説明

磁気テープ装置のローダ機構

【課題】所望の強度を確保しつつ構成が複雑化することを防止する。
【解決手段】磁気テープ装置20のローダ機構22は、デッキベース21に固定されたリールモータに連結されて表面21A上から突出し、リールRに接続可能かつ駆動力を伝達可能なクラッチ24と、テープカートリッジCを内部に保持可能であって、テープカートリッジCを挿脱可能な位置とリールRをクラッチ24に接続して回転駆動可能な位置とに移動可能なローダトレイ33と、デッキベース21上においてクラッチ24に対して近接または離間する方向に移動可能であって、クラッチ24に対して近接する方向に移動することによってローダトレイ33を挿脱可能な位置から回転駆動可能な位置へと移動させるフィードブラケット32と、を備える。リールモータとクラッチ24との間にフィードブラケット32の水平フィードプレート32Aを挿入可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、磁気テープ装置のローダ機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば磁気テープを収納したテープカートリッジを用いて磁気記録再生を行なう磁気テープ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
従来技術に係る磁気テープ装置1は、例えば図3,4に示すように、磁気テープ(図示略)を収納したテープカートリッジCをデッキベース2上で搬送するローダ機構3と、テープカートリッジC内に収容されて磁気テープが巻装されているリールRを駆動するリールモータ4と、テープカートリッジC内に収容されているリールRとリールモータ4とを接続するためにデッキベース2の表面上から突出したクラッチ5と、テープカートリッジC内から磁気テープを引き出して磁気記録再生を行なうスレッダ機構6と、を備えて構成されている。
【0003】
ローダ機構3は、例えば、モータおよびギヤ列などからなる駆動ユニット11と、駆動ユニット11の駆動力により水平方向(例えば、ローダトレイ13に対するテープカートリッジCの挿入方向を後方とした前後方向)に移動するフィードブラケット12と、テープカートリッジCを挿脱可能であってフィードブラケット12により移動するローダトレイ13と、フィードブラケット12を移動可能に支持する1組の左ローダフレーム14および右ローダフレーム15と、を備えて構成されている。
【0004】
フィードブラケット12は、例えば、水平に配置された水平フィードプレート12Aと、水平フィードプレート12Aの左右(つまり、水平方向において前後方向に直交する左右方向)の端部において鉛直方向下方に向かい突出するように設けられた1対の左右のフィードプレート12L,12Rとを備えている。
【0005】
さらに、フィードブラケット12は、左右のフィードプレート12L,12Rには、ローダトレイ13の左右のガイドピン13a,13bを挿入可能な貫通孔からなる左右のローダガイド孔12a,12bを備えている。
左右のローダガイド孔12a,12bは、例えば、前後方向の後端側が鉛直方向の上向きに傾斜した弧状に形成されている。
【0006】
ローダトレイ13は、例えば、フィードブラケット12によって上部が取り囲まれるようにして配置され、水平に配置された水平プレート13Aと、水平プレート13Aの左右の端部において鉛直方向下方に向かい突出するように設けられた1対の左右のサイドプレート13L,13Rと、左右のサイドプレート13L,13Rの下端において互いの対向方向で近接する方向に突出する左右の突出プレート13B,13Cとを備えている。
【0007】
そして、左のサイドプレート13Lは、左方向に突出する左のガイドピン13aを備え、右のサイドプレート13Rは、右方向に突出する右のガイドピン13bを備えている。
また、左右の突出プレート13B,13Cは、各プレートに取り囲まれるようにしてローダトレイ13の内部に挿入されたテープカートリッジCを固定する固定部材13c,13dを備えている。
【0008】
1組の左ローダフレーム14および右ローダフレーム15は、例えば、水平に配置されたデッキベース2の表面から鉛直方向上方に向かい突出するようにしてデッキベース2に固定され、フィードブラケット12の左右のフィードプレート12L,12Rを左右方向の両側から挟み込むように配置されている。
そして、左ローダフレーム14および右ローダフレーム15は、ローダトレイ13の左右のガイドピン13a,13bを挿入可能な貫通孔からなる左右のガイド孔14a,15aを備えている。
【0009】
つまり、ローダトレイ13の左右のガイドピン13a,13bは、順次、フィードブラケット12の左右のローダガイド孔12a,12bと、左ローダフレーム14および右ローダフレーム15の左右のガイド孔14a,15aと、に挿入されている。
なお、左右のガイド孔14a,15aは、例えば、前後方向に延びると共に後端部において鉛直方向下方に向かい屈曲するL字状に形成されている。
【0010】
以下に、この従来技術に係る磁気テープ装置1において、テープカートリッジCをデッキベース2上で搬送する動作について説明する。
【0011】
先ず、テープカートリッジCを挿脱可能な位置に配置されているローダトレイ13にテープカートリッジCが装着および固定されると、駆動ユニット11からフィードブラケット12に駆動力が伝達されて、フィードブラケット12は前後方向の後方(つまり、テープカートリッジCの挿入方向)に向かい移動する。
【0012】
このとき、ローダトレイ13の左右のガイドピン13a,13bは、フィードブラケット12の左右のローダガイド孔12a,12bに対しては後端側の位置で固定され、1組の左ローダフレーム14および右ローダフレーム15の左右のガイド孔14a,15aに対しては前後方向の前端側から後端側の位置に向かい移動する。
【0013】
これにより、ローダトレイ13は、左右のガイドピン13a,13bが左ローダフレーム14および右ローダフレーム15の左右のガイド孔14a,15aの後端に到達するまで、フィードブラケット12と共に前後方向の後方(つまり、テープカートリッジCの挿入方向)に向かい移動する。
【0014】
そして、ローダトレイ13の左右のガイドピン13a,13bは、左ローダフレーム14および右ローダフレーム15の左右のガイド孔14a,15aの後端に到達すると、フィードブラケット12の左右のローダガイド孔12a,12bに対しては後端側の位置から前端側の位置に向かい、かつ鉛直方向下方に向かい徐々に下降するように移動する。
【0015】
また、このとき、ローダトレイ13の左右のガイドピン13a,13bは、1組の左ローダフレーム14および右ローダフレーム15の左右のガイド孔14a,15aに対しては鉛直方向下方に向かい移動する。
これにより、フィードブラケット12は前後方向の後方(つまり、テープカートリッジCの挿入方向)に向かい移動することに対して、ローダトレイ13は鉛直方向下方に向かい移動する。
【0016】
そして、ローダトレイ13の左右のガイドピン13a,13bが、フィードブラケット12の左右のローダガイド孔12a,12bに対して前端側の位置に到達し、かつ1組の左ローダフレーム14および右ローダフレーム15の左右のガイド孔14a,15aに対して下端の位置に到達すると、フィードブラケット12およびローダトレイ13は移動を停止する。
そして、テープカートリッジC内に収容されているリールRとデッキベース2に設けられたリールモータ4とはクラッチ5により接続され、リールRはリールモータ4により回転駆動可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特許第4328740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
ところで、上記従来技術に係る磁気テープ装置1において、フィードブラケット12は板状の左ローダフレーム14および右ローダフレーム15の上端をガイドとして前後方向に移動するように構成されている。
しかしながら、例えば曲げ加工などが行なわれる板状の左ローダフレーム14および右ローダフレーム15の上端をガイドとして機能させるために必要とされる所望の寸法精度および摺動負荷に耐えうる強度を確保することは困難であるという問題が生じる。
また、このような問題が生じることに対して、例えばベアリングやスリーブなどを用いて摺動負荷を低減させる場合には、ローダ機構3の構成が複雑化して装置構成に要する費用が嵩むという問題が生じる。
【0019】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、所望の強度を確保しつつ構成が複雑化することを防止することが可能な磁気テープ装置のローダ機構を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記課題を解決して係る目的を達成するために、本発明の磁気テープ装置のローダ機構は、磁気テープが巻装されたリールを内部に収容したテープカートリッジを搬送する磁気テープ装置のローダ機構であって、基板に固定されたモータと、前記モータに連結されて前記基板の表面上から突出し、前記リールに接続可能かつ前記モータの駆動力を前記リールに伝達可能なクラッチと、前記テープカートリッジを内部に保持可能であって、前記テープカートリッジを挿脱可能な位置と前記リールを前記クラッチに接続して前記モータにより回転駆動可能な位置とに移動可能なローダ部材と、前記基板上において前記クラッチに対して近接または離間する方向に移動可能であって、前記クラッチに対して近接する方向に移動することによって前記ローダ部材を前記挿脱可能な位置から前記回転駆動可能な位置へと移動させるフィーダ部材と、を備え、前記モータと前記クラッチとの間に前記フィーダ部材の少なくとも一部を挿入可能とした。
【発明の効果】
【0021】
本発明の磁気テープ装置のローダ機構によれば、モータとクラッチとの間にフィーダ部材の少なくとも一部を挿入可能としたことにより、フィーダ部材がモータとクラッチとの間に挿入不可である場合に比べて、基板上においてクラッチに対して近接または離間する方向に移動可能なフィーダ部材の移動可能距離を増大させることができ、所望の強度を確保しつつ構成が複雑化することを防止してフィーダ部材の所望の移動可能距離を容易に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の形態に係る磁気テープ装置のローダ機構の構成図であって、ローダ機構を分解して示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る磁気テープ装置のデッキベースの断面を模式的に示す図である。
【図3】従来技術の一例に係る磁気テープ装置の構成図であって、ローダ機構を分解して示す斜視図である。
【図4】従来技術の一例に係る磁気テープ装置のデッキベースの断面を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態に係る磁気テープ装置のローダ機構について添付図面を参照しながら説明する。
本実施の形態による磁気テープ装置20は、例えば図1,2に示すように、磁気テープ(図示略)を収納したテープカートリッジCをデッキベース21上で搬送するローダ機構22と、テープカートリッジC内に収容されて磁気テープが巻装されているリールRを駆動するリールモータ23と、テープカートリッジC内に収容されているリールRとリールモータ23とを接続するためにデッキベース21の表面21A上から突出したクラッチ24と、テープカートリッジC内から磁気テープを引き出して磁気記録再生を行なうスレッダ機構25と、を備えて構成されている。
【0024】
ローダ機構22は、例えば、モータおよびギヤ列などからなる駆動ユニット31と、駆動ユニット31の駆動力により水平方向(例えば、ローダトレイ33に対するテープカートリッジCの挿入方向を後方とした前後方向)に移動するフィードブラケット32と、テープカートリッジCを挿脱可能であってフィードブラケット32により移動するローダトレイ33と、フィードブラケット32を移動可能に支持する1組の左ローダフレーム34および右ローダフレーム35と、を備えて構成されている。
【0025】
フィードブラケット32は、例えば、水平に配置された水平フィードプレート32Aと、水平フィードプレート32Aの左右(つまり、水平方向において前後方向に直交する左右方向)の端部において鉛直方向上方に向かい突出するように設けられた1対の左右のフィードプレート32L,32Rとを備えている。
【0026】
そして、左右のフィードプレート32L,32Rは、ローダトレイ33を左右方向(つまり、水平方向においてフィードブラケット32の移動方向である前後方向に直交する方向)の両側から挟み込むように配置されている。
【0027】
そして、左右のフィードプレート32L,32Rには、ローダトレイ33の左右のガイドピン33a,33bを挿入可能な貫通孔からなる左右のローダガイド孔32a,32bを備えている。
左右のローダガイド孔32a,32bは、例えば、前後方向の後端側が鉛直方向の上向きに傾斜した弧状に形成されている。
【0028】
さらに、左右のフィードプレート32L,32Rを接続する水平フィードプレート32には、デッキベース21の表面21A上から突出する複数のフィードプレートガイドピン21aを挿入可能な貫通孔からなる複数の水平ガイド孔32cを備えている。
水平ガイド孔32cは、例えば、前後方向に延びるように形成されている。
【0029】
ローダトレイ33は、例えば、フィードブラケット32によって下部が取り囲まれるようにして配置され、例えば、水平に配置された水平プレート33Aと、水平プレート33Aの左右の端部において鉛直方向下方に向かい突出するように設けられた1対の左右のサイドプレート33L,33Rと、左右のサイドプレート33L,33Rの下端において互いの対向方向で近接する方向に突出する左右の突出プレート33B,33Cとを備えている。
【0030】
そして、左のサイドプレート33Lは、左方向に突出する左のガイドピン33aを備え、右のサイドプレート33Rは、右方向に突出する右のガイドピン33bを備えている。
また、左右の突出プレート33B,33Cは、各プレートに取り囲まれるようにしてローダトレイ33の内部に挿入されたテープカートリッジCを固定する固定部材(図示略)を備えている。
【0031】
1組の左ローダフレーム34および右ローダフレーム35は、例えば、水平に配置されたデッキベース21の表面21Aから鉛直方向上方に向かい突出するようにしてデッキベース21に固定され、フィードブラケット32の左右のフィードプレート32L,32Rを左右方向の両側から挟み込むように配置されている。
そして、左ローダフレーム34および右ローダフレーム35は、ローダトレイ33の左右のガイドピン33a,33bを挿入可能な貫通孔からなる左右のガイド孔34a,35aを備えている。
【0032】
つまり、ローダトレイ33の左右のガイドピン33a,33bは、順次、フィードブラケット32の左右のガイド孔32a,32bと、左ローダフレーム34および右ローダフレーム35の左右のガイド孔34a,35aと、に挿入されている。
なお、左右のガイド孔34a,35aは、例えば、前後方向に延びると共に後端部において鉛直方向下方に向かい屈曲するL字状に形成されている。
【0033】
例えば図2に示すように、デッキベース21に固定されたリールモータ23の回転軸と、デッキベース21の表面21A上から突出するクラッチ24の回転軸とは、リールモータ23およびクラッチ24よりも小径であって所定の軸長を有する連結軸41によって連結されている。
【0034】
そして、リールモータ23とクラッチ24との間には、この連結軸41の軸長に応じてフィードブラケット32の少なくとも一部、例えば水平フィードプレート32Aの後部を挿入可能な所定間隔の挿入領域42が設けられている。
なお、この連結軸41は、水平フィードプレート32Aが移動する平面に交差する部位が他の部位に比べて縮径されていてもよい。
【0035】
本実施の形態による磁気テープ装置20は上記構成を備えており、次に、この磁気テープ装置20のローダ機構22の動作、つまりテープカートリッジCをデッキベース21上で搬送する動作について説明する。
【0036】
先ず、テープカートリッジCを挿脱可能な位置(例えば、磁気テープ装置20の前端部の位置)に配置されているローダトレイ33にテープカートリッジCが装着および固定されると、駆動ユニット31からフィードブラケット32に駆動力が伝達されて、フィードブラケット32は、フィードプレートガイドピン21aが水平ガイド孔32c内でガイドされつつ、前後方向の後方(つまり、テープカートリッジCの挿入方向であって、クラッチ24に近接する方向)に向かい移動する。
このとき、フィードブラケット32の水平フィードプレート32Aは、リールモータ23とクラッチ24との間に設けられた挿入領域42に挿入されるようにして移動する。
【0037】
また、このとき、ローダトレイ33の左右のガイドピン33a,33bは、フィードブラケット32の左右のローダガイド孔32a,32bに対しては後端側の位置で固定され、1組の左ローダフレーム34および右ローダフレーム35の左右のガイド孔34a,35aに対しては前後方向の前端側から後端側の位置に向かい移動する。
【0038】
これにより、ローダトレイ33は、左右のガイドピン33a,33bが左ローダフレーム34および右ローダフレーム35の左右のガイド孔34a,35aの後端に到達するまで、フィードブラケット32と共に前後方向の後方(つまり、テープカートリッジCの挿入方向)に向かい移動する。
【0039】
そして、ローダトレイ33の左右のガイドピン33a,33bが左ローダフレーム34および右ローダフレーム35の左右のガイド孔34a,35aの後端に到達すると、テープカートリッジCに収容されているリールRの回転軸と、デッキベース21に設けられたリールモータ23およびクラッチ24の回転軸とは、同軸に配置された状態になる。
【0040】
そして、ローダトレイ33の左右のガイドピン33a,33bは、フィードブラケット32の左右のローダガイド孔32a,32bに対しては後端側の位置から前端側の位置に向かい、かつ鉛直方向下方に向かい徐々に下降するように移動する。
【0041】
また、このとき、ローダトレイ33の左右のガイドピン33a,33bは、1組の左ローダフレーム34および右ローダフレーム35の左右のガイド孔34a,35aに対しては鉛直方向下方に向かい移動する。
これにより、フィードブラケット32は前後方向の後方(つまり、テープカートリッジCの挿入方向)に向かい移動することに対して、ローダトレイ33は鉛直方向下方に向かい移動する。
【0042】
そして、ローダトレイ33の左右のガイドピン33a,33bが、フィードブラケット32の左右のローダガイド孔32a,32bに対して前端側の位置に到達し、かつ1組の左ローダフレーム34および右ローダフレーム35の左右のガイド孔34a,35aに対して下端の位置に到達すると、フィードブラケット32およびローダトレイ33は移動を停止する。
【0043】
このとき、特に、フィードブラケット32の水平フィードプレート32Aはリールモータ23とクラッチ24との間に設けられた挿入領域42に挿入された状態となる。
そして、ローダトレイ33は、テープカートリッジCに収容されているリールRとデッキベース21に設けられたリールモータ23とがクラッチ24により接続され、リールRがリールモータ23により回転駆動可能になる位置に配置される。
【0044】
上述したように、本実施の形態による磁気テープ装置20のローダ機構22によれば、リールモータ23とクラッチ24との間に水平フィードプレート32Aを挿入可能としたことにより、フィードブラケット32の少なくとも一部がリールモータ23とクラッチ24との間に挿入不可である場合に比べて、デッキベース21上においてクラッチ24に対して近接または離間する方向に移動可能なフィードブラケット32の移動可能距離を増大させることができ、所望の強度を確保しつつ構成が複雑化することを防止してフィードブラケット32の所望の移動可能距離を容易に確保することができる。
【0045】
しかも、デッキベース21のフィードプレートガイドピン21aを案内する水平ガイド孔32cを水平フィードプレート32に備えたことにより、デッキベース21以外の他の箇所においてフィードブラケット32をガイドする場合に比べて、フィードブラケット32の所望の強度を確保しつつ構成が複雑化することを防止することができる。
【0046】
なお、上述した実施の形態においては、フィードブラケット32の水平フィードプレート32に設けた水平ガイド孔32cによって、デッキベース21に設けられたフィードプレートガイドピン21aをガイドするとしたが、これに限定されず、例えばフィードブラケット32の水平フィードプレート32から鉛直方向下方に突出するガイドピンを設け、このガイドピンが挿入およびガイドされるガイド溝をデッキベース21の表面21A上に設けてもよい。
【0047】
なお、上述した実施の形態においては、リールモータ23とクラッチ24との間の連結軸41の形状に応じて、フィードブラケット32の少なくとも一部、例えば水平フィードプレート32Aの後部を挿入可能な所定間隔の挿入領域42を設けるとしたが、これに限定されず、例えばクラッチ24に所定の形状(例えば、縮径など)を設けることによって、フィードブラケット32の少なくとも一部、例えば水平フィードプレート32Aの後部を挿入可能な所定間隔の挿入領域42を設けてもよい。
【符号の説明】
【0048】
20 磁気テープ装置
21 デッキベース
21a フィードプレートガイドピン
22 ローダ機構
23 リールモータ
24 クラッチ
25 スレッダ機構
31 駆動ユニット
32 フィードブラケット
32A 水平フィードプレート
32L,32R フィードプレート
32a,32b ローダガイド孔
32c 水平ガイド孔
33 ローダトレイ
34 左ローダフレーム
35 右ローダフレーム
41 連結軸
42 挿入領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気テープが巻装されたリールを内部に収容したテープカートリッジを搬送する磁気テープ装置のローダ機構であって、
基板に固定されたモータと、
前記モータに連結されて前記基板の表面上から突出し、前記リールに接続可能かつ前記モータの駆動力を前記リールに伝達可能なクラッチと、
前記テープカートリッジを内部に保持可能であって、前記テープカートリッジを挿脱可能な位置と前記リールを前記クラッチに接続して前記モータにより回転駆動可能な位置とに移動可能なローダ部材と、
前記基板上において前記クラッチに対して近接または離間する方向に移動可能であって、前記クラッチに対して近接する方向に移動することによって前記ローダ部材を前記挿脱可能な位置から前記回転駆動可能な位置へと移動させるフィーダ部材と、
を備え、
前記モータと前記クラッチとの間に前記フィーダ部材の少なくとも一部を挿入可能としたことを特徴とする磁気テープ装置のローダ機構。
【請求項2】
前記クラッチ、または、前記モータと前記クラッチとを連結する連結軸は、前記フィーダ部材の少なくとも一部が移動する平面に交差する部位が縮径されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気テープ装置のローダ機構。
【請求項3】
前記基板上での前記フィーダ部材の移動を案内するガイド部材を前記基板および前記フィーダ部材に備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の磁気テープ装置のローダ機構。
【請求項4】
前記フィーダ部材は、
前記ローダ部材を相対移動可能に前記フィーダ部材の移動方向に直交する方向の両側から挟み込むようにして支持する1対のローダ支持部材と、
前記1対のローダ支持部材を接続する接続部材と、を備え、
前記モータと前記クラッチとの間に前記接続部材の少なくとも一部を挿入可能であることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1つに記載の磁気テープ装置のローダ機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−73637(P2013−73637A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−210108(P2011−210108)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(302069930)NECエンベデッドプロダクツ株式会社 (738)
【Fターム(参考)】