説明

磁気テープを走査する電磁ヘッド・ユニットを持つ磁気テープ装置

【目的】 磁気テープ装置の組立過程に於いて、電磁ヘッド・ユニットに柔軟性のある導線集合板を接続した後、回転するヘッド支架のダクトに、集合板の拡大された回路接続部を損傷することなく挿通し配置する。
【構成】 磁気テープ装置はヘッド支架をもつ電磁ヘッド・ユニットからなり、ヘッド支架は取付け具を介して回転自在に装置に取り付けられ、且つヘッド支架には電磁ヘッド・ユニットと信号処理回路とを接続する拡大された接続部を持つ柔軟性のある導線集合板を通すダクトが設けられている。ヘッド支架は、ダクトの全長に亘って伸び、支架を通過し及びダクト内で終結する少なくとも1つのスロットが設けられ、このスロット内を、柔軟性のある導線集合板がその元の平板状態を維持しながら通過することが出来る。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気テープを走査するための電磁ヘッド・ユニットを持つ磁気テープ装置に関し、該ユニットは2つの走査位置の間で、走査される磁気テープに対し実質的に直角な枢軸の周りを180 °旋回すると共に支架装置によって回転可能に支持されたヘッド支架に支えられており、且つ枢軸の周りを回転可能であり、該ヘッド支架はこのヘッド支架に支持された電磁ヘッド・ユニットの方向と前記電磁ヘッド・ユニットから遠く離れたヘッド支架の端部に到るダクトを有し、該ダクトは一方は電磁ヘッド・ユニットに接続され他方は装置の信号発信回路に接続する導線帯を持つ少なくとも1本の柔軟性のある導線集合板が横断しており、該集合板は信号処理回路の方に導かれた端部に於いてダクト内のセクションに応じて拡張された接続部分を形成したものに関する。
【0002】
【従来の技術】上節で規定した型の磁気テープ装置は公知であり、商業的に普及している。従来装置では、柔軟性のある導線集合板は電磁ヘッド・ユニットと信号処理回路とを電気的に接続する僅かに6本の隣接する導線トラックのみによって構成されていた。この導線トラック数が比較的少ない為、これらトラックは比較的広幅にすることが出来、従って導線トラックは機械的に比較的丈夫であった。磁気テープに隣接しダクト内を通って伸びる領域では、柔軟性のある導線集合板は、分割ゾーンに沿ってダクトと同方向に伸び且つその幅が、この場合断面円形のダクトの直径より僅かに小さい2つの導線板帯状片に分割される。このことは、2つの導線板帯状片が常に平板状を保つことを保証し、従って導線板帯状片及びこれら帯状片によりもたらされる導線トラックは機械的荷重を受けることが無い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】装置の製造過程で必要になるが、柔軟性のある導線集合板をヘッド支架のダクト内を挿通させるためには、2つの可能性が発生する。第1の可能性は、導線板の導線トラックがまず最初に電磁ヘッド・ユニットと電気接続されることであり、このことは柔軟性のある導線集合板の拡張された接続部分がまずダクトを通過しなければならないことを意味する。この為、拡張された部分はダクトの長手方向に伸びる巻き取り軸のまわりに巻き込んで、巻いた状態のままダクト内に押し込まなければならない。この接続部分の巻き込みと押し込み動作の結果、比較的少数本の導線トラックであり又柔軟性のある導線集合板の導線トラックは機械的強度が高いにもかかわらず、その際の機械的負荷が接続部分の導線トラックに損傷を与え、導線トラック内の断線を引き起こす。このような時には、電磁ヘッドの全体が働かなくなり、交換の必要が生じ、不便且つ好ましくないことである。
【0004】第2の可能性は、2個の狭い導線板帯片がダクトを通過して、続いて導線板の導線トラックが電磁ヘッド・ユニットに電気接続されることである。しかしながらこの事は柔軟性のある導線集合板の導線トラックを電磁ヘッド・ユニット又はそれに対応する連結部分に接続する、信頼性のある単純で自動化された電気接続の観点からは、不適当であり且つ問題が多い。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は上記の諸問題を排除し、本明細書の最初の節に述べた型の磁気テープ装置、すなわち柔軟性のある導線集合板の導線トラックがヘッド支架部分を通過する前に電磁ヘッド・ユニットと電気接続され、その後柔軟性のある導線板がたとえ多数の導線トラックにより構成されていても、導線板の配線が損傷を受ける恐れが無くヘッド支架部分を通過することが出来るようにした、優れた効果を持つことである。
【0006】この究極目的のために、本発明はヘッド支架が少なくともダクトの全長に亘って伸び、ヘッド支架を通ってダクト内に達する少なくとも1つのスロットを持ち、前記スロットは柔軟性のある導線集合板がその平板形状を維持しつつスロットを通過するように構成されていることを特徴とする。このように極めて単純な方法で、柔軟性のある導線板及びそれに従って柔軟性導線板の拡がった部分が、元の平板形状を維持しつつヘッド支架を通過することが出来るので、導線トラックは柔軟性のある導線集合板が通過する際機械的負荷を受けず、導線トラックの破断は実質的に排除される。
【0007】ヘッド支架は枢軸の周りに対向し、枢軸方向にヘッド支架の全長に亘って伸びる2つのスロットを持つようにし、その結果として、柔軟性のある導線板をダクト内に導入した後集合され、間隔を保った連結具によって互いに保持するようにすれば良い。。このようにした構造は、柔軟性のある導線板が極めて単純にヘッド支架を通過することが出来るという利点があるが、2部分から成るヘッド支架の機構上の安定性を保つ為には、付加的な分離部材が必要であり、この結果電磁ヘッド装置はより複雑且つ高価になる。
【0008】本発明の磁気テープ装置では、ヘッド支架は前記枢軸と同軸の筒状支持体より成り、その端部に於いて電磁ヘッド・ユニットは筒状支持体より大径の支持体に変化しており、もしスロットが、筒状支持体の壁をその全長に亘って横断して枢軸の方向に伸びる第1スロット部分と、前記支持体を部分的に通り前記第1スロットに対して傾いており第1スロット内で終結している第2スロット部分とから構成されていれば効果的である。このようにして、ヘッド支架は単一部材から成り、ヘッド支架の高い機械的安定性と、プラスチック技術を用いて安価に製作する事が可能になる。このように、柔軟性のある導線板が簡単にヘッド支架を通過出来るという効果に加えて、製造コストの低減という効果がある。
【0009】上記のような磁気テープ装置に於いて、ヘッド支架の筒状支持体上に載置されている端部材があり、該端部材が柔軟性のある導線板のための通路を持ち、該通路は枢軸の方向に伸び、端部材の外表面からその通路に到る、枢軸の半径方向に伸びるスロットと、該スロットを通して柔軟性のある導線板を前記通路内に挿通することが出来、該端部材によって筒状支持部材内のスロットの第1スロット部分が少なくとも部分的にとじられる構成であれば、顕著な作用効果が有ることが見出されている。この方法で、柔軟性のある導線板は、簡単な構造で極めて効果的に、ヘッド支架から滑り出すのを防いでいる。
【0010】上記のような磁気テープ装置に於いて、端部材は枢軸の半径方向に伸び、ヘッド支架のダクトからスロットの第1スロット部分に到るリブと、該スロット部分は筒状支持体の壁面を通って伸び、該リブは筒状支持体の円周表面が少なくとも該リブの位置で実質的に連続した円筒状面を呈することによって、丸い自由端を持つことが出来れば、極めて効果的であることが見出されている。この方法で、筒状支持体内のスロットの存在にもかかわらずこの筒状支持体の円周表面は、少なくともリブの位置で実質的に連続した円筒状面を呈しており、1つの孔と協働してヘッド支架の正確な支持を保証することが達成される。
【0011】又、もし端部材が柔軟性のある導線板の為の2つの互いに平行する案内面を持ち、この案内面の間に間隔を置いて導線板を通過させる事が出来れば効果的であることが見出されている。これにより、電磁ヘッド・ユニットが枢動する時にも、ヘッド支架を横断している柔軟性のある導線板の全部分が捩れることはない。
【0012】
【実施例】本発明は図面に示した2つの代表的な実施例によって、より詳細に示されるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0013】図1は、破線により図式的に示したカセット2を受けるように構成された磁気テープ装置1の部分を示す。この為装置1は例えば、図示されないが樋状のカセット保持体を備える。カセット2は磁気テープ3を収納している。磁気テープ3はそれがテープ・スプール5になるよう巻き取られている第1リール・ハブ4から、テープ案内6、カセットの狭い側面7とテープ案内8を経由し、第2リール・ハブ9に巻き取られており、前記2個のリール・ハブ4及び9の間で巻取り可能である。
【0014】磁気テープ装置1は実質的に平板状のシャシ10により構成される。第1の回転駆動巻取りマンドレル11と、第2回転駆動巻取りマンドレル12はシャシ10上に、第1リール・ハブ4と第2リール・ハブ9を夫々回転するように取り付けられる。第1キャプスタン13と第2キャプスタン14も又、シャシ10上に回転可能に取り付けられている。2つのキャプスタン13、14は2個のフライホイール15及び16の1つに回転可能に係合される。プーリ18に案内されたベルト17は、2つのフライホイール15、16の円周面に互いに反対方向に巻き付けられている。プーリ18はシャシ10に固定されたモータ19によって、図1に示すように反時計方向に定速回転駆動される。第2巻取りマンドレル12は第1キャプスタン13によって駆動可能であり、第1巻取りマンドレルは第2キャプスタン14により、例えば一群の駆動ホイールと回転速度の違いを補償する摩擦カップリングよりなる選択的作動中間駆動機構を用いた周知の方法で駆動されることが出来る。
【0015】装置1は又、3本のピン−スロット継手20、21及び22によってシャシ10上を、カセットの狭い側面7に対して直角方向に移動可能なように案内される取付板23を備える。この様な取付板は又、ヘッド支架として適用される。取付板23は、取付板23に図示されないレバーによって枢着支持された第1加圧ローラ24と第2加圧ローラ25を備え、これらローラは2個のキャプスタン13、14に選択的に弾性をもって係合され、磁気テープ3が関係するキャプスタンと関係する加圧ローラとの間に置かれる。このようにして磁気テープ3は組み合わされた加圧ローラによって加圧されながら、一定のテープ送り速度で回転駆動されるキャプスタンにより駆動されることが可能となる。
【0016】「通常前進」モードでは、第1加圧ローラ24は図1に示すように、第1キャプスタン13に対して押圧される。そうしてモータ19は第1キャプスタン13を、図1に見るように反時計方向に、定速回転駆動し、その結果磁気テープ3は矢印26に示すテープ移送方向に駆動される。その後磁気テープ3は、第2巻き取りマンドレル12によって駆動される第2リール・ハブ9に巻き取られる。「通常逆進」モード及び「巻き戻し」モードについて言えば、第2加圧ローラ25が第2キャプスタン14に押圧され、モータ19は第2キャプスタン14を図1に示す時計方向に駆動し、その結果磁気テープ3は矢印27に示すテープ移送方向に駆動される。その後磁気テープ3は第一キャプスタン11により駆動される第1リール・ハブ4に巻き取られる。
【0017】磁気テープ装置1の取付板23は更に、情報信号、例えば音響信号の記録及び再生の為の電磁ヘッド・ユニット28を支持している。電磁ヘッド・ユニット28は、カセットの長く狭い側面7及び走査される磁気テープ3に直角の方向に伸びる枢軸32の周りを、2つの走査位置の間で180 °回転出来るようになっている。前記走査位置の1つを図1から4に示す。各走査位置は2つの対向するテープ移送方向26、27に対応している。各々の走査位置で電磁ヘッド・ユニット28は、図4に図式的に示すように磁気テープ3のトラック領域を電磁コア・システム33、34及び35によって走査する。図4では、電磁ヘッド・ユニット28の枢軸32は偏心して示されている。電磁コア・システム33はトラックの幅方向に並列して置かれた2個の磁芯より構成され、アナログ方式で記録されたステレオ音響信号の再生に用いられる。電磁コア・システム34はトラックの幅方向に並列して置かれた9個の磁芯より構成され、音響信号をデジタル方式で記録するのに用いられる。電磁コア・システム35は又、トラックの幅方向に並列して置かれた9個の磁芯より構成され、音響信号をデジタル方式で再生するのに用いられる。
【0018】図3及び4に於いて、磁気テープ3の2個のトラック領域は参照番号36及び37を付与されている。図2及び3に示す状態で、磁気テープ3はテープ搬送方向26側に駆動され、これに呼応して電磁ヘッド・ユニット28は、トラック領域36は電磁コア・システム33により又トラック領域37は2個の電磁コア・システム34及び35によって走査される走査位置を占める。磁気テープ3が反対側のテープ搬送方向に駆動される時には、電磁ヘッド・ユニット28は、トラック領域37は電磁コア・システム33により又トラック領域36は2個の電磁コア・システム34及び35によって走査される逆転走査位置を占める。図2には、磁気テープ3の電磁ヘッド・ユニットに対する必要な接触を保つための、カセット側の2個のテープ案内38及び39を1点破線で示す。
【0019】電磁ヘッド・ユニット28は枢軸32周りを枢動可能なヘッド支架40により支持されている。電磁ヘッド・ユニット28を支持するために、ヘッド支架40は外側円筒面42を持つ筒状支持円盤41の形状をした支持部材よりなる。支持円盤41と一体に形成された2個のブロック状突出片44及び45は、円盤41のラジアル面43から枢軸32の方向に突出している。1枚の板46が前記2個の突出片44及び45に、ネジ47、48により固着される。電磁ヘッド・ユニット28のハウジング29は板46に連結される。
【0020】取付板23上の磁気テープ装置1はヘッド支架40を回転可能に取り付けるために、取付け切り欠き50を持つ取付け具49を備える。この取付け具49は部分的に取付け板23それ自体と実質的に円盤状の軸受部材51よりなる。電磁ヘッド・ユニット28とと対面しているラジアル面52の領域で、軸受部材51は、互いに鏡像逆転され、取付け板23から遠い端部に於いて互いに傾斜する端部分を有する2個の隆起部53及び54を備える。取付け板23の方へ垂直方向に伸びる2個の隆起部53及び54の部分は各々断面が半円形でありその半円形状表面57、58が2つのテープ搬送方向26、27に対して垂直方向に伸張している真直なヘッド55、56を構成し、それらが張出している取付け切り欠き50内に、支持円盤41が回転可能に取り付けられる。
【0021】取付け切り欠き50の2個の更に張出した壁59、60は隆起部53及び54の傾斜した端部に構成される。取付け切り欠き50の更にもう1つの張出し壁61は、電磁ヘッド・ユニット28に面している取付け板23の壁の一部により構成される。この取付け切り欠き50の張出し壁61は、2つのテープ搬送方向26、27に対して同方向に伸張している。ヘッド支架40は支持円盤41と共に、取付け切り欠き50内で張出した壁57、58、59、60及び61に対して間隔を保ちながら回転することが出来る。通常この間隔はミリメートルの約1/10である。図3に見られるように、取付け具49の取付け切り欠き50はヘッド支架40の支持円盤41が自由になる空間62、63、64、65及び66を有し、従って取付け切り欠き50の横断面内でヘッド支架40の支持円盤41は、後述するように予め定められた点で取付け切り欠きと点接触するだけである。ヘッド支架40の軸方向移動を規制するために、支持円盤41は取付け板23から突出するリブ67と協働し、ヘッド支架40が取付け具49内に挿入される時、このリブを経由して支持円盤41が枢軸32の方向へ押圧される。
【0022】電磁ヘッド・ユニット28より遠方にある支持円盤41のラジアル面68に於いて、ヘッド支架40は、前記円盤と同軸で且つ一体状となった第1位置決めシリンダ69を含む。歯付きホイール70が前記第1位置決めシリンダ69と同軸で且つ一体状となっている。より小さい径の第2位置決めシリンダ71が歯付きホイール70と同軸で且つ一体状となっている。1つの孔72が支持円盤41、第1位置決めシリンダ69、歯付きホイール70及び第2位置決めシリンダ71を通って伸張し、支持円盤41内で電磁ヘッド・ユニット28の方へ拡がっている。この孔72は電磁ヘッド・ユニット28の方及び該電磁ヘッド・ユニット28より遠い方に有るヘッド支架40の端部73の方に導くダクトを形成し、電磁ヘッド・ユニット28への電気導線がこの孔内に挿通される。この事については後に詳細に述べる。第1位置決めシリンダ69、歯付きホイール70及び第2位置決めシリンダ71は全て孔72により横断され、共に支持部材74を形成し、該部材74は支持円盤41に加えてヘッド支架40を回転可能に支持するために備えられている。
【0023】既述したように、電磁ヘッド・ユニット28は2つの走査位置の間を 180°回転可能である。同様にヘッド支架40も2つの作動位置の間を 180°回転可能である。これら2つの作動位置は、図2及び3に示すようにヘッド支架40が「通常前進」モードで作動される時、ネジ75、76の自由端がヘッド支架40の作動位置に従って、第1位置決めシリンダ77から放射方向に拡がる位置決め突起78に係合することにより、2個の位置調節ネジ75、76手段によって決められる。位置調節ネジ75、76は夫々、軸受部材51の板状突出片78、79に取り付けられている。軸受部材51の2個の突出片78、79は、電磁ヘッド・ユニット28から遠いラジアル面80から枢軸32の方へ突出している。
【0024】電磁ヘッド・ユニット28とヘッド支架40を逆転させるために、装置は図1に示すように、ヘッド支架40の作動装置81を備える。作動装置81は図示されない一方法により、モータにより回転の反対方向に駆動される歯付きホイール82を含む。歯付きホイール82は図式的に示すように、2個のストッパ84、85の間で軸方向に移動するように案内される歯付きラック83に噛み合わされている。脚状バネ87が歯付きラック83から突出したピン86の周りに取り付けられ、2個の脚88、89を持つ。該脚の間にラック83からピン90が伸び、バネ87の位置を規定する。脚状バネ87の2個の脚88、89は互いに動こうとする。もう1つのピン91が脚状バネ87の2個の脚88、89の間に伸びており、取付け板23に案内されその長手方向に移動可能とした歯付きラック92に連結されている。歯付きラック92はヘッド支架40の歯付きホイール70と噛み合っている。
【0025】電磁ヘッド・ユニット28の逆転は、既に知られている様に、該電磁ヘッド・ユニット28が図1に示す走査位置から矢印93の方向にカセット2より離される時にのみ可能となる。この電磁ヘッド・ユニット28の移動は、取付け板23を矢印93に示す方向に移動させることにより行う。図1にその時の取付け板23の一部分とピン91を支持している歯付きラック92の端部が一点破線で示される。上記の一点破線により、ピン91は又、取付け板23が移動した時脚状バネ87の両脚88、89の間に位置することを示し、この取付け板23の位置では、力はモータ駆動歯付きホイール82と歯付きラック83から脚状バネ87を経由してピン91に、従って歯付きラック92、歯付きホイール70及びヘッド支架40に伝達される。従って、電磁ヘッド28が逆転される前に、取付け板23が矢印93に示す方向に移動し、電磁ヘッド・ユニット28の逆転の後、取付け板23が矢印93に示す方向と反対の方向に再度移動する。取付け板23の移動がどの様な効果をもたらすかは、本発明の領域外であるので、詳述しない。
【0026】ヘッド支架40の2つの作動位置での位置決めに付随して、この支持は第1同軸位置決めシリンダ69と第2位置決めシリンダ71にとって不可欠である。第1位置決めシリンダ69と協働するために、実質的に断面半円形であり、2つのテープ搬送方向26、27と直角をなす方向に伸びる2個の位置決めリブ94、95が備えられる。この2個の位置決めリブ94、95は、軸受部材51の板状突出片78、79から取付け板23の方に突出する2個のブロック96、97の夫々に1個配置される。第2同軸位置決めシリンダ71は、取付け板23から垂直方向に突出する位置決め板99内の開口98を通って伸びている。取付け板23から遠い方の端部で、位置決め板99内の開口98は部材100 によって閉じられ、該部材100 は2個の横に突出したピン101 及び102 を位置決め板99の対応する孔内に押し込むことによって、位置決め板99に固着される。
【0027】電磁ヘッド・ユニット28の逆転を以下に詳述する。この電磁ヘッド・ユニット28は図1から3に示していない走査位置にあるものと想像され、電磁コア・システムはトラック領域37を走査し、2個の電磁コア・システム34、35はトラック領域36を走査し、歯付きラック83は図1の一点破線で示した位置に来てストッパ85と付き合わされる。取付け板23は最初矢印93に示す方向に移動し、電磁ヘッド・ユニット28はカセット2から引き離される。それに続いて、歯付きホイール82は図1の時計方向に駆動され、歯付きラック83を図1の実線で示される位置に移動させ、この位置でストッパ84と付き合わされる。そうして、ピン91は脚状バネ87の脚89を介して移動され、その結果脚状バネ87は緊張し、歯付きラック92は矢印103 に示す方向に移動させられる。この結果、歯付きホイール70は図3に示すように、反時計方向に回転される。この過程でヘッド支架40は、位置決め突出片77が位置決めネジ76の自由端に付き当たるまで、反時計方向に回転する。この時、ヘッド支架40は作動位置に達し、トラック領域36を電磁コア・システム33により、又トラック領域37を2個の電磁コア・システム34、35により走査することが出来る。それに続いて、取付け板23は矢印93で示された方向と逆の方向に戻され、電磁ヘッド・ユニット28は再び磁気テープ3を走査するためにカセット2に接合される。この作動位置は図1から4に示される。
【0028】図1から4に示す作動位置に於いて、歯付きラック83上に付勢している脚状バネ87の脚89は引き続いて歯付きラック92をピン91を経由して付勢し、その結果歯付きラック92は矢印103 で示された方向に押圧される。このようにして、脚状バネ97は、ヘッド支架40の現在作動位置に於いて、連続して歯付きラック92を矢印103 の方向へ付勢する負荷手段を形成する。脚状バネ87により付勢された負荷の結果、歯付きラック92は連続して歯付きホイール70に力を付与している。この力は位置決め突出片77を位置決めネジ76の自由端に押しつける作用をする。そして更に、この力は第1位置決めシリンダ69をブロック96の位置決めリブ94に対して押しつける作用をする。前記力は又、第2位置決めシリンダ71を位置決め板99内の開口98にある張り出した壁104 に対して押圧する。該壁は取付け板23に面している。
【0029】位置決め突出片77は歯付きラック92によって位置決めネジ76の自由端に対して押圧されるので、ヘッド支架40に作用するトルクが発生し、ヘッド支架40の支持円盤41の表面42を、取付け板23内に形成された取付け切り欠き50の張出し壁61に対して押圧し、ヘッド支架40の支持円盤41と取付け具49の取付け切り欠きの張出し壁61とは、取付け切り欠き50の横断面では点状である接触領域105 に於いて、互いに接合している。第1位置決めシリンダ69は歯付きラック92によりブロック96上の位置決めリブ94に対して押圧されるので、ヘッド支架40上に作用するもう1つのトルクが発生し、ヘッド支架40の支持円盤41をその表面42でヘッド56の張出し壁58に対して押圧し、ヘッド支架40の支持円盤41とヘッド56の張出し壁58とは、取付け切り欠き50の横断面では点状である接触領域106 に於いて、互いに接合している。
【0030】ヘッド支架の作動位置は、上述した様な方法で正確に規定される。この作動位置で、ヘッド支架40の支持円盤41の表面42は、前述したただ2つの接触領域105、106 に於いて押圧される。ヘッド支架40は夫々の作動位置に向けて回転される時に横断面では点状である軸受領域105 、106 に於いて接合するので、ヘッド支架40は常に、不明瞭でない再現可能な方法で、2つの接触領域105 、106 で規定される作動位置をとることが確実である。このようにして、ヘッド支架40によって支持された電磁ヘッド・ユニット28は、不明瞭でない再現可能な方法で同じ走査位置に配置され、電磁ヘッド・ユニット28の正確な走査動作が確保される。
【0031】図2及び4に示すように、磁気テープ3は、ヘッド支架40の作動位置でテープ搬送方向26に電磁ヘッド・ユニット28上を移動する。磁気テープ3は電磁ヘッド・ユニット28上で摩擦力を生じる。この摩擦力はテープ搬送方向26内に拡がり、電磁ヘッド・ユニット28を経由して、ヘッド支架40に作用し、取付け切り欠き50内の接触領域106 に対してヘッド支架40の支持円盤41を押圧する脚状バネ87を支援するトルクを発生させる。この事は、たとえ電磁ヘッド・ユニット28上に大きな摩擦力が働いても該ユニット28はその走査位置に留まることを確実にする。
【0032】以上に述べた事と反対の関係にあり、図1から4に示されていないヘッド支架40の作動位置に於いて、負荷手段を形成する脚状バネ87は常に矢印103 に示す方向と反対の方向の力を歯付きラック92に負荷する。この結果、歯付きラック92は常にヘッド支架40の歯付きホイール70上に力を掛けており、このため位置決め突出片77は他の位置決めネジ75の自由端に押圧され、第1位置決めシリンダ69はブロック97上の他の位置決めリブ95に対して押圧され、又第2位置決めシリンダ71は位置決め板99の開口98の張出し壁104 に対して押圧される。更に又、ヘッド支架40の支持円盤41は取付け切り欠き50の張出し壁61に対して及び取付け切り欠き50の張出し壁57に対して押圧され、ヘッド支架40の支持円盤41は再度取付け具49上の2つの予め定められた横断面点接触領域、例えばビード55の張出し壁57上の接触領域105 及び他の接触領域107 、にのみ係合される。そのようにしてヘッド支架40の作動位置内で、電磁ヘッド・ユニット28は常に同じ走査位置を占め、それにより電磁ヘッド・ユニット28による正確な走査を保証している。既に述べたように、電磁ヘッド・ユニット28は3個の電磁コア・システム33、34及び35を持ち、2つのトラック領域36及び37に作動している。これら電磁コア・システム33、34及び35は図1に図式的に示すように、電気導線を経由して信号処理回路108に接続している。電気導線は柔軟性のある導線集合板109 よりなり、図1から3までに図式的に、図5に即物的に示している。
【0033】図5に見るように、柔軟性のある導線集合板109 は電磁ヘッド・ユニット28に接続される接続部分110 を形成する。この接続部分110 に隣接して分割領域111が設けられ、該導線集合板109 をその長手方向に、2枚の導線集合板セクション112 と113 とに分割する。これら導線集合板セクション112 、113 の幅は、ヘッド支架40の筒状支持部材74を貫通する孔72の内径よりわずかに小さい値をとる。2枚の導線集合板セクション112 、113 の、信号処理回路108 に接続される端部114 と115 に於いて柔軟性のある導線集合板109 は、組み立てた状態ではダクト72内に配置される導線集合板セクション112 、113 より幅の広い接続部分116 及び117 を有する。このより広幅の導線トラックは、幅の広い接続部分116 及び117 が柔軟性のある導線集合板109 と信号処理回路108 の間で電気接続を行う、所謂プリント回路コネクタに適合されるために必要である。幅の広い接続部分116及び117 を図1に図式的に示すプリント回路コネクタ118 及び119 に正確に挿入接続することを確実にするために、幅の広い接続部分116 及び117 は剛性が付加されており、その結果これらは極めて制限された範囲でしか曲げることが出来ない。2個の接続部分116 及び117 の夫々と導線集合板セクション112 及び113 の夫々は15本の導線トラックよりなる導線集合を接続している。
【0034】磁気テープ装置1を組み立てる過程で、柔軟性のある導線集合板109 は、ハウジング29内で接続部分110 により電磁ヘッド・ユニット28に直接接続されており、この状態でヘッド支架40内を通過しなければならない。このため、ヘッド支架40はダクト72の全長に亘って伸張し、ヘッド支架40を貫通して枢軸32の半径方向に拡がり且つダクト72内で終結するスロット120 を持ち、該スロットは柔軟性のある導線集合板109 がその平板形状を維持しながらスロット120 内を通過することが出来るように形成される。
【0035】図6に見られるように、スロット120 は筒状支持部材74の壁121 を横断しその全長に亘って伸長し、枢軸32の方向に拡がる第1スロット部分122 と、電磁ヘッド・ユニット128 を支持するための支持部材を形成する支持円盤41を部分的に通過する第2スロット部分123 よりなり、該第2スロット部分123 は第1スロット部分122 に対して傾斜しており且つ第1スロット部分122 内で終結している。
【0036】更に図6に見られるように、孔の形をしているダクト72は内径dをもつ。特別の手段が無ければ、柔軟性のある導線集合板109 がこのダクト72を通過するためには、集合板109 の拡大された接続部分116 及び117 は巻き込まなければならず、このことは実用的でない。何故ならこの接続部分116 及び117 は剛性を付与されており、若し巻けば導線トラックの破断を引き起こすからである。図6に実線で示す構成のスロット120 を設けることにより、その幅がスロット120 のラジアル幅Dよりわずかに小さい幅を持つ柔軟性のある導線集合板が、スロット120 を枢軸32の方向に柔軟性のある導線集合板109 の元の平板形状を変えることなく通過することが出来る。この場合幅Dはダクトの口径dより実質的に大きい。この実施例では、柔軟性のある導線集合板109 は、幅の広い接続部分116 及び117 を持つ2枚の導線集合板セクション112 、113 より成っており、セクション112 、113 と部分116 及び117 はそれらがスロット120 を通過した後で主要面に隣接して配置される。
【0037】図6に於いて第2構造のダクトは一点破線で示され、このダクトは電磁ヘッド・ユニットに対面する領域内の2個のテーパ部分より成る。このダクト構造はより幅広い柔軟性導線集合板の使用を可能にし、この幅はスロット120 内を矢印124 の方向に通過させる実質的な幅D1に相当する。
【0038】このスロット120 を備えることにより、極めて簡単な方法で柔軟性のある導線集合板109 と、それに付随する幅の広い接続部分116 及び117 とを、元の平板形状を保ったままヘッド支架40を通過させることが出来、従って柔軟性のある導線集合板109 が通過する時に、この集合板109 の導線トラックはなんら機械的荷重を受けず、よってこの導線トラックの損傷や断線が除去される。更にこの事は、柔軟性のある導線集合板109 がヘッド支架40を通過する前に、接続部分110 によって電磁ヘッド・ユニット28に既に接続されているという利点につながる。この場合、接続部分110 は総計30本の導線トラックを持ち、それらのトラックは極めて狭く、この狭い導線トラックを電磁ヘッド・ユニットの夫々対応する端子に接続することは極めて高価で且つ複雑な作業であり、全体の電磁ヘッド・ユニットの製造過程で、柔軟性のある導線集合板を電磁ヘッド・ユニットに接続することは別の分離された装置を必要とするので、上記構成は極めて有益である。
【0039】図1、2、3及び6により明らかなように、磁気テープ装置1はヘッド支架40の筒状支持部材74に取り付けられる端部材125 を構成する。特に図7に示すように、端部材125 は柔軟性のある導線集合板109 のための、即ち導線集合板109 の2つのセクション112 、113 のための通路126 を持ち、該通路は枢軸32の半径方向に拡がっている。端部材125 は更に軸32の半径方向に拡がり端部材125 の外側面127 から前記通路126 に達するスロット128 を有する。柔軟性のある導線集合板109 、即ち導線集合板109 の2つのセクション112 、113 はスロット128 を通って端部材125 の通路126 に達することが出来る。装置1の組立過程で柔軟性のある導線集合板109 は最初にヘッド支架40内のスロット120 を通過し、その後導線板セクション112 と113 が支持部材74の孔72内に配置される。それに続いて、端部材125 が、導線板セクション112 と113 が通路126 内に収まるまで、そのスロット128 を導線板セクション112 、113 上に嵌合させる。その後この端部材125 が筒状支持部材74上、即ちその第2位置決めシリンダ71上に枢軸32の方向から嵌入される。このため、端部材125 は実質的に筒状の部分129 よりなり、この部分129 が第2位置決めシリンダ71の孔72に嵌入される。端部材125 の通路126 はこの筒状部分129 内に位置する。端部材125 の筒状部分129 は、端部材125 の円盤状部分130 を経由して端部材125 の有孔筒状部分と一体状に連結している。この端部材125 により、ヘッド支架40の筒状支持部材74内に形成された、スロット120 の第1スロット部分122 は部分的に覆われることが出来、このため導線板部分112 と113 とが不用意にダクト72の外に滑り出すことが出来ないようになっている。
【0040】端部材125 は更に枢軸32の半径方向に拡がるリブ132 を備える。リブ132 は、ヘッド支架40のダクト72から筒状支持部材74の壁面121 を通過して伸張するスロット120 の 第1スロット部分122 に向けて伸張している。このリブ132 は、筒状支持部材74の即ち第2位置決めシリンダ71の円筒面134 が、第1スロット部分122 の領域に於いて、完全な円筒状表面を呈しているために、端を前記円筒状内表面に合わせて丸くした自由端133 を持つ。この方法によって、筒状支持部材74内のスロット120 が存在するにもかかわらず、この部材74の円筒状表面は、少なくともリブ132 の領域に於いて、実質的に連続した円筒状表面となっており、位置決め板99内の開口98と関連して、ヘッド支架40の正確な取付けを保証する。
【0041】本実施例では、リブ132 は端部材125 の円盤状部分130 まで伸張し、円筒状部分129 と有孔円筒状部分131 との間のリブ部分はより拡げられて、円筒状部分129 と有孔円筒状部分131 とを連結しており、この事は端部材125 の総合的な安定性に寄与している。
【0042】特に図7に示すように、端部材125 は導線集合板109 、即ち導線板セクション112 及び113 のための2つの相互に平行な案内面135 及び136 を構成し、この案内面の間で導線集合板109 、即ち導線板セクション112 及び113 が間隔を保って通過する。このように、それがヘッド支架を横断する場合、柔軟性のある導線集合板109 は、電磁ヘッド・ユニット28が枢軸32の周りを回転する時にも捩れ作用から単純に保護される。
【0043】図8及び図9は本発明の第2実施例に従って磁気テープ装置のヘッド支架40を示す。このヘッド支架40は、枢軸32を中心に半径方向に対向している2個のスロット137 及び138 を持ち、夫々のスロットは枢軸32と同方向にヘッド支架40の全長に亘って伸張している。ヘッド支架40はこのようにスロット137 と138 とで互いに分離された2つの部分139 と140 とによって構成される。導線板セクション112 及び113 をヘッド支架40ノダクト72内を通過させるためには、ヘッド支架40の2つの部分139 と140 とは互いに分離され、その後導線板セクション112 及び113 がダクト72内に配置される。それに続いて、2つの部分139 と140 とは再組立され、ヘッド支架40を構成する。この2つの部分139 と140 とを互いに組立保持するために、リング141 とダング142 が夫々筒状支持部材74の支持円盤41と第2位置決めシリンダ71上に、枢軸32の方向から嵌め込まれる。図8及び9に示すヘッド支架40の基本的な利点は、この場合柔軟性のある導線集合板が極めて単純な方法で取り付けられることであり、且つ柔軟性のある導線集合板の拡大された接続部分の幅が任意に取れることである。
【0044】図8及び図9に示したヘッド支架40に於いて、支持円盤41は2個のネジ孔143及び144 を持ち、適宜組立られた電磁ヘッド・ユニット41を固着一体化するために、2個の固着用ネジがその中にねじ込まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による磁気テープ装置であって、テープが夫々反対方向に搬送され枢軸により180 °回転する電磁ヘッド・ユニットにより走査するもので、該ユニットがヘッド支架のダクトを通り信号処理回路に接続する柔軟性のある導線集合板を有するものの図式的立面図である。
【図2】図1の、回転自在なヘッド支架に支持された枢動自在な電磁ヘッド・ユニットよりなる装置の拡大立面図である。
【図3】図2の線分III −III による断面を示す。
【図4】図1から3に於いて示された電磁ヘッド・ユニットを、図3と同様それにより走査される磁気テープと共にしめす図である。
【図5】図1から3に於いて示された電磁ヘッド・ユニットを、それに接続された柔軟性のある導線集合板と共に、実物より拡大して示す図である。
【図6】図3の線分VI−VIで切断し、図2、3と同寸法で、図1から3に示された装置のヘッド支架を、端部材とともに示す断面図である。
【図7】図6の線分VII −VII で切断した、端部材の縦断面図である。
【図8】図6と同様の方法で、本発明の第2実施例による磁気デープ装置のヘッド支架を示す。
【図9】図8の線分IX−IXで切断したヘッド支架の縦断面図である。
【符号の説明】
1 磁気テープ装置
3 磁気テープ
4 第1リール・ハブ
5 テープ・スプール
6 テープ案内
9 第2リール・ハブ
10 シャシ
11 第1駆動巻き取りマンドレル
12 第2駆動巻き取りマンドレル
13 第1キャプスタン
14 第2キャプスタン
15、16 フライホィール
24 第1加圧ローラ
25 第2加圧ローラ
28 電磁ヘッド・ユニット
32 枢軸
40 ヘッド支架
49 取付け具
72 ダクト
73 端部
74 筒状支持部材
108 信号処理回路
109 柔軟性のある導線集合板
112、113 セクション
114、115 端部
116、117 接続部分
120、137 、138 スロット
121 壁面
122 第1スロット部分
123 第2スロット部分
125 端部材
126 通路
128 スロット
132 リブ
134 円筒面
135、136 案内面

【特許請求の範囲】
【請求項1】 磁気テープ(3) を走査するための電磁ヘッド・ユニット(28)を持つ磁気テープ装置 (1)であって、該ユニットは2つの走査位置の間で、走査される磁気テープに対し実質的に直角な枢軸(32)の周りを180 °旋回すると共に取付け具(49)によって回転可能に支持されたヘッド支架(40)に支えられており、且つ枢軸(32)の周りを回転可能であり、該ヘッド支架はこのヘッド支架(40)に支持された電磁ヘッド・ユニット(28)の方向と前記電磁ヘッド・ユニット(28)から遠く離れたヘッド支架(40)の端部(73)に到るダクト(72)を有し、該ダクトは一方は電磁ヘッド・ユニット(28)に接続され他方は装置(1) の信号処理回路(108) に接続する導線帯を持つ少なくとも1本の柔軟性のある導線集合板(109) が横断しており、該集合板は信号処理回路(108) の方に導かれた端部(114, 115)に於いてダクト(72)内のセクション(112, 113)に応じて拡張された接続部分(116, 117)を形成した磁気テープ装置に於いて、ヘッド支架(40)は、少なくともダクト(72)の全長に亘って伸びヘッド支架(40)を通ってダクト(72)内に達する少なくとも1つのスロット(120; 137,138)を持ち、 前記スロットには柔軟性のある導線集合板(109) がその平板形状を維持しつつスロット(120; 137,138)を通過することが出来るように構成されたことを特徴とする磁気テープ装置。
【請求項2】 ヘッド支架(40)は枢軸(32)と同軸の筒状支持部材(74)と、その端部(43)で電磁ヘッド・ユニット(28)と対面しており、筒状支持部材(74)より大径の支持部材(41)とよりなる、請求項1に記載した磁気テープ装置に於いて、支架内のスロット(120) は、筒状支持部材(74)の壁面(121) を横断し且つその全長に亘って枢軸(32)方向に伸びる第1スロット部分(122) と、該支持部材(41)を部分的に通過し且つ前記第1スロット部分(122) に対して傾斜しており該第1スロット部分(122) 内で終結する第2スロット部分(123) とからなることを特徴とする磁気テープ装置。
【請求項3】 請求項1に記載した磁気テープ装置に於いて、ヘッド支架(40)の筒状支持部材(74)に取り付ける端部材(125) が備えられ、該端部材は柔軟性のある導線集合板(109) のための通路(126) と、該通路は枢軸(32)の方向に伸張しており、枢軸(32)に対して半径方向に伸び且つ端部材(125) の外側表面から通路(126) に到るスロット(128) とを持ち、スロット(128) を通して柔軟性のある導線集合板(109) が通路(126) 内に導入され、該端部材によってスロット(120) の第1スロット部分(122) を部分的に閉じることが出来るようにしたことを特徴とする磁気テープ装置。
【請求項4】 請求項1に記載した磁気テープ装置に於いて、端部材(125) は枢軸(32)の半径方向及びヘッド支架(40)のダクト(72)からスロット(120) の第1スロット部分(122) に向けてに拡がるリブ(132) を備え、該スロット部分は筒状支持部材(74)の壁面(121) を通して拡がっており、該リブは筒状支持部材(74)の円筒面(134) により第1スロット部分(122) の領域に於いて回転する円筒状表面を呈していることを特徴とする磁気テープ装置。
【請求項5】 請求項3又は4に記載した磁気テープ装置に於いて、端部材(125) は柔軟性のある導線集合板(109) のための2個の相互に平行した案内面(135、136)を持ち、該案内面の間に導線集合板(109) が間隔を保って通過することを特徴とする磁気テープ装置。

【図1】
image rotate


【図2】
image rotate


【図4】
image rotate


【図5】
image rotate


【図7】
image rotate


【図3】
image rotate


【図6】
image rotate


【図8】
image rotate


【図9】
image rotate


【公開番号】特開平5−242444
【公開日】平成5年(1993)9月21日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平4−329454
【出願日】平成4年(1992)12月9日
【出願人】(590000248)エヌ・ベー・フィリップス・フルーイランペンファブリケン (12,071)
【氏名又は名称原語表記】N.V.PHILIPS’ GLOEILAMPENFABRIEKEN