説明

種籾の温湯消毒装置

【課題】 温湯噴き出し部に対する種籾容器の位置合わせを概略的に行うだけで、温湯噴き出し部上の定位置に種籾容器を載せることができ、特に種籾容器の上げ下ろしに走行クレーンを用いる場合に、温湯噴き上げ部に対する種籾容器の載置操作を容易かつ的確にできる種籾の温湯消毒装置を提供する。
【解決手段】 種籾の温湯消毒装置1は、内部に温湯を噴き上げる温湯噴き上げ部10を設けた温湯タンク2と、消毒する種籾を収容して温湯タンク2内の温湯噴き上げ部10の温湯噴き上げ容器9上に載せる多孔状の種籾容器31を備えている。温湯噴き上げ部10の周囲に、上方から降ろす種籾容器31を温湯噴き上げ部10上の定位置に案内する案内部33を設けてある。案内部33は、種籾容器31の周面に接するように配置した起立体34に囲み枠36を形成してある。起立体34の上端は外方に開いた誘導部35を成している。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、種籾を温湯に浸して種籾の表面に付着しまたは籾殻と果皮との間に潜む病原菌(いもち病、ばか苗病、苗立枯細菌病、ごま葉枯病、褐条病、もみ枯細菌病などの病原菌が主な例である)を殺菌、滅菌または除菌(以下、消毒という)する種籾の温湯消毒装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】種籾を所定温度の温湯に所定時間浸すことにより、種籾の表面に付着または籾殻と果皮との間に潜む病原菌を消毒する装置としては、特開2000−316321号公報または特開2000−342018号公報に記載されているものが知られている。また、種籾を収容した種籾容器を自走クレーンで吊り下げて温湯タンクに出し入れする種籾の温湯消毒装置は、特開平11−318118号公報に記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前掲の特開2000−316321号公報または特開2000−342018号公報に記載されている種籾の消毒装置おいては、温湯タンクに張った温湯に種籾を単に浸すだけでなく、種籾に噴き上げる温湯を浴びせることにより、種籾の温湯消毒を確実にし、かつその効果の向上を図っているものである。すなわち、これら種籾の温湯消毒装置おいては、温湯タンク内に温湯噴き上げ部を設けてあり、種籾の温湯消毒にあたっては、種籾を収容した種籾容器を温湯噴き上げ部上に降ろして定位置に載せなければならないが、温湯タンク内には温湯が張られているので、その揺れに伴う複雑な光屈折作用や湯気が立ちこめるなどのために、温湯タンクの上から種籾容器を温湯噴き上げ部上の定位置に降ろしにくいのが実情である。特に、特開平11−318118号公報に示すように、種籾容器の上げ下ろしに走行クレーンを用いるものにあっては、温湯噴き上げ部に対する種籾容器の位置合わせがいっそう困難である。
【0004】そこで、本発明は、温湯タンクの上方を走行するクレーンにより吊持して温湯噴き上げ部上に降ろすように構成し、種籾を収容した種籾容器を温湯タンク内の温湯噴き上げ部に載せた時点を感知または指示して、予め設定した温湯消毒時間の経過時に種籾容器をクレーンにより自動的に温湯タンクの上方に引き上げるようにしたことにより、温湯タンク内の温湯噴き出し部に種籾容器を載せる際には、種籾を収容した種籾容器をクレーンにより容易に温湯噴き出し部上の定位置に種籾容器を載せることができるとともに、所定の温湯消毒時間が経過した時点で種籾容器を遅滞なく温湯タンク内の温湯から出して種籾の温湯消毒を常に的確に施すことができる種籾の温湯消毒装置を提供することを目的とする。
【0005】また、本発明は、温湯噴き上げ部の周囲に、上方から降ろす種籾容器を温湯噴き上げ部上の定位置に案内する案内部を設けたことにより、温湯タンク内の温湯噴き出し部に種籾容器を載せる際には、温湯噴き出し部に対する種籾容器の位置合わせを概略的に行うだけで、温湯噴き出し部上の定位置に種籾容器を載せることができ、特に種籾容器の上げ下ろしに走行クレーンを用いる場合に、温湯噴き上げ部に対する種籾容器の載置操作を容易かつ的確にできる種籾の温湯消毒装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明は次の種籾の温湯消毒装置を提供する。すなわち、請求項1に係るものは、種籾を温湯に浸して消毒する種籾の温湯消毒装置であって、内部に温湯を噴き上げる温湯噴き上げ部を設けた温湯タンクと、消毒する種籾を収容して温湯タンク内の温湯噴き上げ部に載せる多孔状の種籾容器とを備えるとともに、種籾容器は、温湯タンクの上方を走行するクレーンにより吊持して温湯噴き上げ部上に降ろすように構成されていて、種籾を収容した種籾容器を温湯タンク内の温湯噴き上げ部に載せた時点を感知または指示し、予め設定した温湯消毒時間の経過時に種籾容器をクレーンにより自動的に温湯タンクの上方に引き上げるように構成されていることを特徴とする種籾の温湯消毒装置である。
【0007】請求項2に係る種籾の温湯消毒装置は、請求項1の構成において、クレーンは、温湯タンクの上方に引き上げた時点で種籾容器を揺する動作をするように構成されていることを特徴とするものである。
【0008】また、請求項3に係る種籾の温湯消毒装置は、種籾を温湯に浸して消毒する種籾の温湯消毒装置であって、内部に温湯を噴き上げる温湯噴き上げ部を設けた温湯タンクと、消毒する種籾を収容して温湯タンク内の温湯噴き上げ部に載せる多孔状の種籾容器とを備えて成り、温湯噴き上げ部の周囲に、上方から降ろす種籾容器を温湯噴き上げ部上の定位置に案内する案内部を設けて成ることを特徴とするものである。
【0009】請求項4に係る種籾の温湯消毒装置は、請求項3の構成において、案内部は、種籾容器の周面に接するように配置した起立体で成り、起立体の上端は外方に開いた誘導部を成していることを特徴とするものである。
【0010】請求項5に係る種籾の温湯消毒装置は、請求項3または4の構成において、温湯噴き上げ部および種籾容器は方形状であって、案内部は温湯噴き上げ部の四隅に対応して配置した起立体で構成されていることを特徴とするものである。
【0011】請求項6に係る種籾の温湯消毒装置は、請求項5の構成において、案内部は、四隅に配置した起立体に囲み枠を形成して成ることを特徴とするものである。
【0012】さらに、請求項7に係る種籾の温湯消毒装置は、請求項3、4、5または6の構成において、種籾容器は、温湯タンクの上方を走行するクレーンにより吊持して温湯噴き上げ部上に降ろすように構成したことを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施の形態に係る種籾の温湯消毒装置の一部を破断して示す斜視図、図2R>2は同上縦断側面図、図3は同上平面図、図4は図1に示す種籾の温湯消毒装置による種籾の消毒システムを例示する斜視図である。
【0014】1は本発明に係る種籾の温湯消毒装置である。この種籾の温湯消毒装置1は、温湯タンク2、給湯制御装置3を備えており、4は温湯循環口である。温湯タンク2内には、多孔状のスノコ5が底面との間に一定の高さを成すように配置されており、温湯タンク2内の底面とスノコ5との間が温湯流下室6を成し、スノコ5の上が温湯貯留室7を成している。温湯タンク2の温湯貯留室7には、上面に多数の温湯噴出孔8をあけた温湯噴き上げ容器9を配置して温湯噴き上げ部10を形成している。温湯噴き上げ容器9は方形状である。温湯タンク2は、二重壁構造であってその中空部には断熱材を充填し、保温性を向上させてある。
【0015】給湯制御装置3は、2台の給湯器11を内蔵しており、この各給湯器11はそれぞれ電気ヒータ(図示せず)を備えている。上記各給湯器11の温湯送出口12と前記温湯噴き上げ部10の温湯噴き上げ容器9は温湯送出管13により接続され、各給湯器11の下部はモータポンプ14の送出側に温湯戻し管15により接続されており、さらにモータポンプ14の吸入側は温湯吸入管16により温湯タンク2の温湯流下室6に連通させてある。そして、この構成によって、モータポンプ14により温湯タンク2の温湯流下室6から吸入された温湯は給湯器11において、予め設定した所定の温湯消毒温度の温湯が給湯されるように加熱制御されたうえ、温湯噴き上げ部10の温湯噴き上げ容器9に加圧給湯されて、温湯噴き上げ容器9の上面から噴射され、噴射された温湯は温湯貯留室7からスノコ5を通して温湯流下室6に流下する経路で繰り返し循環されることになる。給湯制御装置3による上記の温度制御は、少なくとも温湯消毒の所要時間中持続させる。
【0016】給湯制御装置3は、その上部に温湯制御器17を内蔵しており、この温湯制御器17により各給湯器11の電気ヒータへの通電を制御して、温湯噴き上げ部10の温湯噴き上げ容器9に給湯される温湯の温度を所定の温容消毒温度に保つように成っている。温湯制御器17には、その上面にタイマーを始動するスタートボタン18とリセットボタン19が設けられている。温湯タンク2には、給湯制御装置3の設置側以外の適宜側面に移動配置可能な操作器20が備えられており、そのスタートボタン21とリセットボタン22は、温湯制御器17のスタートボタン18とリセットボタン19とそれぞれ連動しているので、温湯制御器17を離れてもタイマー始動操作と停止操作が可能である。
【0017】本発明に係る種籾の消毒装置においては、温湯タンク2の温湯貯留部7に所定の温湯消毒温度より高い温度の温度調整温湯を供給する補助給湯装置であるガス給湯器23を設けてある。ガス給湯器23から導かれた給湯管24は温湯タンク2の温湯貯留室7に給湯する位置で開口していて、その給湯管24の途中には手動式バルブ25を備えている。また、給湯管24の手動式バルブ25より給湯源側部位には分岐管26が接続されており、その分岐管26の途中には電磁弁27が備えられている。したがって、ガス給湯器23から温度調整温湯を温湯タンク2の温湯貯留室7に給湯する際には、電磁弁27を閉じた状態で手動式バルブ25を開いて給湯するか、手動式バルブ25を閉じた状態で電磁弁27を開いて分岐管26から給湯する2態様を選択することができる。ガス給湯器23はガスボンベ28からガスが供給されるように成っている。29は給水管、30は排気管である。
【0018】31は種籾容器である。この種籾容器31は方形状であって、上面が開放状で底面および側面が多孔状を成しているが、少なくとも底面は多孔状であることが必要である。32は吊りアームである。消毒する種籾は、種籾容器31に直に収容するか、必要に応じて網袋(図示せず)に十分余裕をもたせて収納したうえ種籾容器31に収容する。
【0019】温湯タンク2内の温湯噴き上げ部10には、その周囲に上方から降ろす種籾容器31を温湯噴き上げ部10の温湯噴き上げ容器9上の定位置に案内する案内部33を設けてある。この案内部33は、種籾容器31の周面に接するように温湯噴き上げ部10を成す温湯噴き上げ容器9の四隅に対応して配置した4つの起立体34で成り、起立体34の上端は外方に開いた誘導部35を成している。案内部33は、四隅に配置した起立体34に囲み枠36を形成して成るものである。
【0020】37は走行クレーンである。この走行クレーン37のガイドレール38は種籾の温湯消毒装置1を構成する温湯タンク2の上方に懸かっていて、走行クレーン37の自走体39の吊り下げフック40に前記種籾容器31を掛けて温湯タンク2上に移動させたうえ、種籾容器31を温湯噴き上げ部10の温湯噴き上げ容器9上の定位置に降ろし、また吊り上げて温湯タンク2の上方から他の位置に移動させることができるように成っている。
【0021】本発明に係る種籾の温湯消毒装置1においては、前記のように、その温湯タンク2内の温湯噴き上げ部10に種籾容器31を定位置に案内する案内部33が設けられており、それを構成する起立体34の上端は外方に開いた誘導部35を成しているので、走行クレーン37により吊り下げて温湯タンク2の上に移動させた種籾容器31を温湯噴き上げ部10上に概略的な位置合わせをするだけで、種籾容器31を温湯噴き上げ部10の温湯噴き上げ容器9上の定位置に載置することができる。
【0022】本発明に係る種籾の温湯消毒装置1による種籾の温湯消毒システムとしては、その一例として図4に示す態様がある。すなわち、図4に示す種籾の温湯消毒システムは、本発明に係る種籾の温湯消毒装置1に、種籾の冷却槽41を並設し、さらに種籾容器31を置く作業スペース42を設けたものである。そして、これらは走行クレーン37のガイドレール38の方向に一連に配置されている。
【0023】図4に示す種籾の温湯消毒システムにおいて、種籾の消毒を行うには、作業スペース42で種籾容器31に種籾を収容し、その種籾容器31を走行クレーン37の自走体39に吊り下げて、温湯タンク2の上まで移動させる。そして、その種籾容器31を温湯噴き上げ部10に対して概略的に位置合わせをして、種籾容器31を降ろせば、種籾容器31は案内部33の案内体34に案内されて、温湯噴き上げ部10を構成する温湯噴き上げ容器9上の定位置に載置することができる。
【0024】このようにして、温湯噴き上げ部10を構成する温湯噴き上げ容器9上の定位置に種籾容器31を載置した際に、スタートボタン18を押してその時点を指示し、給湯制御装置3のタイマを始動させる。そして、所定の温湯消毒時間が経過した時点で、走行クレーン37により温湯タンク2上に種籾容器31を吊り上げ、隣の冷却槽41の上に移動させ、種籾容器31を冷却槽41に貯留した冷水に浸けて種籾を急速に冷却する。このように種籾の冷却を終えたならば、走行クレーン37により冷却槽41の上に種籾容器31を吊り上げ、隣の作業スペース42に降ろしたうえ搬出する。
【0025】走行クレーン37の自走体39を、タイマに設定した温湯消毒時間の経過時に自動的に上昇するように構成しておけば、予め設定した温湯消毒時間の経過時に種籾容器31を走行クレーン37により自動的に温湯タンク2の上方に引き上げて、温湯消毒を的確に施すことができる。さらに、走行クレーン37の自走体39を、温湯タンクの上方に引き上げた時点で種籾容器31を上下に、さらに横揺すりを加えて揺する動作をするように構成しておけば、種籾容器31を温湯から上げた際にそれに湯切りを直ちに施すことができる。
【0026】図示の実施の形態では、温湯噴き上げ部10を構成する温湯噴き上げ容器9上の定位置に種籾容器31を載置した時点は、スタートボタン18を押して指示するが、種籾容器31を温湯噴き上げ部10の温湯噴き上げ容器9上の定位置に案内する案内部33に、種籾容器31のセンサを備えて、種籾容器31の載置時点を感知するように構成することもできる。
【0027】図4に示す種籾の温湯消毒システムにおいては、上記のように走行クレーン37により一連の作業ができるので、作業が容易であり、かつ効率的である。
【0028】給湯制御装置3は、前記のように、スタートボタン18、リセットボタン19が設けられており、図示しないが、温湯消毒時間を設定するタイマと、それにより鳴動する警報ブザー等を備えているものである。給湯制御装置3における温度の設定範囲は50.0〜65.0℃で、保護上限温度は67.0℃である。また、温湯タンク2には一定の水位を保つためのオーバーフロー42を設けてある。このオーバーフロー43により、温度調整温湯の注入にともなって温湯タンク2内の温湯の入れ替えがなされるので、温湯の汚れを少なくして種籾の温湯消毒効果の向上が図られることになる。
【0029】前記のように、所定の温湯消毒温度は50℃〜65℃の範囲内、種籾の温湯への浸漬時間は5分〜20分の範囲内でそれぞれ特定値に設定するが、温湯消毒温度が低いときは消毒時間を長く、かつ温度が高いときは消毒時間を短く設定する。ちなみに、各種試験データからその一例を示せば、温湯消毒温度が58℃では消毒時間が15分〜20分、60℃では10分〜15分、62℃では5〜10分とするのが好ましい。
【0030】なお、温湯タンク2および給湯制御装置3を、種籾を温湯に浸して発芽を促す催芽にも使用する場合には、温湯制御温度を0〜35℃または0〜50℃の温度設定範囲、保護上限温度37℃または52℃の機能を兼ね備えたものとする。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、温湯タンクの上方を走行するクレーンにより吊持して温湯噴き上げ部上に降ろすように構成し、種籾を収容した種籾容器を温湯タンク内の温湯噴き上げ部に載せた時点を感知または指示して、予め設定した温湯消毒時間の経過時に種籾容器をクレーンにより自動的に温湯タンクの上方に引き上げるようにしたことにより、温湯タンク内の温湯噴き出し部に種籾容器を載せる際には、種籾を収容した種籾容器をクレーンにより容易に温湯噴き出し部上の定位置に種籾容器を載せることができるとともに、所定の温湯消毒時間が経過した時点で種籾容器を遅滞なく温湯タンク内の温湯から出して種籾の温湯消毒を常に的確に施すことができる効果を奏するものである。
【0032】また、本発明によれば、温湯噴き上げ部の周囲に、上方から降ろす種籾容器を温湯噴き上げ部上の定位置に案内する案内部を設けたことにより、温湯タンク内の温湯噴き出し部に種籾容器を載せる際には、温湯噴き出し部に対する種籾容器の位置合わせを概略的に行うだけで、温湯噴き出し部上の定位置に種籾容器を載せることができ、特に種籾容器の上げ下ろしに走行クレーンを用いる場合に、温湯噴き上げ部に対する種籾容器の載置操作を容易かつ的確にできる効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る種籾の温湯消毒装置の一部を破断して示す斜視図である。
【図2】同上縦断側面図である。
【図3】同上平面図である。
【図4】図1に示す種籾の温湯消毒装置による種籾の消毒システムを例示する斜視図である。
【符号の説明】
1 種籾の温湯消毒装置
2 温湯タンク
3 給湯制御装置
4 温湯循環口
5 スノコ
6 温湯流下室
7 温湯貯留室
8 温湯噴出孔
9 温湯噴き上げ容器
10 温湯噴き上げ部
11 給湯器
12 温湯送出口
13 温湯送出管
14 モータポンプ
15 温湯戻し管
16 温湯吸入管
17 温湯制御器
18 スタートボタン
19 リセットボタン
20 操作器
21 スタートボタン
22 リセットボタン
23 ガス給湯器
24 給湯管
25 手動式バルブ
26 分岐管
27 電磁弁
28 ガスボンベ
29 給水管
30 排気管
31 種籾容器
32 吊りアーム
33 案内部
34 起立体
35 誘導部
36 囲み枠
37 走行クレーン
38 ガイドレール
39 自走体
40 吊り下げフック
41 種籾の冷却槽
42 作業スペース
43 オーバーフロー

【特許請求の範囲】
【請求項1】 種籾を温湯に浸して消毒する種籾の温湯消毒装置であって、内部に温湯を噴き上げる温湯噴き上げ部を設けた温湯タンクと、消毒する種籾を収容して温湯タンク内の温湯噴き上げ部に載せる多孔状の種籾容器とを備えるとともに、種籾容器は、温湯タンクの上方を走行するクレーンにより吊持して温湯噴き上げ部上に降ろすように構成されていて、種籾を収容した種籾容器を温湯タンク内の温湯噴き上げ部に載せた時点を感知または指示し、予め設定した温湯消毒時間の経過時に種籾容器をクレーンにより自動的に温湯タンクの上方に引き上げるように構成されていることを特徴とする種籾の温湯消毒装置。
【請求項2】 クレーンは、温湯タンクの上方に引き上げた時点で種籾容器を揺する動作をするように構成されていることを特徴とする請求項1記載の種籾の温湯消毒装置。
【請求項3】 種籾を温湯に浸して消毒する種籾の温湯消毒装置であって、内部に温湯を噴き上げる温湯噴き上げ部を設けた温湯タンクと、消毒する種籾を収容して温湯タンク内の温湯噴き上げ部に載せる多孔状の種籾容器とを備えて成り、温湯噴き上げ部の周囲に、上方から降ろす種籾容器を温湯噴き上げ部上の定位置に案内する案内部を設けて成ることを特徴とする種籾の温湯消毒装置。
【請求項4】 案内部は、種籾容器の周面に接するように配置した起立体で成り、起立体の上端は外方に開いた誘導部を成していることを特徴とする請求項3記載の種籾の温湯消毒装置。
【請求項5】 温湯噴き上げ部および種籾容器は方形状であって、案内部は温湯噴き上げ部の四隅に対応して配置した起立体で構成されていることを特徴とする請求項3または4記載の種籾の温湯消毒装置。
【請求項6】 案内部は、四隅に配置した起立体に囲み枠を形成して成ることを特徴とする請求項5記載の種籾の温湯消毒装置。
【請求項7】 種籾容器は、温湯タンクの上方を走行するクレーンにより吊持して温湯噴き上げ部上に降ろすように構成したことを特徴とする請求項3、4、5または6記載の種籾の温湯消毒装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2003−235308(P2003−235308A)
【公開日】平成15年8月26日(2003.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−41646(P2002−41646)
【出願日】平成14年2月19日(2002.2.19)
【出願人】(000132792)株式会社タイガーカワシマ (48)
【Fターム(参考)】