磁気デイスク媒体
【目的】 本発明は、磁気ディスク媒体の表面に溝を作ることにより、ほこりなどを溝の中に閉じこめ、ヘッドクラッシュを防止する。
【構成】 媒体１の中心に対し同心円をなす溝３ａ〜３ｄを媒体の表面から掘り下げ、さらに媒体の外周に向って水平に延ばしてＬ字形に掘る。内側に設けられる溝３ａは、データ記録範囲の半径Ｒ1 の内周部分に、また溝３ｂ，３ｃは半径Ｒ1 とＲ2 の円で囲まれた環状のデータ記録範囲内でかつシリンダー２ａと２ｂ，２ｂと２ｃのそれぞれ中間部分に設けられ、外側の溝３ｄはデータ記録範囲Ｒ2 の外周部分に設けられる。媒体表面のほこりなどは、媒体が回転して生じる遠心力のため、媒体表面に沿って外方へ移動し、溝中へ落下して溝内に閉じこめられる。
【構成】 媒体１の中心に対し同心円をなす溝３ａ〜３ｄを媒体の表面から掘り下げ、さらに媒体の外周に向って水平に延ばしてＬ字形に掘る。内側に設けられる溝３ａは、データ記録範囲の半径Ｒ1 の内周部分に、また溝３ｂ，３ｃは半径Ｒ1 とＲ2 の円で囲まれた環状のデータ記録範囲内でかつシリンダー２ａと２ｂ，２ｂと２ｃのそれぞれ中間部分に設けられ、外側の溝３ｄはデータ記録範囲Ｒ2 の外周部分に設けられる。媒体表面のほこりなどは、媒体が回転して生じる遠心力のため、媒体表面に沿って外方へ移動し、溝中へ落下して溝内に閉じこめられる。
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は磁気ディスク媒体（以後、媒体という）に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来の媒体は、磁気ヘッドと媒体が高速で相対的に移動する時に、空気の粘性によって発生する動圧を利用して、磁気ヘッドと媒体との間に微少なすき間を保たせていた。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の媒体は、ほこりなどが発生すると磁気ヘッドと媒体との間にはさまって、ヘッドクラッシュするという欠点がある。
【０００４】本発明の目的は、媒体の表面に同心の溝を作ることによってほこりなどを溝の中に閉じこめ、ヘッドクラッシュの発生しない新規な磁気ディスク媒体を提供することにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気ディスク媒体は、中心に対し同心円をなして表面から掘り下げられた、一様な断面形状の溝を有している。また、前記溝の断面形状が前記表面から掘り下げられて、さらに媒体の外周に向って延びたＬ字形に形成されており、また溝は媒体に設けられるそれぞれのシリンダの中間部、媒体表面のデータ記録範囲の内側または外側に設けられるものも含まれる。
【０００６】
【作用】媒体表面のほこりは、媒体の回転による遠心力によって媒体表面を媒体の外側に向かって移動し、溝の中に落下して溝中に閉じこめられる。
【０００７】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
【０００８】図１は本発明の磁気ディスク媒体の一実施例の平面図および断面図で、図１（Ａ）は平面略図、図１R>１（Ｂ）は図１（Ａ）のＡ−Ａ断面の拡大部分略図である。
【０００９】この媒体１は、中心から半径Ｒ1 とＲ2 の円に囲まれた環状のデータ記録範囲を有し、その記録範囲内にシリンダ２ａ，２ｂ，２ｃが設けられており、溝３ａ〜３ｄがそれぞれ媒体１の表面から下方に掘り下げられ、さらにその下部が媒体の外側に向って水平に掘られＬ字形に形成されており、図１（Ｂ）に示すように断面形状が一様で、媒体中心と同心の輪状をなしている。内側の溝３ａはデータ記録範囲の半径Ｒ1 の内周部分に設けられ、外側の溝３ｄはデータ記録範囲の半径Ｒ2 の外周部分に設けられ、また溝３ｂ，３ｃは半径Ｒ1 とＲ2 の円に囲まれた環状のデータ記録範囲に設けられかつシリンダー２ａと２ｂ，２ｂと２ｃのそれぞれ中間部分に設けられる。本実施例においては、シリンダーが３箇所に設けられ各シリンダーの中間部分に各１本の溝が設けられているが、適宜数設けられたシリンダーの中間部分においてもそれぞれ溝を設けることができる。
【００１０】次に、本発明の媒体に設けられた溝の動作を説明する。回転する媒体表面のほこりなどは、遠心力によって媒体表面を媒体の外側へと移動する。移動するほこりなどは媒体表面に設けられた溝の中へ落下しさらに溝内で遠心力のため外側に向って形成された溝の部分へ移動し、溝の中へ閉じこめられる。
【００１１】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、媒体の表面にシリンダと同心の溝を設けてほこりなどを溝の中に閉じこめることにより、ヘッドクラッシュの発生を防止する新規な媒体が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の磁気ディスク媒体の図で、図１（Ａ）は平面略図、図１（Ｂ）は図１（Ａ）のＡ−Ａ線断面部分拡大略図である。
【符号の説明】
１ 磁気ディスク媒体
２ａ，２ｂ，２ｃ シリンダー
３ａ，３ｂ，３ｃ，３ｄ 溝
Ｒ1 ，Ｒ2 データ記録範囲半径
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は磁気ディスク媒体（以後、媒体という）に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来の媒体は、磁気ヘッドと媒体が高速で相対的に移動する時に、空気の粘性によって発生する動圧を利用して、磁気ヘッドと媒体との間に微少なすき間を保たせていた。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の媒体は、ほこりなどが発生すると磁気ヘッドと媒体との間にはさまって、ヘッドクラッシュするという欠点がある。
【０００４】本発明の目的は、媒体の表面に同心の溝を作ることによってほこりなどを溝の中に閉じこめ、ヘッドクラッシュの発生しない新規な磁気ディスク媒体を提供することにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気ディスク媒体は、中心に対し同心円をなして表面から掘り下げられた、一様な断面形状の溝を有している。また、前記溝の断面形状が前記表面から掘り下げられて、さらに媒体の外周に向って延びたＬ字形に形成されており、また溝は媒体に設けられるそれぞれのシリンダの中間部、媒体表面のデータ記録範囲の内側または外側に設けられるものも含まれる。
【０００６】
【作用】媒体表面のほこりは、媒体の回転による遠心力によって媒体表面を媒体の外側に向かって移動し、溝の中に落下して溝中に閉じこめられる。
【０００７】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
【０００８】図１は本発明の磁気ディスク媒体の一実施例の平面図および断面図で、図１（Ａ）は平面略図、図１R>１（Ｂ）は図１（Ａ）のＡ−Ａ断面の拡大部分略図である。
【０００９】この媒体１は、中心から半径Ｒ1 とＲ2 の円に囲まれた環状のデータ記録範囲を有し、その記録範囲内にシリンダ２ａ，２ｂ，２ｃが設けられており、溝３ａ〜３ｄがそれぞれ媒体１の表面から下方に掘り下げられ、さらにその下部が媒体の外側に向って水平に掘られＬ字形に形成されており、図１（Ｂ）に示すように断面形状が一様で、媒体中心と同心の輪状をなしている。内側の溝３ａはデータ記録範囲の半径Ｒ1 の内周部分に設けられ、外側の溝３ｄはデータ記録範囲の半径Ｒ2 の外周部分に設けられ、また溝３ｂ，３ｃは半径Ｒ1 とＲ2 の円に囲まれた環状のデータ記録範囲に設けられかつシリンダー２ａと２ｂ，２ｂと２ｃのそれぞれ中間部分に設けられる。本実施例においては、シリンダーが３箇所に設けられ各シリンダーの中間部分に各１本の溝が設けられているが、適宜数設けられたシリンダーの中間部分においてもそれぞれ溝を設けることができる。
【００１０】次に、本発明の媒体に設けられた溝の動作を説明する。回転する媒体表面のほこりなどは、遠心力によって媒体表面を媒体の外側へと移動する。移動するほこりなどは媒体表面に設けられた溝の中へ落下しさらに溝内で遠心力のため外側に向って形成された溝の部分へ移動し、溝の中へ閉じこめられる。
【００１１】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、媒体の表面にシリンダと同心の溝を設けてほこりなどを溝の中に閉じこめることにより、ヘッドクラッシュの発生を防止する新規な媒体が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の磁気ディスク媒体の図で、図１（Ａ）は平面略図、図１（Ｂ）は図１（Ａ）のＡ−Ａ線断面部分拡大略図である。
【符号の説明】
１ 磁気ディスク媒体
２ａ，２ｂ，２ｃ シリンダー
３ａ，３ｂ，３ｃ，３ｄ 溝
Ｒ1 ，Ｒ2 データ記録範囲半径
【特許請求の範囲】
【請求項１】 磁気ディスク媒体において、中心に対し同心円をなして表面から掘り下げられた、一様な断面形状の溝を有することを特徴とする磁気ディスク媒体。
【請求項２】 前記溝の断面形状が、前記表面から掘り下げられて、さらにその下部が磁気ディスク媒体の外側に向って延びたＬ字形に形成された請求項１に記載の磁気ディスク媒体。
【請求項３】 前記溝が、前記磁気ディスク媒体表面のデータ記録範囲の内周に配設される請求項１または２に記載の磁気ディスク媒体。
【請求項４】 前記溝が、前記磁気ディスク媒体表面のデータ記録範囲の内周および外周に配設される請求項１または２に記載の磁気ディスク媒体。
【請求項５】 前記溝が、前記磁気ディスク媒体のデータ記録範囲内に配設される請求項１または２に記載の磁気ディスク媒体。
【請求項１】 磁気ディスク媒体において、中心に対し同心円をなして表面から掘り下げられた、一様な断面形状の溝を有することを特徴とする磁気ディスク媒体。
【請求項２】 前記溝の断面形状が、前記表面から掘り下げられて、さらにその下部が磁気ディスク媒体の外側に向って延びたＬ字形に形成された請求項１に記載の磁気ディスク媒体。
【請求項３】 前記溝が、前記磁気ディスク媒体表面のデータ記録範囲の内周に配設される請求項１または２に記載の磁気ディスク媒体。
【請求項４】 前記溝が、前記磁気ディスク媒体表面のデータ記録範囲の内周および外周に配設される請求項１または２に記載の磁気ディスク媒体。
【請求項５】 前記溝が、前記磁気ディスク媒体のデータ記録範囲内に配設される請求項１または２に記載の磁気ディスク媒体。
【図１】
【公開番号】特開平５−１５１７３８
【公開日】平成５年（１９９３）６月１８日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平３−３１０９００
【出願日】平成３年（１９９１）１１月２６日
【出願人】（０００２３２０４７）日本電気エンジニアリング株式会社 (47)
【公開日】平成５年（１９９３）６月１８日
【国際特許分類】
【出願日】平成３年（１９９１）１１月２６日
【出願人】（０００２３２０４７）日本電気エンジニアリング株式会社 (47)
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