移動可能な展示用製品ロケータを前面に備えた引出しを有する小売製品陳列システム
本発明は、閉位置と開位置との間で滑動可能な小売製品用引出し20と、小売製品用引出し20の前方に配置され、それぞれ傾斜陳列位置及び水平陳列位置である二つの末端位置の間で移動可能な展示用製品ロケータ30とを備え、小売製品用引出し20が閉位置にあるとき、展示用製品ロケータ30が傾斜陳列位置にあることを可能にし、小売製品用引出し20が開位置にあるとき、展示用製品ロケータ30が水平陳列位置にあることを可能にするように構成されている、小売製品陳列システム72を提供する。本発明により、顧客が購入のために小売製品にアクセスすることが容易である、展示用製品を収容する又は情報を表示するためのより広い空間を提供することが可能になる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、販売用の小売製品を受け入れるように適合され、且つ場合によっては小売製品に関する情報とともに展示用製品を陳列するように適合された、小売製品陳列システムに関する。本発明はまた、かかる小売製品陳列システムの一つ又は複数を備える小売製品陳列スタンドに関する。本発明は更に、小売用化粧品を販売又は販売促進するための、本発明の小売製品陳列システム又はスタンドの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
小売製品陳列システムは当該分野において良く知られている。それらの一部は、展示用製品を受け入れる展示用製品トラックから成る。展示用製品トラックは、トラックの一つの縁部によって棚に固定される。展示用製品トラック上に位置する展示用製品に対応する小売製品は、販売のため、展示用製品トラックの背後に置かれる。小売店では、小売製品システムの前にいる顧客は、同じ位置で、展示用製品を使用するか又は小売製品を手に取って購入することができる。かかる陳列システムは、例えば、EP-A-0 997 091に開示されている。
【0003】
展示用製品トラックのサイズは、好ましくは、できるだけ多数の展示用製品を陳列し、且つそれに関連する顧客向けの情報を表示するように選択される。しかし、展示用トラックのサイズが増大して大きすぎるサイズになると、展示用製品トラックとその直上の棚の一つとの間に残される空間が低減されるので、顧客は、展示用製品トラックの背後に手を伸ばして販売用の小売製品を手に取ることに困難を覚える。
【0004】
改善点としては、棚を引出しのように滑動移動可能にし、展示用製品トラックを従来通り棚の縁部に載置するというものであった。EP-A-1 481 619は、かかる小売製品陳列システムの一例を示すものである。顧客は、展示用製品トラックの背後にある棚の小売製品により容易にアクセスするため、展示用製品トラックを引っ張ることによって棚を引き出すことができる。かかるシステムには依然として欠点がある。特に、顧客のアクセスは、背後にある販売用小売製品に対して高い位置まで延在する展示用製品トラックによって依然として妨げられる。更に、棚がその上に積もるほこりによって直ぐに汚れるので、特にあまり多数の小売製品が置かれていない場合、陳列が顧客にとって魅力の少ないものになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、上述の欠点を少なくとも部分的に軽減することである。より具体的には、本発明は、顧客が購入のために小売製品にアクセスすることが容易である、展示用製品を収容する又は情報を表示するためのより広い空間を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、閉位置と開位置との間で滑動可能な小売製品用引出しと、小売製品用引出しの前方に配置され、それぞれ傾斜陳列位置及び水平陳列位置である二つの末端位置の間で移動可能な展示用製品ロケータと、を備え、小売製品用引出しが閉位置にあるとき、展示用製品ロケータが傾斜陳列位置にあることを可能にし、小売製品用引出しが開位置にあるとき、展示用製品ロケータが水平陳列位置にあることを可能にするように構成される、小売製品陳列システムによって達成される。
【0007】
好ましい実施形態は従属クレームで定義される。本発明は更に、少なくとも一つのかかる小売製品陳列システムを備える小売製品陳列スタンドを提案する。本発明による小売製品陳列スタンド並びに小売製品陳列システムは、小売化粧品の販売又は販売促進に使用するのに特に良好に適合される。
【0008】
本発明のさらなる特徴及び利点は、次に列挙する添付図面を参照して、非限定例として与えられる本発明の実施形態の以下の説明によって明白になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】小売製品用引出しが開位置にある、本発明の好ましい一実施形態による小売製品陳列システムの透視斜視図である。
【図2】展示用製品ロケータが水平陳列位置にある、図1の小売製品陳列システムの透視斜視図である。
【図3】展示用製品ロケータが水平位置と傾斜陳列位置との間の中間位置にある、図1の小売製品陳列システムの透視斜視図である。
【図4】展示用製品ロケータが傾斜陳列位置にある、図1の小売製品陳列システムの透視斜視図である。
【図5】展示用製品ロケータが水平位置にあり、小売製品用引出しが開いているメカニズムの図である。
【図6】展示用製品ロケータが中間位置にあり、小売製品用引出しが閉じているメカニズムの図である。
【図7】展示用製品ロケータが傾斜陳列位置にあり、小売製品用引出しが閉じているメカニズムの図である。
【図8】小売製品用引出しが開位置にあり、フラップ部分が開位置にあって展示用製品を使用位置にするための表面として役立つ、小売製品陳列システムの斜視図である。
【図9】展示用製品ロケータのショーケース部の斜視図である。
【図10】フラップ部分が開いている、図7のショーケース部の斜視図である。
【図11】小売製品陳列スタンドの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、閉位置と開位置との間で滑動可能な小売製品用引出しを備える、小売製品陳列システムを提案する。小売製品陳列システムは、小売製品用引出しの前方に配置された展示用製品ロケータを更に備える。展示用製品ロケータは、それぞれ傾斜陳列位置と水平陳列位置である二つの末端位置の間で移動可能である。小売製品陳列システムは、引出しが閉位置にあるとき、展示用製品ロケータが傾斜陳列位置にあることができるように構成される。小売製品陳列システムは更に、引出しが開位置にあるとき、展示用製品ロケータが水平陳列位置にあることができるように構成される。これら異なる特徴構成の組み合わせにより、小売製品陳列システムが、展示用製品ロケータの二つの末端位置に対応する少なくとも二つの構成を有することが可能になる。
【0011】
第1の構成では、図1に示されるように、小売製品用引出し20は開いており、展示用製品ロケータ30は水平陳列位置にある。この構成では、顧客は、販売用に小売製品用引出し20(図示なし)に配置された小売製品に容易にアクセスすることができる。実際に、小売製品用引出し20は完全に開いており、展示用製品ロケータ30は、顧客が小売製品を手に取るのを妨げない。
【0012】
図3は、第1の構成と第2の構成との間で小売製品陳列システム72が動く間の中間段階の図を示す。展示用製品ロケータ30は、水平位置と傾斜陳列位置との間の中間位置にある。
【0013】
第2の構成では、図4に示されるように、小売製品用引出し20は閉じており、展示用製品ロケータ30は傾斜陳列位置にある。図から分かるように、展示用製品ロケータは大きなサイズのものであり、そのため、所望であれば多数の展示用製品を陳列すると共に、所望であれば顧客が遠く離れたところから見ることができる情報を表示することが可能である。
【0014】
展示用製品ロケータ30が水平陳列位置にある第1の構成は、陳列機能も果たす。水平陳列位置にある展示用製品ロケータ30は、その展示用製品34及びその顧客向け情報と共に、小売製品陳列システム72の近くにいる顧客が上方から見ることができる。換言すれば、展示用製品及び展示用製品ロケータ30が備えている情報は、例えば、顧客が小売製品用引出し20内の販売用小売製品を手に取ったときに依然として見ることができる。
【0015】
結果として、小売製品陳列システムは、顧客が購入のために小売製品に容易にアクセスできる、展示用製品を収容する、又は情報を表示するためのより広い空間を提供するという目的を達成する。
【0016】
図4を参照すると、第2の構成の小売製品陳列システム72は、顧客が小売製品用引出し20の内容物にアクセスするのを阻害する。実際に、展示用製品ロケータ30が傾斜陳列位置にあるとき、顧客が小売製品用引出し20にアクセスするための空間はない。小売製品陳列システム72の使用状態では、例えば、ディスプレイストアでは、小売製品陳列システム72の顧客に面する正面の空間は、傾斜陳列位置にある展示用製品ロケータ30によって占められる。したがって、展示用製品ロケータ30による顧客とのコミュニケーションは最大限になる。
【0017】
小売製品用引出し20の内容物に顧客がアクセスするのを阻害する第2の構成とは異なり、第1の構成は、顧客が小売製品用引出し20の内容物に容易にアクセスするのを可能にする。展示用製品ロケータ30は水平陳列位置にある。図1に示されるように、展示用製品ロケータ30は小売製品用引出し20の前方に整列される。この構成では、顧客が小売製品用引出し20内の小売製品34にアクセスするのを阻害又は妨害する要素はない。
【0018】
小売製品陳列システム72は、閉位置にある小売製品用引出し20を収納する箱を備える。図4を参照すると、展示用製品ロケータ30は、小売製品用引出し20が閉位置にあり、展示用製品ロケータ30が傾斜陳列位置にあるとき、箱を閉じるように配置することができる。箱60及び展示用製品ロケータ30は、その結果、小売製品用引出し20を包含する閉じた箱を形成する。展示用製品ロケータ30が傾斜陳列位置にあるとき、小売製品用引出し20は顧客の視界から完全に隠される。全ての小売製品が既に取り出された場合に空であり得る小売製品用引出し20を隠すことにより、小売製品の在庫があるか又は小売製品用引出しの中にないかに係わらず、展示用製品34に対する顧客の興味を引くことができる。更に、小売製品用引出し内の小売製品を受け入れる空間が小売製品で完全に充填されておらず、多少汚れている場合、顧客がそれを目にすることがなく、したがって小売製品陳列システムの魅力が妨げられることがなくなる。
【0019】
更に、小売製品用引出し20を閉じた箱の中に包含することで、小売製品陳列システムの魅力をやはり損なうであろうほこりが、小売製品の上又は小売製品用引出し20の中に積もることを防ぐ。
【0020】
小売製品陳列システムはまた、小売製品用引出し20が閉位置へと移動されると、展示用製品ロケータ30を傾斜陳列位置へと移動させるメカニズムを備える。更に、メカニズムは、小売製品用引出し20が開位置へと移動されると、展示用ロケータ30を水平陳列位置に移動させる。
【0021】
図5を参照すると、メカニズム50は、入れ子式の管52、54、66、ヒンジ56、アバットメント58、傾斜路68、及び肩部46を備えてもよい。入れ子式の管66は小売製品陳列システム72の固定部である。他の入れ子式の管52、54は、相互に、且つ入れ子式の管66に滑り込むように取り付けられる。展示用製品ロケータ30は、ヒンジ56によって入れ子式の管52の前端に枢動可能に取り付けられる。更に、展示用製品ロケータ30は、展示用製品ロケータ30が水平陳列位置にあるとき、入れ子式の管52の後端に当たるアバットメント58を備える。小売製品用引出し20は入れ子式の管54に取り付けられる。傾斜路68は、例えば箱60上に設けられて、展示用製品ロケータ30の肩部46を案内し、それによって展示用製品ロケータ30を傾斜陳列位置へと案内する。
【0022】
したがって、水平陳列位置から傾斜陳列位置への展示用製品ロケータ30の移動は、図5及び6に示されるように小売製品用引出し20を閉じる動きに連動される。展示用製品ロケータ30を押すことによって、入れ子式の管54は入れ子式の管66に滑り込み、それによって図2に示されるように小売製品用引出し20を閉じる。
【0023】
展示用製品ロケータ30を押すことで、その肩部46は傾斜路68に接触する。展示用製品ロケータ30を更に押すことで、肩部46の後部が傾斜路68上で滑動し、それによって展示用製品ロケータ30がヒンジ56を中心にして回転する。その結果、展示用製品ロケータ30は図6に示されるような中間位置になる。
【0024】
展示用製品ロケータ30を更に押すことによって、肩部46の前部が傾斜路68に当接し、したがって、展示用製品ロケータ30が傾斜路68上で滑動するのが止まり、且つヒンジ56を中心にして回転するのが止まる。その結果、展示用製品ロケータ30は図7に示されるような傾斜陳列位置になる。
【0025】
傾斜陳列位置から水平陳列位置への展示用製品ロケータ30の移動は、図5〜7に示されるが、ただし逆の順序になっている。換言すれば、展示用製品ロケータ30は、それを引っ張ることによって傾斜陳列位置から水平陳列位置へと移動される。顧客が展示用製品ロケータ30を引っ張ることができるようにするため、ハンドル(図示なし)が展示用製品ロケータ30の前端に設けられてもよい。
【0026】
当然ながら、図5〜7を参照して記載したメカニズム50は、展示用製品ロケータ30の移動及び小売製品用引出しの移動を連動させるための、当業者によって想到されてもよい様々な可能性のうちの一例に過ぎない。
【0027】
図8を参照すると、小売製品用引出し20は、好ましくは小売製品を受け入れる小売製品用引出し20の空間の前方に、顧客コミュニケーション用帯(customer communication band)22を備えてもよい。それによって、展示用製品ロケータ30の水平陳列位置において、顧客とのコミュニケーションが改善される。
【0028】
小売製品陳列システム72は、小売製品用引出し20が少なくとも閉位置と開位置との中間の位置から始まって開位置に向かって移動すると、展示用製品ロケータ30を水平陳列位置にするように構成されてもよい。図2では、小売製品用引出し20は中間位置で示される。この中間位置に達すると、展示用製品ロケータ30は水平陳列位置になる。この特徴により、展示用製品ロケータ30の移動を終わらせる必要なしに、小売製品用引出し20への迅速で容易なアクセスが可能になる。展示用製品ロケータ30は、重力の影響によって、且つ/又は適切なメカニズム、例えばバネ(図示せず)によって、水平陳列位置になってもよい。
【0029】
小売製品陳列システム72はまた、小売製品用引出し20を開位置で維持するロックを備えてもよい。ロックは、小売製品用引出し20及び/又は展示用製品ロケータ30を安定位置で維持する。図5を参照すると、ロックは、入れ子式の管66上のピン86及び入れ子式の管54上の対応する陥凹部84を備える。ピン86が陥凹部84内にあるとき、展示用製品ロケータ30及び小売製品用引出し20の位置は図5に示されるように安定している。図6に示されるように、ピン86が陥凹部84から外れるのに十分な力で、小売製品用引出し20の閉止方向に展示用製品ロケータをユーザが押すことによってロックを解除できる。したがって、陥凹部84は適切な形状を備え、管54及び66は適切な半径方向の許容差を備える。
【0030】
図1を参照すると、展示用製品ロケータ30は、交換可能な展示用製品ショーケース部36を備えてもよい。展示用製品ショーケース部36は図9に単独で示される。したがって、展示用製品ショーケース部36は、展示用製品ロケータ30の残りの部分から取り外し、異なるタイプの展示用製品を陳列するために別の展示用製品ショーケース部と取り替えることができる。展示用製品ショーケース部36のこの互換性により、展示用製品34のサイズ及び規模に応じて、又は小売店若しくは製造業者の美観上の選択という職務において、小売製品陳列システム72のモジュール性が可能になる。
【0031】
図9を参照すると、交換可能な展示用製品ショーケース部36の前面32は好ましくは平面である。結果として、展示用製品ロケータ30の前面は平面である。したがって、展示用製品ロケータ30が水平陳列位置にある図1に戻ると、展示用製品ロケータ30はバーを形成する。このバーにより、ユーザが展示用製品を正面の使用位置に置くことが可能になる。この可能性は図8に示される。結果として、顧客は、展示用製品を自分の手で保持する必要がなく、その結果、例えば、化粧品の場合は展示用製品を試すためのペンシルを保持するなど、他の目的に手を使うことができる。それによって、展示用製品を使用位置に置くため、小売製品陳列システム72の近くで別個のバーをユーザに提供する必要もなくなる。展示用製品の使用位置は、ユーザが通常、利用中に製品を置く位置として理解される。展示用製品の使用位置は製品の性質に応じて決まる。例えば、化粧用の分野では、展示用製品は、口紅、アイライナー、クリームの瓶、ローションの瓶などであり得る。一例として、クリームの瓶は、瓶からキャップを取り外した利用中の状態では、クリームが瓶から流れ出るのを避けるため、水平面に直立させて置かなければならない。
【0032】
展示用製品ロケータ30は有利にはフラップ部分を備えてもよい。図9及び10を比較すると、交換可能な展示用製品ショーケース部36はフラップ部分40を備えてもよい。フラップ部分40は、フラップ部分40が展示用製品ロケータを閉じる閉位置(図9に示される)と、顧客が展示用製品ロケータ内の展示用製品34にアクセスするのを可能にする開位置との間で上下に動かすように適合される。フラップ部分40は図8では開位置で示される。
【0033】
フラップ部分40の閉位置では、展示用製品34はほこりから保護される。フラップ部分40の開位置では、展示用製品34は、展示用製品34を試したい顧客がアクセス可能である。
【0034】
フラップ部分40は、好ましくは前部プレート42及び後部プレート44を備える。前部プレート42及び後部プレート44は、顧客コミュニケーション用ラベル48を間に受け入れるように相互に重ね合わされる。顧客が顧客コミュニケーション用ラベル48を見ることができるように、プレート42及び44の少なくとも一方は透明である。好ましくは、プレート42、44は両方とも透明である。その結果、展示用製品ロケータ30のコミュニケーション空間を二倍にして、顧客の情報をより良好にすることができる。顧客コミュニケーション用ラベル48は、好ましくは、図9に示されるように、顧客が顧客コミュニケーション用ラベル48を通して展示用製品34を見ることができるアパーチャを備える。
【0035】
フラップ部分40は好ましくは平面であり、それによって、展示用製品ロケータが水平位置にあるとき、ユーザが展示用製品を使用位置でフラップ部分40に置くことができるバーを形成する。フラップ部分40が開位置若しくは閉位置のどちらか一方、又はそれらの位置の両方にあるとき、フラップ部分40はバーを形成することができる。
【0036】
図8を参照すると、フラップの平面部分40は、アクセス可能な展示用製品36を使用位置で置くための表面を必要とするユーザにとって有用であることが示される。更に、閉位置にあるフラップ部分40は、バーを形成するため、展示用製品ロケータ30の平面の形状に寄与することができる。
【0037】
展示用製品ロケータ30は、前面32に上下しない部分を備えることができる。図10を参照すると、上下しない部分38は、フラップ部分40ではない前面の一部として定めることができる。上下しない部分は、固定され、したがって下にある展示用製品を顧客が取り出すのを阻害する単純なショーウィンドウであり得る。ショーウィンドウは、展示用製品ロケータ30の平面の形状に寄与してもよい。
【0038】
水平位置から傾斜陳列位置への展示用製品ロケータ30の移動の終わりは自動的であり得る。少なくとも移動の終わりが自動的であることにより、美観的でなく、展示用製品が遠くから目につきにくくなり、また箱60にほこりが入り、そのため小売製品用引出し20の小売製品のための空間に達するのを防ぐことができない、図3に示されるような中間位置に展示用製品ロケータ30が留まるのを防ぐ。
【0039】
したがって、小売製品陳列システム72は、展示用製品ロケータ30を傾斜陳列位置へと推進する位置決めデバイスを備えてもよい。水平陳列位置と傾斜陳列位置との中間の位置を少なくとも一旦越えて、展示用製品ロケータ30を傾斜陳列位置に向かって移動させると、展示用製品ロケータ30の推進が行われる。図5を参照すると、位置決めデバイスは、陥凹部80、それに対応するピン82、及び引き戻しバネ88を備える。陥凹部80は入れ子式の管52上に配置され、対応するピン82は入れ子式の管54上にある。バネの一端は入れ子式の管54の後部に固定され、バネの他端は入れ子式の管52の後部に固定される。
【0040】
ピン82が陥凹部80に係合しているとき、バネ88は引っ張られる。ユーザが展示用製品ロケータ30を十分な力で押すと(即ち、ロケータが中間位置を越えて傾斜陳列位置に向かって移動されると)、図6に示されるようにピン82が陥凹部80から解放される。次に、バネ88が展示用製品ロケータ30を推進して、図7に示されるような傾斜陳列位置に戻す。図6の展示用製品ロケータ30の中間位置は、バネ88の張力によって不安定であることを理解されたい。
【0041】
ピン82を陥凹部80から解放するための限界力、ピン86を陥凹部84から解放するための限界力、及びバネ88の引っ張り力は、好ましくは、図5〜7に示されるような、小売製品用引出し20の移動に対する展示用製品ロケータ30の移動を可能にするように選択される。ピン86を陥凹部84から解放するのに必要な力は、ピン82を陥凹部80から解放するのに必要な力よりも小さい。したがって、入れ子式の管52が入れ子式の管54に滑り込む前に、且つ展示用製品ロケータ30がヒンジ56を中心にして回転する前に小売製品用引出し20は閉じる。更に、水平陳列位置にある展示用製品ロケータ30が意図せずして引き出されるのを避けるため、バネ88の引っ張り力は、ピン82を陥凹部80から解放するのに必要な力よりも小さい。しかし、バネ88の引っ張り力は、展示用製品ロケータ30が図6の中間位置にあるとき、ロケータを推進して傾斜陳列位置に戻すのに十分である。
【0042】
小売製品陳列システム72は、好ましくは、別のモジュールと並べて、又は上下に重ねて組み立てられるように適合されたモジュールとして設計される。図4を参照すると、上述した組立てを可能とするために、箱60の上面に穴64が設けられてもよい。ねじ込みロッド(図示せず)を用いてモジュールを上下に重ねて組み立てられるように、箱60の下面に、対応する組立て穴(図示せず)を備えてもよい。モジュールの組立ては、例えば、上面の組立て穴64と同じように箱60の側面にある組立て穴64を用いて、横並びであることもできる。
【0043】
図8を参照すると、小売製品陳列システム72は、下にある別の小売製品陳列システム72を照らすため、箱60の下側部分に配置されたランプ62を備えてもよい。或いは、ランプ62はまた、小売製品用引出し20又は展示用製品ロケータ30の下側部分に配置されてもよい。これがなければ、外部照明は、下にある小売製品陳列システム72に、特に展示用製品ロケータ30に十分な魅力をもたらさないことがある。
【0044】
本発明は更に、上述の少なくとも一つの小売製品陳列システム72を備える小売製品陳列スタンドを提案する。図11は、四つの小売製品陳列システム72を備えた小売製品陳列スタンド70の斜視図を示す。かかるスタンドは、島型陳列として小売店に直接入れることができ、又はユニット式ラック若しくはアイルエンド陳列(aisle end display)に置くことができる。
【0045】
本発明は更に、小売化粧品を販売又は販売促進するための、上述の少なくとも一つの製品陳列システム72を備える小売製品陳列スタンドを提供する。図11は、二つの小売製品陳列システムをそれぞれ有する、五つの列72a、72b、72c、72d、72eを備えた小売製品陳列スタンド70の斜視図を示す。列72c及び72eの一つの小売製品陳列システムは開いた構成にある。したがって、これらの小売製品陳列システムは、その小売製品用引出しが小売製品24で満たされていることを示している。列72b及び72bの小売製品陳列システムは口紅28を陳列している。口紅は、必然的に水平でない展示用製品ロケータ30の前面32から突出している。かかるスタンドは、島型陳列として小売店に直接入れることができる、又はユニット式ラック若しくはアイルエンド陳列(aisle end display)に置くことができる。
【0046】
好ましい実施形態を参照して本発明を記載してきた。しかし、多数の変形例が本発明の範囲内で可能である。例えば、記載した小売製品陳列システムは箱60を伴わずに提供されてもよい。この場合、かかるデバイスの一つ又は複数は、移動可能な展示用ロケータ30を前面に有する一つ又は複数のかかる小売製品用引出し20と共に販売用キャビネットを形成するようにして、スタンドの棚の間に直接配置されてもよく、スタンドの垂直壁が傾斜路68として作用してもよいことが言及されている。
【0047】
更に、フラップ部分40を備えた展示用製品ロケータは、小売製品用引出しの配置とは独立して、且つ小売製品用引出しの前方にある展示用製品ロケータの移動可能な性質とは独立して、他の小売陳列システム上で実現されてもよい。結果として、本発明はまた、フラップ部分が展示用製品ロケータを閉じる閉位置と、顧客が展示用製品ロケータ内の展示用製品にアクセスするのを可能にする開位置との間で上下に動くように適合されたフラップ部分を備え、フラップ部分が、顧客コミュニケーション用ラベルを間に受け入れるように相互に重ね合わされる前部プレート及び後部プレートを備え、前部プレート及び後部プレートの少なくとも一方が透明である、展示用製品ロケータに関する。
【0048】
顧客が顧客コミュニケーション用ラベルを見ることができるように、プレートの少なくとも一方は透明である。好ましくは、プレートは両方とも透明である。その結果、展示用製品ロケータのコミュニケーション空間を二倍にして、顧客の情報をより良好にすることができる。更に、顧客コミュニケーション用ラベルはフラップ部分から容易に取り外されて、より適切な顧客コミュニケーション用ラベルと取り替えることができる。顧客コミュニケーション用ラベルのコミュニケーション内容の適応は、展示用製品、顧客、又は適用法律に合わせて変わってもよい。
【0049】
更に、フラップ部分の閉位置では、展示用製品はほこりから保護される。フラップ部分の開位置では、展示用製品は、展示用製品を試したい顧客がアクセス可能である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、販売用の小売製品を受け入れるように適合され、且つ場合によっては小売製品に関する情報とともに展示用製品を陳列するように適合された、小売製品陳列システムに関する。本発明はまた、かかる小売製品陳列システムの一つ又は複数を備える小売製品陳列スタンドに関する。本発明は更に、小売用化粧品を販売又は販売促進するための、本発明の小売製品陳列システム又はスタンドの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
小売製品陳列システムは当該分野において良く知られている。それらの一部は、展示用製品を受け入れる展示用製品トラックから成る。展示用製品トラックは、トラックの一つの縁部によって棚に固定される。展示用製品トラック上に位置する展示用製品に対応する小売製品は、販売のため、展示用製品トラックの背後に置かれる。小売店では、小売製品システムの前にいる顧客は、同じ位置で、展示用製品を使用するか又は小売製品を手に取って購入することができる。かかる陳列システムは、例えば、EP-A-0 997 091に開示されている。
【0003】
展示用製品トラックのサイズは、好ましくは、できるだけ多数の展示用製品を陳列し、且つそれに関連する顧客向けの情報を表示するように選択される。しかし、展示用トラックのサイズが増大して大きすぎるサイズになると、展示用製品トラックとその直上の棚の一つとの間に残される空間が低減されるので、顧客は、展示用製品トラックの背後に手を伸ばして販売用の小売製品を手に取ることに困難を覚える。
【0004】
改善点としては、棚を引出しのように滑動移動可能にし、展示用製品トラックを従来通り棚の縁部に載置するというものであった。EP-A-1 481 619は、かかる小売製品陳列システムの一例を示すものである。顧客は、展示用製品トラックの背後にある棚の小売製品により容易にアクセスするため、展示用製品トラックを引っ張ることによって棚を引き出すことができる。かかるシステムには依然として欠点がある。特に、顧客のアクセスは、背後にある販売用小売製品に対して高い位置まで延在する展示用製品トラックによって依然として妨げられる。更に、棚がその上に積もるほこりによって直ぐに汚れるので、特にあまり多数の小売製品が置かれていない場合、陳列が顧客にとって魅力の少ないものになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、上述の欠点を少なくとも部分的に軽減することである。より具体的には、本発明は、顧客が購入のために小売製品にアクセスすることが容易である、展示用製品を収容する又は情報を表示するためのより広い空間を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、閉位置と開位置との間で滑動可能な小売製品用引出しと、小売製品用引出しの前方に配置され、それぞれ傾斜陳列位置及び水平陳列位置である二つの末端位置の間で移動可能な展示用製品ロケータと、を備え、小売製品用引出しが閉位置にあるとき、展示用製品ロケータが傾斜陳列位置にあることを可能にし、小売製品用引出しが開位置にあるとき、展示用製品ロケータが水平陳列位置にあることを可能にするように構成される、小売製品陳列システムによって達成される。
【0007】
好ましい実施形態は従属クレームで定義される。本発明は更に、少なくとも一つのかかる小売製品陳列システムを備える小売製品陳列スタンドを提案する。本発明による小売製品陳列スタンド並びに小売製品陳列システムは、小売化粧品の販売又は販売促進に使用するのに特に良好に適合される。
【0008】
本発明のさらなる特徴及び利点は、次に列挙する添付図面を参照して、非限定例として与えられる本発明の実施形態の以下の説明によって明白になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】小売製品用引出しが開位置にある、本発明の好ましい一実施形態による小売製品陳列システムの透視斜視図である。
【図2】展示用製品ロケータが水平陳列位置にある、図1の小売製品陳列システムの透視斜視図である。
【図3】展示用製品ロケータが水平位置と傾斜陳列位置との間の中間位置にある、図1の小売製品陳列システムの透視斜視図である。
【図4】展示用製品ロケータが傾斜陳列位置にある、図1の小売製品陳列システムの透視斜視図である。
【図5】展示用製品ロケータが水平位置にあり、小売製品用引出しが開いているメカニズムの図である。
【図6】展示用製品ロケータが中間位置にあり、小売製品用引出しが閉じているメカニズムの図である。
【図7】展示用製品ロケータが傾斜陳列位置にあり、小売製品用引出しが閉じているメカニズムの図である。
【図8】小売製品用引出しが開位置にあり、フラップ部分が開位置にあって展示用製品を使用位置にするための表面として役立つ、小売製品陳列システムの斜視図である。
【図9】展示用製品ロケータのショーケース部の斜視図である。
【図10】フラップ部分が開いている、図7のショーケース部の斜視図である。
【図11】小売製品陳列スタンドの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、閉位置と開位置との間で滑動可能な小売製品用引出しを備える、小売製品陳列システムを提案する。小売製品陳列システムは、小売製品用引出しの前方に配置された展示用製品ロケータを更に備える。展示用製品ロケータは、それぞれ傾斜陳列位置と水平陳列位置である二つの末端位置の間で移動可能である。小売製品陳列システムは、引出しが閉位置にあるとき、展示用製品ロケータが傾斜陳列位置にあることができるように構成される。小売製品陳列システムは更に、引出しが開位置にあるとき、展示用製品ロケータが水平陳列位置にあることができるように構成される。これら異なる特徴構成の組み合わせにより、小売製品陳列システムが、展示用製品ロケータの二つの末端位置に対応する少なくとも二つの構成を有することが可能になる。
【0011】
第1の構成では、図1に示されるように、小売製品用引出し20は開いており、展示用製品ロケータ30は水平陳列位置にある。この構成では、顧客は、販売用に小売製品用引出し20(図示なし)に配置された小売製品に容易にアクセスすることができる。実際に、小売製品用引出し20は完全に開いており、展示用製品ロケータ30は、顧客が小売製品を手に取るのを妨げない。
【0012】
図3は、第1の構成と第2の構成との間で小売製品陳列システム72が動く間の中間段階の図を示す。展示用製品ロケータ30は、水平位置と傾斜陳列位置との間の中間位置にある。
【0013】
第2の構成では、図4に示されるように、小売製品用引出し20は閉じており、展示用製品ロケータ30は傾斜陳列位置にある。図から分かるように、展示用製品ロケータは大きなサイズのものであり、そのため、所望であれば多数の展示用製品を陳列すると共に、所望であれば顧客が遠く離れたところから見ることができる情報を表示することが可能である。
【0014】
展示用製品ロケータ30が水平陳列位置にある第1の構成は、陳列機能も果たす。水平陳列位置にある展示用製品ロケータ30は、その展示用製品34及びその顧客向け情報と共に、小売製品陳列システム72の近くにいる顧客が上方から見ることができる。換言すれば、展示用製品及び展示用製品ロケータ30が備えている情報は、例えば、顧客が小売製品用引出し20内の販売用小売製品を手に取ったときに依然として見ることができる。
【0015】
結果として、小売製品陳列システムは、顧客が購入のために小売製品に容易にアクセスできる、展示用製品を収容する、又は情報を表示するためのより広い空間を提供するという目的を達成する。
【0016】
図4を参照すると、第2の構成の小売製品陳列システム72は、顧客が小売製品用引出し20の内容物にアクセスするのを阻害する。実際に、展示用製品ロケータ30が傾斜陳列位置にあるとき、顧客が小売製品用引出し20にアクセスするための空間はない。小売製品陳列システム72の使用状態では、例えば、ディスプレイストアでは、小売製品陳列システム72の顧客に面する正面の空間は、傾斜陳列位置にある展示用製品ロケータ30によって占められる。したがって、展示用製品ロケータ30による顧客とのコミュニケーションは最大限になる。
【0017】
小売製品用引出し20の内容物に顧客がアクセスするのを阻害する第2の構成とは異なり、第1の構成は、顧客が小売製品用引出し20の内容物に容易にアクセスするのを可能にする。展示用製品ロケータ30は水平陳列位置にある。図1に示されるように、展示用製品ロケータ30は小売製品用引出し20の前方に整列される。この構成では、顧客が小売製品用引出し20内の小売製品34にアクセスするのを阻害又は妨害する要素はない。
【0018】
小売製品陳列システム72は、閉位置にある小売製品用引出し20を収納する箱を備える。図4を参照すると、展示用製品ロケータ30は、小売製品用引出し20が閉位置にあり、展示用製品ロケータ30が傾斜陳列位置にあるとき、箱を閉じるように配置することができる。箱60及び展示用製品ロケータ30は、その結果、小売製品用引出し20を包含する閉じた箱を形成する。展示用製品ロケータ30が傾斜陳列位置にあるとき、小売製品用引出し20は顧客の視界から完全に隠される。全ての小売製品が既に取り出された場合に空であり得る小売製品用引出し20を隠すことにより、小売製品の在庫があるか又は小売製品用引出しの中にないかに係わらず、展示用製品34に対する顧客の興味を引くことができる。更に、小売製品用引出し内の小売製品を受け入れる空間が小売製品で完全に充填されておらず、多少汚れている場合、顧客がそれを目にすることがなく、したがって小売製品陳列システムの魅力が妨げられることがなくなる。
【0019】
更に、小売製品用引出し20を閉じた箱の中に包含することで、小売製品陳列システムの魅力をやはり損なうであろうほこりが、小売製品の上又は小売製品用引出し20の中に積もることを防ぐ。
【0020】
小売製品陳列システムはまた、小売製品用引出し20が閉位置へと移動されると、展示用製品ロケータ30を傾斜陳列位置へと移動させるメカニズムを備える。更に、メカニズムは、小売製品用引出し20が開位置へと移動されると、展示用ロケータ30を水平陳列位置に移動させる。
【0021】
図5を参照すると、メカニズム50は、入れ子式の管52、54、66、ヒンジ56、アバットメント58、傾斜路68、及び肩部46を備えてもよい。入れ子式の管66は小売製品陳列システム72の固定部である。他の入れ子式の管52、54は、相互に、且つ入れ子式の管66に滑り込むように取り付けられる。展示用製品ロケータ30は、ヒンジ56によって入れ子式の管52の前端に枢動可能に取り付けられる。更に、展示用製品ロケータ30は、展示用製品ロケータ30が水平陳列位置にあるとき、入れ子式の管52の後端に当たるアバットメント58を備える。小売製品用引出し20は入れ子式の管54に取り付けられる。傾斜路68は、例えば箱60上に設けられて、展示用製品ロケータ30の肩部46を案内し、それによって展示用製品ロケータ30を傾斜陳列位置へと案内する。
【0022】
したがって、水平陳列位置から傾斜陳列位置への展示用製品ロケータ30の移動は、図5及び6に示されるように小売製品用引出し20を閉じる動きに連動される。展示用製品ロケータ30を押すことによって、入れ子式の管54は入れ子式の管66に滑り込み、それによって図2に示されるように小売製品用引出し20を閉じる。
【0023】
展示用製品ロケータ30を押すことで、その肩部46は傾斜路68に接触する。展示用製品ロケータ30を更に押すことで、肩部46の後部が傾斜路68上で滑動し、それによって展示用製品ロケータ30がヒンジ56を中心にして回転する。その結果、展示用製品ロケータ30は図6に示されるような中間位置になる。
【0024】
展示用製品ロケータ30を更に押すことによって、肩部46の前部が傾斜路68に当接し、したがって、展示用製品ロケータ30が傾斜路68上で滑動するのが止まり、且つヒンジ56を中心にして回転するのが止まる。その結果、展示用製品ロケータ30は図7に示されるような傾斜陳列位置になる。
【0025】
傾斜陳列位置から水平陳列位置への展示用製品ロケータ30の移動は、図5〜7に示されるが、ただし逆の順序になっている。換言すれば、展示用製品ロケータ30は、それを引っ張ることによって傾斜陳列位置から水平陳列位置へと移動される。顧客が展示用製品ロケータ30を引っ張ることができるようにするため、ハンドル(図示なし)が展示用製品ロケータ30の前端に設けられてもよい。
【0026】
当然ながら、図5〜7を参照して記載したメカニズム50は、展示用製品ロケータ30の移動及び小売製品用引出しの移動を連動させるための、当業者によって想到されてもよい様々な可能性のうちの一例に過ぎない。
【0027】
図8を参照すると、小売製品用引出し20は、好ましくは小売製品を受け入れる小売製品用引出し20の空間の前方に、顧客コミュニケーション用帯(customer communication band)22を備えてもよい。それによって、展示用製品ロケータ30の水平陳列位置において、顧客とのコミュニケーションが改善される。
【0028】
小売製品陳列システム72は、小売製品用引出し20が少なくとも閉位置と開位置との中間の位置から始まって開位置に向かって移動すると、展示用製品ロケータ30を水平陳列位置にするように構成されてもよい。図2では、小売製品用引出し20は中間位置で示される。この中間位置に達すると、展示用製品ロケータ30は水平陳列位置になる。この特徴により、展示用製品ロケータ30の移動を終わらせる必要なしに、小売製品用引出し20への迅速で容易なアクセスが可能になる。展示用製品ロケータ30は、重力の影響によって、且つ/又は適切なメカニズム、例えばバネ(図示せず)によって、水平陳列位置になってもよい。
【0029】
小売製品陳列システム72はまた、小売製品用引出し20を開位置で維持するロックを備えてもよい。ロックは、小売製品用引出し20及び/又は展示用製品ロケータ30を安定位置で維持する。図5を参照すると、ロックは、入れ子式の管66上のピン86及び入れ子式の管54上の対応する陥凹部84を備える。ピン86が陥凹部84内にあるとき、展示用製品ロケータ30及び小売製品用引出し20の位置は図5に示されるように安定している。図6に示されるように、ピン86が陥凹部84から外れるのに十分な力で、小売製品用引出し20の閉止方向に展示用製品ロケータをユーザが押すことによってロックを解除できる。したがって、陥凹部84は適切な形状を備え、管54及び66は適切な半径方向の許容差を備える。
【0030】
図1を参照すると、展示用製品ロケータ30は、交換可能な展示用製品ショーケース部36を備えてもよい。展示用製品ショーケース部36は図9に単独で示される。したがって、展示用製品ショーケース部36は、展示用製品ロケータ30の残りの部分から取り外し、異なるタイプの展示用製品を陳列するために別の展示用製品ショーケース部と取り替えることができる。展示用製品ショーケース部36のこの互換性により、展示用製品34のサイズ及び規模に応じて、又は小売店若しくは製造業者の美観上の選択という職務において、小売製品陳列システム72のモジュール性が可能になる。
【0031】
図9を参照すると、交換可能な展示用製品ショーケース部36の前面32は好ましくは平面である。結果として、展示用製品ロケータ30の前面は平面である。したがって、展示用製品ロケータ30が水平陳列位置にある図1に戻ると、展示用製品ロケータ30はバーを形成する。このバーにより、ユーザが展示用製品を正面の使用位置に置くことが可能になる。この可能性は図8に示される。結果として、顧客は、展示用製品を自分の手で保持する必要がなく、その結果、例えば、化粧品の場合は展示用製品を試すためのペンシルを保持するなど、他の目的に手を使うことができる。それによって、展示用製品を使用位置に置くため、小売製品陳列システム72の近くで別個のバーをユーザに提供する必要もなくなる。展示用製品の使用位置は、ユーザが通常、利用中に製品を置く位置として理解される。展示用製品の使用位置は製品の性質に応じて決まる。例えば、化粧用の分野では、展示用製品は、口紅、アイライナー、クリームの瓶、ローションの瓶などであり得る。一例として、クリームの瓶は、瓶からキャップを取り外した利用中の状態では、クリームが瓶から流れ出るのを避けるため、水平面に直立させて置かなければならない。
【0032】
展示用製品ロケータ30は有利にはフラップ部分を備えてもよい。図9及び10を比較すると、交換可能な展示用製品ショーケース部36はフラップ部分40を備えてもよい。フラップ部分40は、フラップ部分40が展示用製品ロケータを閉じる閉位置(図9に示される)と、顧客が展示用製品ロケータ内の展示用製品34にアクセスするのを可能にする開位置との間で上下に動かすように適合される。フラップ部分40は図8では開位置で示される。
【0033】
フラップ部分40の閉位置では、展示用製品34はほこりから保護される。フラップ部分40の開位置では、展示用製品34は、展示用製品34を試したい顧客がアクセス可能である。
【0034】
フラップ部分40は、好ましくは前部プレート42及び後部プレート44を備える。前部プレート42及び後部プレート44は、顧客コミュニケーション用ラベル48を間に受け入れるように相互に重ね合わされる。顧客が顧客コミュニケーション用ラベル48を見ることができるように、プレート42及び44の少なくとも一方は透明である。好ましくは、プレート42、44は両方とも透明である。その結果、展示用製品ロケータ30のコミュニケーション空間を二倍にして、顧客の情報をより良好にすることができる。顧客コミュニケーション用ラベル48は、好ましくは、図9に示されるように、顧客が顧客コミュニケーション用ラベル48を通して展示用製品34を見ることができるアパーチャを備える。
【0035】
フラップ部分40は好ましくは平面であり、それによって、展示用製品ロケータが水平位置にあるとき、ユーザが展示用製品を使用位置でフラップ部分40に置くことができるバーを形成する。フラップ部分40が開位置若しくは閉位置のどちらか一方、又はそれらの位置の両方にあるとき、フラップ部分40はバーを形成することができる。
【0036】
図8を参照すると、フラップの平面部分40は、アクセス可能な展示用製品36を使用位置で置くための表面を必要とするユーザにとって有用であることが示される。更に、閉位置にあるフラップ部分40は、バーを形成するため、展示用製品ロケータ30の平面の形状に寄与することができる。
【0037】
展示用製品ロケータ30は、前面32に上下しない部分を備えることができる。図10を参照すると、上下しない部分38は、フラップ部分40ではない前面の一部として定めることができる。上下しない部分は、固定され、したがって下にある展示用製品を顧客が取り出すのを阻害する単純なショーウィンドウであり得る。ショーウィンドウは、展示用製品ロケータ30の平面の形状に寄与してもよい。
【0038】
水平位置から傾斜陳列位置への展示用製品ロケータ30の移動の終わりは自動的であり得る。少なくとも移動の終わりが自動的であることにより、美観的でなく、展示用製品が遠くから目につきにくくなり、また箱60にほこりが入り、そのため小売製品用引出し20の小売製品のための空間に達するのを防ぐことができない、図3に示されるような中間位置に展示用製品ロケータ30が留まるのを防ぐ。
【0039】
したがって、小売製品陳列システム72は、展示用製品ロケータ30を傾斜陳列位置へと推進する位置決めデバイスを備えてもよい。水平陳列位置と傾斜陳列位置との中間の位置を少なくとも一旦越えて、展示用製品ロケータ30を傾斜陳列位置に向かって移動させると、展示用製品ロケータ30の推進が行われる。図5を参照すると、位置決めデバイスは、陥凹部80、それに対応するピン82、及び引き戻しバネ88を備える。陥凹部80は入れ子式の管52上に配置され、対応するピン82は入れ子式の管54上にある。バネの一端は入れ子式の管54の後部に固定され、バネの他端は入れ子式の管52の後部に固定される。
【0040】
ピン82が陥凹部80に係合しているとき、バネ88は引っ張られる。ユーザが展示用製品ロケータ30を十分な力で押すと(即ち、ロケータが中間位置を越えて傾斜陳列位置に向かって移動されると)、図6に示されるようにピン82が陥凹部80から解放される。次に、バネ88が展示用製品ロケータ30を推進して、図7に示されるような傾斜陳列位置に戻す。図6の展示用製品ロケータ30の中間位置は、バネ88の張力によって不安定であることを理解されたい。
【0041】
ピン82を陥凹部80から解放するための限界力、ピン86を陥凹部84から解放するための限界力、及びバネ88の引っ張り力は、好ましくは、図5〜7に示されるような、小売製品用引出し20の移動に対する展示用製品ロケータ30の移動を可能にするように選択される。ピン86を陥凹部84から解放するのに必要な力は、ピン82を陥凹部80から解放するのに必要な力よりも小さい。したがって、入れ子式の管52が入れ子式の管54に滑り込む前に、且つ展示用製品ロケータ30がヒンジ56を中心にして回転する前に小売製品用引出し20は閉じる。更に、水平陳列位置にある展示用製品ロケータ30が意図せずして引き出されるのを避けるため、バネ88の引っ張り力は、ピン82を陥凹部80から解放するのに必要な力よりも小さい。しかし、バネ88の引っ張り力は、展示用製品ロケータ30が図6の中間位置にあるとき、ロケータを推進して傾斜陳列位置に戻すのに十分である。
【0042】
小売製品陳列システム72は、好ましくは、別のモジュールと並べて、又は上下に重ねて組み立てられるように適合されたモジュールとして設計される。図4を参照すると、上述した組立てを可能とするために、箱60の上面に穴64が設けられてもよい。ねじ込みロッド(図示せず)を用いてモジュールを上下に重ねて組み立てられるように、箱60の下面に、対応する組立て穴(図示せず)を備えてもよい。モジュールの組立ては、例えば、上面の組立て穴64と同じように箱60の側面にある組立て穴64を用いて、横並びであることもできる。
【0043】
図8を参照すると、小売製品陳列システム72は、下にある別の小売製品陳列システム72を照らすため、箱60の下側部分に配置されたランプ62を備えてもよい。或いは、ランプ62はまた、小売製品用引出し20又は展示用製品ロケータ30の下側部分に配置されてもよい。これがなければ、外部照明は、下にある小売製品陳列システム72に、特に展示用製品ロケータ30に十分な魅力をもたらさないことがある。
【0044】
本発明は更に、上述の少なくとも一つの小売製品陳列システム72を備える小売製品陳列スタンドを提案する。図11は、四つの小売製品陳列システム72を備えた小売製品陳列スタンド70の斜視図を示す。かかるスタンドは、島型陳列として小売店に直接入れることができ、又はユニット式ラック若しくはアイルエンド陳列(aisle end display)に置くことができる。
【0045】
本発明は更に、小売化粧品を販売又は販売促進するための、上述の少なくとも一つの製品陳列システム72を備える小売製品陳列スタンドを提供する。図11は、二つの小売製品陳列システムをそれぞれ有する、五つの列72a、72b、72c、72d、72eを備えた小売製品陳列スタンド70の斜視図を示す。列72c及び72eの一つの小売製品陳列システムは開いた構成にある。したがって、これらの小売製品陳列システムは、その小売製品用引出しが小売製品24で満たされていることを示している。列72b及び72bの小売製品陳列システムは口紅28を陳列している。口紅は、必然的に水平でない展示用製品ロケータ30の前面32から突出している。かかるスタンドは、島型陳列として小売店に直接入れることができる、又はユニット式ラック若しくはアイルエンド陳列(aisle end display)に置くことができる。
【0046】
好ましい実施形態を参照して本発明を記載してきた。しかし、多数の変形例が本発明の範囲内で可能である。例えば、記載した小売製品陳列システムは箱60を伴わずに提供されてもよい。この場合、かかるデバイスの一つ又は複数は、移動可能な展示用ロケータ30を前面に有する一つ又は複数のかかる小売製品用引出し20と共に販売用キャビネットを形成するようにして、スタンドの棚の間に直接配置されてもよく、スタンドの垂直壁が傾斜路68として作用してもよいことが言及されている。
【0047】
更に、フラップ部分40を備えた展示用製品ロケータは、小売製品用引出しの配置とは独立して、且つ小売製品用引出しの前方にある展示用製品ロケータの移動可能な性質とは独立して、他の小売陳列システム上で実現されてもよい。結果として、本発明はまた、フラップ部分が展示用製品ロケータを閉じる閉位置と、顧客が展示用製品ロケータ内の展示用製品にアクセスするのを可能にする開位置との間で上下に動くように適合されたフラップ部分を備え、フラップ部分が、顧客コミュニケーション用ラベルを間に受け入れるように相互に重ね合わされる前部プレート及び後部プレートを備え、前部プレート及び後部プレートの少なくとも一方が透明である、展示用製品ロケータに関する。
【0048】
顧客が顧客コミュニケーション用ラベルを見ることができるように、プレートの少なくとも一方は透明である。好ましくは、プレートは両方とも透明である。その結果、展示用製品ロケータのコミュニケーション空間を二倍にして、顧客の情報をより良好にすることができる。更に、顧客コミュニケーション用ラベルはフラップ部分から容易に取り外されて、より適切な顧客コミュニケーション用ラベルと取り替えることができる。顧客コミュニケーション用ラベルのコミュニケーション内容の適応は、展示用製品、顧客、又は適用法律に合わせて変わってもよい。
【0049】
更に、フラップ部分の閉位置では、展示用製品はほこりから保護される。フラップ部分の開位置では、展示用製品は、展示用製品を試したい顧客がアクセス可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
閉位置と開位置との間で滑動可能な小売製品用引出し(20)と、
前記小売製品用引出し(20)の前方に配置され、それぞれ傾斜陳列位置及び水平陳列位置である二つの末端位置の間で移動可能な展示用製品ロケータ(30)と、を備え、
前記小売製品用引出し(20)が前記閉位置にあるとき、前記展示用製品ロケータ(30)が前記傾斜陳列位置にあることを可能にし、前記小売製品用引出し(20)が前記開位置にあるとき、前記展示用製品ロケータ(30)が前記水平陳列位置にあることを可能にするように構成されている、小売製品陳列システム。
【請求項2】
前記小売製品用引出し(20)が前記閉位置へと移動すると、前記展示用製品ロケータ(30)を前記傾斜陳列位置へと移動させ、前記小売製品用引出し(20)が前記開位置へと移動すると、前記展示用製品ロケータ(30)を前記水平陳列位置へと移動させるメカニズムを更に備えている、請求項1に記載の小売製品陳列システム。
【請求項3】
顧客が前記閉位置にある前記小売製品用引出し(20)の内容物にアクセスすることを前記傾斜陳列位置にある前記展示用製品ロケータ(30)が阻害し、前記顧客が前記小売製品用引出し(20)の内容物にアクセスすることを前記水平陳列位置にある前記展示用製品ロケータ(30)が可能にする、請求項1又は2に記載の小売製品陳列システム。
【請求項4】
前記閉位置にある前記小売製品用引出し(20)を収納する箱(60)を更に備えており、前記小売製品用引出し(20)が前記閉位置にあり、且つ前記展示用製品ロケータ(30)が前記傾斜陳列位置にあるとき、前記箱を閉じるように前記展示用製品ロケータ(30)が構成されている、請求項3に記載の小売製品陳列システム。
【請求項5】
前記箱(60)、前記展示用製品ロケータ(30)、及び前記小売製品用引出し(20)から成る群からの特徴構成の一つの下側部分に配置された、下にある別の小売製品陳列システム(72)を照らすランプ(62)を更に備えている、請求項1から4のいずれか一項に記載の小売製品陳列システム。
【請求項6】
前記開位置に向かって移動する前記小売製品用引出し(20)が、前記閉位置と前記開位置との中間の位置に達すると、前記展示用製品ロケータ(30)を前記水平陳列位置へと移動させるように構成されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の小売製品陳列システム。
【請求項7】
前記展示用製品ロケータ(30)の前面(32)が平面であり、前記展示用製品ロケータ(30)が前記水平位置にあるとき、ユーザが展示用製品(34)を使用位置で前記前面に置くことを可能にするバーを前記前面が形成する、請求項1から6のいずれか一項に記載の小売製品陳列システム。
【請求項8】
前記小売製品用引出し(20)を前記開位置で維持するロック(84、86)を更に備えている、請求項1から7のいずれか一項に記載の小売製品陳列システム。
【請求項9】
前記展示用製品ロケータ(30)が交換可能な展示用製品ショーケース部(36)を備えている、請求項1から8のいずれか一項に記載の小売製品陳列システム。
【請求項10】
フラップ部分が前記展示用製品ロケータ(30)を閉じる閉位置と、顧客が前記展示用製品ロケータ(30)内の展示用製品(34)にアクセスするのを可能にする開位置との間で上下に動くように適合された前記フラップ部分(40)を前記展示用製品ロケータ(30)が備え、顧客コミュニケーション用ラベル(48)を間に受け入れるように相互に重ね合わされる前部プレート(42)及び後部プレート(44)を前記フラップ部分(40)が備え、前記前部プレート及び前記後部プレート(42、44)の少なくとも一方が透明である、請求項1から9のいずれか一項に記載の小売製品陳列システム。
【請求項11】
前記フラップ部分(40)が平面であり、前記展示用製品ロケータ(30)が前記水平位置にあり、且つ前記フラップ部分(40)が前記開位置又は前記閉位置の少なくとも一方にあるとき、ユーザが展示用製品(34)を使用位置で前記フラップ部分に置くことを可能にするバーを前記フラップ部分が形成する、請求項10に記載の小売製品陳列システム。
【請求項12】
少なくとも前記展示用製品ロケータ(30)を前記水平位置と前記傾斜位置との中間の位置を越えて前記傾斜位置に向かって移動させると、前記展示用製品ロケータ(30)を前記傾斜位置へと推進する位置決めデバイス(80、82、88)を備えている、請求項1から11のいずれか一項に記載の小売製品陳列システム。
【請求項13】
別のモジュールと並べて又は上下に重ねて組み立てられるように適合されているモジュールを形成している、請求項1から12のいずれか一項に記載の小売製品陳列システム。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載の小売製品陳列システムを少なくとも一つ備えている、小売製品陳列スタンド。
【請求項15】
小売化粧品を販売若しくは販売促進するための、請求項14に記載の小売製品陳列スタンド、又は請求項1から13のいずれか一項に記載の小売製品陳列システムの使用。
【請求項1】
閉位置と開位置との間で滑動可能な小売製品用引出し(20)と、
前記小売製品用引出し(20)の前方に配置され、それぞれ傾斜陳列位置及び水平陳列位置である二つの末端位置の間で移動可能な展示用製品ロケータ(30)と、を備え、
前記小売製品用引出し(20)が前記閉位置にあるとき、前記展示用製品ロケータ(30)が前記傾斜陳列位置にあることを可能にし、前記小売製品用引出し(20)が前記開位置にあるとき、前記展示用製品ロケータ(30)が前記水平陳列位置にあることを可能にするように構成されている、小売製品陳列システム。
【請求項2】
前記小売製品用引出し(20)が前記閉位置へと移動すると、前記展示用製品ロケータ(30)を前記傾斜陳列位置へと移動させ、前記小売製品用引出し(20)が前記開位置へと移動すると、前記展示用製品ロケータ(30)を前記水平陳列位置へと移動させるメカニズムを更に備えている、請求項1に記載の小売製品陳列システム。
【請求項3】
顧客が前記閉位置にある前記小売製品用引出し(20)の内容物にアクセスすることを前記傾斜陳列位置にある前記展示用製品ロケータ(30)が阻害し、前記顧客が前記小売製品用引出し(20)の内容物にアクセスすることを前記水平陳列位置にある前記展示用製品ロケータ(30)が可能にする、請求項1又は2に記載の小売製品陳列システム。
【請求項4】
前記閉位置にある前記小売製品用引出し(20)を収納する箱(60)を更に備えており、前記小売製品用引出し(20)が前記閉位置にあり、且つ前記展示用製品ロケータ(30)が前記傾斜陳列位置にあるとき、前記箱を閉じるように前記展示用製品ロケータ(30)が構成されている、請求項3に記載の小売製品陳列システム。
【請求項5】
前記箱(60)、前記展示用製品ロケータ(30)、及び前記小売製品用引出し(20)から成る群からの特徴構成の一つの下側部分に配置された、下にある別の小売製品陳列システム(72)を照らすランプ(62)を更に備えている、請求項1から4のいずれか一項に記載の小売製品陳列システム。
【請求項6】
前記開位置に向かって移動する前記小売製品用引出し(20)が、前記閉位置と前記開位置との中間の位置に達すると、前記展示用製品ロケータ(30)を前記水平陳列位置へと移動させるように構成されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の小売製品陳列システム。
【請求項7】
前記展示用製品ロケータ(30)の前面(32)が平面であり、前記展示用製品ロケータ(30)が前記水平位置にあるとき、ユーザが展示用製品(34)を使用位置で前記前面に置くことを可能にするバーを前記前面が形成する、請求項1から6のいずれか一項に記載の小売製品陳列システム。
【請求項8】
前記小売製品用引出し(20)を前記開位置で維持するロック(84、86)を更に備えている、請求項1から7のいずれか一項に記載の小売製品陳列システム。
【請求項9】
前記展示用製品ロケータ(30)が交換可能な展示用製品ショーケース部(36)を備えている、請求項1から8のいずれか一項に記載の小売製品陳列システム。
【請求項10】
フラップ部分が前記展示用製品ロケータ(30)を閉じる閉位置と、顧客が前記展示用製品ロケータ(30)内の展示用製品(34)にアクセスするのを可能にする開位置との間で上下に動くように適合された前記フラップ部分(40)を前記展示用製品ロケータ(30)が備え、顧客コミュニケーション用ラベル(48)を間に受け入れるように相互に重ね合わされる前部プレート(42)及び後部プレート(44)を前記フラップ部分(40)が備え、前記前部プレート及び前記後部プレート(42、44)の少なくとも一方が透明である、請求項1から9のいずれか一項に記載の小売製品陳列システム。
【請求項11】
前記フラップ部分(40)が平面であり、前記展示用製品ロケータ(30)が前記水平位置にあり、且つ前記フラップ部分(40)が前記開位置又は前記閉位置の少なくとも一方にあるとき、ユーザが展示用製品(34)を使用位置で前記フラップ部分に置くことを可能にするバーを前記フラップ部分が形成する、請求項10に記載の小売製品陳列システム。
【請求項12】
少なくとも前記展示用製品ロケータ(30)を前記水平位置と前記傾斜位置との中間の位置を越えて前記傾斜位置に向かって移動させると、前記展示用製品ロケータ(30)を前記傾斜位置へと推進する位置決めデバイス(80、82、88)を備えている、請求項1から11のいずれか一項に記載の小売製品陳列システム。
【請求項13】
別のモジュールと並べて又は上下に重ねて組み立てられるように適合されているモジュールを形成している、請求項1から12のいずれか一項に記載の小売製品陳列システム。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載の小売製品陳列システムを少なくとも一つ備えている、小売製品陳列スタンド。
【請求項15】
小売化粧品を販売若しくは販売促進するための、請求項14に記載の小売製品陳列スタンド、又は請求項1から13のいずれか一項に記載の小売製品陳列システムの使用。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2013−507154(P2013−507154A)
【公表日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−532527(P2012−532527)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【国際出願番号】PCT/EP2010/063716
【国際公開番号】WO2011/042289
【国際公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(598100128)イーエルシー マネージメント エルエルシー (112)
【公表日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【国際出願番号】PCT/EP2010/063716
【国際公開番号】WO2011/042289
【国際公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(598100128)イーエルシー マネージメント エルエルシー (112)
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