説明

秤量セルモジュール

【課題】出来るだけ少ない異なる部分組み立て品によって作ることができる大きく相違した種々の型の秤の提供。
【解決手段】垂直方向に可動の平行四辺形脚部(4)と、空間的に固定された平行四辺形脚部(3)とを含んでいる力伝達機構(2)を備えた秤量セルモジュール(1)には、秤量パン(8)の単一点結合を備えた第1の秤量パン支持装置(9)のための取り付け領域(32、33)ばかりでなく、秤量パン(8”)のための複数点結合、特に、四点結合を備えた第2の秤量パン支持装置(40、42、46、47)のための取り付け領域(38、39)もが備えており、前記第1及び第2の取り付け領域は、各々、力伝達機構(2)に結合されている。その結果、秤量セルモジュール(1)は、この群に含まれる種々のタイプの各々が、異なる最大負荷のために設計されている秤の設計群内の種々のタイプの秤を製造するために使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、秤量セルに関し、より特定すると、垂直方向に可動の平行四辺形の脚部と空間的に固定された平行四辺形の脚部とを備えた平行案内リンクを含んでいる力伝達機構を備えた秤量セルモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
秤の中心部材としての秤量セルにおいては、所与の最大負荷に対する設計に基づき且つ達成することができる精度に基づいた力伝達機構は、秤が使用できる用途範囲を本質的に決定する。
【0003】
市販によって入手可能な秤は、一群の秤の型が類似した外観を有し且つ類似した型名によって特定される、所謂、秤の型の一群又はシリーズで組織化されることが多い。一群の秤は、単一の開発プロジェクトか相互に関係するプロジェクトのグループの結果物である場合が多い。
【0004】
現在の技術による秤は、型の群内に異なる最大負荷及び異なる測定分解能の各々の秤量セルが、それらの全体設計及びそれらの部分品に関して互いに大きく異なり得るという問題点を有している。従って、部分品間に多くの違いが存在し、これは、高い製造コスト及び在庫コストにつながる。
【0005】
特に、一群の秤の型内の異なる型はまた、秤量パンの大きさ及び秤量パンが秤量セルに結合される方法に関して異なることがしばしばである。比較的高い負荷容量の秤に対して有用であることがわかっている公知の概念によれば、この場合に、通常比較的サイズが大きいことが必要とされる秤量パン又は秤量パン支持部材(適用可能な場合)は、偏って配置された秤量負荷からの有害な作用を避けるために、いくつかの箇所(ほとんどの場合には4カ所)において、秤量セルの力を受ける部分、すなわち、力伝達機構の垂直方向に可動の平行四辺形脚部に結合される。他方において、殆どの場合に小さい秤量パンを有する小容量の秤において好ましい構造は、所謂、単一箇所による結合、例えば、秤量パンのための取り付け面として機能する円錐形の支持部材によって、秤量パンを負荷を受ける部分に結合する構造である。
【0006】
公知の技術状況は、個々の構成部品が、比較的経済的な方法で異なる最大負荷に対して適用できるようなやり方で既に構成されている秤を含んでいる。
例えば、EP 0 573 806 A1に開示されている秤は、形状嵌め合い及び力伝達結合によってU字形状の中間部材に結合されている計測セルを有している。この計測セルは、中間支持フレームのU字形状の脚部間に配置され且つこのU字フレームのベース部に結合されている。中間支持フレーム及び計測セル上の各々の接触面が極めて狭い誤差範囲内に仕上げられて、支持フレームと計測セルとが相互にボルトで固定されたときに、計測セル内に組立による応力が伝えられないようになされている。従って、計測セルは、秤のハウジング内に組み付けられる前に中間支持フレームと一緒に調整することができ、計測セルと支持フレームとをユニットとしてハウジング内に取り付けることができる。U字形状の中間支持フレームは、種々の幅の計測セルを受け入れるように設計されている。(特許文献1参照)
DE 295 14 793 U1に記載されている精密秤のための過負荷保護装置は、上方及び下方のガイドアームを備えた二次案内リンク機構を有しており、このリンク機構においては、秤量パンに対向しているアームの端部は結合脚部に結合されており、秤量パンから離れる方向に面している端部は負荷受容装置に結合されていて、ガイドアーム、
結合脚部及び負荷を受ける装置は、平行四辺形リンクの形態で相互に結合されている。過負荷保護装置は、秤量パンと負荷を受ける装置とを秤の秤量範囲内で互いに堅固に結合された状態に維持する少なくとも1つの予め張力がかけられたバネを含んでいる。このバネは、上方のガイドアームと、負荷を受ける装置に堅固に結合されている取り付けプレートとの間に配置されている。結合脚部は、横方向の遊びによって取り付けプレート内を通過する。この設計概念によれば、計測セルの前方端部に最初に横向きの位置で過負荷保護装置を配置して殆どスペースをとらないようにすることが可能である。(特許文献2参照)
更に、校正用錘の受け入れ装置は、屈曲点を含み且つ2つの案内ボルトによって結合されているガイドプレートに結合するか一体化するか又は二次平行案内リンクの取り付けプレートに結合するか又は一体化することができる。従って、過負荷保護装置は、秤の外で予め組み立てることができ且つ秤の最大負荷容量に対して調整することができる。この部分組み立て品は、少数のネジによって計測セルに結合される。この装置は、異なるばね定数を有するバネを使用することによって異なる負荷範囲に適合させることができる。
【0007】
しかしながら、従来技術において開示されている装置は、1以上の秤の型において同じ別個の構成部品のうちのいくつかを使用するように設計されているけれども、全部の部分組み立て品に関して比較的大きな相違が依然として存在する。特に、秤に種々の大きさの秤量パン、例えば、小さいか又は中間の大きさの秤量パンが設けられなければならない場合には、秤量セルに対する異なる大きさの秤量パンの安定した結合ができるための設計に適合させることが必要である。従って、ある大きさを超える秤量パンは、もはや、秤量パンに対する一点結合を備えた錐体によって保持することはできない。なぜならば、秤量負荷の偏った配置による作用は、秤量結果に対する影響が大きすぎるからである。過負荷装置はまた、秤量パンの大きさに応じた異なる条件に適合しなければならない。力伝達機構に対する作用を有することができ且つ最終的に破壊を生じさせ得る横方向のトルクの影響は、秤量パンのサイズが大きくなるにつれて増大する。これらの横方向のトルクを遮断するのが目的である。
【特許文献1】EP 0 573 806A1
【特許文献2】DE 295 14 793 U1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
結局、本発明に対して課される課題は、秤の型の一群に含まれる大きく相違した種々の型の秤が出来るだけ少ない異なる部分組み立て品によって作ることができるように、秤の構成部品の設計を調和させることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題に対する解決方法は、請求項1の特徴を備えた構造によって提供される。垂直方向に可動の平行四辺形の脚部と空間的に固定された平行四辺形の脚部とを備えた平行案内リンクを含んでいる力伝達機構を備えた秤量セルモジュールは、秤量パンに対する一点結合を備えた第1の秤量パン支持装置のための取り付け領域だけでなく、秤量パンに対する複数点結合、特に四点結合を備えた第2の秤量パン支持装置のための取り付け領域をも有し、第1及び第2の秤量パンのための各々の取り付け領域の各々が、力伝達機構に結合されている。この設計概念によれば、秤量セルモジュールは、1つの型の群内の主として異なる最大負荷容量用に設計されている異なる型の秤を製造するために使用することができる。
【0010】
秤量セルモジュールの特別な実施形態においては、秤量パンの一点結合を備えた第1の秤量パン支持装置のための取り付け領域ばかりでなく、秤量パンの複数点結合、特に四点結合を備えた第2の秤量パン支持装置のための取り付け領域が、中間部品によって力伝達
機構に結合される。秤量セルモジュールが過負荷保護装置を有している場合には、中間部品は過負荷保護装置の構成部品であるのが好ましい。
【0011】
特に好ましい構造においては、過負荷保護装置は、上方ガイドアームと下方ガイドアームとを備え、各ガイドアームの一端が力伝達機構の垂直方向に可動の平行四辺形脚部に結合され、他方の端部が少なくとも1つの結合部材に結合されて、ガイドアーム、結合部材及び力伝達機構の垂直方向に可動の平行四辺形脚部が平行四辺形リンク形態で相互に結合されるようになされた二次平行案内リンクを有している。第1の秤量パン支持装置ばかりでなく第2の秤量パン支持装置の各々の取り付け領域は、二次平行案内リンクの結合部材上に配置されている。
【0012】
特に有利な実施形態においては、過負荷保護装置は、秤上の負荷が負荷範囲内にある限り、秤量パンと垂直方向に可動の平行四辺形脚部とを相互に堅固に結合された状態に維持する予め張力がかけられたバネを含んでいる。特に、予め張力がかけられたバネは、秤量セルモジュールのために特定された最大負荷に適合される弦巻ばねである。
【0013】
秤量セルモジュールの好ましい更に展開された実施形態においては、過負荷保護装置は、互いに空間的に分離されている第1及び第2の変位制限ストッパ手段を含んでいる。第2の変位制限ストッパ手段は、秤量セルモジュールが秤量パンの多点結合のために使用されるときに、第2の変位制限ストッパ手段が第1の変位制限ストッパ手段に加えて有効となるような構造とされている。
【0014】
もう一つ別の実施形態は、力伝達機構の固定の平行四辺形脚部をハウジングに対して堅固に結合することができるシャシ本体を有している。U字形状の輪郭を有する特別な形状のシャシ本体は、種々の最大負荷に対して特定されている種々の大きさの力伝達機構を収容するような設計とされている。更に、過負荷保護装置の変位制限ストッパ手段は、シャシ本体上に配置されている少なくとも1つの変位制限ストッパを含んでいる。
【0015】
この設計概念においては、秤量セルモジュールは、本質的に保護され、すなわち、保護装置は、ハウジングに取り付けられている変位制限過負荷保護ストッパの種類に依存しない。この場合には、変位制限ストッパの空間距離は最も正確な精度に設定されなければならないので、ハウジングを秤量セルモジュールに特別に適合させることが必要とされる。
【0016】
秤量パンに対するいくつかの結合点(特に4つの点)を備えた第2の秤量パン支持装置のための取り付け領域は、力伝達機構の両側に横方向に配置されるか、中間部品(構造が中間部品を含んでいる場合)、特に過負荷保護装置の二次平行四辺形機構に配置される。第2の秤量パン支持装置のための取り付け領域はリブが付けられた表面部分を有しており、第2の秤量パン支持装置は2つの支持梁であって、各々が同様にリブが付けられた表面部分を有している。各々のリブが付けられた表面部分の相互係合によって、支持梁は、取り付け領域に対する形状嵌め合い及び力伝達形態で取り付けることができる。
【0017】
更に大きな秤量パンが多数の支持点構造によって使用されている場合には、秤量パンのための支持点が配置されるフレームを形成するために、2つの支持梁は横向き連結部材によって結合することができる。この点において、秤量パンを秤に取り付ける点は、偏って配置された負荷の有害な作用を最小にするために、秤量パンの縁に出来るだけ近接して配置されるべきであることが述べられるべきである。
【0018】
秤量セルモジュールの特に好ましい実施形態においては、第2の変位制限ストッパ手段は、支持梁又はフレームに取り付けることができ且つ秤量セルモジュールの組み立てられた状態においては、共にシャシ本体に配置されている上方の第2の変位制限ストッパと下
方の第2の変位制限ストッパとの間に配置される変位制限ボルトを含んでいる。
【0019】
本発明による秤量セルモジュールは、秤量パンの結合及び過負荷保護装置のための異なる部分組み立て品の数を最少化するばかりでなく、例えば、校正装置のような秤の更に別の構成部品を各部分組み立て品内の少数の変動構成要素に減らすことを目的として設計されてもいる。
【0020】
後者の目的は、校正装置の場合には、校正用錘受け入れ装置、校正用錘及び校正用錘を適用したり取り外したりするための錘操作装置を含んでいる校正装置を備えた構造であって、校正用錘受け入れ装置が力伝達機構に結合されており、校正用錘操作装置がシャシ本体に結合されている構造によって得られる。校正用錘操作装置、すなわち、校正測定のために錘を校正用錘受け入れ装置上に降ろし、続いて、校正用錘を再び持ち上げるのに必要とされる機械的及び電気的構成部品のこの構造は、校正用錘操作装置がハウジングに対して独占的に結合される、例えば、EP 0 955 530 A1に開示されている従来技術による構造からそれている。
【0021】
より大きな負荷の測定に適している秤を製造するためには、校正装置に関して秤量セルモジュールで作られるべき唯一の変更は、校正用錘を秤量セルモジュールのために特定された最大負荷に適合することからなる。
【0022】
秤量セルモジュールの特別な実施形態においては、力伝達機構の平行案内リンクは、材料の大きなブロックから単一部片として作られている。代替的な設計においては、力伝達機構は、材料の単一ブロックによって単一体として作られる。力伝達機構は、特に、電磁力補償の原理に従って作動する。
【0023】
秤量セルモジュールは、多数の部分組み立て品が小さいままで維持されるが、それにも拘わらず、例えば、秤量パンの最大負荷、分解能、校正能力及び大きさに関してユーザーが必要とする多様性を提供する秤の型の一群を形成するために、種々の方法で完成し又は拡張することができる独立したユニットを形成する。
【0024】
力伝達機構自体を超えて、特に、本発明による秤量セルモジュール内の製造コストが高い部品又は部分組み立て品を、秤の設計群内の個々のモデルの全て、例えば、過負荷保護装置の二次平行案内リンク、校正用錘操作装置、シャシ本体ばかりでなく秤量パン支持装置に対して使用することができることは好ましい。
【発明の効果】
【0025】
秤量パンの大きさ及び秤量パンが秤量セルに結合される方法、特に、秤量パンが錐形の支持柱によって力伝達機構の垂直方向に可動の平行四辺形の脚部に対していくつかの点(ほとんどの場合には四点)で結合されるか一点で結合されるかによって異なる型が相互に区別されることが多い秤の型の一群において、本発明による秤量セルモジュールは、どの型の秤量パンに結合することも可能にし、従って、高度の順応性を提供する。結局、異なる型の大きな相違を秤の単一の設計群内で製造することができ、一方、これと同時に、部分組み立て品又は組み立て品モジュールの数を少なく維持することができる。
【0026】
本発明に従って設計された秤量セルモジュールは、所与のタイプの秤量セルが特定の秤の型と交換可能となるように、秤の外で予め組み立てられ且つ調整されるのが好ましい。別個に調整可能である秤量セルモジュールの概念は、例えば、秤量セルモジュールが製造工場外で交換されなければならない場合には、作動状態において特に有利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明を、図面に概略的に図示された例によって説明する。
図1は、以下において秤量セルモジュールと称され且つ参照符号1によって特定されているモジュールを形成するために組み立てられる秤量セルの部品の斜視図である。秤量セルモジュール1のための好ましい作動原理は電磁力補償である。電気及び電子構成部品に加えて、秤量セルモジュール1は、固定の平行四辺形脚部3と可動の平行四辺形脚部4とが一対のガイドアーム5(図中では、1つのガイドアーム5のみが見える)によって結合されている平行案内リンクを備えた力伝達機構を含んでいる。力伝達機構は、基本的な部品、すなわち、平行四辺形、レバー構造、結合部材、支点支持部材(図面では見えていない)が、薄い直線状の切れ目6の形態の材料が無い領域によって相互に分離されている大きな材料ブロックの一体部品である。切れ目6は、少なくとも1つの力低減レバーの回転面に直角な方向において材料ブロックを横切っている。この種の力伝達機構は、公知の技術状況に属するであり、EP 0 518 202 A1に詳細に開示されている。力伝達機構2の固定の平行四辺形脚部3は、U字形状のシャシ本体10のU字状脚部11間のベース部分12に、形状嵌め合い力伝達取り付け装置によって結合されている。この結合のためには、力伝達機構2上だけでなくシャシ本体10上の結合接触面が、平らに且つ狭い誤差範囲内に仕上げられている。
【0028】
過負荷保護装置の二次平行案内リンク20は、力伝達機構2の可動の平行四辺形脚部4に堅固に結合されている。この二次平行案内リンク20は折り返されており、このことは、ガイドアーム21が力伝達機構2の外側の空間内へと最初に延びた後に、可動の平行四辺形脚部4の横方向に隣接した位置あたりへと力伝達機構2の側部に沿って逆方向へと続く2つの部分に分けられ、その位置で、上方ガイドアーム及び下方ガイドアーム21が案内ボルト22によって各々の側部に結合されている。この二次平行四辺形リンク20は図3において見ることができ、以下、図3に関連して更に詳細に説明する。
【0029】
校正用錘操作装置30が秤量セルモジュールの両端においてシャシ本体10に直に取り付けられており、そこから力伝達機構2がシャシ本体10に結合されている。校正特定中に校正用錘36を保持する校正用錘受け入れ装置35は、レバー伸長部材37に結合されており、レバー伸長部材37は、力伝達機構2、特に力伝達機構2のレバーに直に取り付けられている。この種の校正装置は、EP 0 955 530 A1に開示されているような従来技術に属する。しかしながら、この参考例による校正用錘操作装置は、シャシ本体ではなく秤ハウジングに結合されている。校正用錘操作装置30は電動モーターを含んでおり、この電動モーターは、モーターハウジング31内に配置されており且つ校正用錘36を校正用錘受け入れ装置35上へと持ち上げたり降ろしたりする機能を果たす。
【0030】
図1の右手部分に示された縮小された図a)及びb)は、上記による秤量セルモジュール1を備えた秤7及び7’を概略的に示している。秤7は丸い秤量パン8を有しており、秤7’は矩形の秤量パン8’を有しており、これらは両方とも秤量パンの単一点結合として設計されている。
【0031】
過負荷保護装置の二次平行案内リンク20のガイドアーム21の折り返された端部に結合している脚部は、秤量パン8、8’のための取り付け面としての錐体19を支持している。秤量パン8、8’は、直に又はある種の場合には秤量パン支持部材(図示されていない)によって単一点負荷導入と称される構造である錐体19上に設置することができる。
【0032】
図1に示されており且つ次のパラグラフで説明される秤量セルモジュール1は、約1キログラムまでの負荷範囲の秤において好んで使用され、この場合には、力伝達機構2ばかりでなく、校正用錘36及び過負荷保護装置のバネ(以下において、図3に関して更に詳細に説明する)は、負荷範囲において使用するための部分組み立て品又は部品として理想化されている。
【0033】
図2は、U字形状のシャシ本体10の斜視図である。一体鋳造部品として作られるのが好ましいシャシ本体10は、ベース部分12と2つのU字形状脚部11とから構成されている。ベース部12から遠い方の端部において、U字形状脚部11は、ねじ穴18を有する外方へずらされた伸長部13内へと続いており、そこに校正用錘操作装置30(図1参照)がネジによって結合され得る。伸長部13の他端に設けられた出っ張り17は、過負荷保護装置20と結合される第1の変位制限ストッパとして機能する。U字形状のシャシ本体の内側の取り付け面16は、上記したように狭い誤差範囲内に仕上げられていて、同様に対応して狭い誤差範囲内に仕上げられている力伝達機構2の端面との正確な嵌合接触を提供する。
【0034】
シャシ本体10は、シャシ本体10を秤ハウジング9、9’(図1における縮小部分a)及びb)を参照のこと)のベースプレート(図面では見えていない)に結合する機能を果たすねじ穴(同じく、図面では見えない)を下面に有している。符号14及び15は、各々、図5a及び5bに関して以下により詳細に説明する過負荷保護装置のための上方及び下方変位制限ストッパを各々特定している。
【0035】
図3は、過負荷保護装置の二次平行案内リンク20を同様に斜視図で示している。共に符号21によって特定されている上方及び下方ガイドアームは、各々、結合領域26を有しており、この結合領域26において、好ましくはネジによって、二次平行案内リンク20を力伝達機構の可動の平行四辺形脚部4の頂部及び底部に結合することができる。ガイドアーム21は、その折り返し構造によって、締結結合部から離れた方の端部に、方向転換領域27を有している。各ガイドアームは、方向転換領域27から、中心に配置された結合領域26の外側に沿って延びている2つの部分に分けられている。方向転換領域27の近くにおいて、ガイドアーム21の部分には、屈曲結合部28が設けられている。更に、二次平行案内リンク20のガイドアーム21から負荷を受ける部分29への遷移部分には、屈曲結合部が配置されている。負荷を受ける部分29では、上方ガイドアーム21と下方ガイドアーム21とが互いに結合されて一種のケージを形成しており、これらのガイドアームは更にこのケージの内側に配置されている2つの案内ボルト22(その一方のみが見えている)によって相互に接触している。切頭円錐形支持部材19(同じく、支持錐体19と称される)が、秤量パン又は秤量パン支持部材のための取り付け面として、二次平行案内リンク21の負荷を受ける部分29の頂部に取り付けられている。過負荷の場合には、負荷を受ける部分29は、屈曲結合部28において降伏し且つ力伝達機構2に結合されている結合領域26に対して下方へ動く。
【0036】
ケージの内側では、錐体19の結合位置の反対側において、二次平行案内リンクは、2つの案内ボルト22が接触しない隙間を介して横切っている取り付けプレート25を有している。取り付けプレート25は、力伝達機構2の垂直方向に可動の平行四辺形脚部4に堅固に結合されている。案内ボルト22の各々は、図面において象徴的にのみ示されている弦巻ばね23によって包囲されている。弦巻バネ23は、取り付けプレート25に対して当接するように予め張力がかけられている。通常の作動状態では、取り付けプレート25とケージを形成している負荷を受ける部分29とは相互に接触するように押し付けられ、すなわち、二次平行案内機構は剛体のようにふるまう。しかしながら、過剰な負荷が負荷を受ける部分29にかかると、後者は、取り付けプレート25に対して下方に撓まされて2つのバネ23を圧縮し且つシャシ本体10の出っ張り17上に載るようになる(図2参照)。穴を有する2つの出っ張り24の各々は、変位制限ボルトを保持するように機能する(図5a及び5bを参照のこと)。
【0037】
負荷を受ける部分29の両側の外方を向いている面39は、リブが設けられており且つ2つのねじ穴38が設けられている。この特徴は、より高い負荷範囲で使用するための秤
量セルモジュール1を拡張するように機能する部品を取り付けるために設けられている。
【0038】
図4は、四点で支持されている中間の大きさの好ましくは矩形の秤量パン8”に対する適合性を有する秤量セルモジュール1を示しており、縮小図a)は、秤量パン8”を備えた秤7”の全体の構造を示している。支持用錐体19を取り外すこと及び二次平行案内リンク20の各側部に支持梁40を追加することのみによって適合性が構成されている。支持梁40の頂面は、各々、桶41を支持しており、桶41は、特に秤が高温環境内に配置されたときに秤の中へ滴下するかも知れない水分を捕獲する役目を果たす。秤量パンのための支持ボルト42が支持梁40上に配置されており、支持梁40は、各桶41の両端において突き出ており、支持ボルト42上の締結ナット43は、桶41を支持梁40上の定位置に保持している。
【0039】
従って、過負荷保護装置の二次平行案内リンク20は、負荷が、支持錐体19による秤量パンの単一点結合を介して適用されるか支持梁40と支持ボルト42とによる四点結合を介して適用されるかに拘わらず、力伝達機構2の垂直方向に可動の平行四辺形脚部4に対する秤量パンの結合における中間部品として機能する。
【0040】
図4は、ここでは取り外されている支持錐体19のための取り付け領域32ばかりでなく支持錐体19が負荷を受ける部分29に結合されるねじ穴33をも示している。
単一点結合を有する小さな秤量パン8、8’を備えた秤のための秤量セルモジュール1の代わりに、四点結合を有する中間の大きさの秤量パン8”を備えた秤のための秤量セルモジュール1を製造するためには、秤量セルモジュールを製造する過程において、ほんの少数の部分組み立て品又は部品、例えば、力伝達機構が付加的に又は代替的に取り付けられなければならない。中間の大きさの秤量パン8”は、通常は、比較的高い負荷範囲用に設計されている秤7”において使用されるので、中間の大きさの秤量パン8”を備えた秤量セルモジュール1には、同等に比較的高い負荷用に設計されている力伝達機構2が備えられるのが好ましく、更に、比較的高い負荷において有効となる過負荷保護装置20(比較的剛性の高いばね定数を有する一対の渦巻きばねを必要とするだけである)を備え且つ比較的大きな校正用錘36’をも備えている。秤量セルモジュール1の全ての他の部分組み立て品すなわちシャシ本体10、二次平行案内リンク20及び校正用錘操作装置30は、小容量負荷範囲における秤7、7’のために使用される秤量セルモジュール1のものと同じである。図5a及び5bは、部分的にばらばらにされている秤量セルモジュール1の斜視図であり、図5aは上方の斜め角度から見た図であり、図5bは下方の斜め角度から見た図である。図4の桶41は省略されているけれども、図5a及び5bは、支持梁40と組み合わせてフレーム46を形成している横方向連結部材45が付加されている図4と同じ秤量セルモジュール1を示している。横方向連結部材45を支持梁40にボルト止めすることによって形成され且つ横方向連結部材45の端部に取り付けられている4つの支持ボルト47を含んでいるこの種のフレーム46は、再度、大きい秤量パンすなわち図4の拡張された秤量セルモジュールの秤量パンよりも大きい負荷を受ける面を備えた秤量パンの四点支持のために使用することができる。
【0041】
図5aに更に見ることが出来るように、支持梁40は、二次平行案内リンク20の負荷を受ける部分29の外側を向いている面39のリブ付きの構造に似たリブ付きの面を備えた接合面48を有していて、形状嵌め込み及び力伝達結合が2つのリブ付きの構造の相互係合によって形成され、それによって、支持梁40は過負荷保護装置20に対して遊びがなく結合されるようになされている。従って、支持梁40は、ねじ穴38内に緊密にねじ込まれるネジ52によって規定された変更できない位置に保持することができる。
【0042】
図5aと同様に図5bは、過負荷保護装置20の第1の変位制限ストッパ手段50及び第2の変位制限ストッパ手段60とを示している。第1の変位制限ストッパ手段50は、
そこで、安定された位置に固定される出っ張り24の穴内にねじ込まれるネジ51と、過負荷の場合すなわち第2の平行案内リンクが力伝達装置2の可動の平行四辺形4に対して下方に撓まされた場合にネジ51を停止させる出っ張り17とによって構成されている。第1の変位制限ストッパ手段50は、小さな秤量パン、中間の秤量パン又は大きな秤量パンを備えた秤内で使用される否かに拘わらず、秤量セルモジュール1に対して設けられる。第1の変位制限ストッパ手段50は、主として、力伝達機構2において垂直方向下方に向いた過負荷を吸収するように機能する。
【0043】
第2の変位制限ストッパ手段60は、中間サイズの又は大きなサイズの秤量パンを備えた秤内での秤量セルモジュール1の使用のためにのみ提供されている。第2の変位制限ストッパ手段60は、両方の支持梁40内でねじ穴63内に取り付けられている締結ナット62を備えたボルト61を含んでいる。組み立てられた状態では、ボルト61の突出している端部は、上方の第2の変位制限ストッパ14と下方の第2の変位制限ストッパ15との間に配置されており且つ上向きばかりでなく下向きの過負荷の場合に有効となる。第2の変位制限ストッパ手段は、特に、偏って導入された力によって生じるトルク、特に秤量パンを傾斜した位置へと付勢する傾向があるトルクに対する安全装置として機能する。
【0044】
結果として、過負荷保護装置20には、過負荷の場合に段階的な順序で有効となる変位制限ストッパ手段50、60が設けられている。
第1及び第2の変位制限ストッパ手段50、60は、過負荷の場合に第2の平行案内リンクにおいてどのくらい大きな撓みが許容されるかに関して調整可能である。この調整は、ネジ51を出っ張り17からの距離を設定するために回すことによって第1の変位制限ストッパ手段50に対して行われ、第2の変位制限ストッパ手段60の場合には、偏心器として設計されているボルト61を回すことによって、偏心ボルト61から上方及び下方の第2の変位制限ストッパ14及び15までの各々の隙間は、ねじ穴63内にしっかりと係止される位置に依存して、より大きく又はより小さくすることができる。その結果、過負荷保護装置20を設定するこの方法は、一度だけ、すなわち、秤ハウジング9、9’、9”、9’”内に取り付けられる前の秤量セルモジュール1を調整する間に行われる。
【0045】
付加的な利点として、変位制限ストッパ手段50、60の形状を従来技術から離れたものとすることにより、すなわち、これらの手段をハウジングに取り付けるのではなく秤量セルモジュール1内に一体化することによって、変位制限ストッパ手段内の遊びの誤差をより良好に制御し、その結果、変位制限作用の再現性を高めることができる。
【0046】
図6は、斜め上方角度から見た組立状態の図5a及び5bの秤量セルモジュールを示している。この図面は、支持梁40と横方向連結部材45とが相互に結合されてフレーム46を形成する方法を明確に示している。支持ボルト47は、大きな矩形の秤量パン8”’を出来る限り隅の近くで支持するように配置されている。図6内の縮小図面a)は、大きな矩形の秤量パン8”’とハウジング9’”とを備えた対応する秤7’”を示している。
【0047】
図6による秤量セルモジュール1は、図1及び4に示された秤量セルモジュールと同じ方法で調整され、すなわち、調整が秤の外で行われ、秤量セルは、完全に組み立られたモジュールとして秤7’”内に取り付けられる。秤の外での秤量セルモジュールの調整は、特に、上記に従って秤量セルモジュール1が備えられた秤の秤量データと秤量パラメータとが温度の作用によって大きく影響を受けないようにする温度補償調整を含んでいる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
以上、U字形状のシャシ本体を備えた秤量セルモジュールを例にとって本発明を説明した。しかしながら、本発明が教示するところに基づいて、ハウジング内に力伝達機構を取り付けるために、シャシ本体、例えば、結合プレート又は結合ベース部の他の形状を使用
することも考えられる。原理的に、例えば、校正用錘操作装置又は過負荷保護装置のような秤量セルモジュールの付加的な部分組み立て品は、力伝達機構かシャシ本体に取り付けられる。上記に従って他の校正用錘の配置又は秤量セルモジュール内への一体化に適した過負荷保護装置の他の実施形態もまた本発明の概念に包含されることは自ずから明らかである。特に、力伝達機構は、排他的に電磁力補償の原理に基づく装置に限定されることは意味していない。歪みゲージがセンサーとして使用される力伝達機構ばかりでなく、ここに詳細に特定していない他の力伝達機構を使用することもまた本発明の範囲内で考えられ得る。
【0049】
図7は、秤量セルモジュールが過負荷保護装置又は校正装置を備える絶対的な必要性が存在しないことを極めて一般化した概略的な図である。この種の秤量セルモジュールは、例えば、比較的低い精度条件による簡単な秤内で使用される。秤量セルモジュール101の構造は、秤量パンの単一点結合のための支持錐体119か支持ボルト142を備えた2つの支持梁140を力伝達機構102に直に結合することができるという選択肢を提供している。図7の実施形態においては、支持錐体119を固定するためのねじ穴69は、垂直方向に可動の平行四辺形脚部104の頂面75内に配置されており、支持梁140の取り付けのためのリブ付きの外側を向いた面71と2つのねじ穴72とを備えた固定領域は、可動の平行四辺形脚部104の各々の側部に設けられている。支持梁140には、同様に、力伝達機構に対向している側部にリブ付きの表面73が設けられている。力伝達機構102の固定の平行四辺形脚部103は、底部が、秤ハウジング内又は秤ハウジングのベースプレート上に力伝達機構102を取り付けるように機能する段状に下がっている結合部分74へと伸長されている。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】図1は、小さな秤量パンを一点で結合するための支持装置が備えられた秤量セルモジュールの斜視図である。
【図2】図2は、シャシ本体の斜視図である。
【図3】図3は、二次平行四辺形の形態の過負荷保護機構の二次平行案内リンクの斜視図である。
【図4】図4は、中間の大きさの秤量パンの四点結合のための支持梁が追加された秤量セルモジュールの斜視図である。
【図5】図5は、部分的に分解された秤量セルモジュールの斜視図であり、図1の秤量セルモジュールが、フレームによって拡張され、それによって、大きな秤量パンの四点結合のための構造とされており、図5aは、斜め上方角度から見た図であり、図5bは、斜め下方角度から見た図である。
【図6】図6は、組み立てられた状態の図5の秤量セルモジュールの斜視図である。
【図7】図7は、力伝達機構に直に結合することができる支持梁によって拡張された更に別の実施形態による秤量セルモジュールの分解されて示された概略図である。
【符号の説明】
【0051】
1、101 秤量セルモジュール、 2、102 力伝達機構、
3、103 固定の平行四辺形脚部、
4、104 垂直方向に可動の平行四辺形脚部、
5 平行四辺形リンクのガイドアーム、 6 細い直線状切れ目、
7、7’、7”、7’” 秤、 8、8’、8”、8’” 秤量パン、
9、9’、9”、9’” 秤ハウジング、 10 U字形状シャシ本体、
11 U字形状脚部、 12 U字形状シャシ本体のベース部、
13 U字形状脚部の伸長部、 14 上方の第2の変位制限ストッパ、
15 下方の第2の変位制限ストッパ、 16 取り付け面、
17 第1の変位制限ストッパの脚部、 18 ねじ穴、
19、119 支持錐体、 20 第2の平行案内リンク、
21 第2の平行案内リンクのガイドアーム、
22 案内ボルト、 23 バネ、
24 出っ張り、 25 取り付けプレート、
26 結合領域、 27 折り返し領域、
28 屈曲結合部、 29 負荷を受ける部分、
30 校正用錘操作装置、 31 モーターハウジング、
32 支持錐体の取り付け領域、 33 ねじ穴、
35 校正用錘受け入れ装置、 36、36’ 校正用錘、
37 レバー伸長部、 38 ねじ穴、
39 外方対向面、 40、140 支持梁、
41 桶、 42、142 支持ボルト、
43 締結ナット、 45 横方向連結部材、
46 フレーム、 47 支持ボルト、
48 結合領域、 50 第1の変位制限ストッパ手段、
51、52 ねじ、 60 第2の変位制限ストッパ手段、
61 ボルト、 62 締結ナット、
63 ねじ穴、 69 ねじ穴、
70 結合領域、 71 リブ付きの外方を向いた面、
72 ねじ穴、 73 リブ付きの面領域、
74 段状に下降している結合部分、
75 垂直方向に可動の平行四辺形脚部の頂面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直方向に可動の平行四辺形脚部(4、104)と、空間的に固定された平行四辺形脚部(3、103)とを備えた平行案内リンクを含んでいる力伝達機構(2、102)を備えた秤量セルモジュール(1、101)であって、
秤量パン(8、8’)の単一点結合部を備えた第1の秤量パン支持装置(19、119)のための取り付け領域(32、33、69)が前記力伝達機構(2、102)に結合されており、秤量パン(8”、8”’)の多数点結合部、特に、四点結合部のための取り付け領域(38、39、71、72)が、同様に、前記力伝達機構(2、102)に結合されていて、前記秤量セルモジュール(1、101)が、秤の1つの設計群内の種々の秤を製造するために使用することができるようになされていることを特徴とする秤量セルモジュール。
【請求項2】
請求項1に記載の秤量セルモジュールであって、
前記秤量パン(8、8’)の単一点結合部を備えた前記第1の秤量パン支持装置(19)のための前記取り付け領域(32、33)ばかりでなく、前記秤量パン(8”、8”’)の多数点結合部、特に、四点結合部を備えた第2の秤量パン支持装置(40、42、46、47)のための取り付け領域(38、39)もが、中間部品によって前記力伝達機構(2)に結合されていることを特徴とする秤量セルモジュール。
【請求項3】
請求項2に記載の秤量セルモジュールであって、
過負荷保護装置が設けられており、前記中間部品が、前記過負荷保護装置の構成部品であることを特徴とする秤量セルモジュール。
【請求項4】
請求項3に記載の秤量セルモジュールであって、
前記過負荷保護装置が、上方及び下方ガイドアーム(21)を備えた二次平行四辺形リンク(20)を含んでおり、前記ガイドアーム(21)の各々の一端が前記力伝達機構(2)の垂直方向に可動の平行四辺形脚部(4)に結合されており、前記ガイドアーム(21)の各々の反対側の端部が、少なくとも1つの結合部材(22、29)に結合されていて、前記ガイドアーム(21)が、前記結合部材(29)と前記垂直方向に可動の平行四辺形脚部(4)とを平行四辺形リンクの形態で相互に結合させるようになされており、更に、前記第1の秤量パン支持装置(19)のための前記取り付け領域(32、33)ばかりでなく前記第2の秤量パン支持装置(40、42、46、47)のための取り付け領域(38、39)が、前記二次平行四辺形リンク(20)の前記結合部材(29)上に配置されている、ことを特徴とする秤量セルモジュール。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の秤量セルモジュールであって、
前記過負荷保護装置が予め張力がかけられたバネ(23)を含んでおり、該バネ(23)は、前記力伝達装置(2)の特定の最大負荷に適合されており且つ前記垂直方向に可動の平行四辺形脚部(4)にしっかりと結合された前記二次平行四辺形リンク(20)の少なくとも1つの前記結合部材(22、29)を前記特定された負荷範囲内に維持していることを特徴とする秤量セルモジュール。
【請求項6】
請求項3、4又は5のうちのいずれか一の項に記載の秤量セルモジュールであって、
前記負荷保護装置(20)が、第1の変位制限ストッパ手段(50)と、該第1の変位制限ストッパ手段から空間的に分離された第2の変位制限ストッパ手段(60)とを含んでおり、前記第2の変位制限ストッパ手段(60)が、秤量パン(8”、8”’)の多数点結合、特に、四点結合のために使用される秤量セルモジュール(1)内で、前記第2の変位制限ストッパ手段(60)が前記第1の変位制限ストッパ手段(50)に加えて有効になるような構造とされていることを特徴とする秤量セルモジュール。
【請求項7】
請求項1乃至6のうちのいずれか一の項に記載の秤量セルモジュールであって、
前記力伝達機構(2)の固定の平行四辺形脚部(3)がハウジングにしっかりと結合できるようにするシャシ本体(10)が設けられていることを特徴とする秤量セルモジュール。
【請求項8】
請求項7に記載の秤量セルモジュールであって、
前記シャシ本体(10)が、種々の最大負荷に対して特定されている種々のサイズの力伝達機構(2)に適合するように設計されていることを特徴とする秤量セルモジュール。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の秤量セルモジュールであって、
前記過負荷保護装置の前記変位制限ストッパ手段(50、60)が、前記シャシ本体(10)上に配置された少なくとも1つの変位制限ストッパ(14、15、17)を含んでいることを特徴とする秤量セルモジュール。
【請求項10】
請求項1乃至9のうちのいずれか一の項に記載の秤量セルモジュールであって、
前記第2の秤量パン支持装置(40、42、46、47、140、142)のための取り付け領域(38、39、71、72)が、前記力伝達機構(102)の両側に又は適用可能な場合は前記中間部品(20)上に配置されたリブ付きの面部分(39、71)を有し、前記第2の秤量パン支持装置(40、42、46、47、140、142)が2つの支持梁(40、140)を有しており、これらの各々がリブ付きの面部分(48、73)を有しており、前記支持梁(40)と取り付け領域(38、39、71、72)との各々のリブ付きの面部分(39、48、71、73)の相互係合によって形状嵌め込み結合が達成されるようになされたことを特徴とする、秤量セルモジュール。
【請求項11】
請求項1乃至9のうちのいずれか一の項に記載の秤量セルモジュールであって、
前記第2の秤量パン支持装置(40、42、46、47、140、142)のための取り付け領域(38、39、71、72)が、前記力伝達機構(102)の両側か又は適用可能な場合には中間部分(20)上に配置されたリブ付きの面部分(39、71)を有し、前記第2の秤量パン支持装置(40、42、46、47、140、142)がフレーム(46)を有しており、該フレーム(46)と前記取り付け領域(38、39、71、72)との各々のリブ付きの面部分(39、48、71、73)の相互係合によって形状嵌め込み結合を達成することができるようになされたことを特徴とする秤量セルモジュール。
【請求項12】
請求項11に記載の秤量セルモジュールであって、
前記フレーム(46)が、前記支持梁(40)に横方向連結部材(45)を付加することによって形成されることを特徴とする秤量セルモジュール。
【請求項13】
請求項10乃至12のいずれか一の項に記載の秤量セルモジュールであって、
前記第2の変位制限ストッパ手段(60)が、各々、前記支持梁(40)か又は前記フレーム(46)に取り付けることができる変位制限ボルト(61)を含んでおり、前記秤量セルモジュールの組み立てられた状態において、前記変位制限ボルト(61)は、共に前記シャシ本体(10)上に配置されている上方の第2の変位制限ストッパ(14)と下方の第2の変位制限ストッパ(15)との間に配置されていることを特徴とする秤量セルモジュール。
【請求項14】
請求項7乃至13のうちのいずれか一の項に記載の秤量セルモジュールであって、
校正用錘受け入れ装置(35)、校正用錘を適用し或いは取り除くための錘操作装置(30)及び校正用錘(36、36’)を含んでいる校正装置が設けられており、前記校正
用錘受け入れ装置(35)は前記力伝達機構(2)に結合されており、前記校正用錘操作装置(30)が前記シャシ本体(10)に結合されていることを特徴とする秤量セルモジュール。
【請求項15】
請求項14に記載の秤量セルモジュールであって、
前記校正装置が、前記力伝達機構(2)に対して特定された最大負荷に適合可能である校正用錘(36、36’)を含んでいることを特徴とする秤量セルモジュール。
【請求項16】
請求項1乃至15に記載の秤量セルモジュールであって、
前記力伝達機構(2、102)の前記平行案内リンクが、材料ブロックから単一部品として作られていることを特徴とする秤量セルモジュール。
【請求項17】
請求項1乃至15のうちのいずれか一の項に記載の秤量セルモジュールであって、
前記力伝達機構(2、102)が、電磁力補償の原理に従って作動する装置であり、特に、材料ブロックによって単一部品として作られていることを特徴とする秤量セルモジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−209305(P2011−209305A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−165023(P2011−165023)
【出願日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【分割の表示】特願2005−34177(P2005−34177)の分割
【原出願日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(599082218)メトラー−トレド アクチェンゲゼルシャフト (130)
【住所又は居所原語表記】Im Langacher, 8606 Greifensee, Switzerland