説明

移動端末との通信を維持する方法および装置を含む通信システム

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、通信システムに関する。より詳細には、移動端末が地点間を移動する際にそれらと通信するための装置および方法を含む通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、通信ネットワークは、有線リンクか無線リンクのどちらかによって互いに接続された交換装置または経路指定装置からなる。ネットワーク加入者またはユーザ端末は、通信リンク(無線端末の場合は無線リンク)によってネットワーク内の少なくとも1つの交換機またはルータに接続される。通信ネットワークは、ユーザ端末の発生した信号を、同じ通信ネットワークに接続された他のユーザ端末に転送する。パケット交換ネットワークでは、ユーザの発生した信号は、パケットで提示され、パケット内に収容される。2つまたはそれ以上のユーザ端末間の通信では、関係する端末間に経路を確立する必要がある。接続設定時に、1組のルータ、または通信ネットワークの交換点が選択される。これらのルータはそれぞれ、他のルータからまたは送信局からパケットを受信した際に、そのパケットが、他のルータにまたは宛先端末に接続された適切なリンクに転送されるように構成される。ユーザ端末の生成したパケットを宛先局に転送するそのようなすべてのルータと、ルータを接続する通信リンクが、その特定の組の通信局用のパスまたはルートを構成する。経路選択に使用できる多数の経路指定アルゴリズム、およびルータがパケットを転送するための適切なリンクの選択に関する判断を下す方法がある。インターネット・プロトコル(IP)やネットワーク/IPXなどの多数の経路指定プロトコルでは、経路指定機構は、すべてのルータによって受信される周期的なトポロジー更新などいくつかの要素に基づいている。受信される各パケットごとに、ルータは、既存のトポロジー情報とパケットに含まれる経路指定情報とを使用するネットワーク経路指定技法に基づいて、パケットが転送される先の適切なリンクを選択する。ネットワークのトポロジーは、ノードおよびノード間のリンクの形で表される。各ノードまたはリンクは、アドレスによって表される。ネットワークの各ノードとその関連するアドレスとの間には一意の関係がある。通信ネットワークのエンティティにアドレスを割り当てかつそのアドレスをトポロジー更新機能内に含めることにより、通信ネットワークのすべてのルータにそのアドレスを知らせることによって、そのエンティティを宛先とするパケットが通信ネットワーク中を流れ、次いで各ルータがそのパケットを他のルータに転送し、最終的にそのようなパケットがアドレス可能なエンティティに送達されるようになる。一般に、ネットワークのルータに知られるこれらのアドレス可能なエンティティは、複数の局を表す。ネットワーク・アドレスはいくつかの隣接した局に割り当てられ、各局は、別の一意のアドレス、例えばIPアドレスやMAC(媒体アクセス制御)アドレスによって識別される。1つの経路指定層では、その局を宛先とするパケットは、同じネットワーク・アドレスを共用するすべての局のドメイン内に到着するように経路指定される。したがって、パケットは、特定のMACアドレスまたはドメイン内アドレスに基づいて最終宛先に送達される。
【0003】ネットワーク経路指定方法またはユーザ局のネットワーク・オペレーティング・システムを変更しなければ、上述の方法は、移動または無線ネットワーク内で機能しない。移動または無線ネットワークでは、アクセス・ポイントおよび移動端末のアドレス可能ネットワーク・ドメインは、移動端末があるアクセス・ポイントから別のアクセス・ポイントに切り換わった結果として変化する。このような切換えをハンドオフという。
【0004】上述の問題を解決しようとする1つの試みが、米国特許第5490139号に示されている。この特許は、固定情報源経路指定ネットワークを介して移動体との間でパケットを経路指定する方法を記載している。初期アクセス・ポイントは、ネットワークを介して移動体との間で通信セッションが確立された時に決定される。位置情報は、移動体がネットワークのあるアクセス・ポイントの範囲から出て別のアクセス・ポイントの範囲に入るたびに更新される。そのセッション用のパケットを有線ネットワークから移動体に送信する場合、パケットは、初期アクセス・ポイントから、定義により移動体の範囲内にある現アクセス・ポイントに転送される。そのセッション用のパケットを移動体から有線ネットワークに送信する場合は、アクセス・ポイントがこれらのパケットを代行受信し、それらをその宛先に経路指定するか、またはそれらの宛先へのルート発見を開始する。パケットを異なるアクセス・ポイントにある移動体間で伝送する場合は、パケットは、現アクセス・ポイント間で送られ、ホーム・アクセス・ポイントは通らない。
【0005】上記の特許は、固定情報源経路指定ネットワークを介して移動体との間でパケットを経路指定するための機構を提供するが、移動体がネットワーク内のあるアクセス・ポイントからネットワークの別のアクセス・ポイントの範囲内に移動するときに、各移動体の位置情報を更新するのにかなりのオーバヘッドを要する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の目的は、ネットワークの各経路指定エンティティに知られる一意のアドレスを各移動端末に割り当てること、および移動端末を宛先とするパケットが適切なリンクによって送達されるように、ネットワークの各ルータにおいてそのような一意のアドレスに基づく経路指定情報を維持することを含むシステムおよび方法によって、移動体が通信ネットワーク内のドメイン間を移動する際にそのような移動体と効率的に通信することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】したがって、多数のルータ、多数の基地局、および多数の移動体を有する通信ネットワークは、ネットワークの各経路指定エンティティに知られる一意のアドレスを各移動体に割り当てることによって、移動体との通信を維持する。移動体の一意のアドレスをネットワークのトポロジー更新に含めることによって、移動体の位置がいつでもネットワークのすべてのルータに知られるようにする。すなわち、移動体は、新しいアクセス・ポイントのドメイン内に移動し、新しいアクセス・ポイントと新しいリンクを確立した後、ネットワークのトポロジー更新機構を使用して、その新しい位置をすべてのルータに知らせる。ネットワークのルータは、移動体の新しい位置に特有のトポロジー更新情報を受信すると、移動体を宛先とするパケットが、その移動体で終端しかつその新しいアクセス・ポイントを含むパス内に経路指定されるように、その経路指定テーブルを更新する。
【0008】移動体が接続を開始した後、移動端末の生成したパケットをネットワークを通ってその宛先に転送する経路が選択される。この開始および接続セットアップの一環として、移動端末のネットワーク・オペレーティング・システムに情報が提供される。この情報は、接続およびそのパラメータを識別するために、ネットワーク・オペレーティング・システムによって使用される。この情報はまた、ネットワーク・オペレーティング・システムに位置トポロジー情報も提供する。例えば、この情報は、移動端末のネットワーク・アドレス、および経路指定のために移動端末によって使用される中間ルータのアドレスまたは識別を含む場合がある。
【0009】アドレス変換モジュールを使用することによって、移動体の生成したまたは受信した各パケットに含まれるトポロジー情報が、ネットワーク・オペレーティング・システムから見ても、中間ルータから見ても、位置トポロジー情報が不変に見えるような形に変更される。具体的には、移動体が受信したパケットのアドレス情報および経路指定情報は、接続セットアップ時に移動体のネットワーク経路指定モジュールによって最初に学習または使用されるアドレス指定情報、経路指定情報、およびトポロジー情報に変更される。その結果、移動端末のネットワーク・オペレーション・システムから見て、移動端末は、ハンドオフ(あるドメインから他のドメインへの移動)の後もハンドオフ前と同じネットワーク・ドメインに接続されたままとなる。また、ネットワーク・オペレーション・システムが生成した各パケットに含まれるアドレス情報、経路指定情報、およびトポロジー情報は、移動端末に接続された中間ルータが動作可能となるような形に変更される。
【0010】上記では、以下の本発明の詳細な説明をよりよく理解できるように、本発明の特徴および技術上の利点についてやや概括的に説明した。本発明の特許請求の範囲の主題をなす本発明の他の特徴および利点について以下に説明する。
【0011】本発明およびその利点をより完全に理解するために、添付の図面に関連して行った以下の説明を参照する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下の説明では、本発明を完全に理解できるように、具体的なワード長やバイト長などの多数の具体的な詳細を述べる。しかしながら、本発明は、そのような具体的な詳細なしに実施できることが当業者には明らかであろう。他の例では、本発明が不必要な詳細で曖昧にならないように、周知の回路をブロック図の形で示してある。タイミングの問題などに関する詳細は、本発明を完全に理解するのには不要であり、また当業者の技量の範囲内に含まれるので、そのような詳細の大部分は省略してある。
【0013】図1ないし図10を参照して、本発明の好ましい実施例について説明する。通信ネットワークC100は、ルータR101、R102、およびネットワークN102によって互いに接続された基地局B103、B104、B105を含む。基地局B103、B104、B105は、一方では有線ネットワークN102に接続され、他方ではそれぞれN103、N104、N110など多数の無線ネットワークに接続されている。基地局B103、B104、B105はそれぞれ、ルータの役目もする。各無線セルには、N103、N104、N110など一意のネットワーク・アドレスが割り当てられる。移動端末M106、M107、M108、M109には、それぞれ一意のネットワーク・アドレスN106、N107、N108、N109が割り当てられる。ルータR101、R102、基地局B103、B104、B105、および移動端末M106、M107、M108、M109はすべて、当業者には周知の市販のユニットである。本発明の好ましい実施形態で使用される装置の1つの例は、IBM社から販売されているルータ、基地局および移動端末用のものである。
【0014】本発明によれば、各移動端末M106などは、ネットワークC100の残り部分からはルータに見える。経路指定テーブルも図2ないし図5に示されている。図2ないし図5には、次のルータ、および一意のアドレスN108が割り当てられる移動体を宛先とする任意のパケットのネットワーク・アドレスが示されている。
【0015】移動端末M108がセルN104からセルN110に移動する場合、移動端末M108は、ネットワークにトポロジー更新機能(経路指定情報プロトコルまたはRIPと呼ばれることがある)を使用する。
【0016】その結果、ネットワーク内のすべてのルータの表項目は、端末M108を宛先とするパケットが正しく転送され経路指定されるように更新される。
【0017】図6ないし図10を参照すると、移動端末M108がネットワークN110に移動した後の更新された情報が示されている。現在基地局B105によって制御されるネットワークN110内にある移動端末M108への経路指定を明確に示すようにテーブルが更新されていることに留意されたい。
【0018】位置の変更(ハンドオフ)が移動端末のネットワーク層モジュール304(図11参照)に対して透過性となるようにするために、M108などの移動端末は、そのネットワーク・スタック302内で、ネットワーク・インタフェース・モジュール308とネットワーク層モジュール304の間に移動度/アドレス変換層306を有する。移動度/アドレス変換層306は、ハンドオフ後のトポロジー更新パケット(または経路指定情報プロトコル・パケット、RIP)の送信を開始するエンティティである。ネットワーク・インタフェース・モジュール308は、無線ネットワーク媒体アクセス・カード310からパケットを受信する。これらのパケットは、ネットワーク層モジュール304を介して移動度/アドレス変換層306に送られ、そこでアドレスが解決される。M108などの移動端末を宛先とするパケットは、移動度およびアドレス変換層306によって受信され、そこでB105などの送信基地局のアドレスが決定される。
【0019】最初に、移動端末M108が無線セルN104内で接続を開始するとき、無線リンクを介して移動度/アドレス変換層306で受信されたパケット内の送信局のアドレスは、基地局B104である(図12参照)。さらに、移動端末のネットワーク層304によって発生する、無線リンクを介して送信されたパケット内の次局のアドレスも、B104である(図13参照)。
【0020】移動端末M108が無線セルN110内で基地局B105に切り換わるとき、無線リンクを介して受信されたパケット内の次の送信局のアドレスは、移動度/アドレス変換層306によって基地局B105に変更される(図14参照)。
【0021】移動端末のハンドオフが生じても、位置の変更は、依然として移動端末のネットワーク層モジュール304にとって透過性である。
【0022】逆方向では、移動度/アドレス変換層306によって受信され、移動端末のネットワーク層304によって生成されるパケットは、次局のアドレスがB104ではなくB105となるように変更される。これが必要なのは、中間接続性が移動端末のネットワーク層304にとって透過性であるからである(図15参照)。このステップにより、移動端末M108の生成したパケットが、新しいアクセス・ポイントB105によって受信され、処理され、経路指定されることが保証される。
【0023】図16を参照して、トポロジー更新機能についてさらに説明する。移動端末M108は、ある無線セルから他の無線セルへのハンドオフの後、移動端末M108内のネットワーク・オペレーティング・システム802の制御下で、アドレス変換/トポロジー更新層306を使用することによってトポロジーを更新する。
【0024】本発明のこの好ましい実施例では、無線リンクを介して基地局に送信される、移動体の上位層モジュールが生成したパケットをアウトバウンド・パケットと定義し、基地局が送信し移動体が無線リンクから受信するパケットをインバウンド・パケットと定義する。上述のように、アドレス変換/移動度層は、移動端末内のすべてのインバウンド・パケットまたはアウトバウンド・パケットについて呼び出される。同じ機能を、移動端末の代わりに基地局において実施し、呼び出すこともできる。すなわち、基地局は、移動体がその移動体宛のすべてのパケットを受信した後、それらのパケットがその移動体に割り当てられた一意のアドレスを有するネットワークから受信されたように見えるように、それらのパケットの経路指定およびアドレス指定の内容を変更できる。同様に、次のルータ、基地局、または交換点から見て、基地局が無線リンクから受信した(かつ移動体が送信した)任意のパケットが、その基地局に関連する無線セルに割り当てられたアドレスを有するネットワークから受信されたように見えるように、そのパケットの経路指定およびアドレス指定の内容を変更できる。さらに、基地局の移動度/アドレス変換は、移動体の代わりに固定したネットワーク内でルータの経路指定テーブルを更新するために、経路指定更新パケット(またRIPパケット)を送ることもできる。当業者なら、アドレス変換モジュールおよびRIPモジュールの多数の代替例を容易に実施できるであろう。例えば、RIPパケット生成モジュールを基地局または移動体内で実施できる。インバウンド・パケットに関するアドレス変換機能および移動度機能を基地局または移動体で実行することもできる。同様に、アウトバウンド・パケットに関するアドレス変換機能および移動度機能を基地局または移動体で実行することもできる。必ずしもこれらの機能のすべてを移動端末か基地局のどちらか一方で実施する必要はない。ある機能を基地局において実施し、別の機能は移動局において実施することもできる。例えば、移動端末に送信されるパケット用のRIPおよびアドレス変換/移動度機能を移動端末で実施し、基地局に送信される(移動端末が生成した)パケット用のアドレス変換機能および移動度機能を基地局で実施することができる。
【0025】本発明の動作について、特定の市販のネットワークに関してさらに詳細に説明する。
【0026】無線端末間または無線端末と有線ネットワーク上の局との間の転送の手段として、Novell社から販売されているNetware/IPXを使用すると、C100(図1ないし図5参照)などの無線ネットワーク内のシームレスな移動度が可能となる。
【0027】Netware/IPXに関する詳細な情報は、ポール・ターナー(PaulTurner)著「Netware Communications Processes」、1990年9月、Novell社システム・エンジニアリング部門、Novell社、1990年刊に記載されている。
【0028】本発明による方法は、以下のステップによって実施される。
(1)移動端末に一意のネットワークIDを割り当てるステップ。
(2)アクセス・ポイントまたは基地局がルータである場合、任意の無線セルに一意のネットワーク・アドレスを割り当てるステップ。
(3)切換えの場合にもIPXエンティティが常に同じIPXネットワークに接続されるように、「giver nearest server」パケット内のネットワーク・アドレスを、移動体の一意のネットワーク・アドレスで置き換えるステップ。
(4)Netware/IPXエージェントの生成するRIP同報通信パケット内のIPXネットワーク・アドレスを、上記の一意の移動体のアドレスで置き換えるステップ。
(5)最も近いIPXルータには移動体がIPXクライアントに見えるように、移動端末のIPXエンティティによって送信される「get local target」パケット内のネットワーク・アドレスを、そのドメイン内に移動端末を有する無線セルのアドレスで置き換えるステップ。
(6)移動端末にはルータがNetware/IPXネットワーク上にあるように見えるように、移動端末のIPXエンティティに送達される前の、移動端末で受信された「give local target」パケット内のネットワーク・アドレスを、一意の移動体アドレスで置き換えるステップ。
(7)通常のデータ伝送の場合、移動端末のIPXエンティティが生成したパケット内のアドレスを、その移動体が属する無線セルのアドレスで置き換え、かつ発見できる最も近いルータの宛先アドレスを「get local target」パケットで置き換えるステップ。
(8)移動端末宛のパケットが次のルータに転送され、その結果そのようなパケットがその現在の無線セル内の移動端末に送達されるように、移動端末からRIPパケットを周期的に同報通信して、ネットワーク内の各ルータ内の経路指定情報テーブルを更新するステップ。
(9)ハンドオフ事象後に、移動端末によって「get local target IPX」パケットを送信し、かつ最も近いルータによって送られた移動端末宛の「get local target」パケットから、新しい無線セルのネットワーク・アドレスならびに新しい無線セルのルータのアドレスを知るステップ。
(10)移動端末宛のパケットが、ネットワーク内のルータを介して、その移動端末が常駐する正しい新しい無線セルに経路指定されるように、切換え後に上記(8)のようにRIPパケットを同報通信して、各ルータの経路指定情報テーブルを更新するステップ。
【0029】まとめとして、本発明の構成に関して以下の事項を開示する。
【0030】(1)第1のネットワーク内で互いに接続され、ネットワーク・ユーザ間で情報を送信するための複数の局と、それぞれ一意のネットワーク・アドレスを有し、それぞれ1つまたは複数の第2のネットワークを介して1つまたは複数の前記局と通信する、複数の端末とを含む通信システム。
(2)前記端末が、前記第2のネットワークの1つから前記第2のネットワークの他の1つに移動できる移動端末であることを特徴とする、上記(1)に記載の通信システム。
(3)前記第2のネットワークがそれぞれ無線通信ネットワークであることを特徴とする、上記(2)に記載の通信システム。
(4)前記端末がそれぞれ、前記第2のネットワークの1つから前記第2のネットワークの他の1つに移動できる無線通信端末であることを特徴とする、上記(3)に記載の通信システム。
(5)さらに、前記端末がそれぞれ、前記第2のネットワークの1つから前記第2のネットワークの他の1つに移動する際に、アドレスを変換するためのアドレス変換手段を含むことを特徴とする、上記(2)に記載の通信システム。
(6)通信ネットワークを介して通信する各端末に一意のアドレスを割り当てるステップと、ネットワーク・アドレスを、宛先移動端末の前記一意のアドレスに変換するステップと、通信パケットを前記移動端末に送達する目的で、前記移動端末を宛先とするパケットが次のルータに転送されるように、前記ネットワーク内の各ルータ内の経路指定情報テーブルを更新するために、前記移動端末から経路指定情報を周期的に同報通信するステップと、前記移動端末が接続されている先の新しいネットワークのネットワーク・アドレスならびに前記新しいネットワークのルータのアドレスを識別するために、移動端末のハンドオフ象後に、前記移動端末によってパケットを送信するステップと、前記移動端末を宛先とするパケットが、前記ネットワーク内の適切なルータによって前記移動端末に経路指定されるように、各ルータの経路指定情報テーブルを更新するために、移動端末のハンドオフ後に、経路指定情報プロトコルを同報通信するステップとを含む、通信ネットワーク内で複数の端末間で通信するための方法。
(7)通信ネットワーク内で各移動端末に一意のネットワーク・アドレスを割り当てるステップと、通信パケットを前記移動端末に送達する目的で、前記移動端末を宛先とするパケットが次のルータに転送されるように、前記ネットワーク内の複数のルータのそれぞれ内の経路指定情報テーブルを更新するために、経路指定情報を周期的に同報通信するステップと、前記移動端末を宛先とするパケットが、前記ネットワーク内の適切なルータによって前記移動端末に経路指定されるように、前記ネットワーク内の前記各ルータの前記経路指定情報テーブルを更新するために、前記移動端末のハンドオフ後に、プロトコル・パケットを同報通信するステップと、前記パケットが、前記移動端末に一意に割り当てられたアドレスで前記ネットワークから受信されたように見えるように、前記移動端末を宛先とする前記各パケットの経路指定およびアドレス情報を変更するステップと、基地局または次のルータで受信される前記パケットが、前記基地局または前記ルータが接続されているネットワークから受信されたように見えるように、各パケットの経路指定およびアドレス情報を変更するステップとを含む、通信ネットワーク内で複数の端末間で通信するための方法。
(8)経路指定情報を周期的に同報通信する前記ステップが、前記移動端末によって実行されることを特徴とする、上記(7)に記載の方法。
(9)経路指定情報を周期的に同報通信する前記ステップが、前記基地局によって実行されることを特徴とする、上記(7)に記載の方法。
(10)ハンドオフ後に経路指定情報プロトコル・パケットを同報通信する前記ステップが、前記移動端末によって実行されることを特徴とする、上記(7)に記載の方法。
(11)ハンドオフ後に経路指定情報プロトコル・パケットを同報通信する前記ステップが、前記基地局によって実行されることを特徴とする、上記(7)に記載の方法。
(12)各パケットの経路指定およびアドレス情報を変更する前記ステップが、前記移動端末によって実行されることを特徴とする、上記(7)に記載の方法。
(13)各パケットの経路指定およびアドレス情報を変更する前記ステップが、前記基地局によって実行されることを特徴とする、上記(7)に記載の方法。
(14)各パケットの前記経路指定およびアドレス情報を変更する前記ステップが、前記移動端末によって実行されることを特徴とする、上記(7)に記載の方法。
(15)各パケットの前記経路指定およびアドレス情報を変更する前記ステップが、前記基地局によって実行されることを特徴とする、上記(7)に記載の方法。
(16)経路指定情報を周期的に同報通信する前記ステップと、ハンドオフ後にプロトコル・パケットを同報通信する前記ステップがそれぞれ、前記基地局によって実行されることを特徴とする、上記(7)に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する通信ネットワークの図である。
【図2】本発明を実施する通信ネットワークの図である。
【図3】本発明を実施する通信ネットワークの図である。
【図4】本発明を実施する通信ネットワークの図である。
【図5】本発明を実施する通信ネットワークの図である。
【図6】移動体が新しいドメインに移動した後の構成を示す、本発明による通信ネットワークの図である。
【図7】移動体が新しいドメインに移動した後の構成を示す、本発明による通信ネットワークの図である。
【図8】移動体が新しいドメインに移動した後の構成を示す、本発明による通信ネットワークの図である。
【図9】移動体が新しいドメインに移動した後の構成を示す、本発明による通信ネットワークの図である。
【図10】移動体が新しいドメインに移動した後の構成を示す、本発明による通信ネットワークの図である。
【図11】本発明による移動端末におけるネットワーキング・スタック制御のブロック図である。
【図12】本発明による通信開始時における送信局アドレスと宛先ネットワーク・アドレスの概略図である。
【図13】本発明による、送信される次局アドレスと宛先ネットワーク・アドレスの概略図である。
【図14】本発明による、移動体があるドメインから別のドメインに移動する際のアドレス変換の前後における送信局アドレスと宛先ネットワーク・アドレスの概略図である。
【図15】本発明による、アドレス変換を受けた次局アドレスと宛先ネットワーク・アドレスについての図14と同じ概略図である。
【図16】本発明による、各移動体のネットワーク・インタフェース機能のブロック図である。
【符号の説明】
C100 通信ネットワーク
N102 有線ネットワーク
N103 ネットワーク・アドレス
N106 ネットワーク・アドレス
B103 基地局
M106 移動端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】第1のネットワーク内で互いに接続され、ネットワーク・ユーザ間で情報を伝送するための複数の局と、それぞれが一意のネットワーク・アドレスを有し、複数の第2のネットワークのうち少なくとも1つを介して前記局と通信をする、複数の端末を含み、前記端末が、前記第2のネットワークの1つから前記第2のネットワークの他の1つに移動できる移動端末であり、前記端末が、前記第2のネットワークの1つから前記第2のネットワークの他の1つに移動した場合に、前記第2のネットワークの他の1つに送出されるパケットのアドレス情報にある前記第2のネットワークの1つのネットワーク・アドレスを前記第2のネットワークの他の1つのネットワーク・アドレスに変換するアドレス変換手段を有する、通信システム。
【請求項2】前記第2のネットワークが無線通信ネットワークであることを特徴とする、請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】前記端末がそれぞれ、前記第2のネットワークの1つから前記第2のネットワークの他の1つに移動できる無線通信端末であることを特徴とする、請求項2に記載の通信システム。
【請求項4】通信ネットワーク内で各移動端末に一意のネットワーク・アドレスを割り当てるステップと、通信パケットを前記移動端末に送達する目的で、前記移動端末を宛先とするパケットが次のルータに転送されるように、前記ネットワーク内の複数のルータのそれぞれ内の経路指定情報テーブルを更新するために、経路指定情報を周期的に同報通信するステップと、前記移動端末を宛先とするパケットが、前記ネットワーク内の適切なルータによって前記移動端末に経路指定されるように、前記ネットワーク内の前記各ルータの前記経路指定情報テーブルを更新するために、前記移動端末のハンドオフ後に、プロトコル・パケットを同報通信するステップと、前記パケットが、前記移動端末に一意に割り当てられたアドレスで前記ネットワークから受信されたように見えるように、前記移動端末を宛先とする前記各パケットの経路指定およびアドレス情報を変更するステップと、基地局または次のルータで受信される前記パケットが、前記基地局または前記ルータが接続されているネットワークから受信されたように見えるように、各パケットの経路指定およびアドレス情報を変更するステップとを含む、通信ネットワーク内で複数の端末間で通信するための方法。
【請求項5】経路指定情報を周期的に同報通信する前記ステップが、前記移動端末によって実行されることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】経路指定情報を周期的に同報通信する前記ステップが、前記基地局によって実行されることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項7】ハンドオフ後に経路指定情報プロトコル・パケットを同報通信する前記ステップが、前記移動端末によって実行されることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項8】ハンドオフ後に経路指定情報プロトコル・パケットを同報通信する前記ステップが、前記基地局によって実行されることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項9】各パケットの経路指定およびアドレス情報を変更する前記ステップが、前記移動端末によって実行されることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項10】各パケットの経路指定およびアドレス情報を変更する前記ステップが、前記基地局によって実行されることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項11】各パケットの前記経路指定およびアドレス情報を変更する前記ステップが、前記移動端末によって実行されることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項12】各パケットの前記経路指定およびアドレス情報を変更する前記ステップが、前記基地局によって実行されることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項13】経路指定情報を周期的に同報通信する前記ステップと、ハンドオフ後にプロトコル・パケットを同報通信する前記ステップがそれぞれ、前記基地局によって実行されることを特徴とする、請求項4に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図16】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【特許番号】特許第3484008号(P3484008)
【登録日】平成15年10月17日(2003.10.17)
【発行日】平成16年1月6日(2004.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平8−40873
【出願日】平成8年2月28日(1996.2.28)
【公開番号】特開平8−274792
【公開日】平成8年10月18日(1996.10.18)
【審査請求日】平成11年12月1日(1999.12.1)
【前置審査】 前置審査
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【参考文献】
【文献】特開 平6−237251(JP,A)
【文献】特開 平6−104926(JP,A)
【文献】特開 平4−227149(JP,A)