説明

移送要素を備えた秤量ステーション

【課題】計量する物体を非常に速く計量して次に送る秤量ステーションを提供すること。
【解決手段】本発明は、計量物体を計量し選別するための秤量ステーションに関するものであり、そこでは物体を次に送るために回転自在の移送要素が設けられており、一つの移送ステップで規定自在の回転角度だけその軸を中心に回転自在である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計量物体を計量し選別するための秤量ステーションに関するものであり、そのとき物体が計量中または計量後に次に送られるものである。
【背景技術】
【0002】
製造された製品ないし物体を生産工程中にその重量を確認する、すなわち計量することが秤量技術で知られている。そのとき計量工程は一方で出来るだけ短時間であることが必要であり、他方で計量結果の精度に高い要求が課せられる。とくに錠剤ないしカプセル製造の分野では高い処理量率で生産され、そこでは同時に個々の錠剤ないしカプセル(共通して"物体")の重量精度に高い要求が課せられる。
【0003】
特許文献1では、硬質ゼラチンカプセルを計量するための装置が開示されており、その装置では、移送爪と翼輪を使ってカプセルを個々に計量範囲に送り、そこから排出する。これは組み立てる工数が非常に大きく、そして装置が特定のカプセル形状用に特別に構成されている。
【0004】
特許文献2では、硬質ゼラチンカプセルを計量するための別の装置が開示されており、そこでは計量する商品を受け渡し装置により計量範囲に送り、そこで計量される保管プレート上に落とす。そのために旋回部材が物体を受け渡し装置から切り離す。ここでも組立の手間が大変であり、カプセルのガイドないし移送は形状やサイズに大きく依存する。
【0005】
特許文献3には、特にスライド移動メカニズム、計量メカニズム、排出メカニズムを有するカプセル重量測定器が記載されているが、それにより同じく手間をかけて構成されており、そしてカプセルの形状やサイズに依存する。
【0006】
特許文献4は、カプセルを計量装置に供給しそこから排出する搬送メカニズムを記載している。ここでもカプセルが、複雑であり大きく形状とサイズに関係する装置構造を決める。
【0007】
特許文献5は、計量商品を重力により選別するために、水平に配設した移送ドラムを備えた秤量メカニズムを示している。
【0008】
最後に挙げる特許文献6では、供給メカニズムが計量商品を計量位置に狙って供給し、そこから再び排出する計量装置が開示されている。
【0009】
前記装置すべてが構造的に手間のかかるものであり、個々の物体の計量時間に関して満足できるほど速いものではない。
【0010】
【特許文献1】DE 198 19 395 C1号公報
【特許文献2】DE 44 19 488 A1号公報
【特許文献3】DE 697 20 886 T1号公報
【特許文献4】US 6,887,611号公報
【特許文献5】JP 3−282221号公報
【特許文献6】EP 0501208 B1号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
よって本発明の課題は、計量する物体を非常に速く計量して次に送る秤量ステーションを提供することであり、そのとき計量する物体の形状やサイズに関係なく秤量ステーションを使用できるだけでなく、構造的に簡単に構成されているものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この課題を、請求項1に記載の秤量ステーションにより解決する。
【0013】
本発明が前提にしている見識は、計量された物体を次へ移送するために使用する移送要素を、秤量ステーション用に設けていると利点があるということである。この移送要素は軸を中心に回転自在であり、そしてある数のセグメント範囲を軸を取り巻いて有しているので、計量する物体が計量時に搭載要素上にあるそのようなセグメント範囲に載るようになる。そのとき、荷重受け部に載っている搭載要素が、載っており計量する物体の重量力を荷重受け部に伝達する。そこで荷重受け部が、一般的に竪方向に延伸する荷重伝達方向で重量力を検知する。
【0014】
本発明によれば、計量工程の後または工程中に物体を次に移送するための移送要素を構成しており、その移送要素は一つの移送ステップで規定自在の回転角度αだけ軸を中心に回転できる。そのとき物体は、移送要素のセグメント範囲により取り囲まれており、この移送要素がその軸を中心とする回転により物体を次に送る。
【0015】
本発明によれば、移送要素の軸が荷重伝達方向に対して角度β<90°で配設されている。それから得られる利点は、移送要素により物体を次に送る時にこれに作用する移送力が、荷重伝達方向に作用するのは極一部だけ又は全くゼロであるということである。それにより、物体を搭載面から次に送ることにより発生することがあり荷重受け部に誤差要因となる荷重が少ない又はゼロとなる。それはこの移送力の少なくとも一部が荷重伝達方向に対して直角に作用して、荷重受け部に力を加えないからである。
【0016】
さらに移送要素は、次に移送する時に物体を選択的に二つの異なった排出範囲に移送、すなわち選別できるように構成されている。そのとき第一範囲は、特定の計量基準を満たす物体を受けることを考慮し、他方で別の範囲がこれに当て嵌まらない物体用に設けられているものとすることができる。このようにすることにより、計量したそれぞれの物体を次へ移送することを使って、規定自在の基準に従い移送要素が物体をいずれかの排出範囲に送るように、分類ないし選別を行えるという利点がある。両方の場合において次への移送は、移送要素をその軸に関して回転することにより行う。よって、この種のコンパクトな秤量ステーションは、比較的狭い空間に計量と選別の機能を有しているという利点があり、その後の工程で選別を行う必要がない。秤量ステーションから第一排出範囲に至るのは、特定に重量基準を満たす物体だけであるのに対し、別の物体も秤量ステーション内でそれにより選別される。これは、製造工程を簡略化すると共に加速する。
【0017】
以上のように構成することにより、全く任意の形状をした物体の特に簡単、正確、迅速な計量、および移送要素の回転による後続または同時の移送が可能になる。さらに、荷重伝達方向には計量した製品を移送要素が移送することは全くないか極一部であるので、次への移送でこの方向に生じることがあり誤差要因となる力は極僅か又はゼロである。
【0018】
角度β=0を選ぶと、軸と荷重伝達方向が平行となる。この場合には次への移送が、荷重伝達方向に対して直角にかかる力によってのみ行われ、それにより荷重受け部には全く作用しない。それにより測定結果が、そのような誤差要因から最良状態で保護される。
【0019】
本発明の利点ある別の実施形態では、次への移送時にセグメント範囲それぞれが、計量する物体が載る搭載要素の範囲を上を走るようにしている。すなわち移送要素が搭載要素と相対的に動き、前記範囲の上を走る時に、そこにある物体を搭載要素から前進させる。そのとき上方走行を搭載要素とは無接触で行うことがある。それは特に、移送要素が搭載要素から切り離されて構成されており、荷重受け部により一緒に計量されない又はこれに載っていないときに意味がある。この場合には荷重伝達方向の力を発生させないことになろう。別の場合(搭載要素と移送要素が荷重受け部により一緒に支持されるとき)には、搭載要素と接触できるブラシまたは類似のものの使用も考えられる。
【0020】
本発明の特に利点ある実施形態では、一つの移送ステップが問題なく終わった後に、別の好ましくは隣接するセグメント範囲が次の物体の移送のために待機するように、移送要素のセグメント範囲をその軸を中心に配置するようにしている。すなわち、実際に計量された物体の載っている扇形部分が、移送要素の回転により軸を中心に回転角度αだけ旋回されるので、別のセグメント範囲が次に計量する物体の受け部を形成する。すなわち、次への移送はほぼ連続的な過程で行われ、各個別物体を移送するために移送要素が前進後進を行う必要がない。角度αだけ移送要素を回転するだけで、一方ではそこにある物体を次に移送し、そして他方では同時に新しいセグメント範囲を待機させるので、そのための分離した移動を必要としない。これが計量と移送の工程を著しく加速する。
【0021】
とくに利点ある実施形態では、軸を中心にセグメント範囲を均等に配置しており、さらに回転角度αを全セグメント範囲の数nにより次式で規定するようにしている:
α=360°/n
【0022】
この場合に回転角度は、移送要素の軸に関して各セグメント範囲が定義する角度に相当する。それによって更に、物体を問題なく次へ移送した後に次に計量する物体を受けるために、直接隣接するセグメント範囲が待機することになる。これは、必要な回転角αを最小に小さくし、それにより時間を節約するという利点がある。
【0023】
最も簡単な場合には、軸に関して互いに対称的に対向する二つだけのセグメントを設けている。その場合には移送要素が180°回転することにより、別のセグメント範囲が次の物体を受けるために待機している。セグメント範囲の数を増加することが前記の式により回転角度αを小さくするので、特に3、4、5、6、または更に多くのセグメント範囲を軸Aに関して対称的に、そして円周方向で均等配分して設けていることがある。セグメント範囲の数が多ければ多いほど、回転角度αが小さい、ないしは計量した物体を次へ移送するために、移送要素全体に対する消費時間が短くなる。
【0024】
秤量ステーションの特に簡単な実施形態では、移送要素が第一方向に回転して物体を第一排出範囲に移送するのに対し、その反対方向に移送要素が回転して物体を別の排出範囲に送ることにより、異なった排出範囲への移送を行う。よって、回転方向を特定するだけで、少なくとも二つの異なった排出部分への物体の移送を実現できる。以上により構造的に簡単な手段を使って、特に信頼性があると共に迅速な物体の選別が可能である。
【0025】
本発明の利点ある別の実施形態では、移送要素を荷重受け部から分離して配設するときに、その軸が基本的に荷重伝達方向に、ないしは平行に向いているようにしている。移送要素ないしその軸を"竪方向"に配置することは、荷重受け部で回転により生じる可能性がある影響を減らすまたは防ぐ。これに該当するのは一つには移送要素が物体に及ぼす前記移送力であり、そしてそれは荷重伝達方向に直角にのみ作用するという利点がある。他方でこの軸に対してラジアル方向のその他の力も、測定結果に影響を与えることがない。例えば、移送要素にあるアンバランスが荷重伝達方向には作用しない。よって、特に確実な測定結果が保証される。
【0026】
基本的に竪方向の軸ないし荷重伝達方向に平行な軸のときに、搭載要素と移送要素を分離して設計することの代替として、搭載要素を移送要素と一体で、そして同時に竪方向軸を中心に配置して構成している本発明の実施形態も挙げる必要がある。そのときに搭載要素の最も簡単なものは、ディスク形態で構成されていることがあり、それは分割されたケーキのように直角な分離壁により複数のセグメント範囲に分割される。そこでこのセグメント範囲が、ラジアル方向で外向きに開いているチャンバーを定義する。ディスク上またはチャンバー内にある物体が計量工程の後に次に送られ、そこで選別もされるが、それはディスクが軸を中心に角度αだけ回転して、それにより中にある物体は遠心力により外方に力を受けて搭載要素ないし移送要素を離れることによる。そのとき回転方向および/または回転数に従って、物体が異なった排出部分に送られ、またはこれから取り出される。
【0027】
移送要素の配設に関して纏めると、移送要素を搭載要素と一体で構成又は分離して構成していることがあるということである。さらに移送要素を、搭載要素と一緒に荷重受け部により支持する、または一緒には計量しない別体のホルダーを介して荷重受け部から"切り離して"配設していることがある。両方の構成要素が荷重受け部の上にある場合には構造が簡単になる。他方で計量工程において、移送要素とその駆動部の追加質量を一緒に考慮する必要がある。いずれの場合も利点として、計量する物体を"フリーにすること"が不要である。即ち、計量のために物体を独自の方法ステップで移送要素から切り離す必要がない。それは、物体と移送要素との結合が最初から回避される又は不要になるからである。いずれにせよ移送要素も荷重受け部の上に載っているか(そのときは切り離し不要)、あるいは物体が最初から専ら搭載要素上に載っている(そして移送要素が次に送るためにのみ、そして理想的には荷重伝達方向での力なしで、物体に力を加える)である。
【0028】
荷重受け部上に移送要素と搭載要素を分離して又は共通して受けることは、個々の又は共通の構成要素の組立と分解を簡単に、そして装置全体の清掃を容易にする。
【0029】
本発明の利点ある別の実施形態では、計量する物体が迅速に静止状態になるように、搭載要素が基本的に下向きに先細の漏斗状セグメントの形状を有するようにしている。そのような漏斗形状に計量のために入れられた物体は、漏斗形状の最深部に非常に速く到達して、狭くなっていることによりそこで急速に静止状態に至る。そこで利点として計量時の振動過程が短くなり、全体で製造工程の加速を可能にする。
【0030】
前記の実施形態では漏斗状セグメントの開き角度が基本的に、セグメント範囲が軸を中心として決める角度に相当する。すなわち、各セグメントが漏斗形状の壁面と一緒で受け部範囲を定義し、その中に計量する物体が確実に収容される。角度αだけ移送要素が回転することにより、セグメント範囲は搭載要素とは相対的に旋回して離れるので、漏斗状セグメントの壁面を備えた新しいセグメント範囲が、次の物体用の次の受け部を形成する。その前のセグメント範囲にある物体は、本発明により−回転方向に従って−規定自在の排出範囲に到達する。移送要素と漏斗状セグメントを合わせることにより、最適材料利用と少ない構造空間の下で迅速な計量工程が助長される。
【0031】
本発明の別の実施形態により移送要素を、翼およびその間に配設したセグメント範囲で形成するタービン状ホイル、翼輪などで構成していると利点がある。この場合には計量された物体が、次に送られる又は翼輪が回転する時に、翼の一つにより側方に力が加えられて搭載要素から押し出される。これは、構造的に特に簡単な移送要素の実施形態を示している。セグメントの数は、軸からラジアル方向に延伸する翼の数を介して決められる。
【0032】
本発明の特に利点ある特徴として、異なった形状の物体も形状やサイズに関係なく受け入れ排出するように搭載要素を構成するようにしている。すなわち本発明によれば、計量する物体を受け入れる搭載要素は特定の物体形状やサイズに拘束されるものではなく、異なった又は急に変わる形状やサイズにも特に使用できる。異なったサイズの錠剤に生産変更する時にその秤量ステーションを使用できるようにするために、特別な装置を使用することや改造を行うことを特に必要としない。計量する物体の形状やサイズとは関係なく本発明により、特別な受け部またはガイド手段を特に設けることなく、大きく異なる形状やサイズを同じように計量し移送できるように搭載要素を構成している。これにより、秤量ステーションの使用に関して特にフレキシビリティが得られ、そして段取りコストおよびその時間を回避できる。
【0033】
本発明の利点ある別の実施形態では、移送要素を第一方向に連続的に又はほぼ連続的に回転するように構成しており、そこでは回転を、規定の場合には途中停止および/または方向転換できるようにしている。そのとき標準的には、反対の測定結果が出ない限り、計量した物体を移送要素が連続的に第一排出範囲に送るようにしている。すなわち、移送要素の回転を周期的に行う必要がない。むしろ、移送要素を一定の回転数で駆動でき、そこでは物体がまずすべてが同じ排出範囲に送られる。そのとき移送要素の加速と減速がなくなることが利点であり、それにより更に時間が節約される。計量した物体を別の排出範囲に送ることを秤量結果が要求する場合にのみ、この物体を分離して次へ送るために、移送要素を停止ないし逆方向に駆動することになる。すなわち、本発明により計量工程を移送要素の回転と同時に行う。そこで適切な供給手段によりそれぞれの物体を搭載要素に送って、そのセグメント範囲の境界(例えば翼)が物体を更に送る前にそれを計量する。このようにすることで、物体が側方から又はその他の力を受けずその重量力のみに関して測定され、それにより測定結果には優れた精度が得られる。
【0034】
移送装置を駆動するために本発明によれば、とくにステッピングモーターまたはマグネット駆動を設けていることがある。ステッピングモーターのように、ここでは簡単な回転マグネットも考えられ、そのステッピング角度は回転角αに相当するものとすることができる。しかし、移送装置の前記回転運動を機能させることができるかぎり、別のいずれの駆動装置も適している。
【0035】
回転角度αを検知するために本発明の利点ある実施形態によれば、少なくとも一つのセンサーを設けている。そのとき、移送要素のセグメント境界と一緒で機能する非接触センサーを対象とすることができる。典型的な場合にこれは、翼輪として設けている移送要素の翼である。そこでこのセンサーは翼の位置よって移送要素の回転位置を検知するので、これを回転運動の制御のために更に検知し利用できる。
【0036】
秤量ステーションの少なくとも二つの排出範囲を巧みに配設することにより、この秤量ステーションで複数を利点を有した配置を形成することができる。その場合にはこれを互いに隣接して配設し、同じ種類の共通した排出範囲をそれぞれ利用する。例えば、第一秤量ステーションが、特定の計量基準を満たす計量物体を受けるためのOK範囲を有しているものとできるであろう。本発明によれば、それに隣接する秤量ステーションが同じOK範囲を利用して、そのステーションで選別した物体をそこに送り込むことになる。この秤量ステーションのそれぞれが、OK範囲とは反対側に類似してNG範囲を有しており、それに別の物体が送り込まれる。このNG範囲は本発明によりそれに直接隣接する秤量ステーションが利用するので、OKないしNG範囲の配設はお互いに対称的に行われる。
【0037】
更に本発明の利点ある実施形態は、従属請求項から分かる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
本発明を以下において図例を使って説明する。唯一の図面である図1は、本発明による秤量ステーションの実施形態を概略的部分外観で示している。
【実施例】
【0039】
秤量ステーションWには、計量する重量を受けるために設けられている荷重受け部Lがあり、そのとき荷重伝達方向Uが図示の例では竪方向で下方に向いている。
【0040】
荷重受け部Lの上には、計量中に物体Kを一時的に受けるために設けられている搭載要素Eが載っている。そこで搭載要素Eは漏斗状の形状を有しており、その上側縁部で基本的に竪方向の壁面により境界をつくっている。計量する物体Kが搭載要素Eの上に載るので、その重量を搭載要素Eの重量と一緒に荷重受け部Lが受ける。物体の形状やサイズに全く関係なく受けられるという利点がある。搭載要素に特別な切り欠きやガイド手段は必要ではない。
【0041】
計量する物体Kは、詳細には図示していない供給部を介して供給される。
【0042】
漏斗の一部の形状をした搭載要素Eに、軸Aを中心として回転自在の移送要素Fが配設されている。移送要素Fは三つの翼Pを備えた翼輪Rの形態を有している。翼Pは軸Aを中心に均等な間隔となっているので、翼間それぞれにできるセグメント範囲S1,S2,S3が概ね同じ大きさになる。翼輪Rの軸Aは、荷重受け部Lの荷重伝達方向Uに平行になっている。
【0043】
各セグメントS1,S2,S3における翼輪Rの翼Pが形成する開き角度αは、搭載要素Eとして使用される漏斗状要素の開口角に概ね相当する。翼輪Rのそれぞれ二つの翼Pが搭載要素Eと一緒で上向きに開いたチャンバーを形成し、それが計量する物体Kそれぞれを受ける。
【0044】
翼輪Rの翼Pが、軸Aを中心に回転するときに搭載要素Eの搭載範囲の上を走るので、その上に載せられた物体Kは、翼により側方に力を加えられて移動する。そのとき本発明によれば、翼輪Rが一つの回転方向だけでなく、反対方向にも軸Aを中心に回転自在である。
【0045】
漏斗セグメント形状をした搭載要素Eの下側側方には、中間ステーによりお互いに分離されている二つの排出範囲BgとBsが配設されている。両方の排出範囲は滑り台として構成されている。搭載範囲Eないしそれぞれのセグメント範囲に載せられた物体は、翼輪Rの回転方向に従って第一排出範囲Bg("OK品")または別の排出範囲Bs("NG品")に到達する。よって、いずれかの回転方向に翼輪Rが回転するだけで、計量された物体Kを少なくともこの両範囲に選択的に送ることができる。図1では図示していない別の構成要素を介して、OK品を継続して処理する又はNG品は工程から排除することができる。
【0046】
本発明によれば三つの翼Pを備えた翼輪Rの構成は、角度αだけ回転する時に一方でその物体をいずれかの排出範囲に送るが、他方で二翼間の新しいセグメント範囲Sが、別の計量物体Kを受けるために直ぐに再び待機するようになっている。とくに、既に走った回転角度および/または翼Pと搭載要素Eの形状により、新しい物体が事前に計量されないで直接両排出範囲の一つに入り込まないことが確保されている限り、まだ回転運動中に、即ち物体Kがいずれかの排出範囲BgまたはBsに送られる間に、別の計量する物体Kを新しくできた次の受け部範囲に入れることができる。
【0047】
この配設により、少ない機械的工数で計量商品Kの迅速な移送と選別が、非常に簡単な方法で可能になる。
【0048】
図1による翼輪Rは、搭載要素Eと一緒で荷重受け部Lに載っているが、他方で両排出範囲BgとBsの境界はこれにより支持されていない。しかし、配設を構造的に簡素化するために代替として、搭載要素E、移送要素F、排出範囲BgないしBsから成る配設全体を、完全に荷重受け部Lにより支持することも考えられる。
【0049】
翼輪Rないしその翼Pのそのときの位置を検知するために、少なくとも一つのセンサーMを設けており、それが翼輪の翼の位置を非接触で検知し、翼輪の回転を制御するために信号形態で次へ送る。もちろん代替として、翼輪の回転位置を駆動部の範囲またはその他の適切な位置で検知することもできる。
【0050】
本発明によれば図1の実施形態により、三つ以上の翼を備えた移送要素を使用することができる。その数は、その他の移送条件だけに関係する。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明による秤量ステーション実施形態の概略的部分外観。
【符号の説明】
【0052】
A 軸
B 排出範囲
E 搭載要素
F 移送要素
K 物体、商品
L 荷重受け部
P 翼
R 翼輪
S セグメント範囲
U 荷重伝達方向
W 秤量ステーション

【特許請求の範囲】
【請求項1】
計量する物体(K)、とくに錠剤を計量し選別するための秤量ステーション(W)であって、
a)荷重伝達方向(U)にかかる重量力を検知するための荷重受け部(L)を備え、
b)少なくとも一つの物体(K)を一時的に受けて計量するための、秤量セルの荷重受け部(L)により支持される搭載要素(E)を備え、
c)計量工程中および/または工程後に少なくとも一つの物体(K)を次に送るための、軸(A)を中心に回転自在の移送要素(F)を備えており、そして
d)移送要素(F)が、その軸(A)を取り巻いて配設されたある数(n)のセグメント範囲(S1,S2,S3...Sn)を有しており、計量する物体(K)が計量時に一つのセグメント範囲(S1,S2,S3...Sn)に来るようになっており、
e)少なくとも一つの物体(K)を次に送るために移送要素(F)が、一つの移送ステップで規定自在の回転角度(α)だけその軸(A)を中心に回転自在である
秤量ステーションにおいて、
f)移送要素(F)の軸(A)と荷重伝達方向(U)の包括する角度(β)<90°であること、および物体(K)が移送要素(F)により次に送られるときに、少なくとも二つの異なった排出範囲(Bg,Bs)のうちの一つに移送要素(F)によって選別しつつ移送可能であり、移送装置(F)およびその駆動部が、搭載要素(E)と一緒に秤量セルの荷重受け部(L)により支持される
ことを特徴とする秤量ステーション。
【請求項2】
請求項1に記載の秤量ステーション(W)において、
移送要素(F)の軸(A)が、荷重伝達方向(U)に対して平行に配設されていることを特徴とする秤量ステーション。
【請求項3】
前記請求項1又は2に記載の秤量ステーション(W)において、
移送要素(F)のセグメント範囲(S1,S2,S3...Sn)が次への移送時に、計量する物体(K)が載る搭載要素(E)の範囲の上を走ることを特徴とする秤量ステーション。
【請求項4】
前記請求項1から3のいずれか1に記載の秤量ステーション(W)において、
移送ステップが問題なく終わった後に、別の好ましくは隣接するセグメント範囲が次の物体(K)を次に送るために待機するように、移送要素(F)のセグメント範囲が軸(A)を中心に配設されていることを特徴とする秤量ステーション。
【請求項5】
前記請求項1から4のいずれか1に記載の秤量ステーション(W)において、
セグメント範囲(S1,S2,S3...Sn)が軸(A)を中心に均等に配設されており、そして回転角度(α)が条件(α)=360°/nを満たすことを特徴とする秤量ステーション。
【請求項6】
前記請求項1から5のいずれか1に記載の秤量ステーション(W)において、
排出範囲(Bg,Bs)の選択は、移送要素(F)の回転方向により決められることを特徴とする秤量ステーション。
【請求項7】
前記請求項1に記載の秤量ステーション(W)において、
第一排出範囲(Bg)への移送は、移送要素(F)をその軸(A)を中心に第一回転方向に回転することにより決めることができる一方、第二排出範囲(Bs)への移送は、移動要素(F)を反対の回転方向に回転することにより決めることができることを特徴とする秤量ステーション。
【請求項8】
前記請求項1から7のいずれか1に記載の秤量ステーション(W)において、
計量する物体(K)を迅速に静止状態にするために、搭載要素(E)を基本的に下方に向かって先細の漏斗状セグメントの形状を有することを特徴とする秤量ステーション。
【請求項9】
前記請求項8に記載の秤量ステーション(W)において、
漏斗状セグメントの開き角度が基本的に、軸(A)を中心にセグメント範囲(S1,S2,S3...Sn)を決める角度に相当することを特徴とする秤量ステーション。
【請求項10】
前記請求項1から9のいずれか1に記載の秤量ステーション(W)において、
計量された物体(K)が次に移送されるために翼輪(R)の回転時に翼(P)により側方に力を加えられ、そして搭載要素(E)から下方手前にスライドするように、翼(P)およびその間に配設されたセグメント範囲(S1,S2,S3...Sn)を備えた翼輪(R)としての移送要素(F)が構成されていることを特徴とする秤量ステーション。
【請求項11】
前記請求項1から10のいずれか1に記載の秤量ステーション(W)において、
搭載要素(E)が、異なった形状の物体(K)も形状やサイズに関係なく受けて排出するように構成されていることを特徴とする秤量ステーション。
【請求項12】
前記請求項1から11のいずれか1に記載の秤量ステーション(W)において、
移送要素(F)を第一方向に連続的又はほぼ連続的に回転するように構成しており、規定の場合には途中停止および/または方向転換できるようにしていることを特徴とする秤量ステーション。
【請求項13】
前記請求項1から12のいずれか1に記載の秤量ステーション(W)において、
移送要素(F)が、ステッピングモーターまたはマグネット駆動を使って駆動できることを特徴とする秤量ステーション。
【請求項14】
前記請求項1から13のいずれか1に記載の秤量ステーション(W)において、
回転角度(α)を検知するために、少なくとも一つの好ましくは非接触センサー(M)が設けられていることを特徴とする秤量ステーション。
【請求項15】
前記請求項1から14のいずれか1に記載の秤量ステーションの構造であって、各秤量ステーション(W)で計量する物体(K)を少なくとも二つの排出範囲(Bg,Bs)に移送自在である構造において、 隣接する秤量ステーションでの同じ種類の排出範囲(Bg,Bs)が、それぞれ共通の排出範囲(Bg,Bs)を利用することを特徴とする秤量ステーションの構造。

【図1】
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【公開番号】特開2011−232352(P2011−232352A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−158073(P2011−158073)
【出願日】平成23年7月19日(2011.7.19)
【分割の表示】特願2008−544753(P2008−544753)の分割
【原出願日】平成18年12月12日(2006.12.12)
【出願人】(506186673)ヴィポテック ヴィーゲ−ウント ポジティオニエルシステーメ ゲーエムベーハー (21)
【氏名又は名称原語表記】WIPOTEC WIEGE−UND POSITIONIER−SYSTEME GMBH
【住所又は居所原語表記】ADAM−HOFFMANN STRASSE 26, 67657 KAISERSLAUTERN,GERMANY