説明

移植用天然毛及び人工毛の毛髪構造とこれを利用した毛髪移植方法

【解決手段】
本発明は移植用天然毛及び人工毛の毛髪構造に関し、詳細には移植用毛髪の加工構造において、人の頭皮に移植する天然毛または人工毛のうちいずれか一つからなる毛髪の下端、即ち、頭皮内側に挿入される挿入部の外周縁に垂直方向に外周縁に沿って中心部側に所定の角度を有して長手方向に多数切開される固定切開部が形成された挿入部が頭皮に挿入されることを特徴とする移植用天然毛及び人工毛の毛髪構造に関する。
(索引語)毛髪、移植、天然毛、人工毛、切開

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は移植用天然毛及び人工毛の毛髪構造に関し、詳細には移植用毛髪の加工構造において、人の頭皮に移植する天然毛または人工毛のうちいずれか一つからなる毛髪の下端、即ち、頭皮内側に挿入される挿入部の外周縁に垂直方向に外周縁に沿って中心部側に所定の角度を有して長手方向に多数切開される固定切開部が形成された挿入部が頭皮に挿入されることを特徴とする移植用天然毛及び人工毛の毛髪構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、人体の頭に毛髪がないと相当な心理的ストレスを受けるようになるが、特に若年層では対人恐怖症まで起こすようになり、正常な社会生活を送ることができなくなる。
従来、上記のような問題点を解決するために、かつらを利用した方法と毛髪移植方法が主に行われている。
そして、従来の毛髪移植方法は頭や人体のうち毛が多い所を切開して毛髪と皮膚を切断し、この毛髪がある皮膚を頭の毛髪がない所を切開した後、この部分に皮膚を移植する方法がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のかつらを被る方法は、注意をしないとかつらが外れることにより、激しい運動をすることができない問題点がある。
また、上記のかつらは人の頭型に合わせて製作しなければならないため、製作期間が長くかかる短所があり、また一つ一つがオーダーメード方式であるため、高価格である。
そして、かつらは使用者の頭部で発生する汗のために汚れるので、頻繁に洗浄しなければならない。また汚れたかつらを洗っている間は、かつらのない元のはげた頭の状態で過ごさなければならないため、相当に不便な問題点がある。
従来の毛髪を移植する方法は、毛髪を含む移植片を人体の一部から剥がして他の部分へ移植しなければならないため、施術時間が長くなり、一度で終わらせることで、施術を受ける人が、傷が癒えて毛髪が活性化するまで病院に入院しなければならない問題点がある。
また、従来の毛髪移植方法は、一度に施術を終わらせると同時に、施術を受ける人が入院しなければならないため施術費が高く、施術期間が長くかかるため毛髪移植をするために施術者が相当な期間を費やさなければならない問題点がある。
したがって、本発明は移植用天然毛及び人工毛の毛髪構造に関し、詳細には移植用毛髪の加工構造において、人の頭皮に移植する天然毛または人工毛のうちいずれか一つからなる毛髪の下端、即ち、頭皮内側に挿入される挿入部の外周縁に垂直方向に外周縁に沿って中心部側に所定の角度を有して長手方向に切開される固定切開部が形成された挿入部が頭皮に挿入されることを特徴とする移植用天然毛及び人工毛の毛髪加工構造を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の実施形態に従うと、移植用天然毛または人工毛の毛髪加工構造において、人の頭皮20に移植する天然毛または人工毛のうちいずれかの毛髪10の下端、即ち、頭皮20内側に挿入される挿入部14の外周縁に、垂直方向に外周縁に沿って毛髪10の中心部側に向かって所定の角度で長手方向に多数切開される固定切開部11が形成された挿入部14が頭皮20に挿入される。
前記毛髪10の固定切開部11は挿入部14の外周縁に沿って側面から見て、円錐または楕円錐または多角錐の形状のうちいずれか一つの形態からなる。
また、前記固定切開部11は挿入部14の外周縁に沿ってそれぞれの固定切開部11の間に一定の間隔を有して多数形成されたり、連続的に接触して多数形成される。
前記毛髪10は人工毛または天然毛の長手方向の全体のうち必要な長さに任意の位置で切断して前記固定切開部11が形成される挿入部14を形成して頭皮20に挿入される。
また、前記毛髪10の挿入部14末端は正面から見て、平面またはラウンド型または多角形のうちいずれか一つ形態からなる。
移植用毛髪の加工構造において、人の頭皮に移植する天然毛または人工毛のうちいずれか一つからなる毛髪10の挿入部14の外周縁に所定の長さを有する固定付着物12が前記挿入部14の外周縁全体に上端が外周縁の外側に一定の角度を有して外周縁に付着して施術器を通じて前記毛髪10が頭皮20に挿入される。
また別の形態では、人工毛10を形成する時、前記人工毛10の挿入部14には前記挿入部14の外周縁外側に固定角度を有して突起部13が外周縁に多数形成される。
前記毛髪10は前記挿入部14の外周縁に固定付着物12が付着された人工毛10または天然毛のうちいずれかの毛髪、または突起部13が形成された人工毛のうちいずれか毛髪の上端に人工毛10または天然毛のうちいずれかを追加で付着して2段で構成される。
移植用天然毛及び人工毛の毛髪構造を利用した毛髪移植方法において、移植を所望する使用者の天然毛または人工毛のうち前記いずれかの毛髪10で施術時に必要な長さ分を任意の位置で切断する毛髪切断段階(S10)と;前記切断した毛髪10を加工装置を利用して毛髪10の挿入部14を長手方向に垂直に一定の深さ所定角度を有して内側に切開する切開段階(S20)と;前記固定切開部11が形成された毛髪10を施術器を通じて頭皮に挿入する毛髪挿入段階(S30)と;前記頭皮20に挿入された毛髪10を上側に引っ張り固定切開部11が広がり頭皮に固定されるようにする頭皮固定段階(S40);を含んでなる。
【発明の効果】
【0005】
本発明は長い毛髪のうち任意の一部分を切断して末端部分を外周縁に沿って多数部位切開して頭皮に毛髪を挿入して上側に引っ張ることにより、頭皮に固定切開部が固定されるため、頭髪の毛根移植が不要となり、かつらのように被って脱ぐ必要がなく、一度の移植で半永久的に使用可能な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本発明のこれらの、および他の態様および利点は添付の図面と併せて以下の実施形態の記述より明らかになり、また容易に理解されるであろう。
【図1】本発明による移植用天然毛及び人工毛の毛髪構造の毛髪切断を示した図面である。
【図2】本発明による移植用天然毛及び人工毛の毛髪構造において、毛髪の挿入部に固定切開部を形成したことを示した図面である。
【図3】本発明による移植用天然毛及び人工毛の毛髪構造において、毛髪の挿入部に外周縁に沿って固定切開部を形成したことを示した図面である。
【図4】本発明による移植用天然毛及び人工毛の毛髪構造において、毛髪を挿入器を通じて頭皮に挿入することを示した正面断面図である。
【図5】本発明による移植用天然毛及び人工毛の毛髪構造において、毛髪を挿入して上側に引っ張ることを示した正面断面図である。
【図6】本発明による移植用天然毛及び人工毛の毛髪構造において、毛髪を頭皮に挿入して毛髪が頭皮に固定されたことを示した正面断面図である。
【図7】本発明による移植用天然毛及び人工毛の毛髪構造を利用した毛髪移植方法のフローチャートである。
【図8】本発明による移植用天然毛及び人工毛の毛髪構造において、挿入部に固定付着物が付着された図面である。
【図9】本発明による移植用天然毛及び人工毛の毛髪構造において、人工毛挿入部に突起部が形成されたことを示した図面である。
【図10】本発明による移植用天然毛及び人工毛の毛髪構造において、2段で構成されたことを示した図面。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態が添付図面に即して説明される。
【0008】
ここで使用されている単数形(「一つの」(“a”、“an”および“the”))は、文脈ではっきり示されない限りは複数も含むことを意図する。
被施術者の毛髪10のうち任意の長さを切って、(固定切開部11を形成するために)末端部分、即ち、頭皮20に挿入される挿入部14の外周縁に沿って加工装置で垂直方向に所定幅に切開する。施術器を利用して頭皮20に挿入して毛髪10を上側に引っ張り頭皮20に固定させるようにする。この時、前記挿入部14の固定切開部11は毛髪の中心部位側に所定角度を有するように下側に曲げられる。前記固定切開部11は正面から見て、上側に向く円錐または楕円錐または多角錐のうちいずれか一つの形態で形成される。
変形された一つの実施例において、前記挿入部14に固定切開部11を形成せずに挿入部14の外周縁に形成される。この場合、挿入部14の外周縁の外側に一定の角度を有して固定付着物12が付着された挿入部14が頭皮に施術器を通じて頭皮20に挿入される。
変形された他の実施例において、人工毛10を形成する時、前記人工毛の挿入部14には前記挿入部14の外周縁外側に固定角度を有して突起部13が不特定多数形成される。
毛髪10は前記挿入部14の外周縁に固定付着物12が付着された人工毛または天然毛のうち前記いずれかの毛髪10の上端に人工毛または天然毛のうち前記いずれかの毛髪10を追加で付着して2段で構成される。
前記毛髪10の下部に位置する毛髪10は人工毛を使用し、前記人工毛を製造形成する時、突起部13を形成して前記人工毛の上側に他の毛髪10が連結される。
前記2段に形成された毛髪10の下部に位置する毛髪10は人工毛であってもよい。前記2段に形成された毛髪10の下部に位置する毛髪10は挿入部14上に形成される突起部を持つように製造される。ここで、他の毛髪10は突起部13を有する人工毛10の上端に連結される。
前記毛髪10は前記2段毛髪10の構造において、二つの毛髪10を連結する時、下段に位置する天然毛または人工毛は、前記挿入部14に付着する前記固定付着物12を有してもよい。前記他の毛髪または人工毛は前記固定付着物12を有する前記天然毛または人工毛に連結され、上段に位置する前記天然毛または人工毛は、前記挿入部14の外周縁に付着する固定付着物12を有さない。
他の前記2段毛髪形態10の構造において、2つの毛髪10が互いに連結され、前記固定付着物12を有する天然毛または人工毛の上段が、一側が所定の長さのL字形態で形成され、前記人工毛または天然毛の上段に連結する他の天然毛または人工毛の下段が、前記L字形態と対応するように形成されて嵌合して連結される。
そして、連結される2段毛髪10の両部位が互いに対称となるように斜線に切断して連結することができ、連結された毛髪10の両部分が互いに対称なように連結される。連結される部位に互いに対応するように多数の溝が形成されて嵌合して連結することができる。
【符号の説明】
【0009】
10: 毛髪
11: 固定切開部
12: 固定付着物
13: 突起部
14: 挿入部
20: 頭皮
S10: 毛髪切断段階
S20: 固定切開部切開段階
S30: 毛髪挿入段階
S40: 頭皮固定段階

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移植用毛髪の加工構造において、
人の頭皮に移植する天然毛または人工毛のうちいずれか一つからなる毛髪(10)の下端、即ち、頭皮(20)内側に挿入される挿入部(14)の外周縁に垂直方向に外周縁に沿って中心部側に所定の角度を有して長手方向に多数切開されて固定される固定切開部(11)が形成された挿入部(14)が頭皮(20)に挿入されることを特徴とする移植用天然毛及び人工毛の毛髪構造。
【請求項2】
前記毛髪(10)の固定切開部(11)は前記挿入部(14)の外周縁に沿って側面から見て、円錐または楕円錐または多角錐の形状のうちいずれか一つの形態からなることを特徴とする請求項1に記載の移植用天然毛及び人工毛の毛髪加工構造。
【請求項3】
前記固定切開部(11)は挿入部(14)の外周縁に沿ってそれぞれの固定切開部(11)の間に一定の間隔を有して形成される、あるいは連続的に接触して形成されることを特徴とする請求項2に記載の移植用天然毛及び人工毛の毛髪加工構造。
【請求項4】
前記毛髪(10)は人工毛または天然毛の長手方向全体のうち必要な長さに任意の位置で切断して前記固定切開部(11)が形成される挿入部(14)を形成して頭皮(20)に挿入することを特徴とする請求項1に記載の移植用天然毛及び人工毛の毛髪加工構造。
【請求項5】
前記毛髪(10)の挿入部(14)末端は正面から見て、ラウンド型または多角形のうちいずれか一つ形態からなることを特徴とする請求項1に記載の移植用天然毛及び人工毛の毛髪加工構造。
【請求項6】
移植用毛髪の加工構造において、
人の頭皮に移植する天然毛または人工毛のうちいずれか一つからなる毛髪(10)の挿入部(14)の外周縁に所定の長さを有する固定付着物(12)が前記挿入部(14)の外周縁全体に上端が外周縁の外側に一定の角度を有して外周縁に付着して施術器を通じて前記毛髪(10)が頭皮(20)に挿入されることを特徴とする移植用天然毛及び人工毛の毛髪加工構造。
【請求項7】
移植用毛髪の加工構造において、
毛髪(10)のうち人工毛を形成する時、前記人工毛の挿入部(14)には前記挿入部(14)の外周縁外側に所定角度を有して突起部(13)が外周縁に形成されることを特徴とする移植用天然毛及び人工毛の毛髪加工構造。
【請求項8】
前記毛髪(10)は前記挿入部(14)の外周縁に固定付着物(12)が付着された人工毛または天然毛のうち前記いずれかの毛髪(10)または突起部(13)が形成された人工毛のうち前記いずれかの毛髪(10)の上端に人工毛または天然毛のうち前記いずれかの毛髪(10)を追加で付着して 2段で構成されることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の移植用天然毛及び人工毛の毛髪加工構造。
【請求項9】
移植用天然毛及び人工毛の毛髪構造を利用した毛髪移植方法において、
移植を所望する使用者の天然毛または人工毛のうち前記いずれかの毛髪(10)で施術時に必要な長さ分を任意の位置で切断する毛髪切断段階(S10)と;
段階(S10)において前記切断した毛髪(10)を、加工装置を利用して毛髪の挿入部(14)の外周縁を長手方向に垂直に、一定の深さおよび一定の角度を有して内側に切開する固定切開部切開段階(S20)と;
前記固定切開部(11)が形成された毛髪(10)を施術器を通じて頭皮(20)に挿入する毛髪挿入段階(S30)と;
前記頭皮(20)に挿入された毛髪(10)を上側に引っ張り固定切開部(11)が広がり頭皮(20)に固定されるようにする頭皮固定段階(S40);
を含んでなることを特徴とする移植用天然毛及び人工毛の毛髪加工構造を利用した毛髪移植方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2011−506035(P2011−506035A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−539280(P2010−539280)
【出願日】平成20年10月27日(2008.10.27)
【国際出願番号】PCT/KR2008/006323
【国際公開番号】WO2009/084803
【国際公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【出願人】(510163891)
【Fターム(参考)】