説明

磁気特性の優れた厚い板厚の方向性電磁鋼板

【目的】 本発明は電気機器の鉄心等に用いられる磁気特性の優れた厚い板厚の方向性電磁鋼板を提供するものである。
【構成】 重量で、Si:2.5〜4.5%を含有する板厚0.36〜1.00mmの厚手方向性電磁鋼板において、鋼板のC量、磁束密度、結晶粒の粒界形状、粒内方位分散度を制御することにより、板厚に対する鉄損の値が良好であることを特徴とする厚い板厚の方向性電磁鋼板。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トランス等の鉄心として使用される磁気特性の優れた厚い板厚の方向性電磁鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】方向性電磁鋼板は、主にトランスその他の電気機器の鉄心材料として使用されており、励磁特性、鉄損特性等の磁気特性に優れていることが要求される。励磁特性を表す数値としては、磁場の強さ800A/mにおける磁束密度B8 が通常使用される。また、鉄損特性を表す数値としては、周波数50Hzで1.7テスラー(T)まで磁化したときの1kg当りの鉄損W17/50 を使用している。
【0003】磁束密度は、鉄損特性の最大支配因子であり、一般的にいって磁束密度が高いほど鉄損特性が良好になる。なお、一般的に磁束密度を高くすると二次再結晶粒が大きくなり、鉄損特性が不良となる場合がある。これに対しては、磁区制御により、二次再結晶粒の粒径に拘らず、鉄損特性を改善することができる。
【0004】この一方向性電磁鋼板は、最終仕上焼鈍工程で二次再結晶を起こさせ、鋼板面に{110}、圧延方向に〈001〉軸を持った、いわゆるゴス組織を発達させることにより製造されている。良好な磁気特性を得るためには、磁化容易軸である〈001〉を圧延方向に高度に揃えることが必要である。
【0005】このような高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造技術として代表的なものに田口悟等による特公昭40−15644号公報及び今中拓一等による特公昭51−13469号公報記載の方法がある。前者においてはMnS及びAlNを、後者ではMnS,MnSe,Sb等を主なインヒビターとして用いている。従って現在の技術においてはこれらインヒビターとして機能する析出物の大きさ、形態及び分散状態を適正に制御することが不可欠である。
【0006】一方、近年のトランスメーカーの省力化、コストダウンの観点から特に、積鉄心の分野で、積回数を減すため、板厚の厚い方向性電磁鋼板のニーズが高まってきた。また、大型回転器の分野において、以前から方向性電磁鋼板を使用したいとの要望があり、この分野においても、積回数を減すため、板厚の厚い方向性電磁鋼板のニーズは高い。
【0007】他方、板厚を厚くすることは、一般的には、鉄損特性の劣化につながるため、この課題を解決する磁気特性の優れた厚い板厚の方向性電磁鋼板の開発の期待が高まってきた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、板厚を厚くし、かつ、優良な磁気特性を有する方向性電磁鋼板を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするところは、重量で、Si:2.5〜4.5%を含有する板厚0.36〜1.00mmの厚手方向性電磁鋼板において、鋼板のCが重量で0.0050%以下であって、磁束密度B8 ≧1.83Tであり、鋼板の直径(円相当直径)5mm超の各結晶粒に関する粒界形状の特徴を表わす指標として、式SF=(結晶粒の面積×4π)/(結晶粒界長)2を定義する時、各SF値の鋼板としてのSF(平均値)が、SF(平均値)<0.80であって、鋼板の直径5mm超の結晶粒における重心位置の結晶方位に対して、0.2〜4度の方位分散が、存在し、製品の板厚をt(mm)とした時に、鉄損W17/50 (w/kg)がW17/50 ≦3.3×t+0.35を満すことを特徴とする磁気特性の優れた厚い板厚の方向性電磁鋼板である。
【0010】
【作用】本発明が対象としている方向性電磁鋼板は、従来用いられている製鋼法で得られた溶鋼を連続鋳造法或いは造塊法で鋳造し、必要に応じて分塊工程を挟んでスラブとし、引き続き熱間圧延して熱延板とし、次いでこの熱延板に必要に応じて焼鈍を施し、必要に応じて中間焼鈍を挟む1回以上の冷延、脱炭焼鈍、最終仕上焼鈍を順次行うことによって製造される。
【0011】本発明者等は、厚い板厚の方向性電磁鋼板の製造工程において、磁気特性を良好ならしめるための必要条件について広範囲にわたって検討し、製品が具備すべき要件を見い出した。
【0012】以下実験結果を基に詳細に説明する。図1に、製品のC量と磁束密度が、製品の鉄損特性に与える影響を示す。
【0013】この場合、重量で、Si:3.21〜3.30%、C:0.025〜0.085%、酸可溶性Al:0.025〜0.030%、N:0.0075〜0.0086%、Mn:0.070〜0.161%、S:0.005〜0.029%、残部がFe及び不可避的不純物からなる珪素鋼スラブを1150〜1380℃に1時間加熱し、熱延して、2.8mm厚の熱延板とし、次いで、(1)900〜1100℃の熱延板焼鈍を施す、(2)熱延板焼鈍を施さない、なる2種類の条件で処理し、次いで、圧下率約83%で冷延し、0.48mm厚の冷延板とした。
【0014】かかる冷延板を810〜860℃の温度域で250秒間脱炭焼鈍(雰囲気:25%N2 −75%H2 、露点65℃)し、次いで、(a)750℃×30秒の追加焼鈍時にNH3 ガスを用いて、N増量で、0.0102〜0.0195%の窒化処理を施す。(b)処理なし、なる2種類の条件で処理し、次いで、MgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布し、内径の直径200〜1500mmのコイル状(5トン)とし、N2 を10〜100%(残部H2 )を含む焼鈍雰囲気中で、15℃/hrの昇温速度で、1200℃まで昇温し、H2 焼鈍雰囲気中で、1200℃に20時間保持する最終仕上焼鈍を施した。
【0015】しかる後、SSTサイズに切断し、平板状とし、850℃に4時間保持する歪取り焼鈍を施し、張力コーティングを施し、磁気測定を行った。最終製品の板厚は0.50mmであった。
【0016】図1から明らかなように、製品のC量0.0050%以下、磁束密度B8 ≧1.83Tの条件でのみW17/50 ≦2.00w/kgなる良好な鉄損特性をもつ製品が得られた。但し、この条件を満しても、W17/50 >2.00w/kgとなる場合も生じたので、この原因を詳細に検討した。
【0017】この検討結果について、以下説明する。図2R>2に、図1に示した実験において、C量0.0050%以下、磁束密度B8≧1.83Tなる製品における直径(円相当直径)5mm超の結晶粒の粒界形状因子(SF)及び直径5mm超の結晶粒における方位分散(Δθ)(度)と鉄損特性との関係を示す。
【0018】この場合、粒界形状因子(SF)は、式SF=(結晶粒の面積×4π)/(結晶粒界長)2を定義し、粒界形状を定量化した。SFの値は、結晶粒が円形の時1となり、粒界形状の凹凸が増すと、このSFの値が小さくなる。
【0019】また、直径5mm超の結晶粒における方位分散(Δθ)(度)は、結晶粒の重心位置に対する結晶粒内の方位差を表し、本発明の如く、コイル状で二次再結晶を生ぜしめ、その後平坦化され製品とされる場合には、通常、その結晶粒内での圧延方向距離が重心位置から離れる程、方位分散(Δθ)は大きくなる傾向がある。そして、SFの測定には画像解析を用い、Δθの測定には、ECPを用いた。なお、図2内の1点は図1に示した各実験条件のSSTを用い、SFについては直径5mm超の結晶粒101〜151個の平均値(SF(平均値))を示し、Δθについては、直径5mm超の結晶粒81〜113個の各結晶粒の最大方位分散(重心位置と重心位置から圧延方向に最も離れた位置との方位差)のΔθ(平均値)を示す。
【0020】図2から明らかなように、SF(平均値)<0.80、Δθ(平均値)(度)=0.2〜4の条件の場合は、いずれもW17/50 ≦2.00w/kgなる良好な磁気特性が得られている。
【0021】本発明者等は、上記知見を更に発展させるため、図1を説明するに用いたスラブを出発材とし、熱延板の板厚を2.3〜5.0mmとし、板厚0.36〜1.00mm厚の製品を作成した。その他のプロセス条件は、図1を説明したものと同一にとった。
【0022】その実験結果を図3に示す。図3から明らかなように、本発明の製品具備条件であるC≦0.0050%、B8 ≧1.83T、SF(平均値)<0.80、Δθ(平均値)(度)=0.2〜4の条件をすべて満足した場合、W17/50 ≦3.3×t+0.35(但し、W17/50 (w/kg)、t:製品板厚(mm))なる優れた鉄損特性が得られている。
【0023】本発明の効果メカニズムについては、必ずしも明らかではないが、本発明者等は以下のように推定している。磁束密度が高い程鉄損特性が良好であるが、一般的に磁束密度が高い程、結晶粒径が大きくなり、その点においては、不利となる。しかし、本発明の如く、板厚が厚い場合には、製品の結晶粒径が過大となり難い傾向がみられ、この意味において、本発明の如き厚手材の場合には、磁束密度と鉄損との相関はより明確となる。
【0024】一方、製品にCが残存すると、炭化物を形成し、磁化する時の磁壁の移動の妨げとなり鉄損特性を劣化させる原因となる。本発明の如き厚手材の場合には、脱炭焼鈍工程での脱炭が不十分となり易いので、この製品のC量の規制は、特に重要である。
【0025】更に、本発明の骨格となるのが、製品の結晶粒の形状と方位分散の組合せ効果である。粒界近傍には、通常スパイク磁区が発生しやすいが、結晶粒内に方位分散がある場合には、この傾向がより顕著となる。
【0026】更に、本発明の如く、結晶粒界の形状の凹凸度が高まっている(SF値が低まっている)場合には、粒界面積が増加していることを意味し、スパイク磁区の発生頻度がより多くなる。この本発明により増加せしめられるスパイク磁区は、グラスフィルム及びコーティングにより鋼板に付与される張力下で、磁区細分化を生ぜしめ鉄損特性を向上させることとなる。
【0027】本発明の如き厚手材の場合、単純な手法(鋼板へ付与する張力アップ等)だけでは、磁区細分化効果を実現し難いので、本発明の如き粒界形状制御と粒内方位分散制御の組合わせを行うことが、良好な鉄損特性を実現する上で必要となる。次に本発明の構成要件の限定理由について述べる。本発明において使用されるスラブの成分は、特に限定されるものではないけれども、製品の磁束密度を安定し、必要量までの脱炭を容易にする上で、重量で、0.025〜0.075%Cが望ましい。
【0028】製品の鉄損特性を良好ならしめるためには、2.5〜4.5%のSiを含有していることが望ましい。また、インヒビター形成元素として、Al,N,Mn,S,Se,Sb,B,Cu,Nb,Cr,Sn,Ti,Bi等を添加することができる。
【0029】このスラブの加熱温度は、特に限定されるものではないが、エネルギーコスト等の観点から1300℃以下にすることが望ましい。加熱されたスラブは、次いで、熱間圧延されて熱延板とされる。熱延板は、必要に応じて焼鈍された後、1回或は、中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延によって最終板厚とされる。
【0030】最終冷間圧延における圧下率は、特に限定するものではないけれども、80%以上とすることが製品の磁束密度(B8 値)を高める上で望ましい。最終冷間圧延における圧下率を80%以上とすることによって、脱炭焼鈍板において尖鋭な{110}〈001〉方位粒と、これに蚕食され易い対応方位粒({111}〈112〉方位粒等)を適正量得ることができる。これによりB8 ≧1.83Tとすることができる。
【0031】最終冷間圧延後、冷延板は700〜1000℃で脱炭焼鈍される。本発明の如く、製品板厚が0.36〜1.00mmと厚手の場合には、必要とされるレベルまで脱炭するのに要する脱炭焼鈍時間が長くなりがちなので、この対策として、出鋼C量を低めとしたり、脱炭焼鈍温度を高めにしたり、焼鈍雰囲気の露点を高めることは有利である。
【0032】脱炭された鋼板に対して、インヒビター強度が二次再結晶を生ぜしめるに不十分な場合は、NH3 ガスを用いて窒化処理等によるインヒビター強化策を施すことは望ましい。
【0033】次いで、鋼板にMgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布した後、コイルの内径で直径10〜100,000mmのコイル状とし、次いで最終仕上焼鈍が施される。仕上焼鈍中のコイルの内径をこのような範囲にすることで、鋼板の直径5mm超の結晶粒において重心位置の結晶方位に対し0.2〜4度の方位分散を存在せしめることが可能となる。
【0034】次いで、鋼板に歪取り及び張力コーティングを施す処理が行われ最終製品となる。この製品にレーザー等を用いた磁区制御を施すことは、鉄損特性を向上させる上で好ましい。
【0035】最終製品板は、重量でSi:2.5〜4.5%を含有する必要がある。2.5%未満では、鉄損特性を良好にし難く、4.5%超では、通常の冷間圧延時脆性の問題が生じる。
【0036】製品板厚は、本発明の如き厚手材の場合0.36〜1.00mmとなる。0.36mm未満では、製品板の具備条件が、良好な鉄損特性を得る上で、必須でない場合も生じる。また、製品板厚が1.00mmを超えると、本発明の如きC量レベルまた脱炭するための焼鈍時間が長くなり過ぎて、コストアップの原因となり好ましくない。
【0037】製品板のC量及び磁束密度は各々0.0050%以下、B8 ≧1.83Tでなければならない。これは、図1に示した如く、この範囲にすることが良好な鉄損特性を得る上で必要だからである。好ましくは、0.0030%以下である。
【0038】一方、製品板の直径(円相当径)5mm超の結晶粒の粒界形状の特徴を表す形状因子SFの鋼板としての平均値SF(平均値)は、SF(平均値)<0.80でなければならない。
【0039】また、直径5mm超の結晶粒における方位分散度(Δθ)は、Δθ=0.2〜4度としなければならない。これらは図2に示した如く、この範囲にすることが良好な鉄損特性を得る上で必要だからである。
【0040】このSF値を制御する方法については、特に限定するものでなく、二次再結晶発現前の一次再結晶粒径を制御する方法、Sn等粒界偏析元素を利用する方法、二次再結晶時のインヒビター強度を調整する方法等いずれの方法でもよい。
【0041】一方、Δθ値を制御する方法についても、特に限定するものではなく、製品の結晶粒径にあったコイル径として、最終仕上焼鈍を施す方法、凝固からスラブ加熱までの熱履歴を利用してスラブの結晶粒サイズを制御する方法等いずれの方法でもよい。このΔθの効果は、製品板の1個の粒に所定の方位分散があっても鉄損向上効果がある。
【0042】上記製品の具備条件を満足すれば、W17/50 ≦3.3×t+0.35(但し、W17/50 (w/kg)、t:製品の板厚(mm))なる良好な鉄損特性を有する厚い板厚の方向性電磁鋼板が得られる。
【0043】
【実施例】
実施例1重量でC:0.053%、Si:3.26%、Mn:0.15%、S:0.006%、酸可溶性Al:0.029%、N:0.0076%を含有するスラブを、1150℃の温度に加熱した後、熱延して、2.8mmの熱延板とした。
【0044】この熱延板を1120℃に保持し引き続き900℃に保持する熱延板焼鈍を施した後、圧下率約86%で最終板厚まで冷延して0.38mmの冷延板とし、■800℃で150秒保持、■830℃で150秒保持、■860℃で200秒保持なる3水準の脱炭焼鈍(25%N2 +75%H2 、露点65℃)を施し、次いで、750℃に30秒保持する焼鈍時に焼鈍雰囲気中にNH3 ガスを混入せしめ鋼板に窒化を生ぜしめた。
【0045】この窒化後のN量は、0.0195〜0.0211重量%であった。しかる後、この鋼板にMgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布し、コイル内径の直径が600mmの5tコイルとし、15℃/hrで1200℃まで昇温し、1200℃で20時間保持する最終仕上焼鈍を施した。
【0046】この時、昇温中の雰囲気ガスを25%N2 +75%H2 とし、1200℃で保持中の雰囲気ガスを100%H2 とした。次いで、SSTサイズの試料とし、平板状とし、張力コーティングを施し、850℃の歪取り焼鈍を行い、磁気測定を行った。最終製品の板厚は0.40mmであった。工程条件と製品板の特徴量を表1に示す。
【0047】
【表1】


【0048】実施例2重量でC:0.045%、Si:3.01%、Mn:0.14%、S:0.008%、酸可溶性Al:0.035%、N:0.0061%に、■Sn:0.05%、■Sn<0.01%なる2水準のSnレベルとし、残部Fe及び不可避的不純物からなるスラブを、1150℃の温度に加熱し、2.3mm厚の熱延板とした。
【0049】この熱延板に焼鈍を施すことなく、圧下率約79%で最終板厚まで冷延して0.48mmの冷延板とした。かかる冷延板に830℃×300秒(25%N2 +75%H2 、露点62℃)なる脱炭焼鈍を施し、その後の工程は、実施例1記載の条件で処理した。最終製品の板厚は、0.50mmであった。工程条件と製品板の特徴量を表2に示す。
【0050】
【表2】


【0051】実施例3重量でCを■0.078%、■0.053%、■0.039%の3水準とし、Si:3.21%、Mn:0.12%、S:0.009%、酸可溶性Al:0.034%、N:0.0060%、残部Fe及び不可避的不純物からなるスラブを、1200℃の温度に加熱し、3.0mm厚の熱延板とした。
【0052】この熱延板に焼鈍を施すことなく、圧下率約81%で最終板厚まで冷延して0.58mmの冷延板とした。かかる冷延板に830℃×450秒(25%N2 +75%H2 、露点62℃)なる脱炭焼鈍を施し、その後の工程は、実施例1記載の条件で処理した。最終製品の板厚は0.60mmであった。工程条件と製品板の特徴量を表3に示す。
【0053】
【表3】


【0054】
【発明の効果】本発明に従って、製品板のC量制御、磁束密度制御、結晶粒形状制御及び結晶粒内方位分散制御を組み合わせた効果を用いることにより、磁気特性の優れた厚い板厚の方向性電磁鋼板を得ることができるので、その工業的意義は極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】製品のC量及び磁束密度と鉄損特性の関係を示す図表である。
【図2】製品板の結晶粒の粒界形状因子及び結晶粒内方位分散と鉄損特性の関係を示す図表である。
【図3】製品板厚と鉄損特性の関係(本発明材及び比較材)を示す図表である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 重量で、Si:2.5〜4.5%を含有する板厚0.36〜1.00mmの厚手方向性電磁鋼板において、鋼板のCが重量で0.0050%以下であって、磁束密度B8 ≧1.83Tであり、鋼板の直径(円相当直径)5mm超の各結晶粒に関する粒界形状の特徴を表わす指標として、式SF=(結晶粒の面積×4π)/(結晶粒界長)2を定義する時、各SF値の鋼板としてのSF(平均値)が、SF(平均値)<0.80であって、鋼板の直径5mm超の結晶粒における重心位置の結晶方位に対して、0.2〜4度の方位分散が、存在し、製品の板厚をt(mm)とした時に、鉄損W17/50 (w/kg)がW17/50 ≦3.3×t+0.35を満すことを特徴とする磁気特性の優れた厚い板厚の方向性電磁鋼板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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