説明

積層された小さい刃から形成された、長い超音波切断刃

【課題】超音波外科用器具の末端エフェクタを提供すること。
【解決手段】操作可能な構造体に作動可能に連結され、遠位端を有する本体部分、変換器、およびこの本体部分のこの遠位端上に支持されている末端エフェクタを備え、この末端エフェクタは、複数の共鳴部材要素を備え、各共鳴部材は、この共鳴部材の長さに沿って振動をもたらすために複数の変換器のうちの1つの変換器に作動可能に連結されており、そして組織の切開、切断、凝固、結紮および/または止血をもたらすように構成される作動表面を備えており、ここで、複数の共鳴部材の第1部材の振動に関連した変位曲線は、複数の共鳴部材の第2部材の振動に関連した変位曲線に対してオフセットされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2001年10月11日に出願された、米国仮出願番号60/328,597(これは、その全体が本明細書中に参考として援用される)に対して優先権を主張する。
【0002】
(背景)
(1.技術分野)
本開示は、一般に、超音波外科用器具に関する。より具体的には、本開示は、組織の解剖、切断、凝固(coagulation)、結紮および/または止血をもたらすように構成された末端エフェクタを有する、超音波外科用器具に関し、この器具は、開胸手術手順および腹腔鏡下手術手順または内視鏡下手術手順において使用され得る。
【背景技術】
【0003】
(2.関連技術の背景)
組織における切開、切断、結紮、凝固(coagulation)の実施、および/または止血の実施を包含する手術手順のための超音波器具の使用、ならびにこの器具に関連する利点は、周知である。例えば、超音波発生器を、外科用メスと組み合わせて使用することは、器官組織のより迅速かつより容易な切断を容易にする。さらに、メスの刃と身体組織との間の摩擦接触によって発生する熱(メスの刃が高周波数で振動するので)は、切断の領域における血管の凝固(clotting)を加速する(すなわち、凝固(coagulation)を加速する)。熱発生の速度は、2つの因子(すなわち、システムによって発生する振動の周波数(製造業者によって決定される)、および刃が移動する場合の振動の運動の振幅または距離(使用者によって決定される))によって、制御される。
【0004】
超音波外科用器具に関連する利点としては、最小の横方向の熱損傷、速度、患者を通る電気回路の作製の非存在、および煙のような望ましくない副生成物の非存在が挙げられる。超音波外科用器具は、従来の開胸手術手順のために適切であり、そして特に、最小侵襲性手術(例えば、腹腔鏡下手術および内視鏡下手術)のために適切である。
【0005】
超音波外科用器具は、代表的に、操作可能な構造体(例えば、ハンドピース)を備え、これは、振動結合器を介して、末端エフェクタ(例えば、切断/凝固刃)に接続された超音波変換器を有する。この振動結合器は、超音波振動数のたて振動を、超音波変換器から末端エフェクタへと伝える。
【0006】
超音波の変位(すなわち、変換器から末端エフェクタへと伝達される振動の振幅)は、性質上正弦波である。刃の振動の正弦波運動は、この刃の有効長さを制限する限定因子である。この正弦波曲線に沿った、振幅が0に等しい地点で、刃のゼロ運動が存在する。刃に沿ったゼロ運動の領域を回避するために、振動の波長の1/2より短い刃が使用される。現在、ゼロ運動の領域のない刃の最大刃長さは、約0.250インチである。
【0007】
あるいは、最大運動の領域、および振動する刃の長さに沿った運動のない領域を有する、より長い刃が使用される。運動のない領域は、刃の有効長さを減少させ、刃の効率を低下させ、従って望ましくないことには、手術手順を完了するために必要とされる時間を長くする。
【0008】
さらに、刃の長さに沿った振幅の大きな変動が存在し、これは、振動の正弦波の性質に起因し、刃の一貫しない挙動、および刃の長さに沿った均一な作動結果の欠如を生じる。均一性は、均等な切断速度および凝固速度のために必要であり、外科医が均等な速度で切断手順を進行させることを可能にし、そしてこの外科医に、外科用デバイスの作動の結果を確実に予測する能力を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、正弦波振幅曲線に沿ったゼロ点を減少させることにより、末端エフェクタの有効長さを増大させることによって、この末端エフェクタの効率を増加させることにより、手術時間を短くする必要性が存在する。さらに、末端エフェクタの長さに沿って、均一な作動結果を得るための、末端エフェクタの挙動の一貫性を増加させることが、必要とされる。最後に、マイクロ電気機械システム(MEMS)技術(ここで、この器具は、大きさおよび重量が減少され、一方で末端エフェクタの有効長さおよび挙動の一貫性を増す)を使用して構成された超音波外科用器具に対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(要旨)
超音波外科用器具の末端エフェクタが提供され、この超音波外科用器具は、操作可能な構造体、この操作可能な構造体に作動可能に接続され遠位端を有する本体部分、複数の変換器を有し、この末端エフェクタは、本体部分の遠位端上に支持されており、この末端エフェクタは、複数の共鳴部材を備え、この共鳴部材の各々は、この共鳴部材の長さに沿って振動をもたらすために、複数の変換器のうちの変換器の1つに作動可能に接続され、そして組織の切開、切断、凝固、結紮および/または止血をもたらすように構成された、作動表面を備え、ここで、複数の共鳴部材のうちの第1の共鳴部材の振動に関連する変位曲線は、共鳴部材のうちの第2の共鳴部材の振動に関連する変位曲線に対してオフセットしている。従って、本発明は以下をも提供する。
(1)超音波外科用器具の末端エフェクタであって、該超音波外科用器具は、操作可能な構造体、該操作可能な構造体に作動可能に連結され遠位端を有する本体部分、複数の変換器、および該本体部分の遠位端上に支持された該末端エフェクタを備え、該末端エフェクタは、複数の共鳴部材を備え、各共鳴部材は、該共鳴部材の長さに沿った振動をもたらすための該複数の変換器のうちの1つの変換器に作動可能に連結されており、そして組織の切開、切断、凝固、結紮および/または止血をもたらすように構成されている作動表面を備えており、ここで、該複数の共鳴部材の第1部材の該振動に関連した変位曲線は、該複数の共鳴部材の第2部材の振動に関連した変位曲線に対してオフセットされている、末端エフェクタ。
(2)前記振動が、長手軸方向である、項目1に記載の末端エフェクタ。
(3)前記振動が、横方向である、項目1に記載の末端エフェクタ。
(4)前記第1共鳴部材が、前記第2共鳴部材に対して長手軸方向にずらして配置される、項目1に記載の末端エフェクタ。
(5)前記第1共鳴部材が、可撓性結合によって前記第2共鳴部材に連結される、項目1に記載の末端エフェクタ。
(6)前記第1共鳴部材および第2共鳴部材が、積層プロセスによって一緒に積層される、項目1に記載の末端エフェクタ。
(7)前記複数の共鳴部材が、積層体の形態である、項目1に記載の末端エフェクタ。
(8)前記複数の共鳴部材が、一緒に積層される、項目1に記載の末端エフェクタ。
(9)前記操作可能な構造体が、ハンドルである、項目1に記載の末端エフェクタ。
(10)前記操作可能な構造体が、前記器具から離れて位置するモジュール上に位置する、項目1に記載の末端エフェクタ。
(11)前記本体部分が、前記モジュールから前記末端エフェクタへと遠位に延びる細長可撓性部材を備える、項目10に記載の末端エフェクタ。
(12)前記変換器が、ずらして配置された複数の変換器を備える、項目1に記載の末端エフェクタ。
(13)前記変換器は、ずらして配置された複数の変換器を備えるが、前記複数の共鳴部材の共鳴部材はずらして配置されていない、項目1に記載の末端エフェクタ。
(14)前記変換器が、それぞれ、前記第1共鳴部材および第2共鳴部材に作動可能に連結された第1変換器および第2変換器を備える、項目1に記載の末端エフェクタ。
(15)前記末端エフェクタが、前記変換器を備える、項目1に記載の末端エフェクタ。
(16)前記複数の共鳴部材の各々の共鳴部材が、フレームおよび共鳴構造体を備え、前記変換器が、該共鳴構造体に作動可能に連結されており、そして該共鳴構造体が前記作動表面を備
える、項目1に記載の末端エフェクタ。
(17)各共鳴構造体が近位端を有し、そして前記第1共鳴部材の共鳴構造体の近位端が、前記第2共鳴部材の近位端に対してずらして配置されている、項目16に記載の末端エフェクタ。
(18)前記変換器が複数の変換器を備え、ここで前記第1共鳴部材が、前記複数の変換器のうちの1つの変換器をさらに備え、ここでさらに備えられる変換器が、前記第1共鳴部材の共鳴構造体と接触して配置される、項目16に記載の末端エフェクタ。
(19)超音波外科用器具であって、該超音波外科用器具は、以下:
操作可能な構造体;
変換器;
該操作可能な構造体に作動可能に連結され遠位端を有する、本体部分;および
該本体部分の遠位端上に支持された末端エフェクタ
を備え、該末端エフェクタは、複数の共鳴部材を備え、各共鳴部材は、該共鳴部材の長さに沿って振動をもたらすために該変換器に作動可能に連結されており、各共鳴部材は、組織の切開、切断、凝固、結紮および/または止血をもたらすように構成された作動表面を備え、ここで、該複数の共鳴部材の第1部材の該振動に関連した変位曲線は、該複数の共鳴部材の第2部材の振動に関連した変位曲線に対してオフセットされている、超音波外科用器具。
(20)前記振動が、長手軸方向である、項目19に記載の超音波外科用器具。
(21)前記振動が、横方向である、項目19に記載の超音波外科用器具。
(22)前記第1共鳴部材が、前記第2共鳴部材に対して長手軸方向にずらして配置される、項目19に記載の超音波外科用器具。
(23)前記第1共鳴部材が、可撓性結合によって前記第2共鳴部材に連結される、項目19に記載の超音波外科用器具。
(24)前記第1共鳴部材および第2共鳴部材が、積層プロセスによって一緒に積層される、項目19に記載の超音波外科用器具。
(25)前記複数の共鳴部材が、積層体の形態である、項目19に記載の超音波外科用器具。
(26)前記複数の共鳴部材が、一緒に積層される、項目19に記載の超音波外科用器具。
(27)前記変換器が、複数の変換器を備える、項目19に記載の超音波外科用器具。
(28)前記操作可能な構造体が、ハンドルである、項目19に記載の超音波外科用器具。
(29)前記操作可能な構造体が、前記器具から離れて位置するモジュール上に位置する、項目19に記載の超音波外科用器具。
(30)前記本体部分が、前記モジュールから前記末端エフェクタへと遠位に延びる細長可撓性部材を備える、項目29に記載の超音波外科用器具。
(31)前記変換器が、ずらして配置された複数の変換器を備える、項目19に記載の超音波外科用器具。
(32)前記複数の変換器の変換器は、ずらして配置されるが、前記複数の共鳴部材の共鳴部材はずらして配置されていない、項目31に記載の超音波外科用器具。
(33)前記変換器が、それぞれ、前記第1共鳴部材および第2共鳴部材に作動可能に連結された第1変換器および第2変換器を備える、項目19に記載の超音波外科用器具。
(34)前記末端エフェクタが、前記変換器を備える、項目19に記載の超音波外科用器具。
(35)前記複数の共鳴部材の各々の共鳴部材が、フレームおよび共鳴構造体を備え、前記変換器が、該共鳴構造体に作動可能に連結されており、そして該共鳴構造体が前記作動表面を備える、項目19に記載の超音波外科用器具。
(36)各共鳴構造体が近位端を有し、そして前記第1共鳴部材の共鳴構造体の近位端が、前記第2共鳴部材の近位端に対してずらして配置されている、項目35に記載の超音波外科用器具。
(37)前記変換器が複数の変換器を備え、ここで前記第1共鳴部材が、前記複数の変換器のうちの1つの変換器をさらに備え、ここでさらに備えられる変換器が、前記第1共鳴部材の共鳴構造体と接触して配置される、項目35に記載の超音波外科用器具。
(38)前記超音波器具内に配置され、そして変換器手段と作動可能に連結した遠位端および電源と連絡した近位端を有する電導体をさらに備える、項目19に記載の超音波外科用器具。
【0011】
好ましい実施形態において、複数の共鳴部材は、積層体であり、ここで、この積層体は、第1の共鳴部材が第2の共鳴部材に対して長手軸方向にずらされて、好ましくは、可撓性結合を提供する。好ましくは、この変換器は、それぞれ第1の共鳴部材および第2の共鳴部材に作動可能に接続された、第1の変換器および第2の変換器を備える。
【0012】
別の好ましい実施形態において、各共鳴部材は、フレームおよび共鳴構造体を備え、ここで、この変換器は、共鳴構造体に作動可能に接続され、そしてこの共鳴構造体は、作動表面を備え、ここで、第1の共鳴部材の共鳴構造体の近位端は、好ましくは、第2の共鳴部材の近位端に対してずれている。好ましくは、第1の共鳴部材は、複数の変換器の内の1つの変換器をさらに備え、そしてさらに備えられる変換器は、第1の共鳴部材の共鳴構造体と接触して配置される。
【0013】
添付の図面は、本明細書に組み込まれ、そして本明細書の一部を構成し、本発明の実施形態を図示し、そして上に与えられる本発明の一般的な説明、および以下に与えられる実施形態の説明と一緒になって、本発明の原理を説明する役に立つ。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1A】図1Aは、組織における切断、切開、結紮、凝固および/または止血の実施のための外科用器具を備える、本開示の超音波外科用システムの1つの実施形態の概略図である。
【図1B】図1Bは、本開示の超音波外科用システムの別の実施形態の概略図である。
【図2】図2は、本開示の超音波外科用器具の複数の共鳴部材の、1つの好ましい実施形態の概略上面図または概略側面図である。
【図3】図3は、本開示の超音波外科用器具の超音波部材の振動共鳴部材の変位曲線のプロットである。
【図4】図4は、本開示の超音波外科用器具の超音波部材の複数の振動共鳴部材の変位曲線のプロットである。
【図5】図5Aは、本開示の超音波外科用器具の共鳴部材の1つの好ましい代替の実施形態の側面図である。図5Bは、本開示の超音波外科用器具の共鳴部材の別の好ましい代替の実施形態の側面図である。図5Cは、本開示の超音波外科用器具の共鳴部材の別の好ましい代替の実施形態の側面図である。図5Dは、図5Cの分割線X−Xに沿った断面図である。図5Eは、図5Cの分割線X−Xに沿って見た場合の、図Dに示される超音波部材の代替の実施形態の断面図である。図5Fは、図5Cの分割線X−Xに沿って見た場合の、図Dに示される超音波部材の代替の実施形態の断面図である。図5Gは、図5Cの分割線X−Xに沿って見た場合の、図Dに示される超音波部材の代替の実施形態の断面図である。図5Hは、本開示の超音波部材の別の代替の実施形態の上面図である。図5Iは、本開示の超音波部材の別の実施形態の側面斜視図である。図5Jは、本開示の超音波部材の別の実施形態の側面斜視図である。図5Kは、本開示の超音波部材の別の実施形態の側面図である。
【図6】図6は、本開示の超音波外科用器具の超音波部材の好ましい実施形態の、上面または側面の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(詳細な説明)
末端エフェクタにおいて手術手順を実施するための超音波外科用器具が提供され、ここで、この末端エフェクタは、ずれた要素のアレイを備え、ここで、このずれは、各要素の変位に関連する変位曲線が、要素のアレイの効果的な作動、および要素のアレイの作動の一貫性を集合的に最大にするために、互いに対してオフセットされるように、構成される。
【0016】
本開示の超音波外科用器具の好ましい実施形態が、ここで図面を参照して詳細に説明される。この図において、同じ参照番号は、いくつかの図の各々において、同一の要素または対応する要素を表す。図1Aおよび1Bは、例示的な超音波外科用システム(一般に、10として示される)の、それぞれ第1および第2の実施形態の概略図を示す。システム10は、超音波器具12、制御モジュール14、および超音波器具12を制御モジュール14に相互接続する導電性ケーブル16を備える。超音波器具12は、開胸手術手順、内視鏡下手術手順または腹腔鏡下手術手順のために構成され得、そして細長本体20、末端エフェクタ22、および操作可能な構造体18を備え、この操作可能な構造体18は、本体および/または末端エフェクタ22を操作するために、本体20および/または末端エフェクタ22に作動可能に接続される。図1Aに示される操作可能な構造体18は、ピストルグリップ構成を有するハンドルアセンブリ18aであるが、他のハンドル構成が企図される(例えば、インラインハンドル、ペンシルグリップ、標準的なはさみグリップ、新たな人間工学的に設計されたグリップなど)。回転ノブ13が、公知の様式で細長本体20の回転を容易にするために、提供され得る。
【0017】
図1Bに示される操作可能な構造体18は、ケーブル16を介して受信された制御信号に従って、本体および/または末端エフェクタ22を操作する、ロボットシステム18bである。好ましくは、ロボットシステム18bは、制御モジュールおよび操作モジュール(図示せず)を備え、ここで、この制御モジュールは、制御信号を受信し、そしてこの制御信号に従って、所望の操作を実施するように、操作モジュールを制御する。制御モジュールおよび操作モジュールの少なくとも1つは、超音波器具12の残りの部分から離れた位置に位置し得る。
【0018】
別の実施形態(図示せず)において、本体20は、超音波器具12および操作可能な構造体18から省略され、そして末端エフェクタ22は、操作可能な構造体18に設置される。異なる実施形態(図示せず)において、本体20は、操作可能な構造体18を収容する。なお別の実施形態において、操作可能な構造体の少なくとも一部は、超音波器具12から離れた位置に位置するモジュールの内部または表面に位置する。なお異なる実施形態(図示せず)において、本体20は、離れて位置するモジュールから末端エフェクタ22へと遠位に延びる、細長可撓性部材を備える。
【0019】
末端エフェクタ22は、複数のずれた共鳴部材28(x)(好ましくは、アレイ28に形成され、ここでx=(1〜n)であり、そしてnは、共鳴部材28(x)の数である)を備え、そして好ましくは、移動可能な、例えば、旋回可能なクランプ部材24をさらに備える。好ましくは、複数の共鳴部材28(x)は、公知のプロセスによって作製された積層体である。例えば、各共鳴部材28(x)は、隣接する共鳴部材28(x)への積層プロセスによって、積層され得る。積層体または積層は、好ましくは、可撓性結合であり、隣接する共鳴部材28(x)に対する1つの共鳴部材28(x)の運動を可能にする。積層体は、好ましくは、複数の層を有する。
【0020】
図示されるように、制御モジュール14は、電気コンセント(図示せず)との係合のための、電力コード15を備え得る。あるいは、制御モジュール14は、バッテリーパックまたはa/c発生器から電力を受容するように適合され得る。発生器または他の電源が、制御モジュール14に組み込まれ得ることもまた、企図される。
【0021】
制御モジュール14は、電気信号発生器(図示せず)および好ましくは、電気制御回路を備えて、1つ以上の超音波周波数で、器具12に配置される変換器(図示せず)を駆動する。患者、外科医またはシステムハードウェアへの損傷を防止するために、保護回路が、好ましくは提供される。制御モジュール14はまた、使用者に情報を提供するため、および使用者からの情報を受けるために、ディスプレイ回路およびハードウェア(図示せず)を備える。この情報は、器具の末端エフェクタに配置されたセンサ(図示せず)から得られ得る。このセンサは、手術されている組織の温度、密度、または超音波インピーダン
スもしくは電気インピーダンスをモニタリングするために、提供され得る。
【0022】
より効果的な結紮、切断、切開、凝固などを提供するために提供される任意のセンサと相互作用するために、フィードバック回路が提供され得る。例えば、フィードバック回路は、組織の温度、密度または超音波インピーダンスもしくは電気インピーダンスが、予め決定された最大値を超えたことをセンサが示す場合に、システムの作動を停止させ得る。超音波インピーダンスは、温度の上昇に起因して、組織が硬化するにつれて増加する。同様に、電気インピーダンスは、加熱に起因して、組織水レベルが低下する場合に低下する。フィードバック回路は、外科医によって選択的に作動および停止され、そして/または制御もしくはモニタリングされて、この器具の作動のさらなる融通性を外科医に提供し得る。さらに、制御モジュール14は、器具12またはそのハードウェアを試験および/または手直しする際に補助する、診断回路を備え得る。
【0023】
超音波器具12の作動は、コンピュータの使用によって自動的に制御され得ることが企図される。本開示のシステムの1つの好ましい代替の実施形態において、コンピュータ21は、超音波器具の末端エフェクタに配置されるセンサからデータを受信する。上で議論されたように、センサは、手術中の組織の異なる特徴(とりわけ、温度および/または超音波インピーダンスもしくは電気インピーダンスが挙げられる)をモニタリングするために、提供され得る。コンピュータ21は、好ましくは、センサから受信されたアナログ信号を処理して、このアナログ信号をデジタル信号に変換するための回路を備える。この回路は、アナログ信号を増幅およびフィルタリングするための手段を備え得る。その後、デジタル信号が評価され得、そして超音波器具の作動がモニタリングされて、組織の内部または表面における所望の効果を達成し得、そして周囲の組織に対する損傷を防止し得る。コンピュータ21は、制御モジュール14に組み込まれ得るか、または制御モジュール14に連結されて、器具12の作動の所望の改変または適切な改変をもたらし得る。
【0024】
図2は、3つの例示的な共鳴部材28(1〜3)を示す。器具12は、異なる数の共鳴部材28(x)を有するアレイ28で構成され得る。共鳴部材28(1〜3)は、並列で配置され得、その結果、これらは、互いに対して横方向に接近する。共鳴部材28(x)は、互いに結合または付着され、そして1つのユニットとして、超音波器具12の細長本体20内に設置されるか、あるいは、共鳴部材28(x)は、互いから離され、そして超音波器具12の本体20内に個々に設置される。
【0025】
共鳴部材28(x)の近位端は、隣接する共鳴部材28(x)に対してずらされ、そして好ましくは、このずれの距離dは、隣接する共鳴部材28(x)の各対について均一であり、ここで、距離dは、図4に関して以下に記載されるように、アレイ28における共鳴部材28(x)の数、および共鳴部材28(x)の変位曲線の波長によって決定される。変換器32(1つが示される)は、各それぞれの超音波部材要素28(x)上に同様に配置され得る。あるいは、各共鳴部材28(x)上での変換器32の配置は、距離dだけずらされ得る。共鳴部材28(x)の長さは、均一であっても変動可能であってもよい。従って、共鳴部材28(x)の遠位端は、互いと同一平面上であり得るか、またはずらされ得る。共鳴部材28(x)はそれぞれ、種々の形状を有し得ることが企図される。
【0026】
共鳴部材28(x)は、好ましくは、積層体を形成する。この積層体は、任意の公知のプロセス(例えば、積層、何らかの型の結合、押出し成型、射出成形、成形またはこれらの組み合わせ)によって形成される。好ましくは、共鳴部材28(x)は、可撓性材料によって互いに結合され、これは、別の共鳴部材28(x)に対する1つの共鳴部材28(x)の移動を可能にし、この相対的な移動は、代表的に、ミクロンのオーダーである。隣接する共鳴部材28(x)を結合するための結合材料の位置決めは、設計の考慮に関して変化し得、従って、隣接する共鳴部材28(x)の、接着材料が塗布された対面する表面
積の割合は、変化し得る。
【0027】
器具12の共鳴部材28(1〜3)は、好ましくは、マイクロ電気機械システム(MEMS)技術を使用して構成される。共鳴部材28(1〜3)は、各々、本体部分30および共鳴構造体31を備える。示されるMEMS構造において、変換器32は、各共鳴部材28(1〜3)に支持されるか、共鳴部材28(1〜3)の間に位置するか、または共鳴部材28(1〜3)の本体部分30の表面もしくは内部に結合される。各それぞれの共鳴部材28(x)に関連する変換器32は、変換器のアレイであり得る。
【0028】
変換器32は、共鳴部材28(1)の表面、内部、または隣接位置に配置されて、任意の軸(例えば、x軸、y軸、z軸、またはx軸とy軸とz軸との間の任意の軸)に沿った振動を生じ得る。共鳴部材28(1)は、組織の切開、切断、凝固、結紮、および/または止血の実施をもたらすように構成された、作動表面(一般に42で示される)を備える。あるいは、共鳴部材28(1)は、異なる作業(例えば、切断および凝固)を実施するための複数の作動表面を備え得る。システム10(器具12を備える)は、種々の外科的アプローチ(一般的な手順、婦人科学的手術手順、泌尿器科学的手術手順、胸部の手術手順、心臓の手術手順、および神経学的手術手順が挙げられる)において使用され得る。器具12は、内視鏡下手術手順と開胸手術手順との両方を実施するように構成され得、そして公知の様式で、指スイッチまたはフットペダルを介して始動され得る。始動デバイスは、器具12の始動をもたらすために、無線伝達回路を備え得る。
【0029】
各変換器32は、制御モジュール14における電気信号発生器(図示せず)から電気信号を受信して、各変換器32を(例えば、圧電素子または電気ひずみ素子を介して)電気的に励起させる。各変換器32は、この電気信号を機械的エネルギーに変換し、変換器32および共鳴部材28(1)の超音波振動数の振動運動を生じる。超音波部材28(1)は、高周波数範囲と低周波数範囲との両方で振動し得る。低周波数範囲(約20〜100kHz)において、この器具は、組織において空洞現象を発生させ、組織の切断をもたらす。高周波数範囲(1MHzより高い)において、この器具は、組織の加熱および凝固のために使用され得る。高周波数および低周波数での始動は、両方の周波数を発生させ得る電力増幅器によって同時に起こり得る。振動運動は、好ましくは、主として長手軸方向である。振動運動は、例えば、Balamuth振動でのような横向きの運動であることが、企図される。
【0030】
図3は、振動する共鳴部材28(1)に沿った変位曲線のプロットを示す。y軸は、振動の変位/振幅であり、そしてx軸は、共鳴部材28(1)の長さである。このプロットは、振動の振幅に関して性質が正弦波であり、そして共鳴部材28(1)の運動の量は、共鳴部材28(1)の長さに沿って変化する。この曲線の振幅は、振動する共鳴部材28(1)の変位の量に対応する。共鳴部材28(1)の点A、BおよびCは、最大の運動の点(腹としてもまた公知)であり、そして共鳴部材28(1)の点D、EおよびFは、実質的に運動がない点であり、ここで、この曲線の振幅は0である(節としてもまた公知)。
【0031】
好ましくは、変換器32は、圧電変換器である。あるいは、圧電以外の他の変換機構が使用され得、熱応力、電気ひずみ、磁気ひずみ、または光学駆動機構が挙げられる。変換器32は、電気コネクタ(好ましくは、ケーブル34)によって、電気信号発生器および制御モジュール14に接続される。ケーブル34は、ケーブル16と組み合わせられ得る。ケーブル34は、変換器32から器具12の本体20(図1)を通って近位に延び、そして電気信号発生器への接続のために、この器具のハンドルアセンブリ18の開口部(図示せず)を通って器具12から出得る。図3に示されるように、1つのケーブルは、各変換器32のために提供され、第1の端部は、電気信号発生器に接続され、そして第2の端
部は、それぞれの変換器32と接続される。別の実施形態において、1つのケーブル34が提供され、これは、第1の端部において電気信号発生器に接続され、そして第2の端部において、複数のケーブル分枝34aに分枝し、各ケーブル分枝34aが、変換器のアレイの1つの変換器32に接続される。
【0032】
図4は、振動する共鳴部材28(1〜3)にそれぞれ沿った、変位曲線40(1〜3)のプロットを示し、ここで、曲線40(1〜3)の相対的オフセットは、共鳴部材28(1〜3)を長手軸方向に沿って互いにずらすことによって、生じる。曲線40(1〜3)は、各曲線の極大点A、B、Cが、それぞれ他の曲線の極大点A、B、Cからオフセットし、そして極小点D、E、Fについても同様にオフセットするように、互いからオフセットする。
【0033】
アレイ28の長さに沿って、組み合わせられた(すなわち合計された)変位曲線40(1〜3)は、組み合わせられた振幅が0であるいずれの節をも有さず、従って、振動アレイ28の正味の変位は常に0でない。従って、アレイ28の全長に沿って、正味の振動運動は存在せず、このことは、1つのみの振動要素を有する従来の超音波部材に対してアレイ28の有効長さを長くする。アレイ28の長さは、ゼロ運動の領域が全くなしで、アレイ28の全長に沿って正味の振動運動が存在するように、無限に伸長され得る。
【0034】
さらに、アレイ28の長さに沿って、組み合わせられた変位曲線40(1〜3)は、単一の組み合わせられた変位曲線よりずっと低い振幅変化を有し、従って、振動アレイに沿った正味の運度は、1つのみの振動要素を有する超音波部材に対して比較的一定である。
【0035】
波長λを有する、n個の共鳴部材の変位曲線間のオフセットは、好ましくは、λ/nである。従って、図2における距離dは、λ/3である。同様に、n個の共鳴部材28(x)を有するアレイについては、オフセットの距離dは、好ましくは、λ/nである。別の実施形態において、距離dは、λ/n以外であるように選択され得、そしてn個の振動共鳴部材28(x)の変位曲線のオフセットは、λ/nとは異なり得る。
【0036】
別の実施形態において、異なる共鳴部材28(x)についての変位曲線は、異なる波長および/または異なる振幅を有する。1より多い周波数で振動を引き起こされる超音波部材28(x)は、1つより多くの変位曲線を有し得、これらの変位曲線は、異なる波長を有する。例えば、変換器のアレイの異なる変換器32は、異なる周波数を有する振動を発生させ得る(例えば、変換器への入力を変化させること、または異なって構成された変換器を有することによる)。あるいは、周波数、波形または振幅を変化させるため、変換器32によって発生された振動の1つより多い周波数またはその組み合わせを重ねるために、回路が提供され得る。従って、共鳴部材28(x)の振動は、正弦波以外であり得る。
【0037】
共鳴部材28(x)を長手軸方向にずらす代わりに、共鳴部材28(x)の変位曲線を互いに対してオフセットさせるための他の手段が提供され得ることが、企図される。例えば、変換器32または変換器内に入力または出力を提供するラインの少なくとも1つに、遅延回路が提供され得る。別の実施形態において、変換器の作動を制御するための制御ユニット、および/または変位曲線のオフセットをもたらすための遅延回路が提供される。
【0038】
従来の器具において、変換器は、従来、ハンドピースの近位端に取り付けられ、そして細長振動結合器を介して、器具の末端エフェクタに接続されている。本発明の変換器のアレイは、従来の器具の変換器と同様に配置され得ること、および振動結合器は、このアレイの各変換器を、器具12の遠位端に設置されたそれぞれの共鳴部材28(x)に接続するために提供されることが、企図される。
【0039】
変換器32が、器具の遠位先端に隣接する共鳴部材28(x)の表面、間、または内部に位置する、MEMS構成について、以下の利点が実現され得る:a)チタンから形成される細長振動結合器の必要性が除かれ、器具の費用を減少させる;b)器具の本体部分の長さが、器具の性能の変化を実質的に伴わずに変化(例えば、短縮または伸長)され得(例えば、器具の振動結合器が導電体によって交換されているので)、この器具は、本体の長さの変化後に、相当の費用で戻される必要がない;c)超音波エネルギーが、より効率的に患者に伝達され得、従って、エネルギー電力の要件を低下させる;d)この器具の使い捨ての部分が容易に変更され得、そして制限された再使用ハンドルを備える器具の先端、器具全体、またはこれらの間の任意の程度の使い捨て可能性のみを備え得る;e)ハンドルアセンブリが変換器を支持しないので、このハンドルアセンブリは、排除され得るか、またはより人間工学的に構成され得る;そしてf)器具の近位端において大きい変換器を使用する代わりに、器具の遠位端の表面、内部または隣接位置において小さい変換器を使用することは、実質的に、その器具の重量を減少させ、そして繊細な手術手順の間に特に、管理することを容易にする。
【0040】
共鳴部材28(x)の各々の共鳴構造体31は、好ましくは、ケイ素または金属の共鳴構造体、あるいはケイ素/金属複合材料から形成される。あるいは、チタンまたは他の金属のような材料が、このケイ素に何らかの様式で結合または接合されて、破損耐性を改善し得る。超音波使用に適したケイ素以外の材料が、共鳴構造体31を形成するために使用され得ることが、企図される。
【0041】
共鳴構造体31は、エッチングプロセス(例えば、等方性エッチング、深反応性イオンエッチングなど)を使用して形成され得る。適切なエッチングプロセスは、1994年10月31日に出願された米国特許第5,728,089号(これもまた、その全体が本明細書中に参考として援用される)に開示されている。あるいは、他の公知の手段(種々の異なる機械的プロセスが挙げられる)を使用して、超音波部材を形成し得る。
【0042】
共鳴構造体31は、作動表面44を有する線状刃として示される(図2)。図5A〜Kは、共鳴部材28(x)の共鳴構造体31の代替の構成を示し、とりわけ、J字型フック(図5A)、L字型フック(図5B)、種々の異なる断面形状(図5D〜5G)を有するシャー(図5C)、へら型(図5H)、弓型(図5Iおよび5J)、ならびに矩形(図5K)が挙げられる。末端エフェクタはまた、湾曲した刃(例えば、1997年8月14日に出願された米国特許第6,024,750号に開示される刃)および/または角度のついた刃(例えば、1996年10月4日に出願された米国特許第6,036,667号に開示される)を有するように構成され得る(これらの両方が、その全体が本明細書中に参考として援用される)。
【0043】
共鳴部材28(x)の各々または一体的なユニットとしてのアレイ28は、任意の公知の様式で、器具12の遠位端に取り付けられ得る。例えば、共鳴部材28(x)の各々またはアレイ28は、器具12の本体20の遠位端内に支持される基板またはシャフトまたは取り付け部材(図示せず)に、例えば、スナップフィット接続、止めねじまたはクランピングもしくはスエージ加工によって、固定され得る。共鳴部材28(x)の各々または一体的なアレイ28の近位端の表面に形成されるかまたはその表面もしくは内部に配置される、ねじ切りされたシャンク40または他の取り付け構造体が、器具12の遠位端への共鳴部材28(x)またはアレイ28の取り付けのために提供され得る。
【0044】
図6は、MEMS構成で構成され、そして超音波外科用システム10の本開示の超音波外科用器具において使用するために適切な、共鳴部材28(1)の1つの好ましい実施形態を図示する。好ましくは、共鳴部材28(2〜n)(図示せず)は、類似の実施形態を有する。共鳴部材28(1)は、好ましくは、圧電積層構造体であり、これは、フレーム
102、共鳴構造体31、および変換器32を有する、本体30を備える。変換器32は、好ましくは、ケイ素プレート110で隔てられた、一対のPZT結晶108を備える。あるいは、PZT結晶以外の結晶が、電力を有効な機械的振動に変換するために使用され得ることが、企図される。適切な結合剤またはプロセス(例えば、はんだ結合、拡散結合、接着剤など)が、結晶108をプレート110に固定するために使用される。
【0045】
共鳴構造体31は、好ましくは、その遠位端に、第1の共鳴部材104aおよび第2の共鳴部材104bを備える。共鳴部材104aおよび104bの近位端は、一緒になって、変換器32を受容するための空洞を規定する。あるいは、共鳴構造体31は、一片の材料からモノリシックに形成され得る。PZT結晶108と、共鳴部材104aおよび104bとの嵌合表面は、適切な可撓性結合剤または結合プロセス(例えば、ガラス結合、接着剤など)を使用して、一緒に固定される。
【0046】
フレーム102は、本体112を備え、この本体は、好ましくは、剛性材料(金属、セラミックなどが挙げられる)から形成され、そして共鳴構造体31および変換器32のアセンブリを受容するような寸法および構成にされた、空洞114を備える。結合層118(好ましくは、導電性金属から形成される)は、共鳴部材104aおよび104bの近位部分と、フレーム102との間に配置され、変換器32(これは、移動可能である)を、フレーム102(これは、静止している)に結合する。フレーム102の近位端は、貫通孔120を備え、この貫通孔は、導電体122(例えば、ワイヤまたは同軸ケーブル)の通過を可能にする寸法にされて、変換器32に電力を供給する。この導電体は、好ましくは、高電圧高周波数のテフロン(登録商標)絶縁ケーブルであるが、他の導体の使用が企図される。導体122の遠位端は、可撓性導電性ワイヤ124によってプレート110に接続され、このワイヤは、フレーム102と変換器32との間の相対的な移動を制限しない。
【0047】
上で議論されたように、共鳴構造体31の形状は、図6に示されるものと異なり得る。より具体的には、共鳴構造体31の遠位作動表面126は、図5A〜5Kに示される構成のいずれか、または本明細書中には示されない任意の他の構成(これは、特定の手術手順を実施するために有利であり得る)を呈し得る。さらに、クランプが、組織の把持を容易にするために提供され得る。
【0048】
好ましい実施形態において、共鳴部材28(x)のアレイ28の第1の共鳴部材28(1)の共鳴部材104aおよび104bの近位端は、それぞれの共鳴部材の変位曲線におけるオフセットを生じるために、第2の共鳴部材の近位端に対してずらされる。
【0049】
種々の改変が、本明細書中に開示される実施形態になされ得ることが、理解される。例えば、末端エフェクタの超音波部材の構成は、本明細書中に示されるとおりである必要はなく、むしろ、特定の外科適用に適切な任意のものであり得る。さらに、変換器は、この器具の遠位の末端エフェクタの超音波部材の近位に取り付けられ得、そして超音波部材に直接設置される必要はない。従って、上記記載は、限定として解釈されるべきではなく、単に、好ましい実施形態の例示として解釈されるべきである。当業者は、本明細書に添付される特許請求の範囲の範囲および精神の範囲内で、他の改変を予測する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−136700(P2009−136700A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−24114(P2009−24114)
【出願日】平成21年2月4日(2009.2.4)
【分割の表示】特願2003−533791(P2003−533791)の分割
【原出願日】平成14年10月11日(2002.10.11)
【出願人】(501289751)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (320)
【Fターム(参考)】