説明

磁気治療器具および磁気治療器具製造方法

【課題】身体への磁気効果を確保しつつ部品点数を削減することのできる磁気治療器具を提供する。
【解決手段】磁性体14と樹脂とからなり、可撓性を有する長尺な磁性部10と、前記磁性部10の一方端にプレス成型によって当該磁性部10と一体に形成された樹脂からなる係止部50と、前記磁性部10の他方端にプレス成型によって当該磁性部10と一体に形成された樹脂からなる被係止部30と、前記被係止部30に設けられて、前記係止部50に着脱可能に係止される被係合部材40とを設け、前記係止部50と前記被係合部材40との係合によってリング状となるよう構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血行促進作用等を有する磁気治療器具およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、磁気を身体に作用させると血行が促進されて健康上良好な効果が得られるといわれており、この効果を得るための種々の健康器具が開発されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ゴム磁石とこのゴム磁石を覆うポリウレタン層とからなる磁性部と、シリコーン樹脂からなり前記磁性部が内側に挿嵌されることでこの磁性部の両端にそれぞれ固定された係止部および被係止部とを備えたものが開示されている。この器具では、前記係止部と被係止部とが係合することによってリング状になるように構成されており、ネックレス等として使用されることで前記磁性部のゴム磁石を使用者の身体に作用させ、使用者の血行を促進させる。
【特許文献1】特開2007−111322号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記のような従来の器具では、前記係止部と被係止部と前記磁性部とを個別に形成せねばならず部品点数が多くなるとともに、これら係止部と被係止部とを前記磁性部に挿嵌・固着せねばならず取り付け等に手間がかかるという問題がある。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑み、身体への磁気効果を確保しつつ構造を簡素化して部品点数の削減等を行うことのできる磁気治療器具の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための請求項1に係る発明は、ネックレス等に用いられて身体に血行促進作用を及ぼす磁気治療器具において、磁性体と樹脂とからなり、可撓性を有する長尺な磁性部と、前記磁性部の一方端にプレス成型によって当該磁性部と一体に形成された樹脂からなる係止部と、前記磁性部の他方端にプレス成型によって当該磁性部と一体に形成された樹脂からなる被係止部と、前記被係止部に設けられて、前記係止部に着脱可能に係止される被係合部材とを備え、前記係止部と前記被係合部材との係合によってリング状となることを特徴とするものである(請求項1)。
【0007】
本発明によれば、部品点数を削減しつつ身体への血行促進作用を確保することが可能となる。すなわち、本発明では、前記磁性部に磁性体が含まれており、この磁性体によって身体への血行促進作用が確保される。また、前記磁性部と前記被係止部と前記係止部とがそれぞれ樹脂を含み、互いに一体にプレス成型されているので、従来のように、磁性部と被係止部と係止部とを個別に形成する場合に比べて、部品点数を削減することができるとともに組み付け等の手間を軽減することが可能となる。
【0008】
また本発明において、前記磁性体は、当該磁性体が前記磁性部の外周面に露出しないように、前記磁性部を構成する樹脂で囲まれた状態で配置されているのが好ましい(請求項2)。
【0009】
このようにすれば、磁気治療器具を直接肌に接触させた場合に、磁性体と皮膚とが直接接触するのが回避され、前記磁性部が皮膚に与える悪影響をより確実に抑制することが可能となる。
【0010】
前記被係合部材と前記被係止部との係合構造は、特に限定されるものではないが、例えば、前記被係合部材を前記係止部の端面から外側に向かって突出する形状とし、前記被係止部に、当該被係止部の端面に開口し前記被係合部材と係合可能な被係止孔を形成して、この被係合部材と前記被係止孔とを係合する構造が挙げられる(請求項3)。
【0011】
また、前記磁性部、前記係止部および前記被係止部を構成する前記樹脂が、互いに同一のシリコーンゴムであるのが好ましい(請求項4)。
【0012】
このように、前記磁性部、係止部および被係止部が同一の樹脂で構成されていれば、より容易にこれらを一体に成型することができる。さらに、前記シリコーンゴムは生理的に安定しているため、前記磁性部、係止部および被係止部をこのシリコーン樹脂で構成すれば、前記磁性部等が直接肌と接触する場合であっても、皮膚に与える悪影響をより抑制することが可能となる。
【0013】
一方、前記磁性部、前記係止部および前記被係止部を、耐摩耗性および強度が比較的高いウレタンゴムまたはニトリルブタジエンラバーで構成すれば、本磁気治療器具の損傷を抑制することができ、耐久性を向上させることができる(請求項5)。
【0014】
また、前記のような磁気治療器具を製造する方法としては、前記磁性部と前記被係止部と前記係止部とに対応する上型と下型とを備えた金型を用い、前記金型の前記磁性部に対応する部分に、当該磁性部を構成する樹脂をセットし、前記金型の前記被係止部に対応する部分に、当該被係止部を構成する樹脂をセットするとともに、前記金型の前記係止部に対応する部分に、当該係止部を構成する樹脂をセットする樹脂セット工程と、前記金型のうち少なくとも前記磁性部に対応する部分にセットされた前記樹脂に、前記磁性体を投入する磁性体投入工程と、前記金型にセットされた樹脂を当該金型によってプレス成型し、前記磁性部と前記被係止部と前記係止部とを一体に形成するプレス成型工程とを含むことを特徴とする磁気治療器具製造方法を用いるのが好ましい(請求項6)。
【0015】
このような方法によれば、前記磁性部に前記係止部および前記被係止部を容易に一体化することができるとともに、前記磁性部に前記磁性体を容易に含ませることが可能となる。
【0016】
ここで、前記被係合部材を前記被係止部に設ける方法としては、前記プレス成型工程後に前記被係合部材を前記被係止部に装着するものでもよいが、前記上型あるいは下型の前記被係止部に対応する部分にセットされた樹脂に前記被係合部材を埋め込む被係合部材埋め込み工程を行い、前記プレス成型工程にて、前記被係合部材が埋め込まれた状態で前記樹脂をプレス成型するようにすれば、前記被係合部材を前記被係止部に容易に取り付けることが可能となり、組み付け等の手間を削減することが可能となる(請求項7)。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、本発明によれば、磁気作用を身体に作用させることができるとともに構造および製造工程を簡素化することのできる磁気治療器具を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照して説明する。ここでは、本発明に係る磁気治療器具を磁気ネックレスとして利用する場合について説明する。
【0019】
図1は本発明に係る磁気治療器具すなわち磁気ネックレスの正面図である。
【0020】
本磁気ネックレス1は、磁性部10と、被係止部30と、被係止突起(被係合部材)40と、係止部50とを有している。
【0021】
前記磁性部10は、使用者の首周りに装着されることによって使用者の身体、特に肩周辺に磁気を作用させるものである。本実施形態10では、シリコーンゴム(樹脂)200に複数の磁石(磁性体)14が埋め込まれることにより前記磁性部10が構成されており、前記磁石14が使用者の身体に磁気を作用させる。
【0022】
前記磁石14は、図1に示すように、本磁気ネックレス1が後述する係止部50および被係止部30を前方として首周りに装着された際に、使用者の肩近傍に位置するように配置されている。本実施形態では、粒状を有する7個の磁石14が、使用者の両肩間にわたる位置に互いに等間隔に並べられており、磁気が効果的に使用者の肩等に作用するようになっている。この磁石14の種類は、特に限定されるものではないが、比較的磁気の強いネオジウム磁石等の希土類磁石を用いるのが好ましい。
【0023】
また、前記磁性部10は、前記シリコーンゴム200が有する弾性により全体として可撓性を有しており、運動中等でも身体を傷つけるおそれがなく使用できるようになっている。さらに、この磁性部10では、その外周面が前記シリコーンゴム200で構成されるように、前記磁石14が前記シリコーンゴム200に囲まれた状態でこのシリコーンゴム200内に埋め込まれている。ここで、前記シリコーンゴム200は、他の合成樹脂等に比べて生理的に安定しており、身体への悪影響が比較的小さいと言われている。そのため、本磁気ネックレス1が直接肌に接触するように使用される場合において、生理的に安定したシリコーンゴム200が皮膚と接触することになるので、使用者の肌への悪影響が抑制される。
【0024】
前記被係止部30は、後述する被係止突起40を保持するものである。この被係止部30は、シリコーンゴム200からなり、前記磁性部10の一方端にこの磁性部10と一体にプレス成型されている。
【0025】
前記被係止突起40は、後述する係止部50の係止孔51と係合することで、本磁気ネックレス1をリング状に保持するためのものである。この被係止突起40は、固定板42と、この固定板42の端面から延びる軸部44と、この軸部44の先端に設けられる球状端部46とを有している。ここで、前記固定板42は前記軸部44よりも十分に大きな外径を有する板状部材であり、前記球状端部46は、前記軸部44の外径よりも大きな外径を有する略半球状部材である。これら固定板42と軸部44と球状端部46とは互いに一体に形成されており、例えば、硬質エラストマー、ポリアセタールからなる。そして、この被係止突起40は、前記固定板42と前記軸部44の一部が前記被係止部30の内側に収容されることで、この被係止部30の端面から前記軸部44の一部が突出した状態で、前記被係止部30に保持される。
【0026】
前記係止部50は、前記被係止突起40を係止するためのものである。この係止部50は、シリコーンゴム200からなり、前記磁性部10の端部のうち前記被係止部30が設けられる部分と反対側の端部に、プレス成型によりこの磁性部10と一体に形成されている。この係止部50には、前記磁性部10と反対側の端面に開口する係止孔51が形成されている。そして、この係止部50は、前記被係止突起40と前記係止孔51とが係合することで、この被係止突起40を係止する。
【0027】
具体的には、前記係止孔51は、前記係止部50の端面に開口する入り口部52と、この入り口部よりも深い位置に設けられた狭小部54と、この狭小部54よりも深い位置に設けられた係合孔56とからなる。前記狭小部54の内径は、前記係止突起40の軸部44の外径よりも大きく、かつ、前記係止突起40の球状端部46の外径よりも小さく設定されている。一方、前記入り口部52の外径および前記係合孔56の外径は前記係止突起40の球状端部46の外径よりも大きくなっている。
【0028】
そして、前記係止部50は、図3に示すように、被係止突起40の球状端部46が前記係止孔51の狭小部54を押し広げつつ前記係合孔56内に挿入されることで、前記狭小部54と前記係合孔56との段部により前記球状端部46を抜け止め状態とし、この被係止突起40を係止する。
【0029】
ここで、前述のように、前記狭小部54の内径は、前記被係止突起40の球状端部46を抜け止め状態にすべくこの球状端部46の外径よりも小さく設定されているが、前記被係止突起40に比較的小さな力をかけることで前記抜け止め状態を解除できるような大きさに設定されている。すなわち、本磁気ネックレス1では、前記被係止突起40が前記係止部50に対して容易に着脱可能となっており、この磁気ネックレス1の装着および脱着が容易に行えるように構成されている。
【0030】
次に、本磁気ネックレス1の製造方法について説明する。図4は、この磁気ネックレス1を成型するための金型100の概略正面図である。具体的には、この金型100は互いに対称な上型102と下型104とからなり、図4は、下型104の概略正面図である。図5および図6は、前記図4の部分拡大断面図である。
【0031】
前記金型100には、前記磁性部10に対応する磁性部溝110と、前記被係止部30に対応する被係止部溝130と、前記係止部50に対応する係止部溝150とが形成されている。また、この金型100には、前記被係止部溝130に連設されて、前記被係止突起40をこの被係止部溝130とにわたって設置するための被係止突起設置用溝140が形成されている。さらに、この金型100には、前記係止部50の係止孔51の内形と対応する外形を有する係止部用金具151が設けられている。
【0032】
前記のように構成された金型100を用いた前記磁気ネックレス1の製造方法は以下の工程を含む。
【0033】
1)樹脂セット工程
この工程は、前記金型100にペースト状のシリコーンゴム200をセットする工程である。この工程では、前記上型102および下型104の各磁性部溝110、各被係止部溝130、各係止部溝150全体に同時にシリコーンゴム200をセットする。ここで、前記係止部用金具151は、前記係止部溝150にシリコーンゴム200がセットされる前に、予め前記下型104の係止部溝150に設置されており、前記係止部50の係止孔51に対応する部分には前記シリコーンゴム200が入り込まないようになっている。前記シリコーンゴム200は例えばミラブル型シリコーンゴムを用いればよい。
【0034】
2)被係合部材埋め込み工程
この工程は、前記被係止突起40を前記シリコーンゴム200に埋め込む工程である。この工程では、図7に示すように、予め形成された被係止突起40を前記被係止突起設置用溝140に沿って配置し、この被係止突起40の前記固定部46と前記軸部44の一部とを前記シリコーンゴム200がセットされた被係止部溝130に埋め込む。このとき、前記被係止突起40は、その前記軸部44が前記被係止部溝130から外側に突出するように配置される。
【0035】
3)磁性体投入工程
この工程は、前記磁石14を前記シリコーンゴム200がセットされた磁性部溝110に配置する工程である。この工程では、図8に示すように、前記磁石14を前記下型104の磁性部溝110にセットされたシリコーンゴム200へ、互いに等間隔に埋め込んでいく。このとき、各磁石14は、各磁石14と下型104の磁性部溝110との間にシリコーンゴム200が介在する位置に配置される。
【0036】
4)プレス成型工程
この工程は、前記シリコーンゴム200をプレス成型する工程である。この工程では、図9に示すように、前記被係止突起140と前記磁石14とが埋め込まれた状態のシリコーンゴム200を収容している下型104と、シリコーンゴム200がセットされた上型102とを合わせて、加熱および加圧する。例えば、160℃の温度下で8.5tの圧力を加える。
【0037】
このように加熱および加圧されると、前記磁性部溝110では、前記磁石14が内側に収容された状態で上型102のシリコーンゴム200と下型104のシリコーンゴム200とが一体化され、前記磁性部10が形成される。また、前記被係止部溝130では、前記被係止突起40が内側に収容された状態で上型102のシリコーンゴム200と下型104のシリコーンゴム200とが一体化され、前記被係止突起40を保持した状態の前記被係止部30が形成される。そして、前記係止部溝150では、前記係止部用金具151の一部が内側に収容された状態で上型102のシリコーンゴム200と下型104のシリコーンゴム200とが一体化され、前記係止部50が形成される。このとき、前記係止部50および前記被係止部30は、同時に前記磁性部10に一体的に成型される。
【0038】
5)仕上工程
この工程は、余分なシリコーンゴム200等を取り除き、前記磁気ネックレス1の形を整える工程である。この工程では、前記プレス成型工程時に金型100の各溝の周囲に押出された余分なシリコーンゴム200を排除する。さらに、前記係止部用金具151を前記係止部50から取り除く。この係止部用金具151は、前述のように前記係止部50の係止孔51と対応する形状を有しているので、この係止部用金具151を取り除くと前記係止部50には前記係止孔51が形成される。
【0039】
このようにして、前記磁石14を含みシリコーンゴム200からなる磁性部10と、この磁性部10と一体化された前記被係止部30と係止部50とを備えるとともに、前記係止突起40が前記被係止部30に保持され、かつ、前記係止部50に前記係止孔51が形成された磁気ネックレス1が形成される。
【0040】
以上のように、本磁気ネックレス1によれば、前記磁性部10がシリコーンゴム200を含むとともに、前記係止部50と前記被係止部30とがシリコーンゴム200で構成されており、これら係止部50と被係止部30とがプレス成型により前記磁性部10の両端にこの磁性部10と一体に形成されているので、前記係止部50と被係止部30とを前記磁性部10と別に形成する必要がなく部品点数を削減することが可能となる。また、前記係止部50と被係止部30とを前記磁性部10に組み付ける手間を省くことが可能となり、コスト面等で有利となる。もちろん、前記磁性部10が磁石14を含んでおり、この磁石14が身体に磁気を作用させるので、この磁気による身体への血行促進作用は確保されている。
【0041】
また、前記のように、前記磁石14が前記磁性部10の外周面に露出しないように、前記シリコーンゴム200で囲まれた状態で配置されていれば、前記磁気ネックレス1を直接肌に接触させた場合において、生理的に安定しているシリコーンゴム200と皮膚とが接触することになるので、前記磁性部10が皮膚に与える悪影響がより確実に抑制される。
【0042】
ここで、前記シリコーンゴム200の代わりにウレタンゴムやニトリルブタジエンラバーを用いてもよい。このウレタンゴムやニトリルブタジエンラバーは耐磨耗性および強度が高いので、これらの材料を用いれば、磁気ネックレス1の損傷が抑制され、耐久性が向上する。もちろん、これらシリコーンゴム、ウレタンゴム、ニトリルブタンジエンラバーの代わりに、他の合成樹脂あるいは天然樹脂を用いてもよい。
【0043】
また、前記磁気ネックレス1を製造する方法として、前記のような方法を用いれば、前記樹脂セット工程にて、前記磁性部10、前記係止部50、前記被係止部30全体に容易にシリコーンゴム200を配置することができるとともに、前記プレス成型工程にて前記磁性部10と前記係止部50と前記被係止部30とを容易に一体化することができる。また、前記磁性体投入工程にて前記磁石14を容易に所定の位置に配置することができる。
【0044】
ここで、前記被係止部30が成型された後に、前記被係止突起40をこの被係止部30に装着するようにしてもよいが、前述のように、被係合部材埋め込み工程にて、前記被係止突起40を埋め込んだ後に、前記プレス工程を実施すれば、この被係止突起40を前記被係止部30に容易に保持させることが可能となり、別途被係止突起40を被係止部30に取り付ける手間を省くことができる。
【0045】
また、前記製造方法において、前記係止部用金具151に代えて、プレス成型時に蒸発消滅するような部材を用いるようにしてもよい。このようにすれば、前記係止部用金具151を取り外す手間が削減される。
【0046】
また、前記被係合部材埋め込み工程の前に前記磁性体投入工程を実施してもよい。
【0047】
また、本発明に係る磁気治療器具は、前記のように首周りに装着する磁気ネックレス以外にも適宜利用可能である。
【0048】
また、前記係止部50、被係止部30、前記被係止突起40の具体的な構造、および、前記磁石14の配置等は前記に限らない。また、前記被係止突起50の材質等は前記に限らない。また、前記プレス成型工程における圧力等は前記に限らない。また、前記磁石14に代えて磁性粉等をシリコーンゴムに混入するようにしてもよい。
【0049】
また、前記磁性部10と係止部50と被係止部30とを個別の樹脂で構成するようにしてもよい。この場合には、前記樹脂セット工程にて、前記金型100の各部に対応する部分にそれぞれの樹脂をセットすればよい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明に係る磁気ネックレス(磁気治療器具)の正面図である。
【図2】図1に示す磁気ネックレスの部分拡大図である。
【図3】図1に示す磁気ネックレスの部分拡大図である。
【図4】図1に示す磁気ネックレスを成型する金型の概略上面図である。
【図5】図4に示す金型の部分拡大断面図である。
【図6】図4に示す金型の部分拡大断面図である。
【図7】図1に示す磁気ネックレスを成型する方法を説明するための説明図である。
【図8】図1に示す磁気ネックレスを成型する方法を説明するための説明図である。
【図9】図1に示す磁気ネックレスを成型する方法を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0051】
1 磁気ネックレス(磁気治療器具)
10 磁性部
14 磁石(磁性体)
30 被係止部
40 被係止突起(被係合部材)
50 係止部
51 係止孔
100 金型
110 磁性部溝
130 被係止部溝
140 被係止突起設置用溝
150 係止部溝
151 被係止突起用金具
200 シリコーンゴム(樹脂)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネックレス等に用いられて身体に血行促進作用を及ぼす磁気治療器具において、
磁性体と樹脂とからなり、可撓性を有する長尺な磁性部と、
前記磁性部の一方端にプレス成型によって当該磁性部と一体に形成された樹脂からなる係止部と、
前記磁性部の他方端にプレス成型によって当該磁性部と一体に形成された樹脂からなる被係止部と、
前記被係止部に設けられて、前記係止部に着脱可能に係止される被係合部材とを備え、
前記係止部と前記被係合部材との係合によってリング状となることを特徴とする磁気治療器具。
【請求項2】
請求項1に記載の磁気治療器具であって、
前記磁性体は、当該磁性体が前記磁性部の外周面に露出しないように、前記磁性部を構成する樹脂で囲まれた状態で配置されていることを特徴とする磁気治療器具。
【請求項3】
請求項1または2に記載の磁気治療器具であって、
前記被係合部材は、前記被係止部の端面から外側に向かって突出する形状を有し、
前記係止部には、当該係止部の端面に開口し前記被係合部材と係合可能な係止孔が形成されていることを特徴とする磁気治療器具。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の磁気治療器具であって、
前記磁性部、前記係止部および前記被係止部を構成する前記樹脂が、互いに同一のシリコーン樹脂であることを特徴とする磁気治療器具。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれかに記載の磁気治療器具であって、
前記磁性部、前記係止部および前記被係止部を構成する前記樹脂が、互いに同一のウレタンゴムまたはニトリルブタジエンラバーであることを特徴とする磁気治療器具。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の磁気治療器具を製造する方法であって、
前記磁性部と前記被係止部と前記係止部とに対応する上型と下型とを備えた金型を用い、
前記金型の前記磁性部に対応する部分に、当該磁性部を構成する樹脂をセットし、前記金型の前記被係止部に対応する部分に、当該被係止部を構成する樹脂をセットするとともに、前記金型の前記係止部に対応する部分に、当該係止部を構成する樹脂をセットする樹脂セット工程と、
前記金型のうち少なくとも前記磁性部に対応する部分にセットされた前記樹脂に、前記磁性体を投入する磁性体投入工程と、
前記金型にセットされた樹脂を当該金型によってプレス成型し、前記磁性部と前記被係止部と前記係止部とを一体に形成するプレス成型工程とを含むことを特徴とする磁気治療器具製造方法。
【請求項7】
請求項6に記載の磁気治療器具製造方法であって、
前記上型あるいは下型の前記被係止部に対応する部分にセットされた前記樹脂に前記被係合部材を埋め込む被係合部材埋め込み工程を含み、
前記プレス成型工程にて、前記被係合部材がセットされた状態で前記樹脂をプレス成型することを特徴とする磁気治療器具製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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