空席ナビゲーションシステム、空席ナビゲーションサーバ、携帯端末、及び、プログラム
【課題】公共交通機関の利用者に負担を強いることなく、座席が空席になるまでの時間を表示するための技術を提供する。
【解決手段】空席ナビゲーションシステム10は、空席ナビゲーションサーバ100が、定期券機能を有する携帯端末200から定期的に送信される位置情報を用いてユーザの乗車、着席を判定し、携帯端末200から送信された定期区間情報に含まれる降車駅情報を用いて、着席された座席が空席になるまでの時間を算出する。さらに、空席ナビゲーションサーバ100は、携帯端末200が位置している車両の座席配置を示す車両画像マスタに、着席された座席が空席になるまでの時間を合成して、着席画像データを生成し、携帯端末200に送信する。携帯端末200は、空席ナビゲーションサーバ100から送信された着席画像データを表示する。
【解決手段】空席ナビゲーションシステム10は、空席ナビゲーションサーバ100が、定期券機能を有する携帯端末200から定期的に送信される位置情報を用いてユーザの乗車、着席を判定し、携帯端末200から送信された定期区間情報に含まれる降車駅情報を用いて、着席された座席が空席になるまでの時間を算出する。さらに、空席ナビゲーションサーバ100は、携帯端末200が位置している車両の座席配置を示す車両画像マスタに、着席された座席が空席になるまでの時間を合成して、着席画像データを生成し、携帯端末200に送信する。携帯端末200は、空席ナビゲーションサーバ100から送信された着席画像データを表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の着席情報を提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
電車やバス等の公共交通機関では、着席可能な座席数に制限があり、全ての利用者が着席できるわけではない。満席の状態において、なるべく早く着席したい利用者は、着席者のそばに立ち、空席になるのを待つことになる。
【0003】
しかし、どの着席者が早く席を立つかはわからないため、自分よりも後から乗車した利用者に、先に着席されてしまうことがある。このような状況に不満を感じる利用者は、少なくない。
【0004】
この点、特許文献1には、乗客が所持する意思表示端末に、それぞれの座席が空席になるまでの時間(以下では、「着席情報」ともよぶ)を表示する技術について記載されている。これにより、乗客は、どの座席が早く空席になるのか把握することができるようになる。
【0005】
【特許文献1】特開2004−86471号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の技術では、各座席が空席になるまでの時間を、乗客によって意思表示端末に入力された降車予定駅などを用いて算出している。着席した乗客は、着席していない乗客のために降車予定駅などの情報を意思表示端末に入力しなければならず、負担が強いられることになる。
【0007】
本発明は、公共交通機関の利用者に負担を強いることなく、座席が空席になるまでの時間を表示するための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明は、携帯端末から定期的に送信される位置情報を用いてユーザの着席を判定し、前記携帯端末から送信された降車駅情報を用いて、着席された座席が空席になるまでの時間を算出し、前記携帯端末に当該時間を表示させる。
【0009】
例えば、本発明の空席ナビゲーションサーバは、車両の着席情報を提供する装置であって、車両の停車駅ごとに、車両の停車時刻と、車両が停車する所定の停車領域と、を対応付けた運行データと、車両内に配置されている座席の座席位置を特定する座席特定データと、車両内の座席の配置を示す車両画像データと、を記憶している記憶部と、定期券機能を有する携帯端末について、定期区間から特定されるユーザの降車駅を受信し、当該携帯端末の端末位置を示す位置情報を定期的に受信する受信部と、前記位置情報の示す端末位置が、前記停車時刻において、当該停車時刻に対応する前記停車領域内にあるか否かを判定する乗車判定部と、前記停車領域内にあると判定された前記端末位置が、前記座席特定データで特定される座席位置にある場合に、当該座席位置の座席にユーザが着席していると判定する着席判定部と、前記降車駅に対応する前記停車時刻を用いて、着席されていると判定された前記座席が空席になるまでの時間を算出する着席情報算出部と、算出した前記時間を前記車両画像データに合成して、着席画像データを生成する着席画像データ生成部と、前記乗車判定部により前記停車領域内にあると判定された前記端末位置の車両についての前記着席画像データを、当該端末位置の携帯端末に送信する着席画像データ送信部と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、公共交通機関の利用者に負担を強いることなく、座席が空席になるまでの時間を表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(第1の実施形態)
以下、本発明の実施形態の一例について図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態が適用された空席ナビゲーションシステム10の概略構成図である。図示するように、空席ナビゲーションシステム10は、空席ナビゲーションサーバ100と、携帯端末200と、改札機300と、を備えている。
【0013】
空席ナビゲーションサーバ100、及び、改札機300は、それぞれ相互にネットワーク30を介して通信可能に接続されている。
【0014】
ここで、ネットワーク30は、一般的にインターネットで使用されているTCP/IPプロトコル等で通信可能なネットワークである。
【0015】
また、携帯端末200は、携帯キャリアごとに独自の通信プロトコルで通信可能な事業者ネットワーク40に接続されており、基地局などを介して、空席ナビゲーションサーバ100と通信することができる。図示していないが、事業者ネットワーク40とネットワーク30の間には、基地局や、所定のプロトコル変換を行うゲートウェイなどが設置されている。
【0016】
改札機300は、鉄道の駅などの改札口に設置された装置であり、例えば、駅構内に一般的に設置される自動改札装置である。改札機300は、乗車券(IC乗車券を含む)を確認する処理、運賃の処理、改札通路を通過した人数についての集計処理、といった各種情報処理を行う。
【0017】
図2は、改札機300の機能構成図を示す図である。図示するように、改札機300は、制御部310と、記憶部320と、通信部330と、ICカードリーダライタ部340と、を有する。
【0018】
記憶部320は、改札機300が設置されている駅を特定するための駅特定データを記憶している。例えば、駅特定データは、駅ごとに異なる文字列(数字列を含む)が割り当てられたデータである。
【0019】
ICカードリーダライタ部340は、携帯端末200に内蔵したICカードへのデータの書き込み、及び、読み出しを行う。このとき、ICカードリーダライタ部340は、ICカードに電力を供給するようにしてもよい。
【0020】
ICカードリーダライタ部340がICカードから読み出すデータには、例えば、携帯端末200の識別情報、定期券に関する定期券情報、乗車券に関する乗車券情報、などが含まれる。また、ICカードリーダライタ部340がICカードに書き込むデータには、改札の入出記録、運賃、などが含まれる。
【0021】
通信部330は、ネットワーク30を介して、空席ナビゲーションサーバ100とデータの送受信を行う。具体的には、通信部330は、制御部310からの指示に基づいて、各種データを空席ナビゲーションサーバ100に送信する。
【0022】
制御部310は、改札機300における種々の処理を行う。
【0023】
例えば、制御部310は、ICカードリーダライタ部340が携帯端末200のICカードから乗車券情報を読み出した場合には、読み出した乗車券情報が有効か否か判定する。
【0024】
制御部310は、乗車券情報が有効と判定した場合、改札通路の通過を許可すべく、改札通路に設けられている開閉可能な通過扉を開く制御を行う。一方、乗車券情報が無効と判定した場合には、改札通路の通過を禁止すべく、通過扉を閉じる制御を行う。
【0025】
また、制御部310は、ICカードリーダライタ部340が携帯端末200のICカードから定期券情報を読み出した場合には、読み出した定期券情報が有効か否か判定する。そして、制御部310は、ここでの判定結果(有効又は無効を示す信号)を、ICカードリーダライタ部340を介して、携帯端末200に通知する。
【0026】
制御部310は、定期券情報が有効と判定した場合、上記と同様に通過扉を開くとともに、携帯端末200の端末識別情報と、定期券情報に含まれている定期区間情報と、記憶部320に記憶されている駅特定データと、を通信部330を介して空席ナビゲーションサーバ100に送信する。一方、定期券情報が無効と判定した場合には、乗車券情報が無効な場合と同様に通過扉を閉じる。
【0027】
また、制御部310は、乗車券情報又は定期券情報が有効な場合には、ICカードリーダライタ部340を介して、改札の入出記録や運賃などを携帯端末200のICカードに書き込む制御を行う。
【0028】
図3は、以上のような機能を有する改札機300のハードウェア構成図である。図示するように、改札機300は、改札扉の開閉などの制御を行う改札制御機構806に加え、CPU801と、RAM等の主記憶装置802と、ROMやHDD等の外部記憶装置803と、ネットワーク30に接続するための通信装置804と、近距離無線通信によってICカードのデータを読み書きする非接触ICカードリーダライタ805と、を備えたコンピュータで実現される。
【0029】
例えば、図2に示す記憶部320は、外部記憶装置803により実現可能であり、制御部310は、外部記憶装置803に記憶されている所定のプログラム(例えば、改札制御機構の制御プログラムや各種情報処理のためのプログラム)を主記憶装置802にロードしてCPU801で実行することで実現可能である。また、通信部330は、通信装置804により実現可能であり、ICカードリーダライタ部340は、非接触ICカードリーダライタ805により実現可能である。
【0030】
図1に戻り、携帯端末200は、定期券機能を有する携帯型の端末であり、例えば、携帯電話である。携帯端末200は、空席ナビゲーションサーバ100が生成したデータに基づいて、公共交通機関の車両に配置されている座席が空席になるまでの時間を表示する。
【0031】
図4は、携帯端末200の機能構成図を示す図である。図示するように、携帯端末200は、制御部210と、記憶部220と、入力部230と、表示部240と、近距離無線通信部250と、通信部260と、GPS信号受信部270と、を有する。
【0032】
記憶部220は、端末識別情報(以下では、「端末ID」とよぶ)221と、定期区間情報222と、位置情報223と、を記憶する。
【0033】
端末ID221は、携帯端末200ごとに異なる文字列(数字列を含む)が割り当てられたデータである。図5(A)は、端末ID221のデータ構造を示す図である。図示するように、記憶部220は、1つの端末ID221を記憶している。
【0034】
定期区間情報222は、定期券情報に含まれており、定期区間(「第1の駅」から「第2の駅」までの区間)を特定するデータである。図5(B)は、定期区間情報222のデータ構造を示す図である。図示するように、定期区間情報222は、定期区間の一端の駅名を示す第1の駅名2221と、定期区間の他端の駅名を示す第2の駅名2222と、を対応付けたレコードからなる。
【0035】
なお、記憶部220は、定期券情報として、定期区間情報222の他に、定期券の有効期限を示す情報などを記憶している。
【0036】
位置情報223は、携帯端末200の現在位置を示すデータであり、例えば、GPS衛星から取得したGPS信号に基づいて算出した緯度、経度データである。図5(C)は、位置情報223のデータ構造を示す図である。図示するように、記憶部220は、携帯端末200の現在位置を示す座標(経度,緯度)データを位置情報223として記憶する。
【0037】
図4に戻り、入力部230は、ユーザによる入力を受け付ける。具体的には、入力部230は、電話番号の入力、電源の投入や切断の入力、各種指示ための入力などを受け付け、制御部210に通知する。
【0038】
表示部240は、画像データなどの各種データを表示する。具体的には、表示部240は、表示のための描画コマンドを生成して各種データを表示する。ここで、表示する各種データには、空席ナビゲーションサーバ100から送信されたデータや、各種アプリケーションの実行にともなうデータなどが含まれる。
【0039】
近距離無線通信部250は、改札機300とのデータの送受信を行う。具体的には、近距離無線通信部250は、改札機300から電波を受信した場合(要求を受け付けた場合)に、記憶部220に記憶されている端末ID221と定期券情報(定期区間情報222を含む)を、改札機300に送信する。また、近距離無線通信部250は、改札機300から、改札の入出記録や運賃などの情報を受信する。
【0040】
通信部260は、事業者ネットワーク40及びネットワーク30を介して、空席ナビゲーションサーバ100とデータの送受信を行う。具体的には、通信部260は、制御部210からの指示に基づいて、各種データ(例えば、位置情報223など)を空席ナビゲーションサーバ100に送信する。
【0041】
GPS信号受信部270は、GPS衛星からGPS信号を受信する。
【0042】
制御部210は、携帯端末200における種々の処理を行う。
【0043】
例えば、制御部210は、図示するように、改札処理部211と、モード切替部212と、現在位置算出部213と、データ送受信部214、着席情報処理部215と、を有する。
【0044】
改札処理部211は、近距離無線通信部250が改札機300から電波を受信した場合に、所定の改札処理を行う。具体的には、改札処理部211は、記憶部220に記憶されているデータ(端末識別情報221、乗車券情報又は定期券情報など)について、近距離無線通信部250を介して、改札機300に送信する。また、改札処理部211は、ここで送信した乗車券情報又は定期券情報が有効であるか否かの判定結果を、近距離無線通信部250を介して改札機300から受け付ける。当該判定結果が有効を示す場合において、改札処理部211は、さらに、改札の入出記録や運賃などのデータを改札機300から受け付け、記憶部220に記憶する。なお、ここで記憶した入出記録や運賃などは、ユーザが駅構内から出場する場合において、携帯端末200にチャージされている残金などを更新する処理などに用いられる。
【0045】
モード切替部212は、ユーザが改札を通過して駅構内に入場した場合(入場用の非接触ICカードリーダライタ805と通信して上記の改札処理を完了した場合)に、携帯端末200のモードを通常モードから位置提供モードに切り替える。一方、ユーザが改札を通過して駅構内から出場した場合(出場用の非接触ICカードリーダライタ805と通信して上記の改札処理を完了した場合)には、位置提供モードから通常モードに切り替える。従って、携帯端末200が駅構内に位置している場合に、携帯端末200は位置提供モードとなる。ここで、位置提供モードとは、携帯端末200が駅構内にある場合(入場用の改札機300を通過してから出場用の改札機300を通過するまで)に、後述する現在位置算出部213が算出した携帯端末200の現在位置を、携帯端末200から空席ナビゲーションサーバ100に定期的に通知するモードのことをいう。
【0046】
現在位置算出部213は、携帯端末200が位置提供モードである場合に、携帯端末200の現在位置を算出する。具体的には、現在位置算出部213は、GPS信号受信部270を介して定期的にGPS衛星から受信したGPS信号を用いて現在位置(緯度、経度)を算出する。また、現在位置算出部213は、基地局などから補正データを受信し、GPS信号を用いて算出した現在位置の誤差を補正するようにしてもよい。また、現在位置算出部213は、携帯端末200の現在位置を算出する毎に、記憶部230に記憶されている位置情報223を更新する。
【0047】
データ送受信部214は、通信部260を介して、空席ナビゲーションサーバ100と通信パケット400の送受信を行う。
【0048】
例えば、空席ナビゲーションサーバ100に通信パケット400を送信する場合には、データ送受信部214は、予め定めたフォーマットの通信パケット400を生成して、空席ナビゲーションサーバ100に送信する。具体的には、データ送受信部214は、記憶部230に記憶されている端末ID221と、定期区間情報222と、位置情報223と、をそれぞれ2値化データに変換し、変換した各2値化データを含む通信パケット400を生成して空席ナビゲーションサーバ100に送信する。
【0049】
また、空席ナビゲーションサーバ100から通信パケット400を受信した場合には、データ送受信部214は、2値化されているデータを復元する。
【0050】
図6は、通信パケット400のデータ構造を示す図である。図示するように、通信パケット400は、IPヘッダ401と、送信元IPアドレス402と、送信先IPアドレス403と、データ部と、を対応付けたレコードからなる。
【0051】
IPヘッダ401は、事業者ネットワーク40における通信制御に用いられるプロトコル情報である。
【0052】
送信元IPアドレス402は、携帯端末200に割り当てられるIPアドレスである。
【0053】
送信先IPアドレス403は、空席ナビゲーションサーバ100に割り当てられるIPアドレスである。
【0054】
データ部は、2値化端末ID404、2値化定期区間情報405、2値化位置情報406と、を含む。ただし、データ部のデータ構成は任意である。例えば、データ部は、2値化端末ID404及び2値化定期区間情報405だけで構成されてもよいし、或いは、2値化端末ID404及び2値化位置情報406だけで構成されてもよい。
【0055】
2値化端末ID404は、記憶部220に記憶された端末ID221を2値化データに変換したデータである。
【0056】
2値化定期区間情報405は、記憶部220に記憶された定期区間情報222を2値化データに変換したデータである。
【0057】
2値化位置情報406は、記憶部220に記憶された位置情報223を2値化データに変換したデータである。
【0058】
また、データ送受信部214は、空席ナビゲーションサーバ100から図6に示す通信パケット400と同様の通信パケットを受信する。ただし、データ部については、任意のデータ(例えば、後述する着席情報)を格納してよい。
【0059】
また、データ送受信部214は、空席ナビゲーションサーバ100から通信パケットを受信したとき、データ部のデータが2値化データである場合には、必要に応じて2値化データを、2値化される前のデータに復元することができる。
【0060】
着席情報処理部215は、空席ナビゲーションサーバ100から送信された着席情報(着席画像データ)を表示する。また、着席情報処理部215は、表示した着席情報(着席画像データ)を、ユーザの指示に応じて、スクロール、拡大、縮小する。
【0061】
図7は、以上のような機能を有する携帯端末200のハードウェア構成図である。図示するように、携帯端末200は、CPU701と、モバイルRAM等のメモリからなる主記憶装置702と、メモリカード、ICカード内のメモリ等からなる外部記憶装置703と、基地局などと通信するための通信装置704と、GPS衛星からGPS信号を受信するGPS装置705と、改札機300の非接触ICカードリーダライタ805と電波の送受信を行うアンテナ等からなる近距離無線通信装置706と、入力ボタン、タッチパネル、マイクロフォンなどからなる入力装置707、液晶ディスプレイ、スピーカなどからなる出力装置708と、を備えたコンピュータで実現される。
【0062】
例えば、図4に示す記憶部220は、外部記憶装置703により実現可能であり、制御部210は、外部記憶装置703に記憶されている所定のプログラム(例えば、着席情報を表示するプログラム)を主記憶装置702にロードしてCPU701で実行することで実現可能である。また、通信部260は、通信装置704により実現可能であり、GPS信号受信部270は、GPS装置705により実現可能であり、近距離無線通信部250は、近距離無線通信装置706により実現可能である。また、入力部230は、入力装置707により実現可能であり、表示部240は出力装置708により実現可能である。
【0063】
図1に戻り、空席ナビゲーションサーバ100は、公共交通機関の車両に配置されている座席が空席になるまでの時間を示す着席情報を生成し、携帯端末200に提供する装置である。
【0064】
図8は、空席ナビゲーションサーバ100の機能構成図を示す図である。図示するように、空席ナビゲーションサーバ100は、制御部110と、記憶部120と、入力部130と、出力部140と、通信部150と、を有する。
【0065】
記憶部120は、定期区間テーブル121と、位置情報テーブル122と、着席情報データベース(DB)126を記憶する。また、記憶部120は、座席特定データベース(DB)123と、車両画像マスタデータベース(DB)124と、運行情報データベース(DB)125と、を予め記憶している。
【0066】
定期区間テーブル121は、携帯端末200から送信された定期区間情報222(2値化定期区間情報405に基づいて復元されたデータ)を、携帯端末200ごとに格納する。 図9(A)は、定期区間テーブル121の概略データ構造を示す図である。図示するように、定期区間テーブル121は、携帯端末200の端末IDごとのレコードからなる。各レコードには、端末ID1211と、乗車駅1212と、降車駅1213と、が対応付けて格納されている。
【0067】
端末ID1211は、携帯端末200から送信された端末ID221(2値化端末ID404に基づいて復元されたデータ)に対応するデータである。
【0068】
乗車駅1212は、ユーザが乗車した駅名を示すデータある。具体的には、乗車駅1212は、携帯端末200から送信された定期区間情報222に含まれている第1の駅名2221と第2の駅名2222のうち、改札機300から送信された駅特定データに対応している方のデータである。例えば、第1の駅名2221が「K駅」を示すデータであり、第2の駅名2221が「D駅」を示すデータであるとき、駅特定データが「D駅」を示すデータである場合には、乗車駅1212の欄に、第2の駅名2221が示す「D駅」が格納される。
【0069】
降車駅1213は、ユーザが降車する予定の駅名を示すデータである。具体的には、降車駅1213は、上記の第1の駅名2221と第2の駅名2222のうち、乗車駅1212と対応していない方のデータである。例えば、上記の例では、乗車駅1212の欄には「D駅」を示すデータが格納されるので、降車駅1213の欄には、第1の駅名2221が示す「K駅」が格納される。
【0070】
次に、位置情報テーブル122は、各携帯端末200から送信された位置情報223(2値化位置情報406に基づいて復元されたデータ)を、携帯端末200ごとに格納する。
【0071】
図9(B)は、位置情報テーブル122の概略データ構造を示す図である。図示するように、位置情報テーブル122は、携帯端末200の端末IDごとのレコードからなる。各レコードには、端末ID1221と、端末位置1222と、最寄り駅1223と、が対応付けて格納されている。
【0072】
端末ID1211は、携帯端末200から送信された端末ID221(2値化端末ID404に基づいて復元されたデータ)に対応するデータである。
【0073】
端末位置1222は、携帯端末200の位置を示すデータである。具体的には、端末位置1222は、携帯端末200の位置情報223に対応するデータであり、例えば、緯度、経度データである。
【0074】
最寄り駅1223は、ユーザの乗車列車が停車している最寄り駅を示すデータである。具体的には、最寄り駅1223は、携帯端末200の現在位置(位置情報223)に対応する(後述する運行情報DB125から特定される)駅名を示すデータである。
【0075】
次に、運行情報DB125は、列車ごとの各駅での停車時刻および停車位置(領域)を特定するためのデータを格納する。
【0076】
図10は、運行情報DB125の概略データ構造を示す図である。図示するように、運行情報DB125には、列車ID1251ごとに、停車駅の駅名1252と、停車時刻1253と、停車領域1254と、を対応付けたレコードが格納されている。
【0077】
列車ID1251は、列車ごとに異なる文字列(数字列を含む)が割り当てられたデータである。
【0078】
駅名1252は、列車が運行スケジュールに従って走行する際に、停車する駅名を示すデータである。
【0079】
停車時刻1253は、列車が停車する各駅での停車時刻を特定するデータである。例えば、停車時刻1253は、「8:54−9:02」といった停車時刻の開始、終了を特定する時刻データからなる。
【0080】
停車領域1254は、各駅において列車が停車する所定領域を特定するデータである。通常、列車は、各駅において定められた位置に停車するものであり、停車領域1254は、その停車位置(領域)を特定する座標(経度、緯度)データである。
【0081】
なお、運行情報DB125に格納されている各データは、事故などによって列車が運行スケジュール通りに運行できない場合には、随時、実際の運行状況に応じて更新される。
【0082】
次に、座席特定DB123は、ユーザが車両内で着席している座席を特定するためのデータを格納する。
【0083】
図11は、座席特定DB123の概略データ構造を示す図である。図示するように、座席特定DB123は、列車ID1236ごとに、停車駅の駅名1231と、列車を編成している各車両ごとの座席情報(1232A、1233A、など)と、を対応付けたレコードが格納されている。
【0084】
列車ID1231は、列車ごとに異なる文字列(数字列を含む)が割り当てられたデータであり、運行情報DB125の列車ID1251に対応している。
【0085】
駅名1231は、列車が停車する駅名を示すデータであり、運行情報DB125に格納されている駅名1252に対応している。
【0086】
各号車に配置される各座席の座席情報(1号車の第1の座席1232A、1号車の第2の座席1233A、2号車に配置される第1の座席1232B、など)は、各座席の領域を示すデータである。例えば、1号車の第1の座席1232Aの欄には、第1の座席領域を特定する「(経度x1〜経度x2,緯度y1〜緯度y2)」といった領域データが格納される。
【0087】
なお、本発明は、複数の車両を連結させた列車に限定するものではなく、単数の車両からなる電車、バスなどの公共交通機関にも適用される。その場合、各レコードには、単数の車両に配置されている座席の情報だけが格納される。
【0088】
次に、車両画像マスタDB124は、列車を編成する各車両に配置されている座席の位置を示す画像データ(以下では、「車両画像マスタ」とよぶ)を格納する。車両画像マスタは、列車ごとに、車両画像マスタDB124に格納されている。各車両の車両画像マスタは、列車ID1241および車両名(1242、1243、など)を指定して、1つの車両の車両画像マスタを読み出すことが可能なように格納されている。
【0089】
図12は、車両画像マスタDB124の概略データ構造を示す図である。図示するように、車両画像マスタDB124には、列車ID1241ごとに、当該列車を編成する車両の車両画像マスタが対応付けて格納される。例えば、車両名が1号車1242の欄には、1号車の車両の車両画像マスタが格納され、車両名が2号車1243の欄には、2号車の車両の車両画像マスタが格納される。
【0090】
ここで、列車ID1241は、列車ごとに異なる文字列(数字列を含む)が割り当てられたデータであり、運行情報DB125に格納されている列車ID1251に対応している。
【0091】
なお、各車両についての車両画像マスタのデータサイズは予め定められており、記憶部120は、座席名と、車両画像マスタ上におけるその座席の位置(例えば、座標)と、を対応付けたデータ(以下では、「画像位置データ」とよぶ)を、予め記憶している。画像位置データを用いれば、車両画像マスタをメモリ(後述する主記憶装置602)に読み出して、座席名を指定することで、指定された座席の位置(車両画像マスタ上における位置)を特定することができる。
【0092】
次に、着席情報DB126は、乗客の着席している座席が空席になるまでの時間(着席情報)を示す画像データ(以下では、「着席画像データ」とよぶ)を格納する。このような着席画像データは、車両画像マスタに着席情報を合成して生成され、車両ごとに、着席情報DB126に格納される。ここで、各車両の着席画像データは、列車IDおよび車両名で特定される車両1261を指定して、1つの車両の着席画像データを読み出すことが可能なように格納される。
【0093】
図13は、着席情報DB126の概略データ構造を示す図である。図示するように、着席情報DB126には、生成された着席画像データが、車両1261ごとに格納される。なお、着席画像データの生成方法については、後述する。
【0094】
図8に戻り、入力部130は、ユーザによる入力を受け付ける。具体的には、入力部130は、各種指示ための入力などを受け付け、制御部210に通知する。
【0095】
表示部140は、画像データなどの各種データを表示する。具体的には、表示部140は、表示のための描画コマンドを生成して表示する。ここで、表示する各種データには、各種アプリケーション(例えば、記憶部120に格納されているデータを更新するアプリケーションなど)の実行にともなうデータなどが含まれる。
【0096】
通信部150は、ネットワーク30及び事業者ネットワーク40を介して、携帯端末200とデータの送受信を行う。具体的には、通信部150は、制御部110からの指示に基づいて、例えば、着席情報を含む着席画像データなどを、携帯端末200に送信したり、携帯端末200の位置情報223などを、携帯端末200から受信したりする。
【0097】
制御部110は、空席ナビゲーションサーバ100における種々の処理を行う。
【0098】
例えば、制御部110は、図示するように、データ送受信部111と、乗車判定部112と、着席判定部113と、着席情報算出部114と、着席画像データ生成部115と、を有する。
【0099】
データ送受信部111は、通信部150を介して、携帯端末200と通信パケット400の送受信を行う。
【0100】
例えば、携帯端末200に通信パケット400を送信する場合には、データ送受信部111は、通信パケット400を生成して、携帯端末200に送信する。具体的には、データ送受信部111は、生成された着席情報(着席画像データ)を含む通信パケット400を生成して携帯端末200に送信する。
【0101】
また、携帯端末200から通信パケット400を受信した場合には、データ送受信部111は、2値化されているデータを復元する。例えば、受信した2値化端末ID404、2値化定期区間情報405、2値化位置情報406を、それぞれ、2値化する前のデータに復元する。
【0102】
乗車判定部112は、列車にユーザが乗車したか否かを判定する。
【0103】
このとき、乗車判定部112は、ユーザ(携帯端末200)が乗車する候補となる列車を、運行情報DB125から検索する。具体的には、乗車判定部112は、改札機300から受信した駅特定データに対応する駅名1252と、改札機300から受信した日時(第1の日時情報)に対応する停車時刻1253と、をともに有するレコードを、位置情報テーブル122から検索する。ここで、第1の日時情報に対応する停車時刻1253とは、停車時刻1253が示す時刻の範囲に、第1の日時情報が含まれているデータをいう。
【0104】
乗車判定部112は、乗車候補の列車の中から、実際にユーザが乗車している列車を検索する。具体的には、乗車判定部112は、先に候補として検索したレコードの中から、携帯端末200の位置(端末位置1222)が停車領域1254内に存在しているレコードを検索する。
【0105】
乗車判定部112は、検索した結果、該当するレコードが存在するか否かに応じて、ユーザが列車に乗車したか否かを判定する。具体的には、該当するレコードが存在する場合に、ユーザが検索したレコードに対応付けられた列車(列車ID1251)に、乗車していると判定する。一方、該当するレコードが存在しない場合に、ユーザは列車に乗車いていないと判定する。
【0106】
着席判定部113は、乗車したユーザが、車両内に配置されている座席に着席しているか否かを判定する。具体的には、着席判定部113は、ユーザ(携帯端末200)が同一座席の位置に所定時間以上いるか否かに応じて、当該座席への着席の有無を判定する。
【0107】
例えば、着席判定部113は、携帯端末200の位置(端末位置1222が示す位置)の座席を、座席特定DB123から特定し、このとき特定した座席と、所定時間経過後における同一携帯端末200の位置(端末位置1222が示す位置)の座席と、を比較する。その結果、比較した座席が同一の座席である場合には、ユーザが当該座席に着席していると判定する。一方、同一の座席でない場合には、ユーザは着席していないと判定する。
【0108】
また、着席判定部113は、定期区間の全ての駅(乗車駅を除く)において、一旦着席していると判定されたユーザが、継続して同一席に着席しているか否か判定する。具体的には、着席判定部113は、列車が駅に停車中であるとき、携帯端末200の位置(端末位置1222が示す位置)の座席を、座席特定DB123から特定し、このとき特定した座席と、最初に着席していると判定した駅(乗車駅)で特定した座席と、を比較して判定する。
【0109】
着席情報算出部114は、ユーザの着席している座席が空席になるまでの時間(着席情報)を算出する。具体的には、着席情報算出部114は、着席しているユーザが乗車している列車の停車中の駅(最寄り駅)を特定し、特定した最寄り駅1224を位置情報テーブル122に上書きする。また、着席情報算出部114は、定期区間テーブル121からユーザの降車駅1213を特定し、最寄り駅1224から降車駅1213までの所要時間を、着席情報として算出する。
【0110】
例えば、着席情報算出部114は、運行情報DB125から、最寄り駅1224に対応する停車時刻(終了時刻)1253と、降車駅1213に対応する停車時刻(開始時刻)1253と、を読み出し、両停車時刻の差分時間を求めることよって、着席情報を算出する。
【0111】
着席画像データ生成部115は、着席情報を車両画像マスタに合成した着席画像データを生成する。具体的には、着席画像データ生成部115は、車両画像マスタにおいてユーザが着席している座席の位置に、着席情報を示すデータを合成して着席画像データを生成する。ここで、着席画像データ生成部115は、車両画像マスタにおける座席の位置を特定するときに、上述した画像位置データを用いる。
【0112】
図14は、以上のような機能を有する空席ナビゲーションサーバ100のハードウェア構成図である。図示するように、空席ナビゲーションサーバ100は、CPU601と、RAM等の主記憶装置602と、ROMやHDD等の外部記憶装置603と、ネットワーク30に接続するためのNIC(Network Interface Card)等の通信装置604と、CD−ROMやDVD−ROM等の可搬性を有する可搬型記憶媒体607から情報を読み出す読取装置605と、ディスプレイ、キーボードやマウス等の入出力装置606と、を備えた一般的なコンピュータで実現される。
【0113】
例えば、図8に示す記憶部120は、外部記憶装置603により実現可能であり、制御部110は、外部記憶装置603に記憶されている所定のプログラム(例えば、着席情報を算出するプログラム、着席画像データを生成するプログラム、など)を主記憶装置602にロードしてCPU601で実行することで実現可能である。また、通信部150は、通信装置604により実現可能であり、入力部130、表示部140は、入出力装置606により実現可能である。
【0114】
上記の所定のプログラムは、読取装置605を介して可搬型記憶媒体607から外部記憶装置603に記憶され、それから、主記憶装置602上にロードされてCPU601により実行されるようにしてもよい。また、通信装置604を介してネットワーク30から外部記憶装置603に記憶され、それから、主記憶装置602上にロードされてCPU601により実行されるようにしてもよい。また、読取装置605を介して可搬型記憶媒体608から、或いは、通信装置604を介してネットワークから、主記憶装置602上に直接ロードされ、CPU601により実行されるようにしてもよい。
【0115】
図15、図16、図18は、空席ナビゲーションシステム10で行われる着席情報を表示する処理のタイミングチャートである。
【0116】
図15に示すように、各駅に設置された改札機(入場用)300の非接触ICカードリーダライタ805は、電波を発信し、携帯端末200からの応答を待つ(S1)。
【0117】
駅構内に入場しようとしているユーザが、改札機(入場用)300に定期券機能付きの携帯端末200を近づけると、携帯端末200の近距離無線通信部250は、改札機300から発信されている電波を受信し、記憶部220に記憶されている端末ID221と定期券情報(定期区間情報222を含む)を、改札機300に送信する(S2)。
【0118】
ここで、改札機300は、携帯端末200から送信された定期券情報が有効なものと判定すると、改札扉を開いてユーザの入場を許可するとともに、携帯端末200の端末ID221と、定期券情報に含まれている定期区間情報222と、記憶部320に記憶されている駅特定データと、を空席ナビゲーションサーバ100に送信する(S3)。このとき、空席ナビゲーションサーバ100のデータ送受信部111は、改札機300から各データ(端末ID221、定期区間情報222、駅特定データ)を受信する。なお、ここで受信するデータ内容は2値化されたものでよい。また、空席ナビゲーションサーバ100のデータ送受信部111は、データを受信した日時(第1の日時情報)を取得する。
【0119】
データ送受信部111は、改札機300からデータを受信すると、まず、受信した駅特定データが示す駅に対応する第1の駅名2221又は第2の駅名2222を、乗車駅として特定し、乗車駅として特定しなかった第2の駅名2222又は第1の駅名2221を、降車駅として特定する。そして、特定した乗車駅1212と、降車駅1213と、を、携帯端末200から受信した端末ID211と対応付けて定期区間テーブル121に格納する(S4)。
【0120】
続いて、空席ナビゲーションサーバ100の乗車判定部112は、改札機300を通過したユーザが乗車する列車の候補を運行情報DB125から検索する(S5)。具体的には、乗車判定部112は、ステップS3で受信した駅特定データに対応する駅名1252と、第1の受信情報に対応する停車時刻1253と、をともに有するレコードを、運行情報DB125から検索する。
【0121】
一方、携帯端末200では、ステップS2で駅構内に入場する際の改札処理を終了した後に、モード切替部212は、携帯端末200のモードを上述した位置提供モードに切り替える(S6)。
【0122】
位置提供モードに移行すると、携帯端末200の現在位置算出部213は、GPS衛星からGPS信号を受信し(S7)、受信したGPS信号に基づいて携帯端末200の現在位置を算出する(S8)。
【0123】
そして、データ送受信部214は、ステップS8で算出した現在位置を示す位置情報223と、端末ID221と、を含む通信パケット400を、空席ナビゲーションサーバ100に送信する(S9)。このとき、空席ナビゲーションサーバ100のデータ送受信部111は、携帯端末200から各データ(端末ID221、位置情報223)を受信する。なお、ここで受信するデータ内容は2値化されたものでもよい。また、通信パケット400に、定期区間情報222を含めてもよい。また、空席ナビゲーションサーバ100のデータ送受信部111は、位置情報223(2値化位置情報406)を受信した日時(第2の日時情報)を取得する。
【0124】
続いて、空席ナビゲーションサーバ100は、停車中の列車にユーザが乗車しているか否か判定する(S10)。具体的には、空席ナビゲーションサーバ100の乗車判定部112が、ステップS5で検索したレコードの中から、ステップS9で受信した位置情報223に対応する停車領域1254と、第2の日時情報に対応する停車時刻1253と、を有するレコードを検索する。ここで、検索したレコードが存在する場合には、乗車判定部112は、ユーザが乗車していると判定し、検索したレコードに対応付けられている列車ID1251を特定する。一方、検索したレコードが存在しない場合には、乗車していないと判定する。
【0125】
ユーザが乗車していない場合には、空席ナビゲーションサーバ100のデータ送受信部111は、携帯端末200に乗車していない旨を通知する(S11)。この通知を受けた携帯端末200は、ステップS7〜S9の処理を繰り返し、空席ナビゲーションサーバ100は、S10において、ユーザが乗車するまで、ユーザの乗車の有無を判定する。
【0126】
一方、ユーザが乗車している場合には、図16に示すように、空席ナビゲーションサーバ100のデータ送受信部111は、携帯端末200に乗車している旨を通知する(S12)。
【0127】
この通知を受けた携帯端末200は、ステップS7〜S9の処理を再度行い、通信パケット400を受信したデータ送受信部111は、位置情報223(2値化位置情報406)を受信した日時(第2の日時情報)を再取得する。
【0128】
続いて、空席ナビゲーションサーバ100の着席判定部113は、乗車している列車にユーザが着席しているか否か判定する(S13)。
【0129】
ユーザが着席していない場合には、着席判定部113は、ユーザが乗車している列車(列車ID1236)と、車両名(各号車)と、を座席特定DB123から特定し、記憶しておく。
【0130】
そして、空席ナビゲーションサーバ100のデータ送受信部111は、ユーザが着席情報を必要としているか否かについて、携帯端末200に問い合わせる(S14)。具体的には、データ送受信部111は、携帯端末200で表示可能な問い合わせ用の確認画面510を、携帯端末200に送信する。なお、確認画面510は、予め記憶部120が記憶しているものとする。
【0131】
携帯端末200は、この問い合わせを受け付けると、表示部240が確認画面510をディスプレイ500(出力装置708)に表示し、入力部230がユーザからの指示を受け付ける。
【0132】
図17(A)は、確認画面510の表示例を示す図である。図示するように、確認画面510は、着席情報を表示させるか否かを決定するためのボタン(「はい」ボタン511及び「いいえ」ボタン512)から構成される。
【0133】
ユーザが「はい」ボタン512を選択した場合、携帯端末200のデータ送受信部214は、着席情報を要求する旨の通知を、空席ナビゲーションサーバ100に通知する(S15)。
【0134】
着席情報の要求を受け付けた空席ナビゲーションサーバ100は、ステップS13で記憶しておいた列車ID1236と車両名に基づいて、携帯端末200から要求された着席画像データを着席情報DB126から読み出し(S16)、携帯端末200に送信する(S17)。
【0135】
着席画像データを受信した携帯端末200の表示部240は、受信した着席画像データに基づく着席情報画面520をディスプレイ500に表示する(S18)。これにより、ユーザは、乗車中の車両において、どの座席が早く空席になるかについて知ることができる。
【0136】
図17(B)は、着席情報画面520の表示例を示す図である。図示するように、着席情報画面520には、ユーザの位置周辺の車両内に配置されている座席上に、着席情報が表示される。表示部240は、入力部230を介してユーザの指示を受け付け、ディスプレイ500に表示する着席情報画面520を縮小、拡大、スクロールなどさせることができる。
【0137】
一方、ステップS14において、ユーザが「いいえ」ボタン512を選択した場合には、携帯端末200の制御部210は、処理を、図16に示すAに戻す。これにより、空席ナビゲーションサーバ100は、再度、ステップS10においてユーザの着席の有無を判定することになるため、列車が駅に停車するたびに、ユーザの着席を判定することができる。
【0138】
また、ステップS13での判定により、ユーザが着席している場合には、空席ナビゲーションサーバ100の着席情報算出部114は、処理をステップS19に移行し、図18に示すように、ユーザの着席している座席が空席になるまでの時間(着席情報)を算出する(S19)。
【0139】
続いて、空席ナビゲーションサーバ100の着席画像データ生成部115は、ステップS19にて算出した着席情報を、車両画像マスタに合成して着席画像データを生成する(S20)。
【0140】
そして、データ送受信部111は、着席画像データを生成(更新)した旨を、携帯端末200に通知する(S21)。
【0141】
この通知を受けた携帯端末200は、改札機(出場用)300から発信されている電波を受信するまでは、処理を図16に示すAに戻す。これにより、本システム10では、列車の停車駅ごとに、着席画像データを更新することになるため、定期区間の途中駅(降車駅の手前)で、ユーザが着席していた座席から離れた場合に、着席画像データの当該座席の位置に着席情報が表示されなくなる。
【0142】
また、各駅に設置された改札機(出場用)300の非接触ICカードリーダライタ805は、電波を発信し、携帯端末200からの応答を待っている(S22)。
【0143】
駅構内から出場しようとしているユーザが、改札機(出場用)300に定期券機能付きの携帯端末200を近づけると、携帯端末200の近距離無線通信部250は、改札機300から発信されている電波を受信し、記憶部220に記憶されている端末ID221と定期券情報(定期区間情報222を含む)を、改札機300に送信する(S23)。
【0144】
改札機300の通信部30は、携帯端末200を所有するユーザが、駅構内から出場した旨を、空席ナビゲーションサーバ100に通知する(S24)。
【0145】
一方、携帯端末200では、ステップS23で駅構内から出場する際の改札処理を終了した後に、モード切替部212は、携帯端末200のモードを上述した通常モードに切り替える(S25)。これにより、携帯端末200は、現在位置(位置情報223)の空席ナビゲーションサーバ100への送信を停止する。
【0146】
次に、図19は、空席ナビゲーションサーバ100で行われる、上記ステップS3〜S11における乗車判定処理の詳細を示すフローチャートである。
【0147】
図示するように、データ送受信部111は、端末ID221、定期区間情報222、駅特定データ、を受信するまで待機する(ステップS101;No)。各データを受信した場合に(ステップS101;Yes)、データ送受信部111は、乗車判定処理を開始する。
【0148】
乗車判定処理を開始後、データ送受信部111は、ステップS101で受信した各データを定期区間テーブル121に追加する(ステップS102)。具体的には、図15に示すステップS4の処理を実行する。
【0149】
ただし、ステップS101で受信したデータが2値化されている場合には、データ送受信部111は、2値化端末ID404、2値化定期区間情報405、2値化された駅特定データ、をそれぞれ2値化される前のデータに復元してから、ステップS102における処理を実行する。
【0150】
続いて、乗車判定部112は、改札機300を通過したユーザが乗車する列車の候補を運行情報DB125から検索する(ステップS103)。具体的には、図15に示すステップS5の処理を実行する。
【0151】
乗車候補となるレコードを検索後、データ送受信部111は、携帯端末200から端末ID221および位置情報223を受信するまで待機する(ステップS104;No)。各データを受信した場合に(ステップS104;Yes)、データ送受信部111は、現在時刻を特定する(ステップS105)。具体的には、データ送受信部111は、位置情報223(2値化位置情報406)を受信した日時(第2の日時情報)をタイマなどから取得する。
【0152】
このとき、ステップS104で受信したデータが2値化されている場合には、データ送受信部111は、2値化端末ID404、2値化位置情報406、をそれぞれ2値化される前のデータに復元する。
【0153】
また、データ送受信部111は、受信した端末ID221と位置情報223を対応付けたレコードを、位置情報テーブル122に追加する。ただし、既に位置情報テーブル122に、受信した端末ID221に対応する端末ID1221が記憶されている場合には、該当するレコードに上書きする。また、以下の処理では、データ送受信部111は、位置情報223を受信するたびに、位置情報テーブル122を更新する。従って、位置情報テーブル122には、携帯端末200についての最新の情報が格納される。
【0154】
続いて、乗車判定部112は、ステップS103で乗車候補として特定したレコードの中から、ステップS104で受信した位置情報223に対応する停車領域1254を有し、かつ、ステップS105で特定した第2の日時情報に対応する停車時刻1253を有するレコードを検索する(ステップS106)。具体的には、乗車判定部112は、ステップS104で受信した位置情報223が示す位置が、停車領域1254が示す「領域」内に存在し、かつ、ステップS105で特定した第2の日時情報が、停車時刻1253が示す「停車開始時刻から停車終了時刻までの時間」内であるレコードを検索する。
【0155】
乗車判定部112は、ステップS106において検索した結果、該当するレコードがある場合(ステップ107;Yes)、ユーザが乗車していると判定し、着席情報送信処理を開始する(ステップS108)。一方、該当するレコードがない場合には(ステップS107;No)、ユーザは乗車していない(駅構内のホームなどにいる)と判定して、処理をステップS109に移行する。
【0156】
ステップS109に処理が移行すると、データ送受信部111は、通信部150を介して、ユーザが乗車していない旨を携帯端末200に通知する(ステップS109)。
【0157】
通知後、制御部110は、乗車判定処理を終了する。
【0158】
次に、図20は、空席ナビゲーションサーバ100で行われる着席情報送信処理(ステップS108)の詳細を示すフローチャートである。
【0159】
着席情報送信処理に移行すると、データ送受信部111は、携帯端末200に乗車している旨を通知し、携帯端末200から新たに位置情報223(2値化位置情報406)を受信するまで待機する(ステップS109;No)。
【0160】
データ送受信部111は、位置情報223(2値化位置情報406)を受信した場合(ステップS109;Yes)、ステップS105と同様に、現在時刻(第2の日時情報)を特定する(ステップS110)。
【0161】
続いて、着席判定部113は、携帯端末200(ユーザ)が、列車内の座席上に位置しているか否か判別する(ステップS111)。具体的には、着席判定部113は、まず、ステップS106で検索したレコードが有する駅名1252と、当該レコードに対応する列車ID1251を特定する。次に、着席判定部113は、特定した列車ID1251と駅名1252に対応付けられているレコードを、座席特定DB123から検索する。そして、着席判定部113は、検索したレコードに、ステップS110で受信した位置情報223に対応する座席情報(1232A、1233A、など)があるか否か判別する。ここで、例えば、座席情報(1232A、1233A、など)が示す「領域」内に、ステップS110で受信した位置情報223が存在する場合には、携帯端末200が座席上に位置している(ユーザが着席している可能性がある)と判定する。この場合、記憶部120は、携帯端末200が位置している座席を特定する座席名(例えば、「2号車の第2の座席1233B」といった名称など)を、一時的に記憶しておく。一方、座席情報(1232A、1233A、など)が示す「領域」内に、位置情報223が存在しない場合には、携帯端末200が座席上に位置していない(ユーザが着席していない)と判定する。この場合、着席判定部113は、ユーザが乗車している列車(ステップS111で特定した列車ID1236)と、車両名(各号車)と、を一時的に記憶しておく。なお、車両名(各号車)は、座席特定DB123において、携帯端末200の位置情報223に最も近い座席情報(1232A、1233A、など)を有する座席が配置されている車両とする。
【0162】
着席判定部113は、携帯端末200の位置が、列車内の座席上に位置していると判定した場合(ステップS111;Yes)、タイマなどを起動して、所定の時間が経過するまで待機する(ステップS116)。この待機中、データ送受信部111は、携帯端末200から位置情報223(2値化位置情報406)を、定期的に受信している。
【0163】
所定の時間が経過後、着席判定部113は、直前にデータ送受信部111が受信した位置情報223(2値化位置情報406)が、ステップS111で携帯端末200が位置していると判定した座席と同一の座席上に存在するか否か判別する(ステップS117)。具体的には、着席判定部113は、直前に受信した位置情報223が、ステップS111で携帯端末200が位置していた座席の座席情報(1232A、1233A、など)が示す「領域」内に存在する場合には、同一座席上に存在すると判定する。一方、直前に受信した位置情報223が、ステップS111で携帯端末200が位置していた座席の座席情報(1232A、1233A、など)が示す「領域」内に存在しない場合には、同一座席上に存在しないと判定する。
【0164】
着席判定部113は、携帯端末200が同一座席上に存在すると判定した場合には(ステップS117;Yes)、携帯端末200が、所定の時間、同一座席にとどまっていた(ユーザが着席している)ものとして、着席情報生成(更新)処理を開始する(ステップS118)。一方、携帯端末200が同一座席上に存在しないと判定した場合には(ステップS117;No)、携帯端末200は移動した(ユーザは着席していない)ものとして、処理をステップS109に戻す。
【0165】
また、ステップS111において、着席判定部113は、携帯端末200の位置が、列車内の座席上に位置していないと判定した場合(ステップS111;No)、データ送受信部111は、ユーザが着席情報を必要としているか否かについて、携帯端末200に問い合わせる(ステップS112)。具体的には、データ送受信部111は、ステップS14と同様の処理を行う。
【0166】
そして、データ送受信部111は、携帯端末200から着席情報について要求を受け付けるまで待機する(ステップS113;No)。
【0167】
データ送受信部111は、着席情報について携帯端末200から要求を受け付けると(ステップS113;Yes)、携帯端末200が位置している車両の着席画像データを読み出す(ステップS114)。例えば、データ送受信部111は、ステップS111で一時的に記憶しておいた列車ID1236と車両名(各号車)を読み出し、読み出した両データで特定される着席画像データを着席情報DB126から読み出す。
【0168】
そして、データ送受信部111は、ステップS114で読み出した着席画像データを、通信部150を介して、携帯端末200に送信する(ステップS115)。
【0169】
送信後、制御部110は、着席情報送信処理を終了する。
【0170】
次に、図21は、空席ナビゲーションサーバ100で行われる着席情報生成(更新)処理(ステップS118)の詳細を示すフローチャートである。
【0171】
着席情報生成処理に移行すると、制御部110は、ユーザが着席している座席について、着席情報を算出する処理と、着席情報を表示する位置(座席上)を特定する処理と、を並行(或いは連続)して行う。
【0172】
着席情報を算出する処理では、まず、着席情報算出部114は、ユーザが乗車している列車の停車中の駅(最寄り駅)を特定する(ステップS119)。具体的には、着席情報算出部114は、ステップS111で特定した列車ID1236(列車ID1251)に対応付けられ、かつ、ステップS109で受信した位置情報223に対応する停車領域1254と、ステップS110で特定した第2の日時情報に対応する停車時刻1253と、をともに有するレコードを、運行情報DB125から検索する。そして、着席情報算出部114は、検索したレコードに格納されている駅名1252を、最寄り駅1212として特定する。また、着席情報算出部114は、特定した最寄り駅1212を、携帯端末200から送信された端末ID1221に対応付けて位置情報テーブル122に記憶する。なお、着席情報算出部114は、最寄り駅1212を特定するたびに、特定した最寄り駅1212を、位置情報テーブル122に記憶する。
【0173】
続いて、着席情報算出部114は、定期区間テーブル121からユーザの降車駅1213を特定し、列車が最寄り駅1212から降車駅1213に到着するまでの所要時間を着席情報として算出する(ステップS120)。具体的には、着席情報算出部114は、ステップS111で特定した列車ID1236(列車ID1251)の列車について、降車駅1213に対応する駅名1252を有するレコードに格納された停車時刻1253(停車開始時刻)を特定する。さらに、同列車ID1236(列車ID1251)の列車について、最寄り駅1212に対応する駅名1252を有するレコードに格納された停車時刻1253(停車終了時刻)を特定する。そして、着席情報算出部114は、降車駅1213に基づいて特定した停車時刻1253と、最寄り駅1212に基づいて特定した停車時刻1253と、の差分時間を算出し、算出した差分時間を着席情報とする。
【0174】
一方、着席情報を表示する位置(座席上)を特定する処理では、まず、着席画像データ生成部115は、ユーザが着席している座席を特定する座席名(ステップS111において記憶部120が記憶した座席名)を読み出す(ステップS121)。
【0175】
続いて、着席画像データ生成部115は、ユーザが乗車している車両についての車両画像マスタを車両画像マスタDB124から読み出し、読み出した車両画像マスタにおいてユーザが着席している座席の位置を特定する(ステップS122)。具体的には、着席画像データ生成部115は、ステップS111で記憶しておいた列車ID1236と車両名(各号車)を読み出し、当該列車ID1236(列車ID1241)と車両名で特定される車両画像マスタを、車両画像マスタDB124から読み出す。そして、読み出した車両画像マスタ上において、ステップS121で読み出した座席名に対応する位置を、上述した画像位置データに基づき特定する。
【0176】
ステップS120およびステップS122の処理を終了すると、着席画像データ生成部115は、ステップS122で特定した車両画像マスタ上の位置に、ステップS120で算出した着席情報を表示した着席画像データを生成する(ステップS123)。なお、着席情報の算出と、着席情報を表示する位置を特定する処理は、各座席ごとに行われ、着席画像データのそれぞれの座席上には、座席ごとに算出した着席情報が表示される。
【0177】
そして、着席画像データ生成部115は、生成した着席画像データを、着席情報DB126に記憶する(ステップS124)。このとき、着席画像データ生成部115は、後で、列車IDと車両名から着席画像データを読み出すことが可能なように、列車IDと車両名(1261)を着席画像データに対応付けて記憶する。
【0178】
その後、データ送受信部111は、着席画像データを生成(更新)した旨を、携帯端末200に通知する(ステップS125)。
【0179】
通知後、制御部110は、空席画像生成(更新)処理を終了する。
【0180】
以上の処理を、空席ナビゲーションサーバ100が行うことにより、座席に着席したユーザの操作を必要とせずに、その座席が空席になるまでの時間を求めることができる。また、座席に着席できなかったユーザに対して、座席が空席になるまでの時間を知るせることができる。
(第2の実施形態)
上記の第1の実施形態では、空席ナビゲーションサーバ100の乗車判定部112は、運行情報DB125に予め記憶されている停車領域1254を用いて、ユーザの乗車の有無について判定している。また、着席判定部113は、座席特定DB123に予め記憶されている座席情報(領域データ)を用いて、ユーザの着席の有無について判定している。
【0181】
これに対して、第2の実施形態では、乗車判定部112は、運行情報DB125の停車領域1254を用いずに、ユーザの乗車の有無について判定する。また、着席判定部113は、座席特定DB123の座席情報(領域データ)を用いずに、ユーザの着席の有無について判定する。
【0182】
第2の実施形態が適用された空席ナビゲーションサーバ100において、運行情報DB125は、第1の実施形態とは異なるデータ構造を有している。また、座席特定DB123は、第1の実施形態とは異なり、座席情報として座標データを格納している。その他の構成については、第1の実施形態が適用された空席ナビゲーションサーバ100と同様の構成からなる。
【0183】
図22は、第2の実施形態が適用された運行情報DB125の概略データ構造を示す図である。図示するように、運行情報DB125には、列車ID1251ごとに、停車駅の駅名1252と、停車時刻1253と、停車基準点1256と、境界線1257と、進行方向(Y方向)1258と、を対応付けたレコードが格納されている。
【0184】
列車ID1251、駅名1252、停車時刻1253は、それぞれ、第1の実施形態におけるデータと同様のデータである。
【0185】
停車基準点1256は、列車が各駅において定位置に停車したときに、基準となる地点を示すデータである。例えば、停車基準点1256は、列車が各駅において定位置に停車したときに、先頭車両の進行方向に向かって左前方隅が位置する地点を示す座標(経度、緯度)データである。
【0186】
境界線1257は、列車とプラットホームとの境界線を示す直線データである。
【0187】
進行方向(Y方向)1258は、列車が各駅において定位置に停車したときに、進行方向を示す方向(経度、緯度)データである。
【0188】
また、図23は、第2の実施形態が適用された座席特定DB123の概略データ構造を示す図である。図示するように、座席特定DB123には、列車ID1236ごとに、停車駅の駅名1231と、列車を編成している各車両ごとの座席情報(1232A、1233A、など)と、を対応付けたレコードが格納されている。
【0189】
列車ID1236、駅名1231は、それぞれ、第1の実施形態におけるデータと同様のデータである。
【0190】
各号車に配置される各座席の座席情報(1号車の第1の座席1232A、1号車の第2の座席1233A、2号車に配置される第1の座席1232B、など)は、各座席の位置を示すデータである。例えば、1号車の第1の座席1232Aの欄には、第1の座席の中心位置を特定する「(経度x,緯度y)」といった座標データが格納される。ただし、各座標データは、停車基準点1256からの相対座標データである。
【0191】
次に、以上のような運行情報DB125および座席特定DB123を有する空車ナビゲーションサーバ100の乗車判定部112が、ユーザの乗車の有無を判定する処理について説明する。
【0192】
図24は、駅において列車が停車する所定の停車領域(斜線部分)を示す図である。図示するように、停車基準点1256は、列車が所定の停車領域(斜線部分)に停車したときに、先頭車両の進行方向に向かって左前方隅が位置する地点とする。ただし、この地点に限定するものではない。なお、進行方向(Y方向)を逆位相回転して求まる方向を、以下では、「垂直方向(X方向)」とよび、停車基準点1256を通って車両方向(X方向)に平行な線(太線矢印)を、以下では「X軸」とよび、停車基準点1256を通って進行方向(Y方向)に平行な線(太線矢印)を、以下では、「Y軸」とよぶ。
【0193】
乗車判定部112は、携帯端末200が所定の停車領域(斜線部分)に位置している場合に、ユーザが列車に乗車していると判定する。
【0194】
具体的には、乗車判定部112は、第1の実施形態と同様に、ユーザが乗車する候補となる列車を、運行情報DB125から検索しておき、乗車候補の列車の中から、実際にユーザが乗車している列車を検索する。例えば、乗車判定部112は、先に候補として検索したレコードの中から、携帯端末200の位置(端末位置1222)が境界線1257を越えて車両の停車領域に存在しているレコードを検索する。
【0195】
ここで、携帯端末200の位置が境界線1257を越えて停車領域に存在するか否かについての判定は、乗車判定部112が、運行情報DB124に格納されている停車基準点1256、境界線1257、進行方向(Y方向)1258、進行方向1258から求まる垂直方向(X方向)を用いて行う。具体的には、乗車判定部112は、緯度経度座標系における携帯端末200の位置を、停車基準点1256を原点とし、垂直方向(X方向)1257及び進行方向(Y方向)1258を基底ベクトルとした座標系に変換して判定する。
【0196】
図25は、緯度経度座標系における携帯端末200の位置を、停車基準点1256を原点とする座標系に変換する説明図である。
【0197】
図示するように、停車基準点1256の緯度経度座標系における座標を(xO,yO)とし、緯度経度座標系における経度軸とX軸のなす角をθとすると、乗車判定部112は、携帯端末200の位置(端末位置1222)を、平行移動(−xO,−yO)させ、回転移動(−θ)する。これにより、携帯端末200の位置(端末位置1222)について、停車基準点1256を原点とする座標系における位置に変換することができる。
【0198】
また、乗車判定部112は、境界線1257についても、同様の平行移動、回転移動させる。
【0199】
そして、乗車判定部112は、停車基準点1256が境界線1257上にある場合には、停車基準点1256を原点とする座標系に変換後の携帯端末200の位置が、変換後の境界線1257の垂直方向(X方向)側に存在するか否か判定する。一方、停車基準点1256が境界線1257上にない場合には、停車基準点1256を原点とする座標系に変換後の携帯端末200の位置が、変換後の境界線1257の垂直方向の逆方向(−X方向)側に存在するか否か判定する。
【0200】
具体的には、乗車判定部112は、停車基準点1256が境界線1257上にある場合には、停車基準点1256を原点とする座標系に変換された携帯端末200の位置について、x座標が正であれば、ユーザは列車に乗車していると判定し、x座標が負であれば、ユーザは列車に乗車していないと判定する。また、停車基準点1256が境界線1257上にない場合には、停車基準点1256を原点とする座標系に変換された携帯端末200の位置について、x座標が負であれば、ユーザは列車に乗車していると判定し、x座標が正であれば、ユーザは列車に乗車していないと判定する。
【0201】
以上の判定を、乗車判定部112は、先に候補として検索した各レコードについて行い、ユーザが乗車しているレコードを検索する。該当するレコードが存在しない場合には、ユーザは乗車していないと判定する。
【0202】
次に、着席判定部113が、ユーザの着席の有無を判定する処理について説明する。
【0203】
第1の実施形態と同様に、着席判定部113は、ユーザ(携帯端末200)が同一座席の位置に所定時間以上いるか否かに応じて、当該座席への着席の有無を判定する。
【0204】
第2の実施形態では、着席判定部113が、携帯端末200の位置(端末位置1222が示す位置)の座席を、座席特定DB123から特定する処理が異なる。
【0205】
着席判定部113は、ユーザが乗車している列車について特定した列車ID1251と駅名1252に対応付けられているレコード(座席特定DB123)に、携帯端末200の位置情報223に対応する座席情報(1232A、1233A、など)があるか否か判別する。
【0206】
具体的には、着席判定部113は、ユーザが乗車している列車に対応するレコードに格納されている座席情報(1232A、1233A、など)のうち、携帯端末200の位置情報223に最も近傍の座席情報(絶対座標データ)を特定する。ただし、着席判定部113は、座席情報(相対座標データ)と停車基準点1256の和を座席情報(絶対座標データ)として前もって求めておく。そして、着席判定部113は、特定した座席情報が示す位置を中心として、所定距離Rを半径とする円の領域内に、携帯端末200の位置(位置情報223)が存在するか否か判別する。別の言い方をすれば、着席判定部113は、特定した座席情報が示す位置から所定距離R以内に、携帯端末200の位置(位置情報223)が存在するか否か判別する。このとき、着席判定部113は、携帯端末200の位置(位置情報223)が円の領域内に存在する場合に、携帯端末200が座席上に位置している(ユーザが着席している可能性がある)と判定する。ただし、所定距離Rについては、予め記憶部120に記憶されているものとする。
【0207】
図26は、座席の領域を所定距離Rを半径とする円とした場合の概念図である。図示する例では、携帯端末200の位置(x’,y’)は、第1の座席の座席情報1232Aを中心とする円の内側であるので、携帯端末200が座席(第1の座席)上に位置していると判定される。
【0208】
その後、着席判定部113は、第1の実施形態と同様に、ユーザ(携帯端末200)が同一座席の位置に所定時間以上いるか否かに応じて、当該座席への着席の有無を判定する。
【0209】
以上の処理により、第2の実施形態では、運行情報DB125および座席特定DB123に記憶しておくデータについて、第1の実施形態と比較して単純化することができ、データ量も少なくすることができる。
【0210】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されず、種々の変形、応用が可能である。
【0211】
例えば、上記各実施形態において空席ナビゲーションサーバ100で行われている各種処理を、携帯端末200が行うようにしてもよい。
【0212】
具体的には、携帯端末200が、着席情報を算出し、着席画像データを生成するようにしてもよい。
【0213】
この場合、携帯端末200は、各座席に着席しているユーザの降車駅1213に対応する停車時刻(開始時刻)1253を、空席ナビゲーションサーバ100から取得し、取得した各停車時刻1253と、携帯端末200が保有する現在時刻と、の差分時間を求めて着席情報を算出する。このとき、携帯端末200は、各停車時刻1253とともに、対応する各座席を特定する情報(例えば、座席名)も取得する。
【0214】
さらに、携帯端末200は、携帯端末200が位置している車両の車両画像マスタを空席ナビゲーションサーバ100から取得して、取得した車両画像マスタに、先に算出した着席情報を合成して着席画像データを生成する。このとき、携帯端末200は、上述した画像位置データを空席ナビゲーションサーバ100から取得し、取得した画像位置データに基づいて、車両画像マスタの適切な位置に、着席情報を合成する。
【0215】
また、上記各実施形態では、携帯端末200は、空席ナビゲーションサーバ100から、携帯端末200が位置している車両の着席画像データだけを受信している。しかし、本願発明は、これに限定されず、例えば、携帯端末200は、列車を編成する全ての車両についての着席画像データを空席ナビゲーションサーバ100から受信し、入力部230を介したユーザの指示に基づき、列車内の任意の位置の着席画像データを表示するようにしてもよい。
【0216】
また、上記各実施形態では、空席ナビゲーションサーバ100は、携帯端末200が通過した改札機300から、定期区間情報222を受信している。しかし、本発明は、これに限定されない。例えば、空席ナビゲーションサーバ100は、携帯端末200が改札機300を通過したときに、携帯端末200から定期区間情報222を受信するようにしてもよい。
【0217】
また、上記各実施形態では、着席判定部113は、ユーザ(携帯端末200)が同一座席の位置に所定時間以上いるか否かに応じて、当該座席への着席の有無を判定している。しかし、本発明は、これに限定されない。例えば、着席判定部113は、携帯端末200の位置(端末位置1222が示す位置)の座席を、座席特定DB123から検索し、該当する座席がある場合には、ユーザが当該座席に着席していると判定する。一方、該当する座席がない場合には、ユーザは着席していないと判定する。
【0218】
また、上記第1の実施形態では、運行情報DB125に格納される停車領域1254は、列車の停車位置(領域)を特定する座標(経度、緯度)データとしている。例えば、停車領域1254は、列車の停車領域における対角の2点を特定する座標(経度、緯度)データでもよい。この場合、乗車判定部112は、その2点の座標データから停車領域を示す領域データを生成し、生成した領域データが示す領域内に携帯端末200の位置(端末位置1222)が存在しているか否か判定するようにする。
【0219】
また、上記第1の実施形態では、座席特定DB123に格納される各座席の座席情報は、各座席の領域を示す領域データである。しかし、これに限定されず、例えば、座席情報は、座席の領域における対角の2点を特定する座標(経度、緯度)データでもよい。この場合、着席判定部113は、その2点の座標データから座席の領域を示す領域データを生成し、生成した領域データが示す領域内に携帯端末200の位置(端末位置1222)が存在しているか否か判定するようにする。
【0220】
また、上記第2の実施形態では、座席特定DB123に格納される各座席の座席情報は、各座席の中心位置を示す座標データである。本発明は、これに限定されず、例えば、座席情報は、座席の領域における対角の2点を特定する座標データ(ただし、停車基準点1256からの相対座標データ)でもよい。この場合も、着席判定部113は、その2点の座標データから座席の領域を示す領域データを生成し、生成した領域データが示す領域内に携帯端末200の位置(端末位置1222)が存在しているか否か判定するようにする。
【0221】
また、上記各実施形態では、着席情報算出部114は、着席しているユーザが乗車している列車の停車中の駅を最寄り駅として特定し、位置情報テーブル122に上書きしている。しかし、本発明は、これに限定されない。例えば、着席情報算出部114は、列車が走行中の場合には、次に停車する駅を最寄り駅として特定してもよい。具体的には、着席情報算出部114は、運行情報DB125から停車駅の駅名1252を検索するが、列車の走行中には、該当するデータを検索できない。この場合、着席情報算出部114は、位置情報223を受信した日時を示す第2の日時情報に最も近い停車時刻1253を有しているレコードを、運行情報DB125から再検索する。そして、再検索したレコードに格納されている駅名1252を、最寄り駅1212として特定し、特定した最寄り駅1212に基づいて着席情報を算出する。これにより、本願の空席ナビゲーションサーバ100は、より正確な着席情報をユーザに提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0222】
【図1】空席ナビゲーションシステムの概略構成図である。
【図2】改札機の機能構成図である。
【図3】改札機のハードウェア構成の一例を示した図である。
【図4】携帯端末の機能構成図である。
【図5】(A)端末IDのデータ構造を概念的に示した図である。(B)定期区間情報のデータ構造を概念的に示した図である。(C)位置情報のデータ構造を概念的に示した図である。
【図6】通信パケットのデータ構造を概念的に示した図である。
【図7】携帯端末のハードウェア構成の一例を示した図である。
【図8】空席ナビゲーションサーバの機能構成図である。
【図9】(A)定期区間テーブルのデータ構造を概念的に示した図である。(B)位置情報テーブルのデータ構造を概念的に示した図である。
【図10】第1の実施形態に係る運行情報DBのデータ構造を概念的に示した図である。
【図11】第1の実施形態に係る座席特定DBのデータ構造を概念的に示した図である。
【図12】車両画像マスタDBのデータ構造を概念的に示した図である。
【図13】着席情報DBのデータ構造を概念的に示した図である。
【図14】空席ナビゲーションサーバのハードウェア構成の一例を示した図である。
【図15】空席ナビゲーションシステムで行われる着席情報を表示する処理の第1のタイミングチャートである。
【図16】空席ナビゲーションシステムで行われる着席情報を表示する処理の第2のタイミングチャートである。
【図17】(A)確認画面を表示した場合の画面例である。(B)着席情報画面を表示した場合の画面例である。
【図18】空席ナビゲーションシステムで行われる着席情報を表示する処理の第3のタイミングチャートである。
【図19】乗車判定処理のフローチャートである。
【図20】着席情報送信処理のフローチャートである。
【図21】着席情報生成(更新)処理のフローチャートである。
【図22】第2の実施形態に係る運行情報DBのデータ構造を概念的に示した図である。
【図23】第2の実施形態に係る座席特定DBのデータ構造を概念的に示した図である。
【図24】駅において列車が停車する所定の停車領域を示す図である。
【図25】緯度経度座標系における携帯端末の位置を、停車基準点を原点とする座標系に変換する説明図である。
【図26】座席の領域を所定距離Rを半径とする円とした場合の概念図である。
【符号の説明】
【0223】
10・・・空席ナビゲーションシステム、100・・空席ナビゲーションサーバ、111・・・データ送受信部、112・・・乗車判定部、113・・・着席判定部、114・・・着席情報算出部、115・・・着席画像データ生成部、121・・・定期区間テーブル、122・・・位置情報テーブル、123・・・座席特定DB、124・・・車両画像マスタDB、125・・・運行情報DB、126・・・着席情報DB、200・・・携帯端末、211・・・改札処理部、212・・・モード切替部、213・・・現在位置算出部、214・・・着席情報処理部、221・・・端末ID、222・・・定期区間情報、223・・・位置情報、300・・・改札機、400・・・通信パケット、510・・・確認画面、520・・・着席情報画面。
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の着席情報を提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
電車やバス等の公共交通機関では、着席可能な座席数に制限があり、全ての利用者が着席できるわけではない。満席の状態において、なるべく早く着席したい利用者は、着席者のそばに立ち、空席になるのを待つことになる。
【0003】
しかし、どの着席者が早く席を立つかはわからないため、自分よりも後から乗車した利用者に、先に着席されてしまうことがある。このような状況に不満を感じる利用者は、少なくない。
【0004】
この点、特許文献1には、乗客が所持する意思表示端末に、それぞれの座席が空席になるまでの時間(以下では、「着席情報」ともよぶ)を表示する技術について記載されている。これにより、乗客は、どの座席が早く空席になるのか把握することができるようになる。
【0005】
【特許文献1】特開2004−86471号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の技術では、各座席が空席になるまでの時間を、乗客によって意思表示端末に入力された降車予定駅などを用いて算出している。着席した乗客は、着席していない乗客のために降車予定駅などの情報を意思表示端末に入力しなければならず、負担が強いられることになる。
【0007】
本発明は、公共交通機関の利用者に負担を強いることなく、座席が空席になるまでの時間を表示するための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明は、携帯端末から定期的に送信される位置情報を用いてユーザの着席を判定し、前記携帯端末から送信された降車駅情報を用いて、着席された座席が空席になるまでの時間を算出し、前記携帯端末に当該時間を表示させる。
【0009】
例えば、本発明の空席ナビゲーションサーバは、車両の着席情報を提供する装置であって、車両の停車駅ごとに、車両の停車時刻と、車両が停車する所定の停車領域と、を対応付けた運行データと、車両内に配置されている座席の座席位置を特定する座席特定データと、車両内の座席の配置を示す車両画像データと、を記憶している記憶部と、定期券機能を有する携帯端末について、定期区間から特定されるユーザの降車駅を受信し、当該携帯端末の端末位置を示す位置情報を定期的に受信する受信部と、前記位置情報の示す端末位置が、前記停車時刻において、当該停車時刻に対応する前記停車領域内にあるか否かを判定する乗車判定部と、前記停車領域内にあると判定された前記端末位置が、前記座席特定データで特定される座席位置にある場合に、当該座席位置の座席にユーザが着席していると判定する着席判定部と、前記降車駅に対応する前記停車時刻を用いて、着席されていると判定された前記座席が空席になるまでの時間を算出する着席情報算出部と、算出した前記時間を前記車両画像データに合成して、着席画像データを生成する着席画像データ生成部と、前記乗車判定部により前記停車領域内にあると判定された前記端末位置の車両についての前記着席画像データを、当該端末位置の携帯端末に送信する着席画像データ送信部と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、公共交通機関の利用者に負担を強いることなく、座席が空席になるまでの時間を表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(第1の実施形態)
以下、本発明の実施形態の一例について図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態が適用された空席ナビゲーションシステム10の概略構成図である。図示するように、空席ナビゲーションシステム10は、空席ナビゲーションサーバ100と、携帯端末200と、改札機300と、を備えている。
【0013】
空席ナビゲーションサーバ100、及び、改札機300は、それぞれ相互にネットワーク30を介して通信可能に接続されている。
【0014】
ここで、ネットワーク30は、一般的にインターネットで使用されているTCP/IPプロトコル等で通信可能なネットワークである。
【0015】
また、携帯端末200は、携帯キャリアごとに独自の通信プロトコルで通信可能な事業者ネットワーク40に接続されており、基地局などを介して、空席ナビゲーションサーバ100と通信することができる。図示していないが、事業者ネットワーク40とネットワーク30の間には、基地局や、所定のプロトコル変換を行うゲートウェイなどが設置されている。
【0016】
改札機300は、鉄道の駅などの改札口に設置された装置であり、例えば、駅構内に一般的に設置される自動改札装置である。改札機300は、乗車券(IC乗車券を含む)を確認する処理、運賃の処理、改札通路を通過した人数についての集計処理、といった各種情報処理を行う。
【0017】
図2は、改札機300の機能構成図を示す図である。図示するように、改札機300は、制御部310と、記憶部320と、通信部330と、ICカードリーダライタ部340と、を有する。
【0018】
記憶部320は、改札機300が設置されている駅を特定するための駅特定データを記憶している。例えば、駅特定データは、駅ごとに異なる文字列(数字列を含む)が割り当てられたデータである。
【0019】
ICカードリーダライタ部340は、携帯端末200に内蔵したICカードへのデータの書き込み、及び、読み出しを行う。このとき、ICカードリーダライタ部340は、ICカードに電力を供給するようにしてもよい。
【0020】
ICカードリーダライタ部340がICカードから読み出すデータには、例えば、携帯端末200の識別情報、定期券に関する定期券情報、乗車券に関する乗車券情報、などが含まれる。また、ICカードリーダライタ部340がICカードに書き込むデータには、改札の入出記録、運賃、などが含まれる。
【0021】
通信部330は、ネットワーク30を介して、空席ナビゲーションサーバ100とデータの送受信を行う。具体的には、通信部330は、制御部310からの指示に基づいて、各種データを空席ナビゲーションサーバ100に送信する。
【0022】
制御部310は、改札機300における種々の処理を行う。
【0023】
例えば、制御部310は、ICカードリーダライタ部340が携帯端末200のICカードから乗車券情報を読み出した場合には、読み出した乗車券情報が有効か否か判定する。
【0024】
制御部310は、乗車券情報が有効と判定した場合、改札通路の通過を許可すべく、改札通路に設けられている開閉可能な通過扉を開く制御を行う。一方、乗車券情報が無効と判定した場合には、改札通路の通過を禁止すべく、通過扉を閉じる制御を行う。
【0025】
また、制御部310は、ICカードリーダライタ部340が携帯端末200のICカードから定期券情報を読み出した場合には、読み出した定期券情報が有効か否か判定する。そして、制御部310は、ここでの判定結果(有効又は無効を示す信号)を、ICカードリーダライタ部340を介して、携帯端末200に通知する。
【0026】
制御部310は、定期券情報が有効と判定した場合、上記と同様に通過扉を開くとともに、携帯端末200の端末識別情報と、定期券情報に含まれている定期区間情報と、記憶部320に記憶されている駅特定データと、を通信部330を介して空席ナビゲーションサーバ100に送信する。一方、定期券情報が無効と判定した場合には、乗車券情報が無効な場合と同様に通過扉を閉じる。
【0027】
また、制御部310は、乗車券情報又は定期券情報が有効な場合には、ICカードリーダライタ部340を介して、改札の入出記録や運賃などを携帯端末200のICカードに書き込む制御を行う。
【0028】
図3は、以上のような機能を有する改札機300のハードウェア構成図である。図示するように、改札機300は、改札扉の開閉などの制御を行う改札制御機構806に加え、CPU801と、RAM等の主記憶装置802と、ROMやHDD等の外部記憶装置803と、ネットワーク30に接続するための通信装置804と、近距離無線通信によってICカードのデータを読み書きする非接触ICカードリーダライタ805と、を備えたコンピュータで実現される。
【0029】
例えば、図2に示す記憶部320は、外部記憶装置803により実現可能であり、制御部310は、外部記憶装置803に記憶されている所定のプログラム(例えば、改札制御機構の制御プログラムや各種情報処理のためのプログラム)を主記憶装置802にロードしてCPU801で実行することで実現可能である。また、通信部330は、通信装置804により実現可能であり、ICカードリーダライタ部340は、非接触ICカードリーダライタ805により実現可能である。
【0030】
図1に戻り、携帯端末200は、定期券機能を有する携帯型の端末であり、例えば、携帯電話である。携帯端末200は、空席ナビゲーションサーバ100が生成したデータに基づいて、公共交通機関の車両に配置されている座席が空席になるまでの時間を表示する。
【0031】
図4は、携帯端末200の機能構成図を示す図である。図示するように、携帯端末200は、制御部210と、記憶部220と、入力部230と、表示部240と、近距離無線通信部250と、通信部260と、GPS信号受信部270と、を有する。
【0032】
記憶部220は、端末識別情報(以下では、「端末ID」とよぶ)221と、定期区間情報222と、位置情報223と、を記憶する。
【0033】
端末ID221は、携帯端末200ごとに異なる文字列(数字列を含む)が割り当てられたデータである。図5(A)は、端末ID221のデータ構造を示す図である。図示するように、記憶部220は、1つの端末ID221を記憶している。
【0034】
定期区間情報222は、定期券情報に含まれており、定期区間(「第1の駅」から「第2の駅」までの区間)を特定するデータである。図5(B)は、定期区間情報222のデータ構造を示す図である。図示するように、定期区間情報222は、定期区間の一端の駅名を示す第1の駅名2221と、定期区間の他端の駅名を示す第2の駅名2222と、を対応付けたレコードからなる。
【0035】
なお、記憶部220は、定期券情報として、定期区間情報222の他に、定期券の有効期限を示す情報などを記憶している。
【0036】
位置情報223は、携帯端末200の現在位置を示すデータであり、例えば、GPS衛星から取得したGPS信号に基づいて算出した緯度、経度データである。図5(C)は、位置情報223のデータ構造を示す図である。図示するように、記憶部220は、携帯端末200の現在位置を示す座標(経度,緯度)データを位置情報223として記憶する。
【0037】
図4に戻り、入力部230は、ユーザによる入力を受け付ける。具体的には、入力部230は、電話番号の入力、電源の投入や切断の入力、各種指示ための入力などを受け付け、制御部210に通知する。
【0038】
表示部240は、画像データなどの各種データを表示する。具体的には、表示部240は、表示のための描画コマンドを生成して各種データを表示する。ここで、表示する各種データには、空席ナビゲーションサーバ100から送信されたデータや、各種アプリケーションの実行にともなうデータなどが含まれる。
【0039】
近距離無線通信部250は、改札機300とのデータの送受信を行う。具体的には、近距離無線通信部250は、改札機300から電波を受信した場合(要求を受け付けた場合)に、記憶部220に記憶されている端末ID221と定期券情報(定期区間情報222を含む)を、改札機300に送信する。また、近距離無線通信部250は、改札機300から、改札の入出記録や運賃などの情報を受信する。
【0040】
通信部260は、事業者ネットワーク40及びネットワーク30を介して、空席ナビゲーションサーバ100とデータの送受信を行う。具体的には、通信部260は、制御部210からの指示に基づいて、各種データ(例えば、位置情報223など)を空席ナビゲーションサーバ100に送信する。
【0041】
GPS信号受信部270は、GPS衛星からGPS信号を受信する。
【0042】
制御部210は、携帯端末200における種々の処理を行う。
【0043】
例えば、制御部210は、図示するように、改札処理部211と、モード切替部212と、現在位置算出部213と、データ送受信部214、着席情報処理部215と、を有する。
【0044】
改札処理部211は、近距離無線通信部250が改札機300から電波を受信した場合に、所定の改札処理を行う。具体的には、改札処理部211は、記憶部220に記憶されているデータ(端末識別情報221、乗車券情報又は定期券情報など)について、近距離無線通信部250を介して、改札機300に送信する。また、改札処理部211は、ここで送信した乗車券情報又は定期券情報が有効であるか否かの判定結果を、近距離無線通信部250を介して改札機300から受け付ける。当該判定結果が有効を示す場合において、改札処理部211は、さらに、改札の入出記録や運賃などのデータを改札機300から受け付け、記憶部220に記憶する。なお、ここで記憶した入出記録や運賃などは、ユーザが駅構内から出場する場合において、携帯端末200にチャージされている残金などを更新する処理などに用いられる。
【0045】
モード切替部212は、ユーザが改札を通過して駅構内に入場した場合(入場用の非接触ICカードリーダライタ805と通信して上記の改札処理を完了した場合)に、携帯端末200のモードを通常モードから位置提供モードに切り替える。一方、ユーザが改札を通過して駅構内から出場した場合(出場用の非接触ICカードリーダライタ805と通信して上記の改札処理を完了した場合)には、位置提供モードから通常モードに切り替える。従って、携帯端末200が駅構内に位置している場合に、携帯端末200は位置提供モードとなる。ここで、位置提供モードとは、携帯端末200が駅構内にある場合(入場用の改札機300を通過してから出場用の改札機300を通過するまで)に、後述する現在位置算出部213が算出した携帯端末200の現在位置を、携帯端末200から空席ナビゲーションサーバ100に定期的に通知するモードのことをいう。
【0046】
現在位置算出部213は、携帯端末200が位置提供モードである場合に、携帯端末200の現在位置を算出する。具体的には、現在位置算出部213は、GPS信号受信部270を介して定期的にGPS衛星から受信したGPS信号を用いて現在位置(緯度、経度)を算出する。また、現在位置算出部213は、基地局などから補正データを受信し、GPS信号を用いて算出した現在位置の誤差を補正するようにしてもよい。また、現在位置算出部213は、携帯端末200の現在位置を算出する毎に、記憶部230に記憶されている位置情報223を更新する。
【0047】
データ送受信部214は、通信部260を介して、空席ナビゲーションサーバ100と通信パケット400の送受信を行う。
【0048】
例えば、空席ナビゲーションサーバ100に通信パケット400を送信する場合には、データ送受信部214は、予め定めたフォーマットの通信パケット400を生成して、空席ナビゲーションサーバ100に送信する。具体的には、データ送受信部214は、記憶部230に記憶されている端末ID221と、定期区間情報222と、位置情報223と、をそれぞれ2値化データに変換し、変換した各2値化データを含む通信パケット400を生成して空席ナビゲーションサーバ100に送信する。
【0049】
また、空席ナビゲーションサーバ100から通信パケット400を受信した場合には、データ送受信部214は、2値化されているデータを復元する。
【0050】
図6は、通信パケット400のデータ構造を示す図である。図示するように、通信パケット400は、IPヘッダ401と、送信元IPアドレス402と、送信先IPアドレス403と、データ部と、を対応付けたレコードからなる。
【0051】
IPヘッダ401は、事業者ネットワーク40における通信制御に用いられるプロトコル情報である。
【0052】
送信元IPアドレス402は、携帯端末200に割り当てられるIPアドレスである。
【0053】
送信先IPアドレス403は、空席ナビゲーションサーバ100に割り当てられるIPアドレスである。
【0054】
データ部は、2値化端末ID404、2値化定期区間情報405、2値化位置情報406と、を含む。ただし、データ部のデータ構成は任意である。例えば、データ部は、2値化端末ID404及び2値化定期区間情報405だけで構成されてもよいし、或いは、2値化端末ID404及び2値化位置情報406だけで構成されてもよい。
【0055】
2値化端末ID404は、記憶部220に記憶された端末ID221を2値化データに変換したデータである。
【0056】
2値化定期区間情報405は、記憶部220に記憶された定期区間情報222を2値化データに変換したデータである。
【0057】
2値化位置情報406は、記憶部220に記憶された位置情報223を2値化データに変換したデータである。
【0058】
また、データ送受信部214は、空席ナビゲーションサーバ100から図6に示す通信パケット400と同様の通信パケットを受信する。ただし、データ部については、任意のデータ(例えば、後述する着席情報)を格納してよい。
【0059】
また、データ送受信部214は、空席ナビゲーションサーバ100から通信パケットを受信したとき、データ部のデータが2値化データである場合には、必要に応じて2値化データを、2値化される前のデータに復元することができる。
【0060】
着席情報処理部215は、空席ナビゲーションサーバ100から送信された着席情報(着席画像データ)を表示する。また、着席情報処理部215は、表示した着席情報(着席画像データ)を、ユーザの指示に応じて、スクロール、拡大、縮小する。
【0061】
図7は、以上のような機能を有する携帯端末200のハードウェア構成図である。図示するように、携帯端末200は、CPU701と、モバイルRAM等のメモリからなる主記憶装置702と、メモリカード、ICカード内のメモリ等からなる外部記憶装置703と、基地局などと通信するための通信装置704と、GPS衛星からGPS信号を受信するGPS装置705と、改札機300の非接触ICカードリーダライタ805と電波の送受信を行うアンテナ等からなる近距離無線通信装置706と、入力ボタン、タッチパネル、マイクロフォンなどからなる入力装置707、液晶ディスプレイ、スピーカなどからなる出力装置708と、を備えたコンピュータで実現される。
【0062】
例えば、図4に示す記憶部220は、外部記憶装置703により実現可能であり、制御部210は、外部記憶装置703に記憶されている所定のプログラム(例えば、着席情報を表示するプログラム)を主記憶装置702にロードしてCPU701で実行することで実現可能である。また、通信部260は、通信装置704により実現可能であり、GPS信号受信部270は、GPS装置705により実現可能であり、近距離無線通信部250は、近距離無線通信装置706により実現可能である。また、入力部230は、入力装置707により実現可能であり、表示部240は出力装置708により実現可能である。
【0063】
図1に戻り、空席ナビゲーションサーバ100は、公共交通機関の車両に配置されている座席が空席になるまでの時間を示す着席情報を生成し、携帯端末200に提供する装置である。
【0064】
図8は、空席ナビゲーションサーバ100の機能構成図を示す図である。図示するように、空席ナビゲーションサーバ100は、制御部110と、記憶部120と、入力部130と、出力部140と、通信部150と、を有する。
【0065】
記憶部120は、定期区間テーブル121と、位置情報テーブル122と、着席情報データベース(DB)126を記憶する。また、記憶部120は、座席特定データベース(DB)123と、車両画像マスタデータベース(DB)124と、運行情報データベース(DB)125と、を予め記憶している。
【0066】
定期区間テーブル121は、携帯端末200から送信された定期区間情報222(2値化定期区間情報405に基づいて復元されたデータ)を、携帯端末200ごとに格納する。 図9(A)は、定期区間テーブル121の概略データ構造を示す図である。図示するように、定期区間テーブル121は、携帯端末200の端末IDごとのレコードからなる。各レコードには、端末ID1211と、乗車駅1212と、降車駅1213と、が対応付けて格納されている。
【0067】
端末ID1211は、携帯端末200から送信された端末ID221(2値化端末ID404に基づいて復元されたデータ)に対応するデータである。
【0068】
乗車駅1212は、ユーザが乗車した駅名を示すデータある。具体的には、乗車駅1212は、携帯端末200から送信された定期区間情報222に含まれている第1の駅名2221と第2の駅名2222のうち、改札機300から送信された駅特定データに対応している方のデータである。例えば、第1の駅名2221が「K駅」を示すデータであり、第2の駅名2221が「D駅」を示すデータであるとき、駅特定データが「D駅」を示すデータである場合には、乗車駅1212の欄に、第2の駅名2221が示す「D駅」が格納される。
【0069】
降車駅1213は、ユーザが降車する予定の駅名を示すデータである。具体的には、降車駅1213は、上記の第1の駅名2221と第2の駅名2222のうち、乗車駅1212と対応していない方のデータである。例えば、上記の例では、乗車駅1212の欄には「D駅」を示すデータが格納されるので、降車駅1213の欄には、第1の駅名2221が示す「K駅」が格納される。
【0070】
次に、位置情報テーブル122は、各携帯端末200から送信された位置情報223(2値化位置情報406に基づいて復元されたデータ)を、携帯端末200ごとに格納する。
【0071】
図9(B)は、位置情報テーブル122の概略データ構造を示す図である。図示するように、位置情報テーブル122は、携帯端末200の端末IDごとのレコードからなる。各レコードには、端末ID1221と、端末位置1222と、最寄り駅1223と、が対応付けて格納されている。
【0072】
端末ID1211は、携帯端末200から送信された端末ID221(2値化端末ID404に基づいて復元されたデータ)に対応するデータである。
【0073】
端末位置1222は、携帯端末200の位置を示すデータである。具体的には、端末位置1222は、携帯端末200の位置情報223に対応するデータであり、例えば、緯度、経度データである。
【0074】
最寄り駅1223は、ユーザの乗車列車が停車している最寄り駅を示すデータである。具体的には、最寄り駅1223は、携帯端末200の現在位置(位置情報223)に対応する(後述する運行情報DB125から特定される)駅名を示すデータである。
【0075】
次に、運行情報DB125は、列車ごとの各駅での停車時刻および停車位置(領域)を特定するためのデータを格納する。
【0076】
図10は、運行情報DB125の概略データ構造を示す図である。図示するように、運行情報DB125には、列車ID1251ごとに、停車駅の駅名1252と、停車時刻1253と、停車領域1254と、を対応付けたレコードが格納されている。
【0077】
列車ID1251は、列車ごとに異なる文字列(数字列を含む)が割り当てられたデータである。
【0078】
駅名1252は、列車が運行スケジュールに従って走行する際に、停車する駅名を示すデータである。
【0079】
停車時刻1253は、列車が停車する各駅での停車時刻を特定するデータである。例えば、停車時刻1253は、「8:54−9:02」といった停車時刻の開始、終了を特定する時刻データからなる。
【0080】
停車領域1254は、各駅において列車が停車する所定領域を特定するデータである。通常、列車は、各駅において定められた位置に停車するものであり、停車領域1254は、その停車位置(領域)を特定する座標(経度、緯度)データである。
【0081】
なお、運行情報DB125に格納されている各データは、事故などによって列車が運行スケジュール通りに運行できない場合には、随時、実際の運行状況に応じて更新される。
【0082】
次に、座席特定DB123は、ユーザが車両内で着席している座席を特定するためのデータを格納する。
【0083】
図11は、座席特定DB123の概略データ構造を示す図である。図示するように、座席特定DB123は、列車ID1236ごとに、停車駅の駅名1231と、列車を編成している各車両ごとの座席情報(1232A、1233A、など)と、を対応付けたレコードが格納されている。
【0084】
列車ID1231は、列車ごとに異なる文字列(数字列を含む)が割り当てられたデータであり、運行情報DB125の列車ID1251に対応している。
【0085】
駅名1231は、列車が停車する駅名を示すデータであり、運行情報DB125に格納されている駅名1252に対応している。
【0086】
各号車に配置される各座席の座席情報(1号車の第1の座席1232A、1号車の第2の座席1233A、2号車に配置される第1の座席1232B、など)は、各座席の領域を示すデータである。例えば、1号車の第1の座席1232Aの欄には、第1の座席領域を特定する「(経度x1〜経度x2,緯度y1〜緯度y2)」といった領域データが格納される。
【0087】
なお、本発明は、複数の車両を連結させた列車に限定するものではなく、単数の車両からなる電車、バスなどの公共交通機関にも適用される。その場合、各レコードには、単数の車両に配置されている座席の情報だけが格納される。
【0088】
次に、車両画像マスタDB124は、列車を編成する各車両に配置されている座席の位置を示す画像データ(以下では、「車両画像マスタ」とよぶ)を格納する。車両画像マスタは、列車ごとに、車両画像マスタDB124に格納されている。各車両の車両画像マスタは、列車ID1241および車両名(1242、1243、など)を指定して、1つの車両の車両画像マスタを読み出すことが可能なように格納されている。
【0089】
図12は、車両画像マスタDB124の概略データ構造を示す図である。図示するように、車両画像マスタDB124には、列車ID1241ごとに、当該列車を編成する車両の車両画像マスタが対応付けて格納される。例えば、車両名が1号車1242の欄には、1号車の車両の車両画像マスタが格納され、車両名が2号車1243の欄には、2号車の車両の車両画像マスタが格納される。
【0090】
ここで、列車ID1241は、列車ごとに異なる文字列(数字列を含む)が割り当てられたデータであり、運行情報DB125に格納されている列車ID1251に対応している。
【0091】
なお、各車両についての車両画像マスタのデータサイズは予め定められており、記憶部120は、座席名と、車両画像マスタ上におけるその座席の位置(例えば、座標)と、を対応付けたデータ(以下では、「画像位置データ」とよぶ)を、予め記憶している。画像位置データを用いれば、車両画像マスタをメモリ(後述する主記憶装置602)に読み出して、座席名を指定することで、指定された座席の位置(車両画像マスタ上における位置)を特定することができる。
【0092】
次に、着席情報DB126は、乗客の着席している座席が空席になるまでの時間(着席情報)を示す画像データ(以下では、「着席画像データ」とよぶ)を格納する。このような着席画像データは、車両画像マスタに着席情報を合成して生成され、車両ごとに、着席情報DB126に格納される。ここで、各車両の着席画像データは、列車IDおよび車両名で特定される車両1261を指定して、1つの車両の着席画像データを読み出すことが可能なように格納される。
【0093】
図13は、着席情報DB126の概略データ構造を示す図である。図示するように、着席情報DB126には、生成された着席画像データが、車両1261ごとに格納される。なお、着席画像データの生成方法については、後述する。
【0094】
図8に戻り、入力部130は、ユーザによる入力を受け付ける。具体的には、入力部130は、各種指示ための入力などを受け付け、制御部210に通知する。
【0095】
表示部140は、画像データなどの各種データを表示する。具体的には、表示部140は、表示のための描画コマンドを生成して表示する。ここで、表示する各種データには、各種アプリケーション(例えば、記憶部120に格納されているデータを更新するアプリケーションなど)の実行にともなうデータなどが含まれる。
【0096】
通信部150は、ネットワーク30及び事業者ネットワーク40を介して、携帯端末200とデータの送受信を行う。具体的には、通信部150は、制御部110からの指示に基づいて、例えば、着席情報を含む着席画像データなどを、携帯端末200に送信したり、携帯端末200の位置情報223などを、携帯端末200から受信したりする。
【0097】
制御部110は、空席ナビゲーションサーバ100における種々の処理を行う。
【0098】
例えば、制御部110は、図示するように、データ送受信部111と、乗車判定部112と、着席判定部113と、着席情報算出部114と、着席画像データ生成部115と、を有する。
【0099】
データ送受信部111は、通信部150を介して、携帯端末200と通信パケット400の送受信を行う。
【0100】
例えば、携帯端末200に通信パケット400を送信する場合には、データ送受信部111は、通信パケット400を生成して、携帯端末200に送信する。具体的には、データ送受信部111は、生成された着席情報(着席画像データ)を含む通信パケット400を生成して携帯端末200に送信する。
【0101】
また、携帯端末200から通信パケット400を受信した場合には、データ送受信部111は、2値化されているデータを復元する。例えば、受信した2値化端末ID404、2値化定期区間情報405、2値化位置情報406を、それぞれ、2値化する前のデータに復元する。
【0102】
乗車判定部112は、列車にユーザが乗車したか否かを判定する。
【0103】
このとき、乗車判定部112は、ユーザ(携帯端末200)が乗車する候補となる列車を、運行情報DB125から検索する。具体的には、乗車判定部112は、改札機300から受信した駅特定データに対応する駅名1252と、改札機300から受信した日時(第1の日時情報)に対応する停車時刻1253と、をともに有するレコードを、位置情報テーブル122から検索する。ここで、第1の日時情報に対応する停車時刻1253とは、停車時刻1253が示す時刻の範囲に、第1の日時情報が含まれているデータをいう。
【0104】
乗車判定部112は、乗車候補の列車の中から、実際にユーザが乗車している列車を検索する。具体的には、乗車判定部112は、先に候補として検索したレコードの中から、携帯端末200の位置(端末位置1222)が停車領域1254内に存在しているレコードを検索する。
【0105】
乗車判定部112は、検索した結果、該当するレコードが存在するか否かに応じて、ユーザが列車に乗車したか否かを判定する。具体的には、該当するレコードが存在する場合に、ユーザが検索したレコードに対応付けられた列車(列車ID1251)に、乗車していると判定する。一方、該当するレコードが存在しない場合に、ユーザは列車に乗車いていないと判定する。
【0106】
着席判定部113は、乗車したユーザが、車両内に配置されている座席に着席しているか否かを判定する。具体的には、着席判定部113は、ユーザ(携帯端末200)が同一座席の位置に所定時間以上いるか否かに応じて、当該座席への着席の有無を判定する。
【0107】
例えば、着席判定部113は、携帯端末200の位置(端末位置1222が示す位置)の座席を、座席特定DB123から特定し、このとき特定した座席と、所定時間経過後における同一携帯端末200の位置(端末位置1222が示す位置)の座席と、を比較する。その結果、比較した座席が同一の座席である場合には、ユーザが当該座席に着席していると判定する。一方、同一の座席でない場合には、ユーザは着席していないと判定する。
【0108】
また、着席判定部113は、定期区間の全ての駅(乗車駅を除く)において、一旦着席していると判定されたユーザが、継続して同一席に着席しているか否か判定する。具体的には、着席判定部113は、列車が駅に停車中であるとき、携帯端末200の位置(端末位置1222が示す位置)の座席を、座席特定DB123から特定し、このとき特定した座席と、最初に着席していると判定した駅(乗車駅)で特定した座席と、を比較して判定する。
【0109】
着席情報算出部114は、ユーザの着席している座席が空席になるまでの時間(着席情報)を算出する。具体的には、着席情報算出部114は、着席しているユーザが乗車している列車の停車中の駅(最寄り駅)を特定し、特定した最寄り駅1224を位置情報テーブル122に上書きする。また、着席情報算出部114は、定期区間テーブル121からユーザの降車駅1213を特定し、最寄り駅1224から降車駅1213までの所要時間を、着席情報として算出する。
【0110】
例えば、着席情報算出部114は、運行情報DB125から、最寄り駅1224に対応する停車時刻(終了時刻)1253と、降車駅1213に対応する停車時刻(開始時刻)1253と、を読み出し、両停車時刻の差分時間を求めることよって、着席情報を算出する。
【0111】
着席画像データ生成部115は、着席情報を車両画像マスタに合成した着席画像データを生成する。具体的には、着席画像データ生成部115は、車両画像マスタにおいてユーザが着席している座席の位置に、着席情報を示すデータを合成して着席画像データを生成する。ここで、着席画像データ生成部115は、車両画像マスタにおける座席の位置を特定するときに、上述した画像位置データを用いる。
【0112】
図14は、以上のような機能を有する空席ナビゲーションサーバ100のハードウェア構成図である。図示するように、空席ナビゲーションサーバ100は、CPU601と、RAM等の主記憶装置602と、ROMやHDD等の外部記憶装置603と、ネットワーク30に接続するためのNIC(Network Interface Card)等の通信装置604と、CD−ROMやDVD−ROM等の可搬性を有する可搬型記憶媒体607から情報を読み出す読取装置605と、ディスプレイ、キーボードやマウス等の入出力装置606と、を備えた一般的なコンピュータで実現される。
【0113】
例えば、図8に示す記憶部120は、外部記憶装置603により実現可能であり、制御部110は、外部記憶装置603に記憶されている所定のプログラム(例えば、着席情報を算出するプログラム、着席画像データを生成するプログラム、など)を主記憶装置602にロードしてCPU601で実行することで実現可能である。また、通信部150は、通信装置604により実現可能であり、入力部130、表示部140は、入出力装置606により実現可能である。
【0114】
上記の所定のプログラムは、読取装置605を介して可搬型記憶媒体607から外部記憶装置603に記憶され、それから、主記憶装置602上にロードされてCPU601により実行されるようにしてもよい。また、通信装置604を介してネットワーク30から外部記憶装置603に記憶され、それから、主記憶装置602上にロードされてCPU601により実行されるようにしてもよい。また、読取装置605を介して可搬型記憶媒体608から、或いは、通信装置604を介してネットワークから、主記憶装置602上に直接ロードされ、CPU601により実行されるようにしてもよい。
【0115】
図15、図16、図18は、空席ナビゲーションシステム10で行われる着席情報を表示する処理のタイミングチャートである。
【0116】
図15に示すように、各駅に設置された改札機(入場用)300の非接触ICカードリーダライタ805は、電波を発信し、携帯端末200からの応答を待つ(S1)。
【0117】
駅構内に入場しようとしているユーザが、改札機(入場用)300に定期券機能付きの携帯端末200を近づけると、携帯端末200の近距離無線通信部250は、改札機300から発信されている電波を受信し、記憶部220に記憶されている端末ID221と定期券情報(定期区間情報222を含む)を、改札機300に送信する(S2)。
【0118】
ここで、改札機300は、携帯端末200から送信された定期券情報が有効なものと判定すると、改札扉を開いてユーザの入場を許可するとともに、携帯端末200の端末ID221と、定期券情報に含まれている定期区間情報222と、記憶部320に記憶されている駅特定データと、を空席ナビゲーションサーバ100に送信する(S3)。このとき、空席ナビゲーションサーバ100のデータ送受信部111は、改札機300から各データ(端末ID221、定期区間情報222、駅特定データ)を受信する。なお、ここで受信するデータ内容は2値化されたものでよい。また、空席ナビゲーションサーバ100のデータ送受信部111は、データを受信した日時(第1の日時情報)を取得する。
【0119】
データ送受信部111は、改札機300からデータを受信すると、まず、受信した駅特定データが示す駅に対応する第1の駅名2221又は第2の駅名2222を、乗車駅として特定し、乗車駅として特定しなかった第2の駅名2222又は第1の駅名2221を、降車駅として特定する。そして、特定した乗車駅1212と、降車駅1213と、を、携帯端末200から受信した端末ID211と対応付けて定期区間テーブル121に格納する(S4)。
【0120】
続いて、空席ナビゲーションサーバ100の乗車判定部112は、改札機300を通過したユーザが乗車する列車の候補を運行情報DB125から検索する(S5)。具体的には、乗車判定部112は、ステップS3で受信した駅特定データに対応する駅名1252と、第1の受信情報に対応する停車時刻1253と、をともに有するレコードを、運行情報DB125から検索する。
【0121】
一方、携帯端末200では、ステップS2で駅構内に入場する際の改札処理を終了した後に、モード切替部212は、携帯端末200のモードを上述した位置提供モードに切り替える(S6)。
【0122】
位置提供モードに移行すると、携帯端末200の現在位置算出部213は、GPS衛星からGPS信号を受信し(S7)、受信したGPS信号に基づいて携帯端末200の現在位置を算出する(S8)。
【0123】
そして、データ送受信部214は、ステップS8で算出した現在位置を示す位置情報223と、端末ID221と、を含む通信パケット400を、空席ナビゲーションサーバ100に送信する(S9)。このとき、空席ナビゲーションサーバ100のデータ送受信部111は、携帯端末200から各データ(端末ID221、位置情報223)を受信する。なお、ここで受信するデータ内容は2値化されたものでもよい。また、通信パケット400に、定期区間情報222を含めてもよい。また、空席ナビゲーションサーバ100のデータ送受信部111は、位置情報223(2値化位置情報406)を受信した日時(第2の日時情報)を取得する。
【0124】
続いて、空席ナビゲーションサーバ100は、停車中の列車にユーザが乗車しているか否か判定する(S10)。具体的には、空席ナビゲーションサーバ100の乗車判定部112が、ステップS5で検索したレコードの中から、ステップS9で受信した位置情報223に対応する停車領域1254と、第2の日時情報に対応する停車時刻1253と、を有するレコードを検索する。ここで、検索したレコードが存在する場合には、乗車判定部112は、ユーザが乗車していると判定し、検索したレコードに対応付けられている列車ID1251を特定する。一方、検索したレコードが存在しない場合には、乗車していないと判定する。
【0125】
ユーザが乗車していない場合には、空席ナビゲーションサーバ100のデータ送受信部111は、携帯端末200に乗車していない旨を通知する(S11)。この通知を受けた携帯端末200は、ステップS7〜S9の処理を繰り返し、空席ナビゲーションサーバ100は、S10において、ユーザが乗車するまで、ユーザの乗車の有無を判定する。
【0126】
一方、ユーザが乗車している場合には、図16に示すように、空席ナビゲーションサーバ100のデータ送受信部111は、携帯端末200に乗車している旨を通知する(S12)。
【0127】
この通知を受けた携帯端末200は、ステップS7〜S9の処理を再度行い、通信パケット400を受信したデータ送受信部111は、位置情報223(2値化位置情報406)を受信した日時(第2の日時情報)を再取得する。
【0128】
続いて、空席ナビゲーションサーバ100の着席判定部113は、乗車している列車にユーザが着席しているか否か判定する(S13)。
【0129】
ユーザが着席していない場合には、着席判定部113は、ユーザが乗車している列車(列車ID1236)と、車両名(各号車)と、を座席特定DB123から特定し、記憶しておく。
【0130】
そして、空席ナビゲーションサーバ100のデータ送受信部111は、ユーザが着席情報を必要としているか否かについて、携帯端末200に問い合わせる(S14)。具体的には、データ送受信部111は、携帯端末200で表示可能な問い合わせ用の確認画面510を、携帯端末200に送信する。なお、確認画面510は、予め記憶部120が記憶しているものとする。
【0131】
携帯端末200は、この問い合わせを受け付けると、表示部240が確認画面510をディスプレイ500(出力装置708)に表示し、入力部230がユーザからの指示を受け付ける。
【0132】
図17(A)は、確認画面510の表示例を示す図である。図示するように、確認画面510は、着席情報を表示させるか否かを決定するためのボタン(「はい」ボタン511及び「いいえ」ボタン512)から構成される。
【0133】
ユーザが「はい」ボタン512を選択した場合、携帯端末200のデータ送受信部214は、着席情報を要求する旨の通知を、空席ナビゲーションサーバ100に通知する(S15)。
【0134】
着席情報の要求を受け付けた空席ナビゲーションサーバ100は、ステップS13で記憶しておいた列車ID1236と車両名に基づいて、携帯端末200から要求された着席画像データを着席情報DB126から読み出し(S16)、携帯端末200に送信する(S17)。
【0135】
着席画像データを受信した携帯端末200の表示部240は、受信した着席画像データに基づく着席情報画面520をディスプレイ500に表示する(S18)。これにより、ユーザは、乗車中の車両において、どの座席が早く空席になるかについて知ることができる。
【0136】
図17(B)は、着席情報画面520の表示例を示す図である。図示するように、着席情報画面520には、ユーザの位置周辺の車両内に配置されている座席上に、着席情報が表示される。表示部240は、入力部230を介してユーザの指示を受け付け、ディスプレイ500に表示する着席情報画面520を縮小、拡大、スクロールなどさせることができる。
【0137】
一方、ステップS14において、ユーザが「いいえ」ボタン512を選択した場合には、携帯端末200の制御部210は、処理を、図16に示すAに戻す。これにより、空席ナビゲーションサーバ100は、再度、ステップS10においてユーザの着席の有無を判定することになるため、列車が駅に停車するたびに、ユーザの着席を判定することができる。
【0138】
また、ステップS13での判定により、ユーザが着席している場合には、空席ナビゲーションサーバ100の着席情報算出部114は、処理をステップS19に移行し、図18に示すように、ユーザの着席している座席が空席になるまでの時間(着席情報)を算出する(S19)。
【0139】
続いて、空席ナビゲーションサーバ100の着席画像データ生成部115は、ステップS19にて算出した着席情報を、車両画像マスタに合成して着席画像データを生成する(S20)。
【0140】
そして、データ送受信部111は、着席画像データを生成(更新)した旨を、携帯端末200に通知する(S21)。
【0141】
この通知を受けた携帯端末200は、改札機(出場用)300から発信されている電波を受信するまでは、処理を図16に示すAに戻す。これにより、本システム10では、列車の停車駅ごとに、着席画像データを更新することになるため、定期区間の途中駅(降車駅の手前)で、ユーザが着席していた座席から離れた場合に、着席画像データの当該座席の位置に着席情報が表示されなくなる。
【0142】
また、各駅に設置された改札機(出場用)300の非接触ICカードリーダライタ805は、電波を発信し、携帯端末200からの応答を待っている(S22)。
【0143】
駅構内から出場しようとしているユーザが、改札機(出場用)300に定期券機能付きの携帯端末200を近づけると、携帯端末200の近距離無線通信部250は、改札機300から発信されている電波を受信し、記憶部220に記憶されている端末ID221と定期券情報(定期区間情報222を含む)を、改札機300に送信する(S23)。
【0144】
改札機300の通信部30は、携帯端末200を所有するユーザが、駅構内から出場した旨を、空席ナビゲーションサーバ100に通知する(S24)。
【0145】
一方、携帯端末200では、ステップS23で駅構内から出場する際の改札処理を終了した後に、モード切替部212は、携帯端末200のモードを上述した通常モードに切り替える(S25)。これにより、携帯端末200は、現在位置(位置情報223)の空席ナビゲーションサーバ100への送信を停止する。
【0146】
次に、図19は、空席ナビゲーションサーバ100で行われる、上記ステップS3〜S11における乗車判定処理の詳細を示すフローチャートである。
【0147】
図示するように、データ送受信部111は、端末ID221、定期区間情報222、駅特定データ、を受信するまで待機する(ステップS101;No)。各データを受信した場合に(ステップS101;Yes)、データ送受信部111は、乗車判定処理を開始する。
【0148】
乗車判定処理を開始後、データ送受信部111は、ステップS101で受信した各データを定期区間テーブル121に追加する(ステップS102)。具体的には、図15に示すステップS4の処理を実行する。
【0149】
ただし、ステップS101で受信したデータが2値化されている場合には、データ送受信部111は、2値化端末ID404、2値化定期区間情報405、2値化された駅特定データ、をそれぞれ2値化される前のデータに復元してから、ステップS102における処理を実行する。
【0150】
続いて、乗車判定部112は、改札機300を通過したユーザが乗車する列車の候補を運行情報DB125から検索する(ステップS103)。具体的には、図15に示すステップS5の処理を実行する。
【0151】
乗車候補となるレコードを検索後、データ送受信部111は、携帯端末200から端末ID221および位置情報223を受信するまで待機する(ステップS104;No)。各データを受信した場合に(ステップS104;Yes)、データ送受信部111は、現在時刻を特定する(ステップS105)。具体的には、データ送受信部111は、位置情報223(2値化位置情報406)を受信した日時(第2の日時情報)をタイマなどから取得する。
【0152】
このとき、ステップS104で受信したデータが2値化されている場合には、データ送受信部111は、2値化端末ID404、2値化位置情報406、をそれぞれ2値化される前のデータに復元する。
【0153】
また、データ送受信部111は、受信した端末ID221と位置情報223を対応付けたレコードを、位置情報テーブル122に追加する。ただし、既に位置情報テーブル122に、受信した端末ID221に対応する端末ID1221が記憶されている場合には、該当するレコードに上書きする。また、以下の処理では、データ送受信部111は、位置情報223を受信するたびに、位置情報テーブル122を更新する。従って、位置情報テーブル122には、携帯端末200についての最新の情報が格納される。
【0154】
続いて、乗車判定部112は、ステップS103で乗車候補として特定したレコードの中から、ステップS104で受信した位置情報223に対応する停車領域1254を有し、かつ、ステップS105で特定した第2の日時情報に対応する停車時刻1253を有するレコードを検索する(ステップS106)。具体的には、乗車判定部112は、ステップS104で受信した位置情報223が示す位置が、停車領域1254が示す「領域」内に存在し、かつ、ステップS105で特定した第2の日時情報が、停車時刻1253が示す「停車開始時刻から停車終了時刻までの時間」内であるレコードを検索する。
【0155】
乗車判定部112は、ステップS106において検索した結果、該当するレコードがある場合(ステップ107;Yes)、ユーザが乗車していると判定し、着席情報送信処理を開始する(ステップS108)。一方、該当するレコードがない場合には(ステップS107;No)、ユーザは乗車していない(駅構内のホームなどにいる)と判定して、処理をステップS109に移行する。
【0156】
ステップS109に処理が移行すると、データ送受信部111は、通信部150を介して、ユーザが乗車していない旨を携帯端末200に通知する(ステップS109)。
【0157】
通知後、制御部110は、乗車判定処理を終了する。
【0158】
次に、図20は、空席ナビゲーションサーバ100で行われる着席情報送信処理(ステップS108)の詳細を示すフローチャートである。
【0159】
着席情報送信処理に移行すると、データ送受信部111は、携帯端末200に乗車している旨を通知し、携帯端末200から新たに位置情報223(2値化位置情報406)を受信するまで待機する(ステップS109;No)。
【0160】
データ送受信部111は、位置情報223(2値化位置情報406)を受信した場合(ステップS109;Yes)、ステップS105と同様に、現在時刻(第2の日時情報)を特定する(ステップS110)。
【0161】
続いて、着席判定部113は、携帯端末200(ユーザ)が、列車内の座席上に位置しているか否か判別する(ステップS111)。具体的には、着席判定部113は、まず、ステップS106で検索したレコードが有する駅名1252と、当該レコードに対応する列車ID1251を特定する。次に、着席判定部113は、特定した列車ID1251と駅名1252に対応付けられているレコードを、座席特定DB123から検索する。そして、着席判定部113は、検索したレコードに、ステップS110で受信した位置情報223に対応する座席情報(1232A、1233A、など)があるか否か判別する。ここで、例えば、座席情報(1232A、1233A、など)が示す「領域」内に、ステップS110で受信した位置情報223が存在する場合には、携帯端末200が座席上に位置している(ユーザが着席している可能性がある)と判定する。この場合、記憶部120は、携帯端末200が位置している座席を特定する座席名(例えば、「2号車の第2の座席1233B」といった名称など)を、一時的に記憶しておく。一方、座席情報(1232A、1233A、など)が示す「領域」内に、位置情報223が存在しない場合には、携帯端末200が座席上に位置していない(ユーザが着席していない)と判定する。この場合、着席判定部113は、ユーザが乗車している列車(ステップS111で特定した列車ID1236)と、車両名(各号車)と、を一時的に記憶しておく。なお、車両名(各号車)は、座席特定DB123において、携帯端末200の位置情報223に最も近い座席情報(1232A、1233A、など)を有する座席が配置されている車両とする。
【0162】
着席判定部113は、携帯端末200の位置が、列車内の座席上に位置していると判定した場合(ステップS111;Yes)、タイマなどを起動して、所定の時間が経過するまで待機する(ステップS116)。この待機中、データ送受信部111は、携帯端末200から位置情報223(2値化位置情報406)を、定期的に受信している。
【0163】
所定の時間が経過後、着席判定部113は、直前にデータ送受信部111が受信した位置情報223(2値化位置情報406)が、ステップS111で携帯端末200が位置していると判定した座席と同一の座席上に存在するか否か判別する(ステップS117)。具体的には、着席判定部113は、直前に受信した位置情報223が、ステップS111で携帯端末200が位置していた座席の座席情報(1232A、1233A、など)が示す「領域」内に存在する場合には、同一座席上に存在すると判定する。一方、直前に受信した位置情報223が、ステップS111で携帯端末200が位置していた座席の座席情報(1232A、1233A、など)が示す「領域」内に存在しない場合には、同一座席上に存在しないと判定する。
【0164】
着席判定部113は、携帯端末200が同一座席上に存在すると判定した場合には(ステップS117;Yes)、携帯端末200が、所定の時間、同一座席にとどまっていた(ユーザが着席している)ものとして、着席情報生成(更新)処理を開始する(ステップS118)。一方、携帯端末200が同一座席上に存在しないと判定した場合には(ステップS117;No)、携帯端末200は移動した(ユーザは着席していない)ものとして、処理をステップS109に戻す。
【0165】
また、ステップS111において、着席判定部113は、携帯端末200の位置が、列車内の座席上に位置していないと判定した場合(ステップS111;No)、データ送受信部111は、ユーザが着席情報を必要としているか否かについて、携帯端末200に問い合わせる(ステップS112)。具体的には、データ送受信部111は、ステップS14と同様の処理を行う。
【0166】
そして、データ送受信部111は、携帯端末200から着席情報について要求を受け付けるまで待機する(ステップS113;No)。
【0167】
データ送受信部111は、着席情報について携帯端末200から要求を受け付けると(ステップS113;Yes)、携帯端末200が位置している車両の着席画像データを読み出す(ステップS114)。例えば、データ送受信部111は、ステップS111で一時的に記憶しておいた列車ID1236と車両名(各号車)を読み出し、読み出した両データで特定される着席画像データを着席情報DB126から読み出す。
【0168】
そして、データ送受信部111は、ステップS114で読み出した着席画像データを、通信部150を介して、携帯端末200に送信する(ステップS115)。
【0169】
送信後、制御部110は、着席情報送信処理を終了する。
【0170】
次に、図21は、空席ナビゲーションサーバ100で行われる着席情報生成(更新)処理(ステップS118)の詳細を示すフローチャートである。
【0171】
着席情報生成処理に移行すると、制御部110は、ユーザが着席している座席について、着席情報を算出する処理と、着席情報を表示する位置(座席上)を特定する処理と、を並行(或いは連続)して行う。
【0172】
着席情報を算出する処理では、まず、着席情報算出部114は、ユーザが乗車している列車の停車中の駅(最寄り駅)を特定する(ステップS119)。具体的には、着席情報算出部114は、ステップS111で特定した列車ID1236(列車ID1251)に対応付けられ、かつ、ステップS109で受信した位置情報223に対応する停車領域1254と、ステップS110で特定した第2の日時情報に対応する停車時刻1253と、をともに有するレコードを、運行情報DB125から検索する。そして、着席情報算出部114は、検索したレコードに格納されている駅名1252を、最寄り駅1212として特定する。また、着席情報算出部114は、特定した最寄り駅1212を、携帯端末200から送信された端末ID1221に対応付けて位置情報テーブル122に記憶する。なお、着席情報算出部114は、最寄り駅1212を特定するたびに、特定した最寄り駅1212を、位置情報テーブル122に記憶する。
【0173】
続いて、着席情報算出部114は、定期区間テーブル121からユーザの降車駅1213を特定し、列車が最寄り駅1212から降車駅1213に到着するまでの所要時間を着席情報として算出する(ステップS120)。具体的には、着席情報算出部114は、ステップS111で特定した列車ID1236(列車ID1251)の列車について、降車駅1213に対応する駅名1252を有するレコードに格納された停車時刻1253(停車開始時刻)を特定する。さらに、同列車ID1236(列車ID1251)の列車について、最寄り駅1212に対応する駅名1252を有するレコードに格納された停車時刻1253(停車終了時刻)を特定する。そして、着席情報算出部114は、降車駅1213に基づいて特定した停車時刻1253と、最寄り駅1212に基づいて特定した停車時刻1253と、の差分時間を算出し、算出した差分時間を着席情報とする。
【0174】
一方、着席情報を表示する位置(座席上)を特定する処理では、まず、着席画像データ生成部115は、ユーザが着席している座席を特定する座席名(ステップS111において記憶部120が記憶した座席名)を読み出す(ステップS121)。
【0175】
続いて、着席画像データ生成部115は、ユーザが乗車している車両についての車両画像マスタを車両画像マスタDB124から読み出し、読み出した車両画像マスタにおいてユーザが着席している座席の位置を特定する(ステップS122)。具体的には、着席画像データ生成部115は、ステップS111で記憶しておいた列車ID1236と車両名(各号車)を読み出し、当該列車ID1236(列車ID1241)と車両名で特定される車両画像マスタを、車両画像マスタDB124から読み出す。そして、読み出した車両画像マスタ上において、ステップS121で読み出した座席名に対応する位置を、上述した画像位置データに基づき特定する。
【0176】
ステップS120およびステップS122の処理を終了すると、着席画像データ生成部115は、ステップS122で特定した車両画像マスタ上の位置に、ステップS120で算出した着席情報を表示した着席画像データを生成する(ステップS123)。なお、着席情報の算出と、着席情報を表示する位置を特定する処理は、各座席ごとに行われ、着席画像データのそれぞれの座席上には、座席ごとに算出した着席情報が表示される。
【0177】
そして、着席画像データ生成部115は、生成した着席画像データを、着席情報DB126に記憶する(ステップS124)。このとき、着席画像データ生成部115は、後で、列車IDと車両名から着席画像データを読み出すことが可能なように、列車IDと車両名(1261)を着席画像データに対応付けて記憶する。
【0178】
その後、データ送受信部111は、着席画像データを生成(更新)した旨を、携帯端末200に通知する(ステップS125)。
【0179】
通知後、制御部110は、空席画像生成(更新)処理を終了する。
【0180】
以上の処理を、空席ナビゲーションサーバ100が行うことにより、座席に着席したユーザの操作を必要とせずに、その座席が空席になるまでの時間を求めることができる。また、座席に着席できなかったユーザに対して、座席が空席になるまでの時間を知るせることができる。
(第2の実施形態)
上記の第1の実施形態では、空席ナビゲーションサーバ100の乗車判定部112は、運行情報DB125に予め記憶されている停車領域1254を用いて、ユーザの乗車の有無について判定している。また、着席判定部113は、座席特定DB123に予め記憶されている座席情報(領域データ)を用いて、ユーザの着席の有無について判定している。
【0181】
これに対して、第2の実施形態では、乗車判定部112は、運行情報DB125の停車領域1254を用いずに、ユーザの乗車の有無について判定する。また、着席判定部113は、座席特定DB123の座席情報(領域データ)を用いずに、ユーザの着席の有無について判定する。
【0182】
第2の実施形態が適用された空席ナビゲーションサーバ100において、運行情報DB125は、第1の実施形態とは異なるデータ構造を有している。また、座席特定DB123は、第1の実施形態とは異なり、座席情報として座標データを格納している。その他の構成については、第1の実施形態が適用された空席ナビゲーションサーバ100と同様の構成からなる。
【0183】
図22は、第2の実施形態が適用された運行情報DB125の概略データ構造を示す図である。図示するように、運行情報DB125には、列車ID1251ごとに、停車駅の駅名1252と、停車時刻1253と、停車基準点1256と、境界線1257と、進行方向(Y方向)1258と、を対応付けたレコードが格納されている。
【0184】
列車ID1251、駅名1252、停車時刻1253は、それぞれ、第1の実施形態におけるデータと同様のデータである。
【0185】
停車基準点1256は、列車が各駅において定位置に停車したときに、基準となる地点を示すデータである。例えば、停車基準点1256は、列車が各駅において定位置に停車したときに、先頭車両の進行方向に向かって左前方隅が位置する地点を示す座標(経度、緯度)データである。
【0186】
境界線1257は、列車とプラットホームとの境界線を示す直線データである。
【0187】
進行方向(Y方向)1258は、列車が各駅において定位置に停車したときに、進行方向を示す方向(経度、緯度)データである。
【0188】
また、図23は、第2の実施形態が適用された座席特定DB123の概略データ構造を示す図である。図示するように、座席特定DB123には、列車ID1236ごとに、停車駅の駅名1231と、列車を編成している各車両ごとの座席情報(1232A、1233A、など)と、を対応付けたレコードが格納されている。
【0189】
列車ID1236、駅名1231は、それぞれ、第1の実施形態におけるデータと同様のデータである。
【0190】
各号車に配置される各座席の座席情報(1号車の第1の座席1232A、1号車の第2の座席1233A、2号車に配置される第1の座席1232B、など)は、各座席の位置を示すデータである。例えば、1号車の第1の座席1232Aの欄には、第1の座席の中心位置を特定する「(経度x,緯度y)」といった座標データが格納される。ただし、各座標データは、停車基準点1256からの相対座標データである。
【0191】
次に、以上のような運行情報DB125および座席特定DB123を有する空車ナビゲーションサーバ100の乗車判定部112が、ユーザの乗車の有無を判定する処理について説明する。
【0192】
図24は、駅において列車が停車する所定の停車領域(斜線部分)を示す図である。図示するように、停車基準点1256は、列車が所定の停車領域(斜線部分)に停車したときに、先頭車両の進行方向に向かって左前方隅が位置する地点とする。ただし、この地点に限定するものではない。なお、進行方向(Y方向)を逆位相回転して求まる方向を、以下では、「垂直方向(X方向)」とよび、停車基準点1256を通って車両方向(X方向)に平行な線(太線矢印)を、以下では「X軸」とよび、停車基準点1256を通って進行方向(Y方向)に平行な線(太線矢印)を、以下では、「Y軸」とよぶ。
【0193】
乗車判定部112は、携帯端末200が所定の停車領域(斜線部分)に位置している場合に、ユーザが列車に乗車していると判定する。
【0194】
具体的には、乗車判定部112は、第1の実施形態と同様に、ユーザが乗車する候補となる列車を、運行情報DB125から検索しておき、乗車候補の列車の中から、実際にユーザが乗車している列車を検索する。例えば、乗車判定部112は、先に候補として検索したレコードの中から、携帯端末200の位置(端末位置1222)が境界線1257を越えて車両の停車領域に存在しているレコードを検索する。
【0195】
ここで、携帯端末200の位置が境界線1257を越えて停車領域に存在するか否かについての判定は、乗車判定部112が、運行情報DB124に格納されている停車基準点1256、境界線1257、進行方向(Y方向)1258、進行方向1258から求まる垂直方向(X方向)を用いて行う。具体的には、乗車判定部112は、緯度経度座標系における携帯端末200の位置を、停車基準点1256を原点とし、垂直方向(X方向)1257及び進行方向(Y方向)1258を基底ベクトルとした座標系に変換して判定する。
【0196】
図25は、緯度経度座標系における携帯端末200の位置を、停車基準点1256を原点とする座標系に変換する説明図である。
【0197】
図示するように、停車基準点1256の緯度経度座標系における座標を(xO,yO)とし、緯度経度座標系における経度軸とX軸のなす角をθとすると、乗車判定部112は、携帯端末200の位置(端末位置1222)を、平行移動(−xO,−yO)させ、回転移動(−θ)する。これにより、携帯端末200の位置(端末位置1222)について、停車基準点1256を原点とする座標系における位置に変換することができる。
【0198】
また、乗車判定部112は、境界線1257についても、同様の平行移動、回転移動させる。
【0199】
そして、乗車判定部112は、停車基準点1256が境界線1257上にある場合には、停車基準点1256を原点とする座標系に変換後の携帯端末200の位置が、変換後の境界線1257の垂直方向(X方向)側に存在するか否か判定する。一方、停車基準点1256が境界線1257上にない場合には、停車基準点1256を原点とする座標系に変換後の携帯端末200の位置が、変換後の境界線1257の垂直方向の逆方向(−X方向)側に存在するか否か判定する。
【0200】
具体的には、乗車判定部112は、停車基準点1256が境界線1257上にある場合には、停車基準点1256を原点とする座標系に変換された携帯端末200の位置について、x座標が正であれば、ユーザは列車に乗車していると判定し、x座標が負であれば、ユーザは列車に乗車していないと判定する。また、停車基準点1256が境界線1257上にない場合には、停車基準点1256を原点とする座標系に変換された携帯端末200の位置について、x座標が負であれば、ユーザは列車に乗車していると判定し、x座標が正であれば、ユーザは列車に乗車していないと判定する。
【0201】
以上の判定を、乗車判定部112は、先に候補として検索した各レコードについて行い、ユーザが乗車しているレコードを検索する。該当するレコードが存在しない場合には、ユーザは乗車していないと判定する。
【0202】
次に、着席判定部113が、ユーザの着席の有無を判定する処理について説明する。
【0203】
第1の実施形態と同様に、着席判定部113は、ユーザ(携帯端末200)が同一座席の位置に所定時間以上いるか否かに応じて、当該座席への着席の有無を判定する。
【0204】
第2の実施形態では、着席判定部113が、携帯端末200の位置(端末位置1222が示す位置)の座席を、座席特定DB123から特定する処理が異なる。
【0205】
着席判定部113は、ユーザが乗車している列車について特定した列車ID1251と駅名1252に対応付けられているレコード(座席特定DB123)に、携帯端末200の位置情報223に対応する座席情報(1232A、1233A、など)があるか否か判別する。
【0206】
具体的には、着席判定部113は、ユーザが乗車している列車に対応するレコードに格納されている座席情報(1232A、1233A、など)のうち、携帯端末200の位置情報223に最も近傍の座席情報(絶対座標データ)を特定する。ただし、着席判定部113は、座席情報(相対座標データ)と停車基準点1256の和を座席情報(絶対座標データ)として前もって求めておく。そして、着席判定部113は、特定した座席情報が示す位置を中心として、所定距離Rを半径とする円の領域内に、携帯端末200の位置(位置情報223)が存在するか否か判別する。別の言い方をすれば、着席判定部113は、特定した座席情報が示す位置から所定距離R以内に、携帯端末200の位置(位置情報223)が存在するか否か判別する。このとき、着席判定部113は、携帯端末200の位置(位置情報223)が円の領域内に存在する場合に、携帯端末200が座席上に位置している(ユーザが着席している可能性がある)と判定する。ただし、所定距離Rについては、予め記憶部120に記憶されているものとする。
【0207】
図26は、座席の領域を所定距離Rを半径とする円とした場合の概念図である。図示する例では、携帯端末200の位置(x’,y’)は、第1の座席の座席情報1232Aを中心とする円の内側であるので、携帯端末200が座席(第1の座席)上に位置していると判定される。
【0208】
その後、着席判定部113は、第1の実施形態と同様に、ユーザ(携帯端末200)が同一座席の位置に所定時間以上いるか否かに応じて、当該座席への着席の有無を判定する。
【0209】
以上の処理により、第2の実施形態では、運行情報DB125および座席特定DB123に記憶しておくデータについて、第1の実施形態と比較して単純化することができ、データ量も少なくすることができる。
【0210】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されず、種々の変形、応用が可能である。
【0211】
例えば、上記各実施形態において空席ナビゲーションサーバ100で行われている各種処理を、携帯端末200が行うようにしてもよい。
【0212】
具体的には、携帯端末200が、着席情報を算出し、着席画像データを生成するようにしてもよい。
【0213】
この場合、携帯端末200は、各座席に着席しているユーザの降車駅1213に対応する停車時刻(開始時刻)1253を、空席ナビゲーションサーバ100から取得し、取得した各停車時刻1253と、携帯端末200が保有する現在時刻と、の差分時間を求めて着席情報を算出する。このとき、携帯端末200は、各停車時刻1253とともに、対応する各座席を特定する情報(例えば、座席名)も取得する。
【0214】
さらに、携帯端末200は、携帯端末200が位置している車両の車両画像マスタを空席ナビゲーションサーバ100から取得して、取得した車両画像マスタに、先に算出した着席情報を合成して着席画像データを生成する。このとき、携帯端末200は、上述した画像位置データを空席ナビゲーションサーバ100から取得し、取得した画像位置データに基づいて、車両画像マスタの適切な位置に、着席情報を合成する。
【0215】
また、上記各実施形態では、携帯端末200は、空席ナビゲーションサーバ100から、携帯端末200が位置している車両の着席画像データだけを受信している。しかし、本願発明は、これに限定されず、例えば、携帯端末200は、列車を編成する全ての車両についての着席画像データを空席ナビゲーションサーバ100から受信し、入力部230を介したユーザの指示に基づき、列車内の任意の位置の着席画像データを表示するようにしてもよい。
【0216】
また、上記各実施形態では、空席ナビゲーションサーバ100は、携帯端末200が通過した改札機300から、定期区間情報222を受信している。しかし、本発明は、これに限定されない。例えば、空席ナビゲーションサーバ100は、携帯端末200が改札機300を通過したときに、携帯端末200から定期区間情報222を受信するようにしてもよい。
【0217】
また、上記各実施形態では、着席判定部113は、ユーザ(携帯端末200)が同一座席の位置に所定時間以上いるか否かに応じて、当該座席への着席の有無を判定している。しかし、本発明は、これに限定されない。例えば、着席判定部113は、携帯端末200の位置(端末位置1222が示す位置)の座席を、座席特定DB123から検索し、該当する座席がある場合には、ユーザが当該座席に着席していると判定する。一方、該当する座席がない場合には、ユーザは着席していないと判定する。
【0218】
また、上記第1の実施形態では、運行情報DB125に格納される停車領域1254は、列車の停車位置(領域)を特定する座標(経度、緯度)データとしている。例えば、停車領域1254は、列車の停車領域における対角の2点を特定する座標(経度、緯度)データでもよい。この場合、乗車判定部112は、その2点の座標データから停車領域を示す領域データを生成し、生成した領域データが示す領域内に携帯端末200の位置(端末位置1222)が存在しているか否か判定するようにする。
【0219】
また、上記第1の実施形態では、座席特定DB123に格納される各座席の座席情報は、各座席の領域を示す領域データである。しかし、これに限定されず、例えば、座席情報は、座席の領域における対角の2点を特定する座標(経度、緯度)データでもよい。この場合、着席判定部113は、その2点の座標データから座席の領域を示す領域データを生成し、生成した領域データが示す領域内に携帯端末200の位置(端末位置1222)が存在しているか否か判定するようにする。
【0220】
また、上記第2の実施形態では、座席特定DB123に格納される各座席の座席情報は、各座席の中心位置を示す座標データである。本発明は、これに限定されず、例えば、座席情報は、座席の領域における対角の2点を特定する座標データ(ただし、停車基準点1256からの相対座標データ)でもよい。この場合も、着席判定部113は、その2点の座標データから座席の領域を示す領域データを生成し、生成した領域データが示す領域内に携帯端末200の位置(端末位置1222)が存在しているか否か判定するようにする。
【0221】
また、上記各実施形態では、着席情報算出部114は、着席しているユーザが乗車している列車の停車中の駅を最寄り駅として特定し、位置情報テーブル122に上書きしている。しかし、本発明は、これに限定されない。例えば、着席情報算出部114は、列車が走行中の場合には、次に停車する駅を最寄り駅として特定してもよい。具体的には、着席情報算出部114は、運行情報DB125から停車駅の駅名1252を検索するが、列車の走行中には、該当するデータを検索できない。この場合、着席情報算出部114は、位置情報223を受信した日時を示す第2の日時情報に最も近い停車時刻1253を有しているレコードを、運行情報DB125から再検索する。そして、再検索したレコードに格納されている駅名1252を、最寄り駅1212として特定し、特定した最寄り駅1212に基づいて着席情報を算出する。これにより、本願の空席ナビゲーションサーバ100は、より正確な着席情報をユーザに提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0222】
【図1】空席ナビゲーションシステムの概略構成図である。
【図2】改札機の機能構成図である。
【図3】改札機のハードウェア構成の一例を示した図である。
【図4】携帯端末の機能構成図である。
【図5】(A)端末IDのデータ構造を概念的に示した図である。(B)定期区間情報のデータ構造を概念的に示した図である。(C)位置情報のデータ構造を概念的に示した図である。
【図6】通信パケットのデータ構造を概念的に示した図である。
【図7】携帯端末のハードウェア構成の一例を示した図である。
【図8】空席ナビゲーションサーバの機能構成図である。
【図9】(A)定期区間テーブルのデータ構造を概念的に示した図である。(B)位置情報テーブルのデータ構造を概念的に示した図である。
【図10】第1の実施形態に係る運行情報DBのデータ構造を概念的に示した図である。
【図11】第1の実施形態に係る座席特定DBのデータ構造を概念的に示した図である。
【図12】車両画像マスタDBのデータ構造を概念的に示した図である。
【図13】着席情報DBのデータ構造を概念的に示した図である。
【図14】空席ナビゲーションサーバのハードウェア構成の一例を示した図である。
【図15】空席ナビゲーションシステムで行われる着席情報を表示する処理の第1のタイミングチャートである。
【図16】空席ナビゲーションシステムで行われる着席情報を表示する処理の第2のタイミングチャートである。
【図17】(A)確認画面を表示した場合の画面例である。(B)着席情報画面を表示した場合の画面例である。
【図18】空席ナビゲーションシステムで行われる着席情報を表示する処理の第3のタイミングチャートである。
【図19】乗車判定処理のフローチャートである。
【図20】着席情報送信処理のフローチャートである。
【図21】着席情報生成(更新)処理のフローチャートである。
【図22】第2の実施形態に係る運行情報DBのデータ構造を概念的に示した図である。
【図23】第2の実施形態に係る座席特定DBのデータ構造を概念的に示した図である。
【図24】駅において列車が停車する所定の停車領域を示す図である。
【図25】緯度経度座標系における携帯端末の位置を、停車基準点を原点とする座標系に変換する説明図である。
【図26】座席の領域を所定距離Rを半径とする円とした場合の概念図である。
【符号の説明】
【0223】
10・・・空席ナビゲーションシステム、100・・空席ナビゲーションサーバ、111・・・データ送受信部、112・・・乗車判定部、113・・・着席判定部、114・・・着席情報算出部、115・・・着席画像データ生成部、121・・・定期区間テーブル、122・・・位置情報テーブル、123・・・座席特定DB、124・・・車両画像マスタDB、125・・・運行情報DB、126・・・着席情報DB、200・・・携帯端末、211・・・改札処理部、212・・・モード切替部、213・・・現在位置算出部、214・・・着席情報処理部、221・・・端末ID、222・・・定期区間情報、223・・・位置情報、300・・・改札機、400・・・通信パケット、510・・・確認画面、520・・・着席情報画面。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の着席情報を提供する空席ナビゲーションサーバであって、
車両の停車駅ごとに、車両の停車時刻と、車両が停車する所定の停車領域と、を対応付けた運行データと、
車両内に配置されている座席の座席位置を特定する座席特定データと、
車両内の座席の配置を示す車両画像データと、を記憶している記憶部と、
定期券機能を有する携帯端末について、定期区間から特定されるユーザの降車駅を受信し、当該携帯端末の端末位置を示す位置情報を定期的に受信する受信部と、
前記位置情報の示す端末位置が、前記停車時刻において、当該停車時刻に対応する前記停車領域内にあるか否かを判定する乗車判定部と、
前記停車領域内にあると判定された前記端末位置が、前記座席特定データで特定される座席位置にある場合に、当該座席位置の座席にユーザが着席していると判定する着席判定部と、
前記降車駅に対応する前記停車時刻を用いて、着席されていると判定された前記座席が空席になるまでの時間を算出する着席情報算出部と、
算出した前記時間を前記車両画像データに合成して、着席画像データを生成する着席画像データ生成部と、
前記乗車判定部により前記停車領域内にあると判定された前記端末位置の車両についての前記着席画像データを、当該端末位置の携帯端末に送信する着席画像データ送信部と、
を備えることを特徴とする空席ナビゲーションサーバ。
【請求項2】
請求項1に記載の空席ナビゲーションサーバであって、
前記受信部は、
前記位置情報を受信する毎に、受信日時を取得し、
前記着席情報算出部は、
受信した前記位置情報と、前記受信日時と、で特定される最寄りの停車駅を、前記運行データから読み出して、最寄り駅として特定し、
前記最寄り駅に対応する前記停車時刻と、前記降車駅に対応する前記停車時刻と、を前記運行データから特定し、当該両停車時刻の差分時間を、前記座席が空席になるまでの時間として算出する、
ことを特徴とする空席ナビゲーションサーバ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の空席ナビゲーションサーバであって、
前記着席判定部は、
同一の前記携帯端末から受信した複数の位置情報が示すそれぞれの端末位置が、前記座席特定データで特定される同一座席位置にあると判定した場合に、当該座席位置の座席にユーザが着席していると判定する、
ことを特徴とする空席ナビゲーションサーバ。
【請求項4】
請求項1又は3に記載の空席ナビゲーションサーバであって、
前記着席画像データ送信部は、
前記携帯端末から、前記着席画像データの送信要求を受け付けた場合に、前記携帯端末に前記着席画像データを送信する、
ことを特徴とする空席ナビゲーションサーバ。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の空席ナビゲーションサーバであって、
前記座席特定データは、
座席ごとの領域を示す領域データからなり、
前記着席判定部は、
前記停車領域内にあると判定された前記位置情報の示す端末位置が、座席を示す領域内にあると判定した場合に、当該座席にユーザが着席していると判定する、
ことを特徴とする空席ナビゲーションサーバ。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の空席ナビゲーションサーバであって、
前記座席特定データは、
座席ごとの位置を示す座標データからなり、
前記着席判定部は、
前記停車領域内にあると判定された前記位置情報の示す端末位置が、座席を示す位置から所定の距離内にあると判定した場合に、当該座席にユーザが着席していると判定する、
ことを特徴とする空席ナビゲーションサーバ。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の空席ナビゲーションサーバであって、
前記運行データは、
車両の停車駅ごとに、車両の停車時刻と、列車の停車領域における対角の2点を特定する座標データと、を対応付けており、
前記乗車判定部は、
2点を示す座標データから列車の停車領域を示す領域データを生成し、
前記位置情報の示す端末位置が、前記停車時刻において、当該停車時刻に対応する前記領域データ内にある場合に、当該端末位置が、前記停車領域内にあると判定する、
ことを特徴とする空席ナビゲーションサーバ。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の空席ナビゲーションサーバであって、
前記受信部は、
前記定期区間を示す定期区間情報とともに、前記携帯端末から当該定期区間情報を受信した改札機の設置駅を特定する駅特定データを受信し、
受信した前記駅特定データに対応していない前記定期区間における一端の駅を、前記降車駅として特定する、
ことを特徴とする空席ナビゲーションサーバ。
【請求項9】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の空席ナビゲーションサーバであって、
前記受信部は、
前記携帯端末から前記定期区間情報を受信した改札機から、前記降車駅を受信する、
ことを特徴とする空席ナビゲーションサーバ。
【請求項10】
車両の着席情報を提供するサーバと通信する携帯端末であって、
定期区間を示す定期区間情報を記憶している記憶部と、
前記サーバに、前記定期区間から特定されるユーザの降車駅を送信し、自端末の位置情報を定期的に送信する送信部と、
自端末が位置している車両に配置された座席が空席になるまでの時間を合成した着席画像データを受信する受信部と、
受信した前記着席画像データを表示する表示部と、
を備えることを特徴とする携帯端末。
【請求項11】
請求項10に記載の携帯端末であって、
駅に設置された入場用の改札機から前記定期区間情報が読み出された場合に、前記送信部が前記位置情報を定期的に前記サーバに送信し、
駅に設置された出場用の改札機から前記定期区間情報が読み出された場合に、前記送信部による前記位置情報の送信を停止する、
ことを特徴とする携帯端末。
【請求項12】
車両の着席情報を提供する空席ナビゲーションサーバと、当該着席情報を表示する携帯端末と、を含む空席ナビゲーションシステムであって、
前記携帯端末は、
定期区間を示す定期区間情報を記憶している記憶部と、
前記空席ナビゲーションサーバに、前記定期区間情報を送信し、自端末の位置情報を定期的に送信する送信部と、
を備え、
前記空席ナビゲーションサーバは、
車両の停車駅ごとに、車両の停車時刻と、車両が停車する所定の停車領域と、を対応付けた運行データと、
車両内に配置されている座席の座席位置を特定する座席特定データと、
車両内の座席の配置を示す車両画像データと、を記憶している記憶部と、
前記携帯端末について、前記定期区間情報から特定されるユーザの降車駅を受信し、前記位置情報を定期的に受信する受信部と、
前記位置情報の示す位置が、前記停車時刻において、当該停車時刻に対応する前記停車領域内にあるか否かを判定する乗車判定部と、
前記停車領域内にあると判定された前記端末位置が、前記座席特定データで特定される座席位置にある場合に、当該座席位置の座席にユーザが着席していると判定する着席判定部と、
前記降車駅に対応する前記停車時刻を用いて、着席されていると判定された前記座席位置の座席が空席になるまでの時間を算出する着席情報算出部と、
算出した前記時間を前記車両画像データに合成して、着席画像データを生成する着席画像データ生成部と、
前記乗車判定部により前記停車領域内にあると判定された前記端末位置の車両についての前記着席画像データを、当該端末位置の携帯端末に送信する着席画像データ送信部と、
を備え、
前記携帯端末は、
前記着席画像データを受信する受信部と、
受信した前記着席画像データを表示する表示部と、
を備えることを特徴とする空席ナビゲーションシステム。
【請求項13】
コンピュータを、車両の着席情報を提供する空席ナビゲーションサーバとして機能させるプログラムであって、
前記コンピュータを、
車両の停車駅ごとに、車両の停車時刻と、車両が停車する所定の停車領域と、を対応付けた運行データと、
車両内に配置されている座席の座席位置を特定する座席特定データと、
車両内の座席の配置を示す車両画像データと、を記憶している記憶部、
制御部、として機能させ、
前記制御部が、
定期券機能を有する携帯端末について、定期区間から特定されるユーザの降車駅を受信し、当該携帯端末の端末位置を示す位置情報を定期的に受信する受信ステップと、
前記位置情報の示す端末位置が、前記停車時刻において、当該停車時刻に対応する前記停車領域内にあるか否かを判定する乗車判定ステップと、
前記停車領域内にあると判定された前記端末位置が、前記座席特定データで特定される座席位置にある場合に、当該座席位置の座席にユーザが着席していると判定する着席判定ステップと、
前記降車駅に対応する前記停車時刻を用いて、着席されていると判定された前記座席位置の座席が空席になるまでの時間を算出する着席情報算出ステップと、
算出した前記時間を前記車両画像データに合成して、着席画像データを生成する着席画像データ生成ステップと、
前記乗車判定ステップで前記停車領域内にあると判定された前記端末位置の車両についての前記着席画像データを、当該端末位置の携帯端末に送信する着席画像データ送信ステップと、
を実行することを特徴とするプログラム。
【請求項14】
コンピュータを、車両の着席情報を表示する携帯端末として機能させるプログラムであって、
前記コンピュータを、
定期区間を示す定期区間情報を記憶している記憶部、制御部、として機能させ、
前記制御部が、
前記着席情報を提供するサーバに、前記定期区間から特定されるユーザの降車駅を送信し、自端末の位置情報を定期的に送信する送信ステップと、
自端末が位置している車両に配置された座席が空席になるまでの時間を合成した着席画像データを受信する受信ステップと、
受信した前記着席画像データを表示する表示ステップと、
を実行することを特徴とするプログラム。
【請求項1】
車両の着席情報を提供する空席ナビゲーションサーバであって、
車両の停車駅ごとに、車両の停車時刻と、車両が停車する所定の停車領域と、を対応付けた運行データと、
車両内に配置されている座席の座席位置を特定する座席特定データと、
車両内の座席の配置を示す車両画像データと、を記憶している記憶部と、
定期券機能を有する携帯端末について、定期区間から特定されるユーザの降車駅を受信し、当該携帯端末の端末位置を示す位置情報を定期的に受信する受信部と、
前記位置情報の示す端末位置が、前記停車時刻において、当該停車時刻に対応する前記停車領域内にあるか否かを判定する乗車判定部と、
前記停車領域内にあると判定された前記端末位置が、前記座席特定データで特定される座席位置にある場合に、当該座席位置の座席にユーザが着席していると判定する着席判定部と、
前記降車駅に対応する前記停車時刻を用いて、着席されていると判定された前記座席が空席になるまでの時間を算出する着席情報算出部と、
算出した前記時間を前記車両画像データに合成して、着席画像データを生成する着席画像データ生成部と、
前記乗車判定部により前記停車領域内にあると判定された前記端末位置の車両についての前記着席画像データを、当該端末位置の携帯端末に送信する着席画像データ送信部と、
を備えることを特徴とする空席ナビゲーションサーバ。
【請求項2】
請求項1に記載の空席ナビゲーションサーバであって、
前記受信部は、
前記位置情報を受信する毎に、受信日時を取得し、
前記着席情報算出部は、
受信した前記位置情報と、前記受信日時と、で特定される最寄りの停車駅を、前記運行データから読み出して、最寄り駅として特定し、
前記最寄り駅に対応する前記停車時刻と、前記降車駅に対応する前記停車時刻と、を前記運行データから特定し、当該両停車時刻の差分時間を、前記座席が空席になるまでの時間として算出する、
ことを特徴とする空席ナビゲーションサーバ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の空席ナビゲーションサーバであって、
前記着席判定部は、
同一の前記携帯端末から受信した複数の位置情報が示すそれぞれの端末位置が、前記座席特定データで特定される同一座席位置にあると判定した場合に、当該座席位置の座席にユーザが着席していると判定する、
ことを特徴とする空席ナビゲーションサーバ。
【請求項4】
請求項1又は3に記載の空席ナビゲーションサーバであって、
前記着席画像データ送信部は、
前記携帯端末から、前記着席画像データの送信要求を受け付けた場合に、前記携帯端末に前記着席画像データを送信する、
ことを特徴とする空席ナビゲーションサーバ。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の空席ナビゲーションサーバであって、
前記座席特定データは、
座席ごとの領域を示す領域データからなり、
前記着席判定部は、
前記停車領域内にあると判定された前記位置情報の示す端末位置が、座席を示す領域内にあると判定した場合に、当該座席にユーザが着席していると判定する、
ことを特徴とする空席ナビゲーションサーバ。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の空席ナビゲーションサーバであって、
前記座席特定データは、
座席ごとの位置を示す座標データからなり、
前記着席判定部は、
前記停車領域内にあると判定された前記位置情報の示す端末位置が、座席を示す位置から所定の距離内にあると判定した場合に、当該座席にユーザが着席していると判定する、
ことを特徴とする空席ナビゲーションサーバ。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の空席ナビゲーションサーバであって、
前記運行データは、
車両の停車駅ごとに、車両の停車時刻と、列車の停車領域における対角の2点を特定する座標データと、を対応付けており、
前記乗車判定部は、
2点を示す座標データから列車の停車領域を示す領域データを生成し、
前記位置情報の示す端末位置が、前記停車時刻において、当該停車時刻に対応する前記領域データ内にある場合に、当該端末位置が、前記停車領域内にあると判定する、
ことを特徴とする空席ナビゲーションサーバ。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の空席ナビゲーションサーバであって、
前記受信部は、
前記定期区間を示す定期区間情報とともに、前記携帯端末から当該定期区間情報を受信した改札機の設置駅を特定する駅特定データを受信し、
受信した前記駅特定データに対応していない前記定期区間における一端の駅を、前記降車駅として特定する、
ことを特徴とする空席ナビゲーションサーバ。
【請求項9】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の空席ナビゲーションサーバであって、
前記受信部は、
前記携帯端末から前記定期区間情報を受信した改札機から、前記降車駅を受信する、
ことを特徴とする空席ナビゲーションサーバ。
【請求項10】
車両の着席情報を提供するサーバと通信する携帯端末であって、
定期区間を示す定期区間情報を記憶している記憶部と、
前記サーバに、前記定期区間から特定されるユーザの降車駅を送信し、自端末の位置情報を定期的に送信する送信部と、
自端末が位置している車両に配置された座席が空席になるまでの時間を合成した着席画像データを受信する受信部と、
受信した前記着席画像データを表示する表示部と、
を備えることを特徴とする携帯端末。
【請求項11】
請求項10に記載の携帯端末であって、
駅に設置された入場用の改札機から前記定期区間情報が読み出された場合に、前記送信部が前記位置情報を定期的に前記サーバに送信し、
駅に設置された出場用の改札機から前記定期区間情報が読み出された場合に、前記送信部による前記位置情報の送信を停止する、
ことを特徴とする携帯端末。
【請求項12】
車両の着席情報を提供する空席ナビゲーションサーバと、当該着席情報を表示する携帯端末と、を含む空席ナビゲーションシステムであって、
前記携帯端末は、
定期区間を示す定期区間情報を記憶している記憶部と、
前記空席ナビゲーションサーバに、前記定期区間情報を送信し、自端末の位置情報を定期的に送信する送信部と、
を備え、
前記空席ナビゲーションサーバは、
車両の停車駅ごとに、車両の停車時刻と、車両が停車する所定の停車領域と、を対応付けた運行データと、
車両内に配置されている座席の座席位置を特定する座席特定データと、
車両内の座席の配置を示す車両画像データと、を記憶している記憶部と、
前記携帯端末について、前記定期区間情報から特定されるユーザの降車駅を受信し、前記位置情報を定期的に受信する受信部と、
前記位置情報の示す位置が、前記停車時刻において、当該停車時刻に対応する前記停車領域内にあるか否かを判定する乗車判定部と、
前記停車領域内にあると判定された前記端末位置が、前記座席特定データで特定される座席位置にある場合に、当該座席位置の座席にユーザが着席していると判定する着席判定部と、
前記降車駅に対応する前記停車時刻を用いて、着席されていると判定された前記座席位置の座席が空席になるまでの時間を算出する着席情報算出部と、
算出した前記時間を前記車両画像データに合成して、着席画像データを生成する着席画像データ生成部と、
前記乗車判定部により前記停車領域内にあると判定された前記端末位置の車両についての前記着席画像データを、当該端末位置の携帯端末に送信する着席画像データ送信部と、
を備え、
前記携帯端末は、
前記着席画像データを受信する受信部と、
受信した前記着席画像データを表示する表示部と、
を備えることを特徴とする空席ナビゲーションシステム。
【請求項13】
コンピュータを、車両の着席情報を提供する空席ナビゲーションサーバとして機能させるプログラムであって、
前記コンピュータを、
車両の停車駅ごとに、車両の停車時刻と、車両が停車する所定の停車領域と、を対応付けた運行データと、
車両内に配置されている座席の座席位置を特定する座席特定データと、
車両内の座席の配置を示す車両画像データと、を記憶している記憶部、
制御部、として機能させ、
前記制御部が、
定期券機能を有する携帯端末について、定期区間から特定されるユーザの降車駅を受信し、当該携帯端末の端末位置を示す位置情報を定期的に受信する受信ステップと、
前記位置情報の示す端末位置が、前記停車時刻において、当該停車時刻に対応する前記停車領域内にあるか否かを判定する乗車判定ステップと、
前記停車領域内にあると判定された前記端末位置が、前記座席特定データで特定される座席位置にある場合に、当該座席位置の座席にユーザが着席していると判定する着席判定ステップと、
前記降車駅に対応する前記停車時刻を用いて、着席されていると判定された前記座席位置の座席が空席になるまでの時間を算出する着席情報算出ステップと、
算出した前記時間を前記車両画像データに合成して、着席画像データを生成する着席画像データ生成ステップと、
前記乗車判定ステップで前記停車領域内にあると判定された前記端末位置の車両についての前記着席画像データを、当該端末位置の携帯端末に送信する着席画像データ送信ステップと、
を実行することを特徴とするプログラム。
【請求項14】
コンピュータを、車両の着席情報を表示する携帯端末として機能させるプログラムであって、
前記コンピュータを、
定期区間を示す定期区間情報を記憶している記憶部、制御部、として機能させ、
前記制御部が、
前記着席情報を提供するサーバに、前記定期区間から特定されるユーザの降車駅を送信し、自端末の位置情報を定期的に送信する送信ステップと、
自端末が位置している車両に配置された座席が空席になるまでの時間を合成した着席画像データを受信する受信ステップと、
受信した前記着席画像データを表示する表示ステップと、
を実行することを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2010−49375(P2010−49375A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−211327(P2008−211327)
【出願日】平成20年8月20日(2008.8.20)
【出願人】(000233295)日立情報通信エンジニアリング株式会社 (195)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月20日(2008.8.20)
【出願人】(000233295)日立情報通信エンジニアリング株式会社 (195)
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