説明

磁気波動歯車を用いた速度変換機

【課題】磁気波動歯車を用いた速度変換機の設計自由度を向上させる。
【解決手段】共通の軸線を有する入力軸12と出力軸14にそれぞれ円筒形状の入力側磁気歯車28と出力側磁気歯車32を配置する。これらの磁気歯車12,14の半径方向外側に固定磁極歯36を配置する。磁気歯車12,14の外周側面に永久磁石30,34が極性が交互になるように周方向に配置されて磁極が形成される。固定磁極歯は、第1および第2磁気歯車を取り巻くように周方向に配列される。磁気歯車12,14と、固定磁極歯36により磁気波動歯車が構成される。二つの磁気歯車12,14の軸線方向の長さ、半径を独立して定めることができ、設計自由度が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気波動歯車を用いた速度変換機に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気波動歯車が下記先行技術文献に記載されている。特許文献1に記載の磁気波動歯車は、同軸に、かつ軸方向に隣り合うように配置された二つの円板形状のロータと、二つのロータの対向する面に挟まれるように配置される固定部を有する。二つのロータの互いに対向する面には、一方に周方向に永久磁石が配列され、他方に磁気歯が周方向に配列されている。固定部は、周方向に配列される磁性体片で構成される。この磁気波動歯車では、永久磁石、固定された磁性体片、磁気歯が、ロータの回転軸線に沿う方向に並んで配置されている。この磁気波動歯車において、永久磁石、磁気歯、固定された磁性体片のそれぞれの個数を適切に選ぶことにより所望の変速比を得ることができる。
【0003】
非特許文献1に記載の磁気波動歯車は、内側ロータと、内側ロータの半径方向に外側に、これを囲むように位置する外側ロータと、内側ロータの外側ロータの間の位置に周方向に配列された磁性体片を有する。この磁気波動歯車では、内側ロータの永久磁石、固定された磁性体片、外側ロータの永久磁石が、ロータの半径方向に並んで配置される。この磁気波動歯車において、内側ロータの永久磁石、外側ロータの永久磁石、固定された磁性体片のそれぞれの個数を適切に選ぶことにより所望の変速比を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−106940号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】ケー・アタラー(K.Atallah)他2名,「Design,analysis and realisation of a high-performance magnetic gear」,IEE Proc.-Electr.Power Appl.,2004年3月,Vol.151,No.2,p.135-143
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述のように、磁気波動歯車は、永久磁石等の個数を適切に選ぶことにより所望の変速比を得ることができ、大きな変速比を簡易な構成で実現できる利点がある。変速比が大きいということは、伝達トルクが低速側と高速側で大きく変わることを意味する。一方、磁気波動歯車において伝達可能なトルク、つまり許容される伝達トルク(以下、許容伝達トルクと記す。)は、永久磁石と磁性体片の対向面積に依存する。よって、低速側では許容伝達トルクを大きくするために対向面積を大きくする必要がある一方で高速側では許容伝達トルクが小さくて済むため対向面積を小さくすることができる。つまり、低速側と高速側でロータの形状を変えることが望まれている。
【0007】
上記先行技術文献においては、ロータの形状変更の自由度が小さく、低速側、高速側のロータの形状を大きく異ならせることが難しい。
【0008】
本発明は、設計自由度が大きく、高速側と低速側で所望の許容伝達トルクを得やすい磁気波動歯車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の磁気波動歯車を用いた速度変換機は、共通の軸線を有する第1軸と第2軸にそれぞれ回転体形状の第1磁気歯車と第2磁気歯車を配置し、第1および第2磁気歯車の半径方向外側に固定磁極歯を配置して形成される。第1および第2磁気歯車と、固定磁極歯により磁気波動歯車が構成される。第1磁気歯車は第1軸と共に回転し、第2磁気歯車は第2軸と共に回転する。二つの磁気歯車の外周側面に磁極が形成される。これらの磁極は、例えば永久磁石を極性が交互になるように周方向に配列して形成する。第1および第2磁気歯車の半径方向外側に配置された固定磁極歯は、周方向において固定的に配置される。また、固定磁極歯は、第1歯車と対向する部分と、第2歯車と対応する部分と、これらの部分を繋ぐブリッジ部分を有する。そして、固定磁極歯は、第1および第2磁気歯車を取り巻くように周方向に配列される。
【0010】
第1および第2磁気歯車は、円筒または円板形状とすることができる。
【0011】
第1および第2磁気歯車が円筒または円板形状の場合、第1磁気歯車の半径と外周側面の面積の積と、第2磁気歯車の半径と外周側面の面積の積を、伝達トルクの大きな方の磁気歯車において大きくすることができる。さらに、第1磁気歯車の半径と外周側面の面積の積と、第2磁気歯車の半径と外周側面の面積の積との比を、第1磁気歯車の伝達トルクと第2磁気歯車の伝達トルクの比に等しくすることができる。
【0012】
第1および第2磁気歯車が円筒または円板形状の場合、第1磁気歯車の半径と外周側面の面積の積と、第2磁気歯車の半径と外周側面の面積の積を、極対数が多い方の磁気歯車において大きくすることができる。さらに、第1磁気歯車の半径と外周側面の面積の積と、第2磁気歯車の半径と外周側面の面積の積との比を、第1磁気歯車の極対数と第2磁気歯車の極対数の比に等しくすることができる。
【発明の効果】
【0013】
第1および第2磁気歯車の外形形状、例えば軸方向の寸法、半径方向の寸法を、容易に変更することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態の速度変換機の軸線を含む断面図である。
【図2】図1のA−A線による断面図である。
【図3】図1のB−B線による断面図である。
【図4】磁気波動歯車の動作説明図である。
【図5】磁気波動歯車の動作説明図である。
【図6】本発明の他の実施形態の速度変換機の要部構成を示す図である。
【図7】本発明の更に他の実施形態の速度変換機の要部構成を示す図である。
【図8】本発明の更に他の実施形態の速度変換機の要部構成を示す図である。
【図9】本発明の更に他の実施形態の速度変換機の要部構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を、図面に従って説明する。図1は、本実施形態の速度変換機10の概略構成を示す断面図である。図2および図3は、図1に示すA−A線およびB−B線による断面図である。
【0016】
速度変換機10は、二つの軸12,14を有し、これらの軸の間で回転の伝達を行う。二つの軸12,14は、磁気波動歯車を介して接続されている。磁気波動歯車の作用により、軸12は軸14より高速で回転する。軸12を入力軸、軸14を出力軸とした場合、速度変換機10は減速機として機能し、逆に軸14を入力軸、軸12を出力軸とした場合には、増速機として機能する。以下の説明においては、速度変換機10を減速機として機能させた場合を例として説明するが、前記のように入出力軸を入れ替えることで増速機としても機能させることができ、速度変換機10は、減速機としての使用に限定されるものではない。
【0017】
入力軸12および出力軸14は、磁気波動歯車を収容するケース16に軸受を介して回転可能に支持されている。入力軸12と出力軸14の回転の軸線は共通である。ケース16は、例えば円筒形状の胴部分18aと胴部分の一端を覆うように設けられた例えば円環板形状の端部分18bを含むケース本体18と、胴部分18aの他端を覆うように着脱可能に設けられたケース蓋20を有する。入力軸12は、ケース本体18の特に端部分18bにあけられた開口内の軸受22に支持される。また、入力軸12のケース内に位置する端部分の少なくとも一部は中空軸となっており、中空部分12aに軸受24が配置される。出力軸14は、この軸受24と、ケース蓋20にあけられた開口内の軸受26とに支持される。軸受22,24,26は、玉軸受、ころ軸受等の転がり軸受を採用することができる。
【0018】
入力軸12の、ケース16内に位置する部分には、入力側磁気歯車28が配置されている。入力側磁気歯車28は、円筒または円板形状を有し、入力軸12と共に回転する。入力側磁気歯車28の円筒形状の外周側面には、周方向に極性が交互となるように永久磁石30が配列される。これにより、円筒または円板形状の外周側面に磁極が形成される。これらの永久磁石30の内側には、磁束を通すための円環形状の磁性体リング31が配置される。この速度変換機10においては、4個の永久磁石30が、等ピッチで周方向に配置される。図3において、二重斜線で示す部分は、外側がN極となるように配置された永久磁石であり、白抜きの部分は外側がS極となるように配置された永久磁石である。入力側磁気歯車28の極対数は2となる。
【0019】
出力軸14の、ケース16内に位置する部分には、出力側磁気歯車32が配置されている。出力側磁気歯車32は、円筒または円板形状を有し、出力軸14と共に回転する。出力側磁気歯車の円筒形状の外周側面には、周方向に極性が交互となるように永久磁石34が配列される。これにより、円筒または円板形状の外周側面に磁極が形成される。これらの永久磁石34の内側には、磁束を通すための円環形状の磁性体リング35が配置される。この速度変換機10においては、28個の永久磁石が、等ピッチで周方向に配置される。図2において二重斜線で示す部分は、外側がN極となるように配置された永久磁石であり、白抜きの部分は外側がS極となるように配置された永久磁石である。出力側磁気歯車32の極対数は14となる。
【0020】
入力側磁気歯車28と、出力側磁気歯車32の半径方向外側には、固定磁極歯36が配置される。固定磁極歯36は磁性材料で形成され、ほぼ直方体形状を有する。複数の固定磁極歯36が、ケース本体の胴部分18aの内周面に、周方向に関して固定的に配置され、入力側磁気歯車28と出力側磁気歯車32を取り巻くまたは取り囲むように周方向に配列される。固定磁極歯36は、入力側磁気歯車28に対向する入力側対向部分36a、出力側磁気歯車32に対向する出力側対向部分36bおよびこれらの部分36a,36bを繋ぐブリッジ部分36cを有する。入力側対向部分36aと入力側磁気歯車28のギャップと、出力側対向部分36bと出力側磁気歯車32のギャップは小さく、二つの磁気歯車28,32の距離は前記のギャップに比べ大きくされている。これにより、入力側、出力側の永久磁石30,34間の磁束は固定磁極歯36を通る。この速度変換機10においては、16個の固定磁極歯36が、等ピッチで周方向に配置される。
【0021】
図4および図5により、磁気波動歯車の動作について説明する。図4(a)は、入力側磁気歯車28の、N極が半径方向外側に向いた永久磁石30-1が、4個の固定磁極歯36-1,36-2,36-3,36-4に対向する状態を示している。図4(b)は、出力側磁気歯車32の永久磁石34と、固定磁極歯36の関係が示されている。入力側磁気歯車の永久磁石30-1が図4(a)のように位置するとき、出力側磁気歯車の永久磁石34-1,34-2,34-3,34-4が図4(b)のように位置しているとすると、固定磁極歯36-1,36-2,36-3,36-4から永久磁石34-1,34-2,34-3,34-4に向かう磁束は、図4(b)の矢印の向きとなる。この4つの矢印は、対称に配置され、よって互いの磁気吸引力が打ち消し合う。
【0022】
図5(a)は、入力側磁気歯車28が、固定磁極歯36の1ピッチ分時計回りに回転した状態を示している。図4(a)で着目した永久磁石30-1に対向する固定磁極歯は、1ピッチずれ、固定磁極歯36-2,36-3,36-4,36-5となる。このため、永久磁石30-1の磁束に影響される、出力側磁気歯車32の永久磁石は、図5(b)に示すように永久磁石34-2,34-3,34-4,34-5となる。固定磁極歯36と、永久磁石34の配列のピッチが異なるため、固定磁極歯36-2,36-3,36-4,36-5から永久磁石34-2,34-3,34-4,34-5に向かう磁束は、図5(b)の矢印に示すようになる。図5(b)の4つの矢印は、対称性が崩れ、不均等となっており、出力側磁気歯車32を回転させるトルクを生じさせる。これにより、入力軸12から出力軸にトルクが伝達される。
【0023】
磁気波動歯車において、入力側磁気歯車の極対数nin、出力側磁気歯車の極対数nout 、固定磁極歯の歯数をnmpとすると、次式の関係がある。
nmp=nout ±nin ・・・(1)
また、入力軸回転速度ωinと出力軸回転速度ωout の関係は、次式となる。
ωout =(nin/nout )ωin ・・・(2)
また、入力側磁気歯車が伝達するトルクTinと出力側磁気歯車が伝達するトルクTout は、次の関係を有する。
Tin/Tout =ωout /ωin=nin/nout ・・・(3)
【0024】
速度変換機10の磁気歯車と固定磁極歯の構成、つまり外周側面に磁極が配列された入力側および出力側磁気歯車と、これらの磁極と半径方向において対向して配置される固定磁極歯を有する構成により、設計の自由度が大きく高まる。以下に記載する実施形態により説明する。
【0025】
磁気歯車においては、許容伝達トルクを超えると磁極間の磁気結合が切れ、回転の伝達ができなくなる。許容伝達トルクを大きくするためには、磁気歯車の磁極が形成された面(磁極形成面)の面積を大きくするか、または磁気歯車の半径を大きくする必要がある。また、速度変換機においては、入力側と出力側で伝達されるトルクが異なるので、一方の磁極形成面の面積を大きくすれば足りる場合がある。このため、入力側、出力側で相互に影響を受けずに磁極形成面の形状、寸法を決定できることが望まれる。
【0026】
図6は、速度変換機40の概略構成を示す図である。速度変換機40の基本的な構成は、前述の速度変換機10と同一であり、共通する部分の説明は省略する。速度変換機40と速度変換機10の相違の要点は、磁気歯車と固定磁極歯の形状である。速度変換機40の、入力側磁気歯車42と出力側磁気歯車44の半径は等しく、幅(軸線方向の長さ)が異なる。入力側磁気歯車42の幅がL1 、出力側磁気歯車44の幅がL2 であれば、二つの磁気歯車の外周側面の面積の比はL2 /L1 となる。入力側磁気歯車42で許容伝達トルクTAinと出力側磁気歯車44で許容伝達トルクTAout は、次式の関係となる。
TAout /TAin=L2 /L1 ・・・(4)
【0027】
また、固定磁極歯46の、入力側磁気歯車42と対向する部分46aと出力側磁気歯車44と対向する部分46bの間のブリッジ部分46cは細くされ、磁気歯車42,44の磁極との距離が遠くなるようにされている。ブリッジ部分を細くする構成は、前述の速度変速機10、更には後述する態様においても、採用することができる。出力側磁気歯車44の幅に合わせて、これに対向する部分46bの幅が変更されている。
【0028】
このように、速度変換機40では、許容伝達トルクを高めたい磁気歯車の軸方向の寸法を増加している。このとき、他方の磁気歯車の形状の変更の必要がない。
【0029】
図7は、速度変換機50の概略構成を示す図である。速度変換機50の基本的な構成は、前述の速度変換機10と同一であり、共通する部分の説明は省略する。速度変換機50と速度変換機10の相違の要点は、磁気歯車と固定磁極歯の形状である。速度変換機50の入力側磁気歯車52と出力側磁気歯車54の幅は等しく半径が異なる。固定磁極歯56は、入力側と出力側で異なる磁気歯車の半径に対応してL字形となっている。入力側磁気歯車52の半径がR1 、出力側磁気歯車54の半径がR2 であれば、二つの磁気歯車の外周側面の面積の比は、R2 /R1 となる。また、磁極間の磁気結合力と半径の積が許容されるトルクとなるので、外周側面の面積と半径の積により許容伝達トルクが決まる。入力側磁気歯車52で許容される伝達トルクTAinと出力側磁気歯車54で許容伝達トルクTAout は、次式の関係となる。
TAout /TAin=(R2 /R1)2 ・・・(5)
したがって、R2 /R1 =√2であれば、許容伝達トルクの比は、2となる(TAout /TAin=2)。
【0030】
速度変換機50では、許容伝達トルクを高めたい磁気歯車の半径を増加している。このとき、他方の磁気歯車の形状の変更が必要ない。
【0031】
入力側磁気歯車が伝達するトルクTinと出力側磁気歯車が伝達するトルクTout は、前述のように、回転速度ωin,ωout または極対数nin,noutで定まる。よって、入力側と出力側が、同時に許容伝達トルクとなるのは、次式の関係が成り立つときである。
TAout /TAin=nout /nin ・・・(6)
【0032】
前述のように、許容伝達トルクは、磁気歯車の半径と外周側面の面積の積に比例するので、入力側、出力側の磁気歯車の半径と外周側面の面積の比を、磁極数の比と等しくすることにより、入力側、出力側の磁気歯車が同時に許容伝達トルクとなり無駄がなくなる。
【0033】
図7は、速度変換機60の概略構成を示す図である。速度変換機60の基本的な構成は、前述の速度変換機10と同一であり、共通する部分の説明は省略する。速度変換機60と速度変換機10の相違の要点は、磁気歯車と固定磁極歯の形状である。特に、速度変換機60においては、一つの磁気歯車の半径と幅の両者を変更している。速度変換機60においては、入力側磁気歯車62の半径を小さくし、その分幅を広げている。入力軸の回転速度が高い時には、軸慣性を小さくするために軸の直径を小さくし、これによる磁気歯車の外周側面の面積を補うために、幅を広くする。また、出力側磁気歯車64が低速回転であれば、半径を大きくすることにより許容伝達トルクを大きくし、速度変換機60の軸方向の寸法増加を抑えることができる。
【0034】
図8は、速度変換機70の概略構成を示す図である。速度変換機70の基本的な構成は、前述の速度変換機10と同一であり、共通する部分の説明は省略する。速度変換機70と速度変換機10の相違の要点は、磁気歯車と固定磁極歯の形状である。速度変換機70の入力側磁気歯車72および出力側磁気歯車74は、円錐台形状であり、固定磁極歯76は、磁気歯車の円錐台形状に対応して、磁気歯車に対向する面が斜面となっている。磁気歯車の軸方向寸法やテーパ角を調整することで許容される伝達トルクを調整することができる。
【0035】
速度変換機70のように、磁気歯車の形状を円筒または円板形状以外の回転体とすることが可能である。この場合にも、固定磁極歯を、入力側、出力側磁気歯車の半径方向外側に配置することで、個々の磁気歯車の形状変更の自由度は高く維持される。
【符号の説明】
【0036】
10 速度変換機、12 入力軸、14 出力軸、28 入力側磁気歯車、30 永久磁石、32 出力側磁気歯車、34 永久磁石、36 固定磁極歯。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
共通の軸線を有する第1軸および第2軸と、
回転体形状を有し、回転体外周側面に磁極が形成され、第1軸と共に回転する第1磁気歯車と、
回転体形状を有し、回転体外周側面に磁極が形成され、第2軸と共に回転する第2磁気歯車と、
第1磁気歯車と第2磁気歯車の半径方向外側に、周方向に関して固定配置され、第1磁気歯車と対向する部分と第2磁気歯車に対向する部分とこれらの部分を繋ぐブリッジ部分を有する固定磁極歯であって、第1磁気歯車と第2磁気歯車を取り巻くように周方向に配列される固定磁極歯と、
を有し、第1磁気歯車、第2磁気歯車および固定磁極歯で磁気波動歯車を構成した速度変換機。
【請求項2】
請求項1に記載の速度変換機であって、第1および第2磁気歯車は円筒または円板形状であり、第1磁気歯車の半径と外周側面の面積の積と、第2磁気歯車の半径と外周側面の面積の積が、伝達トルクの大きな方の磁気歯車において大きい、速度変換機。
【請求項3】
請求項2に記載の速度変換機であって、第1磁気歯車の半径と外周側面の面積の積と、第2磁気歯車の半径と外周側面の面積の積との比が、第1磁気歯車の伝達トルクと第2磁気歯車の伝達トルクの比に等しい、速度変換機。
【請求項4】
請求項1に記載の速度変換機であって、第1および第2磁気歯車は円筒または円板形状であり、第1磁気歯車の半径と外周側面の面積の積と、第2磁気歯車の半径と外周側面の面積の積が、極対数が多い方の磁気歯車において大きい、速度変換機。
【請求項5】
請求項4に記載の速度変換機であって、第1磁気歯車の半径と外周側面の面積の積と、第2磁気歯車の半径と外周側面の面積の積との比が、第1磁気歯車の極対数と第2磁気歯車の極対数の比に等しい、速度変換機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−219907(P2012−219907A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−86047(P2011−86047)
【出願日】平成23年4月8日(2011.4.8)
【出願人】(000003609)株式会社豊田中央研究所 (4,200)