説明

示差的厚さの剥離剤コーティングを備える接着剤シート

第1の主表面及び第2の主表面を有する基材を備えるシートであって、第1の主表面がその上に1つ以上の接着剤の区分を有し、第2の主表面がその上に剥離剤コーティングを有し、剥離剤コーティングは、第2の主表面を実質的に完全に覆い、かつ接着剤区分に対応する異なる厚さを有する、シート。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、双方とも2009年12月22日に出願された、米国仮出願第61/289,174号及び同第61/289,186号に対する優先権を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、例えば、メモを加筆するための、接着剤シートに関する。
【背景技術】
【0003】
シート形状で、典型的にはパッド状又は積み重ねた配設で提供される、再配置可能なメモは、周知の組織及びコミュニケーション用ツールである。そのようなメモの例示的例は、POST−IT(登録商標)再配置可能な(Respositionable)メモとして3Mにより販売されている。典型的な構築において、そのようなメモは、裏側に、例えば典型的には縞状の、模様付き接着剤区分を有する紙のような基材と、メモがパッド状シート形状に配設されるとき、1つのシート上の剥離剤コーティングが、上位シートの底側上の接着剤区分からのシートへの接着を調節するように、反対側の前(及び加筆)側の少なくとも対応する部分上に剥離剤コーティングと、を備える。
【0004】
多様な再配置可能な接着剤が既知であり、時には所望の性能、例えば、選択される基材への接着、より強力な固着等を達成するように最適化される。同様に、時に低接着性裏糊又はLABと称される、多様な剥離剤コーティング材料が既知であり、その選択は、シート材料及び使用されている接着剤に部分的に依存する。
【0005】
幾つかの実施形態では、剥離剤コーティング材料の均一の層が、シートの前表面全体に適用される。他の実施形態では、費用を削減するために、剥離剤コーティング材料は、積み重ね体中の上位シート上の接着剤区分の場所に相当するシートの前側の部分のみに適用される。場合によっては、例えば、基材が紙である場合、剥離剤コーティング材料の適用は、特にある種の比較的暗色の紙において、基材の変色につながる。そのような場合において、剥離剤コーティング材料が接着剤に相当する領域のみに選択的に適用される場合、そのような変色は、シートの望ましくない示差的変色につながる可能性がある。加えて、前側の部分のみの上の低接着性コーティングの存在は、不均一の加筆性特性をもたらす可能性がある。これらの理由のために、前側の部分のみの上の剥離剤コーティングのストリップコーティングは、消費者にとって許容し難い可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
改善された再配置可能なメモ構築に対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、驚くべき利点の組み合わせを提供する再配置可能なメモシートを提供する。
【0008】
簡潔に要約すると、本発明のシートは、第1の主表面及び第2の主表面を有する基材を備え、本発明に従って、この第1の主表面は、その上に1つ以上の接着剤の区分を有し、この第2の主表面は、その上に剥離剤コーティングを有し、剥離剤コーティングは、第2の主表面を実質的に完全に覆い、剥離剤コーティングの厚さが変えられている。剥離剤コーティングの厚さは、シートが積み重ね形状に配設されるとき、剥離剤コーティングのより厚い部分が上位シートの接着剤の模様の場所に相当するように、又はシートがロール形状に配設されるとき、剥離剤コーティングのより厚い部分がシートの上位部分の接着剤の模様の場所に相当するように、接着剤区分(複数可)の模様に適合して異なる。
【0009】
我々は、驚くべきことに、そのような示差的厚さの剥離剤コーティングを使用することによって、本発明のシートが、手頃な費用を維持しながら、所望の剥離剤特性、及び美しい均一の外見を示すことを見出している。特に、本発明は、審美的に美しい実施形態における、例えば、米国特許第5,824,748号(Kestiら)に開示されるような、より高性能の接着剤の使用を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明について、図面を参照して更に説明することにする。
【図1】本発明の接着剤シートを作製するための例示的装置の斜視図。
【図2】本発明の例示的実施形態の部分の断面図。
【図3】本発明の接着剤シートを作製するために有用な例示的針管アセンブリの断面図。
【図4】本発明の例示的シートの積み重ね体の端面図。
【図5】本発明のシートの例示的ロールの断面図。
【0011】
これらの図は一定の縮尺ではなく、また、単に説明のためのものであって非限定的なものである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
別段の指示がない限り、本明細書及び「特許請求の範囲」において先に使用した分子量や反応条件等の成分の量や特性を表す全ての数値は、いかなる場合においても「約」という語で修飾されているものと解されるべきである。終点による数の範囲の詳細説明は、その範囲内に包含される全ての数を含む。本明細書及び添付の「特許請求の範囲」において使用されるとき、単数形「a」、「an」、及び「the」は、その内容について別段の明確な指示がない限り、複数の指示対象を包含する。本明細書及び添付の「特許請求の範囲」で使用されるとき、用語「又は」は、その内容によって別段の明確な指示がなされていない場合は、一般に「及び/又は」を含む意味で用いられる。
【0013】
明確さを目的として、かつそれによって不当に限定されることを意図せずに、任意の3つの連続的に積み重ねられたシートの群におけるシートは、上位シート、中間シート、及び下位シートとして参照され、この上位シートの接着剤区分(複数可)は、中間シートの前表面に接着され、中間シートの接着剤区分(複数可)は、下位シートの前表面に接着される。
【0014】
図1を参照すると、例示的ロールコータ10が示される。例示されるロールコータは、5本ロールコータを備えるが、コーティング溶液の別個(discreet)の帯をロールコータ中のアプリケータロールの面に適用する方法は、逆ロールコータ、2本ロールコータ、3本ロールコータ、及び4本ロールコータのような他のロールコータに適用可能であることが理解されよう。
【0015】
例示されるロールコータは、第1のコーティング供給源14を有する第1のコーティングアプリケータ12を備える。第1のコーティングアプリケータ12は、W0ロールの面16上に実質的に均一の第1のコーティング15を適用し、5本ロールコータ中、W0ロール及びW00ロールからのニップ18に配備されるコーティング液溜17を備える。第1のコーティング供給源14は、第1のコーティングタンク20、第1のコーティングポンプ22、及び第1のコーティングをコーティング液溜に供給する配管を備える。封入給送又はチャンバドクターブレードアプリケータ、ドクターブレード及びドクターブレードの後方のコーティング液溜、コーティングロールをコーティングパンに浸漬する長いスロットのノズル、並びに噴水コータのような、実質的に均一の第1のコーティング15をコーティングロールの面16上に適用する他の第1のコーティングアプリケータ12を使用することができる。
【0016】
均一の第1のコーティング15の、W0ロールの面16上への適用後、第2のコーティング24は、第2のコーティングアプリケータ26によって、1つ以上の別個の帯としてコーティングロール上に適用される。第2のコーティングアプリケータ26は、第2のコーティング供給源30に流動的に接続される、W0ロールの面に沿った既定の交差機械位置に位置する1つ以上の針管28を備える。第2のコーティング供給源30は、第2のコーティングタンク32、第2のコーティングポンプ34、及び第2のコーティング24を第2のコーティングタンク32からくみ上げ、そこに針管28が流動的に接続されるマニホールド36を給水する配管を備え得る。第1のコーティング15の適用後、第2のコーティング24の別個の帯をロールの面上に適用する、W00ロールと反対側のW0ロールで挟持された溝付きコーティングロールのような他の第2のコーティングアプリケータ26を使用することができる。
【0017】
次に図3を参照すると、カップラー40中に圧入された、針管28を備える針管アセンブリ38が断面で示される。カップラー40は、典型的にはステンレス鋼又は真ちゅうのようなナイロン又は金属から作製される。カップラー40は、ねじ付きの円筒形の本体44を備える六角形のヘッド42及び円筒形の本体44を通じて開けられたクリアランス穴を有する。軽圧入穴は、六角形のヘッド42中に開けられ、次いで適切な直径及び長さの針管28が、六角形のヘッド42中に圧入される。取り付け針管28を備えるカップラー40は次いで、マニホールド36内のねじ付き穴中にねじ込みされ得る。カップラー40がプラスチックから作製され得、より低い作動圧力がマニホールド36において使用されるため、典型的には、一旦、針管アセンブリ38がマニホールド36上に締着されると、漏出を防止するガスケット又はシーラントは必要とされない。所望の場合、迅速切断カップラー、ツイストロックカップラー、及び差し込みカップラーのような他のタイプのカップラーを備える針管を使用することができる。そのようなカップラーは、空気圧系又は油圧系を機械装置に供給するときの使用のために既知である。
【0018】
望ましくは、針管28は、医療用注射器を作製するために製造される、ステンレス鋼皮下注射針細管から作製される。他の細管材料を使用することができ、針管の断面は、円形、正方形、三角形、又は他の幾何学形態であり得る。一実施形態では、針管の断面は、円形である。針管の内径及び針管の長さは、適用される第2のコーティング24の流速、第2のコーティングの粘度、及び第2のコーティング供給源30の所望の作動圧力に基づいて選択することができる。典型的には、針管の内径は、40ミル〜70ミル(1.02〜1.78mm)のような、10ミル〜100ミル(0.25〜2.54mm)である。針管の内径の選択は、適用される第2のコーティングの量及びその粘度より重要な要因である。マニホールドに接続される全ての針管が同じ内径を有する必要はないため、種々の交差機械方向の場所に、多かれ少なかれ第2のコーティングを追加することが可能である。
【0019】
針管28の長さは、所望の量の第2のコーティングを供給するために必要とされるマニホールド圧力を変化させるように調整することができる。典型的には、針管の長さは、3〜7インチ(7.6〜17.8cm)のような、2〜8インチ(5.1〜20.3cm)である。十分な長さは、針管中で第2のコーティング24の層流を作り出すために、及び針管の出口から、スプレーノズルによって作り出され得るようなスプレー又は液滴とは対照的な、第2のコーティングの最小限の分岐流を作り出すために所望される。流れは、コーティング適用に対する必要に応じて、継続的又は断続的(パルス状)であり得る。
【0020】
第2のコーティングをコーティングロールの面上に適用するのとは対照的に、第2のコーティングを2つのコーティングロールの間のニップに向けるために、より長い針管が必要とされ得る。概して、針管は、5psi〜20psi(34.5〜137.9キロパスカル)の圧力で、針管から第2のコーティング流を提供するようなサイズにされるが、他の圧力を使用することもできる。各針管によって分与される第2のコーティングの量への、向上された交差機械の均一性は、針管の長さが増加し、第2のコーティング供給源圧力が増加するにつれて生じる。
【0021】
針管は、コーティングロールの面上の第2のコーティング流に衝突するように置かれ得る。典型的には、そのような衝突は、第2のコーティング流の衝突点においてロールの表面の接線に引かれた線に対して90度未満の角度で生じるであろう。概して、針管の長手方向軸線と、衝突点においてロールの表面の接線に引かれた線との間の衝突角度は、0度〜60度である。
【0022】
別の方法としては、針管は、コーティングロールと、図1に示されるようなW0ロールとW1ロールとの間の送込みニップ47、又はコーティング液溜17の上方のW1ロールとW2ロールとの間の送込みニップのような、別のコーティングロールとの間のニップにおいて、第2のコーティング流に衝突するように置かれ得る。第2のコーティング流を針管から送込みニップ中に向けることによって、コーティングロールの面上の第2のコーティングの改善された保持が生じる。
【0023】
追加的に、送込みニップを形成するコーティングロールの相対的な速度を変化させることによって基材に適用される、第2のコーティング幅を変化させることが可能である。広くは、第2のコーティング幅を増加させるためには、W1ロールの速度は、WOロールの速度と相対的に減少させられるべきである。第2のコーティング幅を減少させるためには、W1ロールの速度は、WOロールの速度と相対的に増加させられるべきである。ロールコータにおける下流ロールの速度を遅延させることは、第2のコーティングの取り出し速度を低下させ、送込みニップにおける第2のコーティングを広げる傾向がある。逆に、ロールコータにおける下流ロールの速度を増加させることは、第2のコーティングの取り出し速度を増加させ、送込みニップにおけるその広がりを低減する傾向がある。針管から基材に適用される個々のストリップが互いに合流し、基材上に継続的な第2のコーティングを提供するような程度にまで、W0ロールを減速させることが可能である。
【0024】
別の方法としては、又は異なるコーティングロール速度と組み合わせて、第2のコーティング幅はまた、針管に供給される第2のコーティング溶液の量を変化させることによって、変化させることができる。より多くの第2のコーティング溶液を針管に供給することは、第2のコーティング幅を増加させるであろう一方で、より少ない第2のコーティング溶液を針管に供給することは、第2のコーティング幅を減少させるであろう。第2のコーティング流24の堆積後、示差的厚さのコーティングは、ロールW1からロールW2に、及びその後、基材46の第1の主表面48に移される。
【0025】
第1のコーティングアプリケータ12及び第2のコーティングアプリケータ26は、同じコーティング溶液又は異なるコーティング溶液をロールコータのロールに適用することができる。幾つかの実施形態について、同一のコーティング材料を適用することができ、基材上に置かれる第1のコーティング15の量は、ロールコータに対して従来の様態(manor)で調整することができ、基材上に置かれる第2のコーティング24の量は、マニホールド36内の圧力及び針管28のサイズを変化させることによって変更することができる。幾つかの他の実施形態では、同じ活性成分であるが異なる割合の固体を有する類似したコーティング材料は、第1及び第2のコーティングアプリケータ(12、26)によって適用することができる。例えば、低割合の固体の第1のコーティングを、第1のコーティング供給源14によって供給して、基材全体にわたって低坪量の第1のコーティング15を提供することができ、高割合の固体の第2のコーティングを、第2のコーティング供給源30によって供給して、縞模様で高坪量の第2のコーティング24を提供することができる。
【0026】
本発明の代表的なシートが図2に示され、ここで基材の両方の主表面に適用されたコーティングを有する基材46が例示される。基材の第1の主表面48上には、複数個の接着剤の縞50が存在する。接着剤の縞は、基材の幅に沿った位置に位置することができ、そこで完成した再配置可能なメモの上縁が基材から切り取られる。第2の主表面52(すなわち、メモの前又は加筆表面)上には、不均一のコーティング、典型的には、メルカプト官能シリコーンのような低接着性コーティングが存在する。第1のコーティング15を備える不均一のコーティングが、第2の主表面52の実質的に全体に均一に適用され、第1のコーティングの上部に、不均一の第2のコーティング24が縞で適用される。第2のコーティングは、針管28によって、基材46に、第1の主表面48上の接着剤の縞50と概して反対に縞で適用される。概して、第2のコーティング24の幅は、前述のように、送込みニップにおけるコーティングロールの相対的な速度によって調節され得るように、接着剤の縞50の幅よりも若干大きい。
【0027】
基材は、任意の好適な材料を備え、ほとんどの実施形態において、それは紙である。好ましくは、シートの前表面全体は、画像受容性であり、最も好ましくは、例えば、鉛筆、ペン、又はマーカーにより加筆可能である。
【0028】
図3に例示されるように、接着剤区分と反対の剥離剤コーティングの部分の平均厚さは、第1のコーティング15及び第2のコーティング24に相当する、接着剤の縞の間に位置する剥離剤コーティングの他方の部分の平均厚さよりも厚い。
【0029】
厚い部分の模様は、本発明のシートがパッド又はロール形状に配設されるとき、上位の接着剤区分が下位の厚い部分と揃えられるように、好ましくは、接着剤区分16の模様に相当する。典型的には、厚い部分の幅は、接着剤区分の対応する部分と幅が類似しているであろう。位置合せを促進するために、幾つかの実施形態では、厚い部分の幅は、パッド状積み重ね体又はロール中のシートの間の効果的な剥離剤特性を確保するために、接着剤区分の対応する部分の幅よりも幾分幅広であろう。模様付き接着剤区分は、多様な既知の技術、例えば、縞コーティングによって提供され得る。
【0030】
理解されようが、接着剤区分の厚さは、使用される接着剤の特徴、並びに所望の特徴及び結果として生じるシートの性能に部分的に依存する。典型的には、ミクロスフェアタイプの再配置可能な接着剤の場合、接着剤区分は、0.25〜1.0グラム/フィート(0.68〜2.7グラム/メートル)のコーティング重量を有するであろう。
【0031】
理解されようが、剥離剤コーティングの厚い区分及び薄い区分の厚さは、使用される剥離剤コーティングの特徴、並びに所望の特徴及び結果として生じるシートの性能に部分的に依存するであろう。典型的には、剥離剤コーティングの厚い区分は、2〜80ミリグラム/フィート(5.4〜215ミリグラム/メートル)のコーティング重量を有するであろう。典型的には、剥離剤コーティングの薄い区分は、厚い区分の10〜50パーセントの厚さであろう。比率が低すぎる場合、すなわち、薄い区分が厚い区分の10パーセント未満の厚さのコーティングを有する場合、シートの前表面の外見及び/又はその加筆性特性は、均一でない可能性がある。比率が指示されるそれよりも高い場合、不必要に高い費用が発生し得、かつ/又は高性能の接着剤を使用するときの所望の剥離剤特性が達成されない可能性がある。
【0032】
ほとんどの実施形態において、接着剤は、感圧性接着剤である。好ましい実施形態では、それは再配置可能な接着剤である。好適な接着剤は、当業者によって容易に選択され得る。本明細書で使用され得る接着剤の例示的例には、米国特許第5,824,748号(Kestiら)に開示されるものが挙げられる。
【0033】
好適な剥離剤コーティング材料は、当業者によって容易に選択され得る。選択は、使用される接着剤及びシート材料に部分的に依存し得る。例示的例としては、米国特許第5,154,962号(Mertensら)及び同第6,022,050号(Klineら)に開示されるものが挙げられる。
【0034】
驚くべきことに、本明細書に記載されるような剥離剤コーティング及び接着剤区分の構成を有するシートが、示差的厚さの剥離剤層コーティングにもかかわらず美しい均一の外見を示すことが見出されている。結果として、本発明は、さもなければ審美的に許容されない製品をもたらしたであろう、材料の新たな組み合わせ、例えば、水媒性の剥離剤コーティングとの、より高性能の接着剤の使用を可能にする。
【0035】
本発明のシートは、例えば、図4に示されるような積み重ねられたパッド又は図5に示されるようなロール形状を含む多様な既知の構成から、処理、保管、及び分与され得る。図4に示されるように、本発明のシートが、一般的に使用されるような連続的なシートの積み重ね体中に配設されるとき、上位シート146aの接着剤150aは、下位シート146bのより厚い第2のコーティング材料124bと接触する。シートのそのような積み重ねられたパッドは、従来の変換作業、例えば、切断、細断、及び積み重ねによって、図2に示されるシートの縞から容易に作製され得る。一般的に、そのような構成は、示されるような単一の接着剤区分を有するシートにより作製されるが、パッド状積み重ね体は、例えば、反対の縁におけるストリップのような、2つ以上の接着剤区分を有するシートにより作製され得ることが理解されよう。図5に示されるように、例えば、図2に示されるシートは、それ自体の上に巻いてロール形状にすることができ、ここで上位シート46aの接着剤区分50aは、下位シート46bのより厚い第2の剥離剤コーティング区分24bと接触するように配向される。そのようなロールは、図4に示される実施形態につながる変換作業の中間型、又は複数の接着剤区分を有する本発明のシートを分与する際の使用のためであり得る。
【実施例】
【0036】
本開示の目的及び利点を以下の非限定的な実施例で更に例示する。これらの実施例において列挙されるその特定の材料及び量、並びに他の条件及び詳細は、本開示を過度に制限しないと解釈されるべきである。別途注記のない限り、実施例における、及び本明細書の他の部分における、全ての部、割合、比率などは、重量基準である。
【0037】
基材コーティングを、図1に類似した5本ロールコータに対して行って、図3に例示されるような紙基材の第2の主表面上に不均一の低接着性裏側(LAB)コーティングを有する、コーティングされた基材を作り出すための、一工程ロールコーティング法を実証した。このコーティング材料の縞がより暗色の紙上でしばしば可視的であるため、グレープ色の紙基材は、不均一のLABコーティングでコーティングされた。紙の第1の主表面に対して、0.75グラム/フィート(2.0グラム/メートル)の接着剤コーティング重量をストリップ状模様で適用した。接着剤は、米国特許第5,824,748号(Kestiら)に記載されるような、高分子ミクロスフェアの境界線内に完全に混合された2つ以上の不水溶性高分子を備える合成感圧性ミクロスフェア接着剤を備えた。
【0038】
LABコーティングは、信越化学工業株式会社、日本から市販されるメルカプト官能シリコーン製品番号KF2001の水溶液中、20%固体を備えた。第2の主表面上には、約0.020グラム/フィート(0.054グラム/メートル)のLABコーティングをストリップ状領域において適用し、約0.010グラム/フィート(0.027グラム/メートル)を縞のない領域にコーティングした。このコーティング特性を達成するために、5本ロールコータを作動し、このうちW0はおよそ5%のウェブ速度、W1はおよそ70〜80%のウェブ速度であった。異なるW0ロール速度がLABコーティング重量の第1のコーティングの調整を可能にする一方で、第2のコーティングの縞内のLABコーティング重量は、LAB流速(ポンプ給送針管の速度)及びLABの縞の幅によって調整される。W1ロール速度の調整は、図2に示されるような接着剤の縞の幅よりも若干大きいLABコーティングの縞の幅を達成するために、針管によって適用されるLABコーティングの適切な広がりを可能にする。
【0039】
コーティングされた紙基材を、従来の変換法を使用して再配置可能なメモに変換した。LABコーティングが再配置可能なメモの加筆表面全体を覆ったため、不均一のLABコーティング模様は、再配置可能なメモの加筆表面上に可視的な縞を作り出さなかったことに留意した。再配置可能なメモは、メモの積み重ね体から分離され、互いに不当に粘着することなくそれらの意図された目的のために使用可能であったことにも留意した。加筆が、低LAB及び高LABコーティング重量を有する加筆表面上領域の間で全く異なるように見えないことを確認するために、種々のペンによる再配置可能なメモの加筆能力もまた検査した。加筆能力における変化は全く観察されなかった。
【0040】
本発明を添付図面を参照しながら好ましい実施形態について詳細に説明したが、様々な変更及び修正が当業者に明らかであることに留意されたい。そのような変更及び修正は、添付された「特許請求の範囲」によって定められるような本発明の範囲から逸脱しない限り、これに含まれるものと理解すべきである。本明細書に引用される全ての特許、特許書類、及び刊行物の完全な開示は、参照によりそれらの全体が組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の主表面及び第2の主表面を有する基材を備えるシートであって、前記第1の主表面がその上に1つ以上の接着剤の区分を有し、前記第2の主表面がその上に剥離剤コーティングを有し、前記剥離剤コーティングが前記第2の主表面を実質的に完全に覆い、前記剥離剤コーティングの厚さが変えられている、シート。
【請求項2】
前記1つ以上の接着剤区分と反対の前記剥離剤コーティングの部分の平均厚さが、前記剥離剤コーティングの他の部分の平均厚さよりも厚い、請求項1に記載のシート。
【請求項3】
前記接着剤が感圧性接着剤である、請求項1に記載のシート。
【請求項4】
前記接着剤が再配置可能な接着剤である、請求項4に記載のシート。
【請求項5】
前記第2の主表面が加筆性である、請求項1に記載のシート。
【請求項6】
前記基材が紙を含む、請求項1に記載のシート。
【請求項7】
下位シートのより厚い部分が上位シートの接着剤の縞と接触するように配設される、請求項1に記載のシートの積み重ね体。
【請求項8】
ロール形状に巻かれる、請求項1に記載のシート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−515160(P2013−515160A)
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−546182(P2012−546182)
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【国際出願番号】PCT/US2010/061730
【国際公開番号】WO2011/087828
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】