説明

磁気ヘッドの試験方法

【課題】リード素子を、磁気記録媒体に記録された磁気信号を実際に読み取っている状態とすることも可能としながら、リード素子に電波および電界のノイズを作用させてその出力信号を試験でき、さらに、特殊な設備が不要であるとともに試験やその準備のための工数やコストを小さく抑えることができ、なおかつ、リード素子の出力信号を検出するための試験装置にはほとんど影響を与えず、リード素子の出力信号を正確に測定することができる磁気ヘッドの試験方法を提供する。
【解決手段】リード素子2と、ライト素子4と、所定の電気回路14とを備えた磁気ヘッドの試験方法であって、電気回路14に交流バイアス電圧を印加することで誘起した電波および電界のノイズをリード素子2に発生させた状態で、リード素子2により磁気記録媒体33の磁気信号を読み取って、リード素子2が出力した出力信号を評価する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気ディスク装置等の磁気記憶装置に用いられる磁気ヘッドの試験方法に関し、特に、外来の電波や電界のノイズを受けた際のリード素子の特性を、簡略かつ擬似的に評価するための磁気ヘッドの試験方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に電子機器は、強い外来の電波や電界のノイズ(以下、外来ノイズと呼ぶ)を受けたときに、誤動作して機能しないことがある。したがって、構造的に外来ノイズの影響を受け難いように、シールドやアース周りの工夫がなされる。
【0003】
磁気記憶装置においては、特に磁気ヘッドが、外来ノイズの影響を受け易い。例えば、外来ノイズの影響で、リード素子の出力信号に誘導ノイズが発生して読み取りエラーを引き起こすことがある。
【0004】
さて、外来ノイズに対する、電子機器の耐性を測る手法としては、電磁シールド室内に電子機器を設置して、電磁シールド室内に所定の周波数レンジの電波を照射し、その電界中で電子機器の動作を検証するイミュニティ試験を行うのが通例である。
【0005】
ところで、特許文献1には、磁気ヘッドの磁気誘導型素子(ライト素子)に高周波電流を流すことで漏洩磁界を磁気抵抗効果素子(リード素子)に印加し、外部磁界および漏洩磁界による磁気抵抗効果素子の抵抗変化特性を測定する技術が開示されている。
すなわち、磁気誘導型素子の入力端子を介して磁気誘導型素子に高周波電流を印加して磁気誘導型素子のライトコイルから磁界を発生させ、その磁界が磁気抵抗効果素子に与える影響を試験している。
【0006】
【特許文献1】特開平8−329431号公報(段落0009−0011)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
さて、同一の製品品種の磁気ヘッドの中にも、外来ノイズに対する耐性にばらつきがあり、ノイズ耐性が極端に弱いものがある割合で発生する。
このようなノイズ耐性の弱い磁気ヘッドを選別するには、前述した外来ノイズに対するイミュニティ試験を、個々の磁気ヘッドに実施する(全数試験する)ことが考えられるが、従来の外来ノイズに対するイミュニティ試験には、以下の様な課題がある。
【0008】
従来のイミュニティ試験は、監査用としてサンプル評価をする目的で行われているものであって、電磁シールド室を設置する必要があるとともに、計測の準備(試験装置のシールド等)や計測そのものの作業工数も大きいという課題がある。
このため、従来のイミュニティ試験を磁気ヘッドの全数試験に取り入れることは実現性に乏しいし、ノイズ耐性の優れたまたは劣った磁気ヘッドを迅速に発見して、試験結果を素早く製造工程にフィードバックすることも困難である。
【0009】
また、従来のイミュニティ試験においては、磁気ヘッドのリード素子の出力信号を検出するための試験装置にも外来ノイズが印加され、その影響で試験装置から発生する誘導ノイズがリード素子の出力信号に重畳されてしまい、リード素子から発生するノイズだけを正確に測ることが困難であるという課題がある。
【0010】
また、特許文献1記載の技術では、ライト素子のライトコイルに高周波電流を印加した状態、すなわちライト素子の主磁極から磁束を発生させた状態で、リード素子の試験を行うから、リード素子により磁気記録媒体の磁気信号を実際に読み取ってそのリード特性を試験することが困難であるという課題がある。
また、特許文献1記載の技術では、リード素子にはライトコイルからの磁界が強く作用するから、リード素子の電波や電界のみに対する影響を試験することはできないという課題がある。
【0011】
本発明は上記課題を解決すべくなされ、その目的とするところは、リード素子を、磁気記録媒体に記録された磁気信号を実際に読み取っている状態とすることも可能としながら、リード素子に電波および電界のノイズを作用させてその出力信号を試験でき、さらに、特殊な設備が不要であるとともに試験やその準備のための工数やコストを小さく抑えることができ、なおかつ、リード素子の出力信号を検出するための試験装置にはほとんど影響を与えず、リード素子の出力信号を正確に測定することができる磁気ヘッドの試験方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る磁気ヘッドの試験方法は、上記課題を解決するため、以下の構成を備える。
すなわち、リード素子と、ライト素子と、所定の電気回路とを備えた磁気ヘッドの試験方法であって、前記電気回路に交流電圧を印加することで、交流電圧に誘起されて前記リード素子に発生した出力信号を、リード素子から発生したノイズとして評価することを特徴とする。
これによれば、交流電圧による電波および電界のノイズ(擬似的な外来ノイズ)に誘起してリード素子内部で発生した電圧に起因する、リード素子の出力信号のノイズを評価することができる。また、特許文献1記載の技術ようにライト素子から書き込みノイズが生じることがないから、リード素子を、磁気記録媒体に記録された磁気信号を実際に読み取っている状態とすることも可能である。また、従来のイミュニティ試験と異なり、交流電圧を発生させる装置のみで特殊な設備が不要であるとともに、試験やその準備のための工数やコストを小さく抑えることができる。さらに、試験装置自体に外来ノイズが作用することもないため、リード素子の出力信号を正確に測定することができる。
【0013】
さらに、前記電気回路に交流電圧を印加した状態で、前記ライト素子により前記磁気記録媒体に磁気信号を書き込み、該書き込んだ磁気信号を前記リード素子により読み取って、リード素子が出力した出力信号を評価することを特徴とする。
これによれば、磁気ヘッドに電波および電界のノイズを作用させた状態におけるリードライト特性を試験することができる。
【0014】
また、前記出力信号に含まれる、前記交流電圧の周波数と同じ周波数成分の信号レベルを検出し、該信号レベルを、前記電波および電界に起因する誘導ノイズのレベルとして評価することを特徴とする。
これによれば、前記出力信号から、特定周波数での電波および電界のノイズ影響(誘導ノイズ)を抽出できる。
【0015】
また、前記電気回路に前記交流電圧を印加する前に、予め前記リード素子により前記磁気記録媒体の磁気信号を読み取って、リード素子が出力した第一平常時出力信号を、記憶手段に記憶し、前記電気回路に前記交流電圧を印加した状態で前記リード素子が出力した前記出力信号を評価した後、再び前記電気回路に前記交流電圧を印加しない状態で、前記リード素子により前記磁気記録媒体の磁気信号を読み取って、リード素子が出力した第二平常時出力信号を、記憶手段に記憶し、記憶手段に記憶された前記第一平常時出力信号と前記第二平常時出力信号とを比較することで、前記電波および電界による前記リード素子の特性変化を評価することを特徴とする。
これによれば、リード素子に前記電波および電界を作用させたことによるリード素子の特性変化を評価することができる。
【0016】
また、前記電気回路は、ダイナミックフライングハイトの制御用のヒータ回路などの、ライト素子およびリード素子の回路とは異なる電気回路であることを特徴とする。
これによれば、磁気ヘッドに電気回路や端子を追加する必要なく、既存の、ダイナミックフライングハイトの制御用のヒータ回路およびその端子を用いて試験を行うことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る磁気ヘッドの試験方法によれば、リード素子が磁気記録媒体に記録された磁気信号を実際に読み取っている状態にさせることも可能としながら、リード素子に電波および電界のノイズを作用させてその出力信号を試験でき、さらに、特殊な設備が不要であるとともに試験やその準備のための工数やコストを小さく抑えることができ、なおかつ、リード素子の出力信号を検出するための試験装置にはほとんど影響を与えず、リード素子の出力信号を正確に測定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明に係る磁気ヘッドの試験方法を実施するための最良の形態を説明する。
【0019】
図1は、本実施の形態に係る磁気ヘッドの試験方法で試験対象となる磁気ヘッドを有する、磁気記憶装置としての磁気ディスク装置31の内部構造を示す。磁気ディスク装置31の矩形の箱状に形成された本体32には、磁気記録媒体としての磁気ディスク33が収容されている。磁気ディスク33は、スピンドルモータ34の回転軸に装着され、スピンドルモータ34の駆動によって回転する。
【0020】
本体32内には、磁気ディスク33のディスク面と垂直方向に延びる支軸35の回りで揺動するキャリッジ36が収容されている。このキャリッジ36は、支軸35から水平方向に延びる剛体の揺動アーム37と、この揺動アーム37の先端に取り付けられ、揺動アーム37から前方に延びる弾性サスペンション38とを備える。
【0021】
弾性サスペンション38の先端には、浮上面を磁気ディスク33のディスク面に対向させてスライダ39が取り付けられている。
磁気ディスク33の表面に向かって弾性サスペンション38による押圧力が作用する。磁気ディスク33の回転に基づき磁気ディスク33の表面で生成される気流の働きによってスライダ39に浮力が作用する。弾性サスペンション38の押圧力と浮力とのバランスにより磁気ディスク33の回転中にスライダ39が浮上する。
【0022】
スライダ39の浮上中に、キャリッジ36が支軸35を軸として揺動することにより、スライダ39は径方向に磁気ディスク33の表面を横切るように移動する。こうした移動によりスライダ39は磁気ディスク33上の所望の記録トラックに位置決めされる。キャリッジ36の揺動は、たとえばボイスコイルモータ(VCM)といったアクチュエータ43によって実現される。
【0023】
スライダ39の浮上面側には、リード素子とライト素子とを備えた磁気ヘッドが設けられている。
図2は、スライダ39に設けられた代表的な磁気ヘッドの電気的な構成を示す説明図である。
磁気ヘッドは、リード素子2と、ライト素子4とを備える。
【0024】
リード素子2は、下部シールド10と第一上部シールド12との間に挟まれて設けられる。下部シールド10は外部端子6aに、第一上部シールド12は外部端子6bに、それぞれ接続される。
磁気ディスク33に記録された磁気信号のリード素子2による読み取りは、外部端子6aと外部端子6bとを介して、下部シールド10と第一上部シールド12との間にバイアス電圧を印加し、磁気ディスク33の磁気信号に伴うリード素子2の電気抵抗の変化を、外部端子6aと外部端子6bとの間の電圧を検出することで行われる。
【0025】
ライト素子4は、主磁極4aと、主磁極4aの一部に巻かれたライトコイル4bとを有する。ライトコイル4bは、外部端子8a,8bに接続される。
磁気ディスク33へのライト素子4による磁気信号の書き込みは、外部端子8a,8bを介してライトコイル4bに所定の電流信号を印加することで、主磁極4aから磁束を発生させ、その磁束を磁気ディスク33の記録層に作用させることで行われる。
【0026】
また、本磁気ヘッドには、リード素子2およびライト素子4の他に、所定の電気回路としての、ダイナミックフライングハイト(DFH)の制御用のヒータ回路14が設けられる。ヒータ回路14は、電熱用の抵抗回路から成り、外部端子16a,16bに接続される。
外部端子16a,16bを介してヒータ回路14に電流を流すことで、ヒータ回路14が加熱して、スライダ39が加熱されて膨張変形する。ダイナミックフライングハイトとは、このスライダ39の変形によって、磁気ディスク33とスライダ39との間の気流を変化させて、スライダ39の磁気ディスク33からの浮上距離を制御する技術である。
【0027】
なお、図2において、コンデンサの記号が記載されているが、磁気ヘッドの各要素は薄膜が積層されて成るため、各要素間にはコンデンサとしての機能が生じることを示している(必ずしもコンデンサ回路が設けられていることを示しているわけではない)。
【0028】
次に、上記磁気ヘッドの試験方法の実施の形態を説明する。
まず、リード素子2に接続する外部端子6a,6bに、リード素子が出力する出力信号(リード素子2の電気抵抗変化に伴う、外部端子6a,6b間の電圧変化の信号)を測定する出力信号測定装置20を接続する。
また、ヒータ回路14に接続する外部端子16a,16bに、交流電圧としての交流バイアス電圧を発生させる、交流電圧発生装置としての交流バイアス電圧発生装置22を接続する。
なお、各外部端子6a,6b,16a,16bへの接続は、スライダ39上に設けられた外部端子に直接プローブを当てても良いし、または、スライダ39から弾性サスペンション38および揺動アーム37上を延び、各外部端子6a,6b,16a,16bに繋がったフレキシブル基板の配線パターン等から接続しても良い。
【0029】
そして、リード素子2により、磁気ディスク33に予め記録された所定の磁気信号を読み取って、リード素子2が出力した第一平常時出力信号を表すデータを、出力信号測定装置20で検出し、出力信号測定装置20の記憶手段(メモリやハードディスク等)に記憶する。
【0030】
続いて、交流バイアス電圧発生装置22により外部端子16a,16bを介してヒータ回路14に交流バイアス電圧を印加する。交流バイアス電圧とは、図3に示すように、電圧値が周期的に変化するとともに、電圧値の中心値が一定分、正または負にバイアスしている電圧信号である。なお、本発明における「交流電圧」は、交流バイアス電圧に限定されるものではなく、回路としての電気的な弊害がなければ、電圧値が周期的に正負に振れる純粋な交流電圧を用いてもかまわない。
そして、ヒータ回路14に交流バイアス電圧を印加することで誘起された電波および電界のノイズを、リード素子2に作用させた状態で、リード素子2により磁気ディスク33の磁気信号を読み取って、リード素子2が出力した出力信号を表すデータを、出力信号測定装置20で検出し、出力信号測定装置20の記憶手段(メモリやハードディスク等)に記憶する。
【0031】
次に、交流バイアス電圧発生装置22による交流バイアス電圧の印加を停止した状態で、再度同様に、リード素子2により磁気ディスク33の磁気信号を読み取って、リード素子2が出力した第二平常時出力信号を表すデータを、出力信号測定装置20の記憶手段に記憶する。
【0032】
なお、上記各読み取り試験において、交流バイアス電圧の周波数を変化させて、各周波数におけるリード素子2の出力信号を検出するようにする。例えば、交流バイアス電圧の周波数を、10〜1000MHzまで、10MHzおきに変化させて、各周波数におけるリード素子2の出力信号を検出する。
【0033】
また、リード素子2によるこれらの読み取り試験の際、予め磁気ディスク33に記録された磁気信号を読み取るだけでなく、さらに、外部端子8a,8bを介してライト素子4に所定の記録信号を印加して磁気ディスク33に磁気信号を記録するとともに、その記録した磁気信号をリード素子2で読み取って、リード素子2が出力した出力信号を検出するようにすればなお良い。
【0034】
続いて、記憶部に記憶した各出力信号を表すデータの解析を行う。
まず、前記電波および電界をリード素子2に作用させた状態(ヒータ回路14に交流バイアス電圧を印加した状態)における出力信号の解析を行う。具体的には、その出力信号に含まれる、印加した交流バイアス電圧の周波数と同じ周波数成分の信号レベルを検出し、その信号レベルを、前記電波および電界に起因する誘導ノイズのレベルとして評価する。
【0035】
図4は、上記方法により、ある磁気ヘッドのリード素子の出力信号に含まれる誘導ノイズの測定結果を表すグラフである。横軸が印加した交流バイアス電圧(リード素子2に作用させる電波および電界)の周波数(単位:MHz)を示し、縦軸は誘導ノイズ量(出力雑音電圧 単位:uVrms)を示している。図4のグラフは、280MHzの交流バイアス電圧(電波および電界のノイズ)を印加したときに、出力信号に乗った誘導ノイズを測った例である。
【0036】
さらに、記憶手段に記憶された、前記第一平常時出力信号を表すデータと、前記第二平常時出力信号を表すデータとを比較することで、前記電波および電界によるリード素子2の特性変化を評価する。
これによれば、リード素子2に前記電波および電界を作用させたことによるリード素子2の特性変化(特性劣化)を評価することができる。
【0037】
本実施の形態に係る磁気ヘッドの試験方法によれば、リード素子2が磁気ディスク33の磁気信号を実際に読み取っている状態としながら、交流バイアス電圧に起因する、前記電気回路から誘起した電波および電界のノイズ(擬似的な外来ノイズ)を、リード素子2に作用させることができる。なお、本発明はリード素子が磁気記録媒体の磁気信号を読み取っている状態として試験するものに限定されるものではなく、例えば、読み取りを行わない状態で、交流電圧に起因する、リード素子の出力信号のノイズのみを測定する構成としてもよい。また、本発明に係る磁気ヘッドの試験方法は、磁気ヘッド単品の状態および磁気記憶装置(例えば磁気ディスク装置)の状態のいずれの場合においても試験が可能である。
また、本実施の形態に係る磁気ヘッドの試験方法によれば、従来のイミュニティ試験と異なり、交流バイアス電圧を発生させる装置のみで特殊な設備が不要であるとともに、試験やその準備のための工数やコストを小さく抑えることができる。さらに、試験装置自体に外来ノイズが作用することもないため、リード素子2の出力信号を正確に測定することができる。
【0038】
このように、従来のイミュニティ試験に比較し、特殊な設備が不要であるとともに、試験やその準備のための工数やコストを小さく抑えることができるため、磁気ヘッドの全数試験に取り入れることも容易であり、また、ノイズ耐性の優れたまたは劣った磁気ヘッドを迅速に発見して、試験結果を素早く製造工程にフィードバックすることも可能となる。
【0039】
また、交流電圧(交流バイアス電圧)を印加する電気回路は、既存のダイナミックフライングハイトの制御用のヒータ回路14を用いれば、磁気ヘッドに電気回路や端子を追加する必要がない。
ただし、交流電圧(交流バイアス電圧)を印加する電気回路は、ダイナミックフライングハイトの制御用のヒータ回路に限定されるわけではなく、専用の電気回路を別途設けても良いし、磁気ヘッドが備える他の既存電気回路を用いるようにしてもよい。
電気回路は、交流電圧(交流バイアス電圧)を印加したときに電波および電界が生じるものであれば特に限定されず、例えば抵抗回路を採用できる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】磁気記憶装置としての磁気ディスク装置の内部構造を示す。
【図2】磁気ヘッドの電気的な構成と、試験装置の接続状態を示す説明図である。
【図3】電気回路に印加する交流バイアス電圧(交流電圧)を示すグラフである。
【図4】本発明に係る磁気ヘッドの試験方法により測定した、磁気ヘッドのリード素子の出力信号に含まれる誘導ノイズの測定結果を表すグラフである。
【符号の説明】
【0041】
2 リード素子
4 ライト素子
4a 主磁極
4b ライトコイル
6a,6b,8a,8b,16a,16b 外部端子
14 ヒータ回路
20 出力信号測定装置
22 交流バイアス電圧発生装置(交流電圧発生装置)
33 磁気ディスク(磁気記録媒体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リード素子と、ライト素子と、所定の電気回路とを備えた磁気ヘッドの試験方法であって、
前記電気回路に交流電圧を印加し、
該交流電圧を印加した状態で、前記リード素子の出力信号を評価することを特徴とする磁気ヘッドの試験方法。
【請求項2】
前記電気回路に交流電圧を印加した状態で、前記ライト素子により磁気記録媒体に磁気信号を書き込み、該書き込んだ磁気信号を前記リード素子により読み取って、該リード素子の出力信号を評価することを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッドの試験方法。
【請求項3】
前記出力信号に含まれる、前記交流電圧の周波数と同じ周波数成分の信号レベルを検出し、該信号レベルを、前記電波および電界に起因する誘導ノイズのレベルとして評価することを特徴とする請求項1または2記載の磁気ヘッドの試験方法。
【請求項4】
前記電気回路に前記交流電圧を印加する前に、前記リード素子により磁気記録媒体の磁気信号を読み取って、リード素子が出力した第一平常時出力信号を、記憶手段に記憶し、
前記電気回路に前記交流電圧を印加した状態で前記リード素子の前記出力信号を評価した後、
前記電気回路に前記交流電圧を印加しない状態で、前記リード素子により前記磁気記録媒体の磁気信号を読み取って、リード素子が出力した第二平常時出力信号を、記憶手段に記憶し、
記憶手段に記憶された前記第一平常時出力信号と前記第二平常時出力信号とを比較することを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項記載の磁気ヘッドの試験方法。
【請求項5】
前記電気回路は、ダイナミックフライングハイトの制御用のヒータ回路であることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか一項記載の磁気ヘッドの試験方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−192213(P2008−192213A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−23699(P2007−23699)
【出願日】平成19年2月2日(2007.2.2)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】