説明

移動電話で別の移動電話機内に格納されているオーディオファイルを再生するための装置ならびに方法

【課題】移動電話機のような第1通信装置を、電話機のような少なくとも1つの別の通信装置と共に使用するための方法を提供する。
【解決手段】オーディオ信号を第1通信装置2で再生し、同一オーディオ信号を別の通信装置27へ送信し、そのオーディオ信号をその別の通信装置27内で再生するステップを含み、第1通信装置内で再生されたオーディオ信号を別の装置に送信し、それらをそこで再生することにより、共有聴取が実現され、この方法により通信装置がまた例えば音楽を共有して聴取するためにも使用できる。従って異なる場所に居る2人の人間が同一オーディオ信号を同時またはほぼ同時に聴くことが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は第1通信装置を、少なくとも1つの別の通信装置と共に使用する方法に関する。本発明は更に第1通信装置と少なくとも1つの別の通信装置;少なくとも1つの別の通信装置を含む通信システム内で使用されるのに適した通信装置;少なくとも1つの別の通信装置を含む通信システム内で使用されるのに適した第1通信装置と関連して使用するためのアクセサリ装置、とを含む通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えばオーディオカセットまたはコンパクトディスク(CD)と共に使用する携帯型再生装置は長年に渡って知られておりまた広く使用されているが、それは使用者が何処ででもまた移動中でも音楽またはその他のオーディオ情報を聴くことを可能とするからである。
【0003】
今日、ディジタル化されたオーディオ信号を大幅に圧縮するための種々の異なる方法もまた知られており、この状況は制限されたサイズの携帯型記憶媒体、例えばメモリ・カードでもかなりな量のオーディオ情報を格納できるということを示している。従って、そのような記憶媒体用の携帯型再生装置もまた利用できるようになっている。一例としてMP3フォーマットのオーディオファイルに対応した携帯型再生装置をあげることができる。
【0004】
米国特許第5841979号は携帯型ディジタル式オーディオ格納ならびに再生装置を開示しており、これはディジタル化され圧縮されたオーディオファイルを受け取り、格納し、D/A変換し、そして再生するためのものである。圧縮されたオーディオファイルは通常の可聴再生速度の少なくとも2倍の転送速度で受信される。同様の装置が米国特許第5914941号で知られており、この特許はプログラム部材が取り外し可能なディジタル・データ格納カートリッジ、またはケーブルTVまたは同様の信号源からの電子式データ転送のいずれかを介して獲得できることに言及している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5841979号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながらこれらの装置はオーディオ情報の再生に特定して使用されるよう設計されている。多くの使用者はこれらの装置が実行することのできないその他の機能も必要としており、従ってこれらの使用者は彼らの要求を満たすために別の装置も持ち運ばなければならない。
【0007】
また、例えばWO99/03294号から、共通ヘッドセットをオーディオ装置と無線電話機の形式の通信装置の間で共有することが知られており、電話機が使用されている時にはヘッドセットが電話での会話用に使用され、電話機が使用されていない時にはオーディオ装置に切り替えられるようにされている。オーディオ装置および電話機はまた、共通のハウジングを単一装置として共有しており、これは2つの個別の装置を別々に持ち運ぶよりもより簡単で軽量である。オーディオ装置は公共オーディオ放送プログラムの受信機、またはコンパクトディスク再生機またはカセット再生機のいずれかである。
【0008】
従ってこの既知の装置は使用者が、同一装置を会話相手との通信用に、または例えば音楽のようなオーディオ信号を聴くために使用することが出来るようにする。しかしながら多くの使用者は例えば電話での会話中にオーディオ信号を聴けて、会話相手も同じオーディオ信号を同時にまたは少なくともほぼ同時に聴けるように出来れば良いと希望したり、会話は無しで他の人と一緒に聴けることだけを希望することも多い。今日オーディオを共有して聴くことは音響的にのみ可能である、すなわちオーディオ信号はオーディオ・スピーカで再生されてその音が電話機のマイクロフォンに結合され、続いて他の人へ音声会話信号の一部として送信される。
【0009】
従って、本発明の1つの目的は上記の型式の通信方法を提供し、別々の場所に存在する2人が同一のオーディオ信号を同時に、またはほぼ同時に聴くことを可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、これは第1通信装置内でオーディオ信号を再生し、同じオーディオ信号を別の通信装置に送信し、そして前記オーディオ信号をその別の通信装置内で再生する、のステップを含む方法で実現される。
【0011】
第1通信装置内で再生されたオーディオ信号を別の装置に送信し、そこでそれらを再生することにより、オーディオを一緒に聴くことが実現され、この方法で通信装置が例えば音楽を一緒に聴くためにも使用できる。
【0012】
この方法は任意の型式の通信装置で使用できるが、特許請求項2および3で述べられている好適な実施例は、第1通信装置が移動電話機で、少なくとも1つの別の通信装置が電話機の時に実現される。
【0013】
特許請求項4に述べられているように、この方法が更にネットワークを介して移動電話機と他の電話機との間で接続を確立し、音声信号をネットワーク内の接続内のチャンネルを通して音声信号を送信することで電話会話を確立し、前記オーディオ信号を移動電話機から別の電話機にネットワーク内の接続を通して、すなわち音声会話信号の送信用、オーディオ信号の送信用に確立された接続を用いて送信するステップを含む時、1つの解決策が得られ、この中で送信および他の電話機内でのオーディオ信号の再生は第1通信装置、すなわち移動電話機から制御できる。
【0014】
特許請求項5に記載されているように、この方法は更に前記音声信号と前記オーディオ信号とを混合し、混合された音声およびオーディオ信号を移動電話機から他の電話機へネットワークの接続内の共通チャンネルを通して送信するステップを含み、此処ではオーディオ信号用に特別な送信容量を必要とすることなく1つの解決が得られる。この共通チャンネルは特許請求項6に記載されているように通常の電話音声チャンネルであっても構わないし、または特許請求項7に記載されているようにデータ・チャンネルであっても構わない。
【0015】
これに代わって、特許請求項8に記載されているように、この方法が音声信号をネットワークの接続内の通常電話音声チャンネルを通して送信し、前記オーディオ信号を移動電話機から他の電話機へネットワークの接続内の前記音声チャンネルと並列のデータ・チャンネルを通して送信するステップを含む場合もある。これは送信中にオーディオ信号を音声会話信号と別に取り扱うことを可能とするので、2つの型式の信号送信を最適化する。
【0016】
特許請求項9に記載されている、別の実施例ではこの方法は更にネットワークを通して移動電話機と他の電話機との間で接続を確立し、音声信号をネットワークの接続内のチャンネルを通して送信することで電話会話を確立し、前記オーディオ信号をサービス・プロバイダからネットワークを経由して移動電話機へ送信し、同じオーディオ信号をサービス・プロバイダからネットワークを経由して他の電話機へ送信するステップを含む。この方法では2台の電話機の間で特別な信号を送信する必要は無い。
【0017】
特許請求項10に記載されている本発明の好適な実施例では、オーディオ信号はディジタル化され圧縮されたオーディオファイルの形式で送信される。オーディオ信号を送信するためにデータ・チャンネルが使用されているこれらの事例では、この実施例は必要な送信容量を大幅に削減する。特許請求項11に記載されているように、ディジタル化され圧縮されているオーディオファイルはMP3フォーマットで圧縮されており、これは広範に使用されていて効率的な圧縮フォーマットである。
【0018】
先に述べたように、本発明は第1通信装置と少なくとも1つの別の通信装置とを含む通信システムに関する。特許請求項12に記載されているように、このシステムが前記第1通信装置内でオーディオ信号を再生し、同一のオーディオ信号を別の通信装置に送信して、前記オーディオ信号を別の通信装置内で再生するように適合されている場合、その方法に関して先に述べたのと同様の特長を有するシステムが得られる。
【0019】
先に述べたように、本発明は更に少なくとも1つの別の通信装置を含む通信装置内で使用されるのに適した通信装置に関する。特許請求項13に記載されているように、該装置がオーディオ信号を再生するための手段と、同一のオーディオ信号を別の通信装置に送信開始して、前記オーディオ信号が別の通信装置内で再生できるようにするための手段とを含む時、先に述べた特長を提供する装置が実現される。
【0020】
特許請求項14に記載されているように、この通信装置は移動電話機が考えられる、また特許請求項15に際されている好適な実施例では、この移動電話機は、GSM,GPRS,EDGEまたはWCDMAの様な公衆ネットワーク内で使用するのに適したものである。
【0021】
これに代わって、特許請求項16に記載されているように、この通信装置はブルートゥースまたは赤外線接続の様な無線ショートリンク内で使用するのに適合されている。
【0022】
オーディオ信号を再生するための手段が、カセット・プレーヤまたは同様の通信装置に接続可能な個別装置でも構わないが、特許請求項17に記載されているようにオーディオ信号を再生するための手段が通信装置内に組み込まれたオーディオ装置の時に、好適な実施例が得られる。
【0023】
先に述べたように、本発明は更に少なくとも1つの別の通信装置を含む通信システム内で使用されるのに適した、第1通信装置と接続して使用するためのアクセサリ装置に関する。特許請求項18に記載されているように、このアクセサリ装置がオーディオ信号を第1装置を通して再生するための手段と、同じオーディオ信号を別の通信装置に送信開始し、前記オーディオ信号が別の通信装置内で再生できるようにするための手段とを含むとき、第1通信装置と組み合わされて上記の特長を与える装置が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1はセルラ電話機が如何にしてオーディオ再生にも使用できるかの1例を示す。
【図2】図2はセルラ電話機が如何にしてオーディオ再生にも使用できるかの別の例を示す。
【図3】図3は共有オーディオ聴取の第1実施例を示す。
【図4】図4は共有オーディオ聴取の第2実施例を示す。
【図5】図5は電話機が接続されているネットワークを通してのオーディオファイルのダウンロードを示す。
【図6】図6は共有オーディオ聴取の第3実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
次に本発明を、添付図を参照して以下に更に詳しく説明する。
【0026】
図1は携帯型ハンズフリーおよびハイファイ・オーディオ・ステレオ再生と組み合わされたセルラ電話機2を与えるためのシステム1の例を示す。この例の中で、電話機2はGSM電話機、そしてその組込型アンテナを通して電話機はGSMネットワーク14に接続されたGSM基地局16と通信する。他の基地局例えば基地局17、および他のGSM電話機例えば電話機18もまたネットワーク14に接続されるように図示されている。従って、電話機2は他の電話機と双方向通信を行う他の通常GSM電話機のように使用できる。
【0027】
図の中で、プラグイン装置8の形式のアクセサリ装置が電話機2に電気的に電話機の底端に接続されている。ヘッドセット10形式の音響再生ユニットがアクセサリ装置8に接続されているが、このヘッドセットは同様に電話機2に直接接続することも可能である。更に、装置8はメモリカードまたはマルチメディアカード7の形式の携帯型記憶媒体を挿入するためのスロットを有し、この記憶媒体上には例えばMP3フォーマットのディジタル化され圧縮されたオーディオファイルが格納されている。アクセサリ装置8は圧縮されたオーディオファイルを伸長または復号し、結果として生成されたオーディオ信号をヘッドセット10を通して再生するように適合されている。
【0028】
アクセサリ装置8の機能を同様にセルラ電話機2の中に統合して、電話機と同様に上記また以下に説明する機能を含む単一装置とすることが可能であることに注意されたい。
【0029】
オーディオコンテンツ(例えば音楽)がヘッドセットで再生中に電話呼び出しが発生すると、オーディオ再生は一時停止されるかソフトにされる、すなわち会話が継続されている間、音響レベルが落とされる。会話中に受信された音声信号が、その呼が入る前まではカード7上に格納されていたオーディオファイルを再生するために使用されていたヘッドセット内で再生される。会話が終了すると、オーディオ再生が再開される。
【0030】
アクセサリ装置8はまた制御および監視用電子機器も含むが、マンマシン・インタフェース(MMI)は有さず、それはこの部分が電話機(表示装置およびキーボード)の、例えばいわゆるダイナミック・メニューによって面倒を見られるからである。電話機2およびアクセサリ装置8はシリアルリンク上でアクティブ通信を有する。アクセサリ装置8は市場のほとんどのハイファイ・ヘッドセットを駆動することが可能であり、マイクロフォン信号をアップリンク音声パスへ回送する事もまた同様にダウンリンク音声をGSMネットワークからヘッドセットへ回送することも可能である。
【0031】
先に説明したように、MP3オーディオファイルはアクセサリ装置8に、例えばアクセサリ装置8内のスロットに挿入されたマルチメディア・カードを経由して配信される。現在のMMCは32MBのフラッシュ・メモリを有し、これは約30分のハイファイ音楽または数時間に渡る高品質音声オーディオに相当する。
【0032】
図はまた、如何にして圧縮されたオーディオファイルがカード7の中に得られるかを示している。圧縮されたオーディオファイルのサービス・プロバイダに属する専用サーバ13がインターネット12に接続されており、またオーディオコンテンツはインターネットから妥当な早さの、有線リンクを経由してパーソナルコンピュータ3にダウンロードされる。コンピュータ3からこのファイルはカード7にアダプタ6を経由し、パーソナルコンピュータの画面上で通常のドラッグ・アンド・ドロップ操作を用いて手渡される。これに代わって、コンテンツがネットワークからカード上に自動的に転送されることも可能である。このパーソナルコンピュータはインターネットに通常モデムまたはより高速なイーサネット(登録商標)・ラインを介して接続されている。
【0033】
圧縮されたオーディオファイルはまたパーソナルコンピュータ内でインターネットからダウンロードすることなく生成できる。図示されるように、コンパクトディスク4がコンピュータのスロットの中に挿入され、続いてMP3コンテンツはパーソナルコンピュータ3内のCDフォーマットから、特殊ソフトウェアにより変換して得られる。この処理過程はまた「リッピング(ripping)」として知られている。
【0034】
アダプタ6は市場にある任意のMMCアダプタが可能であり、パーソナルコンピュータにRS−232Cポート、ディスケットポート、PCカードポート、パラレルポートまたはUSBポートを通して接続されている。
【0035】
この例の中では電話機および対応するネットワークはGSM型式であるが、もちろんその他のセルラシステム(例えばWCDMA)も同様に使用できる。
【0036】
図2はオーディオ情報を電話機2またはアクセサリ装置8に得るための代替手法を図示する。無線ショートリンク、例えばブルートゥースまたは赤外線用受信機23が電話機2に、ディジタル化され圧縮されたオーディオファイル、例えばMP3フォーマットを受信するために接続されている。その上にディジタル化され圧縮されたオーディオファイルが格納されている、例えば32Mバイトのフラッシュメモリ形式の記憶媒体が組み込み方式または取り外し可能な形式で装置8に接続されている。オーディオファイルは図1に示されているのと同様の方法でパーソナルコンピュータ3にダウンロードされるが、そのオーディオファイルはコンピュータから無線ショートリンク送信機20に、パーソナルコンピュータの画面上のドラッグアンドドロップ操作を用いて受け渡される。これに代わって、そのコンテンツをネットワークから送信機に自動的に転送することも可能である。パーソナルコンピュータはインターネットに通常モデムまたはより高速なイーサネット(登録商標)ラインを経由して接続されている。
【0037】
送信機20と受信機23間の無線ショートリンク通信の代わりに、有線通信も同様に使用できる。
【0038】
ディジタル化され圧縮されたオーディオファイルを組み込み型、または取り外し可能記憶媒体の中に格納する代わりに、オーディオコンテンツを「ストリームダウン」することも可能であり、これはオーディオ信号が連続的に受信、解凍されて再生されることを意味する。この場合記憶媒体は不要である。
【0039】
先に説明されていない図2の部分は、図1のそれらと同じである。
【0040】
図1および図2は、如何にして移動電話機2がオーディオ信号の再生用にも使用され、例えば電話を使用していない時に音楽を聴いたり、または電話中にでさえバックグラウンドとして使用者が聞くことができるかを図示している。しかしながら多くの使用者はまたオーディオ聴取を彼らの会話相手と電話中に共有したり、または会話無しで他の人と聴取のみを共有できるように望んでいる。
【0041】
図3はこれが実現される方法の1例を示している。使用者25は他の人26と電話で会話をしている。移動電話機2およびアクセサリ装置8は図1および図2のそれらに対応するが、他の人26に使用されている電話機27は任意の型式の電話機、移動電話機またはそれ以外で構わない。2台の電話機2と27とを接続しているネットワーク28は図1および図2のGSMネットワーク14(基地局16および17を含む)を表しているが、互いに接続されたいくつかの異なるネットワークの組み合わせも可能であり、それは電話機27が電話機2とは異なる型式の場合である。
【0042】
アクセサリ装置8内のオーディオ再生ユニット29は先に述べたようにオーディオ信号を生成する。アクセサリ装置8はまた2つの混合器30および31を含む。混合器30は他の電話機27から受信された音声会話信号がオーディオ再生ユニット29からのオーディオ信号と混合され、使用者25が両方の信号を同時に聴くことができるようにすることを保証している。一方、混合器31はオーディオ再生ユニット29からのオーディオ信号を使用者25から入力される音声会話信号と組み合わせ、この組み合わされた信号は単独の音声会話信号に代わって移動電話機2に取り込まれる。移動電話機2の中では、組み合わされた信号は通常通り音声コーディックを通されて、通常の会話信号としてネットワーク28を経由して他の電話機27に送信され、この電話機の中で他の人26に対して再生される。従ってこの人は、使用者25から入力される音声信号と同様にオーディオ再生ユニット29から入力されるオーディオ信号を聴取する事が可能である。この解決方法の特長は追加の送信容量がネットワーク内で不要であり、何らの修正変更を必要とすることなく使用できる事である。実際、混合器31はオーディオ聴取共有機能を与えるために必要な唯一の追加構成要素である。
【0043】
図4は代替解決方法を示す。オーディオ信号と音声会話信号を混合器31内で混合する代わりに、オーディオ再生ユニット29からのオーディオ信号が、全ネットワークを通して通常の音声チャンネルに並列の別のデータチャンネル上で他の電話機27に送信される。電話機27またはそれに接続されているアクセサリ装置32の中でデータチャンネルおよび音声チャンネルは混合器33内で結合されるので、人26は両方の信号を聴くことが可能である。この場合オーディオ信号はディジタル化された形式で送信されるので、オーディオデータを送信前に圧縮する可能性が出てくる。これは必要な送信容量をかなり低減する。従ってアクセサリ装置32または電話機27はデータが混合器33で音声信号と混合できるようにする前に、伸長または復号するための装置を含まなければならない。これらの装置は、例えばアクセサリ装置8内のオーディオ再生ユニット29に類似のものである。好適な圧縮フォーマットはMP3である。この解決方法の中で音声チャンネルを取り外し、音声をデータと同様に送信する事も可能である。この解決方法はまた音声会話無しで使用することも可能である、すなわち2人は同じオーディオ信号を互いに会話することなく聴くことができる。
【0044】
図1および図2に代わるものが図5に示されている。オーディオファイルをパーソナルコンピュータを通して獲得する代わりに、既にセルラ電話機2で標準双方向通信用に使用されている無線公衆ネットワーク(すなわち提示例ではGSMネットワーク)が、オーディオファイルを電話機に送信するためにも使用される。従ってネットワークはディジタル実時間音声会話と同様にインターネット非実時間オーディオ信号(音声、ニュース、天気予報、本等)のダウンロード用に使用される。GSMネットワーク(または他の型式のセルラネットワーク)を通してダウンロードされたオーディオファイルはインターネット12に接続された専用サーバ13から入力されるか、またはGSMネットワークに直接接続されたWAPサーバから入力される。後者の場合電話機はWAPをサポートしていなければならない。
【0045】
この解決方法の中で、ディジタル化され圧縮されたオーディオファイルは続いて伸長および再生するためにメモリ内に格納されるか、または先に説明したように「ストリームダウン」される。
【0046】
この解決方法は好適に、比較的高いデータ送信速度を提供するネットワークと共に使用される。公衆無線ネットワーク内の高速リンクの帯域幅は、ハイファイ音楽でさえも妥当な時間でダウンロードすることを可能とする。1例としてMP3ファイルは128kビット/秒を必要とする。EDGEは384kビット/秒を提供し、これはトラック当たり60秒に相当し、一方WCDMAは2Mビット/秒を提供し、これはコンパクトディスクのトラック当たり120秒に相当する。オンライン、すなわちストリーミングで聴くこともまた可能である。これは実際の移動体「オンデマンド」サービスを提供する。
【0047】
オーディオ信号がサーバーから移動電話機にネットワークを通して図5に示されるようにダウンロードされる時、共有オーディオ聴取の異なる実施例が可能である。この実施例は図6に示されており、図から分かるようにサーバ35は同一オーディオ信号を2台の電話機2および27にダウンロードする。このダウンロードは使用者25によって開始され、この使用者はまたサーバに対して同一データを他の電話機にも同様にダウンロードするように指令する。この場合、アクセサリ装置8はオーディオ信号を電話機2には送り返さず、混合器30経由で使用者25に送るのみである。図示されていないが、アクセサリ装置32がオーディオ再生ユニット29と類似のオーディオ再生装置を有する場合もある。サーバー35から送信されたオーディオ信号は典型的に圧縮されており、ここでも好適な圧縮フォーマットはMP3である。この解決方法でも音声チャンネルを取り外し、音声をデータと同様に送信する事が可能であることに注意されたい。この解決方法はまた音声会話無しで使用することも可能である、すなわち2人は同じオーディオ信号を互いに会話することなく聴くことができる。
【0048】
最後に、上記の例の中でオーディオファイルの他の電話機27への送信は、それらの電話機が接続されている公衆ネットワークを通して行われているが、異なる送信経路も使用できることに注意されたい。1例が図5に示されており、この中でGSM電話機2は他の電話機2とブルートゥースリンクを経由して通信している。これはオーディオファイルが電話機2にインターネットおよびGSMネットワークを通してダウンロードされ、続いて電話機2から電話機21にブルートゥースリンク経由で再送信されることを意味する。
【0049】
本発明の好適な実施例を説明しかつ図示してきたが、本発明はこれらに限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲内に定義されている主題の範囲内で、他の方法で実施することも可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1通信装置(2)を少なくとも1つの別の通信装置(27)と共に使用するための方法であって:前記第1通信装置(2)内でオーディオ信号を再生し、同一オーディオ信号を別の通信装置(27)に送信し、前記オーディオ信号を別の通信装置(27)内で再生する、以上のステップを含むことを特徴とする、前記方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法において、前記第1通信装置(2)が移動電話機であることを特徴とする、前記方法。
【請求項3】
請求項2記載の方法において、少なくとも1つの別の通信装置(27)が電話機であることを特徴とする、前記方法。
【請求項4】
請求項3記載の方法が更に、ネットワーク(28)を通して、移動電話機(2)と別の電話機(27)との間に接続を確立し、音声信号をネットワーク(28)の接続内のチャンネルを通して送信することにより、電話による会話を確立し、前記オーディオ信号を移動電話機(2)から別の電話機(27)にネットワーク内の接続を通して送信する、以上のステップを含むことを特徴とする、前記方法。
【請求項5】
請求項4記載の方法が更に、前記音声信号と前記オーディオ信号とを混合し、混合された音声およびオーディオ信号を移動電話機(2)から別の電話機(27)にネットワーク(28)の接続内の共通チャンネルを通して送信する、以上のステップを含むことを特徴とする、前記方法。
【請求項6】
請求項5記載の方法において、共通チャンネルが電話音声チャンネルであることを特徴とする前記方法。
【請求項7】
請求項5記載の方法において、共通チャンネルがデータチャンネルであることを特徴とする前記方法。
【請求項8】
請求項4記載の方法が更に、音声信号をネットワーク(28)の接続内の通常電話機音声チャンネルを通して送信し、前記オーディオ信号を移動電話機(2)から別の電話機(27)へ、ネットワークの接続内の前記音声チャンネルに並列のデータチャンネルを通して送信する、以上のステップを含むことを特徴とする、前記方法。
【請求項9】
請求項3記載の方法が更に、ネットワークを通して、移動電話機(2)と別の電話機(27)との間に接続を確立し、音声信号をネットワーク(28)の接続内のチャンネルを通して送信することにより、電話による会話を確立し、前記オーディオ信号をサーバープロバイダ(35)からネットワーク(28)を経由して移動電話機(2)に送信し、同一オーディオ信号をサービスプロバイダからネットワークを経由して別の電話機(27)に送信する、以上のステップを含むことを特徴とする、前記方法。
【請求項10】
請求項7乃至9のいずれか1つに記載の方法において、前記オーディオ信号がディジタル化され圧縮されたオーディオファイルの形式で送信されることを特徴とする、前記方法。
【請求項11】
請求項10記載の方法において、ディジタル化され圧縮されたオーディオファイルがMP3フォーマットで圧縮されていることを特徴とする、前記方法。
【請求項12】
第1通信装置(2)と少なくとも1つの別の通信装置(27)とを含む通信システムであって:前記第1通信装置(2)内でオーディオ信号を再生し、同一オーディオ信号を別の通信装置(27)に送信し、前記オーディオ信号を別の通信装置(27)内で再生する、ように適合されていることを特徴とする、前記システム。
【請求項13】
少なくとも1つの別の通信装置(27)を含む通信システム内で使用されるのに適合した通信装置(2)であって、オーディオ信号を再生するための手段(29)と、同一オーディオ信号を別の通信装置へ、前記オーディオ信号がその別の通信装置内で再生できるように、送信を開始するための手段(8)とを含むことを特徴とする、前記通信装置。
【請求項14】
請求項13記載の通信装置において、通信装置(2)が移動電話機であることを特徴とする、前記通信装置。
【請求項15】
請求項14記載の通信装置において、移動電話機が、GSM,GPRS,EDGEまたはWCDMAの様な公衆ネットワーク内で使用されるのに適合していることを特徴とする、前記通信装置。
【請求項16】
請求項13記載の通信装置において、通信装置がブルートゥースまたは赤外線接続のような無線ショートリンク内で使用されるのに適合していることを特徴とする、前記通信装置。
【請求項17】
請求項13乃至16のいずれかひとつに記載の通信装置において、オーディオ信号を再生するための手段が、通信装置内に統合されているオーディオ装置であることを特徴とする、前記通信装置。
【請求項18】
少なくとも1つの別の通信装置(27)を含む通信システム内で使用されるのに適合した第1通信装置(2)と接続して使用するためのアクセサリ装置(8)であって、第1通信装置(2)を通してオーディオ信号を再生するための手段(29)と、同一オーディオ信号を別の通信装置(27)へ、前記オーディオ信号がその別の通信装置(27)内で再生できるように、送信を開始するための手段(8)とを含むことを特徴とする、前記通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−231530(P2012−231530A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−162724(P2012−162724)
【出願日】平成24年7月23日(2012.7.23)
【分割の表示】特願2010−174301(P2010−174301)の分割
【原出願日】平成12年11月17日(2000.11.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
2.WCDMA
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】