説明

移動体の位置調整装置

【課題】眼科装置において、光学ユニットの位置調整部材を使用者(検者)の好みに応じて選択できるようにする。
【解決手段】回転ノブ5及び回転リング10のいずれを操作しても光学ユニットAを昇降させることができ、また、これらの回転ノブ5及び回転リング10はいずれも着脱自在となるように構成されているので、回転ノブ5は取り付けるが回転リング10は取り付けない態様(図1(a) 参照)、及び回転リング10は取り付けるが回転ノブ5は取り付けない態様(図1(b) 参照)を使用者(検者)の好みに応じて選択することができる。例えば、光学ユニットAの上下移動及び水平移動を片手で同時に行いたいような場合には図1(a)
に示す構成を選択し、誤操作(回転ノブ5と操作レバー部2とが近接していることに伴う誤操作)を防ぎたいような場合には図1(b) に示す構成を選択することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検眼を観察又は撮影するための光学ユニットの上下方向の位置及び水平方向の位置を指示する、眼科装置用ジョイスティック機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、眼科装置における光学ユニット(例えば、眼底カメラ)の位置調整はジョイスティック機構により行うようになっている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0003】
図5(a) は、ジョイスティック機構を有する眼科装置の従来構成の一例を示す斜視図であり、符号100は、被検者が顎を載せるための顎台を示し、符号101は、被検眼の撮影等を行う光学ユニットを示し、符号102は、該光学ユニット101を前後左右に移動させるためのジョイスティックを示し、符号103は、該光学ユニット101を上下方向(図中のG方向)に移動させるための回転リングを示す。
【0004】
また、図5(b) は、ジョイスティック機構を有する眼科装置の従来構成の他の例を示す側面図であり、符号200は、被検者が顎を載せるための顎台を示し、符号201は、被検眼の撮影等を行う光学ユニット(プローブ)を示し、符号202は、該光学ユニット201を前後左右に移動させるためのジョイスティックを示し、符号203は、該ジョイスティック201に回転自在に取り付けられていて光学ユニット201を上下方向(図中のG方向)に移動させるた回転ノブを示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−206078号公報
【特許文献2】特開2010−011880号公報
【特許文献3】特許第4338858号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、図5(a) に示す回転リング103、及び図5(b) に示す回転ノブ203にはそれぞれに長所と短所とがありその好みは検者によって分れるが、図5(a)
においては回転リング103を使用せざるを得ず、図5(b) に示す装置においては回転ノブ203を使用せざるを得ず、検者の好みに応じて回転ノブ及び回転リングを自由に選択できるようにした装置は存在していなかった。
【0007】
すなわち、図5(a) に示す方式のものでは、水平方向の位置調整と上下方向の位置調整を行う位置調整部材(つまり、ジョイスティック102と回転リング103)が比較的離れた位置に設けられているので、どちらか一方の位置調整部材で位置調整を行っている場合に他方の位置調整部材に誤って触れてしまうおそれが少なく、また、回転リング103が大径であるために、
・ 該回転リング103を回す力を利用して光学ユニット101が重くても力を入れずにその上下動を行うことができ、
・ 光学ユニット101の上下方向(G方向)の位置を細かく制御することが可能である
等の長所がある。その反面、該方式のものでは、上下方向及び水平方向の位置調整を片手で同時に行いにくいという短所もある。これに対し、図5(b) に示す方式のものでは、水平方向の位置調整と上下方向の位置調整を行う位置調整部材(つまり、ジョイスティック202と回転ノブ203)が近接した位置に設けられているので、片手での同時位置調整が可能であるという長所を有する反面、
・ どちらか一方の位置調整部材で位置調整を行っている場合に他方の位置調整部材に誤って触れてしまい易く、
・ 回転ノブ203が比較的小径であるために、細かな位置制御が困難で、また、光学ユニット201が重い場合には該ユニット201を上下動させるのに力を入れなくてはならない、
等の短所がある。
【0008】
なお、図5(b) に示す方式のものであって回転ノブ203を大径のものに取り替えることができるようにした方式のものも提案されている(例えば、特許文献3参照)。この方式のものでは、回転ノブ203を大径のものにすることで光学ユニットが重くても小さな力での上下動が可能となり、細かな位置制御が可能となるが、依然、どちらか一方の位置調整部材で位置調整を行っている場合に他方の位置調整部材に誤って触れてしまい易い等の短所は残ってしまう。
【0009】
本発明は、上述の問題点を解消することができる眼科装置用ジョイスティック機構を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に係る発明は、図1,3及び4に例示するものであって、揺動可能に支持された操作レバー部(2)を備えて、被検眼(図2の符号E参照)を観察又は撮影するための光学ユニット(図2の符号A参照)の上下方向の位置及び水平方向の位置を指示する、眼科装置用ジョイスティック機構(1)において、
前記操作レバー部(2)を揺動可能に支持する部分(3)を「支持部」とし、該支持部(3)により支持される操作レバー部(2)側の部分(2a)を「被支持部」とし、該操作レバー部(2)の頂部(2d)の近傍の部分(2c)を「レバー先端部」とし、該操作レバー部(2)における該レバー先端部(2c)と前記被支持部(2a)との間の部分(2b)を「レバー根元部」とした場合に、
該レバー根元部(2b)を囲繞すると共に該レバー根元部(2b)に回転自在に支持されて前記操作レバー部(2)と一体的に揺動するように構成されたレバー側回転部(4)と、
前記レバー先端部(2c)を囲繞するように配置されると共に、前記レバー側回転部(4)に着脱自在に取り付けられて該レバー側回転部(4)と一体的に回転し該レバー側回転部(4)及び前記操作レバー部(2)と一体的に揺動できるように構成された回転ノブ(5)と、
前記支持部(3)を囲繞すると共に該支持部(3)に回転自在に支持された支持部側回転部(9)と、
前記支持部(3)及び/又は前記レバー根元部(2b)を囲繞するように配置されると共に、前記支持部側回転部(9)に着脱自在に取り付けられて該支持部側回転部(9)と一体的に回転できるように構成された回転リング(10)と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記レバー側回転部(4)及び前記支持部側回転部(9)は、前記光学ユニット(A)を上下方向に移動させる昇降装置(不図示)に連結されてなることを特徴とする。
【0012】
請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明において、前記レバー側回転部(4)と前記支持部側回転部(9)とが係合される部分(図4(a) の符号C参照)は、前記レバー側回転部(4)の揺動を許容すると共に両回転部(4,9)が一体的に回転できるようなジョイント部を構成し、
前記レバー側回転部(4)は、前記支持部側回転部(9)を介して前記昇降装置(不図示)に連結されてなることを特徴とする。
【0013】
請求項4に係る発明は、図4(b) に例示するものであって、請求項3に係る発明において、前記レバー側回転部(4)又は前記支持部側回転部(9)の一方には、前記レバー側回転部(4)の揺動方向(D)に沿うようにスリット部(4a)を形成し、
前記レバー側回転部(4)又は前記支持部側回転部(9)の他方には、前記スリット部(4a)に挿通されるピン部材(9a)を配置し、
これらのスリット部(4a)及びピン部材(9a)によって前記ジョイント部(C)を構成したことを特徴とする。
【0014】
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の発明において、前記回転リング(10)は、前記回転ノブ(5)と比べて前記レバー先端部(2c)から離間した位置に配置されることを特徴とする。
【0015】
請求項6に係る発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の発明において、前記光学ユニット(A)は、被検眼(E)を撮影する眼底カメラ(不図示)を有し、
前記操作レバー部(2)の頂部(2d)にはシャッタ操作ボタン(14)が配置されたことを特徴とする。
【0016】
請求項7に係る発明は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の発明において、前記操作レバー部(2)に着脱自在に支持されると共に、前記回転ノブ(5)が取り外された位置にて前記レバー先端部(2c)を囲繞するように配置される略筒状のレバーカバー部(図1(b) の符号15参照)、を備えたことを特徴とする。
【0017】
請求項8に係る発明は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の発明において、前記支持部(3)、前記被支持部(2a)及び前記支持部側回転部(9)のいずれかの少なくとも一部を格納すると共に、前記レバー先端部(2c)が突出される開口部(13a)を有する筐体(13)、を備え、
該筐体(13)及び/又は前記支持部(3)に着脱自在に支持されると共に、前記回転リング(10)が取り外されることにより生じた隙間を閉塞するように配置されるカバー部材(16)、を備えたことを特徴とする。
【0018】
なお、括弧内の番号などは、図面における対応する要素を示す便宜的なものであり、従って、本記述は図面上の記載に限定拘束されるものではない。
【発明の効果】
【0019】
請求項1,2,5,6,7及び8に係る発明によれば、回転ノブ及び回転リングのいずれを操作しても光学ユニットを昇降させることができ、また、これらの回転ノブ及び回転リングはいずれも着脱自在となるように構成されているので、回転ノブは取り付けるが回転リングは取り付けない態様、及び回転リングは取り付けるが回転ノブは取り付けない態様を使用者(検者)の好みに応じて選択することができる。例えば、光学ユニットの上下移動及び水平移動を片手で同時に行いたいような場合には前者の構成を選択し、誤操作(回転ノブと操作レバー部とが近接していることに伴う誤操作)を防ぎたいような場合には後者の構成を選択することができる。
【0020】
請求項3及び4に係る発明によれば、支持部側回転部を介さずにレバー側回転部を直接昇降装置に連結する場合に比べて部品点数を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1(a) (b) は、本発明に係る眼科装置用ジョイスティック機構の構成の一例を示す断面図であり、(a) は、回転ノブを装着し回転リングを装着しない場合の構成を示す断面図、(b)は、回転リングを装着し回転ノブを装着しない場合の構成を示す断面図である。
【図2】図2は、本発明に係るジョイスティック機構が使用される眼科装置の構成の一例を示す側面図である。
【図3】図3(a) は、本発明に係るジョイスティック機構の先端部分の構成の一例を示す分解端面図であり、同図(b) は、該ジョイスティック機構の根元部分の構成の一例を示す分解端面図であり、同図(c)は、操作レバー部の構成の一例を示す断面図である。
【図4】図4(a) は、本発明に係るジョイスティック機構の構成の一例を説明するための模式図であり、同図(b) は、ジョイント部の構造の一例を模式的に示す斜視図である。
【図5】図5(a) は、ジョイスティック機構を有する眼科装置の従来構成の一例を示す斜視図であり、同図(b) は、ジョイスティック機構を有する眼科装置の従来構成の他の例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図1乃至図4に沿って、本発明の実施の形態について説明する。
【0023】
本発明に係る眼科装置用ジョイスティック機構は、図2に符号1で例示するものであって、被検眼Eを観察又は撮影するための光学ユニットAを備えた眼科装置Bに使用されるものである。この光学ユニットAは、被検眼Eの位置に応じて上下方向(G方向)及び水平方向(紙面に垂直な方向)に移動できるように構成されており、その移動は、前記ジョイスティック機構1を操作して不図示の昇降装置(不図示)及び水平移動装置(不図示)に指示することで行うようになっている。
【0024】
本発明に係る眼科装置用ジョイスティック機構1は、図1、図3及び図4に例示するように、揺動可能に支持された操作レバー部2を備えている。この操作レバー部2は前記水平移動装置に連結されていて、該操作レバー部2を揺動させた方向に前記光学ユニットAが移動するように構成されている。なお、本明細書においては、該操作レバー部2を揺動可能に支持する部分3を“支持部”と称することとし、該支持部3により支持される部分(操作レバー部2側の部分であって、図3(c) の符号2aの部分)を“被支持部”と称することとする。また、図3(c) に詳示するように、この操作レバー部2において、頂部2dの近傍の部分(頂部2dを含む部分)2cを“レバー先端部”と称することとし、該レバー先端部2cと前記被支持部2aとの間の部分2bを“レバー根元部”と称することとする。
【0025】
このジョイスティック機構1は、該レバー根元部2bを囲繞すると共に該レバー根元部2bに回転自在(自転自在)に支持されたユニット(以下、“レバー側回転部”とする)4を備えており、該レバー側回転部4は、前記操作レバー部2と一体的に揺動するように構成されている。そして、このレバー側回転部4には、前記レバー先端部2cを囲繞する回転ノブ5が着脱自在に取り付けられるようになっていて、該回転ノブ5をレバー側回転部4に取り付けた場合には、該回転ノブ5が、前記レバー側回転部4と一体的に回転すると共に、該レバー側回転部4及び前記操作レバー部2と一体的に揺動できるように構成されている。なお、符号6は、前記レバー側回転部4を回転自在(自転自在)に支持するためのベアリングを示し、符号7は、前記回転ノブ5を前記レバー側回転部4に取り付けるためのビスを示し、符号8は、前記操作レバー部2の頂部2dを覆うように着脱自在に嵌め込まれた蓋部材を示す。前記回転ノブ5の取り付けや取り外しを行う場合には、該蓋部材8を外し、ドライバー(不図示)を差し込んでビス7を装脱着すれば良い。また、前記レバー側回転部4に取り付けた状態の回転ノブ5は、該レバー側回転部4とのみ接続され、前記操作レバー部2とは接続されないように構成されている。
【0026】
さらに、該ジョイスティック機構1は、前記支持部3を囲繞すると共に該支持部3に回転自在(自転自在)に支持されたユニット(以下、“支持部側回転部”とする)9を備えており、該支持部側回転部9には、前記支持部3及び/又は前記レバー根元部2bを囲繞する回転リング(図1(b) の符号10参照)が着脱自在に取り付けられるようになっていて、該回転リング10を該支持部側回転部9に取り付けた場合には、該回転リング10が前記支持部側回転部9と一体的に回転できるように構成されている。なお、これらの支持部側回転部9及び回転リング10は、前記支持部3により支持されていて前記操作レバー部2の側には支持されていないため、該操作レバー部2のように揺動はせずに回転のみをするようになっている。なお、符号11は、前記支持部側回転部9を回転自在(自転自在)に支持するためのベアリングを示し、図1(b)
の符号12は、前記回転リング10を前記支持部側回転部9に取り付けるためのビスを示す。
【0027】
この場合、上述の回転リング10は、前記回転ノブ5と比べて前記レバー先端部2cから離間した位置に配置できるようにしておくと良い。
【0028】
またさらに、前記レバー側回転部4と前記支持部側回転部9とが係合される部分(図4(a) の符号C参照)は、前記レバー側回転部4の揺動を許容すると共に両回転部4,9が一体的に回転できるようなジョイント部を構成しており、前記レバー側回転部4は、前記支持部側回転部9を介して前記昇降装置(不図示)に連結されるようになっている。図4(b)
に示す例では、前記レバー側回転部4の揺動方向Dに沿うようなスリット部4aを該レバー側回転部4に形成し、該スリット部4aに挿通されるピン部材9aを前記支持部側回転部9に配置して、これらのスリット部4a及びピン部材9aによって前記ジョイント部Cを構成している。なお、前記スリット部4aを前記レバー側回転部4ではなく前記支持部側回転部9に形成し、前記ピン部材9aを前記支持部側回転部9ではなく前記レバー側回転部4に配置しても良い。上述のようにレバー側回転部4が、前記支持部側回転部9を介して前記昇降装置に連結されるようにした場合には、レバー側回転部4を直接昇降装置に連結する場合に比べて部品点数を低減することができる。
【0029】
上述の構成によれば、前記レバー側回転部4に取り付けた前記回転ノブ5を時計回り又は反時計回りに回転させると、その回転は前記レバー側回転部4及び前記支持部側回転部9を介して前記昇降装置に伝わって前記光学ユニットAが上昇又は下降することとなる。また、前記支持部側回転部9に取り付けた前記回転リング10を時計回り又は反時計回りに回転させると、その回転は前記支持部側回転部9を介して前記昇降装置に伝わって前記光学ユニットAが上昇又は下降することとなる。ここで、前記支持部側回転部9と前記昇降装置とは歯付ベルトなどの公知の手段により連結すれば良く、昇降装置はラック・アンド・ピニオンなどの公知の機構で構成すれば良い。
【0030】
本発明によれば、回転ノブ5及び回転リング10のいずれを操作しても光学ユニットAを昇降させることができ、また、これらの回転ノブ5及び回転リング10はいずれも着脱自在となるように構成されているので、
・ 図1(a) に示すように、回転ノブ5は取り付けるが回転リング10は取り付けない態様
・ 図1(b) に示すように、回転リング10は取り付けるが回転ノブ5は取り付けない態様
を使用者(検者)の好みに応じて選択することができる。例えば、光学ユニットAの上下移動及び水平移動を片手で同時に行いたいような場合には図1(a) に示す構成を選択し、誤操作(回転ノブ5と操作レバー部2とが近接していることに伴う誤操作)を防ぎたいような場合には図1(b) に示す構成を選択することができる。
【0031】
一方、該ジョイスティック機構1には、前記支持部3や前記被支持部2aや前記支持部側回転部9のいずれかの少なくとも一部を格納する筐体13を設けると良い。そして、この筐体13には開口部(図3(a) の符号13a参照)を形成し、前記レバー先端部2cが該開口部13aから筐体外に突出するように構成すると良い。
【0032】
ところで、上述の光学ユニットAの具体例としては、被検眼Eを撮影する眼底カメラを有するユニットを挙げることができる。そのようなユニットを使用する場合は、上述の操作レバー部2の頂部2dにシャッタ操作ボタン14を配置すると良い。
【0033】
また、前記光学ユニットAの昇降を回転リング10で行う場合は回転ノブ5を装着しない状態でジョイスティック機構1を使用するが、その場合は、回転ノブ5を装着する部分が凹んで操作レバー部2が露出されてしまうこととなる。そこで、前記回転ノブ5が装着されずに空いている部分(言い換えれば、回転ノブ5が取り外された位置であって、レバー先端部2cを囲繞する位置)に配置できる略筒状の部材(図1(b) に符号15で示す部材であって、以下、“レバーカバー部”とする)を前記操作レバー部2に着脱自在に支持できるように構成しておき、回転ノブ5が装着されずに操作レバー部2が露出されている部分を被覆するようにしても良い。なお、図1(b)
に示すレバーカバー部15は前記レバー先端部2cに螺合されるようになっており、前記レバー側回転部4とは接触しないようになっている。該レバーカバー部15の取り付けや取り外しは、前記回転ノブ5の場合と同様、前記蓋部材8を外して行うと良い。
【0034】
さらに、前記光学ユニットAの昇降を回転ノブ5で行う場合は前記回転リング10を装着しない状態でジョイスティック機構1を使用するが、その場合は、回転リング10を装着する部分に隙間が生じてしまう。そこで、その隙間(回転リング10が取り外されることにより生じた隙間)を閉塞するカバー部材16を、前記筐体13及び/又は前記支持部3に着脱自在に支持されるようにしておき、その隙間を閉塞するようにすると良い。
【符号の説明】
【0035】
1 眼科装置用ジョイスティック機構
2 操作レバー部
2a 被支持部
2b レバー根元部
2c レバー先端部
2d 頂部
3 支持部
4 レバー側回転部
4a スリット部
5 回転ノブ
9 支持部側回転部
9a ピン部材
10 回転リング
13 筐体
14 シャッタ操作ボタン
15 レバーカバー部
16 カバー部材
A 光学ユニット
C ジョイント部
E 被検眼



【特許請求の範囲】
【請求項1】
揺動可能に支持された操作レバー部を備えて、被検眼を観察又は撮影するための光学ユニットの上下方向の位置及び水平方向の位置を指示する、眼科装置用ジョイスティック機構において、
前記操作レバー部を揺動可能に支持する部分を「支持部」とし、該支持部により支持される操作レバー部側の部分を「被支持部」とし、該操作レバー部の頂部の近傍の部分を「レバー先端部」とし、該操作レバー部における該レバー先端部と前記被支持部との間の部分を「レバー根元部」とした場合に、
該レバー根元部を囲繞すると共に該レバー根元部に回転自在に支持されて前記操作レバー部と一体的に揺動するように構成されたレバー側回転部と、
前記レバー先端部を囲繞するように配置されると共に、前記レバー側回転部に着脱自在に取り付けられて該レバー側回転部と一体的に回転し該レバー側回転部及び前記操作レバー部と一体的に揺動できるように構成された回転ノブと、
前記支持部を囲繞すると共に該支持部に回転自在に支持された支持部側回転部と、
前記支持部及び/又は前記レバー根元部を囲繞するように配置されると共に、前記支持部側回転部に着脱自在に取り付けられて該支持部側回転部と一体的に回転できるように構成された回転リングと、
を備えたことを特徴とする眼科装置用ジョイスティック機構。
【請求項2】
前記レバー側回転部及び前記支持部側回転部は、前記光学ユニットを上下方向に移動させる昇降装置に連結されてなる、
ことを特徴とする請求項1に記載の眼科装置用ジョイスティック機構。
【請求項3】
前記レバー側回転部と前記支持部側回転部とが係合される部分は、前記レバー側回転部の揺動を許容すると共に両回転部が一体的に回転できるようなジョイント部を構成し、
前記レバー側回転部は、前記支持部側回転部を介して前記昇降装置に連結されてなる、
ことを特徴とする請求項2に記載の眼科装置用ジョイスティック機構。
【請求項4】
前記レバー側回転部又は前記支持部側回転部の一方には、前記レバー側回転部の揺動方向に沿うようにスリット部を形成し、
前記レバー側回転部又は前記支持部側回転部の他方には、前記スリット部に挿通されるピン部材を配置し、
これらのスリット部及びピン部材によって前記ジョイント部を構成した、
ことを特徴とする請求項3に記載の眼科装置用ジョイスティック機構。
【請求項5】
前記回転リングは、前記回転ノブと比べて前記レバー先端部から離間した位置に配置される、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の眼科装置用ジョイスティック機構。
【請求項6】
前記光学ユニットは、被検眼を撮影する眼底カメラを有し、
前記操作レバー部の頂部にはシャッタ操作ボタンが配置された、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の眼科装置用ジョイスティック機構。
【請求項7】
前記操作レバー部に着脱自在に支持されると共に、前記回転ノブが取り外された位置にて前記レバー先端部を囲繞するように配置される略筒状のレバーカバー部、
を備えたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の眼科装置用ジョイスティック機構。
【請求項8】
前記支持部、前記被支持部及び前記支持部側回転部のいずれかの少なくとも一部を格納すると共に、前記レバー先端部が突出される開口部を有する筐体、を備え、
該筐体及び/又は前記支持部に着脱自在に支持されると共に、前記回転リングが取り外されることにより生じた隙間を閉塞するように配置されるカバー部材、
を備えたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の眼科装置用ジョイスティック機構。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−45082(P2012−45082A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−188105(P2010−188105)
【出願日】平成22年8月25日(2010.8.25)
【出願人】(000163006)興和株式会社 (618)