種子消毒設備
【課題】 種子消毒設備において、ランニングコストの低減を図ると共に、均一な消毒を効率よく行うことができるようにすることを課題とする。
【解決手段】 温湯を貯留する温湯消毒槽(1)と、冷却水を貯留する冷却槽(10)と、種子を収容する多数の種子バケット(2)と、該種子バケット(2)を温湯消毒槽(1)に浸漬させるべく循環移送する循環移送装置(3)を設け、該循環移送装置(3)は、で種子バケット(2)を下降させて温湯消毒槽(1)内の温湯に浸漬させ、温湯消毒槽(1)内に浸漬した状態で種子バケット(2)を移送する構成とした。
【解決手段】 温湯を貯留する温湯消毒槽(1)と、冷却水を貯留する冷却槽(10)と、種子を収容する多数の種子バケット(2)と、該種子バケット(2)を温湯消毒槽(1)に浸漬させるべく循環移送する循環移送装置(3)を設け、該循環移送装置(3)は、で種子バケット(2)を下降させて温湯消毒槽(1)内の温湯に浸漬させ、温湯消毒槽(1)内に浸漬した状態で種子バケット(2)を移送する構成とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、種子を温湯に浸漬して消毒する種子消毒設備に関する。
【背景技術】
【0002】
温湯を貯留する温湯消毒槽と、冷却水を貯留する冷却槽と、該冷却槽に冷却水を供給する冷却水供給手段と、冷却槽内の冷却水が所定量以上となったときにオーバーフローする冷却水を冷却水オーバーフロー経路を介して回収する回収槽と、該回収槽からの水が給水経路を介して供給される貯留槽と、該貯留槽の水を温湯消毒槽へ供給する給湯経路と、該給湯経路を流れる水を加温するヒータと、温湯消毒槽からの温湯を貯留槽を介して給湯経路に供給する戻り経路とを設けた種子消毒装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−158302号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記背景技術によると、温湯消毒槽から排出される戻り経路を流れる温湯は、一旦冷却水オーバーフロー経路を介して回収される冷却水と混合されて回収槽へ回収されるため、温度が低下し、給湯経路を介して再度温湯消毒槽へ供給するとき、所望の温度に上昇させるためにヒータにより多量の熱量で加温する必要があり、ランニングコストの上昇を招くおそれがある。
【0005】
そこで、ランニングコストの低減を図ると共に、均一な消毒を効率よく行うことができるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上記課題を解決するべく次のような技術的手段を講じた。
すなわち、請求項1に係る発明は、温湯を貯留する温湯消毒槽(1)と、冷却水を貯留する冷却槽(10)と、種子を収容する多数の種子バケット(2)と、該種子バケット(2)を温湯消毒槽(1)に浸漬させるべく循環移送する循環移送装置(3)を設け、該循環移送装置(3)は、で種子バケット(2)を下降させて温湯消毒槽(1)内の温湯に浸漬させ、温湯消毒槽(1)内に浸漬した状態で種子バケット(2)を移送する構成とした種子消毒設備とした。
【0007】
また、請求項2に係る発明は、温湯消毒槽(1)内に浸漬した状態で種子バケット(2)を移送中の時間より移送停止時間の方が長くなるよう間欠的に移送する構成とした請求項1に記載の種子消毒設備とした。
【0008】
また、請求項3に係る発明は、温湯消毒槽(1)内に浸漬した種子バケット(2)を上昇させ、上昇させた種子バケット(2)を搬送始端側へ連続的に移送して戻す構成とした請求項1に記載の種子消毒設備とした。
【0009】
また、請求項4に係る発明は、前記移送停止時間を変更できる構成とした請求項2に記載の種子消毒設備とした。
また、請求項5に係る発明は、温湯消毒槽(1)には、温水噴出口(13)と空気噴出管(19)を設けた請求項1に記載の種子消毒設備とした。
【0010】
また、請求項6に係る発明は、温水噴出口(13)と空気噴出管(19)を、温湯消毒槽(1)の底部で、間欠移送により停止する種子バケット(2)の停止位置の下方に配置した請求項2に記載の種子消毒設備とした。
【0011】
また、請求項7に係る発明は、温湯消毒槽(1)内から上昇する種子バケット(2)を反転させて種子を排出する反転装置(7)を設けた請求項1に記載の種子消毒設備とした。
【0012】
また、請求項8に係る発明は、冷却槽(10)は、複数の冷却バケット(12)を設け、冷却終端側の冷却バケット(12)から順次反転することにより、種子を次の冷却バケット(12)に排出して移送する構成とし、冷却バケット(12)は、反転時に2度回動する構成とした請求項1に記載の種子消毒設備とした。
【0013】
また、請求項9に係る発明は、冷却槽(10)に冷却水を供給する給水手段(18)と、冷却槽(10)内の冷却水が所定量以上となったときにオーバーフローする冷却水を冷却水オーバーフロー経路(35)を介して回収する回収槽(36)と、該回収槽(36)からの水が給水経路(37)を介して供給される切替弁(27)と、該切替弁(27)からの水が供給され該水を温湯消毒槽(1)へ供給する給湯経路(28)と、該給湯経路(28)を流れる水を加温するヒータ(30)と、温湯消毒槽(1)からの温湯を前記切替弁(27)に供給する戻り経路(26)とを設け、前記切替弁(27)は、給水経路(37)からの水を給湯経路(28)へ供給する状態と、戻り経路(26)からの温湯を給湯経路(28)へ供給する状態とに切り替える構成とした請求項1に記載の種子消毒設備とした。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明によると、温湯消毒槽(1)内に浸漬した状態で種子バケット(2)を移送するので、均一な消毒を効率よく行うことができる。
請求項2の発明によると、請求項1の発明の効果に加えて、温湯消毒槽(1)内に浸漬した状態で種子バケット(2)を移送中の時間より移送停止時間の方が長くなるよう間欠的に移送するので、均一な消毒を効率よく行うことができる。
【0015】
請求項3の発明によると、請求項1の発明の効果に加えて、上昇させた種子バケット(2)を搬送始端側へ移送する移送速度を、温湯消毒槽(1)内を浸漬した状態で種子バケット(2)を移送する移送速度よりも速くでき、空の種子バケット(2)の数を減らすことにより、コストダウンが図れる。
【0016】
請求項4の発明によると、請求項2の発明の効果に加えて、移送停止時間の変更により同一の種子バケット(2)が温湯消毒槽(1)に浸漬される総時間を変更でき、種子の品種に応じて種子の消毒時間を変更することができる。また、移送中の移送速度を変えずに容易に浸漬時間を変えることができる。
【0017】
請求項5の発明によると、請求項1の発明の効果に加えて、温湯消毒槽(1)内の温度むらを抑えることができると共に、種子を均等に攪拌でき、種子の殺菌効果を高めることができる。
【0018】
請求項6に係る発明によると、請求項2の発明の効果に加えて、温水噴出口(13)と空気噴出管(19)の上方に種子バケット(2)を長く滞留させることができ、種子の殺菌効果を高めることができる。
【0019】
請求項7に係る発明によると、請求項1に係る発明の効果に加えて、反転装置(7)により、温湯消毒槽(1)内から上昇する種子バケット(2)を反転させて、消毒された種子を排出することができる。
【0020】
請求項8に係る発明によると、請求項1に係る発明の効果に加えて、種子を順に次の冷却バケット(12)に排出して移送できると共に、冷却バケット(12)が反転時に2度回動するので、種子の排出を確実に行える。
【0021】
請求項9に係る発明によると、請求項1に係る発明の効果に加えて、切替弁(27)により戻り経路(26)からの温湯をそのまま給湯経路(28)へ供給する状態に切り替えることができるので、戻り経路(26)からの温湯の温度低下を抑えつつ、該温湯をヒータ(30)により加温して温湯消毒槽(1)へ再度供給することができ、前記ヒータ(30)による加熱量を抑えることができ、ランニングコストの低減が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】温湯消毒設備の一部を示す平面図
【図2】温湯消毒設備の一部を示す側面図
【図3】移送装置及び下降装置の一部を示す側面図
【図4】上昇装置の一部を示す側面図
【図5】上昇装置の一部及び戻り装置の一部を示す側面図
【図6】種子袋供給位置を示す側面図
【図7】反転カム及びガイド板を示す側面図
【図8】冷却槽を示す断面側面図
【図9】冷却槽を示す平面図
【図10】温湯及び冷却水の供給経路を示す図
【図11】乾燥・出荷工程の工程図
【図12】乾燥装置の内部を説明する側面図
【図13】異なる温湯及び冷却水の供給経路を示す図
【図14】異なる温湯及び冷却水の供給経路を示す図
【図15】自動供給装置を示す図
【図16】異なる温湯消毒設備の一部を示す側面図
【図17】異なる空気供給管を示す温湯消毒槽の断面平面図
【発明を実施するための形態】
【0023】
この発明の実施の一形態を、以下に説明する。
種子消毒設備は、前工程から後工程の順に温湯消毒装置A、種子冷却装置B、乾燥装置Cを順次設けている。温湯消毒装置Aは、箱型の温湯消毒槽1を設け、温湯消毒槽1の上方には多数の種子バケット2を循環移送する循環移送装置3を設けている。尚、前記温湯消毒槽1は、11個の種子バケット2を連ねて収容できる構成となっている。また、種子バケット2には、所定量ごとに種子を収容する網状の種子袋Pを入れるようになっている。
【0024】
循環移送装置3は移送始端側にあって多数の孔を形成する種子バケット2を下降させて温湯消毒槽1内の温湯に浸漬させる下降装置3dと、温湯消毒槽1内を浸漬した状態で種子バケット2を移送する移送装置3aと、移送終端側にあって温湯消毒槽1内を浸漬した種子バケット2を上昇させる上昇装置3bと、上昇装置3bで上昇させた種子バケット2を下降装置3dまで戻す戻し装置3cとを備えている。
【0025】
移送装置3aは、種子バケット2の上端に設けた縁部2aを左右下側から受ける案内レール部4を備え、移送始端部には種子バケット2を移送させるためのチェン式の移送コンベア5を左右に設けている。移送コンベア5は、周回経路の適宜位置に種子バケット2を移送させる押し用突起5aを備え、該押し用突起5aが種子バケット2の縁部の左右に固着した左右方向の固着軸2bを移送方向に押すことで当該種子バケット2を移送し、移送下手側の種子バケット2が順次移送上手側の種子バケット2に押されて温湯消毒槽1内で種子バケット2が移送されていく構成となっている。
【0026】
上昇装置3bは、案内レール部4の終端(移送終端)にある種子バケット2の固着軸2bが引っ掛かる持上げ用突起6aを備えるチェン式の上昇コンベア6を左右に設けている。従って、該上昇コンベア6の駆動により、案内レール部4の終端(移送終端)にある種子バケット2の固着軸2bが持上げ用突起6aに持上げられ、種子バケット2が上昇する構成となっている。上昇コンベア6は、持上げ用突起6aが固着軸2bに引っ掛かる上昇始端位置から種子バケット2を上昇させるにつれて移送装置3aの移送方向に移動させる斜めの移動経路(周回経路)を備えた側面視で三角形状の周回経路で周回する。そして、前記斜めの移動経路の途中で種子バケット2を反転させる反転カム7を左右に設けており、種子バケット2の上昇で前記反転カム7が種子バケット2の縁部2aにおける固着軸2bの一方側(移送装置3aの移送方向側、種子冷却装置B側)に上側から接触して押し下げることにより、固着軸2bを支点に種子バケット2をその上部の開口部が種子冷却装置B側に向くように反転させ、種子バケット2内の種子袋Pを種子冷却装置Bの冷却バケット8へ排出する構成となっている。尚、温湯消毒槽1の上端から反転カム7の位置にかけて、上昇あるいは反転する種子バケット2から垂れ落ちる温湯を温湯消毒槽1へ案内するガイド板9を設けている。このガイド板9により、種子バケット2から垂れ落ちる温湯を温湯消毒槽1へ戻して温湯消毒槽1内の熱の放出を抑えると共に、前記温湯が種子冷却装置Bの冷却槽10に垂れ落ちることによる冷却効率の低下を防止できる。
【0027】
戻し装置3c及び下降装置3dは、種子バケット2の固着軸2bが引っ掛かる搬送用突起11aを備えるチェン式の戻しコンベア11を左右に備えて構成されている。尚、前記搬送用突起11aは、戻しコンベア11の周回方向の前後に対向して配置され、前後の突起11aで固着軸2bを挟むようにして保持する構成となっている。従って、上昇装置3bの上昇コンベア6でその上端部に上昇した種子バケット2を、前記戻しコンベア11が、受け継いで移送装置3aの移送始端側に横移動した後、下降させてその下降経路の途中の種子袋供給位置rで待機させる。この種子袋供給位置rで、種子バケット2は温湯消毒槽1の上方に位置しており、作業者が当該種子バケット2に種子袋Pを供給するようになっている。そして、移送装置3aが作動して移送始端部に種子バケット2を収容するスペースができると、戻しコンベア11を作動させて前記種子袋供給位置rにある種子バケット2を下降させ、種子バケット2を戻しコンベア11の下端から温湯消毒槽1へ落下して供給する。尚、種子袋供給位置rで待機する種子バケット2は、下部の前側が温湯消毒槽1に取り付けたガイド12に接触し、上部の開口部が前側に向くように傾く。これにより、作業者が種子バケット2に種子(種子袋P)を容易に供給できる。更に、種子バケット2が傾いている分、種子バケット2が温湯消毒槽1の温湯に浸されない高さで且つ当該種子バケット2の前記開口部の高さを極力低く設定することができるため、種子バケット2への種子(種子袋P)の供給が容易である。
【0028】
また、種子袋供給位置rにある種子バケット2を下降させて戻しコンベア11の下端から温湯消毒槽1へ落下するとき、種子バケット2の縁部2aが案内レール部4に衝突することにより騒音が発生したり衝撃で縁部2aを変形させるおそれがある。そこで、種子バケット2の縁部2aが案内レール部4に衝突する前に種子バケット2の底部が温湯消毒槽1の底面に接触するよう、温湯消毒槽1の底面の一部に隆起させた隆起部を設け、該隆起部に落下する種子バケット2の底部が先ず接触する構成とすれば、衝突する部分が水中であるので衝撃音を抑えられ、また縁部2aの変形を防止して循環移送装置3による種子バケット2の移送の適正化が図れる。
【0029】
尚、移送装置3aは複数の種子バケット2を同時に間欠的に移送していくのに対して、戻し装置3c及び下降装置3dは単一の種子バケット2を種子袋供給位置rまで連続的に移送する構成となっている。従って、戻し装置3c及び下降装置3dの移送速度が移送装置3aの移送速度より速く設定されており、空の種子バケット2の数を減らすことにより、コストダウンが図れると共に、温湯消毒槽1の上方の空の種子バケット2の数が少ないため、作業者が温湯消毒槽1内の消毒状況や運転状況を視認するときに空の種子バケット2が邪魔になりにくい。
【0030】
また、移送装置3aで間欠的に移送される種子バケット2の移送は、移送中の時間より移送停止状態の時間の方が長くなるように設定されている。従って、温湯消毒槽1内の後述する温水噴出口13の上方に種子バケット2を長く滞留させることができ、種子の殺菌効果を高めることができる。また、移送装置3aの移送停止時間を長くすることで、これに連動する上昇装置3b及び下降装置3dの停止時間を長く設定することができるので、種子袋供給位置rでの種子バケット2の停止時間を長く設定でき、停止している種子バケット2に種子(種子袋P)を容易に供給できる。また、前記移送装置3aの移送停止時間は調節手段により変更できる構成となっており、この移送停止時間の変更により同一の種子バケット2が温湯消毒槽1に浸漬される総時間を変更できる。従って、種子の品種に応じて種子の消毒時間を変更することができる(例えば、うるち米の種籾は10分間浸漬し、もち米の種籾は6分間浸漬する等)。これにより、移送装置3aの移送中の移送速度を変えずに容易に浸漬時間を変えることができる。尚、移送装置3a、上昇装置3b、戻し装置3c及び下降装置3dは、共通の駆動源(モータ)により作動する。
【0031】
また、種子消毒作業中に装置の故障や点検等のために非常停止したときは、その非常停止時間を計測して前記の消毒時間に加算する制御がなされる。従って、非常停止した分、移送装置3aで間欠移送の停止時間が短くなる。このとき、非常停止中に設定の消毒時間に達した場合は、ランプ等の警報手段により警報する。よって、種子を必要以上に長く温湯に浸漬することにより、種子割れ等の種子の損傷を防止できる。
【0032】
温湯消毒槽1内の底部には所定間隔毎に温水噴出口13を配設し、間欠移送されながら停止している種子バケット2の停止位置下方に温水噴出口13を位置させ、種子バケット2に向けて温水を噴出し、温水が種子バケット2の孔を通過し網状の種子袋Pに収容する種子(種籾)に作用する構成としている。なお、温湯消毒槽1の底部を前後方向中間部に向けて下り傾斜に構成し、中間部に排水溝14を構成している。
【0033】
温湯消毒槽1の後工程には供給シュート15を介して種子冷却装置Bを設けている。この種子冷却装置Bには、供給シュート15の後側に前後方向に長い種子冷却槽10を設け、この種子冷却槽10には前側から後側に向けて複数の冷却バケット8を設けている。冷却バケット8は多数の孔を形成し、左右方向の軸8aにより横軸心回動自在に支持している。そして、冷却バケット8が軸8aを軸心に回動反転すると冷却バケット8内に収容する種子袋Pが次の冷却バケット8に収容される構成である。尚、冷却バケット8は、反転時に小さく2度回動して種子袋Pの排出を確実に行うようにしている。冷却槽10内には各冷却バケット8の収容部ごとに槽内を仕切る仕切り壁16を設けており、この仕切り壁16は種子の排出側(排出シュート17側)のものほど高くなっている。そして、冷却槽10に新たな水を供給する冷却用給水口18が種子冷却槽10内において種子の排出側(排出シュート17側)の端部の位置で給水する構成となっており、冷却用給水口18からの冷却水は冷却槽10内において仕切り壁16で仕切られる前記排出側の区画から順次供給されていくことになる。
【0034】
尚、種子バケット2が上昇装置3bで上昇して反転カム7で反転する直前に到達したことをセンサで検出すると、最も温湯消毒装置Aに近い冷却バケット8が反転してから元に戻り、その後種子バケット2が上昇して反転カム7で反転する構成となっている。これにより、種子バケット2から冷却バケット8に種子を供給する直前に当該冷却バケット8の種子を次の冷却バケット8に供給することができ、冷却バケット8による種子の冷却時間を長くすることができて冷却効果を高めることができる。
【0035】
また、種子バケット2の容積より冷却バケット8の容積が大きく設定されている。よって、種子バケット2の容積が小さいので、温湯消毒槽1内の種子バケット2が供給されない不要な部分を小さくして温湯を効率良く使用できる。また、冷却バケット8の容積が大きいので、後述する空気噴出口19からの空気により種子の攪拌が容易になり、冷却効果が高まる。
【0036】
また、冷却槽10の冷却バケット8の下方には、空気噴出管20をそれぞれ設け、ブロワ21により空気噴出口19に空気を供給し、浸漬中の冷却バケット8に向けて空気を噴出する構成としている。また、温湯消毒槽1にも空気噴出管19を設けており、この空気噴出管19は、温水噴出口13を備える温水管22の上側で平面視で交差(直交)するように配置されている。温水管22は温湯消毒槽1の長手方向(前後方向)に延び、温水噴出口13が左右に温湯を噴出するので、温湯消毒槽1の短手方向(左右方向)の対流が前後方向の全体にわたって均等に発生し、温湯消毒槽1内の温度むらを抑えることができる。空気噴出管19は、停止する各種子バケット2の下方に位置しており、各種子バケット2へ向けて空気を噴出することにより全ての種子を均等に攪拌できる。
【0037】
前記ブロア21は冷却槽10用と温湯消毒槽1用とで共通であり、温湯消毒槽1の空気噴出管19へは温湯消毒槽1の外面(側面)で接触する前後に長い接触管23を介して空気が供給される。この接触管23により、温湯消毒槽1へ供給する空気の温度を上昇させることができ、温湯消毒槽1内の温度低下を防止している。
【0038】
次に種子消毒の工程について説明する。
下降装置3dの途中の種子袋供給位置rに停止している種子バケット2に種子を収容した網状の種子袋Pを供給する。そして種子袋供給位置rから温湯消毒槽1内まで下降装置3dで種子バケット2を下降して温湯に浸漬する。
【0039】
温湯消毒槽1内では種子バケット2は移送装置3aで移送され、移送装置3aは間欠駆動する。そして、種子バケット2は温水噴出口13に対向する位置に停止し、停止した状態で噴出する温水に晒され、種子袋P内の種子の消毒作用を促進するものである。
【0040】
各温水噴出口13毎に設定時間停止しながら移送された種子バケット2は移送終端側で上昇装置3bによって引き上げられる。そして上昇装置3bの途中にある反転装置7で種子バケット2が反転し、種子バケット2内の種子袋Pは排出され、供給シュート15を通過して冷却槽10の始端側の冷却バケット8内に供給される。
【0041】
空になった種子バケット2は上昇装置3bで引き続いて上方に移送され、次いで、戻し装置3cで移送始端側に向けて温湯消毒槽1の上方を間欠移送され、下降装置3dで再度種子袋供給位置rに循環移送される。
【0042】
なお、循環移送装置3は間欠駆動の代わりに低速で連続的に駆動するように構成してもよい。
冷却槽10の冷却バケット8に供給された種子袋Pは冷却水により冷却される。冷却バケット8は循環移送装置3の間欠駆動と連動する構成とし、温湯消毒槽1から種子冷却槽10へ次の種子袋Pが供給される前に回動反転して次の冷却バケット8へ種子袋Pを供給し、温湯消毒槽1からの種子袋Pを受け入れる。すなわち、冷却終端側の冷却バケット8から順次回動反転することで種子袋Pを順に次の冷却バケット8に移送すると共に、冷却始端側の冷却バケット8に温湯消毒槽1からの種子袋Pを受け入れるようにしている。
【0043】
そして、複数の冷却バケット8を順次通過した種子袋Pは排出シュート17から排出され、次工程の乾燥装置Cで乾燥される。
この種子消毒装置によると、前後に長い温湯消毒槽1により複数の種子バケット2を移送しながら連続的に能率的に温湯消毒することができ、また、温湯消毒装置Aから種子冷却装置Bに種子袋Pを簡単に供給することができる。
【0044】
また、循環移送装置3が設定時間毎に間欠駆動するため、一つの種子バケット2が温湯に浸漬する時間を一定にすることができ、かつ停止毎に温水にさらされるため、多数の種子袋Pに均一な消毒を効率よく行なうことができる。そして、冷却バケット8と循環移送装置3は連動して駆動するため、種子袋Pを冷却水に浸漬する時間をも一定にすることができ多数の種子袋Pに均一な冷却を行なうことができる。
【0045】
また、温水噴出口13を温湯消毒槽1内全体にわたって設定間隔毎に配置することで、温湯消毒槽1内の温度むらを防止し、種子バケット2内の種子袋Pの種子に温湯の浸透が均等化し、温湯殺菌効果を高めることができる。また、種子バケット2を温湯消毒槽1内で間欠移送することにより、種子の浸漬、離水が迅速になり、浸漬殺菌時間が正確となり、殺菌効果を高めることができる。すなわち、本実施の形態では1つの種子バケット2は10箇所の温水噴出口13毎にその上方で停止して浸漬される。
【0046】
また、冷却槽10内に空気を噴出させることで、冷却槽10内の冷却水の温度上昇を低減する防止することができ、冷却効果を大きくすることができる。
また、冷却バケット8を所定時間毎に駆動反転させ、冷却水内で種子袋Pを所定時間停止冷却しながら移送するので、冷却効果を高めることができる。
【0047】
次に図10に基づいて温湯消毒槽1及び冷却槽10に使用する温湯及び冷却水の供給経路について説明する。
温湯消毒槽1内には温湯オーバーフロー樋24を設け、温湯オーバーフロー樋24にオーバーフローした温湯は外部に排出される。また、温湯消毒槽1内には温湯オーバーフロー樋24とは別の温湯排出口25を設け、該温湯排出口25から戻り経路となる温湯戻り路26を介して切替弁27に供給される。従って、前記切替弁27の切替により、前記温湯排出口25から温湯を排出する状態に切り替える構成となっている。
【0048】
そして、温湯戻り路26からの温湯は、切替弁27を介して給湯経路となる給湯路28に供給される。該給湯路28には、ポンプ29及びヒータとなるインラインヒータ30を設けている。尚、前記インラインヒータ30は、ボイラ31から各種バルブを備える蒸気供給路32を介して水蒸気が供給され、熱量を得る構成である。この給湯路28を介して温湯が温水噴出口13から温湯消毒槽1へ供給される。尚、温湯消毒槽1内の温湯の温度は温湯用水温センサ33により約60℃になるよう制御する。
【0049】
また、冷却槽10からオーバーフローした冷却水を、冷却水オーバーフロー樋34、冷却水オーバーフロー経路となる還流路35を経由して回収槽36に還流するように構成している。回収槽36内の冷却水は、給水経路となる給水路37へ供給される。該給水路37は、開閉弁38を備え、前記切替弁27へ水を供給する構成となっている。そして、切替弁27の切替により、給水路37の水を給湯路28に供給する構成となっている。
【0050】
従って、切替弁27は、給水路37からの水を給湯路28へ供給する水補給状態と、温湯戻り路26からの温湯を給湯路28へ供給する温湯循環状態とに切り替わる構成となっている。また、温湯消毒槽1には、水位計39と前述した温湯用水温センサ33とを設けている。よって、水位計39の検出により温湯消毒槽1内の水位が設定値より低いことが制御部40に入力されると、制御部40からの出力により、開閉弁38が開き、前記水補給状態に切替弁27が切り替えられ、ポンプ29が作動し、ボイラ31が作動してインラインヒータ30が作動し、回収槽36内の水を加温しながら温湯消毒槽1に補給するよう制御される。このとき、温湯用水温センサ33の検出により温湯消毒槽1内の温湯の温度が所望の温度に達している場合は、ボイラ29並びにインラインヒータ30を停止して、回収槽36内の水を加温せずに温湯消毒槽1に補給するようになる。水位計39の検出により温湯消毒槽1内の水位が設定値に達したことが制御部40に入力されると、制御部40からの出力により、開閉弁38が閉じ、ボイラ29並びにインラインヒータ30を停止して、水の補給を停止する。温湯消毒槽1内の水位が設定値に達している場合に、温湯用水温センサ33の検出により温湯消毒槽1内の温湯の温度が所望より低いことが制御部40に入力されると、制御部40からの出力により、前記温湯循環状態に切替弁27が切り替えられ、ポンプ29が作動し、ボイラ31が作動してインラインヒータ30が作動して、温湯消毒槽1内の温湯を循環しながら加熱し温湯が所望の温度(約60℃)となるよう制御される。
【0051】
また、前記切替弁27は、給水路37からの水と温湯戻り路26からの温湯とを混合して給湯路28へ供給する混合状態に切り替えることができる構成となっている。更に、前記混合状態において、給水路37からの水と温湯戻り路26からの温湯との混合割合を変更して調節できるようになっている。これにより、温湯消毒槽1内の水位や水温に応じて、所望の水位及び水温に精度良く制御することができるようにしている。また、温湯消毒槽1内の水位が設定値に達している場合でも、温湯消毒槽1内の温湯が種子により汚れているときには、給水路37からの水を温湯消毒槽1内に供給するようにし、汚れた温湯を温湯オーバーフロー樋24からオーバーフローさせて外部に排出することができる。
【0052】
よって、温湯消毒槽1内の温湯が汚れている場合に種子消毒作業を中断して前記温湯を入れ替えるようなことをせずに、種子消毒作業をしながら温湯消毒槽1内の温湯を入れ替えることができ、種子消毒の連続作業が行えて作業能率の向上が図れる。
【0053】
この構成によると、熱効率の向上をはかり、使用水量の削減を図ることができる。特に、回収槽36に貯留する水は、次回の種子消毒作業開始時に温湯消毒槽1に水を張り込むのに使用でき、あるいは非作業時に洗浄用の水として温湯消毒槽1に張り込むことができる。
【0054】
尚、上記とは別に、温湯消毒槽1に新たな水を供給するための給水手段となる消毒用給水口41を設けている。また、前述のように、冷却槽10に新たな水を供給するための給水手段となる冷却用給水口18を設けている。冷却用給水口18は、冷却槽10内の水温を検出する冷却用の水温センサ42の検出に基づいて、水温が所定温度より高いときに冷却用の制御部43からの信号により自動的に開いて給水する構成となっている。これにより、冷却槽10内の水温を所望の温度に維持することができ、冷却効果を高めることができる。尚、冷却用給水口18は冷却槽10内において種子の排出側(排出シュート17側)の端部の位置で給水する構成となっているので、冷却用給水口18からの冷却水は冷却槽10内において仕切り壁16で仕切られる前記排出側の区画から順次供給され、前記排出側の区画ほど水温を低くして種子が順次水温が低い区画に搬送されていく構成にでき、冷却効果を高めることができる。
【0055】
次に、図11に基づき乾燥及び保管工程について説明する。冷却装置Bの排出シュート17から取り出した種子袋Pを、脱水機51で脱水し、次いで、網コンテナ46に段積みし、網コンテナ46を水切り図6の乾燥装置Cまたは乾燥室52に送り込んで乾燥する。次いで、放冷室53に網コンテナ46を送り込んで放冷し、低温貯蔵庫53に送り込み貯蔵する。この構成によると、網コンテナ46に種子袋Pを段積みしたままで連続して乾燥、放冷、貯蔵をすることができ、作業時間を短縮し作業能率を高めることができる。
【0056】
次に、図12に基づき乾燥装置Cについて説明する。
乾燥室55の一側には乾燥受け台56を設け、他側には送風ファン57、出芽用暖房機58を設けている。乾燥室55の底部には温風通路44を設け、温風通路44を経由して暖房機58で温めた空気を送風ファン57で送り、乾燥受け台56に送り込むように構成している。
【0057】
また網コンテナ46にコンテナシート48を敷き込んで多数の種子袋Pを段積みし、この網コンテナ46を乾燥受け台56に載置する。そして、網コンテナ46の上部にはダクトフード47を載置し、ダクトフード47の下部とコンテナシート48の上部とを、例えばファスナ49により密閉状に接続して簡易乾燥室を構成し、ダクトフード47の上部と送風ファン57とを循環通路45により接続し、乾燥風を循環するように構成している。
【0058】
また、乾燥受け台56には、下側が狭く上側の網コンテナ46下部全面に向かって順次拡がる乾燥風路56aを仕切り板56bにより仕切り構成し、温風通路44から網コンテナ46に向けて乾燥風を均等に送り込み、段積み種子袋Pを均等に乾燥するように構成している。前記構成によると、網コンテナ46には下側から上側へ向けて均等な乾燥風が流れ、種子袋Pを均等に能率的に乾燥することができる。
【0059】
尚、冷却水オーバーフロー樋34すなわち冷却水のオーバーフロー口を、冷却槽10内において種子の投入側(温湯消毒装置A側)の端部の位置に設けても良い。これにより、冷却槽10において冷却用給水口18とオーバーフロー口とを互いに対向する端部に配置することになり、種子を冷却することにより温度上昇した水をオーバーフロー口から効率良く排出しながら、冷却用給水口18からの水をオーバーフローさせずに冷却槽10内に効率良く供給することができるので、種子の冷却効果を高めることができる。また、温度上昇した水をオーバーフロー口から効率良く回収槽36に回収できるので、回収槽36から給水路37を介して給湯路28へ供給される水の温度を高めることになり、ヒータ30による加熱量を抑えることができ、ボイラ31の燃費の削減が図れてランニングコストの低減が図れる。また、仕切り壁16により冷却槽10の種子投入側の区画ほど水温が高くなるようにしているので、温度上昇した水をオーバーフロー口から効率良く排出できる。更に、各区画を経た上澄みの水をオーバーフロー口から回収できるので、きれいな水を温湯用として再利用することができる。
【0060】
図13は異なる温湯及び冷却水の供給経路を示すものであり、前述のように温湯戻り路26及び切替弁27を設けず、回収槽36からの水を給水路37及び給湯路28を介して直接温湯消毒槽1へ供給するものである。この構成においても、温湯消毒槽1内の温湯が汚れている場合に種子消毒作業を中断して前記温湯を入れ替えるようなことをせずに、種子消毒作業をしながら温湯消毒槽1内の温湯を入れ替えることができ、種子消毒の連続作業が行えて作業能率の向上が図れると共に、回収槽36から給水路37を介して給湯路28へ供給される水の温度を高めることになり、ヒータ30による加熱量を抑えることができ、ボイラ31の燃費の削減が図れてランニングコストの低減が図れる。
【0061】
更に、図14に示すように、温湯オーバーフロー樋24にオーバーフローした温湯消毒槽1内からの温湯を回収槽36に回収する回収路59を設けると共に、冷却水オーバーフロー樋34を種子の投入側部分(温湯消毒装置A側部分)34aと種子の排出側部分(排出シュート14側部分)34bとに区別し、前記投入側部分34aでオーバーフローした冷却水を回収槽36に回収し、前記排出側部分34bでオーバーフローした冷却水は外部に排出する構成とすることができる。尚、洗浄時等に温湯消毒槽1内の温湯を外部に排出する排出弁60を設けている。これにより、前記投入側部分34aでオーバーフローする比較的温度の高い水を回収槽36へ回収できるので、回収槽36から給水路37を介して給湯路28へ供給される水の温度を高めることになり、ヒータ30による加熱量を抑えることができ、ボイラ31の燃費の削減が図れてランニングコストの低減が図れる。
【0062】
また、冷却槽10の最も種子排出側の冷却バケット8の反転方向を、前述のように後方だけでなく、左方や右方に変更できる構成としてもよい。具体的には、冷却バケット8を反転させるモータ61ごと冷却バケット8を冷却槽10に対して異なる向きに設置できる構成とすればよい。これにより、施設内のスペース等の制約があっても、合理的に作業のしやすい方向に種子を排出することができる。いいかえれば、種々の施設に適応させることができる。また、複数の冷却バケット8の配列も、一直線上ではなく、種々の配列をとることができる。尚、冷却バケット8の向きの変更による種子の排出方向の変更に伴って、排出シュート17の取付位置も変更すればよい。
【0063】
また、種子バケット2に種子(種子袋P)を供給するとき、図15に示すような自動供給装置62を使用してもよい。この自動供給装置62は、種子袋Pを載置する載置部を区切るラグ63aを備えたベルト式の供給コンベア63と、該供給コンベア63を駆動チェン64を介して駆動する駆動モータ65とを備え、供給コンベア63をラグ63aのピッチづつ作動させることにより、種子バケット2に種子袋Pを左右2個づつ供給する構成である。供給コンベア63と種子袋供給位置rの種子バケット2との間には、種子袋Pを種子バケット2へ案内するシュータ66を設けている。そして、種子バケット2が種子袋供給位置rに到達したことを検出するバケット位置センサ67の検出に基づいて、駆動モータ65が作動して種子バケット2に種子袋Pを供給する構成となっている。尚、種子袋Pへの種子の充填は、種子を繰り出してその重量が所定量となったときに繰り出しを自動停止する計量器68を使用できる。計量器68で充填された種子袋Pは、作業者が供給コンベア63へ供給する。これにより、種子バケット2が種子袋供給位置rで停止しているときに確実に該種子バケット2に種子袋Pを供給することができると共に、その種子袋Pの供給作業が容易になる。
【0064】
また、図16に示すように、前記ブロア21を冷却槽10用と温湯消毒槽1用とで個別に設けた場合、温湯消毒槽1用のブロア21はボイラ31の排気を吸引する構成とすれば、ボイラ31の排気熱により温湯消毒槽1へ供給する空気の温度を上昇でき、温湯消毒槽1内の温度低下を防止できる。
【0065】
尚、図17に示すように、温湯消毒槽1の空気供給管22を、種子バケット2の下方と左右両側方との三方から該種子バケット2へ空気を噴出する構成とすれば、更なる種子の攪拌効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0066】
1:温湯消毒槽、10:冷却槽、18:冷却用給水口、26:温湯戻り路、27:切替弁、28:給湯路、30:インラインヒータ、35:還流路、36:回収槽、37:給水路、42:冷却用の水温センサ、43:冷却用の制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、種子を温湯に浸漬して消毒する種子消毒設備に関する。
【背景技術】
【0002】
温湯を貯留する温湯消毒槽と、冷却水を貯留する冷却槽と、該冷却槽に冷却水を供給する冷却水供給手段と、冷却槽内の冷却水が所定量以上となったときにオーバーフローする冷却水を冷却水オーバーフロー経路を介して回収する回収槽と、該回収槽からの水が給水経路を介して供給される貯留槽と、該貯留槽の水を温湯消毒槽へ供給する給湯経路と、該給湯経路を流れる水を加温するヒータと、温湯消毒槽からの温湯を貯留槽を介して給湯経路に供給する戻り経路とを設けた種子消毒装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−158302号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記背景技術によると、温湯消毒槽から排出される戻り経路を流れる温湯は、一旦冷却水オーバーフロー経路を介して回収される冷却水と混合されて回収槽へ回収されるため、温度が低下し、給湯経路を介して再度温湯消毒槽へ供給するとき、所望の温度に上昇させるためにヒータにより多量の熱量で加温する必要があり、ランニングコストの上昇を招くおそれがある。
【0005】
そこで、ランニングコストの低減を図ると共に、均一な消毒を効率よく行うことができるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上記課題を解決するべく次のような技術的手段を講じた。
すなわち、請求項1に係る発明は、温湯を貯留する温湯消毒槽(1)と、冷却水を貯留する冷却槽(10)と、種子を収容する多数の種子バケット(2)と、該種子バケット(2)を温湯消毒槽(1)に浸漬させるべく循環移送する循環移送装置(3)を設け、該循環移送装置(3)は、で種子バケット(2)を下降させて温湯消毒槽(1)内の温湯に浸漬させ、温湯消毒槽(1)内に浸漬した状態で種子バケット(2)を移送する構成とした種子消毒設備とした。
【0007】
また、請求項2に係る発明は、温湯消毒槽(1)内に浸漬した状態で種子バケット(2)を移送中の時間より移送停止時間の方が長くなるよう間欠的に移送する構成とした請求項1に記載の種子消毒設備とした。
【0008】
また、請求項3に係る発明は、温湯消毒槽(1)内に浸漬した種子バケット(2)を上昇させ、上昇させた種子バケット(2)を搬送始端側へ連続的に移送して戻す構成とした請求項1に記載の種子消毒設備とした。
【0009】
また、請求項4に係る発明は、前記移送停止時間を変更できる構成とした請求項2に記載の種子消毒設備とした。
また、請求項5に係る発明は、温湯消毒槽(1)には、温水噴出口(13)と空気噴出管(19)を設けた請求項1に記載の種子消毒設備とした。
【0010】
また、請求項6に係る発明は、温水噴出口(13)と空気噴出管(19)を、温湯消毒槽(1)の底部で、間欠移送により停止する種子バケット(2)の停止位置の下方に配置した請求項2に記載の種子消毒設備とした。
【0011】
また、請求項7に係る発明は、温湯消毒槽(1)内から上昇する種子バケット(2)を反転させて種子を排出する反転装置(7)を設けた請求項1に記載の種子消毒設備とした。
【0012】
また、請求項8に係る発明は、冷却槽(10)は、複数の冷却バケット(12)を設け、冷却終端側の冷却バケット(12)から順次反転することにより、種子を次の冷却バケット(12)に排出して移送する構成とし、冷却バケット(12)は、反転時に2度回動する構成とした請求項1に記載の種子消毒設備とした。
【0013】
また、請求項9に係る発明は、冷却槽(10)に冷却水を供給する給水手段(18)と、冷却槽(10)内の冷却水が所定量以上となったときにオーバーフローする冷却水を冷却水オーバーフロー経路(35)を介して回収する回収槽(36)と、該回収槽(36)からの水が給水経路(37)を介して供給される切替弁(27)と、該切替弁(27)からの水が供給され該水を温湯消毒槽(1)へ供給する給湯経路(28)と、該給湯経路(28)を流れる水を加温するヒータ(30)と、温湯消毒槽(1)からの温湯を前記切替弁(27)に供給する戻り経路(26)とを設け、前記切替弁(27)は、給水経路(37)からの水を給湯経路(28)へ供給する状態と、戻り経路(26)からの温湯を給湯経路(28)へ供給する状態とに切り替える構成とした請求項1に記載の種子消毒設備とした。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明によると、温湯消毒槽(1)内に浸漬した状態で種子バケット(2)を移送するので、均一な消毒を効率よく行うことができる。
請求項2の発明によると、請求項1の発明の効果に加えて、温湯消毒槽(1)内に浸漬した状態で種子バケット(2)を移送中の時間より移送停止時間の方が長くなるよう間欠的に移送するので、均一な消毒を効率よく行うことができる。
【0015】
請求項3の発明によると、請求項1の発明の効果に加えて、上昇させた種子バケット(2)を搬送始端側へ移送する移送速度を、温湯消毒槽(1)内を浸漬した状態で種子バケット(2)を移送する移送速度よりも速くでき、空の種子バケット(2)の数を減らすことにより、コストダウンが図れる。
【0016】
請求項4の発明によると、請求項2の発明の効果に加えて、移送停止時間の変更により同一の種子バケット(2)が温湯消毒槽(1)に浸漬される総時間を変更でき、種子の品種に応じて種子の消毒時間を変更することができる。また、移送中の移送速度を変えずに容易に浸漬時間を変えることができる。
【0017】
請求項5の発明によると、請求項1の発明の効果に加えて、温湯消毒槽(1)内の温度むらを抑えることができると共に、種子を均等に攪拌でき、種子の殺菌効果を高めることができる。
【0018】
請求項6に係る発明によると、請求項2の発明の効果に加えて、温水噴出口(13)と空気噴出管(19)の上方に種子バケット(2)を長く滞留させることができ、種子の殺菌効果を高めることができる。
【0019】
請求項7に係る発明によると、請求項1に係る発明の効果に加えて、反転装置(7)により、温湯消毒槽(1)内から上昇する種子バケット(2)を反転させて、消毒された種子を排出することができる。
【0020】
請求項8に係る発明によると、請求項1に係る発明の効果に加えて、種子を順に次の冷却バケット(12)に排出して移送できると共に、冷却バケット(12)が反転時に2度回動するので、種子の排出を確実に行える。
【0021】
請求項9に係る発明によると、請求項1に係る発明の効果に加えて、切替弁(27)により戻り経路(26)からの温湯をそのまま給湯経路(28)へ供給する状態に切り替えることができるので、戻り経路(26)からの温湯の温度低下を抑えつつ、該温湯をヒータ(30)により加温して温湯消毒槽(1)へ再度供給することができ、前記ヒータ(30)による加熱量を抑えることができ、ランニングコストの低減が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】温湯消毒設備の一部を示す平面図
【図2】温湯消毒設備の一部を示す側面図
【図3】移送装置及び下降装置の一部を示す側面図
【図4】上昇装置の一部を示す側面図
【図5】上昇装置の一部及び戻り装置の一部を示す側面図
【図6】種子袋供給位置を示す側面図
【図7】反転カム及びガイド板を示す側面図
【図8】冷却槽を示す断面側面図
【図9】冷却槽を示す平面図
【図10】温湯及び冷却水の供給経路を示す図
【図11】乾燥・出荷工程の工程図
【図12】乾燥装置の内部を説明する側面図
【図13】異なる温湯及び冷却水の供給経路を示す図
【図14】異なる温湯及び冷却水の供給経路を示す図
【図15】自動供給装置を示す図
【図16】異なる温湯消毒設備の一部を示す側面図
【図17】異なる空気供給管を示す温湯消毒槽の断面平面図
【発明を実施するための形態】
【0023】
この発明の実施の一形態を、以下に説明する。
種子消毒設備は、前工程から後工程の順に温湯消毒装置A、種子冷却装置B、乾燥装置Cを順次設けている。温湯消毒装置Aは、箱型の温湯消毒槽1を設け、温湯消毒槽1の上方には多数の種子バケット2を循環移送する循環移送装置3を設けている。尚、前記温湯消毒槽1は、11個の種子バケット2を連ねて収容できる構成となっている。また、種子バケット2には、所定量ごとに種子を収容する網状の種子袋Pを入れるようになっている。
【0024】
循環移送装置3は移送始端側にあって多数の孔を形成する種子バケット2を下降させて温湯消毒槽1内の温湯に浸漬させる下降装置3dと、温湯消毒槽1内を浸漬した状態で種子バケット2を移送する移送装置3aと、移送終端側にあって温湯消毒槽1内を浸漬した種子バケット2を上昇させる上昇装置3bと、上昇装置3bで上昇させた種子バケット2を下降装置3dまで戻す戻し装置3cとを備えている。
【0025】
移送装置3aは、種子バケット2の上端に設けた縁部2aを左右下側から受ける案内レール部4を備え、移送始端部には種子バケット2を移送させるためのチェン式の移送コンベア5を左右に設けている。移送コンベア5は、周回経路の適宜位置に種子バケット2を移送させる押し用突起5aを備え、該押し用突起5aが種子バケット2の縁部の左右に固着した左右方向の固着軸2bを移送方向に押すことで当該種子バケット2を移送し、移送下手側の種子バケット2が順次移送上手側の種子バケット2に押されて温湯消毒槽1内で種子バケット2が移送されていく構成となっている。
【0026】
上昇装置3bは、案内レール部4の終端(移送終端)にある種子バケット2の固着軸2bが引っ掛かる持上げ用突起6aを備えるチェン式の上昇コンベア6を左右に設けている。従って、該上昇コンベア6の駆動により、案内レール部4の終端(移送終端)にある種子バケット2の固着軸2bが持上げ用突起6aに持上げられ、種子バケット2が上昇する構成となっている。上昇コンベア6は、持上げ用突起6aが固着軸2bに引っ掛かる上昇始端位置から種子バケット2を上昇させるにつれて移送装置3aの移送方向に移動させる斜めの移動経路(周回経路)を備えた側面視で三角形状の周回経路で周回する。そして、前記斜めの移動経路の途中で種子バケット2を反転させる反転カム7を左右に設けており、種子バケット2の上昇で前記反転カム7が種子バケット2の縁部2aにおける固着軸2bの一方側(移送装置3aの移送方向側、種子冷却装置B側)に上側から接触して押し下げることにより、固着軸2bを支点に種子バケット2をその上部の開口部が種子冷却装置B側に向くように反転させ、種子バケット2内の種子袋Pを種子冷却装置Bの冷却バケット8へ排出する構成となっている。尚、温湯消毒槽1の上端から反転カム7の位置にかけて、上昇あるいは反転する種子バケット2から垂れ落ちる温湯を温湯消毒槽1へ案内するガイド板9を設けている。このガイド板9により、種子バケット2から垂れ落ちる温湯を温湯消毒槽1へ戻して温湯消毒槽1内の熱の放出を抑えると共に、前記温湯が種子冷却装置Bの冷却槽10に垂れ落ちることによる冷却効率の低下を防止できる。
【0027】
戻し装置3c及び下降装置3dは、種子バケット2の固着軸2bが引っ掛かる搬送用突起11aを備えるチェン式の戻しコンベア11を左右に備えて構成されている。尚、前記搬送用突起11aは、戻しコンベア11の周回方向の前後に対向して配置され、前後の突起11aで固着軸2bを挟むようにして保持する構成となっている。従って、上昇装置3bの上昇コンベア6でその上端部に上昇した種子バケット2を、前記戻しコンベア11が、受け継いで移送装置3aの移送始端側に横移動した後、下降させてその下降経路の途中の種子袋供給位置rで待機させる。この種子袋供給位置rで、種子バケット2は温湯消毒槽1の上方に位置しており、作業者が当該種子バケット2に種子袋Pを供給するようになっている。そして、移送装置3aが作動して移送始端部に種子バケット2を収容するスペースができると、戻しコンベア11を作動させて前記種子袋供給位置rにある種子バケット2を下降させ、種子バケット2を戻しコンベア11の下端から温湯消毒槽1へ落下して供給する。尚、種子袋供給位置rで待機する種子バケット2は、下部の前側が温湯消毒槽1に取り付けたガイド12に接触し、上部の開口部が前側に向くように傾く。これにより、作業者が種子バケット2に種子(種子袋P)を容易に供給できる。更に、種子バケット2が傾いている分、種子バケット2が温湯消毒槽1の温湯に浸されない高さで且つ当該種子バケット2の前記開口部の高さを極力低く設定することができるため、種子バケット2への種子(種子袋P)の供給が容易である。
【0028】
また、種子袋供給位置rにある種子バケット2を下降させて戻しコンベア11の下端から温湯消毒槽1へ落下するとき、種子バケット2の縁部2aが案内レール部4に衝突することにより騒音が発生したり衝撃で縁部2aを変形させるおそれがある。そこで、種子バケット2の縁部2aが案内レール部4に衝突する前に種子バケット2の底部が温湯消毒槽1の底面に接触するよう、温湯消毒槽1の底面の一部に隆起させた隆起部を設け、該隆起部に落下する種子バケット2の底部が先ず接触する構成とすれば、衝突する部分が水中であるので衝撃音を抑えられ、また縁部2aの変形を防止して循環移送装置3による種子バケット2の移送の適正化が図れる。
【0029】
尚、移送装置3aは複数の種子バケット2を同時に間欠的に移送していくのに対して、戻し装置3c及び下降装置3dは単一の種子バケット2を種子袋供給位置rまで連続的に移送する構成となっている。従って、戻し装置3c及び下降装置3dの移送速度が移送装置3aの移送速度より速く設定されており、空の種子バケット2の数を減らすことにより、コストダウンが図れると共に、温湯消毒槽1の上方の空の種子バケット2の数が少ないため、作業者が温湯消毒槽1内の消毒状況や運転状況を視認するときに空の種子バケット2が邪魔になりにくい。
【0030】
また、移送装置3aで間欠的に移送される種子バケット2の移送は、移送中の時間より移送停止状態の時間の方が長くなるように設定されている。従って、温湯消毒槽1内の後述する温水噴出口13の上方に種子バケット2を長く滞留させることができ、種子の殺菌効果を高めることができる。また、移送装置3aの移送停止時間を長くすることで、これに連動する上昇装置3b及び下降装置3dの停止時間を長く設定することができるので、種子袋供給位置rでの種子バケット2の停止時間を長く設定でき、停止している種子バケット2に種子(種子袋P)を容易に供給できる。また、前記移送装置3aの移送停止時間は調節手段により変更できる構成となっており、この移送停止時間の変更により同一の種子バケット2が温湯消毒槽1に浸漬される総時間を変更できる。従って、種子の品種に応じて種子の消毒時間を変更することができる(例えば、うるち米の種籾は10分間浸漬し、もち米の種籾は6分間浸漬する等)。これにより、移送装置3aの移送中の移送速度を変えずに容易に浸漬時間を変えることができる。尚、移送装置3a、上昇装置3b、戻し装置3c及び下降装置3dは、共通の駆動源(モータ)により作動する。
【0031】
また、種子消毒作業中に装置の故障や点検等のために非常停止したときは、その非常停止時間を計測して前記の消毒時間に加算する制御がなされる。従って、非常停止した分、移送装置3aで間欠移送の停止時間が短くなる。このとき、非常停止中に設定の消毒時間に達した場合は、ランプ等の警報手段により警報する。よって、種子を必要以上に長く温湯に浸漬することにより、種子割れ等の種子の損傷を防止できる。
【0032】
温湯消毒槽1内の底部には所定間隔毎に温水噴出口13を配設し、間欠移送されながら停止している種子バケット2の停止位置下方に温水噴出口13を位置させ、種子バケット2に向けて温水を噴出し、温水が種子バケット2の孔を通過し網状の種子袋Pに収容する種子(種籾)に作用する構成としている。なお、温湯消毒槽1の底部を前後方向中間部に向けて下り傾斜に構成し、中間部に排水溝14を構成している。
【0033】
温湯消毒槽1の後工程には供給シュート15を介して種子冷却装置Bを設けている。この種子冷却装置Bには、供給シュート15の後側に前後方向に長い種子冷却槽10を設け、この種子冷却槽10には前側から後側に向けて複数の冷却バケット8を設けている。冷却バケット8は多数の孔を形成し、左右方向の軸8aにより横軸心回動自在に支持している。そして、冷却バケット8が軸8aを軸心に回動反転すると冷却バケット8内に収容する種子袋Pが次の冷却バケット8に収容される構成である。尚、冷却バケット8は、反転時に小さく2度回動して種子袋Pの排出を確実に行うようにしている。冷却槽10内には各冷却バケット8の収容部ごとに槽内を仕切る仕切り壁16を設けており、この仕切り壁16は種子の排出側(排出シュート17側)のものほど高くなっている。そして、冷却槽10に新たな水を供給する冷却用給水口18が種子冷却槽10内において種子の排出側(排出シュート17側)の端部の位置で給水する構成となっており、冷却用給水口18からの冷却水は冷却槽10内において仕切り壁16で仕切られる前記排出側の区画から順次供給されていくことになる。
【0034】
尚、種子バケット2が上昇装置3bで上昇して反転カム7で反転する直前に到達したことをセンサで検出すると、最も温湯消毒装置Aに近い冷却バケット8が反転してから元に戻り、その後種子バケット2が上昇して反転カム7で反転する構成となっている。これにより、種子バケット2から冷却バケット8に種子を供給する直前に当該冷却バケット8の種子を次の冷却バケット8に供給することができ、冷却バケット8による種子の冷却時間を長くすることができて冷却効果を高めることができる。
【0035】
また、種子バケット2の容積より冷却バケット8の容積が大きく設定されている。よって、種子バケット2の容積が小さいので、温湯消毒槽1内の種子バケット2が供給されない不要な部分を小さくして温湯を効率良く使用できる。また、冷却バケット8の容積が大きいので、後述する空気噴出口19からの空気により種子の攪拌が容易になり、冷却効果が高まる。
【0036】
また、冷却槽10の冷却バケット8の下方には、空気噴出管20をそれぞれ設け、ブロワ21により空気噴出口19に空気を供給し、浸漬中の冷却バケット8に向けて空気を噴出する構成としている。また、温湯消毒槽1にも空気噴出管19を設けており、この空気噴出管19は、温水噴出口13を備える温水管22の上側で平面視で交差(直交)するように配置されている。温水管22は温湯消毒槽1の長手方向(前後方向)に延び、温水噴出口13が左右に温湯を噴出するので、温湯消毒槽1の短手方向(左右方向)の対流が前後方向の全体にわたって均等に発生し、温湯消毒槽1内の温度むらを抑えることができる。空気噴出管19は、停止する各種子バケット2の下方に位置しており、各種子バケット2へ向けて空気を噴出することにより全ての種子を均等に攪拌できる。
【0037】
前記ブロア21は冷却槽10用と温湯消毒槽1用とで共通であり、温湯消毒槽1の空気噴出管19へは温湯消毒槽1の外面(側面)で接触する前後に長い接触管23を介して空気が供給される。この接触管23により、温湯消毒槽1へ供給する空気の温度を上昇させることができ、温湯消毒槽1内の温度低下を防止している。
【0038】
次に種子消毒の工程について説明する。
下降装置3dの途中の種子袋供給位置rに停止している種子バケット2に種子を収容した網状の種子袋Pを供給する。そして種子袋供給位置rから温湯消毒槽1内まで下降装置3dで種子バケット2を下降して温湯に浸漬する。
【0039】
温湯消毒槽1内では種子バケット2は移送装置3aで移送され、移送装置3aは間欠駆動する。そして、種子バケット2は温水噴出口13に対向する位置に停止し、停止した状態で噴出する温水に晒され、種子袋P内の種子の消毒作用を促進するものである。
【0040】
各温水噴出口13毎に設定時間停止しながら移送された種子バケット2は移送終端側で上昇装置3bによって引き上げられる。そして上昇装置3bの途中にある反転装置7で種子バケット2が反転し、種子バケット2内の種子袋Pは排出され、供給シュート15を通過して冷却槽10の始端側の冷却バケット8内に供給される。
【0041】
空になった種子バケット2は上昇装置3bで引き続いて上方に移送され、次いで、戻し装置3cで移送始端側に向けて温湯消毒槽1の上方を間欠移送され、下降装置3dで再度種子袋供給位置rに循環移送される。
【0042】
なお、循環移送装置3は間欠駆動の代わりに低速で連続的に駆動するように構成してもよい。
冷却槽10の冷却バケット8に供給された種子袋Pは冷却水により冷却される。冷却バケット8は循環移送装置3の間欠駆動と連動する構成とし、温湯消毒槽1から種子冷却槽10へ次の種子袋Pが供給される前に回動反転して次の冷却バケット8へ種子袋Pを供給し、温湯消毒槽1からの種子袋Pを受け入れる。すなわち、冷却終端側の冷却バケット8から順次回動反転することで種子袋Pを順に次の冷却バケット8に移送すると共に、冷却始端側の冷却バケット8に温湯消毒槽1からの種子袋Pを受け入れるようにしている。
【0043】
そして、複数の冷却バケット8を順次通過した種子袋Pは排出シュート17から排出され、次工程の乾燥装置Cで乾燥される。
この種子消毒装置によると、前後に長い温湯消毒槽1により複数の種子バケット2を移送しながら連続的に能率的に温湯消毒することができ、また、温湯消毒装置Aから種子冷却装置Bに種子袋Pを簡単に供給することができる。
【0044】
また、循環移送装置3が設定時間毎に間欠駆動するため、一つの種子バケット2が温湯に浸漬する時間を一定にすることができ、かつ停止毎に温水にさらされるため、多数の種子袋Pに均一な消毒を効率よく行なうことができる。そして、冷却バケット8と循環移送装置3は連動して駆動するため、種子袋Pを冷却水に浸漬する時間をも一定にすることができ多数の種子袋Pに均一な冷却を行なうことができる。
【0045】
また、温水噴出口13を温湯消毒槽1内全体にわたって設定間隔毎に配置することで、温湯消毒槽1内の温度むらを防止し、種子バケット2内の種子袋Pの種子に温湯の浸透が均等化し、温湯殺菌効果を高めることができる。また、種子バケット2を温湯消毒槽1内で間欠移送することにより、種子の浸漬、離水が迅速になり、浸漬殺菌時間が正確となり、殺菌効果を高めることができる。すなわち、本実施の形態では1つの種子バケット2は10箇所の温水噴出口13毎にその上方で停止して浸漬される。
【0046】
また、冷却槽10内に空気を噴出させることで、冷却槽10内の冷却水の温度上昇を低減する防止することができ、冷却効果を大きくすることができる。
また、冷却バケット8を所定時間毎に駆動反転させ、冷却水内で種子袋Pを所定時間停止冷却しながら移送するので、冷却効果を高めることができる。
【0047】
次に図10に基づいて温湯消毒槽1及び冷却槽10に使用する温湯及び冷却水の供給経路について説明する。
温湯消毒槽1内には温湯オーバーフロー樋24を設け、温湯オーバーフロー樋24にオーバーフローした温湯は外部に排出される。また、温湯消毒槽1内には温湯オーバーフロー樋24とは別の温湯排出口25を設け、該温湯排出口25から戻り経路となる温湯戻り路26を介して切替弁27に供給される。従って、前記切替弁27の切替により、前記温湯排出口25から温湯を排出する状態に切り替える構成となっている。
【0048】
そして、温湯戻り路26からの温湯は、切替弁27を介して給湯経路となる給湯路28に供給される。該給湯路28には、ポンプ29及びヒータとなるインラインヒータ30を設けている。尚、前記インラインヒータ30は、ボイラ31から各種バルブを備える蒸気供給路32を介して水蒸気が供給され、熱量を得る構成である。この給湯路28を介して温湯が温水噴出口13から温湯消毒槽1へ供給される。尚、温湯消毒槽1内の温湯の温度は温湯用水温センサ33により約60℃になるよう制御する。
【0049】
また、冷却槽10からオーバーフローした冷却水を、冷却水オーバーフロー樋34、冷却水オーバーフロー経路となる還流路35を経由して回収槽36に還流するように構成している。回収槽36内の冷却水は、給水経路となる給水路37へ供給される。該給水路37は、開閉弁38を備え、前記切替弁27へ水を供給する構成となっている。そして、切替弁27の切替により、給水路37の水を給湯路28に供給する構成となっている。
【0050】
従って、切替弁27は、給水路37からの水を給湯路28へ供給する水補給状態と、温湯戻り路26からの温湯を給湯路28へ供給する温湯循環状態とに切り替わる構成となっている。また、温湯消毒槽1には、水位計39と前述した温湯用水温センサ33とを設けている。よって、水位計39の検出により温湯消毒槽1内の水位が設定値より低いことが制御部40に入力されると、制御部40からの出力により、開閉弁38が開き、前記水補給状態に切替弁27が切り替えられ、ポンプ29が作動し、ボイラ31が作動してインラインヒータ30が作動し、回収槽36内の水を加温しながら温湯消毒槽1に補給するよう制御される。このとき、温湯用水温センサ33の検出により温湯消毒槽1内の温湯の温度が所望の温度に達している場合は、ボイラ29並びにインラインヒータ30を停止して、回収槽36内の水を加温せずに温湯消毒槽1に補給するようになる。水位計39の検出により温湯消毒槽1内の水位が設定値に達したことが制御部40に入力されると、制御部40からの出力により、開閉弁38が閉じ、ボイラ29並びにインラインヒータ30を停止して、水の補給を停止する。温湯消毒槽1内の水位が設定値に達している場合に、温湯用水温センサ33の検出により温湯消毒槽1内の温湯の温度が所望より低いことが制御部40に入力されると、制御部40からの出力により、前記温湯循環状態に切替弁27が切り替えられ、ポンプ29が作動し、ボイラ31が作動してインラインヒータ30が作動して、温湯消毒槽1内の温湯を循環しながら加熱し温湯が所望の温度(約60℃)となるよう制御される。
【0051】
また、前記切替弁27は、給水路37からの水と温湯戻り路26からの温湯とを混合して給湯路28へ供給する混合状態に切り替えることができる構成となっている。更に、前記混合状態において、給水路37からの水と温湯戻り路26からの温湯との混合割合を変更して調節できるようになっている。これにより、温湯消毒槽1内の水位や水温に応じて、所望の水位及び水温に精度良く制御することができるようにしている。また、温湯消毒槽1内の水位が設定値に達している場合でも、温湯消毒槽1内の温湯が種子により汚れているときには、給水路37からの水を温湯消毒槽1内に供給するようにし、汚れた温湯を温湯オーバーフロー樋24からオーバーフローさせて外部に排出することができる。
【0052】
よって、温湯消毒槽1内の温湯が汚れている場合に種子消毒作業を中断して前記温湯を入れ替えるようなことをせずに、種子消毒作業をしながら温湯消毒槽1内の温湯を入れ替えることができ、種子消毒の連続作業が行えて作業能率の向上が図れる。
【0053】
この構成によると、熱効率の向上をはかり、使用水量の削減を図ることができる。特に、回収槽36に貯留する水は、次回の種子消毒作業開始時に温湯消毒槽1に水を張り込むのに使用でき、あるいは非作業時に洗浄用の水として温湯消毒槽1に張り込むことができる。
【0054】
尚、上記とは別に、温湯消毒槽1に新たな水を供給するための給水手段となる消毒用給水口41を設けている。また、前述のように、冷却槽10に新たな水を供給するための給水手段となる冷却用給水口18を設けている。冷却用給水口18は、冷却槽10内の水温を検出する冷却用の水温センサ42の検出に基づいて、水温が所定温度より高いときに冷却用の制御部43からの信号により自動的に開いて給水する構成となっている。これにより、冷却槽10内の水温を所望の温度に維持することができ、冷却効果を高めることができる。尚、冷却用給水口18は冷却槽10内において種子の排出側(排出シュート17側)の端部の位置で給水する構成となっているので、冷却用給水口18からの冷却水は冷却槽10内において仕切り壁16で仕切られる前記排出側の区画から順次供給され、前記排出側の区画ほど水温を低くして種子が順次水温が低い区画に搬送されていく構成にでき、冷却効果を高めることができる。
【0055】
次に、図11に基づき乾燥及び保管工程について説明する。冷却装置Bの排出シュート17から取り出した種子袋Pを、脱水機51で脱水し、次いで、網コンテナ46に段積みし、網コンテナ46を水切り図6の乾燥装置Cまたは乾燥室52に送り込んで乾燥する。次いで、放冷室53に網コンテナ46を送り込んで放冷し、低温貯蔵庫53に送り込み貯蔵する。この構成によると、網コンテナ46に種子袋Pを段積みしたままで連続して乾燥、放冷、貯蔵をすることができ、作業時間を短縮し作業能率を高めることができる。
【0056】
次に、図12に基づき乾燥装置Cについて説明する。
乾燥室55の一側には乾燥受け台56を設け、他側には送風ファン57、出芽用暖房機58を設けている。乾燥室55の底部には温風通路44を設け、温風通路44を経由して暖房機58で温めた空気を送風ファン57で送り、乾燥受け台56に送り込むように構成している。
【0057】
また網コンテナ46にコンテナシート48を敷き込んで多数の種子袋Pを段積みし、この網コンテナ46を乾燥受け台56に載置する。そして、網コンテナ46の上部にはダクトフード47を載置し、ダクトフード47の下部とコンテナシート48の上部とを、例えばファスナ49により密閉状に接続して簡易乾燥室を構成し、ダクトフード47の上部と送風ファン57とを循環通路45により接続し、乾燥風を循環するように構成している。
【0058】
また、乾燥受け台56には、下側が狭く上側の網コンテナ46下部全面に向かって順次拡がる乾燥風路56aを仕切り板56bにより仕切り構成し、温風通路44から網コンテナ46に向けて乾燥風を均等に送り込み、段積み種子袋Pを均等に乾燥するように構成している。前記構成によると、網コンテナ46には下側から上側へ向けて均等な乾燥風が流れ、種子袋Pを均等に能率的に乾燥することができる。
【0059】
尚、冷却水オーバーフロー樋34すなわち冷却水のオーバーフロー口を、冷却槽10内において種子の投入側(温湯消毒装置A側)の端部の位置に設けても良い。これにより、冷却槽10において冷却用給水口18とオーバーフロー口とを互いに対向する端部に配置することになり、種子を冷却することにより温度上昇した水をオーバーフロー口から効率良く排出しながら、冷却用給水口18からの水をオーバーフローさせずに冷却槽10内に効率良く供給することができるので、種子の冷却効果を高めることができる。また、温度上昇した水をオーバーフロー口から効率良く回収槽36に回収できるので、回収槽36から給水路37を介して給湯路28へ供給される水の温度を高めることになり、ヒータ30による加熱量を抑えることができ、ボイラ31の燃費の削減が図れてランニングコストの低減が図れる。また、仕切り壁16により冷却槽10の種子投入側の区画ほど水温が高くなるようにしているので、温度上昇した水をオーバーフロー口から効率良く排出できる。更に、各区画を経た上澄みの水をオーバーフロー口から回収できるので、きれいな水を温湯用として再利用することができる。
【0060】
図13は異なる温湯及び冷却水の供給経路を示すものであり、前述のように温湯戻り路26及び切替弁27を設けず、回収槽36からの水を給水路37及び給湯路28を介して直接温湯消毒槽1へ供給するものである。この構成においても、温湯消毒槽1内の温湯が汚れている場合に種子消毒作業を中断して前記温湯を入れ替えるようなことをせずに、種子消毒作業をしながら温湯消毒槽1内の温湯を入れ替えることができ、種子消毒の連続作業が行えて作業能率の向上が図れると共に、回収槽36から給水路37を介して給湯路28へ供給される水の温度を高めることになり、ヒータ30による加熱量を抑えることができ、ボイラ31の燃費の削減が図れてランニングコストの低減が図れる。
【0061】
更に、図14に示すように、温湯オーバーフロー樋24にオーバーフローした温湯消毒槽1内からの温湯を回収槽36に回収する回収路59を設けると共に、冷却水オーバーフロー樋34を種子の投入側部分(温湯消毒装置A側部分)34aと種子の排出側部分(排出シュート14側部分)34bとに区別し、前記投入側部分34aでオーバーフローした冷却水を回収槽36に回収し、前記排出側部分34bでオーバーフローした冷却水は外部に排出する構成とすることができる。尚、洗浄時等に温湯消毒槽1内の温湯を外部に排出する排出弁60を設けている。これにより、前記投入側部分34aでオーバーフローする比較的温度の高い水を回収槽36へ回収できるので、回収槽36から給水路37を介して給湯路28へ供給される水の温度を高めることになり、ヒータ30による加熱量を抑えることができ、ボイラ31の燃費の削減が図れてランニングコストの低減が図れる。
【0062】
また、冷却槽10の最も種子排出側の冷却バケット8の反転方向を、前述のように後方だけでなく、左方や右方に変更できる構成としてもよい。具体的には、冷却バケット8を反転させるモータ61ごと冷却バケット8を冷却槽10に対して異なる向きに設置できる構成とすればよい。これにより、施設内のスペース等の制約があっても、合理的に作業のしやすい方向に種子を排出することができる。いいかえれば、種々の施設に適応させることができる。また、複数の冷却バケット8の配列も、一直線上ではなく、種々の配列をとることができる。尚、冷却バケット8の向きの変更による種子の排出方向の変更に伴って、排出シュート17の取付位置も変更すればよい。
【0063】
また、種子バケット2に種子(種子袋P)を供給するとき、図15に示すような自動供給装置62を使用してもよい。この自動供給装置62は、種子袋Pを載置する載置部を区切るラグ63aを備えたベルト式の供給コンベア63と、該供給コンベア63を駆動チェン64を介して駆動する駆動モータ65とを備え、供給コンベア63をラグ63aのピッチづつ作動させることにより、種子バケット2に種子袋Pを左右2個づつ供給する構成である。供給コンベア63と種子袋供給位置rの種子バケット2との間には、種子袋Pを種子バケット2へ案内するシュータ66を設けている。そして、種子バケット2が種子袋供給位置rに到達したことを検出するバケット位置センサ67の検出に基づいて、駆動モータ65が作動して種子バケット2に種子袋Pを供給する構成となっている。尚、種子袋Pへの種子の充填は、種子を繰り出してその重量が所定量となったときに繰り出しを自動停止する計量器68を使用できる。計量器68で充填された種子袋Pは、作業者が供給コンベア63へ供給する。これにより、種子バケット2が種子袋供給位置rで停止しているときに確実に該種子バケット2に種子袋Pを供給することができると共に、その種子袋Pの供給作業が容易になる。
【0064】
また、図16に示すように、前記ブロア21を冷却槽10用と温湯消毒槽1用とで個別に設けた場合、温湯消毒槽1用のブロア21はボイラ31の排気を吸引する構成とすれば、ボイラ31の排気熱により温湯消毒槽1へ供給する空気の温度を上昇でき、温湯消毒槽1内の温度低下を防止できる。
【0065】
尚、図17に示すように、温湯消毒槽1の空気供給管22を、種子バケット2の下方と左右両側方との三方から該種子バケット2へ空気を噴出する構成とすれば、更なる種子の攪拌効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0066】
1:温湯消毒槽、10:冷却槽、18:冷却用給水口、26:温湯戻り路、27:切替弁、28:給湯路、30:インラインヒータ、35:還流路、36:回収槽、37:給水路、42:冷却用の水温センサ、43:冷却用の制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
温湯を貯留する温湯消毒槽(1)と、冷却水を貯留する冷却槽(10)と、種子を収容する多数の種子バケット(2)と、該種子バケット(2)を温湯消毒槽(1)に浸漬させるべく循環移送する循環移送装置(3)を設け、該循環移送装置(3)は、種子バケット(2)を下降させて温湯消毒槽(1)内の温湯に浸漬させ、温湯消毒槽(1)内に浸漬した状態で種子バケット(2)を移送する構成とした種子消毒設備。
【請求項2】
温湯消毒槽(1)内に浸漬した状態で種子バケット(2)を移送中の時間より移送停止時間の方が長くなるよう間欠的に移送する構成とした請求項1に記載の種子消毒設備。
【請求項3】
温湯消毒槽(1)内に浸漬した種子バケット(2)を上昇させ、上昇させた種子バケット(2)を搬送始端側へ連続的に移送して戻す構成とした請求項1に記載の種子消毒設備。
【請求項4】
前記移送停止時間を変更できる構成とした請求項2に記載の種子消毒設備。
【請求項5】
温湯消毒槽(1)には、温水噴出口(13)と空気噴出管(19)を設けた請求項1に記載の種子消毒設備。
【請求項6】
温水噴出口(13)と空気噴出管(19)を、温湯消毒槽(1)の底部で、間欠移送により停止する種子バケット(2)の停止位置の下方に配置した請求項2に記載の種子消毒設備。
【請求項7】
温湯消毒槽(1)内から上昇する種子バケット(2)を反転させて種子を排出する反転装置(7)を設けた請求項1に記載の種子消毒設備。
【請求項8】
冷却槽(10)は、複数の冷却バケット(12)を設け、冷却終端側の冷却バケット(12)から順次反転することにより、種子を次の冷却バケット(12)に排出して移送する構成とし、冷却バケット(12)は、反転時に2度回動する構成とした請求項1に記載の種子消毒設備。
【請求項9】
冷却槽(10)に冷却水を供給する給水手段(18)と、冷却槽(10)内の冷却水が所定量以上となったときにオーバーフローする冷却水を冷却水オーバーフロー経路(35)を介して回収する回収槽(36)と、該回収槽(36)からの水が給水経路(37)を介して供給される切替弁(27)と、該切替弁(27)からの水が供給され該水を温湯消毒槽(1)へ供給する給湯経路(28)と、該給湯経路(28)を流れる水を加温するヒータ(30)と、温湯消毒槽(1)からの温湯を前記切替弁(27)に供給する戻り経路(26)とを設け、前記切替弁(27)は、給水経路(37)からの水を給湯経路(28)へ供給する状態と、戻り経路(26)からの温湯を給湯経路(28)へ供給する状態とに切り替える構成とした請求項1に記載の種子消毒設備。
【請求項1】
温湯を貯留する温湯消毒槽(1)と、冷却水を貯留する冷却槽(10)と、種子を収容する多数の種子バケット(2)と、該種子バケット(2)を温湯消毒槽(1)に浸漬させるべく循環移送する循環移送装置(3)を設け、該循環移送装置(3)は、種子バケット(2)を下降させて温湯消毒槽(1)内の温湯に浸漬させ、温湯消毒槽(1)内に浸漬した状態で種子バケット(2)を移送する構成とした種子消毒設備。
【請求項2】
温湯消毒槽(1)内に浸漬した状態で種子バケット(2)を移送中の時間より移送停止時間の方が長くなるよう間欠的に移送する構成とした請求項1に記載の種子消毒設備。
【請求項3】
温湯消毒槽(1)内に浸漬した種子バケット(2)を上昇させ、上昇させた種子バケット(2)を搬送始端側へ連続的に移送して戻す構成とした請求項1に記載の種子消毒設備。
【請求項4】
前記移送停止時間を変更できる構成とした請求項2に記載の種子消毒設備。
【請求項5】
温湯消毒槽(1)には、温水噴出口(13)と空気噴出管(19)を設けた請求項1に記載の種子消毒設備。
【請求項6】
温水噴出口(13)と空気噴出管(19)を、温湯消毒槽(1)の底部で、間欠移送により停止する種子バケット(2)の停止位置の下方に配置した請求項2に記載の種子消毒設備。
【請求項7】
温湯消毒槽(1)内から上昇する種子バケット(2)を反転させて種子を排出する反転装置(7)を設けた請求項1に記載の種子消毒設備。
【請求項8】
冷却槽(10)は、複数の冷却バケット(12)を設け、冷却終端側の冷却バケット(12)から順次反転することにより、種子を次の冷却バケット(12)に排出して移送する構成とし、冷却バケット(12)は、反転時に2度回動する構成とした請求項1に記載の種子消毒設備。
【請求項9】
冷却槽(10)に冷却水を供給する給水手段(18)と、冷却槽(10)内の冷却水が所定量以上となったときにオーバーフローする冷却水を冷却水オーバーフロー経路(35)を介して回収する回収槽(36)と、該回収槽(36)からの水が給水経路(37)を介して供給される切替弁(27)と、該切替弁(27)からの水が供給され該水を温湯消毒槽(1)へ供給する給湯経路(28)と、該給湯経路(28)を流れる水を加温するヒータ(30)と、温湯消毒槽(1)からの温湯を前記切替弁(27)に供給する戻り経路(26)とを設け、前記切替弁(27)は、給水経路(37)からの水を給湯経路(28)へ供給する状態と、戻り経路(26)からの温湯を給湯経路(28)へ供給する状態とに切り替える構成とした請求項1に記載の種子消毒設備。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
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【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−19795(P2012−19795A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−209450(P2011−209450)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【分割の表示】特願2007−187200(P2007−187200)の分割
【原出願日】平成19年7月18日(2007.7.18)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【分割の表示】特願2007−187200(P2007−187200)の分割
【原出願日】平成19年7月18日(2007.7.18)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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