説明

磁気共鳴イメージング装置

【課題】磁気共鳴イメージング装置において、傾斜磁場コイル等を発生源とする騒音を良好に抑制すること。
【解決手段】 静磁場磁石と、傾斜磁場コイルと、高周波コイルと、傾斜磁場コイルを収容する密閉容器1001とを有する磁気共鳴イメージング装置において、密閉容器の内部空気を排気するためのポンプ1002と、ポンプを間欠的に運転するための制御回路1007とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療診断用の磁気共鳴イメージング(MRI)装置およびその遮音方法に係り、特に傾斜磁場コイルの駆動等に伴って発生する騒音を大幅に抑制できるようにした静音型の磁気共鳴イメージング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医療診断用の磁気共鳴イメージング装置は、被検体内の原子核スピンの磁気共鳴現象に基づく画像化装置であり、非侵襲で、しかもX線装置のようにX線被爆が無い状態で被検体内部の画像を得ることができる。このため、臨床の場でもその有用性が近年富に発揮されている。
【0003】
一般に、MR画像を得るための磁気共鳴イメージング装置は、撮影空間に被検体を挿入するガントリと、このガントリと共働させる装置本体とを備える。ガントリは、診断空間に静磁場を発生させるための超電導磁石などの静磁場磁石、静磁場に重畳させる線形の傾斜磁場を発生する傾斜磁場コイル、および高周波信号を送信するとともにMR信号を受信するRFコイルを有する。撮像時には、所望のパルスシーケンスに沿ってそれらの静磁場磁石、傾斜磁場コイル、およびRFコイルが駆動される。つまり、パルスシーケンスにしたがって、静磁場中に置かれた被検体にx,y,z軸各方向の線形傾斜磁場が重畳され、被検体の原子核スピンがラーモア周波数の高周波信号で磁気的に励起される。この励起に伴って発生する磁気共鳴(MR)信号が検出され、この信号に基づいて被検体の例えば2次元断層像が再構成される。
【0004】
このような磁気共鳴イメージングにおいて、近年、イメージングに要する時間を短縮したいというイメージングの高速化のニーズが非常に高くなっている。これに応えるべく、高速エコープラナーイメージング(EPI)法など、傾斜磁場パルスの高速スイッチング(高速反転)を伴うパルスシーケンスが開発され、実用化にも成功しているものもある。
【0005】
傾斜磁場パルスを発生させると、その立上がりや反転時に傾斜磁場コイルに電磁気力が作用する。この電磁気力はコイルユニットに機械的歪みを起こさせ、これに端を発してユニット全体が振動する。このコイルユニットの振動に因り、空気振動が生じ、騒音が発生するという問題がある。
【0006】
とくに、傾斜磁場パルスを高速反転させると、その振動は増大するから、高速化が進むほど発生する騒音も増大する。この騒音は、ガントリの撮影空間に横になっている被検体(患者)に非常な不快感や不安感を与えることがある。
【0007】
このため、かかる騒音を排除すべく、傾斜磁場コイルのユニット全体を真空容器内に密封し、真空空間に拠り振動または騒音の空気伝搬を絶つという試みがある。
【0008】
しかしながら、上述した従来の騒音対策法には依然として以下のような未解決の課題が在った。
傾斜磁場コイルを真空空間に密閉する密閉容器は、その真空空間を形成する容器やカバー類が静磁場磁石のカバーや筐体にジョイントされている。また傾斜磁場コイル自体も静磁場磁石の容器やカバー類に支持させた構造を成している。
【0009】
このため、傾斜磁場コイルで生じた振動(騒音)の一部は真空空間で遮断されるが、振動の別の一部は傾斜磁場コイルの支持部を介して静磁場磁石等に伝搬してしまう。従って、傾斜磁場コイルで発生した振動により静磁場磁石も併せて振動し、ガントリ全体が言わば振動源となって大きな騒音を発生させてしまうという問題がある。
【0010】
また、密閉容器のカバーを静磁場磁石のカバーにジョイントする部分には、Oリング構造を採用して内部をシールするようにしているが、その気密性は十分ではなく、十分な真空度を獲得することができない。このため騒音の空気伝搬を防止する効果は十分なものではない。
【0011】
このように騒音防止の為に傾斜磁場コイルを密閉容器に収容させているが、このために容器内のコイルを外部から確認することができない。従って傾斜磁場コイルの位置の確認及び調整のために容器カバーを取り外す必要があり、作業負担が大きい。
【0012】
また、騒音防止効果を高くするために、真空度を高くすると、密閉容器が変形する恐れがある。変形を防止するためには、密閉容器の強度を高めると、今度は、容器のサイズが大きくなり、また重くなる。従って、真空度を余り高くすることができない。
【0013】
上述では、主に傾斜磁場コイルを発生源とする騒音に関して説明したが、振動発生源としては、他にもある。例えば、静磁場磁石として超電導コイルの普及が進んでいるが、この超電導コイルはクライオスタットに収めている。このクライオスタットのコールドヘッドのディスプレッサーがヘリウムガスの圧力によりピストン運動を行う。このピストン運動が、80kシールド等の容器に伝搬し、騒音を発生させていた。このコールドヘッドを振動発生源とする騒音に対しては特に対策が施されていないのが現状である。
【0014】
また、架台は多くの部品から構成される。これら部品の多くは金属製である。この金属部品どうしを締結するに際して、その間に電位差が生じている場合、傾斜磁場コイルを主な発生源とする振動によりいわゆるB電波が発生し、それをRFコイルで拾ってしまうことにより、また誘導電子が信号線に混入することにより、画質劣化が生じてしまうという問題もある。
【0015】
また、RFコイルを磁気的にシールドするために、その外側に磁気シールドを配置している。この磁気シールドは、樹脂基板の表面に、薄い短冊状の銅板を所定間隔を空けて平行に複数貼り付け、そして隣り合う銅板間にコンデンサを挿入する構造が一般的である。また、誘電体としての樹脂基板の表裏面に、薄い短冊状の銅板を対向させて所定間隔を空けて平行に複数貼り付け、これにより表裏面間でコンデンサ構造を実現するものもある。しかしそれらいずれの構造においても、コンデンサの容量不足に因り、十分なシールド効果が得られないという問題もある。
【0016】
また、振動源としては、上述した傾斜磁場コイルだけではなく、RFコイルの同調回路を含む回路ユニットの導電性材料に傾斜磁場コイルからの漏れ磁場による渦電流が発生し、それによるローレンツ力に伴って振動が発生する。この振動に対しては特に対策が施されていないのが現状である。
【0017】
また、密閉容器内部空気を排気するための真空引き用のポンプは比較的高い頻度でメンテナンスする必要があり、高速シーケンスの普及に伴って益々ポンプの負荷が増加する状況のもとでは、このポンプのメンテナンスの頻度を減らすことも今後の課題である。
【0018】
さらに、密閉容器の真空度は、ポンプの運転状況や密閉容器の気密性の変動、その他様々な要因に因り、経時的に多少の変動は不可避である。この真空度の変動に因り、磁場強度も変動するので、共鳴周波数が変動し、これによる画像の劣化が懸念される。しかし、現状では、この真空度の変動による画質の劣化に対しては特に対策が施されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明の目的は、磁気共鳴イメージング装置において、傾斜磁場コイル等を発生源とする騒音を良好に抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本実施形態は、静磁場磁石と、傾斜磁場コイルと、高周波コイルと、前記傾斜磁場コイルを収容する密閉容器とを有する磁気共鳴イメージング装置において、前記密閉容器の内部空気を排気するためのポンプと、前記ポンプを間欠的に運転するための制御回路とを具備する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の好ましい実施形態による磁気共鳴イメージング装置の基本的構成を示す図。
【図2】第1実施形態に係る架台の縦断面図。
【図3】図2の破線内の拡大図。
【図4】第2実施形態に係る密閉容器の構造を示す図。
【図5】第3実施形態に係る密閉容器の斜視図。
【図6】図5の密閉容器と静磁場磁石容器との接合を示す横断面図。
【図7】第4実施形態に係る静磁場磁石のクライオスタットの縦断面図。
【図8】図7の動的振動吸収器の内部構造図。
【図9】第7実施形態の他の例によるコールドヘッド部分の内部構造図。
【図10】第6実施形態に係る架台の縦断面図。
【図11】第7実施形態に係る傾斜磁場コイルユニットの縦断面図。
【図12】第7実施形態において、ノイズ電波の発生原理を示す図。
【図13】図11のチューナ銅板及びその接続部品を示す図。
【図14】第7実施形態において、金属部品どうしの接続例を示す図。
【図15】第7実施形態において、金属部品どうしの他の接続例を示す図。
【図16】第7実施形態において、金属部品どうしの絶縁接続例を示す図。
【図17】第7実施形態において、金属部品どうしの他の絶縁接続例を示す図。
【図18】第7実施形態において、金属部品どうしのさらに他の絶縁接続例を示す図。
【図19】第8実施形態に係るRFシールドの斜視図。
【図20】第9実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置の架台の縦断面図。
【図21】第10実施形態に係る密閉容器の真空ポンプの系統図。
【図22】第10実施形態において、密閉容器内の圧力変化を示す図。
【図23】第10実施形態において、真空ポンプのオン/オフとバルブの開閉とのタイミングチャート。
【図24】第11実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置の主要部構成図。
【図25】第12実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置の主要部構成図。
【図26】第12実施形態において、真空ポンプの運転パターンのバリエーションを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明による磁気共鳴イメージング装置を好ましい実施形態により説明する。まず、磁気共鳴イメージング装置の基本的な構成について図1を参照して説明する。磁気共鳴イメージング装置は、画像診断対象の被検体を挿入配置する撮影空間を有した架台(ガントリ)14と、この架台14に隣接して配置される寝台18と、架台14および寝台18の動作を制御するとともにMR信号を処理する制御処理部(コンピュータシステム)とを備えている。なお、架台14には典型的にはその内側中央部に略円筒状に撮影空間が貫通して形成されている。この円筒状の撮影空間に対して、その軸方向をZとし、このZ方向に直交するX方向(左右方法)、Y方向(上下方向)を定義する。
【0023】
架台14は、静磁場電源2から電流供給を受けて、撮影空間に静磁場H0 を発生する静磁場磁石1を備える。この静磁場磁石1は、典型的には、超電導磁石で構成される。静磁場磁石1の全体形状は、略円筒状に形成されている。磁石1のボア内には、傾斜磁場コイル3が配置される。傾斜磁場コイル3は、傾斜磁場電源4から個別に電流供給を受けてXYZ各軸に関する傾斜磁場を発生するための3組のコイル3x、3y、3zからなる。この傾斜磁場コイル3は、騒音対策の為に、真空ポンプで内部が真空又はそれに近い状態に維持される密閉容器内に収容されている。
【0024】
傾斜磁場コイル3のさらに内側には、高周波コイル(RFコイル)7が配置される。RFコイル7には、送信器8T及び受信器8Rとが接続されている。送信器8Tは、シーケンサ5の制御のもと、核磁気共鳴(NMR)を励起させるためのラーモア周波数で振動する電流パルスを高周波コイル7に供給する。受信器8Rは、高周波コイル7を介してMR信号(高周波信号)を受信し、各種の信号処理を施して、対応するデジタル信号を形成する。
【0025】
シーケンサ5は、装置全体を管理するコントローラ6の制御の下に置かれている。コントローラ6には、入力器13が接続される。オペレーションは、入力器13を介して、スピンエコー法(SE)やエコープラナー法(EPI)等の複数種類のパルスシーケンスの中から所望とするパルスシーケンスを選択することができる。コントローラ6は、選択されたパルスシーケンスをシーケンサ5にセットする。シ−ケンサ5は、セットされたパルスシーケンスにしたがって、X、Y、Z軸方向の各傾斜磁場の印加タイミング、その強度、高周波磁場の印加タイミング、振幅、継続時間等を制御する。
【0026】
演算ユニット10は、受信器8Rで形成されたMR信号(デジタルデータ)を入力して、内蔵するメモリで形成される2次元フーリエ空間への実測データの配置、画像再構成のためのフーリエ変換などの処理を行い、画像データやスペクトルデータを発生する。記憶ユニット11は、演算された画像データを保管する。表示器12は、画像を表示する。
【0027】
次に以上のような基本構成を備える磁気共鳴イメージング装置に関する実施形態について説明する。
【0028】
(第1実施形態)
図2は、第1実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置の架台の縦断面図を示している。傾斜磁場コイル102は、ノン・シールド型であってもよいし、アクティブシールド型であってもよい。傾斜磁場コイル102は、その巻線としてxコイル、yコイルおよびzコイルを有する。それらxコイル、yコイルおよびzコイルは、円筒形状を有するボビンに含浸される。
【0029】
この略円筒形状を有する傾斜磁場コイル102は、床面上に設置された重量のあるコンクリート製の架台ベース125上に支持されている。また、傾斜磁場コイル102は、密閉容器133に収容されている。密閉容器133は、その内壁を構成する略円筒形状を有するライナー131と、その真空蓋132とを有する。密閉容器133の背面は、静磁場磁石(ここでは超電導コイル)を極低温環境に置くためのクライオスタット116の内壁117で閉じられている。クライオスタット116の側壁118は、接合板135で真空蓋132に接合されている。密閉容器133と架台ベース125との間は、密閉容器133の気密性を保つために、真空ベローズ134でつなぎ合わされている。
【0030】
密閉容器133の内部空気は、真空ポンプにより排気され、密閉容器133の内部は真空又はそれに近い状態に保持されている。それにより傾斜磁場コイル102を発生源とする騒音の空気伝搬を防止している。
【0031】
ライナー131の内面には、RFコイル103が配置され、このRFコイル103を介して被検体に高周波磁場を印加し、また被検体からのMR信号を受信する。
【0032】
このような構成において、クライオスタット116の側壁118と、接合板135との接続部分において真空リークが生じやすい。この真空リークを防止するために、クライオスタット116の側壁118と接合板135との間に、真空シール用のOリング108を挟み込んでいる。しかし、クライオスタット116の側壁118の面精度はあまり高くない。そのためクライオスタット116の側面118に対するOリング108の接触精度が余り高くなく、Oリング108のシール性能は十分ではない。
【0033】
これに対して本実施形態では、図3に示すように、クライオスタット116の側壁118に、環状のフランジ106を溶接し(参照番号107)、このフランジ106に対して、密閉容器133の接合板135をOリング108を介してボルト109で固定するようにしている。フランジ106は削り出し等により高い精度で成形することができる。従って、フランジ106はOリング108と良好に接触することができるので、Oリング108のシール性能を最大限引き出すことができる。また、クライオスタット116の側壁118とフランジ106と接続は、溶接により行うので、この間の気密性は確保される。従って、密閉容器133の内部の略真空状態を維持することができ、振動や騒音の空気伝搬を良好に遮蔽することができる。
【0034】
(第2実施形態)
図4(a)には、第2実施形態に係る傾斜磁場コイルの密閉容器の外観を示している。騒音対策の為に傾斜磁場コイルは、略真空状態に保持される密閉容器201に収容される。このため従来では、傾斜磁場コイルの位置を確認するために、密閉容器201を部分的に解体する必要があった。
【0035】
これに対して本実施形態では、密閉容器201の側壁207それぞれは、左右一対に円形に刳り抜かれている。この部分に、可視光透過性のガラス又は繊維強化プラスティック等から作成される窓202がはめ込まれている。この窓202を通して密閉容器201内の傾斜磁場コイルの位置を外部から簡単に視認することができる。
【0036】
図4(b)に示すように、傾斜磁場コイル204には、その位置を表す目盛り206が取り付けられている。目盛り206は、窓202を通して視認することができる。この目盛り206を見ながら、静磁場磁石205に対する傾斜磁場コイル204の相対的な位置を客観的に把握することができる。
【0037】
また、図4(c)に示すように、密閉容器201の脚部203は、ベース212を有する。このベース212に垂直に開けられた孔に、傾斜磁場コイル204を支持する支柱213が上下に移動可能にはめ込まれている。支柱213の外周にはねじ山が切られており、このねじ山に、交差軸でネジ215がかみ合わされている。ネジ215の先端部のダイヤル214を回転することにより、容器201の内部で、支柱213が傾斜磁場コイル204と共に上下方向に移動する。これにより静磁場磁石205に対して、傾斜磁場コイル204の相対的な位置を調整することができる。
【0038】
このように容器を解体しなくても、傾斜磁場コイルを外部から視認することができ、しかも位置調整を行うことができるので、気密性が劣化する機会を減らスことができる。これにより容器の気密性を確保して、振動や騒音の空気伝搬の遮蔽効果を高くすることができる。
【0039】
また、図4(d)に示すように、密閉容器201の側壁207に、接合板235を介して静磁場磁石容器217に接合するが、その側壁207と接合板235とを接合するコーナーの部分に、ラウンドをつける。同様に、側壁207と接合板235との接合部分だけでなく、密閉容器201の円筒状の内壁(ライナー)と接合板235とを接合するコーナーの部分にも、ラウンドをつける。これらにより傾斜磁場コイルを収容している密閉容器の大気圧に対する耐性を向上させることができる。
【0040】
(第3実施形態)
図5には、第3実施形態に係る傾斜磁場コイルの密閉容器の外観を示している。傾斜磁場コイルは、密閉容器301に収容される。傾斜磁場コイル102を発生源とする騒音の空気伝搬を防止するために、密閉容器301の内部空気は、真空ポンプにより排気され、密閉容器133の内部は真空又はそれに近い状態に保持されている。それにより密閉容器133は大気圧を受ける。このため、密閉容器133の強度が重要である。上記第2実施形態では、密閉容器133の側壁204に窓302を取り付けている。本実施形態では、この窓302の部分の強度を増加させるために、当該窓302の周囲の側壁304を、ハーフパイプのような丸み形状を有する凸部303に形成することで、窓302の周囲の部分の強度を補強するようにしている。
【0041】
この補強により密閉容器301の真空度(内部圧力)を十分高める(下げる)ことができ、振動や騒音の空気伝搬の遮蔽効果を高くすることができる。
【0042】
さらに、図6に示すように、密閉容器301は、その内壁を構成する略円筒形状を有するライナー309と、その真空蓋307とを有する。密閉容器301の背面は、静磁場磁石(ここでは超電導コイル)を極低温環境に置くためのクライオスタット306の内壁で閉じられている。クライオスタット306の側壁311は、真空蓋307に接合されている。
【0043】
実際の製造工程では、クライオスタット306の長さL1に対して、それをはめ込む密閉容器301の開口部分の長さL2が合わないことがある。この場合、容器301の気密性が低下して、真空リークが発生する。これを解決するために、本実施形態ではさらに、密閉容器301のライナー309と真空蓋307との間に、環状のパッキング310を挟み込むことができるようになっている。従って、クライオスタット306の長さL1に対して、それをはめ込む密閉容器301の開口部分の長さL2が合わないときには、適当な幅のパッキング310を挟んで密閉容器301のライナー309と真空蓋307とを接合することで、クライオスタット306の長さL1に対して、それをはめ込む密閉容器301の開口部分の長さL2を容易に合わせることができる。
【0044】
このパッキング310により密閉容器301とクライオスタット306との接合精度を向上して、容器301の気密性を高めることができる。それにより振動や騒音の空気伝搬の遮蔽効果を高くすることができる。
【0045】
(第4実施形態)
磁石架台における振動や騒音の発生源は、傾斜磁場コイルだけではない。例えば、静磁場磁石として採用した超電導コイルの熱交換器がある。図7、図8には、本実施形態に係る熱交換器の断面図を示している。超電導コイル401は、クライオスタット404に収容されている。クライオスタット404は、超電導コイル401を液体窒素とともに収容する液体窒素槽の外周を熱輻射シールド402,405,406で多重に取り囲むように構成される。
【0046】
このクライオスタット404には、シールド402から吸熱し、それを外部に排熱する熱交換器407が設けられている。熱交換器407は、底部がシールド402に接触されているシリンダー408と、シリンダー408を蓋するもので、ヘリウムガスHeにより冷却されているコールドヘッド411と、シリンダー408内であって、その底部とコールドヘッド411との間をヘリウムガスHeの圧力によりピストン運動をするディスプレッサー409と、真空ベローズ410とから構成されている。
【0047】
ディスプレッサー409が底部にあるとき、ディスプレッサー409はシールド402から熱を吸収する。ディスプレッサー409が頂部にあるとき、ディスプレッサー409はコールドヘッド411に熱を渡す。このような動作を繰り返すことで、シールド402から排熱することができる。
【0048】
上述したようにディスプレッサー409は、シリンダー408内をピストン運動をするので、振動が発生する。この振動は、シールド402,405,406に機械的に伝搬する。それにより騒音が発生する。
【0049】
この振動を吸収するために、コールドヘッド411に動的収振器414が搭載されている。この動的収振器414は、弾性体として例えばバネ412の伸縮方向がディスプレッサー409のピストン運動の方向と略平行になるように、バネ412がコールドヘッド411上に接続され、このバネ412に重り413が接続されている。ディスプレッサー409がピストン運動をすると、それに追従して重り413が上下動をする。それによりディスプレッサー409を発生源とするコールドヘッド411の振動が動的収振器414に吸収され、結果的に騒音が軽減される。
【0050】
通常、ディスプレッサー409は商用電源の周波数でピストン運動をする。動的収振器414は、この周波数でピストン運動をするディスプレッサー409を発生源とする振動に共振するように、バネ412の弾力及び重り413の質量が設定されている。これにより効果的に振動を吸収することができる。
【0051】
なお、図9に示すように、シリンダー408−1,408−2、ディスプレッサー409−1,409−2、コールドヘッド411−1,411−2を2つずつ設け、つまり熱交換器を2系統設け、それら2系統の熱交換器を、ピストン運動軸が互いに対向するようにアレンジし、そしてディスプレッサー409−1,409−2を互いに逆相でピストン運動をさせるようにしても、振動は軽減されえる。
【0052】
(第5実施形態)
図10は、第5実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置の架台の縦断面図を示している。傾斜磁場コイル502は、その巻線としてxコイル、yコイルおよびzコイルを有する。それらxコイル、yコイルおよびzコイルは、円筒形状を有するボビンに含浸される。この略円筒形状を有する傾斜磁場コイル502は、床面上に設置された重量のあるコンクリート製の架台ベース525上に支持されている。また、傾斜磁場コイル502は、密閉容器533に収容されている。密閉容器533は、その内壁を構成する略円筒形状を有するライナー531と、その真空蓋532とを有する。密閉容器533の背面は、静磁場磁石(ここでは超電導コイル)を極低温環境に置くためのクライオスタット516の内壁517で閉じられている。クライオスタット516の側壁518は、接合板535で真空蓋532に接合されている。密閉容器533と架台ベース525との間は、密閉容器533の気密性を保つために、真空ベローズ534でつなぎ合わされている。
【0053】
傾斜磁場コイル502の振動は、密閉容器533に機械的に伝搬する。傾斜磁場コイル502の振動の周波数は、パルスシーケンスの傾斜磁場の交番周波数に等価である。この傾斜磁場コイル502の振動に対して、密閉容器533のライナー531及び真空蓋532が共振しないように、つまり傾斜磁場コイル502の振動周波数に対して、ライナー531の固有振動数及び真空蓋532の固有振動数の固有振動数がそれぞれ相違するように、ライナー531及び真空蓋532に離散的に重り541、542,543,544が装着されている。
【0054】
真空蓋532に装着される重り544は、例えば非磁性の金属片である。また、ライナー53には、その内壁に沿って円環形状のゲル状の物質541、542,543が、装着される。物質541、542,543が装着される場所は、RFコイル503のQ値の低下を避けるために、RFコイル503の外側である。
【0055】
このような構造によると、傾斜磁場コイル502の振動に対して、密閉容器533のライナー531及び真空蓋532が共振しない。従って騒音が低減される。
【0056】
なお、ライナー531及び真空蓋532に重りを装着する代わりに、又はそれと共に、ライナー531及び真空蓋532の厚さを部分的に薄くするようにしてもよい。要するに、固有振動数をずらすために、ライナー531及び真空蓋532の質量を部分的に増減することが本実施形態のポイントである。また、固有振動数のシフトとともに、補強の為に、梁や筋交いを入れるようにしてもよい。
【0057】
(第6実施形態)
図11は、第6実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置の架台の縦断面図を示している。傾斜磁場コイル602は、その巻線としてxコイル、yコイルおよびzコイルを有する。それらxコイル、yコイルおよびzコイルは、円筒形状を有するボビンに含浸される。この略円筒形状を有する傾斜磁場コイル602は、床面上に設置された重量のあるコンクリート製の架台ベース625上に支持されている。また、傾斜磁場コイル602は、密閉容器633に収容されている。密閉容器633は、略円筒形状を有するライナー631と、その略円環板形状を有する真空蓋632と、略円筒形状を有するバックケーシング634とを有する。密閉容器633のバックケーシング634の外側には、静磁場磁石(ここでは超電導コイル)を極低温環境に置くためのクライオスタット616が配置されている。ライナー631の内面には、RFコイル635が配置され、このRFコイル635を介して被検体に高周波磁場を印加し、また被検体からのMR信号を受信する。
【0058】
本実施形態のポイントは、傾斜磁場コイル602を収容する密閉容器633に、クライオスタット616の内壁を利用していないこと、換言すると、密閉容器633は、クライオスタット616とは完全に別体で構成することにある。傾斜磁場コイル602を収容する密閉容器633に、クライオスタット616の内壁を利用する場合、クライオスタット616の低い面精度及び寸法誤差等を原因として、その接合部分において真空リークが発生しやすい。しかし、本実施形態では、密閉容器633にクライオスタット616を接合しない、つまり密閉容器633を単独で製作するので、クライオスタット616の低い面精度及び寸法誤差等に依存することなく、高い気密性を達成することができる。
【0059】
(第7実施形態)
第7実施形態は、架台内の金属部品どうしの擦れ合いによるB電波の発生及び誘導電子の発生防止を目的としてなされたものであり、物理的に振動する又はその振動が伝播する磁気共鳴装置の架台を構成するすべての金属部品の締結に適用可能である。
【0060】
架台は非常に多くの金属部品から構成されており、これら部品を締結するには主に金属ネジが使われている。例えば、図12(a)に示すように、金属製の架台フレーム724に、銅製のチューナ板724を取り付ける場合、従来では、金属ネジ723と金属インサート722とを使うことが一般的である。また架台内には多くのコンデンサが設けられているが、このコンデンサをチューナ板等に取り付ける場合、またRFコイルチューナのコネクタをチューナ板に締結する場合にも、金属ネジが多く使われている。このように架台内では部品の固定には殆どの個所で金属ネジが使われており、図12(b)に示すように、この金属ネジと金属部品、さらには金属部品どうしが上述した激しい振動により擦れ合うと、いわゆるB電波が発生する。このB電波はRFコイルで拾われてしまい、画像アーチファクトを発生させることがあるが、最近までそれほど問題視されることは無かった。しかし、近年の傾斜磁場高速化及び高強度化を実現するためにますます高電圧化が進み、それに伴ってB電波もますます強くなる傾向にある。現在では既に、この強くなったB電波ノイズに起因する画像アーチファクトが無視できないほどに拡大している。また、B電波だけでなく、例えばコネクタとチューナ板との間の接触、振動によって誘導される電子が、そのまま信号線に混入し、画像アーチファクトを発生させることも問題視されている。
【0061】
本実施形態は、このようなノイズの原因になるB電波や誘導電子の発生を防止することを目的としてなされたものである。
【0062】
架台は、周知の通り、静磁場磁石、傾斜磁場コイル、RFコイルを主な構成要素とする磁石装置であり、多くの金属部品を備えている。これら金属部品を他の部品に取り付ける個所も膨大に存在する。この取付個所は大きく2種類に分けることができ、図13,図14に示すように、一方は、RFコイルを構成する銅板709,710どうし取り付け、そのRFコイル銅板709,710とコンデンサ711との取り付け、RFコイル銅板710とリード銅板703との取り付け、リード銅板703とRFコイルチューナの銅板704との取り付け、RFコイルチューナの銅板704とコネクタ706との取り付け、RFコイルチューナの銅板704とコンデンサ715との取り付けに代表されるような部品どうしを物理的に固定するとともに、電気的な接続を必要とする個所であり、他方は、単に、部品どうしを物理的に固定することを主目的として、電気的な接続を必要としない個所である。
【0063】
前者の個所で、最も好ましいは、半田705を使って取り付けることである。この場合、部品どうしでは擦れ合いはおきないので、B電波は生じないし、誘導電子も発生しない。しかし、半田では締結力が弱くて使えない個所も在る。この個所には、ネジが使われる。
【0064】
図15には、その一例として、樹脂ネジ733を使って金属部品731,732どうしを取り付ける例を示している。従来では金属ネジを使っていたので、この金属ネジと金属部品731との間、及び金属ネジと金属部品732との間の擦れ合いによりB電波及び誘導電子が発生することは避けられなかった。しかし、本例では、樹脂ネジ733を使うので,これらの発生は防止できる。
【0065】
図16に、他の例として、金属ネジ734を使って金属部品731,732どうしを取り付ける例を示していて、金属ネジ734と金属部品731との間の接触を避けるために、略円筒形の樹脂スペーサ735を用い、また金属ネジ734と金属部品732との間の接触を避けるために、樹脂タップ736を用いている。この例では、金属ネジ734を使いながらも、その金属ネジ734と金属部品731との間、また金属ネジ734と金属部品732との間を、樹脂部材735,736で絶縁していることで、B電波及び誘導電子の発生を防止することができる。
【0066】
もちろん図15,図16のいずれの取り付け方法を採用してもよいし、両方法を形容してもよい。また、架台内の当該個所全てに図15,図16の取り付け方法を採用しなくても、一部の個所だけに採用するだけでも、B電波及び誘導電子の発生を減少させるという効果が期待できる。
【0067】
後者の取り付け個所、つまり単に、部品どうしを物理的に固定することを主目的として、電気的な接続を必要としない個所では、例えば図17に示すように、樹脂ネジ733で金属部品737,738を取り付けるのであるが、金属部品737,738の間に絶縁シート739をはさみ込むことで、従来のような金属ネジと金属部品間の擦れ合いによるB電波及び誘導電子の発生を防止することだけでなく、金属部品737,738の間の擦れ合いによるB電波及び誘導電子の発生を防止することも可能である。
【0068】
また、図18の例では、金属ネジ734を使って、金属部品737,738どうしを取り付ける例を示していて、金属ネジ734と金属部品737との間の接触を避けるために、略円筒形の樹脂スペーサ740を用い、また金属ネジ734と金属部品738との間の接触を避けるために、樹脂タップ741を用いている。この例では、金属ネジ734を使いながらも、その金属ネジ734と金属部品737との間、また金属ネジ734と金属部品738との間を、樹脂部材740,741で絶縁していることで、B電波及び誘導電子の発生を防止することができる。
【0069】
もちろん図17,図18のいずれの取り付け方法を採用してもよいし、両方法を形容してもよい。また、架台内の当該個所全てに図17,図18の取り付け方法を採用しなくても、一部の個所だけに採用するだけでも、B電波及び誘導電子の発生を減少させるという効果が期待できる。
【0070】
また、金属部品どうしの取り付けだけでなく、金属部品と、コイルボビン等の樹脂部品との取り付け個所においても、図17や図18の取り付け方法を採用することで、従来発生していた金属ネジと金属部品との擦れ合いによるB電波及び誘導電子の発生を防止することができる。
【0071】
(第8実施形態)
第8実施形態は、RFコイルの外周に配置されるRFシールドの改良に関する。RFシールドは、RFコイルを外部に対して磁気的に隔離して、RFコイルに外部から入ってくる電磁波ノイズを遮蔽するために、典型的には銅製の筒で構成される。この銅製の筒には、傾斜磁場の高速スイッチングに因り渦電流が生じ、傾斜磁場に歪みを生じさせる。この渦電流の時定数を短縮するために、多くのスリットが銅製筒に形成されている。
【0072】
また、傾斜磁場のような比較的周波数の低い(100KHz程度まで)磁場は通過し、励起パルス等の数MHz〜数10MHzの高周波磁場は遮断する、つまり低周波インピーダンスを高くし、高周波インピーダンスを低くするために、スリットをまたいで銅板間にコンデンサが接続されている。他のRFシールドの従来構成として、誘電体基板の表面に複数の銅板を隙間(スリット)をあけて貼り付け、さらに裏面にも複数の銅板を貼り付けることにより、表裏面間に容量を形成したRFシールドもある。
【0073】
エコー・プラナー・イメージング(EPI)のような高速イメージング法が、例えば心臓の撮影などには必要とされているが、これには極めて迅速な傾斜磁場の応答が不可欠となる。このために、細かい刻み(間隔)で多数のスリットを設ける必要が生じる。しかし多数のスリットを設けると、銅板面積の低下に伴って容量が低下し、それにより個々のスリットにおける高周波的な短絡が不完全となる。その結果、シールド機能は不完全になる。
【0074】
本実施形態は、スリットの数を増加させることと、容量の低下を防止することとをともに実現するものである。
図19に、本実施形態に係るRFシールドの部分的な斜視図を示している。誘電体基板801の表面に複数の銅板802が所定の隙間(スリット)805をあけて貼り付けられている。誘電体基板801の裏面にも、同様に、複数の銅板803が所定の隙間(スリット)806をあけて貼り付けられている。誘電体基板801を挟んで対向する銅板802,803の間に、容量が形成される。
【0075】
さらに、誘電体基板801の表面において、隣り合う銅板802の間にコンデンサ804が接続される。同様に、誘電体基板801の裏面において、隣り合う銅板803の間にコンデンサ805が接続される。
【0076】
このように構成では、表面のコンデンサ804と、裏面のコンデンサ805と、そして表面の銅板802と裏面銅板803との間の容量との合計容量は、高周波的な短絡を完全にするのに十分な容量として確保されえる。
【0077】
(第9実施形態)
図20は、第9実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置の架台の縦断面図を示している。傾斜磁場コイル902は、その巻線としてxコイル、yコイルおよびzコイルを有する。それらxコイル、yコイルおよびzコイルは、円筒形状を有するボビンに含浸される。この略円筒形状を有する傾斜磁場コイル902は、床面上に設置された重量のあるコンクリート製の架台ベース925上に支持されている。また、傾斜磁場コイル902は、密閉容器933に収容されている。密閉容器933は、その内壁を構成する略円筒形状を有するライナー931と、その真空蓋932とを有する。密閉容器933の背面は、静磁場磁石(ここでは超電導コイル)を極低温環境に置くためのクライオスタット916の内壁917で閉じられている。クライオスタット916の側壁918は、接合板935で真空蓋932に接合されている。密閉容器933と架台ベース925との間は、密閉容器933の気密性を保つために、真空ベローズ934でつなぎ合わされている。
【0078】
ライナー931の内面には、RFコイル903が配置される。このRFコイル903には送信器及び受信器が接続される。送信器は、高周波磁場により被検体の核磁化を励起状態にするために、ラーモア周波数に対応する高周波電流パルスをRFコイル903に供給するために設けられるもので、典型的には、発振部、位相選択部、周波数変換部、振幅変調部、高周波電力増幅部から構成される。また、受信器は、RFコイル903を介して被検体からのMR信号を受信するために、前段増幅部、中間周波数変換部、位相検波部、低周波増幅部、ローパスフィルタ、AD変換器から構成される。
【0079】
これら送信器及び受信器は、RFユニット940の中に収められている。RFユニット940の配置場所は、ケーブルを短縮して、電力損失やノイズ低減を図るために、RFコイル903に近い場所に設定されている。従来では、図20に点線で示すように、開口部941の縁部に近い真空蓋932にRFユニットを取り付けている。しかし、この場所は傾斜磁場コイル902からの漏れ磁場が最も大きい場所である。RFユニット940は導電性部品を多く含み、これら導電性部品に、傾斜磁場コイル902のから漏れ磁場により渦電流が発生し、その結果、導電性部品はローレンツ力により振動する。この振動が密閉容器933に伝わり騒音が発生する。
【0080】
本実施形態はこのRFユニット940を発生源とする騒音を低減することを目的としている。
RFユニット940は、開口部941の縁部に近い真空蓋932ではなく、さらに密閉容器933とは物理的に離間した場所、ここでは中心軸(Z軸)から架台円筒の半径方向に関して、RFコイル903の外側であって、開口部941に近いその真下付近に設置される。具体的には、RFユニット940は、重量のあるコンクリート製の架台ベース925、またはそれとは別体の専用のベース上に設置する。
【0081】
この設置場所は、従来の設置場所よりも、RFコイル903からの漏れ磁場の影響が少ない。そのためRFユニット940は導電性部品の振動は軽減される。しかも、RFコイル903を密閉容器933から物理的に離間させたこと、さらに、質量の重いコンクリート製の架台ベース925に取り付けたので、RFコイル903の微小な振動は、密閉容器933にほとんど伝わらない。
【0082】
従ってRFユニット940を発生源とする騒音は低減され得る。
(第10実施形態)
上述したように傾斜磁場コイルは、騒音対策の為に、真空ポンプで内部空気が排気される密閉容器内に収容されている。密閉容器内の真空度(圧力)が高い(低い)ほど、騒音遮蔽効果は大きい。密閉容器内の真空度を高くするために、従来では、スキャン中、連続的に真空ポンプは運転されている。この連続運転は、真空ポンプの寿命を短縮する。能力が低下した真空ポンプを使うことは、密閉容器内の真空度を高くすることができず、騒音遮蔽効果は低下する。
【0083】
本実施形態は、真空ポンプの負荷を軽減することで、騒音遮蔽効果をできるだけ長く持続することを実現する。
図21には、本実施形態に係る真空ポンプ及び配管システムを示している。密閉容器1001はメインチューブ1003を介して真空ポンプ1002に接続される。メインチューブ1003の途中には電磁バルブ1004が配置される。メインチューブ1003にはブランチチューブ1005が連結され、その先は電磁バルブ1006を介して開放されている。
【0084】
真空ポンプ1002の運転、電磁バルブ1004の開閉、および電磁バルブ1006の開閉は、ポンプ/バルブ制御部1020の制御下にある。真空ポンプ1002は、ポンプ/バルブ制御部1020の制御に従って、図22に示すように、運転(ON)と停止(OFF)とを交互に繰り返す。運転期間T1の長さと停止期間T2の長さとは、密閉容器1001内の圧力が所定の上限値を超えないように予め設定されている。これら運転期間T1の長さと停止期間T2の長さとは、それぞれ任意に調整可能である。
【0085】
このように真空ポンプ1002を、連続的ではなく、間欠的に運転することにより、真空ポンプ1002を連続的に運転する場合よりも、オイルやオイルフィルター等のメンテナンス頻度を減らすことができる。
図23に示すように、電磁バルブ1004の開閉、および電磁バルブ1006の開閉は、このような真空ポンプ1002の間欠的な運転に対して、ポンプ/バルブ制御部1020により関連されている。
【0086】
まず、ブランチチューブ1005の電磁バルブ1006は、真空ポンプ1002の間欠的な運転に同期して開閉される。つまり、電磁バルブ1006は、真空ポンプ1002のオフからオンへの切替に同期して閉じられ、真空ポンプ1002のオンからオフへの切替に同期して開けられる。
【0087】
一方、メインチューブ1003の電磁バルブ1004は、真空ポンプ1002の負荷を軽減するために、真空ポンプ1002のオフからオンへの切替タイミングに対して、それより時間T3だけ遅れて開けられ、真空ポンプ1002のオンからオフへの切替タイミングに対して、それより時間T4だけ早いタイミングで閉じられる。これらの時間差T3,T4は、数秒から数分の中から任意時間に設定される。
【0088】
真空ポンプ1002のオフからオンへの切替タイミングから時間T3だけ遅れて電磁バルブ1004を開けることにより、真空ポンプ1002は、オンスタートしてから時間T3という比較的短時間の間(プレバキューム期間)に、真空ポンプ1002内の潤滑を完了することができる。これは、排気対象が、ポンプ吸気口から電磁バルブ1004までの小さい容積であることを理由としている。そしてオンスタートしてから時間T3経過後に、メインチューブ1003のバルブ1004が開けられ、電磁バルブ1004から密閉容器1001までの容積と密閉容器1001の容積との合計の大容量を対象として排気オペレーション(メインバキューム)が開始されるが、このとき真空ポンプ1002内の潤滑がすでに完了していることから、このメインバキュームオペレーションにスムーズに移行することができる。従って真空ポンプ1002の負荷は軽減され得る。
【0089】
次に、真空ポンプ1002がオンスタートしてから所定時間(T1−T4)経過後、つまり真空ポンプ1002がオフになるタイミングよりも時間T4早いタイミングで、メインチューブ1003のバルブ1004が閉じられる。これは、密閉容器1001の圧力が十分低下した状態で、真空ポンプ1002から密閉容器1001を分離することを意味する。これにより真空ポンプ1002の停止に伴う密閉容器1001内の圧力の急激な上昇を未然に防止することができる。
【0090】
(第11実施形態)
図24に第11実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置の主要部の構成を示している。架台1101には、静磁場H0 を発生する静磁場磁石1102と、傾斜磁場電源(G−amp)1105から電流供給を受ける傾斜磁場コイル1103と、RFコイル1104と、シムコイル電源(Shim−amp)1107から電流供給を受けて静磁場不均一性を補正する磁場を発生する複数のシムコイル1116とが組み込まれている。
【0091】
傾斜磁場コイル1103は、騒音対策の為に、真空ポンプ1111で内部が真空又はそれに近い状態に維持される密閉容器1115内に収容されている。密閉容器1115の内部には、内部圧力を測定するための複数の真空度センサ(真空度計)1112が離散的に配置されている。真空度センサ1112で測定した真空度データは、記憶部1113に送られ記憶される。またこの記憶部1113には真空度データとともに、真空ポンプ1111からの運転状況データが記憶される。運転状況データは、真空ポンプ1111の運転時間を表している。
【0092】
メンテナンス情報発生部1114は、記憶部1113に記憶されている真空度データ及び運転状況データに基づいて密閉容器1115及び真空ポンプ1111のメンテナンス情報を適時発生する。メンテナンス情報発生部1114は、真空度データから密閉容器1115内の真空度(圧力)が、撮影領域での騒音が例えば99dBに対応する所定圧力よりも下がらないとき、真空ポンプ1111及び密閉容器1115のメンテナンスを促すメンテナンス情報を発生する。また、メンテナンス情報発生部1114は、運転状況データから累積運転時間を計算し、その累積運転時間が所定値を超えたとき、真空ポンプ1111のメンテナンスを促すメンテナンス情報を発生する。メンテナンス情報は、密閉容器1115及び真空ポンプ1111のメンテナンスを促すための例えばメッセージであり、ディスプレイ1110に表示される。
【0093】
受信器1108は、RFコイル1104を介してMR信号(高周波信号)を収集し、検波、AD変換等の前処理を施して、プロセッサ1109に出力する。プロセッサ1109は、収集したMRデータを処理し画像やスペクトルを発生する。これら画像やスペクトルはディスプレイ1110に送られ表示される。
【0094】
上記プロセッサ1109は、画像やスペクトルを発生するメインの機能の他に、真空度データに基づいて、受信器1108で収集したMRデータの位相を補正し、また周波数シフトを行う機能を備えている。真空度が変動すると、それに伴って静磁場の強度H0 も変動する。静磁場の強度H0 が変動すると、それに伴って傾斜磁場が重畳していない静磁場のもとでの例えばプロトンの共鳴周波数f0 も変動する。プロセッサ1109は、予め計測された真空度と共鳴周波数f0 との関係を表すデータを保持しており、この関係データを参照して、真空度データに対応する共鳴周波数(修正共鳴周波数)f0 を特定する。この修正共鳴周波数f0 に基づいて、MRS(MRスペクトロスコピー)では、受信器1108で収集したMRデータの位相を補正し、周波数をシフトする。この補正したデータに基づいてスペクトルを発生する。実際には、データ収集を何度か繰り返し、それぞれのデータごとに個別に位相補正及び周波数シフトを行って、複数のスペクトルを発生し、これら複数のスペクトルを加算することが行われる。EPI(エコープラナーイメージング)のときには、収集データに基づいてEPI画像を発生し、そのEPI画像を位相エンコード方向にシフトする(EPI画像の位置シフトは、PE方向が大きいが、RO方向にも少し発生する)。実際には、データ収集を何度か繰り返し、それぞれのデータごとに個別にEPI画像を発生し、各画像を個別に位相エンコード方向にシフトし、これら複数のEPI画像を加減算することが行われる。位相画像の場合も同様に、修正共鳴周波数f0 に基づいて位相シフト量を計算し、その位相シフト量に基づいて位相画像を補正する。
【0095】
このように本実施形態によると、メンテナンス情報を適時に発生することができる。また、真空度の変動に応じて位相及び周波数補正をかけることができる。
【0096】
(第12実施形態)
図25に第12実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置の主要部の構成を示している。架台1201には、静磁場H0 を発生する静磁場磁石1202と、傾斜磁場電源(G−amp)1205から電流供給を受ける傾斜磁場コイル1203と、送受信器(RF−amp)1208に接続されたRFコイル1204と、シムコイル電源(Shim−amp)1207から電流供給を受けて静磁場不均一性を補正する磁場を発生する複数のシムコイル1216とが組み込まれている。
【0097】
傾斜磁場コイル1203は、騒音対策の為に、真空ポンプ1211で内部が真空又はそれに近い状態に維持される密閉容器1215内に収容されている。密閉容器1215の内部には、内部圧力を測定するための複数の真空度センサ(真空度計)1212が離散的に配置されている。真空度センサ1212で測定した真空度データに基づいてリアルタイムマネージャ1210は、パルスシーケンスに応じて傾斜磁場電源1205、送受信器1208、シムコイル電源1207を制御するシーケンスコントローラ1209に対してパルスシーケンスの実行を待機させる等の指令を出力する。また、リアルタイムマネージャ1210は、測定された真空度データに基づいて真空ポンプ1211の運転を制御する。なお、システムマネージャ1213はコンソール1214を介して入力された操作者の指示にしたがってシステム全体の制御を行うために設けられている。
【0098】
まず、リアルタイムマネージャ1210のリアルタイム制御について説明する。リアルタイムマネージャ1210は、次の機能を実行する。
(1)スキャン開始に先立って真空ポンプ1211が運転を開始するが、このとき密閉容器1215内の真空度(密閉容器内部圧力)が所定値を下回るまで、シーケンスコントローラ1209に対してスキャン開始の指令を出さない。つまり、リアルタイムマネージャ1210は、真空度が所定値を越えた時点で、はじめてシーケンスコントローラ1209に対してスキャン開始の指令を発する。(2)MRSやEPI等の磁場変動に敏感なパルスシーケンスを行うとき、特にスキャン中に真空ポンプ1211を連続運転をさせる。(3)スキャン中に真空度が所定値を超えたとき、当該スキャンを停止する指令をシーケンスコントローラ1209に対してスキャン開始の指令を発する。(4)真空度が所定値を下回っているとき、スキャン開始前に真空ポンプ1211を運転させ、真空度が所定値に達するまで、シーケンスコントローラ1209に対してスキャン開始の指令を出さない。
【0099】
(5)撮影条件(パルスシーケンスの種類、アベレージ数、ダイナミック撮影等)に応じて真空ポンプ1211の運転パターンを使い分ける。例えば、磁場変動にそれほど敏感でないスピンエコー等のパルスシーケンスを行うとき、図26(a)に示すようにポンプ1211を間欠的に運転させる。例えば真空ポンプ1211を期間ΔT1運転し、次にその運転を期間Δt1の間停止する。この運転/停止を交互に繰り返す。磁場変動に比較的敏感なパルスシーケンスを行うとき、図26(b)に示すようにポンプ1211の運転期間ΔT2及び停止期間Δt2をΔT1及びΔt1よりも短縮し、それにより磁場変動幅を小さくする。さらに、MRSやEPI等の磁場変動に対して非常に敏感なパルスシーケンスを行うとき、上記(2)と同様に、図26(c)に示すようにポンプ1211を連続的に運転する。さらに、MRSやEPI等の磁場変動に対して非常に敏感なパルスシーケンスを行うとき、ポンプ1211を連続的に運転する代わりに、ポンプ1211を停止して、密閉容器内部を大気圧にするようにしてもよい。この場合、騒音低減効果は期待できないが、少なくとも磁場変動は解消される。なお、リアルタイムマネージャ1210は、大気圧でも良好に画像再構成ができるように、大気圧に対応する画質パラメータ(磁場不均一性、中心周波数、位相ずれ)の情報を予め保持し、これらパラメータに応じて送受信器1208は、シムコイル電流、送受信器1208の高周波電流パルスの中心周波数及び位相、さらに受信系の参照周波数及び位相を調整する。
【0100】
(6)測定された真空度と所定値との比較結果に従ってポンプ1211を運転/停止する。つまり、測定された真空度が上限値を超えているとき、ポンプ1211を運転し、逆に測定された真空度が下限値を下回っているとき、ポンプ1211を停止する。これにより真空度の変動を、上限値と下限値の間の範囲に抑えることができる。この上限値、下限値は、(5)と同様に、撮影条件に応じて変更され得る。
【0101】
(7)さらにポンプ1211を連続運転しても真空度が所定値以下に下がらないとき、音声又は画像表示により警告を発生する。
【0102】
リアルタイムマネージャ1210は真空度に応じて次のような補正を行う機能も備えている。(1)真空度に応じて磁場の不均一性は変化する。真空度と磁場不均一性との関係を予め測定し、リアルタイムマネージャ1210に保持させておく。リアルタイムマネージャ1210は、この関係を参照して真空度に応じて磁場不均一性を特定し、その特定した磁場不均一性に応じてシムコイル1207に流すシムコイル電流を調整する。これにより磁場不均一性を即時的に補正することができる。なお、実際的には、真空度と磁場不均一性との関係は離散的に測定され、その離散値から線形補間により磁場不均一性を求めることになる。(2)真空度が変動すると、それに伴って静磁場の強度も変動し、それにより傾斜磁場が重畳していない静磁場のもとでの例えばプロトンの共鳴周波数B0 も変動する。リアルタイムマネージャ1210は、この真空度に対応する共鳴周波数B0 に応じて、送受信器1208の送信系の高周波電流パルスの中心周波数及び位相を調整する。また、受信系の参照周波数及び位相を調整する。
【0103】
(変形例)
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することが可能である。さらに、上記実施形態には種々の段階が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されてもよい。
【符号の説明】
【0104】
1…静磁場磁石、2…静磁場電源、3…傾斜磁場コイル3、4…傾斜磁場電源、5…シーケンサ、6…コントローラ、7…RFコイル、8T…送信器、8R…受信器、10…演算ユニット、11…記憶ユニット、12…表示器、13…入力器、14…架台(ガントリ)、18…寝台。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静磁場磁石と、傾斜磁場コイルと、高周波コイルと、前記傾斜磁場コイルを収容する密閉容器とを有する磁気共鳴イメージング装置において、
前記密閉容器の内部空気を排気するためのポンプと、
前記ポンプを間欠的に運転するための制御回路とを具備することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項2】
前記ポンプと前記密閉容器との間の配管には電気的制御の可能なバルブが設けられていることを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項3】
前記制御回路は、前記ポンプを間欠的に運転すると共に、前記ポンプのオンとオフとの切り替えタイミングに対して、前記バルブを開閉するタイミングをずらすことを特徴とする請求項2記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項4】
前記制御回路は、前記バルブを開くタイミングを前記ポンプの動作開始タイミングよりも所定時間遅延させ、前記バルブを閉じるタイミングを前記ポンプの停止タイミングよりも所定時間早めることを特徴とする請求項3記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項5】
静磁場磁石と、傾斜磁場コイルと、高周波コイルと、前記傾斜磁場コイルを収容する密閉容器とを有する磁気共鳴イメージング装置において、
前記密閉容器の内部空気を排気するためのポンプと、
任意に設定された撮影条件に従って被検体からMR信号を発生させ及びそのMR信号を収集するために前記傾斜磁場コイル及び高周波コイルを駆動する手段と、
前記撮影条件に応じて前記ポンプの運転パターンを変更するポンプ制御部とを具備することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項6】
静磁場磁石と、傾斜磁場コイルと、高周波コイルと、前記傾斜磁場コイルを収容する密閉容器とを有する磁気共鳴イメージング装置において、
前記密閉容器の内部空気を排気するためのポンプと、
被検体からMR信号を発生させ及びそのMR信号を収集するために前記傾斜磁場コイル及び高周波コイルを、複数種類のパルスシーケンスの中から選択されたパルスシーケンスに従って駆動させる制御部と、
前記選択されたパルスシーケンスに応じて、前記ポンプのオン時間を変更するポンプ制御部とを具備することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項7】
静磁場磁石と、傾斜磁場コイルと、高周波コイルと、前記傾斜磁場コイルを収容する密閉容器とを有する磁気共鳴イメージング装置において、
前記密閉容器の内部空気を排気するためのポンプと、
被検体からMR信号を発生させ及びそのMR信号を収集するために前記傾斜磁場コイル及び高周波コイルを、複数種類のパルスシーケンスの中から選択されたパルスシーケンスに従って駆動させる制御部と、
前記選択されたパルスシーケンスが第1のパルスシーケンスであるとき、前記ポンプを運転させ、前記選択されたパルスシーケンスが第2のパルスシーケンスであるとき、前記ポンプを停止させるポンプ制御部とを具備することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項8】
前記密閉容器の真空度を検知する真空計を更に備えることを特徴とする請求項7記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項9】
前記検知された真空度に応じて、前記高周波コイルを介して収集したデータの位相及び又は周波数を補正する処理部を更に備えることを特徴とする請求項8記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項10】
前記検知された真空度が所定の条件を満たしていないとき、前記傾斜磁場コイル及び高周波コイルの駆動及びデータ収集を停止する制御部を更に備えることを特徴とする請求項7記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項11】
静磁場磁石と、傾斜磁場コイルと、高周波コイルと、前記傾斜磁場コイルを収容する密閉容器とを有する磁気共鳴イメージング装置において、
前記静磁場の強度分布を補正するためのシムコイルと、
前記密閉容器の真空度を検知する真空計と、
前記検知された真空度に基づいて、前記シムコイルに供給する電流を変化させる手段とを具備することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項12】
静磁場磁石と、傾斜磁場コイルと、高周波コイルと、前記傾斜磁場コイルを収容する密閉容器と、磁場不均一性を補正するためのシムコイルとを有する磁気共鳴イメージング装置において、
前記密閉容器の真空度を検知するセンサと、
前記検知された真空度に基づいて、前記シムコイルへの駆動条件を変更する制御部とを具備することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項13】
静磁場磁石と、傾斜磁場コイルと、高周波コイルと、前記傾斜磁場コイルを収容する密閉容器とを有する磁気共鳴イメージング装置において、
前記密閉容器の内部空気を排気するためのポンプと、
前記密閉容器の真空度を検知する真空計と、
前記密閉容器の真空度が略3mmHg(0.7kPa)以下になるように前記検知された真空度に基づいて前記ポンプの運転を制御するポンプ制御部とを具備することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2011−87996(P2011−87996A)
【公開日】平成23年5月6日(2011.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−24288(P2011−24288)
【出願日】平成23年2月7日(2011.2.7)
【分割の表示】特願2000−400361(P2000−400361)の分割
【原出願日】平成12年12月28日(2000.12.28)
【出願人】(594164531)東芝医用システムエンジニアリング株式会社 (892)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】