いに嵌合することで一次側コアと二次側コアとが対向する所定位置に位置決めされるものであれば任意の形状とすることができる。
【符号の説明】
【0127】
1、1a、1b、1c 硬貨識別センサ
10、30、50 一次側センサ部材
11 一次側コア
12、52 一次側シールド
13 一次コイル
14 凹部
20、40 二次側センサ部材
21 二次側コア
22、42 二次側シールド
23 二次コイル
24 遮蔽板
30a、30b 分割部材
31a、31b 分割コア
32a、32b 分割シールド
33a、43 凸部
33b、34a、34b、53 凹部
60a 右側センサ部材
60b 左側センサ部材
62a、62b シールド
70 センサ部材
71 底板
72 保持体
80 カバー体
A 搬送ベルト
B 硬貨
C 磁界
D 針金部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一次側のコイルによって励磁された磁界を横切った硬貨の材質および形状に応じた信号を二次側のコイルから出力する硬貨識別センサであって、
前記コイルが巻回されるコアと磁気遮蔽機能を備えたシールドとが一体に成形されたセンサ部材
を備えたことを特徴とする硬貨識別センサ。
【請求項2】
所定位置に雄部を有する前記センサ部材と、
所定位置に雌部を有する前記センサ部材と
を備え、
前記雄部を前記雌部へ嵌合することで組み立てられている
ことを特徴とする請求項1に記載の硬貨識別センサ。
【請求項3】
前記シールドは、
前記雄部が前記雌部へ嵌合されていない場合に、当該シールドと一体に成形されている前記コアの頂面および少なくとも側面の一部が露出するように成形されている
ことを特徴とする請求項2に記載の硬貨識別センサ。
【請求項4】
前記シールドは、
前記雄部が前記雌部へ嵌合された場合に、当該シールドと一体に成形されている前記コアの露出部分を相互に遮蔽するように成形されている
ことを特徴とする請求項3に記載の硬貨識別センサ。
【請求項5】
前記雄部を前記雌部へ嵌合することで複数の前記センサ部材に成形されている前記コア同士が接合されて一つのコアが組み立てられている
ことを特徴とする請求項2〜4のいずれか一つに記載の硬貨識別センサ。
【請求項6】
前記センサ部材は、
前記一次側のコイルが巻回されるコアと前記二次側のコイルが巻回されるコアとが硬貨の搬送路を挟んで対向する所定位置に位置決めされて一体に成形されている
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の硬貨識別センサ。
【請求項7】
前記センサ部材とは別体に成形され、磁気遮蔽機能を有し、前記センサ部材を内包するカバー体
を備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の硬貨識別センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−243063(P2011−243063A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−115729(P2010−115729)
【出願日】平成22年5月19日(2010.5.19)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】