説明

空気クッションを利用した運動量計測装置

【課題】荷重を加える面積や箇所にかかわらず加えた荷重の大きさを正確に測定可能で、センサーが感知する荷重変動の大きさがノイズに対して十分に大きく、製造が容易でコストが低い、圧力センサーや切り替え弁を設置するスペースを確保しやすく、メンテナンスも容易に行える空気クッションを利用した運動量計測装置を提供する。
【解決手段】左右の足それぞれで踏むための2枚の踏み板の下方に、気密的に左右に分離された支持用空気室を備え、それぞれの踏み板の中央近傍の位置変化量を計測するか、又は踏み板の中央近傍に設けた計測用空気室内の圧力変化を計測することにより、踏み板に加えられた荷重を推定して計算し、この荷重データを基に、使用者が踏み板上で行う歩行又は走行運動などの歩数、歩行又は歩行速度、歩行又は走行距離、消費エネルギー等を仮想的に演算し、演算した結果を表示する運動量計測装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気クッション上に置いた板状部品の上で足踏み運動などをした際に発生する板状部品の上下方向の位置変化を検出して運動量を計測する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明者は特許文献1にて、ゴム又はこれに類する弾力性のあるマット状の本体の内部に、クッション性と反発性を調整するための空気室を設け、マット上で足踏み運動又は走行運動をした時に発生する空気圧の変動を圧力センサーで測定し、この圧力変動のデータから運動の回数や強さを計算し表示することにより、各個人に適した歩行運動又は走行運動が継続的・計画的に実施できるようにした運動量計測装置を提案した。
【0003】
しかしながら、上記マット状の運動量計測装置には次のような問題があった。
(1)同じ荷重でマットを踏んでも、荷重を加える面積の大きさによって圧力上昇量が異なる。たとえば足裏全体で荷重を加えるより、つま先や踵だけで荷重を加えた方が圧力変化が大きい。
(2)足で踏む範囲のすべてに空気室を配置したので、空気室の容積が大きくなり、その結果、荷重を加えた際の圧力上昇量が小さく、精度の高い計測が困難だった。
(3)円筒形の空気室を面状に配置して一体成型する構造だったので、製造するには大きな金型が必要であり、また、空気室が内圧で膨張しないようにするために各円筒形空気室の外周に沿って強化用の糸をモールドするのが困難だった。
(4)円筒形の空気室を面状に一体成型する構造だったので、圧力センサーや切り替え弁をエア漏れしないように設置する方法の確立、及び設置スペースの確保が容易でなかった。

【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−61581号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、荷重を加える面積や箇所にかかわらず加えた荷重の大きさを正確に測定可能で、センサーが感知する荷重変動の大きさがノイズに対して十分に大きく、製造が容易でコストが低い、圧力センサーや切り替え弁を設置するスペースを確保しやすく、メンテナンスも容易に行える空気クッションを利用した運動量計測装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
左右の足それぞれで踏むための2枚の踏み板と、
前記2枚の踏み板の下方に、左右の踏み板それぞれに対応して気密的に分離された又は分離可能な支持用空気室を備え、
前記左右で分離された又は分離可能な支持用空気室は、踏み板の1枚毎に少なくとも踏み板の4隅近傍で該踏み板を下方から支持し、前記それぞれの支持用空気室の圧力を測定しつつ所定の範囲内でそれぞれの支持用空気室内の圧力を任意に設定し、使用者が前記踏み板に荷重を加えた際に、前記それぞれの踏み板の中央近傍の位置変化量を計測することにより、前記それぞれの踏み板に加えられた荷重を推定して計算し、前記荷重データを基に、使用者が前記踏み板上で行う歩行又は走行運動などの歩数、歩行又は歩行速度、歩行又は走行距離、消費エネルギー等を仮想的に演算し、演算した結果を表示する運動量計測装置である。
【0007】
前記それぞれの踏み板の中央近傍の位置変化量を計測する代わりに、
前記踏み板のほぼ中央にて該踏み板を下方から支持する計測用空気室を設け、
前記支持用空気室と前記計測用空気室を繋ぐ通路上に、
連通状態と閉塞状態を選択的に切り替え可能な弁を設け、
前記支持用空気室と前記計測用空気室を同一圧力に設定した後に、前記切り替え弁を閉塞状態にし、前記計測用空気室内の圧力変化を計測することにより、前記踏み板に加えられた荷重を推定して計算することを特徴とする運動量計測装置である。
【0008】
前記左右の踏み板に対して気密的に分離可能な空気室又は空気回路は、共通の1つの空気ポンプに連結され、
前記空気ポンプと前記それぞれの空気室又は空気回路の間に、
連通状態と閉塞状態を選択的に切り替え可能な弁を設けることにより、各空気室の圧力設定を容易にした運動量計測装置である。
【0009】
前記それぞれの空気室の形状が円筒形であることを特徴とする運動量計測装置である。
【0010】
前記円筒形の空気室が、円周方向にほぼ平行な糸と軸方向にほぼ平行な糸を織成または編成した繊維補強層を、内面及び外面から軟質合成樹脂または軟質ゴムによって被覆し積層して形成したホース体から成ることを特徴とする運動量計測装置である。
【0011】
運動量計測装置本体の左右端近傍、又は運動量計測装置本体の下部に配置した敷板の左右端近傍に、それぞれ紐又はベルトを連結し、該紐又はベルトをそれぞれ把持用部品に、又は棒材の左右端に連結することにより、運動量計測装置上の使用者が前記把持用部品又は棒材を上方に引き上げた際に、運動量計測装置が荷重変化を検出し、前記把持用部品又は棒材を引き上げた力を計算して表示することを特徴とする運動量計測装置である。
【0012】
踏み板を装着した状態の運動量計測装置本体を、布帛又はゴムなどからなる柔軟性のあるカバーで、少なくとも上面と側面を覆ってあることを特徴とする運動量計測装置である。
【0013】
空気室の複数の設定圧力に対し、踏み板に既知の荷重を加えた際の踏み板の中央近傍の位置変化量、及び/又は計測用空気室の圧力増加量をあらかじめマップデータとして記憶しておくことにより、使用者が任意の設定圧力において、任意の荷重を加えた際に、前記マップデータを基に使用者が加えた荷重を補間して計算することを特徴とする運動量計測装置である。
【0014】
踏み板の下に、踏み板が所定の量以上移動した際に作動する弾力性のある緩衝材を設け、踏み板中央近傍の位置変化量の測定値から、踏み板が前記緩衝材を一定以上変形させたと判断した際、又は、支持用空気室の設定圧力と計測用空気室の測定圧力から推定して、踏み板が前記緩衝材を一定以上変形させたと判断した際に、支持用空気室の設定圧力を上昇させるよう使用者に促すか又は自動的に支持用空気室の圧力を上昇させる運動量計測装置である。
【0015】
計測用空気室を備えた運動量計測装置の使用後、使用者が踏み板に乗っていない状態において、支持用空気室と計測用空気室間に設置した切り替え弁を連通状態に切り替えた直後に、計測用空気室の圧力が上昇した際には計測用空気室に漏れがあると判断し、計測用空気室の圧力が下降した際には支持用空気室に漏れがあると判断する故障診断機能を備えた運動量計測装置である。

【発明の効果】
【0016】
圧力を任意に設定可能な支持用空気室により、踏み板を下方から支持しているので、踏み板を踏んだ際の衝撃力が緩和され、使用者の関節への負荷が低減し、騒音や振動も軽減されるという効果は特許文献1と同等でありながら、剛性の高い踏み板を介して支持用空気室を押すので、足裏全体で踏んでもつま先や踵だけで踏んでも荷重が同じであれば支持用空気室の変形量は同じになり、結果的に精度の高い計測が可能になる。
また、踏む位置が偏れば踏み板が傾斜することになるが、踏み板のほぼ中央の位置変化量を計測することにより、踏み板が傾斜することによる計測誤差を小さくすることができる。
また踏み板が傾斜することを許容することにより、高精度のガイド機能は不要になり、低コストでかつ耐久性を高くすることができる。
【0017】
支持用空気室の圧力は、許容圧力内で任意に設定できるので、たとえば体重の軽い使用者に対しては低い空気圧に設定し、体重の重い使用者に対しては高い空気圧に設定することにより、踏み板上で各人が運動をした際の踏み板の位置変化量を同等にすることができる。すなわち体重が軽い人も重い人も同程度の正確さで運動量を計測することができる。
【0018】
踏み板の中央近傍の位置変化量を計測する代わりに、踏み板のほぼ中央を下方から支持する計測用空気室を設けて、該計測用空気室の圧力変化を計測することにより踏み板に加えられた荷重を推定することができる。
この場合は、支持用空気室と計測用空気室を通路で繋ぎ、該通路に開閉弁を設けることで、弁を開いた状態で支持用空気室と計測用空気室の初期圧力を同じ圧力に設定し、弁を閉じた状態で運動量を計測する。この構成にすることにより、位置センサーが不要になり、2個の圧力センサーで初期圧力の設定と運動量を計測することが可能になる。
【0019】
運動量計測装置本体に、踏み板をガイドする機能と空気室を収納する機能を持たせると同時に、空気回路を構成するのに必要な連結管や弁をすべて収納することができる。
また必要に応じて踏み板の下部以外の箇所に空間を確保できるので、本運動量計測装置内に電動空気ポンプを設け、計測中のデータや使用者の意思に応じて各空気室の圧力を制御することにより、より適切な状態で運動量を計測することも可能になる。
以上のように運動量計測装置本体内のレイアウトを比較的自由に設計できるので、連結管や空気回路の接続部品、電磁弁、空気ポンプ、モーターなどは市販のものを使用することが可能であり、コストを低減でき修理も容易である。
【0020】
支持用空気室及び計測用空気室には、内圧が上昇した際には容積増加量が小さく、外力が加わった際には容易に変形することが求められ、これを満足する形状として球形又は円筒形が考えられるが、円周方向に平行な糸と軸方向に平行な糸を直交させて織成または編成した繊維補強層の表裏を樹脂又はゴムで被覆して形成したホース体を採用することで、安価で耐久性が高く、上下方向のスペースをあまり必要としないので運動量計測装置本体を薄く設計することができる。
【0021】
運動量計測装置又はこれの下に設置した敷板の左右端から紐又はベルトを延設し、該ベルトに連結した把持用部品又は棒材を、踏み板に乗った使用者が引き上げることにより、背筋力の測定や、ダンベル運動、重量挙げ、ベンチプレスの代用運動を、負荷や回数を計測しながら実施することができる。
【0022】
運動量計測装置本体は硬質の材料で形成されるが、これを布帛又はゴム等からなる柔軟性のあるカバーで、少なくとも上面と側面を覆うことにより、運動量計測装置本体と踏み板間の隙間に異物やほこりが入ることを防ぎ、かつ誤って身体の一部をぶつけても身体の損傷を防ぐことが出来る。
【0023】
支持用空気室の複数の設定圧力に対し、踏み板に加えた荷重と、踏み板の中央近傍の位置変化量及び/又は計測用空気室の圧力変化量の関係をマップデータとして記憶しておくことにより、使用者が任意の設定圧力において、任意の荷重を加えた際に、前記マップデータを基に使用者が加えた荷重を補間して計算することをができるので、精度の高い運動量計測が可能になる。
【0024】
踏み板が所定の量以上移動した際に作動する弾力性のある緩衝材を設けることにより、例えば支持用空気室が破裂した際に、踏み板の位置が急激に低下して使用者がバランスを崩す危険性を小さくすることができる。
しかし通常使用状態で前記緩衝材が一定以上変形すると、荷重に対する踏み板の位置変化量が小さくなるので計測精度が低下する。これを防ぐ目的で、前記緩衝材が一定以上変形したと判断したした際に、支持用空気室の設定圧力を上昇させるよう使用者に促すか又は自動的に支持用空気室の圧力を上昇させことにより、安全性を保ちながら測定精度を維持することができる。
【0025】
支持用空気室と計測用空気室を備えた運動量計測装置において、使用者が踏み板に乗っていない状態で、支持用空気室と計測用空気室間に設置した切り替え弁を連通状態に切り替えた直後に、計測用空気室の圧力が上昇した際には計測用空気室に漏れがあると判断し、計測用空気室の圧力が下降した際には支持用空気室に漏れがあると判断する故障診断機能を備えることにより、圧力センサーを備えていない支持用空気室の漏れも正確に検出することができ、修理を適切に行うことができる。
なお、初期の設定圧力と使用後の圧力を比較して漏れを検出することも併用するが、この場合は使用前後で環境温度の変化やセンサーの温度ドリフトなどが予想されるので判断の閾値をやや大きめに設定する必要があるのに対して、上記方法では経時変化の誤差が含まれないので検出精度が高い。

【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明請求項1の構造を示す平面図
【図2】本発明請求項1の作動説明図(図1のA−A断面図)
【図3】本発明請求項2の構造を示す平面図
【図4】本発明請求項2の作動説明図(図3のB−B断面図)
【図5】空気ポンプを備えた本発明の構造を示す平面図
【図6】請求項2でありかつ請求項4である構造の平面図
【図7】実施例1の支持用空気室を示す図(図6のC−C断面図)
【図8】実施例1の作動説明図(図6のD−D断面図)
【図9】実施例2の作動説明図(図6のD−D断面図)
【図10】引き上げ用ベルトを備えた実施例1又は実施例2の平面図
【図11】引き上げ用ベルトと棒体を備えた実施例2の正面図
【図12】引き上げ用ベルトと敷板の作動説明図(図10のE−E断面図)
【図13】引き上げ用ベルトと棒体と敷板を備えた実施例1又は実施例2の説明図(図10のF−F断面図)
【図14】カバー付運動量計測装置の断面図
【図15】円筒状空気室を構成するホース体の構造図
【図16】実施例1を図8(b)の状態で計測した荷重と圧力変化、踏み板の変位の関係
【図17】実施例2を図9(b)の状態で計測した荷重と圧力変化、踏み板の変位の関係
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は本発明請求項1に記載した運動量計測装置1の構造を示す平面図、図2はA−A断面で示した作動説明図である。
運動量計測装置本体2の上面に、右足用踏み板3aと左足用踏み板3bがそれぞれ嵌り、かつ上下に摺動する開口部を設け、それぞれの踏み板3a、3bの4隅近傍を下から支える位置に、支持用空気室4a、4bが設置され、支持用空気室4a−4a、4a−4bは通路5によって連結されている。
【0028】
右足用踏み板を支える支持用空気室と左足用踏み板を支える支持用空気室は、それぞれ電磁弁7a、7bを介して圧力センサー8(ゲージ圧センサーが好ましい)と逆止弁9と締切弁10に繋がった絞り11に連結されている。
電磁弁7a、7bを両方とも開いた状態で、圧力センサー8の出力値をモニターしながら外部の空気ポンプ(図示しない)から逆止弁9を介して空気を充填して、支持用空気室の圧力を所望の値に設定する。その後電磁弁7a、7bを閉じれば、左右の支持用空気室の圧力が既知の同一圧力に保たれることになる。
もし、右の支持用空気室の圧力を下げたければ、電磁弁7aのみを開いて、締切弁10を開いて空気を徐々に漏らして、所望の圧力になったときに締切弁10を閉じ、その後電磁弁7aを閉じれば良い。このとき右の支持用空気室の設定圧力は電磁弁7aを閉じる直前の圧力センサー8の検出値を採用する。
【0029】
もちろん圧力センサーを右・左の支持用空気室にそれぞれに装着しても良い。これら空気回路のレイアウトは、圧力センサーと電磁弁と逆止弁等のコストと、使用者の利便性を考慮して決めれば良い。
【0030】
図2(a)に示したように、踏み板3a、3bのほぼ中央下部に位置センサー12を設置して、それぞれの踏み板の中央近傍の上下方向の変位量を検出する。
図2(b)に示したように、荷重Wが踏み板3aのほぼ中央に作用した場合には、支持用空気室は均等に変形して、踏み板3aが下方向に平行移動するので、踏み板中央の位置変化量を計測すれば、そのときの支持用空気室の設定空気圧を基に計算し、加えられた荷重Wを推定することができる。
【0031】
図2(c)に示したように、荷重Wが踏み板3aの前方寄りに作用した場合には、前側の支持用空気室4aの変形量が後側の支持用空気室4bの変形量より大きくなり、踏み板3aが前方に傾く。
このとき一般には、荷重Wが同じであっても、図2(b)より図2(c)の方が支持用空気室内の平均圧力が高くなる(この理由については段落番号0045、0046に記載した)。
しかし、踏み板中央の位置変化量は図2(b)と図2(c)で大差は無く、従って踏み板中央近傍の変位量を基に加えられた荷重Wを計算することによって、使用者が踏み板の中央を踏まなくても、踏み板に加えられた荷重をより正確に推定することが可能になる。
【0032】
本発明では以上のように、踏み板が傾くことを許容するので、摺動面の機械的な高精度を必要としない。すなわち、踏み板側面形状を踏み板中央から側面までの距離が半径となる円弧にし、側面に摩擦係数が低い素材をコーティングすることにより、踏み板がロックする現象を防ぎ、かつ十分な耐久性を得ることができる。
【0033】
図3は本発明請求項2に記載した運動量計測装置1の構造を示す平面図、図4はB−B断面で示した作動説明図である。
踏み板の中央近傍を下方から支持する計測用空気室14を設け、該計測用空気室に圧力センサー8(ゲージ圧センサーが好ましい)を取り付け、支持用空気室4a、4bと計測用空気室14を繋ぐ通路15に電磁弁16を設けてある。
ここで圧力センサー8は計測用空気室14に直接装着するのが好ましい。もし圧力センサーと計測用空気室の間を細長い通路で連結すると、検出圧力の応答性が悪くなり、荷重Wが作用しなくなっても設定圧力まで瞬時には戻らなくなり、変動成分を検出する際の基準となる圧力値が判断できなくなるので都合が悪い。
【0034】
電磁弁16を開いた状態で、圧力センサー8の出力値をモニターしながら外部の空気ポンプ(図示しない)から逆止弁9を介して空気を充填して、計測用空気室の圧力を所望の値に設定する。ポンプの作動を停止後に電磁弁16を閉じれば、支持用空気室と計測用空気室の圧力が既知の同一圧力に保たれることになる。
【0035】
運動量を計測する際には、電磁弁16を閉じた状態で行う。
図4(b)に示したように、荷重Wが踏み板3aのほぼ中央に作用した場合には、支持用空気室と計測用空気室は均等に変形して、踏み板3aが下方向に平行移動する。このとき、踏み板中央の位置変化量に応じて計測用空気室内の圧力が上昇するので、この圧力の変化量を計測し、先の支持用空気室と計測用空気室の設定圧力を基に計算し、加えられた荷重Wを推定することができる。
【0036】
図4(c)に示したように、荷重Wが踏み板3aの前方寄りに作用した場合には、前側の支持用空気室4aの変形量が後側の支持用空気室4bの変形量より大きくなり、踏み板3aが前方に傾く。
このとき一般には、荷重Wが同じであっても、図4(b)より図4(c)の方が支持用空気室内の平均圧力が高くなる(この理由については段落番号0045、0046に記載した)。
しかし、踏み板中央の位置変化量は図4(b)と図4(c)で大差は無く、従って計測用空気室の圧力変化量を基に加えられた荷重Wを計算することによって、使用者が踏み板の中央を踏まなくても、踏み板に加えられた荷重をほぼ正確に推定することが可能になる。
【0037】
使用者の一連のトレーニング終わって、本運動量計測装置の電源を切る前に、支持用空気室と計測用空気室の間の電磁弁16を開いた瞬間に、圧力センサー8の信号が変化した場合には、どちらかの空気室に漏れが発生していると判断できる。これについては段落番号0025に記載したとおりである。
【0038】
図5は、本発明の運動量計測装置内に電動モーター18で駆動される空気ポンプ17を備えた例である。支持用空気室4a、4bと計測用空気室14とこれらの間に設けた電磁弁16で構成される右足用空気回路13aと、同様な構成の左足用空気回路13bとの間にそれぞれ電磁弁7a、7bを介して空気ポンプを繋ぐことにより、データ演算装置を含むコントローラー(図示しない)からの指示により、支持用空気室及び計測用空気室の設定圧力を上下することができる。
尚、空気ポンプ17と並列に、わずかな漏れ特性を持つ絞り11を設置することにより、空気ポンプを停止したまま電磁弁7a及び/又は7bを開くことにより、支持用空気室と計測用空気室の圧力を左右同時に、又は左右どちらかのみ、低下させることができる。
通常は左右の空気室圧力を同一にして使用するのが好ましいが、例えば片足に怪我をした場合のリハビリテーションに利用する際には、左右の空気室圧力に差を設けた方が良い場合も考えられる。
【0039】
図6は、本発明請求項2でありかつ請求項4に該当する発明、即ち支持用空気室と計測用空気室を円筒形のホース体にした場合の構造を示す平面図である。
図7、図8はそれぞれC−C断面図、D−D断面図における作動説明図である。
踏み板の4隅のうち、それぞれ左側と右側において、前側と後側の支持用空気室を一本の円筒形ホース体20で形成し、踏み板3a、3bが円筒形ホース体を押圧する部分30a、30bは略矩形の凸部になっている。ここで略矩形とは角の部分に適当な面取り又は丸みが付いていることを指している。
同様に円筒形ホース体で形成された計測用空気室21を踏み板中央部が押圧する部分31も略矩形の凸部になっている(以後、図7、図8に示した構造を便宜上、実施例1とする)。
【0040】
本発明において、支持用空気室及び計測用空気室の形状は、球形又は円筒形が好ましい。この理由は、球形と円柱形は、内圧の増加に対しては容積が増加しにくく、機械的な外力が加わった時には容易に変形するという本発明に好ましい特性を実現しやすいからである。すなわち、伸びにくい繊維の糸を、球体であれば円周方向に均一に巻き付けることで、円筒形であれば図15に示したように糸を円周方向と軸方向にそれぞれ平行に、直交して配置し、該繊維補強層の内面と外面を軟質合成樹脂又は軟質ゴムで被覆した構造にすることで上記の好ましい特性が得られる。
これに対し、例えば、シリンダーとピストンで構成した空気室を採用すると、ピストンの断面積に空気室の初期設定圧力を掛けた力以上の外力を加えないとピストンは動かず、計測できない領域ができてしまうので好ましくない。
【0041】
図8(b)は、荷重Wが踏み板3aのほぼ中央に作用した場合であり、支持用空気室と計測用空気室からの反力に対抗して、踏み板3aが下方向に平行移動する。このとき、踏み板中央の位置変化量に応じて計測用空気室21の圧力が上昇するので、この圧力の変化量を計測し、支持用空気室と計測用空気室の設定圧力を基に計算し、加えられた荷重Wを推定することができる。
【0042】
図8(c)は、荷重Wが踏み板3aの前方寄りに作用し、傾いた状態を示している。この場合も、踏み板中央の位置変化量は図8(b)と図8(c)で大差は無く、従って計測用空気室の圧力変化量を基に加えられた荷重Wを計算することによって、使用者が踏み板の中央を踏まなくても、踏み板に加えられた荷重をほぼ正確に推定することが可能である。
【0043】
ここで、踏み板が支持用空気室を押圧する部分の前側30aと後側30bは同一形状でかつ同一幅L1であることが好ましいが、計測用空気室を押圧する部分31は必ずしも30a、30bと同一形状・同一幅である必要な無い。
また、図9に示したように、支持用空気室を押圧する部分30a、30b、計測用空気室を押圧する部分31ともに、半円柱状であっても良い(以後、図9に示した構造を実施例2とする)。
【0044】
図16は、実施例1において、図8(b)に示したように、押圧部30a、30b、31が同一幅の矩形(L1=L2=約56mm、角の丸みR=5mm)の状態で、中央に荷重W(kgf)を加えた際の、計測用空気室の圧力変化量ΔP(kPa)と、踏み板の位置変化量Z(mm)の関係を計測した例である。
また図17は、実施例2において、図9(b)に示したように、押圧部30a、30b、31が同一直径の半円柱形(D1=D2=約60mm)の状態で、中央に荷重W(kgf)を加えた際の、計測用空気室の圧力変化量ΔP(kPa)と、踏み板の位置変化量Z(mm)の関係を計測した例である。
ともに、支持用空気圧及び計測用空気室の設定圧力Poをゲージ圧で、50kPa、100kPa、200kPaとし、計測時には電磁弁16を閉じている。
【0045】
図16、17より、設定圧力Poが低い方が、同じ荷重Wを加えても圧力変化量ΔPも位置変化量Zも大きいことがわかる。すなわち、体重の軽い人には、設定圧力を低めにした方が計測精度が高くなることがわかる。
また、いずれの場合も荷重Wが小さい範囲(たとえば10kgf以下)では圧力変化量ΔPが小さく、感度が低いことがわかる。これは、外力を加えて空気室を変形させるには局部的に設定圧力Poを上回る大きさの面圧を加えなければ変形しないからである。
したがって一般的に、同じ荷重を加えて空気室を変形させる際に、広い面積に均一に荷重を加えるより、狭い面積に集中して荷重を加えた方が空気室の変形量が大きくなり、内部の圧力増加量も大きくなる。
【0046】
上記の現象が、従来技術の問題点であり(段落番号0003の(1)に記載)、また本発明においても、支持用空気室内の圧力については、踏み板の中央に荷重をかけたときより、前後左右のいずれかに偏って荷重をかけたときの方が圧力変化量が大きくなる理由である(段落番号0031、0036に記載)。
本発明では、踏み板中央近傍の位置変化量を計測するか、あるいは踏み板中央近傍を支える計測用空気室における圧力変化量を計測することにより、たとえ踏み板に偏荷重が加わって踏み板が傾いて移動したとしても、ほぼ正確に加えられた荷重Wの値を推定することができるのである。
【0047】
図16と図17を比較すると、押圧部形状が矩形より半円柱形の方が、同じ荷重Wに対して、圧力変化量ΔPも踏み板の位置変化量Zも大きくなる。これは矩形の押圧部は平面的に空気室を押すのに対して、半円柱形では、当初小さな押圧面積で空気室を押すので面圧が高く、その後空気室の変形量に応じて徐々に押圧部面積が増加するからである。
ただし、設定空気圧Poを調節すれば押圧部の形状が矩形であっても半円柱形であっても同様な特性曲線になることがわかる。
本発明においては、図16、17のような特性を測定しながら、押圧部の形状と幅、及び支持用空気室の容積、計測用空気室の容積等を、空気室材料の許容圧力と計測したい最大荷重、要求される計測精度を考慮しつつ設計すれば良いといえる。
【0048】
また図16と図17から明らかなように、例えば体重が軽い人には設定空気圧Poを低めに、体重が重い人には設定空気圧Poを高めにコントロールすれば、それぞれの荷重変動幅に対して適切な精度で計測可能であり、また、空気室のクッション性も体重に応じて適切な範囲に調節できる。また、圧力変動量ΔPによる空気室材料に対する応力振幅は、設定圧力Poによる静的な応力に比べて小さいので耐久性(特に疲労強度)を確保することも比較的容易である。
尚、図16、図17では、荷重Wが100kgfまでしか示してないが、通常のジョギングでも脚に加わる荷重は体重の3〜4倍に達するといわれているので、少なくとも数百kgfの荷重まで計測できることが求められるが、前述したように空気室の容積と空気圧の範囲と押圧部の形状と幅を適切に設計することにより、このような要求を満たすことは比較的容易である。
【0049】
図6〜図14には、左右の踏み板の下方に、支持用空気室と干渉しない4隅近傍に、ゴムやばね等の弾性体からなる緩衝材26が配置してある。これは、例えば支持用空気室が破裂した際に、踏み板位置が急に低下して使用者がバランスを崩すことを防ぐ目的と、通常使用時において踏み板の端を踏んだ際に踏み板の傾き量が大きくなりすぎてバランスを崩しやすくなるのを防ぐ目的がある。
【0050】
踏み板の通常可動範囲の下端側にオーバーラップして緩衝材の作動域を設定した方が安全であるが、その場合には、緩衝材を設置した状態、すなわち緩衝材の特性も含めた状態で、図16、図17と同様な特性線図を測定し、データ処理装置の内部にマップデータとして記憶しておくことにより、踏み板中央近傍の変位量、又は計測用空気室の圧力変化を測定することにより踏み板に加えられた荷重Wの値を推定することができる。
この場合、踏み板の端を踏んだ場合には踏み板が傾いて、緩衝材に当接する可能性が高くなり、踏み板の中央部の変位量が実際に作用した荷重に比して小さくなることが考えれるが、これについては、使用者に対してなるべく踏み板の中央近傍を踏んだ方が正確に測定できることを周知することで受容可能と考えられる。
【0051】
走行の一歩に相当する荷重変動の波形データから、力積を計算する方法は特許文献1の図10に示されている方法に基本的には準じるが、同図における縦軸は圧力値でなく荷重の推定値であるべきである。
また、ゆっくりした歩行運動に対しては、片足に体重が加わっている時間は長いが運動量は少ないので、特許文献1の方法で積分すると運動量を過大に見積もる懸念がある。よって、歩行と判断した場合には、例えば1歩中の荷重の最大値に注目して歩行速度を計算するなど、実験データを基に実際に近い運動量が計算できるよう補正する必要がある。
尚、歩行と走行の区別は、左右の荷重波形が時間的に重なる部分があるか、または完全に分離しているかで判断できる。
【0052】
図10〜図13は付加機能として、本発明による運動量計測装置本体の下部に配置した敷板の左右端近傍に、それぞれベルトを連結し、ベルトの上部を棒材に連結し、棒材を上方に引き上げた際の荷重変化を検出して棒材を引き上げた力Fを計算して表示する装置を示している。
図13のように両側をつないだ棒材でも良いし、左右で分離した環状の把持部品でも良い。
また図示しないが、敷板44に安全確保のための手すりを固定したり、ぶら下がりバーを設置して荷重変化による懸垂運動の回数を表示する機能も追加可能である。
また、踏み板上に、仰向けになった際の両肩を支える部品(図示しない)を載置することによってベンチプレスの代用運動として棒材の引き上げ荷重、回数をカウントすることもできる。
【0053】
図14は、本発明による運動量計測装置本体を、布帛又はゴムなどからなる柔軟性のあるカバーで覆った状態を示している。
この例では、下部カバー51の上に運動量計測装置本体を置き、上部カバー50で上面と側面を覆って、側面の接続部52で上下のカバーを重ねて、面ファスナーなどで接続している。
但し、本運動量計測装置本体内を冷却する必要があるので、側面の一部は目の粗いメッシュ状にして、必要に応じて内部に冷却用のファンを設置する。
また、踏み板3a、3bの中央部に設けた凹部に付加クッション53をはめ込んで、上部カバー50で覆っている。
【0054】
以上の構成により、運動量計測装置本体と踏み板の隙間に異物が入ったり、指を挟んだりすることを防ぎ、運動量計測装置に脚などをぶつけても怪我をすることを防ぐことができる。
また、踏み板の中央部に取替え可能な付加クッション53を装着することにより、目視しなくても踏み板の中央を認識し易くでき、また個人の好みの形状・弾力性のクッションを選ぶことにより各人に最も適した状態を選ぶことができる。
以上により、高齢者や視覚障害者も安全に使用できる運動量計測装置を提供できる。
【0055】
尚、本運動量計測装置の本体内部に温度センサーを取り付け、温度変化による支持用空気室、計測用空気室内の圧力影響、緩衝材の温度特性、冷却用ファンの制御、高温時の運転停止などの制御を行うことが好ましい。

【符号の説明】
【0056】
1 本発明による運動量計測装置
2 運動量計測装置本体
3a 踏み板(右足用)
3b 踏み板(左足用)
4a 支持用空気室(前側)
4b 支持用空気室(後側)
5 支持用空気室間の通路
6 左右の支持用空気室を繋ぐ通路
7a 支持用空気室(右)と空気出入り口を連通/分離する電磁弁
7b 支持用空気室(左)と空気出入り口を連通/分離する電磁弁
8 圧力センサー
9 逆止弁
10 締切弁
11 絞り
12 位置センサー
13a 右足用空気回路
13b 左足用空気回路
14 計測用空気室
15 支持用空気室と計測用空気室を繋ぐ通路
16 支持用空気室と計測用空気室との間に設けた電磁弁
17 空気ポンプ
18 電動モーター
20 ホース体で形成した支持用空気室
21 ホース体で形成した計測用空気室
22 ホース体端部の閉塞部品
23 ホース体端部の連結部品
24 ホース体端部の圧力センサー取付け部品
25 ホース体固定用部品
26 緩衝材
30a 踏み板が支持用空気室を押圧する部分(前側)
30b 踏み板が支持用空気室を押圧する部分(後側)
31 踏み板が計測用空気室を押圧する部分
40 ベルト
41 ベルトと棒材の連結部品
42 棒材
43 ベルト保持部品
44 ベルト保持用敷板
45 運動量計測装置本体とベルト保持用敷板の位置決めピン
50 上部カバー
51 下部カバー
52 上下カバーの接続部
53 付加クッション
60 ホース外面の樹脂またはゴム材
61 繊維補強層
62 ホース内面の樹脂またはゴム材
R 踏み板前後側面の曲率半径
W 荷重(kgf)
F ベルトを引き上げる力(kgf)
Z 踏み板の変位(mm)
Po 設定空気圧力(kPa)
ΔP 計測用空気室内の圧力増加量(kPa)
L1 支持用空気室を押圧する部分の幅(mm)
L2 計測用空気室を押圧すす部分の幅(mm)
D1 支持用空気室を押圧する半円柱部分の直径(mm)
D2 計測用空気室を押圧する半円柱部分の直径(mm)



【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右の足それぞれで踏むための2枚の踏み板と、
前記2枚の踏み板の下方に、左右の踏み板それぞれに対応して気密的に分離された又は分離可能な支持用空気室を備え、
前記左右で分離された又は分離可能な支持用空気室は、踏み板の1枚毎に少なくとも踏み板の4隅近傍で該踏み板を下方から支持し、前記それぞれの支持用空気室の圧力を測定しつつ所定の範囲内でそれぞれの支持用空気室内の圧力を任意に設定し、使用者が前記踏み板に荷重を加えた際に、前記それぞれの踏み板の中央近傍の位置変化量を計測することにより、前記それぞれの踏み板に加えられた荷重を推定して計算することを特徴とする運動量計測装置。
【請求項2】
左右の足それぞれで踏むための2枚の踏み板と、
前記2枚の踏み板の下方に、左右の踏み板それぞれに対応して気密的に分離された又は分離可能な空気回路を備え、
前記左右で分離された又は分離可能な空気回路は、踏み板の1枚毎に少なくとも踏み板の4隅近傍で該踏み板を下方から支持する支持用空気室と、
前記踏み板のほぼ中央にて該踏み板を下方から支持する計測用空気室と、
前記支持用空気室と前記計測用空気室を繋ぐ通路と、
該通路の連通状態と閉塞状態を選択的に切り替え可能な弁とで構成され、
前記弁を連通状態にして前記計測用空気室の圧力を測定しつつ所定の範囲内で左右それぞれの支持用空気室及び計測用空気室の圧力を任意に設定し、
その後、前記弁を閉塞状態にして、使用者が前記踏み板に荷重を加えた際に、
前記計測用空気室内の圧力変化を計測することにより、前記それぞれの踏み板に加えられた荷重を推定して計算することを特徴とする運動量計測装置。
【請求項3】
前記左右の踏み板に対して気密的に分離可能な空気室又は空気回路は、共通の1つの空気ポンプに連結され、
前記空気ポンプと前記それぞれの空気室又は空気回路の間に、
連通状態と閉塞状態を選択的に切り替え可能な弁が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した運動量計測装置。
【請求項4】
請求項1に記載した支持用空気室、又は請求項2に記載した支持用空気室と計測用空気室の形状が円筒形であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載した運動量計測装置。
【請求項5】
前記円筒形の空気室が、円周方向にほぼ平行な糸と軸方向にほぼ平行な糸を織成または編成した繊維補強層を、内面及び外面から軟質合成樹脂または軟質ゴムによって被覆して形成したホース体から成ることを特徴とする請求項4に記載した運動量計測装置。
【請求項6】
運動量計測装置本体の左右端近傍、又は運動量計測装置本体の下部に配置した敷板の左右端近傍に、それぞれ紐又はベルトを連結し、該紐又はベルトをそれぞれ把持用部品に又は棒材の左右端に連結することにより、運動量計測装置上の使用者が前記把持用部品又は棒材を上方に引き上げた際に、運動量計測装置が荷重変化を検出し、前記把持用部品又は棒材を引き上げた力を計算して表示することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載した運動量計測装置。
【請求項7】
踏み板を装着した状態の運動量計測装置本体を、布帛又はゴムなどからなる柔軟性のあるカバーで、少なくとも上面と側面を覆ってあることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載した運動量計測装置。
【請求項8】
支持用空気室の複数の設定圧力に対し、踏み板に既知の荷重を加えた際の踏み板の中央近傍の位置変化量を測定し、前記設定圧力と前記荷重と前記位置変化量の関係をあらかじめマップデータとして記憶しておくことにより、使用者が任意の設定圧力において、任意の荷重を加えた際に、前記マップデータを基に使用者が加えた荷重を補間して計算することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載した運動量計測装置。
【請求項9】
支持用空気室と計測用空気室の圧力を同一圧力に設定後、前記二つの空気室を気密的に分離し、踏み板に既知の荷重を加えた際の計測用空気室の圧力増加量を測定し、複数の前記設定圧力に対して、前記荷重と前記圧力増加量の関係をあらかじめマップデータとして記憶しておくことにより、使用者が任意の設定圧力において、任意の荷重を加えた際に、前記マップデータを基に使用者が加えた荷重を補間して計算することを特徴とする請求項2〜7のいずれかに記載した運動量計測装置。
【請求項10】
踏み板の下に、踏み板が所定の量以上移動した際に作動する弾力性のある緩衝材を設け、踏み板中央近傍の位置変化量の測定値から前記踏み板が前記緩衝材を一定以上変形させたと判断した際、又は、支持用空気室の設定圧力と計測用空気室の測定圧力から推定して前記踏み板が前記緩衝材を一定以上変形させたと判断した際に、支持用空気室の設定圧力を上昇させるよう使用者に促すか又は自動的に支持用空気室の圧力を上昇させることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載した運動量計測装置。
【請求項11】
使用者が踏み板に乗っていない状態で、支持用空気室と計測用空気室間に設置した切り替え弁を連通状態に切り替えた直後に、計測用空気室の圧力が上昇した際には計測用空気室に漏れがあると判断し、計測用空気室の圧力が下降した際には支持用空気室に漏れがあると判断する故障診断機能を備えた請求項2に記載した運動量計測装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−239892(P2011−239892A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−113569(P2010−113569)
【出願日】平成22年5月17日(2010.5.17)
【出願人】(504216217)