説明

磁力駆動エンジン

【課題】二酸化炭素を排出せず放射能などの危険性がない発電システムを提供する。
【解決手段】磁力駆動エンジンは永久磁石の吸引力と反発力を用いて回転力を得て回転ローターを駆動し回転ローターを連続して回転させる事が出来る。このローター軸に発電機を接続し電力を得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【001】
本発明は永久磁石の吸引力と反発力を用いてローターを駆動する装置である。
【背景技術】
【002】
永久磁石は小型モーターや各種発電機など回転機に広く使われているが、永久磁石とコイル及び電磁石の組み合わせであり永久磁石だけの回転機は現実には存在しない。
【003】
永久磁石どうしの組み合わせでは電磁石の様にプラスとマイナスを変えての磁極の反転が出来ない為にN極とS極が吸引した状態で動かなくなり回転が出来ない為である。
【004】
永久磁石は上記以外には発電機や電動機のローターやステーターなどに組み込んで発電効率や電動機のロスを減少する為に使われているのが現状で永久磁石だけで構成された電動機も発電機も存在しない、必ずコイルを巻いた電磁石と組み合わせてある。
【先行技術文献】
【005】
類似のアイデアの文献は多数あると思うが、アイデアのみで実際に機能通りに動いたという実例は現在まで無いのでインターネットサイトの一件のみ記載し他は省略する。
【006】
【特許文献】
【特許文献】インターネットサイトhttp//:www.1hup.edu/^dsimanek/unwork.htm
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【007】
現在二酸化炭素排出削減が世界的にも急務である、本装置は永久磁石の強い吸引力と反発力を用いてローターを駆動する装置である、つまり二酸化炭素の排出はゼロであり、その回転するローターに発電機を接続すれば発電が出来る発電システムになる、この発電システムは風力発電や太陽光発電の様に気象などに影響を受ける事はまったく無い完全なエコ発電システムであり本装置はその動力源となる。
【008】
以前から永久磁石の吸引力と反発力を用いて永久磁石だけで回転機を作るアイデアと試作機は存在したがいずれも回転しなかった、その原因はS極とN極が相対した時に強い吸引力が作用し回転が停止してしまう、永久磁石は極の反転が電磁石と異なり出来ない為にこの問題の解決策が今どうしても見つからなかった事にある。
【009】
つまり回転機を永久磁石のみで作ろうと思うと、どうしてもN極とS極が必ず固定側と回転側の永久磁石どうしで相対する事は避けられない、異極が相対すれば必ず強い吸引力が作用し回転は停止してしまう、回転を継続出来なかった。
【課題を解決しようとする手段】
【0010】
固定側と回転側の永久磁石どうしのS極とN極が相対した時の強い吸引力による停止する問題、更に同極どうしが接近すると反発力が発生する、これを回転力として使う場合には回転側が一回転して来た場合に同極どうし反対側から接近し今度は逆方向に反発力になり逆転力として作用する、この為に回転出来ない。
【0011】
この難問を解決したのが本装置である、添付図面を見れば御理解されると思うが固定側の永久磁石を前後に動く可動式にして更に固定側の永久磁石をS極とN極のどちらか側の一方のみを回転側の永久磁石に相対する様にした。
【0012】
次に回転側に永久磁石を図面の様に円周方向にS極N極の向きにして一定の適切な間隔で並べて取り付けた、この永久磁石の配置により大きな回転機を回す駆動力が得られ回転側のローターは永久磁石のみの吸引力と反発力で回転を継続出来る。
【0013】
動作の基本原理は次の通りである、
回転側に一定の適切な間隔で取り付けられた永久磁石の間に固定側の永久磁石が前進する、固定側の永久磁石はN極かS極のどちらか片方に統一されている、N極なら回転側の永久磁石の間に入れば、回転側の永久磁石の前側のN極とは反発し後側のS極とは吸引し回転ローターは回る。
【0014】
だがそのままでは回転したローターは回転側磁石の間に前進した位置にある固定側磁石に吸引されて接触する、これを避けて駆動力を確保する為に固定側磁石は接触する直前に急速に後退させる、この後退位置は固定側磁石の磁力影響範囲外まで後退する必要がある、この後退位置が固定側磁石の磁力範囲内だとN極とS極で吸引して回転が停止してしまうからである。
【0015】
回転側磁石と接触する直前に固定側磁石の磁力影響の範囲外に急速に固定側磁石を後退させると回転ローターはそのまま慣性にて回転する、そして回転側の磁石が固定側磁石の前進位置を過ぎた瞬間に固定側の磁石を前進させる、回転側磁石が回転移動により次の磁石との間にこの時固定側磁石が前進するタイミングを取る
【0016】
このタイミングで固定側磁石を前進させれば0013で示された動作になりこのサイクルの繰り返しで回転機のローターは永久磁石どうしの吸引力と反発力を用いて永久磁石の磁力が存在する限りまたは機械が壊れない限りローターは回転を続ける
【0017】
回転ローターの停止は固定側の全ての磁石を後退位置で止めればローターは磁力による駆動力を失い自然に停止する。
【発明の効果】
【0018】
この装置は永久磁石の磁力のみを駆動力として用いる為に化石燃料などを使う今までの原動機と異なり二酸化炭素の排出は完全にゼロであり、原子力などと異なり放射能などの危険性もまったく無い、又風力発電や太陽光発電などとも異なり気象の影響はまったく受けないいかなる条件の元でも使用できる、
【0019】
強力な大型の永久磁石を多数使用する多極磁極や複数のローターを用いる多重ローター構造などを用いる事により100万KWクラスの大出力の磁力駆動エンジンを製作する事も可能であり世界的な要請である二酸化炭素排出削減政策にも極めて有効な原動機であり地球温暖化阻止にも重要な役割を果たす装置と考える事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】固定側磁石と回転側磁石との吸引力と反発力作用による駆動力発生図
【図2】N極とS極が相対位置での吸引力による停止を避ける慣性回転図
【図3】慣性によるローター回転後の再駆動力発生の為の固定磁石前進位置図
【図4】試作機を例にした固定磁石4個使用モデルによる上面配置図
【図5】試作機を例にした固定磁石4個使用モデルによる側面配置図
【図6】試作機を例にした固定磁石4個使用モデルによる制御概要図
【図7】試作機を例にした固定磁石4個使用モデルの固定側配置図
【写真1】
試作機の制御装置前面写真
【写真2】
試作機の全体写真
【写真3】
試作機の固定磁石と前進後退位置決め用近接センサー付近の写真
【写真4】
試作機の回転ローターの回転側磁石の配置と固定側磁石付近の写真
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は永久磁石どうしで駆動力を得て回転ローターを回す磁力エンジンである、その形態を図で説明する。
【0022】
図1は永久磁石から駆動力を得る形態である、まず回転ローターに図1の様な磁極の配列で適切な間隔で取り付けてある回転側の磁石の列の磁石と磁石の間に固定側磁石を前進させる、これにより図1の様に吸引力と反発力が固定側と回転側の磁石との間に発生しローターは駆動力を得て時計回り方向に動く。
【0023】
回転方向を変え反時計回りの回転にするには固定側磁石の極性を全て変えるか回転ローター側の磁石の極性を反対にすれば回転方向は変わる。
【0024】
しかしこの状態ではローターが動くと固定側磁石と回転ローターの磁石は接触してしまい回転は停止する、接触すれば強いN極とS極の間で強い吸引力が作用し動く事も出来ない、本発明ではこの問題を解決する方法として、接触する直前に固定側磁石を高速で後退させる、この場合固定側磁石は回転側磁石との間に磁力が作用する範囲の外まで後退させなければならない、これ形態が図2である。
【0025】
なぜ磁力の及ぶ範囲外に固定側磁石を後退させなければならないかと言うと固定側と回転側の磁石の間に磁力作用が後退位置にて及ぶと強い制動力が働き回転ローターが回転しなくなるか条件によっては逆転する現象が起きるこれを防ぐ為に固定側磁石の後退位置を磁力範囲外にする必要がある。
【0026】
図3の形態は固定側磁石が後退位置にあれば磁力の影響は回転ローターには及ばない、回転ローターは慣性で動き次の回転側磁石の間まで固定側可動磁石の前進位置が来れば固定側の可動側磁石は前進する、前進位置まで前進すれば図1での形態と同じになり再度駆動力を得て回転ローターは動きローターはこの動作を繰り返し連続で回転をする。
【0027】
図4は磁力駆動エンジンで4個の固定側可動磁石を持つ標準のタイプの上面配置図である、回転ローターの磁石の数はローターの大きさで変わる、固定側磁石も1個から数千個まで理論上は装置の大きさに従い多数の形式と数が有り得る。
【0028】
図5はその側面図である、これは単ローターであるが理論上はローターは上下方向にも横方向にも無限に数を増やす事が可能でありそれとともに出力も増大する、100万KWクラスの磁力駆動エンジンも理論上も構造的にも十分製作可能である。
【0029】
本動作構造の磁力駆動エンジンは極めて正確なタイミングでの固定側可動磁石の前進後退の動きが必要不可欠でありタイミングが一致しないとローターは回転しないばかりか突然逆転する事もある事が試作機での実験で証明されている
【0030】
図6はその為に専用の制御装置による正確な動作制御を行う為の概略図で、試作機での固定側磁石4個使用の制御を示している、固定側可動磁石は回転ローターの磁石と磁石の間に前進位置まで前進させなくてはならない、このタイミングを得る為に近接センサーを使い磁石間を検出し前進させ次の磁石に接触する直前に後退位置まで後退させる。
【0031】
図7は試作機と同様の固定側磁石4個使用モデルの各固定側磁石と近接センサーの配置を示した概略図である。
【実施例】
【0032】
永久磁石のみを使い永久磁石どうしの反発力と吸引力を駆動力として使いローターを連続して回転させた原動機や装置機器類は現在まで存在しないので実施例は無い。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本装置の産業上の利用可能性は極めて大きいと思われる、原発の様な危険性はほとんど無い、風力発電や太陽光発電の様に天候などの気象状態により発電が出来ない不安定さはまったく無い、どの様な環境でも海底でも宇宙空間でも使用出来、費用も家庭用の50KW仕様の発電機の原動機用程度なら100万円程度で製造出来る事から考えると太陽光発電や風力発電に変わって一般家庭への急速な普及、更には原発にも十分変わりうる100万KWクラスの出力の磁力駆動エンジンも製作可能なので原発の削減にも十分対応できると思われる、これらの事を考慮すれば、産業上の利用可能性はとてつもなく大きいと思われる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定側と回転側に永久磁石を取り付け、永久磁石の吸引力と反発力により回転部を回転させる構造の回転機、その基本の構造として固定側か回転側の永久磁石を回転力を得る為に前進後退させるか回転させる構造を持った装置
【請求項2】
固定側と回転側に上記回転力を得る為に永久磁石以外に補助機能として電磁石又は電動機を取り付けて補助回転力機能を持たせた回転装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−97815(P2011−97815A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−266796(P2009−266796)
【出願日】平成21年11月2日(2009.11.2)
【出願人】(509323495)