磁気接合具装置及びその製造方法
【課題】2つの物体を磁気的に接続する磁気接合具と、そのためのハウジングと磁気組立体とを含むシステムを提供する。
【解決手段】磁気接合具装置1900は、1又は複数の磁石ハウジング1940を備え、その各々は、その内部に配置された1又は複数の磁石1945を備え、磁石ハウジング内で回転する。装置は、磁石へのアクセス及び/又は磁石の取り外しを防ぐために、1又は複数の安全機能を使用して構成される。1又は複数の磁石ハウジングと連結する内部リテーナピース1920と、これと連結する第1外部ハウジングピース1910、第2外部ハウジングピース1930とを備えてもよい。第1外部ハウジングピースは、内部リテーナピースが第1外部ハウジングピースと第2外部ハウジングピースとの間に配置されるように、第2外部ハウジングピースと反対側の接合具装置に配置されてもよい。また、磁気接合具装置の新規な製造方法が開示される。
【解決手段】磁気接合具装置1900は、1又は複数の磁石ハウジング1940を備え、その各々は、その内部に配置された1又は複数の磁石1945を備え、磁石ハウジング内で回転する。装置は、磁石へのアクセス及び/又は磁石の取り外しを防ぐために、1又は複数の安全機能を使用して構成される。1又は複数の磁石ハウジングと連結する内部リテーナピース1920と、これと連結する第1外部ハウジングピース1910、第2外部ハウジングピース1930とを備えてもよい。第1外部ハウジングピースは、内部リテーナピースが第1外部ハウジングピースと第2外部ハウジングピースとの間に配置されるように、第2外部ハウジングピースと反対側の接合具装置に配置されてもよい。また、磁気接合具装置の新規な製造方法が開示される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は磁気接合具に関する。さらに詳細には、本開示は、2つの物体を磁気的に接続するために回転するよう構成された磁気接合具と、このような磁気接合具のためのハウジングと磁気組立体とを含む関連するシステムと、方法とに関する。
【0002】
以下の図面を参照することにより、本開示の様々な実施形態を含む本開示の非限定的及び非網羅的実施形態が説明される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第7154363号明細書
【図面の簡単な説明】
【0004】
【図1A】磁極が交番する4つの磁気区画により構成される多磁極性磁気組立体を示す図である。
【図1B】磁極が交番する8つの磁気区画により構成される多磁極性磁気組立体を示す図である。
【図1C】磁極が交番するN個の磁気区画により構成される多磁極性磁気組立体を示す図である。
【図2】磁極が交番する6個の磁気区画により構成され、相対的に大きな中央区画を含む、多磁極性磁気組立体を示す図である。
【図3A】磁極が交番する8つの磁気区画により構成される、楕円形構成を有する多磁極性磁気組立体を示す図である。
【図3B】磁極が交番する6個の磁気区画を有し、四角柱状の構成を有する、多磁極性磁気組立体を示す図である。
【図4】円筒形筐体内に収容された円筒形多磁極性磁気組立体を示す図である。
【図5】円筒形筐体内に収容された四角柱状の多磁極性磁気組立体を示す図である。
【図6】三角柱状の筐体内に収容された円筒形多磁極性磁気組立体を示す図である。
【図7A】布地の2つの区画を磁気的に接続するために回転可能に磁極を整列させるよう構成された、2つの円筒形多磁極性磁気組立体を含む接合具装置を示す図である。
【図7B】整列された磁極により布地の2つの区画が磁気的に接続された状態にある、2つの円筒形多磁極性磁気組立体を含む接合具装置を示す図である。
【図8】図8A〜図8Bは、その磁気区画の磁極を第2多磁極性磁気組立体の磁極と整列させるために長手方向軸を中心として回転する、第1多磁極性磁気組立体を示す図である。図8C〜図8Dは、第2多磁極性磁気組立体と外側周囲に沿って長手方向に斜めにずれて磁気的に接続するためにその長手方向軸を中心として回転する、第1多磁極性磁気組立体を示す図である。
【図9】第2多磁極性磁気組立体が第1多磁極性磁気組立体の外側周囲に沿って長手方向に平行移動する間に、回転可能に相互作用し磁気的接続を保持する、第1多磁極性磁気組立体および第2多磁極性磁気組立体を示す図である。
【図10A】多磁極性磁気組立体を各接合縁部に近接して含む、三角形の枠組を形成する3つの接合縁部を備える接合部材を示す図である。
【図10B】磁気組立体と筐体との組合体を各接合縁部に近接して含む、三角形の枠組を形成する3つの接合縁部を含む接合部材を示す図である。
【図10C】磁気組立体と筐体との組合体を各接合縁部に近接して含む、三角形の構成を有する3つの接合縁部を含む接合部材を示す図である。
【図10D】回転可能な多磁極性磁気組立体を各接合縁部に近接して含む、三角形の枠組を有する3つの接合縁部を含む接合部材を示す図である。
【図11】各接合縁部が四角柱状の多磁極性磁気組立体を収容する円筒形筐体を含む、三角形の構成を有する3つの接合縁部を含む接合部材を示す図である。
【図12】各接合縁部に近接して収容された磁気組立体と筐体との組合体を含む、六角形の構成を有する6つの接合縁部を含む接合部材を示す図である。
【図13A】矩形の構成で配列された4つの接合縁部を有する第1の接合部材を含む第1接合具装置、及び矩形の構成で配列された4つの接合縁部を有する第2接合具装置を示す図である。
【図13B】整列した外側周囲に沿って磁気的に接続された、第1接合具装置及び第2接合具装置を示す図である。
【図14】外側周囲に沿って斜めにずれて第2接合具装置と磁気的に接続するために回転する接合部材の接合縁部に近接する多磁極性磁気組立体を示す図である。
【図15】外側周囲に沿って斜めにずれて磁気的に接続する第1接合具装置及び第2接合具装置を示す図である。
【図16A】各接合部材の各接合縁部に近接して回転可能な磁気組立体と筐体との組合体を含む、4つの三角形接合部材に磁気的に接続される過程にある矩形接合部材を備える接合具装置を示す図である。
【図16B】磁気組立体と筐体との組合体が、対向する磁極が整列するよう回転する、4つの三角形接合部材に磁気的に接続された矩形接合部材を備える接合具装置を示す図である。
【図17】四面体を形成するために、4つの三角形接合部材の各接合縁部を磁気的に接続する回転可能に整列された磁気組立体と筐体との組合体を含む、4つの三角形接合部材を備える接合具装置を示す図である。
【図18A】多磁極性磁気組立体を作成するように構成された、底部プレートとヒンジで付けられた上部プレートとを有するよう構成された磁化装置を示す図である。
【図18B】2つの磁化可能円筒が定位置に配置された状態にある磁化装置を示す図である。
【図18C】磁化装置を用いて作られた多磁極性磁気組立体を示す図である。
【図19】磁気接合具装置の一の実施形態の分解図を示す。
【図20】図19の実施形態の内部リテーナピースの一部の拡大図を示す。
【図21】磁気接合具装置の磁気ハウジングの拡大図を示す。
【図22】図19に示された磁気接合具装置の斜視図を示す。
【図23】図23Aは磁気接合具装置の製造方法の実施で溶接処理を受ける前の様々な構成要素の断面図を示し、図23Bは溶接処理を受けた後の図23Aに示された構成要素の断面図を示す。
【図24】図24Aは磁気接合具装置の他の実施形態の製造方法の他の実施で溶接処理を受ける前の様々な構成要素の断面図を示し、図24Bは溶接処理を受けた後の図24Aに示された構成要素の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
以下の説明において、本明細書に開示される様々な実施形態の完全な理解のために、特定の詳細が多数提供される。本明細書に開示されるシステム及び方法は、特定の詳細の内の1つ又は複数がなくても、または他の方法、構成要素、材料等を用いても、実施することができる。加えて、いくつかの場合においては、本開示の態様が曖昧になることを避けるために、周知の構造、材料、又は操作は、詳細には図示または説明されない。さらに、説明された特徴、構造、又は特性は、1つ又は複数の代替的な実施形態において、任意の適切な方法で組み合わされてもよい。
【0006】
本明細書では、2つの物体を磁気的に接続するために回転するように構成された磁気接合具を備える磁気接合具装置の実施形態が開示される。本明細書で開示されるようなこのような磁気接合具は、1又は複数の磁石ハウジングを備えてもよい。1又は複数の磁石は、磁石ハウジング内で回転できるように、1又は複数の磁石ハウジング内に配置されてもよい。より好ましい実施形態では、磁石は、ネオジム磁石又は他の強い磁力/磁束の磁石(high-strength/flux magnet)を備えてもよい。
【0007】
幾つかの実施形態において、磁石ハウジングは、安全目的のために、磁石の取り外しを禁止するように構成されてもよい。ネオジム磁石及び他の類似の磁石の強い磁力のために、磁気接合具装置のユーザ、特に子供のこのような磁石へのアクセスを制限することが望ましいことがある。このような磁石を飲み込むことに関係した危険性がよく実証されている。一部の例では、強い磁力の磁石を飲み込むことにより、死に至ることさえある。従って、このようなハウジング内に収容される磁石へのアクセスが制限されるように、磁石ハウジングを構成することが望ましいことがある。より詳細に説明されるように、様々な方法で、これをすることができる。
【0008】
例えば、磁石ハウジングを形成するために使用される材料は、非常に硬く、耐久性があり、強く、及び/又は頑丈であり、(子供等の)ユーザがハウジングを破壊して、ハウジング内に収容された磁石を取り外し、又はアクセスするのを防ぐ。他の例として、音波溶接は、装置の様々な構成要素が、不可能でないにしても、このような構成要素が音波溶接を中断することによって分離することが困難である方法で一緒にシールされるように使用され得る。また、他の実施形態として、1又は複数の構成要素が磁石ハウジングに1又は複数の開口を実質的に少なくとも埋めるために設けられ、さらにハウジング内の磁石へのアクセスを制限する。また、他の実施形態として、磁気接合具装置の一部は磁石ハウジングの1又は複数の部分を受けるように構成され得る1又は複数の凹部領域を備え、磁石ハウジングを磁気接合具装置から取り外すのを困難にさせる。
【0009】
磁石へのアクセスを制限する安全機能のさらなる他の実施形態として、磁気接合具装置は、磁石ハウジングを装置の他の部分に連結するために1又は複数の固定具を含んでもよい。幾つかの好ましい実施形態では、固定具は、装置の安全機能をさらに強化するためにユーザによって容易に取り外されることができない、リベット(rivets)又は他の固定具を備えてもよい。
【0010】
磁石ハウジングはまた、他の方法で摩耗や混入等に対して弱い位置で材料がより厚みがある(thicker)1又は複数の強化領域を備えてもよい。同様に、固定具を受ける開口に近接する磁石ハウジングの領域は、強化され、適切に曲げられ、加工され、又は、磁石ハウジングに収容される磁石が取り外されないこと、及び/又は磁石ハウジングが磁気接合具装置から取り外されないことをさらに保証するように構成されてもよい。好ましい実施形態では、多様な冗長安全機能/構成要素が装置に組み込まれ、磁石への望まれないアクセスに対するさらなる保護を提供する。多様な冗長安全機能/構成要素、例えば強い磁力の鋼製の磁石ハウジング(high-strength steel magnet housing)や音波溶接等を提供することによって、磁石が装置から取り外され得る機会が、完全に取り除かれない場合でも、劇的に減少し得る。
【0011】
磁石ハウジングはそれぞれ、接合縁部が他の磁気接合具装置の接合縁部と磁気的に接続されるように構成されるように、磁気接合具装置の接合縁部に沿って配置されてもよい。このように、様々な異なる形状及びサイズの磁気接合具装置は互いに連結され、より大きな構造体、玩具、プレイゲーム等を作成する。
【0012】
以下により詳細に説明されるように、幾つかの実施形態において、各磁石は多磁極性磁気組立体を備えてもよい。このような組立体は長手方向軸に沿って実質的に延在する第1半体及び第2半体を含んでもよい。第1半体は交番する磁極の少なくとも2つの磁気区画を備えてもよく、第2半体は対応する数の磁気区画を備えてもよい。第2半体の各磁気区画は、磁石の磁極がその長手方向に沿って交番するように第1半体の近接する磁気区画の磁極と反対の磁極を有してもよい。以下に説明するように、これらの組立体は、明細書で説明される本発明の特定の実施に有用な複数の利点を提供し得る。
【0013】
しかしながら、明細書に開示され、磁石ハウジングを含むがこれに限定されない様々な構成要素及び要素、リテーナピース、及び明細書に開示されたハウジングピースは、他の種類の磁石と共に使用されてもよい。例えば、幾つかの実施形態において、磁石は磁石それぞれの長手方向に沿って磁極を交番するように構成される必要がない。代わりに、例えば、発明の名称が「磁気接合具装置」である特許文献1に開示された磁石のように、たった2つの磁極を有する磁石が使用されてもよい。
【0014】
幾つかの実施形態において、磁気接合具装置は、磁石ハウジングと連結する内部リテーナピースと、内部リテーナピースと連結する第1外部ハウジングピースと、内部リテーナピースと連結する第2外部ハウジングピースとを備えるハウジングを備えてもよい。第1外部ハウジングピースは、内部リテーナピースが第1外部ハウジングピースと第2外部ハウジングピースとの間に配置されるように、第2外部ハウジングピースと磁気接合具装置の反対の側部に配置されてもよい。
【0015】
幾つかの実施形態において、磁気接合具装置はさらに、磁石ハウジングを係合するように構成された磁石ハウジングレシーバを備え、磁石ハウジングを内部リテーナピースに連結する。磁石ハウジングレシーバは、1又は複数の磁石ハウジング係合部材を備えてもよい。2つの磁石ハウジング係合部材を備える実施形態では、第1磁石ハウジング係合部材が磁石ハウジングの第1端部と係合するように構成されてもよく、第2磁石ハウジング係合部材が第1端部と反対の磁石ハウジングの第2端部と係合するように構成されてもよい。
【0016】
幾つかの実施形態において、第1磁石ハウジング係合部材は、1又は複数の磁石ハウジングプラグを備えてもよい。2つの磁石ハウジングプラグを備える実施形態では、第1磁石ハウジングプラグは第1端部で磁石ハウジングの開口を少なくとも実質的にシールするように構成され、第2磁石ハウジングプラグは第2端部で磁石ハウジングの開口を少なくとも実質的にシールするように構成されてもよい。
【0017】
幾つかの実施形態では、磁石ハウジングは円筒空洞を備える本体部材を備えてもよい。磁石は円筒空洞内に配置されてもよい。磁石は空洞内を回転可能であるか、以下により詳細に説明されるように、磁石は空洞内に配置された他の筐体内で回転可能であってもよい。さらに他の選択として、磁石は他の筐体内に配置され、筐体/磁石組立体は磁石ハウジングに対して回転可能であってもよい。
【0018】
1又は複数のプレート部材は、磁石ハウジングの本体部材から延在してもよい。プレート部材は、内部リテーナピースの外面に連結されてもよい。磁気接合具装置はさらに、プレート部材を内部リテーナピースに連結する1又は複数の固定具を備えてもよい。固定具は、プレート部材及び/又は内部リテーナピースの固定具開口(fastener openings)を介して配置されてもよい。固定具は、リベット、ネジ、ボルト、ピン等を備えてもよい。
【0019】
2つのプレート部材を有する磁石ハウジングを備える実施形態では、第1プレート部材は、本体部材から延在し、内部リテーナピースの第1の面に連結されてもよい。第2プレート部材は、本体部材から延在し、第1の面と反対の内部リテーナピースの第2の面に連結されてもよい。
【0020】
内部リテーナピースは、1又は複数のプレート部材を配置/受入用の内部リテーナピース上の1又は複数の凹部領域を備えてもよい。例えば、第1凹部領域は、第1プレート部材を受ける第1の面の内部に形成され、あるいは第1の面上に配置されてもよく、第2の凹部領域は、第2プレート部材を受ける第2の面の内部に形成され、あるいは第2の面上に配置されてもよい。
【0021】
磁気接合具はさらに、磁石を入れる筐体を備えてもよい。筐体は、磁石ハウジング内部に配置されてもよい。筐体は、筐体が磁石ハウジングに対して回転できるように、構成されてもよい。あるいは、筐体は、磁石が筐体(及びハウジング)に対して回転できるように、磁石ハウジングに対して固定されてもよい。
【0022】
磁気接合具装置は、複数の磁石/磁石ハウジングを備え、その各々は、装置の多数の縁部が磁気的に装置を他の磁気接合具装置に連結するのに使用されるように、装置の接合縁部に沿って配置されてもよい。磁石ハウジングの各々の内部に配置された各磁石は、磁石の対向する磁極を整列させて、2つ以上の磁気接合具装置を一緒に固定することができるように、磁石がそれぞれの磁石ハウジング内部で回転できるように構成されてもよい。
【0023】
幾つかの実施形態において、2つ以上の多磁極性磁気組立体は、対向する磁極を整列させて2つ以上の構成要素を磁気的に接続するために互いに対して回転するよう構成されてもよい。様々な実施形態によれば、多磁極性磁気組立体は、円筒形状、四角形状、角柱状状、及び/又は楕円形状であってもよい。代替的な形状も考えられる。多磁極性磁気組立体は任意個数の磁気区画を含んでもよく、各近接する磁気区画は、交番する磁極を有する。磁気組立体は、円筒形または三角柱状の筐体等の、筐体内に収容されてもよい。あるいは、磁気組立体は、接合具装置の接合部材又は他の構成要素に、他の方法で付着されてもよい。例えば、回転が容易になるように、棒材が1つ又は複数の磁気組立体の中心軸を通って延びるように配置されてもよい。
【0024】
いくつかの実施形態においては、多磁極性磁気組立体は、筐体内で及び筐体に対して、回転するように構成されてもよい。代替的な実施形態においては、多磁極性磁気組立体を収容する筐体は回転するように構成される。汎用接合具装置の部分を形成する筐体及び/又は磁気組立体は、対向する磁極を整列させるために、互いに対して回転するように構成されてもよい。いくつかの実施形態においては、磁気組立体は筐体に対して回転する。他の実施形態においては、磁気組立体はそれぞれの筐体内で固定され、筐体は、収容された磁気組立体の磁極を整列させるために、互いに対して回転する。
【0025】
いくつかの実施形態においては、接合部材は、三角形、正方形、矩形、他の多角形、または他の形状を形成するために、端部と端部とが固定されてもよい。あるいは、接合部材は、任意個数の側部すなわち接合縁部を有する多角形枠組を形成するために、端部において結合されてもよい。回転可能な多磁極性磁気組立体は、多角形の1つ又は複数の縁部に近接して、配置及び回転可能に固定されてもよい。例えば、円筒形磁石が、多角形の各側部に近接して配置されてもよい。さらに他の実施形態においては、例えば三角形、正方形等の中実物体が、多角形中実物体の1つ又は複数の縁部に近接して配置された回転可能な多磁極性磁気組立体を含んでもよい。
【0026】
筐体は、多角形形状の1つ又は複数の側端部に近接して不動に固定されてもよい。したがって、磁極を整列させるために、各固定された筐体内の磁気組立体は、磁極を整列させるために自由に回転するように構成されてもよい。
【0027】
他の実施形態においては、正方形、矩形、三角形等の2次元物体が、角錐、四面体等の3次元物体を作るために磁気的に接続されてもよい。
【0028】
多磁極性磁石を形成するための方法のいくつかの実施形態においては、磁化装置が、複数の磁気区画を含む多磁極性磁気組立体を形成するように適合されてもよい。底部プレートが、1つ又は複数のヒンジにより、上部加圧区域に固定されてもよい。磁化装置内に配置された円筒形の棒材が、次いで、多磁極性磁石を作るために用いられてもよい。
【0029】
また、新規な製造方法、及びこのような方法に使用されるプレカーサ構成要素(precursor components)が明細書に開示される。このような磁気接合具装置の製造方法の一例において、外部ハウジングピースは1又は複数の溶接接合突起を備えるように設けられてもよい。
【0030】
いくつかの実施形態において、このような溶接接合突起は、外部ハウジングピースの周囲の少なくとも一部に近接して形成されたV字形の頂上部(ridge)を備えてもよい。あるいは、溶接接合突起は、例えば、V字形の比較的とがった頂上部及び傾斜した側部よりむしろ、比較的平坦な頂上部及び/又は比較的平行な側部を有する溶接接合突起等、他の適当な形状を備えてもよい。また、第2外部ハウジングピースが設けられてもよい。
第2外部ハウジングピースはまた、溶接接合突起を備えてもよい。
【0031】
外部ハウジングピースの一方又は両方はまた、1又は複数のメルトチャンバ(melt chambers)で形成されてもよい。メルトチャンバは、以下に詳細に説明されるように、溶接接合突起からの材料が溶接処理中にメルトチャンバに溶融するように、溶接接合突起に近接して配置されてもよい。以下に説明するように、好ましい実施形態では、溶接処理は、音波溶接処理から構成されてもよい。
【0032】
メルトチャンバが両方の外部ハウジングピースに設けられる実施形態では、それぞれのメルトチャンバは、第1外部ハウジングピースのメルトチャンバが溶接処理中に第2外部ハウジングピースのメルトチャンバと少なくとも実質的に整列されるように、構成され、配置されてもよい。このような実施形態では、溶接接合突起からの材料は、溶融材料が凝固するとき、溶融材料が外部ハウジングピースと、いくつかの実施において、内部リテーナピースとを固着するように、(共に接合メルトチャンバを形成する)両方の外部ハウジングピースから一部のメルトチャンバを埋めてもよい。いくつかの実施形態では、接合メルトチャンバは、上部ハウジングピースのメルトチャンバ、下部ハウジングピースのメルトチャンバ、及び内部リテーナピースの表面の少なくとも一部によって形成されてもよい。1又は複数の外部ハウジングピース及び/又は内部リテーナピースは、音波溶接に適した材料、例えば、熱可塑性プラスチック材料、炭素繊維材料、金属材料、又は複合材料等から構成されてもよい。
【0033】
また、明細書の他の箇所で説明されるように、1又は複数の磁石ハウジングが設けられ、磁石ハウジングの各々は、磁石が磁石ハウジング内で回転できるように、磁石をハウジング内に含んでもよい。磁石ハウジングは、第1外部ハウジングピース、第2外部ハウジングピース、そして内部リテーナピースの少なくとも1つに連結されてもよい。そして、第1外部ハウジングピースは、第2外部ハウジングピース及び/又は内部リテーナピースに音波溶接されてもよい。
【0034】
本明細書を通じて「一実施形態」または「1つの実施形態」は、その実施形態に関して説明された1つの特定の特徴、構造、または特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書を通じて様々な箇所における「一実施形態において」または「1つの実施形態において」という表現は、すべて同一の実施形態を必ずしも参照するものではない。特に1つの「実施形態」は、システム、製造品、方法、またはプロセスの製品であってもよい。
【0035】
本明細書において概して説明され図面に図示される実施形態の構成要素は、多種多様な異なる構成で配列および設計されてもよい。本明細書に開示された実施形態に関して用いることができる産業基盤および製造プロセスのいくつかは、すでに利用可能である。したがって、磁石、接合具、プラスチック、形状、金属、複合物等に関連する周知の構造および製造プロセスは、本例示的実施形態の説明を不必要に不明瞭にすることを避けるために、詳細には図示または説明されない。加えて、説明された方法のステップは、特記ある場合を除いて、必ずしも何らかの特定の順番で、もしくは逐次的にさえも実施される必要はなく、またステップがただ1度のみ実施される必要もない。
【0036】
本開示の実施形態は、図面全体を通じて同様の構成要素が同様の参照番号で示される図面を参照することにより、もっともよく理解される。以下の説明においては、多数の詳細が、様々な実施形態の完全な理解のために提供される。しかし、本明細書に開示された実施形態は、特定の詳細の内の1つまたは複数がなくても、または他の方法、構成要素、材料、その他を用いても、実施することができる。他の例においては、周知の構造、材料、または操作は、本開示の態様を不明瞭にすることを避けるために、詳細には図示または説明されない。
【0037】
図1Aは、磁極が交番する4つの磁気区画101、103、105、および107によって構成された多磁極性磁気組立体100を示す。図示のように、多磁極性磁気組立体100は、長手方向軸110に沿って延在する第1半体111および第2半体112を含んでもよい。第1半体111は、第1磁極(N極)を有する第1磁気区画101と、反対の磁極(S極)を有する第2磁気区画105とを備えてもよい。第2半体112は、対応する個数の磁気区画103および107を含んでもよく、磁気区画103および107は、それぞれ、第1半体111における近接する磁気区画101および105の磁極と反対の磁極を有してもよい。
【0038】
図1Bは、図1Aに示す多磁極性磁気組立体と同様の多磁極性磁気組立体120の別の実施形態を示す。図示のように、多磁極性磁気組立体120は8つの磁気区画121〜128を含んでもよく、これらの磁気区画のそれぞれは、各近接する磁気区画の磁極と反対の磁極を有する。再び、多磁極性磁気組立体120は、長手方向軸に沿って延在する第1半体および第2半体を備えてもよい。各半体は、対応する個数の磁気区画を含んでもよい。図示のように、左側の半体は、それぞれN極、S極、N極、S極の磁極を有する4つの磁気区画121、123、125、および127を備えてもよい。右側の半体は、4つの対応する磁気区画122、124、126、および128を含んでもよく、それぞれの磁気区画は、左側半体における近接する磁気区画の磁極と反対の磁極を有してもよい。したがって、磁気区画122、124、126、および128は、それぞれS極、N極、S極、N極の磁極を有してもよい。
【0039】
図1Cは、任意個数の磁気区画131〜N2を有するよう構成された多磁極性磁気組立体130を示し、各磁気区画は、各近接する磁気区画の磁極と反対の磁極を有する。図1Cに示すように、多磁極性磁気組立体130は、所望により任意個数の磁気区画を備えてもよい。様々な実施形態によると、磁気組立体は、等しい個数のN極およびS極の磁気区画を有してもよい。加えて、S極を有する磁気区画の磁気強さは、N極を有する磁気区画の磁気強さと等しくてもよい。いくつかの実施形態によると、S極を有する磁気区画の体積および/または質量は、N極を有する磁気区画の体積および/または質量より大きくてもまたは小さくてもよい。
【0040】
いくつかの実施形態によると、近接する対向する磁極の磁気区画は、他の磁気区画の磁場を、強めるかまたは他の方法で変化させる場合がある。いくつかの実施形態においては、磁気組立体は、1つまたは複数の外側磁気区画の磁場が1つまたは複数の中心磁気区画の磁場を強めるよう構成されてもよい。例えば、磁気区画134は、近接する磁気区画132および136からの磁束の相互作用により、磁気区画134に近接する磁束をより多く有してもよい。これにより、内側磁気区画が外側磁気区画よりも、より大きい引揚げ強さを有することをもたらす場合がある。
【0041】
図2は、6つの磁気区画210〜235を有する多磁極性磁気組立体200を示し、各磁気区画は各近接する磁気区画の磁極と反対の磁極を有する。図示のように、磁気区画220および225は対向する磁極(それぞれS極およびN極)を有するよう構成され、磁気区画210、215、230、および235よりも物理的に大きい磁気区画であってもよい。いくつかの実施形態によると、磁気区画220および225は、磁気区画210、215、230、および235よりも、より大きい磁気強さを有してもよい。あるいは、対向する磁極を有する任意の磁気区画または磁気区画対は、別の磁気区画または磁気区画対よりも、物理的形状、体積、重量、または寸法に関わらず、より大きい磁気強さを有してもよい。
【0042】
図1A〜図2は、円筒形の構成を有する様々な実施形態の多磁極性磁気組立体100、120、130、および200を示す。図示のように、図3Aおよび図3Bにおいて多磁極性磁気組立体は任意の形状または寸法を取ることができる。図3Aは、8つの磁気区画305〜340からなる多磁極性磁気組立体300を示し、各磁気区画は、各近接磁気区画の磁極と反対の磁極を有する。図示のように、多磁極性磁気組立体300は、楕円形または卵形の構成であってもよい。多磁極性磁気組立体300の周囲の長さ、幅、高さ、および/または輪郭は、特定の用途に適切であると判断されるように適合または変更されてもよい。
【0043】
別の代替的な構成が提供される図3Bは、6つの磁気区画360〜385を有する多磁極性磁気組立体350を示し、各磁気区画は各近接磁気区画の磁極と反対の磁極を有する。多磁極性磁気組立体350は四角柱状の構成である。様々な実施形態によれば、磁気組立体350の長さ、幅、および高さは、特定の用途に対して適合されてもよい。
【0044】
図1A〜図3Bに関して説明された多磁極性磁気組立体の様々な実施形態は、単に例示的なものであり、唯一考えられ得る形状、寸法、または構成ではない。任意の正多角形のもしくは正多角形ではない多角形の角柱、円形の円筒形、および/または楕円の円筒形の形状を含む、多種多様な形状および寸法を有する多磁極性磁気組立体の追加的な形状および寸法が想定される。角柱状多磁極性磁気組立体は、直角、鈍角、または鋭角で基部を含んでもよい。さらに、周囲は不規則的であってもよく、および/または、図3Aに示す楕円形多磁極性磁気組立体等のように、平坦ではない基部を含んでもよい。
【0045】
多磁極性磁気組立体は、任意の多種多様な磁化可能な物質を用いて形成されてもよい。多磁極性磁気組立体は、複数の近接磁気区画を含む、単一の連続した磁性材料であってもよい。なお、これら磁気区画のそれぞれは、各近接磁気区画の磁極と反対の磁極を有する。あるいは、多磁極性磁気組立体は、複数の近接磁気区画を含む、単一の物理的材料であってもよい。なお、これら磁気区画のそれぞれは、各近接磁気区画の磁極と反対の磁極を有し、対向する磁極を有する磁気区画対のそれぞれは、磁化されていない材料の区画により、対向する磁極を有する磁極区域の対のもう1つから隔てられる。さらに別の実施形態によると、多磁極性磁気組立体は複数対の対向する磁極を有する磁気区画を接合することにより形成されてもよい。かかる実施形態においては、多磁極性磁気組立体は、その長手方向軸に沿って磁化され、各磁気区画が各近接磁気区画の磁極と反対の磁極を有するよう、端と端とが磁気的に接続された複数の磁石を含んでもよい。
【0046】
図4は、円筒形筐体475を備える接合部材内に収容された円筒形の多磁極性磁気組立体450を示す。図示のように、多磁極性磁気組立体450は6つの磁気区画410〜435を含んでもよく、これら磁気区画410〜435のそれぞれは、各近接磁気区画の磁極と反対の磁極を有する。様々な実施形態によれば、円筒形筐体475は、図示のように円形の円筒形であってもよく、または楕円形の円筒形であってもよい。多磁極性磁気組立体450は、長手方向軸に沿って円筒形筐体475内で自由に平行移動してもよく、または長手方向に固定されていてもよい。加えて、多磁極性磁気組立体450は円筒形筐体475内でその長手方向軸を中心にして自由に回転してもよく、または、円筒形筐体475内で不動に固定されてもよい。
【0047】
筐体が不必要となる他の実施形態も考えられる。例えば、回転が容易になるように、棒材が1つまたは複数の磁気組立体の中心軸を通って延在するよう配置されていてもよい。係る棒材は、所望により、磁気接合具装置内に配置された空洞内又は開口部内に配置されてもよい。
【0048】
図5は、円筒形筐体575を備える接合部材内に収容された四角柱状の多磁極性磁気組立体550を示す。四角柱状の多磁極性磁気組立体550は6つの磁気区画510〜535を含んでもよく、磁気区画510〜535のそれぞれは、各近接磁気区画の磁極と反対の磁極を有してもよい。様々な実施形態によれば、円筒形筐体575は、図示のように円形の円筒形であってもよく、または楕円形の円筒形であってもよい。多磁極性磁気組立体550は、長手方向軸に沿って円筒形筐体575内で自由に平行移動してもよく、または長手方向に固定されていてもよい。多磁極性磁気組立体550は円筒形筐体575内でその長手方向軸を中心として自由に回転してもよく、または、円筒形筐体575内で不動に固定されていてもよい。
【0049】
図6は、三角柱状の筐体675を備える接合部材内に収容された円筒形の多磁極性磁気組立体650を示す。多磁極性磁気組立体650は6つの磁気区画610〜635を含んでいてもよく、磁気区画610〜635のそれぞれは各近接磁気区画の磁極と反対の磁極を有してもよい。様々な実施形態によれば、三角柱状の筐体675は、任意個数の側面、寸法、高さ、および/または基部角度を有する、任意の多角形角柱状の筐体に変更されてもよい。多磁極性磁気組立体650は長手方向軸に沿って角柱状の筐体675内で自由に平行移動してもよく、または長手方向に固定されていてもよい。多磁極性磁気組立体650は角柱状の筐体675内でその長手方向軸を中心として自由に回転してもよく、または、角柱状の筐体675内で不動に固定されてもよい。
【0050】
図7Aは、布地の区画750および760を備える、2つの接合部材を磁気的に接続するために回転可能に磁極を整列させるよう構成された、2つの円筒形多磁極性磁気組立体710および730を備える接合具装置700を示す。図示のように、各多磁極性磁気組立体710および730は、それぞれ筐体720および740内に収容されてもよい。図示のように、多磁極性磁気組立体710の磁気区画の磁極は、多磁極性磁気組立体730の磁気区画と整列していない。したがって、図7Aに示された方向において、多磁極性磁気組立体710および730は互いに対して反発し合うことになる。
【0051】
様々な実施形態によれば、多磁極性磁気組立体710および730の磁気区画の反発力により、多磁極性磁気組立体710および730の内の1つまたは両方は、多磁極性磁気組立体710および730のそれぞれの磁気区画の磁極を整列させるために、長手方向軸を中心として回転する。この回転は、以下に詳述するように、固定された筐体内の磁気組立体の回転を含んでもよく、または、代替的に筐体自体の回転を含んでもよい。図7Aから図7Bへの遷移は、多磁極性磁気組立体710が、多磁極性磁気組立体730と磁気的に接続するために、その長手方向軸を中心として回転することを示す。
【0052】
いくつかの実施形態によると、多磁極性磁気組立体710は、筐体720内で筐体720に対して長手方向軸を中心として回転してもよい。かかる実施形態においては、多磁極性磁気組立体と筐体との組み合わせ体710、720および730、740は、布地区画750および760に不動に取り付けられてもよい。あるいは、多磁極性磁気組立体710は筐体720内で不動に固定され、筐体720は、多磁極性磁気組立体710および730のそれぞれの磁気区画を整列させるために、その長手方向軸を中心として回転するよう構成されてもよい。かかる実施形態においては、多磁極性磁気組立体と筐体との組み合わせ体710、720および730、740は、布地区画750および760の縁または他の空洞内で回転可能に固定されてもよい。
【0053】
図7Bは、2つの円筒形多磁極性磁気組立体と筐体との組み合わせ体710、720および730、740を備える接合具装置700を示す。図示のように、各多磁極性磁気組立体710および730の磁気区画が整列した状態で、多磁極性磁気組立体と筐体との組み合わせ体710、720および730、740は互いに対して磁気的に接続し、それにより布地区画750および760が接続される。布地区画750および760等の布地を接続することに加えて、多磁極性磁気組立体と筐体との組み合わせ体710、720および730、740等の1つまたは複数の多磁極性磁気組立体と筐体との組み合わせ体は、多種多様な物質、構成要素、または製品を磁気的に接続するために用いられてもよい。
【0054】
図8Aは、第1多磁極性磁気組立体825および第2多磁極性磁気組立体850を示す。この実施形態においては、第1多磁極性磁気組立体825および第2多磁極性磁気組立体850のそれぞれは8つの磁気区画を備える。各磁気区画は、各近接磁気区画の磁極と反対の磁極を有してもよい。第2多磁極性磁気組立体850が第1多磁極性磁気組立体825に接近するにつれて、第1多磁極性磁気組立体825は、第1多磁極性磁気組立体825および第2多磁極性磁気組立体850のそれぞれの磁気区画の磁極を整列するために、回転してもよく、その結果、第1多磁極性磁気組立体825および第2多磁極性磁気組立体850は磁気的に接続してもよい。
【0055】
図8Bに示すように、第1多磁極性磁気組立体825のその長手方向軸を中心とする回転は、その磁気区画の磁極を、第2多磁極性磁気組立体の磁気区画の磁極に整列させてもよい。磁極が正しく整列すると、第1多磁極性磁気組立体825および第2多磁極性磁気組立体850は、整列した外側周囲に沿って磁気的に接続する。代替的な実施形態においては、第2多磁極性磁気組立体850は、第1多磁極性磁気組立体825に加えて、または第1多磁極性磁気組立体の代わりに、回転してもよい。
【0056】
図8C〜図8Dは、外側周囲に沿って斜めにずれて第2多磁極性磁気組立体850と磁気的に接続するために、その長手方向軸を中心として回転する第1多磁極性磁気組立体825を示す。図8Cに示すように、第1多磁極性磁気組立体825は、第1多磁極性磁気組立体825および第2多磁極性磁気組立体850のそれぞれの磁気区画を正しく整列させるために、その長手方向軸を中心として回転してもよい。
【0057】
2磁極性磁石とは対照的に、多磁極性磁気組立体を用いることの1つの結果は、2つ以上の多磁極性磁気組立体が、互いに対して外側周囲に沿って長手方向に斜めにずれて磁気的に接続する場合がある。図8Dに示すように、第1多磁極性磁気組立体825は、2つの磁気区画分だけ長手方向に斜めにずれた状態で、第2多磁極性磁気組立体850に磁気的に接続されてもよい。他の実施形態においては、第1多磁極性磁気組立体825は任意個数の磁気区画を含んでもよく、第2多磁極性磁気組立体850は、1つまたは複数の磁気区画分だけ外側周囲に沿って長手方向に斜めにずれて磁気的に接続されてもよい。
【0058】
図9A〜図9Gは、第2多磁極性磁気組立体950が第1多磁極性磁気組立体925に対して長手方向軸に沿って平行移動する間に、回転可能に相互作用し磁気的接続を維持する第1多磁極性磁気組立体925および第2多磁極性磁気組立体950を示す。図9Aから始まって、第1多磁極性磁気組立体925は、整列された外側周囲に沿って、第2多磁極性磁気組立体950に磁気的に接続されてもよい。この図面では円筒形状として図示されているが、第1多磁極性磁気組立体925および第2多磁極性磁気組立体950は、円筒形状、球状、楕円形状、矩形状、平行6面体、台形状、および/または任意の他の適切な形状であってもよい。さらに、第1多磁極性磁気組立体925および第2多磁極性磁気組立体950はそれぞれ、長手方向軸に沿って延在する第1半体および第2半体を含み、第1半体および第2半体のそれぞれは、各近接磁気区画の磁極と反対の磁極を有する任意個数の磁気区画を備えてもよい。図9A〜図9Gに示すように、多磁極性磁気組立体925および950のそれぞれは、磁極が交番する8つの磁気区画を含む。
【0059】
図9Bにおいては、第2多磁極性磁気組立体950は、第1多磁極性磁気組立体925の外側周囲に沿って長手方向に平行移動する。それぞれの磁気区画の磁極に配列ずれが生じるにつれて、第1多磁極性磁気組立体925は、磁極の適切な整列状態を維持するために、回転してもよい。第1多磁極性磁気組立体925が回転すると、第2多磁極性磁気組立体950は、図9Cに示すように1つの磁気区画分だけ長手方向に斜めにずれた状態で、磁気的に接続されてもよい。あるいは、第2多磁極性磁気組立体950が、磁極の適切な整列状態を維持するために回転してもよい。
【0060】
図9Dに続いて、第2多磁極性磁気組立体950は、第1多磁極性磁気組立体925に対して、さらに長手方向に平行移動してもよい。再び、それぞれの磁気区画の磁極に配列ずれが生じるにつれて、第1多磁極性磁気組立体925は、第1多磁極性磁気組立体925および第2多磁極性磁気組立体950が磁気的に接続された状態が保持されるよう、磁極の適切な整列を維持するように回転してもよい。図9Eに示すように、第1多磁極性磁気組立体925および第2多磁極性磁気組立体950は、2つの磁気区画分だけ長手方向に斜めにずれた状態で、磁気的に接続された状態を保持する。
【0061】
図9Fは、第1多磁極性磁気組立体925に対してさらに平行移動する第2多磁極性磁気組立体950を示す。第1多磁極性磁気組立体925は、第1多磁極性磁気組立体925および第2多磁極性磁気組立体950のそれぞれの磁気区画の間で引き寄せ合う磁極整列を維持するために、再び回転してもよい。図9Gに示すように、第1多磁極性磁気組立体925および第2多磁極性磁気組立体950は、多磁極性磁気組立体925および950のそれぞれからの単一の磁気区画が磁気的接続を保持するよう、外側周囲に沿って斜めにずれた磁気的に接続された状態を保持してもよい。
【0062】
図8A〜図8Dおよび図9A〜図9Fに伴う考察から理解されるように、本明細書に開示される多磁極性磁気組立体の様々な実施形態は、近接する多磁極性磁気組立体に対して複数の個別接続点を有してもよい。通常、かかる組立体のそれぞれは、磁気区画対の個数と同じ個数の接続点を有するであろう。
【0063】
図10Aは、接合部材1000を有する接合装置を示す。接合部材1000は、3つの接合縁部1003、1005、および1007を備える。接合縁部1003は、接合棒1004を備える開放領域を備える。接合棒1004は多磁極性磁気組立体1017の中心軸を通って延在し、多磁極性磁気組立体1017は接合棒1004を中心として回転することが可能である。いくつかの実施形態においては、棒1004は上部棒区画および下部棒区画を備え、多磁極性磁気組立体1017の中心軸に接続されてもよいが、その全体を貫通して延長しなくてもよい。加えて、接合棒1004は、開放領域の代わりに、接合部材内に形成された空洞内に配置されてもよい。
【0064】
接合部材1000は、他に2つの接合縁部1005および1007も備え、これらのそれぞれは、筐体1013および筐体1015内に、多磁極性磁気組立体1018および多磁極性磁気組立体1019をそれぞれ収容する。これら接合縁部のそれぞれはともに合体して三角形状の構成を形成する。図10Aに示すように、多磁極性磁気組立体1017、1018、および1019のそれぞれは、その長手方向軸まわりに回転するよう構成されてもよい。したがって、三角形1000の接合縁部1003、1005、および1007は、その長手方向軸を中心として回転するように適合された、多磁極性磁気組立体1017、1018、および1019を含んでもよい。多磁極性磁気組立体1017、1018、および1019は、三角形1000の接合縁部1003、1005、および1007に近接して回転してもよく、その磁気区画のそれぞれの磁極をもう1つの多磁極性磁気組立体のそれぞれの磁気区画の磁極と整列させてもよい。したがって、三角形1000は、任意の角度で、三角形1000と同様の構成を有する別の三角形と、または別の構成を有する別の磁気接合具装置と、側部1003、1005、および1007のいずれかに沿って、磁気的に接続されてもよい。
【0065】
図10Bは、各接合縁部に近接して磁気組立体と筐体との組み合わせ体1037、1031および1038、1033および1039、1035を含み、三角形の構成を有する、3つの接合縁部すなわち側部1023、1025、および1027を備える接合部材1020を示す。様々な実施形態によれば、多磁極性磁気組立体1037、1038、および1039は、円筒形状、角柱状、および/または別の形状であってもよい。筐体1031、1033、および1035は、円筒形状、角柱状、および/または別の形状を有してもよい。例えば、磁気組立体1037、1038、および1039は、2つ以上の磁気区画を有する球状の磁気組立体として構成されてもよい。かかる実施形態においては、筐体1031、1033、および1035は、球状の磁気組立体を収容するよう適合された、対応する球または円筒形として構成されてもよい。
【0066】
磁気組立体1037、1038、および1039は、筐体1031、1033、および1035内で筐体1031、1033、および1035に対して回転するよう構成されてもよい。あるいは、磁気組立体1037、1038、および1039は、筐体1031、1033、および1035内で固定されてもよい。かかる実施形態においては、磁気組立体1037、1038、および1039は、それらの長手方向軸まわりに回転するよう構成されてもよい。いずれの実施形態においても、筐体1031、1033、および1035は、側部1023、1025、および1027を、三角形接合部材1020と同様の別の三角形等の、同様の磁気組立体を含む他の物体と磁気的に接続するために、各磁気組立体1037、1038、1039の各磁気区画の磁極を他の磁気組立体と整列させるように、それらの長手方向軸を中心として回転してもよい。
【0067】
図10Cは、各接合縁部1043、1045、および1047に近接して磁気組立体と筐体との組み合わせ体1057、1051および1058、1053および1059、1055を含む、三角形の構成を有する3つの接合縁部を備える接合部材1040を示す。上述の実施形態と同様に、磁気組立体1057、1058、および1059は、筐体1051、1053、および1055内で筐体1051、1053、および1055に対して回転するよう構成されてもよい。あるいは、磁気組立体1057、1058、および1059は、筐体1051、1053、および1055内で固定されてもよい。係る実施形態においては、筐体1051、1053、および1055は、それぞれの長手方向軸を中心として回転するよう構成されてもよい。さらに他の実施形態においては、筐体1051、1053、および1055は省略されてもよく、磁気組立体1057、1058、および1059は、三角形接合部材1040の側部1043、1045、および1047に近接する空洞または中空部内でそれらの長手方向軸を中心として回転するよう構成されてもよい。
【0068】
図10Dは、三角形の枠組を有する、3つの接合縁部1063、1065、および1067を備える接合部材1060を示す。磁気組立体と筐体との組み合わせ体1078、1073および1079、1075は、接合縁部1065および1067のそれぞれに不動に取り付けられてもよい。この図示された実施形態によれば、筐体1073および1075は、各側部区画1065および1067の内側部分または外側部分に固定的に取り付けられてもよい。磁気組立体1078および1079は、接合縁部1065および1067を、三角形接合部材1060と同様の別の三角形等の、同様の磁気組立体を含む別の物体に磁気的に接続するために、筐体1073および1075内で筐体1073および1075に対して回転することにより各磁気組立体1078および1079の各磁気区画の磁極を整列させるよう構成されてもよい。あるいは、単一の縁部または接合部材をのみ有するもの等の、他の構成の磁気接合具装置は、三角形の枠組1060として構成された磁気接合具装置、または本明細書に開示された任意の他の磁気接合具装置を用いて、接続されてもよい。図面に示されるように、接合縁部1063は、接合縁部1063に取り付けられ整合縁部1063に対して実質的に平行であるが接合縁部1063から偏位された、接合棒1071を備える。多磁極性磁気組立体1077は、接合縁部1063を他の物体の接合縁部と磁気的に接続するために、接合棒1071を中心として回転するように構成されてもよい。
【0069】
図11は、三角形の構成を有する、3つの接合縁部すなわち側部1103、1105、および1107を備える接合部材1100を示し、これら接合縁部1103、1105、および1107のそれぞれは、四角柱状の多磁極性磁気組立体1122、1124、および1126を収容する円筒形筐体1111、1113、および1115を含む。様々な実施形態によれば、四角柱状多磁極性磁気組立体1122、1124、および1126は、筐体1111、1113、および1115内で容易に回転しなくてもよく、または、筐体1111、1113、および1115内で不動に取り付けられてもよい。したがって、筐体1111、1113、および1115は、各側部1103、1105、および1107内で回転することにより、各多磁極性磁気組立体1122、1124、および1126の各磁気区画の磁極が他の多磁極性磁気組立体の磁気区画と整列することが可能となるよう構成されてもよい。
【0070】
図12は、各接合縁部1210〜1215に近接して磁気組立体と筐体との組み合わせ体1201〜1206を含む、六角形の構成1200を有する6つの接合縁部1210〜1215を備える接合部材を示す。前述のように、各磁気組立体と筐体との組み合わせ体1201〜1206内の多磁極性磁気組立体は、対応する筐体とともに、あるいは、対応する筐体に対して、回転するよう構成されてもよい。
【0071】
図13Aは、矩形の構成に配列された4つの接合縁部を有する第1接合部材を備える第1接合具装置1310と、4つの接合縁部1321〜1324を有する第2接合部材を備える第2接合具装置1350とを示す。図示のように、第1接合具装置1310の4つの接合縁部すなわち側部のそれぞれは、磁気組立体と筐体との組み合わせ体1311〜1314を収容してもよい。様々な実施形態によれば、各磁気組立体と筐体との組み合わせ体1311〜1314内に収容された多磁極性磁気組立体は、円筒形状、角柱状、および/または他の好適な形状であってもよい。同様に、筐体自体が、円筒形状、角柱状、および/または他の形状であってもよい。
【0072】
第2接合部材1350は4つの筐体1321〜1324を備えてもよく、筐体1321〜1324のそれぞれは多磁極性磁気組立体1331〜1334を収容する。筐体1321〜1324は、端と端とが接続され、任意個数の多角形の形状を成形するような形状を有してもよい。各多磁極性磁気組立体1331〜1334は、それぞれの筐体1321〜1324内で長手方向軸を中心として回転してもよい。
【0073】
図13Aに示すように、第1接合部材1310および第2接合部材1350が互いに対して接近すると、磁気組立体と筐体との組み合わせ体1314内の多磁極性磁気組立体は、磁気組立体と筐体との組み合わせ体1314および多磁極性磁気組立体1331のそれぞれの磁気区画を整列させるために、回転してもよい。これらの磁気区画が整列すると、第1接合部材1310および第2接合部材1350は、図13Bに示すように、長手方向に整列した外側周囲1315および1325に沿って磁気的に接続されてもよい。あるいは、多磁極性磁気組立体1331のみ、または磁気組立体と筐体との組み合わせ体1314内の筐体が、それぞれの磁気区画を整列するために、長手方向軸を中心として回転してもよい。
【0074】
図14Aは、長手方向に斜めにずれた外側周囲1455および1480に沿って第1接合具装置1450と磁気的に接続するために、第2接合部材1475内で回転する多磁極性磁気組立体1485を示す。様々な実施形態によれば、多磁極性磁気組立体1485は、多磁極性磁気組立体1485および磁気組立体と筐体との組み合わせ体1460内の多磁極性磁気組立体のそれぞれの磁気区画を整列するために、回転してもよい。代替的な実施形態によれば、磁気組立体と筐体との組み合わせ体1460の筐体内の多磁極性磁気組立体または組み合わせ体1460の筐体のいずれかが、多磁極性磁気組立体1485の代わりに、長手方向軸に沿って回転してもよい。
【0075】
図14Bに示すように、第1接合部材1450および第2接合部材1475の各々の内の各多磁極性磁気組立体が(唯一の対ではなく)複数対の磁気区画を含むため、第1接合部材1450および第2接合部材1475は、長手方向に斜めにずれた外側周囲1455および1480に沿って磁気的に接続してもよい。その結果、上述したように、2つの接合具装置の側部のそれぞれに沿って、4つの別個の接続点が存在することとなる。
【0076】
図15Aは、相互に対して接近する第1接合部材1550および第2接合部材1575を示す。図示のように、磁気組立体と筐体との組み合わせ体1560内の磁気区画は、多磁極性磁気組立体1585の磁気区画に対して整列していない。したがって、第1接合部材1550および第2接合部材1575が外側周囲1555および1580に沿って長手方向において磁気的に整列しない場合、多磁極性磁気組立体の内の1つが回転することが必要となる。しかし、図15Bに示すように、第1接合具装置1550は、それぞれの外側周囲1555および1580が1つの磁気区画分だけ長手方向に斜めにずれるなら、磁石の回転がなくとも、第2接合具装置1575と磁気的に接続する場合がある。
【0077】
ともに接続されるべき2つの接合具装置の内の1つのみが回転可能な多磁極性磁気組立体を備える実施形態が考えられる点も理解すべきである。多磁極性磁気組立体の内の1つが回転可能である限り、固定されて回転不可能な多磁極性組立体を備える別の装置と接続することができる。
【0078】
図16Aは、4つの三角形接合部材1610〜1640に磁気的に接続される途中にある矩形接続部材1650を備える接合具装置1600を示す。矩形接合部材1650および三角形接合部材1610〜1640のそれぞれは、磁気組立体または磁気組立体と筐体との組み合わせ体を、各接合部材1610〜1650のそれぞれの各接合縁部に近接して備えてもよい。各磁気組立体または磁気組立体と筐体との組み合わせ体は、回転することにより、各多磁極性磁気組立体の各磁気区画の磁極を、近接接合部材1610〜1650における多磁極性磁気組立体の磁気区画と整列させることが可能となるよう構成されてもよい。したがって、矩形接合部材1650の各接合縁部は、三角形接合部材1610〜1640の内の1つの接合縁部に磁気的に接続されてもよい。
【0079】
様々な実施形態によれば、各磁気組立体と筐体との組み合わせ体内の磁気組立体は、その対応する筐体内で、あるいは、その対応する筐体に対して、回転するよう構成されてもよい。したがって、磁気組立体が自由に回転可能であるため、矩形接合部材1650および三角形接合部材1610〜1640のそれぞれの接合縁部は、任意の角度で磁気的に接続可能であり、接続後は相互に対して枢動可能である。
【0080】
図16Aから図16Bへの遷移において示されるように、多磁極性磁気組立体1633および1643は、矩形接合部材1650内のそれぞれの近接多磁極性磁気組立体と磁気的に接続するために、それらの長手方向軸を中心として回転することによりそれぞれの磁気区画の磁極を整列させてもよい。
【0081】
図16Bは、各接合縁部において三角形接合部材1610〜1640のそれぞれの接合縁部に磁気的に接続された矩形接合部材1650を備える接合具装置1600を示す。多磁極性磁気組立体1633および1643は、矩形接合部材1650内の対応する多磁極性磁気組立体に対して整列および磁気的に接続するために、それらの長手方向軸を中心として回転している。
【0082】
様々な実施形態によれば、三角形接合部材1610〜1640のそれぞれは、それらの磁気的に接続された側面を中心として矩形接合部材1650に対して枢動してもよい。したがって、三角形接合部材1610〜1640は、矩形基部および4つの三角形表面を有する角錐を形成するために引き合わされてもよい。かかる実施形態においては、三角形接合部材1610〜1640のそれぞれの残りの未接続接合部材のそれぞれは、別の三角形接合部材1610〜1640の接合縁部に磁気的に接続されてもよい。三角形接合部材1610〜1640のそれぞれの各接合縁部における多磁極性磁気組立体は、それぞれの磁気区画の磁極を整列させるために、筐体とともに、または、筐体に対して、その長手方向軸を中心として回転してもよい。
【0083】
図17は、4つの三角形接合部材1710、1720、1730、および1740を備える接合具装置1700を示す。各三角形接合部材1710、1720、1730、および1740は、1つまたは複数の多磁極性磁気組立体と筐体との組み合わせ体を備えてもよい。各多磁極性磁気組立体と筐体との組み合わせ体は、四面体を形成するために、回転可能に、各三角形接合部材1710、1720、1730、および1740の各接合縁部が、別の三角形接合部材1710、1720、1730、および1740の他の接合縁部に磁気的に接続することを可能にしてもよい。様々な実施形態によれば、各三角形接合部材1710、1720、1730、および1740の各接合縁部は筐体を備え、その長手方向軸を中心として回転するよう構成された多磁極性磁気組立体を収容してもよい。
【0084】
あるいは、各三角形接合部材1710、1720、1730、および1740の各接合縁部は、1つまたは複数の多磁極性磁気組立体を収容するよう構成された筐体を、回転可能にまたは不動に、固定してもよい。接合部材が筐体を不動に固定する実施形態においては、多磁極性磁気組立体は、その長手方向軸を中心として筐体内で筐体に対して回転するよう構成されてもよい。接合部材が筐体を回転可能に固定する実施形態においては、多磁極性磁気組立体は、筐体が回転すると、その長手方向軸を中心として筐体とともに回転するよう構成されてもよい。
【0085】
様々な実施形態によれば、任意の多角形形状が、三角形接合部材1710、1720、1730、および1740の代わりに用いられてもよく、任意個数の表面を有する多面体を形成するために、磁気的に接続してもよい。同様に、様々な多角形形状の任意の組合せが、任意個数の形状および/または形状の組み合わせを形成するために、磁気的に接続されてもよい。例えば、オベリスクを形成するために、4つの矩形接合部材が4つの三角形接合部材と接続されてもよい。さらに、いくつかの実施形態は、概して単一の寸法のみが延在する部材を備えてもよい。その結果、それぞれの磁気接合具装置が多角形の1つの側面を形成する、多角形形状がいくつかの別個の磁気接合具装置を用いて形成される場合がある。
【0086】
前述のように、多磁極性磁気組立体は、単一の連続した磁性材料を用いて形成されてもよく、または代替的に、多磁極性磁気組立体は、各磁気区画が各近接磁気区画の磁極と反対の磁極を有するよう、端部と端部とが接続された反対に磁化された複数対の磁気区画を接続することにより、形成されてもよい。
【0087】
図18Aは、多磁極性磁気組立体を作るよう構成された、底部プレート1801および上部プレート1802を有するよう構成された磁化装置1800を示す。図示のように、上部プレート1802は、上部プレート1802が底部プレート1801の直接上方に配置されるまで、ヒンジ1812を中心として枢動されてもよい。代替的な実施形態においては、上部プレート1802は、ヒンジ1812により底部プレート1801に取り付けられなくてもよく、代わって、底部プレート1801に対して直接下方に押し付けられてもよい。図示のように、底部1801および上部1802プレートのそれぞれは、磁化可能な物質を受容するよう構成された1つまたは複数の溝部1850を備えてもよい。溝部1850内に配置された磁化可能な物質に対して、交番する磁場を放射するよう構成された磁化プレート1820および1830が各溝部に近接して存在する。
【0088】
図18Bは、2つの磁化可能な円柱1890および1891が定位置に配置された状態にある、磁化装置1800を示す。磁化可能な円柱1890および1891が定位置に配置されると、上部プレート1802は、底部プレート1801へと、ヒンジ1812を中心として枢動される。電流が、磁化プレート1820および1830に沿ってそれぞれ正の磁場および負の磁場を形成するために、ケーブル1810および1812に設けられてもよい。交番する磁極を有する磁化プレート1820および1830は、長手方向軸に沿って延在する第1半体および第2半体を備える多磁極性磁気組立体を作るために、磁化可能な円柱1890および1891を磁化してもよい。第1半体は、磁極が交番する磁気区画を含んでもよく、第2半体は、その磁気区画のそれぞれが、第1半体における近接磁気区画の磁極と反対の磁極を有する、対応する個数の磁気区画を含んでもよい。
【0089】
図18Cは、図18Aおよび図18Bに関して説明された磁化装置を用いて作られた多磁極性磁気組立体1890の例示的実施形態を示す。図示のように、多磁極性磁気組立体1890は、長手方向軸に沿って延在する第1半体および第2半体を含む。第1半体は、交番する磁極を有する3つの磁気区画を備え、第2半体は、磁気区画のそれぞれが第1半体における近接磁気区画の磁極と反対の磁極を有す、3つの対応する磁気区画を備える。
【0090】
図19は、磁気接合具装置1900の実施形態の拡大図を示す。磁気接合具装置1900は、第1外部ハウジングピース1910と、内部リテーナピース1920と、第2外部ハウジングピース1930とを備える。4つの磁石ハウジング1940は、内部リテーナピース1920と連結される。磁石ハウジング1940の各々は、それぞれの磁石1945を保持するように構成される。磁石1945は、磁石1945が磁石ハウジング1940内で回転できるように、それぞれの磁石ハウジング1940内に配置されてもよい。
【0091】
いくつかの実施形態では、1又は複数の磁石ハウジング1940は、安全目的のために、その中に含まれる磁石1945をハウジングから取り外されるのを防ぎ、又は少なくとも妨げるように構成されてもよい。明細書に開示された様々な機能はこのような目的の達成を促進する。例えば、1又は複数の磁石ハウジング1940は、強い磁力の、破損及び変形が困難な材料から構成されてもよい。このような材料の具体例は、ステンレス鋼金属、チタン及び/又は関連合金等の強い磁力の金属及び他の類似の材料や、炭素繊維等の複合材料や、他の類似の材料を含む。
【0092】
いくつかの実施形態では、他の機能がまた、あるいは代わりに提供され、磁石の取り外しを抑制する目的を果たす。例えば、以下により詳細に説明されるように、1又は複数の磁石ハウジング係合部材は、磁石ハウジングの1又は複数の開口を少なくとも実質的に埋めるために設けられてもよい。さらに、または代わりに、内部リテーナピース1920等の磁気接合具装置の部品は、磁石ハウジングの1又は複数の部分を受けるように構成される1又は複数の凹部領域を備え、磁気接合具装置から磁石ハウジングを取り外すのをより困難にさせてもよい。
【0093】
磁石ハウジングはまた、以下により詳細に説明されるように、磁石ハウジングを磁気接合具装置の他の部分に連結する固定具を受けるための1又は複数の開口を含んでもよい。磁石ハウジングはまた、摩耗や混入等に対して弱い位置で材料がより厚みがある(thicker)1又は複数の強化領域を備えてもよい。例えば、磁石ハウジング係合部材によって埋められる開口を備える実施形態では、このような開口に近接する磁石ハウジングの領域が強化され、適切に曲げられ、加工され、又は、磁石ハウジングに収容される磁石が取り外されないことをさらに保証するように構成されてもよい。
【0094】
同様に、固定具を受ける任意の開口に近接する磁石ハウジングの領域が、強化され、適切に曲げられ、加工され、又は、磁石ハウジングに収容される磁石が取り外されないこと、及び/又は磁石ハウジングが磁気接合具装置から取り外されないことをさらに保証するように構成されてもよい。例えば、表現された実施形態では、磁石を収容する磁石ハウジングの円筒部分は、プレート部材等の磁石ハウジングの他の部分に関連して、実質的に直角に配置されてもよい。このような構成は、図21に最もよく見られる。いくつかの好ましい実施形態では、固定具は、リベット、又は装置の安全機能をさらに強化するためにユーザによって容易に取り外されない他のこのような固定具を備えてもよい。
【0095】
いくつかの実施形態では、磁石1945は、1又は複数の、上述した多磁極性磁気組立体を備えてもよい。このような組立体は、長手方向軸に沿って実質的に延在する第1半体及び第2半体を備えてもよい。第1半体は交番する磁極の少なくとも2つの磁気区画を備え、第2半体は対応する数の磁気区画を備えてもよい。第2半体の各磁気区画は、磁石の磁極がその長手方向に沿って交番するように第1半体の近接する磁気区画の磁極と反対の磁極を有してもよい。
【0096】
磁石ハウジング1940の各々と、従って磁石1945の各々とは、装置1900の接合縁部に沿って配置される。より具体的には、正方形の装置1900の接合縁部1902、1904、1906及び1908各々は、これらの接合縁部のいずれかが使用され、該装置を他の磁気接合具装置に1又は複数の接合縁部に沿って磁気的に連結することができるように、付随する磁石/磁石ハウジングを有する。
【0097】
表現された実施形態では、第1外部ハウジングピース1910は、内部リテーナピース1920が第1外部ハウジングピース1910と第2外部ハウジングピース1930との間に配置されるように、第2外部ハウジングピース1930と接合具装置1900の反対側に配置される。磁気接合具装置の製造方法のいくつかの好ましい実施では、内部リテーナピース1920は、以下により詳細に説明されるように、第1外部ハウジングピース1910及び第2外部ハウジングピース1930に音波溶接されてもよい。
【0098】
図20は、磁気接合具装置1900の内部リテーナピース1920の一部の拡大図を示す。より具体的には、図20は、(図20に図示しない)磁石ハウジング1940と係合するように構成され、磁石ハウジング1940を内部リテーナピース1920に連結する磁石ハウジングレシーバ1922を示す。磁石ハウジングレシーバ1922は、第1磁石ハウジング係合部材1923と、第2磁石ハウジング係合部材1924とを備える。第1磁石ハウジング係合部材1923は磁石ハウジング1940の第1端部に係合するように構成され、第2磁石ハウジング係合部材1924は第1端部と反対の磁石ハウジング1940の第2端部と係合するように構成される。
【0099】
表現された実施形態では、第1磁石ハウジング係合部材1923と第2磁石ハウジング係合部材1924それぞれは、磁石ハウジング1940の開口を少なくとも実質的にシールするように構成される磁石ハウジングプラグを備える。いくつかの実施形態では、1又は複数の磁石ハウジング係合部材及び/又は1又は複数の磁石ハウジングの少なくとも一部は、シール機能等を促進するように構成される可撓性材料又は弾性材料で構成されてもよい。例えば、このような材料は、プラスチック、ゴム、可撓性黒鉛、エラストマー、発泡体、コルク等の1又は複数から構成してもよい。
【0100】
表現された実施形態では、第1磁石ハウジング係合部材1923及び第2磁石ハウジング係合部材1924それぞれは共に、磁石ハウジング1940の対応する部分の曲率半径と合致する曲率半径を有する少なくとも実質的な円弧半径で形成される。磁石ハウジングの対応する部分は、以下に説明されるように、図21に最もよく見られる。
【0101】
図21は、明細書に開示された磁気接合具装置のいくつかの実施形態の使用に適する磁石ハウジング1940の実施形態の拡大図を示す。この図に示されるように、磁石ハウジング1940は、円筒空洞を画定する本体部材1947を備える。円筒空洞の対向する端部で、本体部材1947は開口1949を画定する。開口1949の一方又は両方は、図20に示された磁石ハウジング係合部材1923及び1924等の磁石ハウジング係合部材を受けるように構成されてもよい。本体部材1947によって画定される空洞は、磁石1945等の、空洞内に磁石を受け入れるように構成される。
【0102】
表現された実施形態では、開口1949を画定する磁石ハウジングの端部は、形成された半径を有し、デバイスの構造的強度を加え、さらにその中に収容される磁石が取り除かれ/アクセスされるのを防ぐ。開口1949は、少なくとも実質的に円形であり、1又は複数の対応する磁石ハウジング係合部材(本実施形態では磁石ハウジング係合部材1923、1924)の曲率半径と少なくとも実質的に適合する曲率半径で形成される。このような構成要素間の曲率半径の適合を提供することによって、磁石ハウジング1940内に収容される磁石1945へのアクセスは、明細書の他の箇所で説明されるように、デバイスの安全性を強化するために妨げられてもよい。
【0103】
1又は複数の磁石ハウジング係合部材は、様々な異なる方法で、内部リテーナピース1920等のデバイスの他の構成要素と連結されてもよい。例えば、連結部材1927は、図20に示されるように、磁石ハウジング係合部材1923、1924の各々を内部リテーナピース1920に連結するために設けられてもよい。いくつかの実施形態において、連結部材1927は、磁石ハウジング係合部材の不可欠な部分であり、従って磁石ハウジング係合部材と同じ材料から構成されてもよい。他の実施形態では、1又は複数の連結部材は異なる材料で構成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、連結部材は、内部リテーナピース1920と一体となり、従って金属、金属合金、プラスチック、又は内部リテーナピース1920を構成するのに使用される他の材料から構成されてもよい。いずれにしても、リテーナピース1920(又はデバイスの他の部分)と磁石ハウジングとの間の連結が、磁石ハウジング内に収容される磁石がデバイスの使用にともなう任意の予測可能な力で取り除かれることができないように、任意の予測可能な変更(tampering)を耐えるのに十分に強いことが好ましい。
【0104】
磁石ハウジング1940はまた、本体部材1947から延在する第1プレート部材1942と、本体部材1947の反対の端部から延在する第2プレート部材1944とを備える。第1プレート部材1942と第2プレート部材1944との両方は、固定具開口1948を備える。固定具開口1948は、磁石ハウジング1940を、内部リテーナピース1920等のリテーナピースに連結する固定具を受け入れるように構成されてもよい。従って、リテーナピースは、固定具を受け入れる類似の固定具開口を含んでもよい。例えば、内部リテーナピース1920は、図19〜21に示されるように、第1プレート部材1942及び第2プレート部材1944の固定具開口1948を整列させ、これらを介して固定具1946を受け入れるように構成される固定具開口1926を含む。リベット、ネジ、ボルト及びピン等の様々な固定具が使用されてもよい。
【0105】
磁石ハウジングの1又は複数の領域はまた、強化され、適切に曲げられ、加工され、又は磁石ハウジング及び/又は磁石ハウジング内に収容される磁石を取り除くことができないことをさらに保証するように構成されてもよい。例えば、図21に表された磁石ハウジング1940では、磁石ハウジング係合部材を受けるように構成された本体部材1947の反対の端部は、円状に曲げられた強化金属を有し、磁石ハウジング1940の強度、そして安全性を強化する。同様に、磁石ハウジング1940は、類似の端部を設けるために、固定具開口1948に近接する強化領域を備える。このような強化領域は、内部リテーナピース1920上の固定具開口1926を囲む凹部領域内に適合するように構成されてもよい。
【0106】
さらに、内部リテーナピースは、磁石ハウジングのプレート部材を受ける1又は複数の凹部領域を備えてもよい。例えば、内部リテーナピース1920は、第1プレート部材1942を受けるように構成された凹部領域1928を備える。類似の凹部領域は、第2プレート部材1944を受ける図20に示された面と反対の内部リテーナピース1920の面に設けられてもよい。
【0107】
デバイスの他の領域はまた、凹部領域を含んでもよい。例えば、図20に示されるように、固定具開口1926を囲む領域は、リベット等の適切な固定具がその中で受け入れされるように、かつ、固定具開口に受け入れられると、固定具が安全目的のために装置のユーザに少なくとも実質的に手の届かない状態にされるように、区分され、又はくぼみが形成される。また、上述したように、いくつかの実施形態では、安全性の理由のために、リベット等の容易に取り除くことができない固定具を設けることが好ましい。
【0108】
表現された実施形態では凹部領域1928の領域は実質的に矩形であるけれども、当然のことながら、他の形状も考えられる。しかしながら、凹部領域の形状は、その中に受け入れられる対応するプレート部材の形状に、少なくとも実質的に適合することが好ましい。
【0109】
図22は、磁気接合具装置1900の斜視図を示す。この図で示されるように、磁気接合具装置1900は、4つの接合縁部1902、1904、1906及び1908を含む。これらの接合縁部の各々は、磁石ハウジング1940を含み、その内部にそれぞれの磁石を収容する(図22では見えない)。接合縁部の1又は複数は、上述したように、多数の接合具装置を備える組立体を作るために、他の接合具装置の接合縁部と連結され得る。
【0110】
図23A及び図23Bは、磁気接合具装置の他の実施形態を製造するために使用される構成要素の断面図を示す。図23Aは、磁気接合具装置の製造方法の一実施における溶接処理を受ける前段階でのこのような構成要素を示す。図23Bは、いくつかの実施形態において、音波溶接処理からなる溶接処理を受けた後の、図23Aに示された構成要素の断面図を示す。
【0111】
磁気接合具装置2300を製造するために使用される図23A及び図23Bに示された構成要素は、第1外部ハウジングピース2310と、内部リテーナピース2320と、第2外部ハウジングピース2330とを含む。1又は複数の磁石ハウジングはまた、上述したように、第1外部ハウジングピース2310、内部リテーナピース2320、及び第2外部ハウジングピース2330の1又は複数と連結されてもよい。しかしながら、磁石ハウジングはこれらの図に表されていない。
【0112】
第1外部ハウジングピース2310は、溶接接合突起2311を備える。上述したように、溶接接合突起2311は、V字形の頂上部を備える。しかしながら、明細書の他の箇所で上述したように、他の形状/構成も考えられる。溶接接合突起2311は、第1外部ハウジングピース2310の全周囲に広がってもよい。しかしながら、他の実施形態はまた、1又は複数の溶接接合突起がこのような周囲に部分的に広がるだけでもよい。
【0113】
類似の溶接接合突起2331が、図に示したように、第2外部ハウジングピース2330に設けられてもよい。溶接接合突起2311と同様、溶接接合突起2331は第2外部ハウジングピース2330の全周囲に広がり、又は、溶接接合突起2331は第2外部ハウジングピース2330の周囲で部分的に広がってもよい。溶接接合突起2311と類似の溶接接合突起2331はV字形の頂上部を備える。しかしながら、いくつかの実施形態では、溶接接合突起2331は溶接接合突起2311と異なる形状を備えてもよい。
【0114】
第1外部ハウジングピース2310と第2外部ハウジングピース2330とはまた、それぞれ、メルトチャンバ2302A、2302Bを備える。メルトチャンバ2302Aとメルトチャンバ2302Bとは、コーナーカットアウト形状(corner cutout shape)を形成する2つの側部に加工される。第1外部ハウジングピース2310が図23Bに示されるように第2外部ハウジングピース2330に接近させると、接合メルトチャンバ2302が形成される。この図に示したように、接合メルトチャンバ2302の第1側部の半分はメルトチャンバ2302Aの片側で形成され、接合メルトチャンバ2302の第1側部の他の半分はメルトチャンバ2302Bの片側で形成される。接合メルトチャンバ2303の第2側部はメルトチャンバ2302Aの片側で形成され、第2側部と反対の接合メルトチャンバ2302の第3側部はメルトチャンバ2302Bの他の片側で形成される。接合メルトチャンバ2302の第4側部及び最終側部は内部リテーナピース2320の一部で形成される。
【0115】
また図23Bに示したように、溶接処理は、溶接接合突起及び/又は装置を製造するために使用される他の構成要素からの材料を、接合メルトチャンバ2302に溶融させる。溶融材料は、図23Bにおいて、10で示される。溶融材料10はまた、図23Bで示されるように、内部リテーナピース2320の一部を囲んでもよい。
【0116】
図24Aは、磁気接合具装置の他の実施形態の製造方法の他の実施における溶接処理を受ける前の様々な構成要素の断面図を示す。図24Aは、磁気接合具装置の製造方法の一実施における溶接処理を受ける前段階の構成要素を示す。図24Bは、いくつかの実施形態において、音波溶接処理からなる溶接処理を受けた後の、図24Aに示された構成要素の断面図を示す。
【0117】
磁気接合具装置2400を製造するために使用される図24A及び図24Bに示された構成要素は、磁気接合具装置2300と同様、第1外部ハウジングピース2410と、内部リテーナピース2420と、第2外部ハウジングピース2430とを含む。(図24A及び図24Bにおいて図示されない)1又は複数の磁石ハウジングはまた、上述したように、第1外部ハウジングピース2410、内部リテーナピース2420、及び第2外部ハウジングピース2430の1又は複数と連結されてもよい。
【0118】
第1外部ハウジングピース2410は、溶接接合突起2411を備える。しかしながら、溶接接合突起2311と異なり、溶接接合突起2411は、V字形の比較的とがった頂上及び傾斜した側部よりむしろ、比較的平坦な頂上部と比較的平行な側部とを備える。溶接接合突起2411は、第1外部ハウジングピース2410の全周囲に広がってもよい。
【0119】
類似の溶接接合突起2431が、図に示したように、第2外部ハウジングピース2430に設けられてもよい。溶接接合突起2411と同様、溶接接合突起2431は第2外部ハウジングピース2430の全周囲に広がり、又は、溶接接合突起2431は第2外部ハウジングピース2330の周囲で部分的に広がってもよい。溶接接合突起2411と類似の溶接接合突起2431は、比較的平坦な頂上部と平行な側部とを備える。しかしながら、いくつかの実施形態では、溶接接合突起2431は溶接接合突起2411と異なる形状を備えてもよい。他の実施形態では、溶接接合突起は、第1外部ハウジングピース2410と第2外部ハウジングピース2430の一方に設けられるだけでもよい。
【0120】
第1外部ハウジングピース2410はまた、メルトチャンバ2402を備える。メルトチャンバ2302A、2302Bと異なり、メルトチャンバ2402は、丸みを帯びたカットアウト又は実質的に湾曲したカットアウト領域を備える。しかしながら、メルトチャンバ2302と異なり、メルトチャンバ2402は、第1外部ハウジングピース2410内にだけ形成される。第2外部ハウジングピース2430はまたメルトチャンバを含んでもよいが、図24A及び図24Bに表された実施形態では含まれない。
【0121】
従って、図24Bに示されるように、第1外部ハウジングピース2410が第2外部ハウジングピース2430に接近させられると、接合メルトチャンバは、一部において湾曲したカットアウト領域2402によって、そして一部において内部リテーナピース2420の一部によって画定されて形成される。
【0122】
また図24Bに示したように、溶接処理は、溶接接合突起及び/又は装置を製造するために使用される構成要素の他の部分からの材料を、接合メルトチャンバ2302に溶融させる。溶融材料は、図24Bにおいて、10で示される。溶融材料10はまた、図24Bで示されたように、内部リテーナピース2420の一部を囲んでもよい。
【0123】
当業者は、本発明の基盤となる原理から逸脱することなく、多数の変更が上述の実施形態に加えられてもよいことを理解するであろう。本開示の原理が様々な実施形態において示されてきたが、構造、配列、割合、要素、材料、形状、厚さ、幅、高さ、および構成要素に関する多数の変更例が、本開示の原理および範囲から逸脱することなく用いられてもよい。これらの、および他の変化例および変更例は、本開示の範囲に含まれることが意図される。
【技術分野】
【0001】
本開示は磁気接合具に関する。さらに詳細には、本開示は、2つの物体を磁気的に接続するために回転するよう構成された磁気接合具と、このような磁気接合具のためのハウジングと磁気組立体とを含む関連するシステムと、方法とに関する。
【0002】
以下の図面を参照することにより、本開示の様々な実施形態を含む本開示の非限定的及び非網羅的実施形態が説明される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第7154363号明細書
【図面の簡単な説明】
【0004】
【図1A】磁極が交番する4つの磁気区画により構成される多磁極性磁気組立体を示す図である。
【図1B】磁極が交番する8つの磁気区画により構成される多磁極性磁気組立体を示す図である。
【図1C】磁極が交番するN個の磁気区画により構成される多磁極性磁気組立体を示す図である。
【図2】磁極が交番する6個の磁気区画により構成され、相対的に大きな中央区画を含む、多磁極性磁気組立体を示す図である。
【図3A】磁極が交番する8つの磁気区画により構成される、楕円形構成を有する多磁極性磁気組立体を示す図である。
【図3B】磁極が交番する6個の磁気区画を有し、四角柱状の構成を有する、多磁極性磁気組立体を示す図である。
【図4】円筒形筐体内に収容された円筒形多磁極性磁気組立体を示す図である。
【図5】円筒形筐体内に収容された四角柱状の多磁極性磁気組立体を示す図である。
【図6】三角柱状の筐体内に収容された円筒形多磁極性磁気組立体を示す図である。
【図7A】布地の2つの区画を磁気的に接続するために回転可能に磁極を整列させるよう構成された、2つの円筒形多磁極性磁気組立体を含む接合具装置を示す図である。
【図7B】整列された磁極により布地の2つの区画が磁気的に接続された状態にある、2つの円筒形多磁極性磁気組立体を含む接合具装置を示す図である。
【図8】図8A〜図8Bは、その磁気区画の磁極を第2多磁極性磁気組立体の磁極と整列させるために長手方向軸を中心として回転する、第1多磁極性磁気組立体を示す図である。図8C〜図8Dは、第2多磁極性磁気組立体と外側周囲に沿って長手方向に斜めにずれて磁気的に接続するためにその長手方向軸を中心として回転する、第1多磁極性磁気組立体を示す図である。
【図9】第2多磁極性磁気組立体が第1多磁極性磁気組立体の外側周囲に沿って長手方向に平行移動する間に、回転可能に相互作用し磁気的接続を保持する、第1多磁極性磁気組立体および第2多磁極性磁気組立体を示す図である。
【図10A】多磁極性磁気組立体を各接合縁部に近接して含む、三角形の枠組を形成する3つの接合縁部を備える接合部材を示す図である。
【図10B】磁気組立体と筐体との組合体を各接合縁部に近接して含む、三角形の枠組を形成する3つの接合縁部を含む接合部材を示す図である。
【図10C】磁気組立体と筐体との組合体を各接合縁部に近接して含む、三角形の構成を有する3つの接合縁部を含む接合部材を示す図である。
【図10D】回転可能な多磁極性磁気組立体を各接合縁部に近接して含む、三角形の枠組を有する3つの接合縁部を含む接合部材を示す図である。
【図11】各接合縁部が四角柱状の多磁極性磁気組立体を収容する円筒形筐体を含む、三角形の構成を有する3つの接合縁部を含む接合部材を示す図である。
【図12】各接合縁部に近接して収容された磁気組立体と筐体との組合体を含む、六角形の構成を有する6つの接合縁部を含む接合部材を示す図である。
【図13A】矩形の構成で配列された4つの接合縁部を有する第1の接合部材を含む第1接合具装置、及び矩形の構成で配列された4つの接合縁部を有する第2接合具装置を示す図である。
【図13B】整列した外側周囲に沿って磁気的に接続された、第1接合具装置及び第2接合具装置を示す図である。
【図14】外側周囲に沿って斜めにずれて第2接合具装置と磁気的に接続するために回転する接合部材の接合縁部に近接する多磁極性磁気組立体を示す図である。
【図15】外側周囲に沿って斜めにずれて磁気的に接続する第1接合具装置及び第2接合具装置を示す図である。
【図16A】各接合部材の各接合縁部に近接して回転可能な磁気組立体と筐体との組合体を含む、4つの三角形接合部材に磁気的に接続される過程にある矩形接合部材を備える接合具装置を示す図である。
【図16B】磁気組立体と筐体との組合体が、対向する磁極が整列するよう回転する、4つの三角形接合部材に磁気的に接続された矩形接合部材を備える接合具装置を示す図である。
【図17】四面体を形成するために、4つの三角形接合部材の各接合縁部を磁気的に接続する回転可能に整列された磁気組立体と筐体との組合体を含む、4つの三角形接合部材を備える接合具装置を示す図である。
【図18A】多磁極性磁気組立体を作成するように構成された、底部プレートとヒンジで付けられた上部プレートとを有するよう構成された磁化装置を示す図である。
【図18B】2つの磁化可能円筒が定位置に配置された状態にある磁化装置を示す図である。
【図18C】磁化装置を用いて作られた多磁極性磁気組立体を示す図である。
【図19】磁気接合具装置の一の実施形態の分解図を示す。
【図20】図19の実施形態の内部リテーナピースの一部の拡大図を示す。
【図21】磁気接合具装置の磁気ハウジングの拡大図を示す。
【図22】図19に示された磁気接合具装置の斜視図を示す。
【図23】図23Aは磁気接合具装置の製造方法の実施で溶接処理を受ける前の様々な構成要素の断面図を示し、図23Bは溶接処理を受けた後の図23Aに示された構成要素の断面図を示す。
【図24】図24Aは磁気接合具装置の他の実施形態の製造方法の他の実施で溶接処理を受ける前の様々な構成要素の断面図を示し、図24Bは溶接処理を受けた後の図24Aに示された構成要素の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
以下の説明において、本明細書に開示される様々な実施形態の完全な理解のために、特定の詳細が多数提供される。本明細書に開示されるシステム及び方法は、特定の詳細の内の1つ又は複数がなくても、または他の方法、構成要素、材料等を用いても、実施することができる。加えて、いくつかの場合においては、本開示の態様が曖昧になることを避けるために、周知の構造、材料、又は操作は、詳細には図示または説明されない。さらに、説明された特徴、構造、又は特性は、1つ又は複数の代替的な実施形態において、任意の適切な方法で組み合わされてもよい。
【0006】
本明細書では、2つの物体を磁気的に接続するために回転するように構成された磁気接合具を備える磁気接合具装置の実施形態が開示される。本明細書で開示されるようなこのような磁気接合具は、1又は複数の磁石ハウジングを備えてもよい。1又は複数の磁石は、磁石ハウジング内で回転できるように、1又は複数の磁石ハウジング内に配置されてもよい。より好ましい実施形態では、磁石は、ネオジム磁石又は他の強い磁力/磁束の磁石(high-strength/flux magnet)を備えてもよい。
【0007】
幾つかの実施形態において、磁石ハウジングは、安全目的のために、磁石の取り外しを禁止するように構成されてもよい。ネオジム磁石及び他の類似の磁石の強い磁力のために、磁気接合具装置のユーザ、特に子供のこのような磁石へのアクセスを制限することが望ましいことがある。このような磁石を飲み込むことに関係した危険性がよく実証されている。一部の例では、強い磁力の磁石を飲み込むことにより、死に至ることさえある。従って、このようなハウジング内に収容される磁石へのアクセスが制限されるように、磁石ハウジングを構成することが望ましいことがある。より詳細に説明されるように、様々な方法で、これをすることができる。
【0008】
例えば、磁石ハウジングを形成するために使用される材料は、非常に硬く、耐久性があり、強く、及び/又は頑丈であり、(子供等の)ユーザがハウジングを破壊して、ハウジング内に収容された磁石を取り外し、又はアクセスするのを防ぐ。他の例として、音波溶接は、装置の様々な構成要素が、不可能でないにしても、このような構成要素が音波溶接を中断することによって分離することが困難である方法で一緒にシールされるように使用され得る。また、他の実施形態として、1又は複数の構成要素が磁石ハウジングに1又は複数の開口を実質的に少なくとも埋めるために設けられ、さらにハウジング内の磁石へのアクセスを制限する。また、他の実施形態として、磁気接合具装置の一部は磁石ハウジングの1又は複数の部分を受けるように構成され得る1又は複数の凹部領域を備え、磁石ハウジングを磁気接合具装置から取り外すのを困難にさせる。
【0009】
磁石へのアクセスを制限する安全機能のさらなる他の実施形態として、磁気接合具装置は、磁石ハウジングを装置の他の部分に連結するために1又は複数の固定具を含んでもよい。幾つかの好ましい実施形態では、固定具は、装置の安全機能をさらに強化するためにユーザによって容易に取り外されることができない、リベット(rivets)又は他の固定具を備えてもよい。
【0010】
磁石ハウジングはまた、他の方法で摩耗や混入等に対して弱い位置で材料がより厚みがある(thicker)1又は複数の強化領域を備えてもよい。同様に、固定具を受ける開口に近接する磁石ハウジングの領域は、強化され、適切に曲げられ、加工され、又は、磁石ハウジングに収容される磁石が取り外されないこと、及び/又は磁石ハウジングが磁気接合具装置から取り外されないことをさらに保証するように構成されてもよい。好ましい実施形態では、多様な冗長安全機能/構成要素が装置に組み込まれ、磁石への望まれないアクセスに対するさらなる保護を提供する。多様な冗長安全機能/構成要素、例えば強い磁力の鋼製の磁石ハウジング(high-strength steel magnet housing)や音波溶接等を提供することによって、磁石が装置から取り外され得る機会が、完全に取り除かれない場合でも、劇的に減少し得る。
【0011】
磁石ハウジングはそれぞれ、接合縁部が他の磁気接合具装置の接合縁部と磁気的に接続されるように構成されるように、磁気接合具装置の接合縁部に沿って配置されてもよい。このように、様々な異なる形状及びサイズの磁気接合具装置は互いに連結され、より大きな構造体、玩具、プレイゲーム等を作成する。
【0012】
以下により詳細に説明されるように、幾つかの実施形態において、各磁石は多磁極性磁気組立体を備えてもよい。このような組立体は長手方向軸に沿って実質的に延在する第1半体及び第2半体を含んでもよい。第1半体は交番する磁極の少なくとも2つの磁気区画を備えてもよく、第2半体は対応する数の磁気区画を備えてもよい。第2半体の各磁気区画は、磁石の磁極がその長手方向に沿って交番するように第1半体の近接する磁気区画の磁極と反対の磁極を有してもよい。以下に説明するように、これらの組立体は、明細書で説明される本発明の特定の実施に有用な複数の利点を提供し得る。
【0013】
しかしながら、明細書に開示され、磁石ハウジングを含むがこれに限定されない様々な構成要素及び要素、リテーナピース、及び明細書に開示されたハウジングピースは、他の種類の磁石と共に使用されてもよい。例えば、幾つかの実施形態において、磁石は磁石それぞれの長手方向に沿って磁極を交番するように構成される必要がない。代わりに、例えば、発明の名称が「磁気接合具装置」である特許文献1に開示された磁石のように、たった2つの磁極を有する磁石が使用されてもよい。
【0014】
幾つかの実施形態において、磁気接合具装置は、磁石ハウジングと連結する内部リテーナピースと、内部リテーナピースと連結する第1外部ハウジングピースと、内部リテーナピースと連結する第2外部ハウジングピースとを備えるハウジングを備えてもよい。第1外部ハウジングピースは、内部リテーナピースが第1外部ハウジングピースと第2外部ハウジングピースとの間に配置されるように、第2外部ハウジングピースと磁気接合具装置の反対の側部に配置されてもよい。
【0015】
幾つかの実施形態において、磁気接合具装置はさらに、磁石ハウジングを係合するように構成された磁石ハウジングレシーバを備え、磁石ハウジングを内部リテーナピースに連結する。磁石ハウジングレシーバは、1又は複数の磁石ハウジング係合部材を備えてもよい。2つの磁石ハウジング係合部材を備える実施形態では、第1磁石ハウジング係合部材が磁石ハウジングの第1端部と係合するように構成されてもよく、第2磁石ハウジング係合部材が第1端部と反対の磁石ハウジングの第2端部と係合するように構成されてもよい。
【0016】
幾つかの実施形態において、第1磁石ハウジング係合部材は、1又は複数の磁石ハウジングプラグを備えてもよい。2つの磁石ハウジングプラグを備える実施形態では、第1磁石ハウジングプラグは第1端部で磁石ハウジングの開口を少なくとも実質的にシールするように構成され、第2磁石ハウジングプラグは第2端部で磁石ハウジングの開口を少なくとも実質的にシールするように構成されてもよい。
【0017】
幾つかの実施形態では、磁石ハウジングは円筒空洞を備える本体部材を備えてもよい。磁石は円筒空洞内に配置されてもよい。磁石は空洞内を回転可能であるか、以下により詳細に説明されるように、磁石は空洞内に配置された他の筐体内で回転可能であってもよい。さらに他の選択として、磁石は他の筐体内に配置され、筐体/磁石組立体は磁石ハウジングに対して回転可能であってもよい。
【0018】
1又は複数のプレート部材は、磁石ハウジングの本体部材から延在してもよい。プレート部材は、内部リテーナピースの外面に連結されてもよい。磁気接合具装置はさらに、プレート部材を内部リテーナピースに連結する1又は複数の固定具を備えてもよい。固定具は、プレート部材及び/又は内部リテーナピースの固定具開口(fastener openings)を介して配置されてもよい。固定具は、リベット、ネジ、ボルト、ピン等を備えてもよい。
【0019】
2つのプレート部材を有する磁石ハウジングを備える実施形態では、第1プレート部材は、本体部材から延在し、内部リテーナピースの第1の面に連結されてもよい。第2プレート部材は、本体部材から延在し、第1の面と反対の内部リテーナピースの第2の面に連結されてもよい。
【0020】
内部リテーナピースは、1又は複数のプレート部材を配置/受入用の内部リテーナピース上の1又は複数の凹部領域を備えてもよい。例えば、第1凹部領域は、第1プレート部材を受ける第1の面の内部に形成され、あるいは第1の面上に配置されてもよく、第2の凹部領域は、第2プレート部材を受ける第2の面の内部に形成され、あるいは第2の面上に配置されてもよい。
【0021】
磁気接合具はさらに、磁石を入れる筐体を備えてもよい。筐体は、磁石ハウジング内部に配置されてもよい。筐体は、筐体が磁石ハウジングに対して回転できるように、構成されてもよい。あるいは、筐体は、磁石が筐体(及びハウジング)に対して回転できるように、磁石ハウジングに対して固定されてもよい。
【0022】
磁気接合具装置は、複数の磁石/磁石ハウジングを備え、その各々は、装置の多数の縁部が磁気的に装置を他の磁気接合具装置に連結するのに使用されるように、装置の接合縁部に沿って配置されてもよい。磁石ハウジングの各々の内部に配置された各磁石は、磁石の対向する磁極を整列させて、2つ以上の磁気接合具装置を一緒に固定することができるように、磁石がそれぞれの磁石ハウジング内部で回転できるように構成されてもよい。
【0023】
幾つかの実施形態において、2つ以上の多磁極性磁気組立体は、対向する磁極を整列させて2つ以上の構成要素を磁気的に接続するために互いに対して回転するよう構成されてもよい。様々な実施形態によれば、多磁極性磁気組立体は、円筒形状、四角形状、角柱状状、及び/又は楕円形状であってもよい。代替的な形状も考えられる。多磁極性磁気組立体は任意個数の磁気区画を含んでもよく、各近接する磁気区画は、交番する磁極を有する。磁気組立体は、円筒形または三角柱状の筐体等の、筐体内に収容されてもよい。あるいは、磁気組立体は、接合具装置の接合部材又は他の構成要素に、他の方法で付着されてもよい。例えば、回転が容易になるように、棒材が1つ又は複数の磁気組立体の中心軸を通って延びるように配置されてもよい。
【0024】
いくつかの実施形態においては、多磁極性磁気組立体は、筐体内で及び筐体に対して、回転するように構成されてもよい。代替的な実施形態においては、多磁極性磁気組立体を収容する筐体は回転するように構成される。汎用接合具装置の部分を形成する筐体及び/又は磁気組立体は、対向する磁極を整列させるために、互いに対して回転するように構成されてもよい。いくつかの実施形態においては、磁気組立体は筐体に対して回転する。他の実施形態においては、磁気組立体はそれぞれの筐体内で固定され、筐体は、収容された磁気組立体の磁極を整列させるために、互いに対して回転する。
【0025】
いくつかの実施形態においては、接合部材は、三角形、正方形、矩形、他の多角形、または他の形状を形成するために、端部と端部とが固定されてもよい。あるいは、接合部材は、任意個数の側部すなわち接合縁部を有する多角形枠組を形成するために、端部において結合されてもよい。回転可能な多磁極性磁気組立体は、多角形の1つ又は複数の縁部に近接して、配置及び回転可能に固定されてもよい。例えば、円筒形磁石が、多角形の各側部に近接して配置されてもよい。さらに他の実施形態においては、例えば三角形、正方形等の中実物体が、多角形中実物体の1つ又は複数の縁部に近接して配置された回転可能な多磁極性磁気組立体を含んでもよい。
【0026】
筐体は、多角形形状の1つ又は複数の側端部に近接して不動に固定されてもよい。したがって、磁極を整列させるために、各固定された筐体内の磁気組立体は、磁極を整列させるために自由に回転するように構成されてもよい。
【0027】
他の実施形態においては、正方形、矩形、三角形等の2次元物体が、角錐、四面体等の3次元物体を作るために磁気的に接続されてもよい。
【0028】
多磁極性磁石を形成するための方法のいくつかの実施形態においては、磁化装置が、複数の磁気区画を含む多磁極性磁気組立体を形成するように適合されてもよい。底部プレートが、1つ又は複数のヒンジにより、上部加圧区域に固定されてもよい。磁化装置内に配置された円筒形の棒材が、次いで、多磁極性磁石を作るために用いられてもよい。
【0029】
また、新規な製造方法、及びこのような方法に使用されるプレカーサ構成要素(precursor components)が明細書に開示される。このような磁気接合具装置の製造方法の一例において、外部ハウジングピースは1又は複数の溶接接合突起を備えるように設けられてもよい。
【0030】
いくつかの実施形態において、このような溶接接合突起は、外部ハウジングピースの周囲の少なくとも一部に近接して形成されたV字形の頂上部(ridge)を備えてもよい。あるいは、溶接接合突起は、例えば、V字形の比較的とがった頂上部及び傾斜した側部よりむしろ、比較的平坦な頂上部及び/又は比較的平行な側部を有する溶接接合突起等、他の適当な形状を備えてもよい。また、第2外部ハウジングピースが設けられてもよい。
第2外部ハウジングピースはまた、溶接接合突起を備えてもよい。
【0031】
外部ハウジングピースの一方又は両方はまた、1又は複数のメルトチャンバ(melt chambers)で形成されてもよい。メルトチャンバは、以下に詳細に説明されるように、溶接接合突起からの材料が溶接処理中にメルトチャンバに溶融するように、溶接接合突起に近接して配置されてもよい。以下に説明するように、好ましい実施形態では、溶接処理は、音波溶接処理から構成されてもよい。
【0032】
メルトチャンバが両方の外部ハウジングピースに設けられる実施形態では、それぞれのメルトチャンバは、第1外部ハウジングピースのメルトチャンバが溶接処理中に第2外部ハウジングピースのメルトチャンバと少なくとも実質的に整列されるように、構成され、配置されてもよい。このような実施形態では、溶接接合突起からの材料は、溶融材料が凝固するとき、溶融材料が外部ハウジングピースと、いくつかの実施において、内部リテーナピースとを固着するように、(共に接合メルトチャンバを形成する)両方の外部ハウジングピースから一部のメルトチャンバを埋めてもよい。いくつかの実施形態では、接合メルトチャンバは、上部ハウジングピースのメルトチャンバ、下部ハウジングピースのメルトチャンバ、及び内部リテーナピースの表面の少なくとも一部によって形成されてもよい。1又は複数の外部ハウジングピース及び/又は内部リテーナピースは、音波溶接に適した材料、例えば、熱可塑性プラスチック材料、炭素繊維材料、金属材料、又は複合材料等から構成されてもよい。
【0033】
また、明細書の他の箇所で説明されるように、1又は複数の磁石ハウジングが設けられ、磁石ハウジングの各々は、磁石が磁石ハウジング内で回転できるように、磁石をハウジング内に含んでもよい。磁石ハウジングは、第1外部ハウジングピース、第2外部ハウジングピース、そして内部リテーナピースの少なくとも1つに連結されてもよい。そして、第1外部ハウジングピースは、第2外部ハウジングピース及び/又は内部リテーナピースに音波溶接されてもよい。
【0034】
本明細書を通じて「一実施形態」または「1つの実施形態」は、その実施形態に関して説明された1つの特定の特徴、構造、または特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書を通じて様々な箇所における「一実施形態において」または「1つの実施形態において」という表現は、すべて同一の実施形態を必ずしも参照するものではない。特に1つの「実施形態」は、システム、製造品、方法、またはプロセスの製品であってもよい。
【0035】
本明細書において概して説明され図面に図示される実施形態の構成要素は、多種多様な異なる構成で配列および設計されてもよい。本明細書に開示された実施形態に関して用いることができる産業基盤および製造プロセスのいくつかは、すでに利用可能である。したがって、磁石、接合具、プラスチック、形状、金属、複合物等に関連する周知の構造および製造プロセスは、本例示的実施形態の説明を不必要に不明瞭にすることを避けるために、詳細には図示または説明されない。加えて、説明された方法のステップは、特記ある場合を除いて、必ずしも何らかの特定の順番で、もしくは逐次的にさえも実施される必要はなく、またステップがただ1度のみ実施される必要もない。
【0036】
本開示の実施形態は、図面全体を通じて同様の構成要素が同様の参照番号で示される図面を参照することにより、もっともよく理解される。以下の説明においては、多数の詳細が、様々な実施形態の完全な理解のために提供される。しかし、本明細書に開示された実施形態は、特定の詳細の内の1つまたは複数がなくても、または他の方法、構成要素、材料、その他を用いても、実施することができる。他の例においては、周知の構造、材料、または操作は、本開示の態様を不明瞭にすることを避けるために、詳細には図示または説明されない。
【0037】
図1Aは、磁極が交番する4つの磁気区画101、103、105、および107によって構成された多磁極性磁気組立体100を示す。図示のように、多磁極性磁気組立体100は、長手方向軸110に沿って延在する第1半体111および第2半体112を含んでもよい。第1半体111は、第1磁極(N極)を有する第1磁気区画101と、反対の磁極(S極)を有する第2磁気区画105とを備えてもよい。第2半体112は、対応する個数の磁気区画103および107を含んでもよく、磁気区画103および107は、それぞれ、第1半体111における近接する磁気区画101および105の磁極と反対の磁極を有してもよい。
【0038】
図1Bは、図1Aに示す多磁極性磁気組立体と同様の多磁極性磁気組立体120の別の実施形態を示す。図示のように、多磁極性磁気組立体120は8つの磁気区画121〜128を含んでもよく、これらの磁気区画のそれぞれは、各近接する磁気区画の磁極と反対の磁極を有する。再び、多磁極性磁気組立体120は、長手方向軸に沿って延在する第1半体および第2半体を備えてもよい。各半体は、対応する個数の磁気区画を含んでもよい。図示のように、左側の半体は、それぞれN極、S極、N極、S極の磁極を有する4つの磁気区画121、123、125、および127を備えてもよい。右側の半体は、4つの対応する磁気区画122、124、126、および128を含んでもよく、それぞれの磁気区画は、左側半体における近接する磁気区画の磁極と反対の磁極を有してもよい。したがって、磁気区画122、124、126、および128は、それぞれS極、N極、S極、N極の磁極を有してもよい。
【0039】
図1Cは、任意個数の磁気区画131〜N2を有するよう構成された多磁極性磁気組立体130を示し、各磁気区画は、各近接する磁気区画の磁極と反対の磁極を有する。図1Cに示すように、多磁極性磁気組立体130は、所望により任意個数の磁気区画を備えてもよい。様々な実施形態によると、磁気組立体は、等しい個数のN極およびS極の磁気区画を有してもよい。加えて、S極を有する磁気区画の磁気強さは、N極を有する磁気区画の磁気強さと等しくてもよい。いくつかの実施形態によると、S極を有する磁気区画の体積および/または質量は、N極を有する磁気区画の体積および/または質量より大きくてもまたは小さくてもよい。
【0040】
いくつかの実施形態によると、近接する対向する磁極の磁気区画は、他の磁気区画の磁場を、強めるかまたは他の方法で変化させる場合がある。いくつかの実施形態においては、磁気組立体は、1つまたは複数の外側磁気区画の磁場が1つまたは複数の中心磁気区画の磁場を強めるよう構成されてもよい。例えば、磁気区画134は、近接する磁気区画132および136からの磁束の相互作用により、磁気区画134に近接する磁束をより多く有してもよい。これにより、内側磁気区画が外側磁気区画よりも、より大きい引揚げ強さを有することをもたらす場合がある。
【0041】
図2は、6つの磁気区画210〜235を有する多磁極性磁気組立体200を示し、各磁気区画は各近接する磁気区画の磁極と反対の磁極を有する。図示のように、磁気区画220および225は対向する磁極(それぞれS極およびN極)を有するよう構成され、磁気区画210、215、230、および235よりも物理的に大きい磁気区画であってもよい。いくつかの実施形態によると、磁気区画220および225は、磁気区画210、215、230、および235よりも、より大きい磁気強さを有してもよい。あるいは、対向する磁極を有する任意の磁気区画または磁気区画対は、別の磁気区画または磁気区画対よりも、物理的形状、体積、重量、または寸法に関わらず、より大きい磁気強さを有してもよい。
【0042】
図1A〜図2は、円筒形の構成を有する様々な実施形態の多磁極性磁気組立体100、120、130、および200を示す。図示のように、図3Aおよび図3Bにおいて多磁極性磁気組立体は任意の形状または寸法を取ることができる。図3Aは、8つの磁気区画305〜340からなる多磁極性磁気組立体300を示し、各磁気区画は、各近接磁気区画の磁極と反対の磁極を有する。図示のように、多磁極性磁気組立体300は、楕円形または卵形の構成であってもよい。多磁極性磁気組立体300の周囲の長さ、幅、高さ、および/または輪郭は、特定の用途に適切であると判断されるように適合または変更されてもよい。
【0043】
別の代替的な構成が提供される図3Bは、6つの磁気区画360〜385を有する多磁極性磁気組立体350を示し、各磁気区画は各近接磁気区画の磁極と反対の磁極を有する。多磁極性磁気組立体350は四角柱状の構成である。様々な実施形態によれば、磁気組立体350の長さ、幅、および高さは、特定の用途に対して適合されてもよい。
【0044】
図1A〜図3Bに関して説明された多磁極性磁気組立体の様々な実施形態は、単に例示的なものであり、唯一考えられ得る形状、寸法、または構成ではない。任意の正多角形のもしくは正多角形ではない多角形の角柱、円形の円筒形、および/または楕円の円筒形の形状を含む、多種多様な形状および寸法を有する多磁極性磁気組立体の追加的な形状および寸法が想定される。角柱状多磁極性磁気組立体は、直角、鈍角、または鋭角で基部を含んでもよい。さらに、周囲は不規則的であってもよく、および/または、図3Aに示す楕円形多磁極性磁気組立体等のように、平坦ではない基部を含んでもよい。
【0045】
多磁極性磁気組立体は、任意の多種多様な磁化可能な物質を用いて形成されてもよい。多磁極性磁気組立体は、複数の近接磁気区画を含む、単一の連続した磁性材料であってもよい。なお、これら磁気区画のそれぞれは、各近接磁気区画の磁極と反対の磁極を有する。あるいは、多磁極性磁気組立体は、複数の近接磁気区画を含む、単一の物理的材料であってもよい。なお、これら磁気区画のそれぞれは、各近接磁気区画の磁極と反対の磁極を有し、対向する磁極を有する磁気区画対のそれぞれは、磁化されていない材料の区画により、対向する磁極を有する磁極区域の対のもう1つから隔てられる。さらに別の実施形態によると、多磁極性磁気組立体は複数対の対向する磁極を有する磁気区画を接合することにより形成されてもよい。かかる実施形態においては、多磁極性磁気組立体は、その長手方向軸に沿って磁化され、各磁気区画が各近接磁気区画の磁極と反対の磁極を有するよう、端と端とが磁気的に接続された複数の磁石を含んでもよい。
【0046】
図4は、円筒形筐体475を備える接合部材内に収容された円筒形の多磁極性磁気組立体450を示す。図示のように、多磁極性磁気組立体450は6つの磁気区画410〜435を含んでもよく、これら磁気区画410〜435のそれぞれは、各近接磁気区画の磁極と反対の磁極を有する。様々な実施形態によれば、円筒形筐体475は、図示のように円形の円筒形であってもよく、または楕円形の円筒形であってもよい。多磁極性磁気組立体450は、長手方向軸に沿って円筒形筐体475内で自由に平行移動してもよく、または長手方向に固定されていてもよい。加えて、多磁極性磁気組立体450は円筒形筐体475内でその長手方向軸を中心にして自由に回転してもよく、または、円筒形筐体475内で不動に固定されてもよい。
【0047】
筐体が不必要となる他の実施形態も考えられる。例えば、回転が容易になるように、棒材が1つまたは複数の磁気組立体の中心軸を通って延在するよう配置されていてもよい。係る棒材は、所望により、磁気接合具装置内に配置された空洞内又は開口部内に配置されてもよい。
【0048】
図5は、円筒形筐体575を備える接合部材内に収容された四角柱状の多磁極性磁気組立体550を示す。四角柱状の多磁極性磁気組立体550は6つの磁気区画510〜535を含んでもよく、磁気区画510〜535のそれぞれは、各近接磁気区画の磁極と反対の磁極を有してもよい。様々な実施形態によれば、円筒形筐体575は、図示のように円形の円筒形であってもよく、または楕円形の円筒形であってもよい。多磁極性磁気組立体550は、長手方向軸に沿って円筒形筐体575内で自由に平行移動してもよく、または長手方向に固定されていてもよい。多磁極性磁気組立体550は円筒形筐体575内でその長手方向軸を中心として自由に回転してもよく、または、円筒形筐体575内で不動に固定されていてもよい。
【0049】
図6は、三角柱状の筐体675を備える接合部材内に収容された円筒形の多磁極性磁気組立体650を示す。多磁極性磁気組立体650は6つの磁気区画610〜635を含んでいてもよく、磁気区画610〜635のそれぞれは各近接磁気区画の磁極と反対の磁極を有してもよい。様々な実施形態によれば、三角柱状の筐体675は、任意個数の側面、寸法、高さ、および/または基部角度を有する、任意の多角形角柱状の筐体に変更されてもよい。多磁極性磁気組立体650は長手方向軸に沿って角柱状の筐体675内で自由に平行移動してもよく、または長手方向に固定されていてもよい。多磁極性磁気組立体650は角柱状の筐体675内でその長手方向軸を中心として自由に回転してもよく、または、角柱状の筐体675内で不動に固定されてもよい。
【0050】
図7Aは、布地の区画750および760を備える、2つの接合部材を磁気的に接続するために回転可能に磁極を整列させるよう構成された、2つの円筒形多磁極性磁気組立体710および730を備える接合具装置700を示す。図示のように、各多磁極性磁気組立体710および730は、それぞれ筐体720および740内に収容されてもよい。図示のように、多磁極性磁気組立体710の磁気区画の磁極は、多磁極性磁気組立体730の磁気区画と整列していない。したがって、図7Aに示された方向において、多磁極性磁気組立体710および730は互いに対して反発し合うことになる。
【0051】
様々な実施形態によれば、多磁極性磁気組立体710および730の磁気区画の反発力により、多磁極性磁気組立体710および730の内の1つまたは両方は、多磁極性磁気組立体710および730のそれぞれの磁気区画の磁極を整列させるために、長手方向軸を中心として回転する。この回転は、以下に詳述するように、固定された筐体内の磁気組立体の回転を含んでもよく、または、代替的に筐体自体の回転を含んでもよい。図7Aから図7Bへの遷移は、多磁極性磁気組立体710が、多磁極性磁気組立体730と磁気的に接続するために、その長手方向軸を中心として回転することを示す。
【0052】
いくつかの実施形態によると、多磁極性磁気組立体710は、筐体720内で筐体720に対して長手方向軸を中心として回転してもよい。かかる実施形態においては、多磁極性磁気組立体と筐体との組み合わせ体710、720および730、740は、布地区画750および760に不動に取り付けられてもよい。あるいは、多磁極性磁気組立体710は筐体720内で不動に固定され、筐体720は、多磁極性磁気組立体710および730のそれぞれの磁気区画を整列させるために、その長手方向軸を中心として回転するよう構成されてもよい。かかる実施形態においては、多磁極性磁気組立体と筐体との組み合わせ体710、720および730、740は、布地区画750および760の縁または他の空洞内で回転可能に固定されてもよい。
【0053】
図7Bは、2つの円筒形多磁極性磁気組立体と筐体との組み合わせ体710、720および730、740を備える接合具装置700を示す。図示のように、各多磁極性磁気組立体710および730の磁気区画が整列した状態で、多磁極性磁気組立体と筐体との組み合わせ体710、720および730、740は互いに対して磁気的に接続し、それにより布地区画750および760が接続される。布地区画750および760等の布地を接続することに加えて、多磁極性磁気組立体と筐体との組み合わせ体710、720および730、740等の1つまたは複数の多磁極性磁気組立体と筐体との組み合わせ体は、多種多様な物質、構成要素、または製品を磁気的に接続するために用いられてもよい。
【0054】
図8Aは、第1多磁極性磁気組立体825および第2多磁極性磁気組立体850を示す。この実施形態においては、第1多磁極性磁気組立体825および第2多磁極性磁気組立体850のそれぞれは8つの磁気区画を備える。各磁気区画は、各近接磁気区画の磁極と反対の磁極を有してもよい。第2多磁極性磁気組立体850が第1多磁極性磁気組立体825に接近するにつれて、第1多磁極性磁気組立体825は、第1多磁極性磁気組立体825および第2多磁極性磁気組立体850のそれぞれの磁気区画の磁極を整列するために、回転してもよく、その結果、第1多磁極性磁気組立体825および第2多磁極性磁気組立体850は磁気的に接続してもよい。
【0055】
図8Bに示すように、第1多磁極性磁気組立体825のその長手方向軸を中心とする回転は、その磁気区画の磁極を、第2多磁極性磁気組立体の磁気区画の磁極に整列させてもよい。磁極が正しく整列すると、第1多磁極性磁気組立体825および第2多磁極性磁気組立体850は、整列した外側周囲に沿って磁気的に接続する。代替的な実施形態においては、第2多磁極性磁気組立体850は、第1多磁極性磁気組立体825に加えて、または第1多磁極性磁気組立体の代わりに、回転してもよい。
【0056】
図8C〜図8Dは、外側周囲に沿って斜めにずれて第2多磁極性磁気組立体850と磁気的に接続するために、その長手方向軸を中心として回転する第1多磁極性磁気組立体825を示す。図8Cに示すように、第1多磁極性磁気組立体825は、第1多磁極性磁気組立体825および第2多磁極性磁気組立体850のそれぞれの磁気区画を正しく整列させるために、その長手方向軸を中心として回転してもよい。
【0057】
2磁極性磁石とは対照的に、多磁極性磁気組立体を用いることの1つの結果は、2つ以上の多磁極性磁気組立体が、互いに対して外側周囲に沿って長手方向に斜めにずれて磁気的に接続する場合がある。図8Dに示すように、第1多磁極性磁気組立体825は、2つの磁気区画分だけ長手方向に斜めにずれた状態で、第2多磁極性磁気組立体850に磁気的に接続されてもよい。他の実施形態においては、第1多磁極性磁気組立体825は任意個数の磁気区画を含んでもよく、第2多磁極性磁気組立体850は、1つまたは複数の磁気区画分だけ外側周囲に沿って長手方向に斜めにずれて磁気的に接続されてもよい。
【0058】
図9A〜図9Gは、第2多磁極性磁気組立体950が第1多磁極性磁気組立体925に対して長手方向軸に沿って平行移動する間に、回転可能に相互作用し磁気的接続を維持する第1多磁極性磁気組立体925および第2多磁極性磁気組立体950を示す。図9Aから始まって、第1多磁極性磁気組立体925は、整列された外側周囲に沿って、第2多磁極性磁気組立体950に磁気的に接続されてもよい。この図面では円筒形状として図示されているが、第1多磁極性磁気組立体925および第2多磁極性磁気組立体950は、円筒形状、球状、楕円形状、矩形状、平行6面体、台形状、および/または任意の他の適切な形状であってもよい。さらに、第1多磁極性磁気組立体925および第2多磁極性磁気組立体950はそれぞれ、長手方向軸に沿って延在する第1半体および第2半体を含み、第1半体および第2半体のそれぞれは、各近接磁気区画の磁極と反対の磁極を有する任意個数の磁気区画を備えてもよい。図9A〜図9Gに示すように、多磁極性磁気組立体925および950のそれぞれは、磁極が交番する8つの磁気区画を含む。
【0059】
図9Bにおいては、第2多磁極性磁気組立体950は、第1多磁極性磁気組立体925の外側周囲に沿って長手方向に平行移動する。それぞれの磁気区画の磁極に配列ずれが生じるにつれて、第1多磁極性磁気組立体925は、磁極の適切な整列状態を維持するために、回転してもよい。第1多磁極性磁気組立体925が回転すると、第2多磁極性磁気組立体950は、図9Cに示すように1つの磁気区画分だけ長手方向に斜めにずれた状態で、磁気的に接続されてもよい。あるいは、第2多磁極性磁気組立体950が、磁極の適切な整列状態を維持するために回転してもよい。
【0060】
図9Dに続いて、第2多磁極性磁気組立体950は、第1多磁極性磁気組立体925に対して、さらに長手方向に平行移動してもよい。再び、それぞれの磁気区画の磁極に配列ずれが生じるにつれて、第1多磁極性磁気組立体925は、第1多磁極性磁気組立体925および第2多磁極性磁気組立体950が磁気的に接続された状態が保持されるよう、磁極の適切な整列を維持するように回転してもよい。図9Eに示すように、第1多磁極性磁気組立体925および第2多磁極性磁気組立体950は、2つの磁気区画分だけ長手方向に斜めにずれた状態で、磁気的に接続された状態を保持する。
【0061】
図9Fは、第1多磁極性磁気組立体925に対してさらに平行移動する第2多磁極性磁気組立体950を示す。第1多磁極性磁気組立体925は、第1多磁極性磁気組立体925および第2多磁極性磁気組立体950のそれぞれの磁気区画の間で引き寄せ合う磁極整列を維持するために、再び回転してもよい。図9Gに示すように、第1多磁極性磁気組立体925および第2多磁極性磁気組立体950は、多磁極性磁気組立体925および950のそれぞれからの単一の磁気区画が磁気的接続を保持するよう、外側周囲に沿って斜めにずれた磁気的に接続された状態を保持してもよい。
【0062】
図8A〜図8Dおよび図9A〜図9Fに伴う考察から理解されるように、本明細書に開示される多磁極性磁気組立体の様々な実施形態は、近接する多磁極性磁気組立体に対して複数の個別接続点を有してもよい。通常、かかる組立体のそれぞれは、磁気区画対の個数と同じ個数の接続点を有するであろう。
【0063】
図10Aは、接合部材1000を有する接合装置を示す。接合部材1000は、3つの接合縁部1003、1005、および1007を備える。接合縁部1003は、接合棒1004を備える開放領域を備える。接合棒1004は多磁極性磁気組立体1017の中心軸を通って延在し、多磁極性磁気組立体1017は接合棒1004を中心として回転することが可能である。いくつかの実施形態においては、棒1004は上部棒区画および下部棒区画を備え、多磁極性磁気組立体1017の中心軸に接続されてもよいが、その全体を貫通して延長しなくてもよい。加えて、接合棒1004は、開放領域の代わりに、接合部材内に形成された空洞内に配置されてもよい。
【0064】
接合部材1000は、他に2つの接合縁部1005および1007も備え、これらのそれぞれは、筐体1013および筐体1015内に、多磁極性磁気組立体1018および多磁極性磁気組立体1019をそれぞれ収容する。これら接合縁部のそれぞれはともに合体して三角形状の構成を形成する。図10Aに示すように、多磁極性磁気組立体1017、1018、および1019のそれぞれは、その長手方向軸まわりに回転するよう構成されてもよい。したがって、三角形1000の接合縁部1003、1005、および1007は、その長手方向軸を中心として回転するように適合された、多磁極性磁気組立体1017、1018、および1019を含んでもよい。多磁極性磁気組立体1017、1018、および1019は、三角形1000の接合縁部1003、1005、および1007に近接して回転してもよく、その磁気区画のそれぞれの磁極をもう1つの多磁極性磁気組立体のそれぞれの磁気区画の磁極と整列させてもよい。したがって、三角形1000は、任意の角度で、三角形1000と同様の構成を有する別の三角形と、または別の構成を有する別の磁気接合具装置と、側部1003、1005、および1007のいずれかに沿って、磁気的に接続されてもよい。
【0065】
図10Bは、各接合縁部に近接して磁気組立体と筐体との組み合わせ体1037、1031および1038、1033および1039、1035を含み、三角形の構成を有する、3つの接合縁部すなわち側部1023、1025、および1027を備える接合部材1020を示す。様々な実施形態によれば、多磁極性磁気組立体1037、1038、および1039は、円筒形状、角柱状、および/または別の形状であってもよい。筐体1031、1033、および1035は、円筒形状、角柱状、および/または別の形状を有してもよい。例えば、磁気組立体1037、1038、および1039は、2つ以上の磁気区画を有する球状の磁気組立体として構成されてもよい。かかる実施形態においては、筐体1031、1033、および1035は、球状の磁気組立体を収容するよう適合された、対応する球または円筒形として構成されてもよい。
【0066】
磁気組立体1037、1038、および1039は、筐体1031、1033、および1035内で筐体1031、1033、および1035に対して回転するよう構成されてもよい。あるいは、磁気組立体1037、1038、および1039は、筐体1031、1033、および1035内で固定されてもよい。かかる実施形態においては、磁気組立体1037、1038、および1039は、それらの長手方向軸まわりに回転するよう構成されてもよい。いずれの実施形態においても、筐体1031、1033、および1035は、側部1023、1025、および1027を、三角形接合部材1020と同様の別の三角形等の、同様の磁気組立体を含む他の物体と磁気的に接続するために、各磁気組立体1037、1038、1039の各磁気区画の磁極を他の磁気組立体と整列させるように、それらの長手方向軸を中心として回転してもよい。
【0067】
図10Cは、各接合縁部1043、1045、および1047に近接して磁気組立体と筐体との組み合わせ体1057、1051および1058、1053および1059、1055を含む、三角形の構成を有する3つの接合縁部を備える接合部材1040を示す。上述の実施形態と同様に、磁気組立体1057、1058、および1059は、筐体1051、1053、および1055内で筐体1051、1053、および1055に対して回転するよう構成されてもよい。あるいは、磁気組立体1057、1058、および1059は、筐体1051、1053、および1055内で固定されてもよい。係る実施形態においては、筐体1051、1053、および1055は、それぞれの長手方向軸を中心として回転するよう構成されてもよい。さらに他の実施形態においては、筐体1051、1053、および1055は省略されてもよく、磁気組立体1057、1058、および1059は、三角形接合部材1040の側部1043、1045、および1047に近接する空洞または中空部内でそれらの長手方向軸を中心として回転するよう構成されてもよい。
【0068】
図10Dは、三角形の枠組を有する、3つの接合縁部1063、1065、および1067を備える接合部材1060を示す。磁気組立体と筐体との組み合わせ体1078、1073および1079、1075は、接合縁部1065および1067のそれぞれに不動に取り付けられてもよい。この図示された実施形態によれば、筐体1073および1075は、各側部区画1065および1067の内側部分または外側部分に固定的に取り付けられてもよい。磁気組立体1078および1079は、接合縁部1065および1067を、三角形接合部材1060と同様の別の三角形等の、同様の磁気組立体を含む別の物体に磁気的に接続するために、筐体1073および1075内で筐体1073および1075に対して回転することにより各磁気組立体1078および1079の各磁気区画の磁極を整列させるよう構成されてもよい。あるいは、単一の縁部または接合部材をのみ有するもの等の、他の構成の磁気接合具装置は、三角形の枠組1060として構成された磁気接合具装置、または本明細書に開示された任意の他の磁気接合具装置を用いて、接続されてもよい。図面に示されるように、接合縁部1063は、接合縁部1063に取り付けられ整合縁部1063に対して実質的に平行であるが接合縁部1063から偏位された、接合棒1071を備える。多磁極性磁気組立体1077は、接合縁部1063を他の物体の接合縁部と磁気的に接続するために、接合棒1071を中心として回転するように構成されてもよい。
【0069】
図11は、三角形の構成を有する、3つの接合縁部すなわち側部1103、1105、および1107を備える接合部材1100を示し、これら接合縁部1103、1105、および1107のそれぞれは、四角柱状の多磁極性磁気組立体1122、1124、および1126を収容する円筒形筐体1111、1113、および1115を含む。様々な実施形態によれば、四角柱状多磁極性磁気組立体1122、1124、および1126は、筐体1111、1113、および1115内で容易に回転しなくてもよく、または、筐体1111、1113、および1115内で不動に取り付けられてもよい。したがって、筐体1111、1113、および1115は、各側部1103、1105、および1107内で回転することにより、各多磁極性磁気組立体1122、1124、および1126の各磁気区画の磁極が他の多磁極性磁気組立体の磁気区画と整列することが可能となるよう構成されてもよい。
【0070】
図12は、各接合縁部1210〜1215に近接して磁気組立体と筐体との組み合わせ体1201〜1206を含む、六角形の構成1200を有する6つの接合縁部1210〜1215を備える接合部材を示す。前述のように、各磁気組立体と筐体との組み合わせ体1201〜1206内の多磁極性磁気組立体は、対応する筐体とともに、あるいは、対応する筐体に対して、回転するよう構成されてもよい。
【0071】
図13Aは、矩形の構成に配列された4つの接合縁部を有する第1接合部材を備える第1接合具装置1310と、4つの接合縁部1321〜1324を有する第2接合部材を備える第2接合具装置1350とを示す。図示のように、第1接合具装置1310の4つの接合縁部すなわち側部のそれぞれは、磁気組立体と筐体との組み合わせ体1311〜1314を収容してもよい。様々な実施形態によれば、各磁気組立体と筐体との組み合わせ体1311〜1314内に収容された多磁極性磁気組立体は、円筒形状、角柱状、および/または他の好適な形状であってもよい。同様に、筐体自体が、円筒形状、角柱状、および/または他の形状であってもよい。
【0072】
第2接合部材1350は4つの筐体1321〜1324を備えてもよく、筐体1321〜1324のそれぞれは多磁極性磁気組立体1331〜1334を収容する。筐体1321〜1324は、端と端とが接続され、任意個数の多角形の形状を成形するような形状を有してもよい。各多磁極性磁気組立体1331〜1334は、それぞれの筐体1321〜1324内で長手方向軸を中心として回転してもよい。
【0073】
図13Aに示すように、第1接合部材1310および第2接合部材1350が互いに対して接近すると、磁気組立体と筐体との組み合わせ体1314内の多磁極性磁気組立体は、磁気組立体と筐体との組み合わせ体1314および多磁極性磁気組立体1331のそれぞれの磁気区画を整列させるために、回転してもよい。これらの磁気区画が整列すると、第1接合部材1310および第2接合部材1350は、図13Bに示すように、長手方向に整列した外側周囲1315および1325に沿って磁気的に接続されてもよい。あるいは、多磁極性磁気組立体1331のみ、または磁気組立体と筐体との組み合わせ体1314内の筐体が、それぞれの磁気区画を整列するために、長手方向軸を中心として回転してもよい。
【0074】
図14Aは、長手方向に斜めにずれた外側周囲1455および1480に沿って第1接合具装置1450と磁気的に接続するために、第2接合部材1475内で回転する多磁極性磁気組立体1485を示す。様々な実施形態によれば、多磁極性磁気組立体1485は、多磁極性磁気組立体1485および磁気組立体と筐体との組み合わせ体1460内の多磁極性磁気組立体のそれぞれの磁気区画を整列するために、回転してもよい。代替的な実施形態によれば、磁気組立体と筐体との組み合わせ体1460の筐体内の多磁極性磁気組立体または組み合わせ体1460の筐体のいずれかが、多磁極性磁気組立体1485の代わりに、長手方向軸に沿って回転してもよい。
【0075】
図14Bに示すように、第1接合部材1450および第2接合部材1475の各々の内の各多磁極性磁気組立体が(唯一の対ではなく)複数対の磁気区画を含むため、第1接合部材1450および第2接合部材1475は、長手方向に斜めにずれた外側周囲1455および1480に沿って磁気的に接続してもよい。その結果、上述したように、2つの接合具装置の側部のそれぞれに沿って、4つの別個の接続点が存在することとなる。
【0076】
図15Aは、相互に対して接近する第1接合部材1550および第2接合部材1575を示す。図示のように、磁気組立体と筐体との組み合わせ体1560内の磁気区画は、多磁極性磁気組立体1585の磁気区画に対して整列していない。したがって、第1接合部材1550および第2接合部材1575が外側周囲1555および1580に沿って長手方向において磁気的に整列しない場合、多磁極性磁気組立体の内の1つが回転することが必要となる。しかし、図15Bに示すように、第1接合具装置1550は、それぞれの外側周囲1555および1580が1つの磁気区画分だけ長手方向に斜めにずれるなら、磁石の回転がなくとも、第2接合具装置1575と磁気的に接続する場合がある。
【0077】
ともに接続されるべき2つの接合具装置の内の1つのみが回転可能な多磁極性磁気組立体を備える実施形態が考えられる点も理解すべきである。多磁極性磁気組立体の内の1つが回転可能である限り、固定されて回転不可能な多磁極性組立体を備える別の装置と接続することができる。
【0078】
図16Aは、4つの三角形接合部材1610〜1640に磁気的に接続される途中にある矩形接続部材1650を備える接合具装置1600を示す。矩形接合部材1650および三角形接合部材1610〜1640のそれぞれは、磁気組立体または磁気組立体と筐体との組み合わせ体を、各接合部材1610〜1650のそれぞれの各接合縁部に近接して備えてもよい。各磁気組立体または磁気組立体と筐体との組み合わせ体は、回転することにより、各多磁極性磁気組立体の各磁気区画の磁極を、近接接合部材1610〜1650における多磁極性磁気組立体の磁気区画と整列させることが可能となるよう構成されてもよい。したがって、矩形接合部材1650の各接合縁部は、三角形接合部材1610〜1640の内の1つの接合縁部に磁気的に接続されてもよい。
【0079】
様々な実施形態によれば、各磁気組立体と筐体との組み合わせ体内の磁気組立体は、その対応する筐体内で、あるいは、その対応する筐体に対して、回転するよう構成されてもよい。したがって、磁気組立体が自由に回転可能であるため、矩形接合部材1650および三角形接合部材1610〜1640のそれぞれの接合縁部は、任意の角度で磁気的に接続可能であり、接続後は相互に対して枢動可能である。
【0080】
図16Aから図16Bへの遷移において示されるように、多磁極性磁気組立体1633および1643は、矩形接合部材1650内のそれぞれの近接多磁極性磁気組立体と磁気的に接続するために、それらの長手方向軸を中心として回転することによりそれぞれの磁気区画の磁極を整列させてもよい。
【0081】
図16Bは、各接合縁部において三角形接合部材1610〜1640のそれぞれの接合縁部に磁気的に接続された矩形接合部材1650を備える接合具装置1600を示す。多磁極性磁気組立体1633および1643は、矩形接合部材1650内の対応する多磁極性磁気組立体に対して整列および磁気的に接続するために、それらの長手方向軸を中心として回転している。
【0082】
様々な実施形態によれば、三角形接合部材1610〜1640のそれぞれは、それらの磁気的に接続された側面を中心として矩形接合部材1650に対して枢動してもよい。したがって、三角形接合部材1610〜1640は、矩形基部および4つの三角形表面を有する角錐を形成するために引き合わされてもよい。かかる実施形態においては、三角形接合部材1610〜1640のそれぞれの残りの未接続接合部材のそれぞれは、別の三角形接合部材1610〜1640の接合縁部に磁気的に接続されてもよい。三角形接合部材1610〜1640のそれぞれの各接合縁部における多磁極性磁気組立体は、それぞれの磁気区画の磁極を整列させるために、筐体とともに、または、筐体に対して、その長手方向軸を中心として回転してもよい。
【0083】
図17は、4つの三角形接合部材1710、1720、1730、および1740を備える接合具装置1700を示す。各三角形接合部材1710、1720、1730、および1740は、1つまたは複数の多磁極性磁気組立体と筐体との組み合わせ体を備えてもよい。各多磁極性磁気組立体と筐体との組み合わせ体は、四面体を形成するために、回転可能に、各三角形接合部材1710、1720、1730、および1740の各接合縁部が、別の三角形接合部材1710、1720、1730、および1740の他の接合縁部に磁気的に接続することを可能にしてもよい。様々な実施形態によれば、各三角形接合部材1710、1720、1730、および1740の各接合縁部は筐体を備え、その長手方向軸を中心として回転するよう構成された多磁極性磁気組立体を収容してもよい。
【0084】
あるいは、各三角形接合部材1710、1720、1730、および1740の各接合縁部は、1つまたは複数の多磁極性磁気組立体を収容するよう構成された筐体を、回転可能にまたは不動に、固定してもよい。接合部材が筐体を不動に固定する実施形態においては、多磁極性磁気組立体は、その長手方向軸を中心として筐体内で筐体に対して回転するよう構成されてもよい。接合部材が筐体を回転可能に固定する実施形態においては、多磁極性磁気組立体は、筐体が回転すると、その長手方向軸を中心として筐体とともに回転するよう構成されてもよい。
【0085】
様々な実施形態によれば、任意の多角形形状が、三角形接合部材1710、1720、1730、および1740の代わりに用いられてもよく、任意個数の表面を有する多面体を形成するために、磁気的に接続してもよい。同様に、様々な多角形形状の任意の組合せが、任意個数の形状および/または形状の組み合わせを形成するために、磁気的に接続されてもよい。例えば、オベリスクを形成するために、4つの矩形接合部材が4つの三角形接合部材と接続されてもよい。さらに、いくつかの実施形態は、概して単一の寸法のみが延在する部材を備えてもよい。その結果、それぞれの磁気接合具装置が多角形の1つの側面を形成する、多角形形状がいくつかの別個の磁気接合具装置を用いて形成される場合がある。
【0086】
前述のように、多磁極性磁気組立体は、単一の連続した磁性材料を用いて形成されてもよく、または代替的に、多磁極性磁気組立体は、各磁気区画が各近接磁気区画の磁極と反対の磁極を有するよう、端部と端部とが接続された反対に磁化された複数対の磁気区画を接続することにより、形成されてもよい。
【0087】
図18Aは、多磁極性磁気組立体を作るよう構成された、底部プレート1801および上部プレート1802を有するよう構成された磁化装置1800を示す。図示のように、上部プレート1802は、上部プレート1802が底部プレート1801の直接上方に配置されるまで、ヒンジ1812を中心として枢動されてもよい。代替的な実施形態においては、上部プレート1802は、ヒンジ1812により底部プレート1801に取り付けられなくてもよく、代わって、底部プレート1801に対して直接下方に押し付けられてもよい。図示のように、底部1801および上部1802プレートのそれぞれは、磁化可能な物質を受容するよう構成された1つまたは複数の溝部1850を備えてもよい。溝部1850内に配置された磁化可能な物質に対して、交番する磁場を放射するよう構成された磁化プレート1820および1830が各溝部に近接して存在する。
【0088】
図18Bは、2つの磁化可能な円柱1890および1891が定位置に配置された状態にある、磁化装置1800を示す。磁化可能な円柱1890および1891が定位置に配置されると、上部プレート1802は、底部プレート1801へと、ヒンジ1812を中心として枢動される。電流が、磁化プレート1820および1830に沿ってそれぞれ正の磁場および負の磁場を形成するために、ケーブル1810および1812に設けられてもよい。交番する磁極を有する磁化プレート1820および1830は、長手方向軸に沿って延在する第1半体および第2半体を備える多磁極性磁気組立体を作るために、磁化可能な円柱1890および1891を磁化してもよい。第1半体は、磁極が交番する磁気区画を含んでもよく、第2半体は、その磁気区画のそれぞれが、第1半体における近接磁気区画の磁極と反対の磁極を有する、対応する個数の磁気区画を含んでもよい。
【0089】
図18Cは、図18Aおよび図18Bに関して説明された磁化装置を用いて作られた多磁極性磁気組立体1890の例示的実施形態を示す。図示のように、多磁極性磁気組立体1890は、長手方向軸に沿って延在する第1半体および第2半体を含む。第1半体は、交番する磁極を有する3つの磁気区画を備え、第2半体は、磁気区画のそれぞれが第1半体における近接磁気区画の磁極と反対の磁極を有す、3つの対応する磁気区画を備える。
【0090】
図19は、磁気接合具装置1900の実施形態の拡大図を示す。磁気接合具装置1900は、第1外部ハウジングピース1910と、内部リテーナピース1920と、第2外部ハウジングピース1930とを備える。4つの磁石ハウジング1940は、内部リテーナピース1920と連結される。磁石ハウジング1940の各々は、それぞれの磁石1945を保持するように構成される。磁石1945は、磁石1945が磁石ハウジング1940内で回転できるように、それぞれの磁石ハウジング1940内に配置されてもよい。
【0091】
いくつかの実施形態では、1又は複数の磁石ハウジング1940は、安全目的のために、その中に含まれる磁石1945をハウジングから取り外されるのを防ぎ、又は少なくとも妨げるように構成されてもよい。明細書に開示された様々な機能はこのような目的の達成を促進する。例えば、1又は複数の磁石ハウジング1940は、強い磁力の、破損及び変形が困難な材料から構成されてもよい。このような材料の具体例は、ステンレス鋼金属、チタン及び/又は関連合金等の強い磁力の金属及び他の類似の材料や、炭素繊維等の複合材料や、他の類似の材料を含む。
【0092】
いくつかの実施形態では、他の機能がまた、あるいは代わりに提供され、磁石の取り外しを抑制する目的を果たす。例えば、以下により詳細に説明されるように、1又は複数の磁石ハウジング係合部材は、磁石ハウジングの1又は複数の開口を少なくとも実質的に埋めるために設けられてもよい。さらに、または代わりに、内部リテーナピース1920等の磁気接合具装置の部品は、磁石ハウジングの1又は複数の部分を受けるように構成される1又は複数の凹部領域を備え、磁気接合具装置から磁石ハウジングを取り外すのをより困難にさせてもよい。
【0093】
磁石ハウジングはまた、以下により詳細に説明されるように、磁石ハウジングを磁気接合具装置の他の部分に連結する固定具を受けるための1又は複数の開口を含んでもよい。磁石ハウジングはまた、摩耗や混入等に対して弱い位置で材料がより厚みがある(thicker)1又は複数の強化領域を備えてもよい。例えば、磁石ハウジング係合部材によって埋められる開口を備える実施形態では、このような開口に近接する磁石ハウジングの領域が強化され、適切に曲げられ、加工され、又は、磁石ハウジングに収容される磁石が取り外されないことをさらに保証するように構成されてもよい。
【0094】
同様に、固定具を受ける任意の開口に近接する磁石ハウジングの領域が、強化され、適切に曲げられ、加工され、又は、磁石ハウジングに収容される磁石が取り外されないこと、及び/又は磁石ハウジングが磁気接合具装置から取り外されないことをさらに保証するように構成されてもよい。例えば、表現された実施形態では、磁石を収容する磁石ハウジングの円筒部分は、プレート部材等の磁石ハウジングの他の部分に関連して、実質的に直角に配置されてもよい。このような構成は、図21に最もよく見られる。いくつかの好ましい実施形態では、固定具は、リベット、又は装置の安全機能をさらに強化するためにユーザによって容易に取り外されない他のこのような固定具を備えてもよい。
【0095】
いくつかの実施形態では、磁石1945は、1又は複数の、上述した多磁極性磁気組立体を備えてもよい。このような組立体は、長手方向軸に沿って実質的に延在する第1半体及び第2半体を備えてもよい。第1半体は交番する磁極の少なくとも2つの磁気区画を備え、第2半体は対応する数の磁気区画を備えてもよい。第2半体の各磁気区画は、磁石の磁極がその長手方向に沿って交番するように第1半体の近接する磁気区画の磁極と反対の磁極を有してもよい。
【0096】
磁石ハウジング1940の各々と、従って磁石1945の各々とは、装置1900の接合縁部に沿って配置される。より具体的には、正方形の装置1900の接合縁部1902、1904、1906及び1908各々は、これらの接合縁部のいずれかが使用され、該装置を他の磁気接合具装置に1又は複数の接合縁部に沿って磁気的に連結することができるように、付随する磁石/磁石ハウジングを有する。
【0097】
表現された実施形態では、第1外部ハウジングピース1910は、内部リテーナピース1920が第1外部ハウジングピース1910と第2外部ハウジングピース1930との間に配置されるように、第2外部ハウジングピース1930と接合具装置1900の反対側に配置される。磁気接合具装置の製造方法のいくつかの好ましい実施では、内部リテーナピース1920は、以下により詳細に説明されるように、第1外部ハウジングピース1910及び第2外部ハウジングピース1930に音波溶接されてもよい。
【0098】
図20は、磁気接合具装置1900の内部リテーナピース1920の一部の拡大図を示す。より具体的には、図20は、(図20に図示しない)磁石ハウジング1940と係合するように構成され、磁石ハウジング1940を内部リテーナピース1920に連結する磁石ハウジングレシーバ1922を示す。磁石ハウジングレシーバ1922は、第1磁石ハウジング係合部材1923と、第2磁石ハウジング係合部材1924とを備える。第1磁石ハウジング係合部材1923は磁石ハウジング1940の第1端部に係合するように構成され、第2磁石ハウジング係合部材1924は第1端部と反対の磁石ハウジング1940の第2端部と係合するように構成される。
【0099】
表現された実施形態では、第1磁石ハウジング係合部材1923と第2磁石ハウジング係合部材1924それぞれは、磁石ハウジング1940の開口を少なくとも実質的にシールするように構成される磁石ハウジングプラグを備える。いくつかの実施形態では、1又は複数の磁石ハウジング係合部材及び/又は1又は複数の磁石ハウジングの少なくとも一部は、シール機能等を促進するように構成される可撓性材料又は弾性材料で構成されてもよい。例えば、このような材料は、プラスチック、ゴム、可撓性黒鉛、エラストマー、発泡体、コルク等の1又は複数から構成してもよい。
【0100】
表現された実施形態では、第1磁石ハウジング係合部材1923及び第2磁石ハウジング係合部材1924それぞれは共に、磁石ハウジング1940の対応する部分の曲率半径と合致する曲率半径を有する少なくとも実質的な円弧半径で形成される。磁石ハウジングの対応する部分は、以下に説明されるように、図21に最もよく見られる。
【0101】
図21は、明細書に開示された磁気接合具装置のいくつかの実施形態の使用に適する磁石ハウジング1940の実施形態の拡大図を示す。この図に示されるように、磁石ハウジング1940は、円筒空洞を画定する本体部材1947を備える。円筒空洞の対向する端部で、本体部材1947は開口1949を画定する。開口1949の一方又は両方は、図20に示された磁石ハウジング係合部材1923及び1924等の磁石ハウジング係合部材を受けるように構成されてもよい。本体部材1947によって画定される空洞は、磁石1945等の、空洞内に磁石を受け入れるように構成される。
【0102】
表現された実施形態では、開口1949を画定する磁石ハウジングの端部は、形成された半径を有し、デバイスの構造的強度を加え、さらにその中に収容される磁石が取り除かれ/アクセスされるのを防ぐ。開口1949は、少なくとも実質的に円形であり、1又は複数の対応する磁石ハウジング係合部材(本実施形態では磁石ハウジング係合部材1923、1924)の曲率半径と少なくとも実質的に適合する曲率半径で形成される。このような構成要素間の曲率半径の適合を提供することによって、磁石ハウジング1940内に収容される磁石1945へのアクセスは、明細書の他の箇所で説明されるように、デバイスの安全性を強化するために妨げられてもよい。
【0103】
1又は複数の磁石ハウジング係合部材は、様々な異なる方法で、内部リテーナピース1920等のデバイスの他の構成要素と連結されてもよい。例えば、連結部材1927は、図20に示されるように、磁石ハウジング係合部材1923、1924の各々を内部リテーナピース1920に連結するために設けられてもよい。いくつかの実施形態において、連結部材1927は、磁石ハウジング係合部材の不可欠な部分であり、従って磁石ハウジング係合部材と同じ材料から構成されてもよい。他の実施形態では、1又は複数の連結部材は異なる材料で構成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、連結部材は、内部リテーナピース1920と一体となり、従って金属、金属合金、プラスチック、又は内部リテーナピース1920を構成するのに使用される他の材料から構成されてもよい。いずれにしても、リテーナピース1920(又はデバイスの他の部分)と磁石ハウジングとの間の連結が、磁石ハウジング内に収容される磁石がデバイスの使用にともなう任意の予測可能な力で取り除かれることができないように、任意の予測可能な変更(tampering)を耐えるのに十分に強いことが好ましい。
【0104】
磁石ハウジング1940はまた、本体部材1947から延在する第1プレート部材1942と、本体部材1947の反対の端部から延在する第2プレート部材1944とを備える。第1プレート部材1942と第2プレート部材1944との両方は、固定具開口1948を備える。固定具開口1948は、磁石ハウジング1940を、内部リテーナピース1920等のリテーナピースに連結する固定具を受け入れるように構成されてもよい。従って、リテーナピースは、固定具を受け入れる類似の固定具開口を含んでもよい。例えば、内部リテーナピース1920は、図19〜21に示されるように、第1プレート部材1942及び第2プレート部材1944の固定具開口1948を整列させ、これらを介して固定具1946を受け入れるように構成される固定具開口1926を含む。リベット、ネジ、ボルト及びピン等の様々な固定具が使用されてもよい。
【0105】
磁石ハウジングの1又は複数の領域はまた、強化され、適切に曲げられ、加工され、又は磁石ハウジング及び/又は磁石ハウジング内に収容される磁石を取り除くことができないことをさらに保証するように構成されてもよい。例えば、図21に表された磁石ハウジング1940では、磁石ハウジング係合部材を受けるように構成された本体部材1947の反対の端部は、円状に曲げられた強化金属を有し、磁石ハウジング1940の強度、そして安全性を強化する。同様に、磁石ハウジング1940は、類似の端部を設けるために、固定具開口1948に近接する強化領域を備える。このような強化領域は、内部リテーナピース1920上の固定具開口1926を囲む凹部領域内に適合するように構成されてもよい。
【0106】
さらに、内部リテーナピースは、磁石ハウジングのプレート部材を受ける1又は複数の凹部領域を備えてもよい。例えば、内部リテーナピース1920は、第1プレート部材1942を受けるように構成された凹部領域1928を備える。類似の凹部領域は、第2プレート部材1944を受ける図20に示された面と反対の内部リテーナピース1920の面に設けられてもよい。
【0107】
デバイスの他の領域はまた、凹部領域を含んでもよい。例えば、図20に示されるように、固定具開口1926を囲む領域は、リベット等の適切な固定具がその中で受け入れされるように、かつ、固定具開口に受け入れられると、固定具が安全目的のために装置のユーザに少なくとも実質的に手の届かない状態にされるように、区分され、又はくぼみが形成される。また、上述したように、いくつかの実施形態では、安全性の理由のために、リベット等の容易に取り除くことができない固定具を設けることが好ましい。
【0108】
表現された実施形態では凹部領域1928の領域は実質的に矩形であるけれども、当然のことながら、他の形状も考えられる。しかしながら、凹部領域の形状は、その中に受け入れられる対応するプレート部材の形状に、少なくとも実質的に適合することが好ましい。
【0109】
図22は、磁気接合具装置1900の斜視図を示す。この図で示されるように、磁気接合具装置1900は、4つの接合縁部1902、1904、1906及び1908を含む。これらの接合縁部の各々は、磁石ハウジング1940を含み、その内部にそれぞれの磁石を収容する(図22では見えない)。接合縁部の1又は複数は、上述したように、多数の接合具装置を備える組立体を作るために、他の接合具装置の接合縁部と連結され得る。
【0110】
図23A及び図23Bは、磁気接合具装置の他の実施形態を製造するために使用される構成要素の断面図を示す。図23Aは、磁気接合具装置の製造方法の一実施における溶接処理を受ける前段階でのこのような構成要素を示す。図23Bは、いくつかの実施形態において、音波溶接処理からなる溶接処理を受けた後の、図23Aに示された構成要素の断面図を示す。
【0111】
磁気接合具装置2300を製造するために使用される図23A及び図23Bに示された構成要素は、第1外部ハウジングピース2310と、内部リテーナピース2320と、第2外部ハウジングピース2330とを含む。1又は複数の磁石ハウジングはまた、上述したように、第1外部ハウジングピース2310、内部リテーナピース2320、及び第2外部ハウジングピース2330の1又は複数と連結されてもよい。しかしながら、磁石ハウジングはこれらの図に表されていない。
【0112】
第1外部ハウジングピース2310は、溶接接合突起2311を備える。上述したように、溶接接合突起2311は、V字形の頂上部を備える。しかしながら、明細書の他の箇所で上述したように、他の形状/構成も考えられる。溶接接合突起2311は、第1外部ハウジングピース2310の全周囲に広がってもよい。しかしながら、他の実施形態はまた、1又は複数の溶接接合突起がこのような周囲に部分的に広がるだけでもよい。
【0113】
類似の溶接接合突起2331が、図に示したように、第2外部ハウジングピース2330に設けられてもよい。溶接接合突起2311と同様、溶接接合突起2331は第2外部ハウジングピース2330の全周囲に広がり、又は、溶接接合突起2331は第2外部ハウジングピース2330の周囲で部分的に広がってもよい。溶接接合突起2311と類似の溶接接合突起2331はV字形の頂上部を備える。しかしながら、いくつかの実施形態では、溶接接合突起2331は溶接接合突起2311と異なる形状を備えてもよい。
【0114】
第1外部ハウジングピース2310と第2外部ハウジングピース2330とはまた、それぞれ、メルトチャンバ2302A、2302Bを備える。メルトチャンバ2302Aとメルトチャンバ2302Bとは、コーナーカットアウト形状(corner cutout shape)を形成する2つの側部に加工される。第1外部ハウジングピース2310が図23Bに示されるように第2外部ハウジングピース2330に接近させると、接合メルトチャンバ2302が形成される。この図に示したように、接合メルトチャンバ2302の第1側部の半分はメルトチャンバ2302Aの片側で形成され、接合メルトチャンバ2302の第1側部の他の半分はメルトチャンバ2302Bの片側で形成される。接合メルトチャンバ2303の第2側部はメルトチャンバ2302Aの片側で形成され、第2側部と反対の接合メルトチャンバ2302の第3側部はメルトチャンバ2302Bの他の片側で形成される。接合メルトチャンバ2302の第4側部及び最終側部は内部リテーナピース2320の一部で形成される。
【0115】
また図23Bに示したように、溶接処理は、溶接接合突起及び/又は装置を製造するために使用される他の構成要素からの材料を、接合メルトチャンバ2302に溶融させる。溶融材料は、図23Bにおいて、10で示される。溶融材料10はまた、図23Bで示されるように、内部リテーナピース2320の一部を囲んでもよい。
【0116】
図24Aは、磁気接合具装置の他の実施形態の製造方法の他の実施における溶接処理を受ける前の様々な構成要素の断面図を示す。図24Aは、磁気接合具装置の製造方法の一実施における溶接処理を受ける前段階の構成要素を示す。図24Bは、いくつかの実施形態において、音波溶接処理からなる溶接処理を受けた後の、図24Aに示された構成要素の断面図を示す。
【0117】
磁気接合具装置2400を製造するために使用される図24A及び図24Bに示された構成要素は、磁気接合具装置2300と同様、第1外部ハウジングピース2410と、内部リテーナピース2420と、第2外部ハウジングピース2430とを含む。(図24A及び図24Bにおいて図示されない)1又は複数の磁石ハウジングはまた、上述したように、第1外部ハウジングピース2410、内部リテーナピース2420、及び第2外部ハウジングピース2430の1又は複数と連結されてもよい。
【0118】
第1外部ハウジングピース2410は、溶接接合突起2411を備える。しかしながら、溶接接合突起2311と異なり、溶接接合突起2411は、V字形の比較的とがった頂上及び傾斜した側部よりむしろ、比較的平坦な頂上部と比較的平行な側部とを備える。溶接接合突起2411は、第1外部ハウジングピース2410の全周囲に広がってもよい。
【0119】
類似の溶接接合突起2431が、図に示したように、第2外部ハウジングピース2430に設けられてもよい。溶接接合突起2411と同様、溶接接合突起2431は第2外部ハウジングピース2430の全周囲に広がり、又は、溶接接合突起2431は第2外部ハウジングピース2330の周囲で部分的に広がってもよい。溶接接合突起2411と類似の溶接接合突起2431は、比較的平坦な頂上部と平行な側部とを備える。しかしながら、いくつかの実施形態では、溶接接合突起2431は溶接接合突起2411と異なる形状を備えてもよい。他の実施形態では、溶接接合突起は、第1外部ハウジングピース2410と第2外部ハウジングピース2430の一方に設けられるだけでもよい。
【0120】
第1外部ハウジングピース2410はまた、メルトチャンバ2402を備える。メルトチャンバ2302A、2302Bと異なり、メルトチャンバ2402は、丸みを帯びたカットアウト又は実質的に湾曲したカットアウト領域を備える。しかしながら、メルトチャンバ2302と異なり、メルトチャンバ2402は、第1外部ハウジングピース2410内にだけ形成される。第2外部ハウジングピース2430はまたメルトチャンバを含んでもよいが、図24A及び図24Bに表された実施形態では含まれない。
【0121】
従って、図24Bに示されるように、第1外部ハウジングピース2410が第2外部ハウジングピース2430に接近させられると、接合メルトチャンバは、一部において湾曲したカットアウト領域2402によって、そして一部において内部リテーナピース2420の一部によって画定されて形成される。
【0122】
また図24Bに示したように、溶接処理は、溶接接合突起及び/又は装置を製造するために使用される構成要素の他の部分からの材料を、接合メルトチャンバ2302に溶融させる。溶融材料は、図24Bにおいて、10で示される。溶融材料10はまた、図24Bで示されたように、内部リテーナピース2420の一部を囲んでもよい。
【0123】
当業者は、本発明の基盤となる原理から逸脱することなく、多数の変更が上述の実施形態に加えられてもよいことを理解するであろう。本開示の原理が様々な実施形態において示されてきたが、構造、配列、割合、要素、材料、形状、厚さ、幅、高さ、および構成要素に関する多数の変更例が、本開示の原理および範囲から逸脱することなく用いられてもよい。これらの、および他の変化例および変更例は、本開示の範囲に含まれることが意図される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁石ハウジングと、
前記磁石ハウジング内で回転できるように、前記磁石ハウジング内に配置される磁石と、
前記磁石ハウジングと連結する内部リテーナピースと、
前記内部リテーナピースと連結する第1外部ハウジングピースと、
前記内部リテーナピースと連結する第2外部ハウジングピースとを備える磁気接合具装置であって、
前記第1外部ハウジングピースは、前記内部リテーナピースが前記第1外部ハウジングピースと前記第2外部ハウジングピースとの間に配置されるように、前記第2外部ハウジングピースと反対側の前記接合具装置に配置されることを特徴とする磁気接合具装置。
【請求項2】
請求項1記載の磁気接合具装置であって、
前記内部リテーナピースは、前記磁石ハウジングと係合するように構成された磁石ハウジングレシーバを備え、前記磁石ハウジングを前記内部リテーナピースに連結することを特徴とする磁気接合具装置。
【請求項3】
請求項2記載の磁気接合具装置であって、
前記磁石ハウジングレシーバは、
第1磁石ハウジング係合部材と、
第2磁石ハウジング係合部材とを備え、
前記第1磁石ハウジング係合部材は前記磁石ハウジングの第1端部と係合するように構成され、
前記第2磁石ハウジング係合部材は前記第1端部と反対の前記磁石ハウジングの第2端部に係合するように構成されることを特徴とする磁気接合具装置。
【請求項4】
請求項3記載の磁気接合具装置であって、
前記第1磁石ハウジング係合部材は前記第1端部で前記磁石ハウジングの開口を少なくともシールするように構成された第1磁石ハウジングプラグを備え、
前記第2磁石ハウジング係合部材は前記第2端部で前記磁石ハウジングの開口を少なくともシールするように構成された第2磁石ハウジングプラグを備えることを特徴とする磁気接合具装置。
【請求項5】
請求項4記載の磁気接合具装置であって、
前記磁石ハウジングの2つの開口は少なくとも円弧半径で形成され、
前記第1磁石ハウジングプラグと前記第2磁石ハウジングプラグはともに、前記磁石ハウジングの開口の曲率半径と少なくとも適合する曲率半径を有することを特徴とする磁気接合具装置。
【請求項6】
請求項1記載の磁気接合具装置であって、
前記磁石ハウジングは、
円筒空洞を有し、前記磁石が前記円筒空洞内に配置される本体部材と、
前記本体部材から延在し、前記内部リテーナピースの第1の面と連結する第1プレート部材とを備えることを特徴とする磁気接合具装置。
【請求項7】
請求項6記載の磁気接合具装置であって、
前記第1プレート部材を前記内部リテーナピースに連結する固定具をさらに備え、
前記第1プレート部材は前記固定具を受ける固定具開口を備えることを特徴とする磁気接合具装置。
【請求項8】
請求項7記載の磁気接合具装置であって、
前記固定具はリベットであることを特徴とする磁気接合具装置。
【請求項9】
請求項6記載の磁気接合具装置であって、
前記磁石ハウジングは、前記本体部材から延在し、前記第1の面と反対の前記内部リテーナピースの第2の面と連結する第2プレート部材をさらに備えることを特徴とする磁気接合具装置。
【請求項10】
請求項9記載の磁気接合具装置であって、
前記内部リテーナピースは、前記第1プレート部材を受ける前記第1の面上の第1凹部領域と、前記第2プレート部材を受ける前記第2の面上の第2凹部領域とを備えることを特徴とする磁気接合具装置。
【請求項11】
請求項1記載の磁気接合具装置であって、
前記磁石を収容する筐体をさらに備え、
前記筐体は、前記磁石ハウジング内に配置され、前記筐体が前記磁石ハウジングに対して回転できるように前記装置が構成されることを特徴とする磁気接合具装置。
【請求項12】
請求項1記載の磁気接合具装置であって、
前記磁石を収容する筐体をさらに備え、
前記筐体は前記磁石ハウジング内に配置され、
前記装置は、前記筐体が前記磁石ハウジングに対して固定され、前記磁石が前記筐体に対して回転できるように構成されることを特徴とする磁気接合具装置。
【請求項13】
請求項1記載の磁気接合具装置であって、
前記磁石ハウジングは前記磁気接合具装置の接合縁部に沿って配置され、
前記接合縁部は他の磁気接合具装置の接合縁部と磁気的に接続されるように構成されることを特徴とする磁気接合具装置。
【請求項14】
請求項1記載の磁気接合具装置であって、
前記磁石ハウジングは、前記磁石を前記磁石ハウジングから取り除かれるのを防ぐ少なくとも2つの冗長安全機能を備えることを特徴とする磁気接合具装置。
【請求項15】
請求項14記載の磁気接合具装置であって、
前記少なくとも2つの冗長安全機能は、ステンレス鋼材料、音波溶接、前記磁石ハウジングの1又は複数の開口を少なくとも埋めるように構成された磁石ハウジング係合部材、前記磁石ハウジングの材料がより厚みのある強化領域、前記磁石ハウジングを前記内部リテーナピースに連結するリベット、及び、前記磁石ハウジングの一部を受ける凹部領域のうち1又は複数を備えることを特徴とする磁気接合具装置。
【請求項16】
磁気接合具装置であって、
第1磁石ハウジングと、
前記第1磁石ハウジング内で回転できるように、前記第1磁石ハウジング内に配置される第1磁石であって、多磁極性磁気組立体の長手方向軸に沿って延在する第1半体と第2半体とを備える多磁極性磁気組立体を備え、前記第1半体が交番する磁極の少なくとも2つの磁気区画を備え、前記第2半体が対応する数の磁気区画を備え、前記第2半体の各磁気区画が前記第1半体の近接する磁気区画の磁極と反対の磁極を有する第1磁石と、
前記第1磁石ハウジングが前記磁気接合具装置の第1接合縁部に沿って配置されるように前記第1磁石ハウジングと連結される内部リテーナピースと、
円筒空洞を備え、磁石が前記円筒空洞内に配置される本体部材と、前記本体部材から延在し、前記内部リテーナピースの第1の面に連結する第1プレート部材と、前記本体部材から延在し、前記第1の面と反対の前記内部リテーナピースの第2の面に連結する第2プレート部材と、前記第1プレート部材と前記第2プレート部材の少なくとも一方の開口及び前記内部リテーナピースの開口に延びる固定具とを、前記第1磁石ハウジングとともに備える第2磁石ハウジングと、
前記第2磁石ハウジング内で回転できるように、前記第2磁石ハウジング内に配置される第2磁石であって、前記第2磁石ハウジングが前記磁気接合具装置の第2接合縁部に沿って配置されるように、前記前記第2磁石ハウジングが前記内部リテーナピースと連結され、そして、第2多磁極性磁気組立体の長手方向軸に沿って延在する第1半体と第2半体とを備える第2多磁極性磁気組立体を備え、前記第1半体が交番する磁極の少なくとも2つの磁気区画を備え、前記第2半体が対応する数の磁気区画を備え、前記第2半体の各磁気区画が前記第1半体の近接する磁気区画の磁極と反対の磁極を有する第2磁石と、
前記内部リテーナピースと連結する第1外部ハウジングピースと、
前記内部リテーナピースと連結する第2外部ハウジングピースであって、前記内部リテーナピースが前記第1外部ハウジングピースと前記第2外部ハウジングピースとの間に配置されるように、前記第1外部ハウジングピースが前記第2外部ハウジングピースと反対側の前記接合具装置に配置される第2外部ハウジングピースとを備える磁気接合具装置。
【請求項17】
第1外部ハウジングピースを提供するステップと、
第2外部ハウジングピースを提供するステップと、
内部リテーナピースを提供するステップであって、前記第1外部ハウジングピースと前記第2外部ハウジングピースの少なくとも一方が少なくとも1つの溶接接合突起を備え、メルトチャンバが前記少なくとも1つの溶接接合突起に近接して配置されるステップと、
磁石ハウジングを提供するステップと、
磁石が前記磁石ハウジング内で回転できるように、前記磁石ハウジング内に前記磁石を配置するステップと、
前記磁石ハウジングを、前記第1外部ハウジングピース、前記第2外部ハウジングピース及び前記内部リテーナピースの少なくとも1つに連結するステップと、
前記第1外部ハウジングピースを前記第2外部ハウジングピースに音波溶接するステップであって、前記溶接接合突起からの材料が音波溶接処理の間に前記メルトチャンバに溶融して流れるように、前記溶接接合突起が配置されて構成されるステップとを備える磁気接合具装置の製造方法。
【請求項18】
請求項17記載の磁気接合具装置の製造方法であって、
前記第1外部ハウジングピースと前記第2外部ハウジングピースとは溶接接合突起を備えることを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項18記載の磁気接合具装置の製造方法であって、
前記第1外部ハウジングピースと前記第2外部ハウジングピースとはメルトチャンバを備えることを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項19記載の磁気接合具装置の製造方法であって、
前記第1外部ハウジングピースは、前記第1外部ハウジングピースのメルトチャンバが溶接処理の間、前記第2外部ハウジングピースのメルトチャンバと少なくとも整列させられるように、前記第2外部ハウジングピースに溶接されることを特徴とする方法。
【請求項21】
請求項17記載の磁気接合具装置の製造方法であって、
前記溶接接合突起は、前記第1外部ハウジングピースと前記第2外部ハウジングピースの少なくとも1つの周囲の少なくとも一部に近接して形成されたV字形の頂上部を備えることを特徴とする方法。
【請求項22】
請求項17記載の磁気接合具装置の製造方法であって、
前記第1外部ハウジングピースはプラスチック材料からなり、
前記第2外部ハウジングピースはプラスチック材料からなり、
前記内部リテーナピースはプラスチック材料からなり、
前記音波溶接するステップは、前記内部リテーナピースを前記第1外部ハウジングピースと前記第2外部ハウジングピースとに音波溶接することからなることを特徴とする方法。
【請求項23】
請求項22記載の磁気接合具装置の製造方法であって、
前記音波溶接するステップは、前記第1外部ハウジングピースの溶接接合突起からの材料と、前記第2外部ハウジングピースの溶接接合突起からの材料とを、前記第1外部ハウジングピースのメルトチャンバと前記第2外部ハウジングピースのメルトチャンバとによって少なくとも一部分が形成された接合メルトチャンバに、溶融して流すことを含むことを特徴とする方法。
【請求項1】
磁石ハウジングと、
前記磁石ハウジング内で回転できるように、前記磁石ハウジング内に配置される磁石と、
前記磁石ハウジングと連結する内部リテーナピースと、
前記内部リテーナピースと連結する第1外部ハウジングピースと、
前記内部リテーナピースと連結する第2外部ハウジングピースとを備える磁気接合具装置であって、
前記第1外部ハウジングピースは、前記内部リテーナピースが前記第1外部ハウジングピースと前記第2外部ハウジングピースとの間に配置されるように、前記第2外部ハウジングピースと反対側の前記接合具装置に配置されることを特徴とする磁気接合具装置。
【請求項2】
請求項1記載の磁気接合具装置であって、
前記内部リテーナピースは、前記磁石ハウジングと係合するように構成された磁石ハウジングレシーバを備え、前記磁石ハウジングを前記内部リテーナピースに連結することを特徴とする磁気接合具装置。
【請求項3】
請求項2記載の磁気接合具装置であって、
前記磁石ハウジングレシーバは、
第1磁石ハウジング係合部材と、
第2磁石ハウジング係合部材とを備え、
前記第1磁石ハウジング係合部材は前記磁石ハウジングの第1端部と係合するように構成され、
前記第2磁石ハウジング係合部材は前記第1端部と反対の前記磁石ハウジングの第2端部に係合するように構成されることを特徴とする磁気接合具装置。
【請求項4】
請求項3記載の磁気接合具装置であって、
前記第1磁石ハウジング係合部材は前記第1端部で前記磁石ハウジングの開口を少なくともシールするように構成された第1磁石ハウジングプラグを備え、
前記第2磁石ハウジング係合部材は前記第2端部で前記磁石ハウジングの開口を少なくともシールするように構成された第2磁石ハウジングプラグを備えることを特徴とする磁気接合具装置。
【請求項5】
請求項4記載の磁気接合具装置であって、
前記磁石ハウジングの2つの開口は少なくとも円弧半径で形成され、
前記第1磁石ハウジングプラグと前記第2磁石ハウジングプラグはともに、前記磁石ハウジングの開口の曲率半径と少なくとも適合する曲率半径を有することを特徴とする磁気接合具装置。
【請求項6】
請求項1記載の磁気接合具装置であって、
前記磁石ハウジングは、
円筒空洞を有し、前記磁石が前記円筒空洞内に配置される本体部材と、
前記本体部材から延在し、前記内部リテーナピースの第1の面と連結する第1プレート部材とを備えることを特徴とする磁気接合具装置。
【請求項7】
請求項6記載の磁気接合具装置であって、
前記第1プレート部材を前記内部リテーナピースに連結する固定具をさらに備え、
前記第1プレート部材は前記固定具を受ける固定具開口を備えることを特徴とする磁気接合具装置。
【請求項8】
請求項7記載の磁気接合具装置であって、
前記固定具はリベットであることを特徴とする磁気接合具装置。
【請求項9】
請求項6記載の磁気接合具装置であって、
前記磁石ハウジングは、前記本体部材から延在し、前記第1の面と反対の前記内部リテーナピースの第2の面と連結する第2プレート部材をさらに備えることを特徴とする磁気接合具装置。
【請求項10】
請求項9記載の磁気接合具装置であって、
前記内部リテーナピースは、前記第1プレート部材を受ける前記第1の面上の第1凹部領域と、前記第2プレート部材を受ける前記第2の面上の第2凹部領域とを備えることを特徴とする磁気接合具装置。
【請求項11】
請求項1記載の磁気接合具装置であって、
前記磁石を収容する筐体をさらに備え、
前記筐体は、前記磁石ハウジング内に配置され、前記筐体が前記磁石ハウジングに対して回転できるように前記装置が構成されることを特徴とする磁気接合具装置。
【請求項12】
請求項1記載の磁気接合具装置であって、
前記磁石を収容する筐体をさらに備え、
前記筐体は前記磁石ハウジング内に配置され、
前記装置は、前記筐体が前記磁石ハウジングに対して固定され、前記磁石が前記筐体に対して回転できるように構成されることを特徴とする磁気接合具装置。
【請求項13】
請求項1記載の磁気接合具装置であって、
前記磁石ハウジングは前記磁気接合具装置の接合縁部に沿って配置され、
前記接合縁部は他の磁気接合具装置の接合縁部と磁気的に接続されるように構成されることを特徴とする磁気接合具装置。
【請求項14】
請求項1記載の磁気接合具装置であって、
前記磁石ハウジングは、前記磁石を前記磁石ハウジングから取り除かれるのを防ぐ少なくとも2つの冗長安全機能を備えることを特徴とする磁気接合具装置。
【請求項15】
請求項14記載の磁気接合具装置であって、
前記少なくとも2つの冗長安全機能は、ステンレス鋼材料、音波溶接、前記磁石ハウジングの1又は複数の開口を少なくとも埋めるように構成された磁石ハウジング係合部材、前記磁石ハウジングの材料がより厚みのある強化領域、前記磁石ハウジングを前記内部リテーナピースに連結するリベット、及び、前記磁石ハウジングの一部を受ける凹部領域のうち1又は複数を備えることを特徴とする磁気接合具装置。
【請求項16】
磁気接合具装置であって、
第1磁石ハウジングと、
前記第1磁石ハウジング内で回転できるように、前記第1磁石ハウジング内に配置される第1磁石であって、多磁極性磁気組立体の長手方向軸に沿って延在する第1半体と第2半体とを備える多磁極性磁気組立体を備え、前記第1半体が交番する磁極の少なくとも2つの磁気区画を備え、前記第2半体が対応する数の磁気区画を備え、前記第2半体の各磁気区画が前記第1半体の近接する磁気区画の磁極と反対の磁極を有する第1磁石と、
前記第1磁石ハウジングが前記磁気接合具装置の第1接合縁部に沿って配置されるように前記第1磁石ハウジングと連結される内部リテーナピースと、
円筒空洞を備え、磁石が前記円筒空洞内に配置される本体部材と、前記本体部材から延在し、前記内部リテーナピースの第1の面に連結する第1プレート部材と、前記本体部材から延在し、前記第1の面と反対の前記内部リテーナピースの第2の面に連結する第2プレート部材と、前記第1プレート部材と前記第2プレート部材の少なくとも一方の開口及び前記内部リテーナピースの開口に延びる固定具とを、前記第1磁石ハウジングとともに備える第2磁石ハウジングと、
前記第2磁石ハウジング内で回転できるように、前記第2磁石ハウジング内に配置される第2磁石であって、前記第2磁石ハウジングが前記磁気接合具装置の第2接合縁部に沿って配置されるように、前記前記第2磁石ハウジングが前記内部リテーナピースと連結され、そして、第2多磁極性磁気組立体の長手方向軸に沿って延在する第1半体と第2半体とを備える第2多磁極性磁気組立体を備え、前記第1半体が交番する磁極の少なくとも2つの磁気区画を備え、前記第2半体が対応する数の磁気区画を備え、前記第2半体の各磁気区画が前記第1半体の近接する磁気区画の磁極と反対の磁極を有する第2磁石と、
前記内部リテーナピースと連結する第1外部ハウジングピースと、
前記内部リテーナピースと連結する第2外部ハウジングピースであって、前記内部リテーナピースが前記第1外部ハウジングピースと前記第2外部ハウジングピースとの間に配置されるように、前記第1外部ハウジングピースが前記第2外部ハウジングピースと反対側の前記接合具装置に配置される第2外部ハウジングピースとを備える磁気接合具装置。
【請求項17】
第1外部ハウジングピースを提供するステップと、
第2外部ハウジングピースを提供するステップと、
内部リテーナピースを提供するステップであって、前記第1外部ハウジングピースと前記第2外部ハウジングピースの少なくとも一方が少なくとも1つの溶接接合突起を備え、メルトチャンバが前記少なくとも1つの溶接接合突起に近接して配置されるステップと、
磁石ハウジングを提供するステップと、
磁石が前記磁石ハウジング内で回転できるように、前記磁石ハウジング内に前記磁石を配置するステップと、
前記磁石ハウジングを、前記第1外部ハウジングピース、前記第2外部ハウジングピース及び前記内部リテーナピースの少なくとも1つに連結するステップと、
前記第1外部ハウジングピースを前記第2外部ハウジングピースに音波溶接するステップであって、前記溶接接合突起からの材料が音波溶接処理の間に前記メルトチャンバに溶融して流れるように、前記溶接接合突起が配置されて構成されるステップとを備える磁気接合具装置の製造方法。
【請求項18】
請求項17記載の磁気接合具装置の製造方法であって、
前記第1外部ハウジングピースと前記第2外部ハウジングピースとは溶接接合突起を備えることを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項18記載の磁気接合具装置の製造方法であって、
前記第1外部ハウジングピースと前記第2外部ハウジングピースとはメルトチャンバを備えることを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項19記載の磁気接合具装置の製造方法であって、
前記第1外部ハウジングピースは、前記第1外部ハウジングピースのメルトチャンバが溶接処理の間、前記第2外部ハウジングピースのメルトチャンバと少なくとも整列させられるように、前記第2外部ハウジングピースに溶接されることを特徴とする方法。
【請求項21】
請求項17記載の磁気接合具装置の製造方法であって、
前記溶接接合突起は、前記第1外部ハウジングピースと前記第2外部ハウジングピースの少なくとも1つの周囲の少なくとも一部に近接して形成されたV字形の頂上部を備えることを特徴とする方法。
【請求項22】
請求項17記載の磁気接合具装置の製造方法であって、
前記第1外部ハウジングピースはプラスチック材料からなり、
前記第2外部ハウジングピースはプラスチック材料からなり、
前記内部リテーナピースはプラスチック材料からなり、
前記音波溶接するステップは、前記内部リテーナピースを前記第1外部ハウジングピースと前記第2外部ハウジングピースとに音波溶接することからなることを特徴とする方法。
【請求項23】
請求項22記載の磁気接合具装置の製造方法であって、
前記音波溶接するステップは、前記第1外部ハウジングピースの溶接接合突起からの材料と、前記第2外部ハウジングピースの溶接接合突起からの材料とを、前記第1外部ハウジングピースのメルトチャンバと前記第2外部ハウジングピースのメルトチャンバとによって少なくとも一部分が形成された接合メルトチャンバに、溶融して流すことを含むことを特徴とする方法。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図11】
【図12】
【図14】
【図15】
【図16A】
【図16B】
【図17】
【図18A】
【図18B】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図9】
【図13A】
【図13B】
【図18C】
【図23】
【図24】
【図1B】
【図1C】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図11】
【図12】
【図14】
【図15】
【図16A】
【図16B】
【図17】
【図18A】
【図18B】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図9】
【図13A】
【図13B】
【図18C】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2013−98573(P2013−98573A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−242073(P2012−242073)
【出願日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【出願人】(512123787)スパークリング スカイ インターナショナル リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】Sparkling Sky International Limited
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【出願人】(512123787)スパークリング スカイ インターナショナル リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】Sparkling Sky International Limited
【Fターム(参考)】
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