説明

空気清浄剤とその製造方法

【課題】使用時に人体に対する慢性的傷害や環境汚染を引き起こさない、天然の材料を採用して成る空気清浄剤の提供。
【解決手段】本発明の空気清浄剤とその製造方法は、空気中で気化して空気の品質を改善する製品であって、特に、茶葉を主要原料とした空気清浄剤である。本発明の空気清浄剤は主に茶葉を主要原料として利用し、澱粉とアルギン酸を加え、最後に水で均一に混合した後加熱し、乾燥させ凝固させて成り、量が少ないときは加熱器上において加熱を行い、天然の茶の香りを発散させて空気をきれいにする効果があり、量が多いときはベッドマットレス、座布団、クッション等に詰め、天然の茶の香りを発散させて空気をきれいにする効果を得ることができるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の空気清浄剤とその製造方法は、空気中で気化して空気の品質を改善する製品であって、特に茶葉を主要原料とした空気清浄剤に関する。
【背景技術】
【0002】
経済の迅速な発展は人々に多くの利点をもたらしたが、同時にさまざまな解決すべき問題も発生しており、特に空気が汚染されることは一つの大きな問題である。空気は人類が生存するために最も重要な一環であるが、空気品質は日増しに悪化しているため、きれいな空気の追求は人々が心中で最も渇望していることである。
【0003】
このため、さまざまな空気清浄剤が徐々に住居環境やオフィス環境、車内、公共活動場所等で広く使用されるようになってきたが、現在市場でよく見受けられる空気清浄剤はそのほとんどが多くの化学原料を添加して製造されており、噴霧型の空気清浄剤や揮発型の液体香料を用いた空気洗浄剤などがある。
【0004】
例えば、台湾公告第154507号の『空気清浄組成物およびその装置』という特許案では、主に発散器を備えた装置に用いるものであり、この組成物は組成された試剤を組み合わせ、その蒸発を抑制して空気清浄剤の使用寿命を顕著に延長することができるものである。その空気清浄剤組成物は主に:(a)通式がR(OCH2CH2)xOPO3H2の燐酸ケン化剤2〜15重量比、そのうちRがアルキルフェノール部分であり、xが3〜15の間の数字であり、(b)二亜アルキル基グリコールモノアルキルエーテル0.1〜15重量比、(c)少なくとも一種類のアルコール溶剤3〜20重量比の間、(d)香水、共溶剤、中和剤、着色剤及び水を含有するグループからいずれか1種類または多種類の成分を選択し、100重量比まで補足、を含有するものである。
【0005】
また、中国公開第CN1136962号の『電熱芳香片およびその製造方法』という特許案では、主にベース片上に香料、溶剤、希釈剤等の混合物を吸着させたものである。香料にはジャスミン、白モクレン、キンモクセイ等の香料を採用し、溶剤には白油を採用し、希釈剤にはポリビニルアルコール或いはアルコール透明ワニスを採用しており、その香料:白油:ポリビニルアルコールの割合は(3〜5):(2〜3):(1〜3)となっている。
【0006】
しかしながら、上述の二種類の空気清浄剤はいずれも化学原料を添加しており、化学原料は取得が容易でなく、かつ製造時に廃気や廃水を発生しやすく、きちんと処理せず任意に排出すると逆に環境汚染を引き起こしてしまう。さらに、化学原料から製造された空気清浄剤を使用するとき、揮発効果に優れず化学原料の残留が起こりやすく、長期にわたって使用すると人体内に蓄積され、身体に慢性的な障害を引き起こしてしまう。
【0007】
このため、天然材料を利用して製造した空気清浄剤の研究開発が本発明の解決する問題点である。
【特許文献1】台湾公告第154507号『空気清浄組成物およびその装置』特許案
【特許文献2】中国公開第CN1136962号『電熱芳香片およびその製造方法』特許案
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上述等の長い間の問題に鑑みて解決策を提供すべく、発明者の関連製品研究、設計、製造等に従事した豊富な経験に基づき積極的に心血と精力を注いで研究開発されたものであり、かつ度重なる試験と検査を経てついに本発明の空気清浄剤とその製造方法の開発に至ったものである。
【0009】
本発明の主な目的は、使用時に人体に対する慢性的傷害や環境汚染を引き起こさない、天然の材料を採用して成る空気清浄剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の目的を達するため、本発明の空気清浄剤は主に茶葉を主要原料とし、さらに澱粉とアルギン酸等の原料を加えて混合し、水を加えて均一に混合した後、加熱して乾燥させて成り、その各原料の重量比含有量は、茶葉100、澱粉5〜20、アルギン酸0.5〜3とし、そのうち最良の割合は茶葉100、澱粉8〜15、アルギン酸0.8〜1.5とする。
【0011】
上述の茶葉は烏龍茶、緑茶、紅茶等各種茶葉から選択することができ、澱粉は小麦粉、米粉、芋の粉等から選択できるが、強力小麦粉を最良とする。前記空気清浄剤は粉状、顆粒状、片状、球状或いは塊状に製造することができる。
【0012】
本発明の空気清浄剤の製造方法は:
(1)茶葉を粉末状に粉砕し、かつ≧200メッシュの篩いにかけることを最良とする;
(2)上述の配合に基づき各原料を混合し、水を加えて均一に混合する;
(3)均一に混合した後の空気清浄剤を乾燥させると粉状の製品が得られる;または、均一に混合した後の茶葉芳香剤を粒状にした後乾燥させると顆粒状の製品が得られる;または粉状の空気清浄剤或いは顆粒状の空気清浄剤を球状、片状、塊状にすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の空気清浄剤は天然材料を主要原料とし、天然のさわやかな香りがあり、既有の空気清浄剤と比較すると、その香りはより純正で長持ちし、無毒無害であり、環境保護政令を満たしているだけでなく、市場の現有の空気清浄剤、芳香片、香料等のようなきつい鼻につく臭いがなく、さわやかさ、優雅さ、趣とおしゃれさが倍増し、頭をはっきりさせ、気持ちをさわやかにする。かつ、その原料は取得が容易で、加工も簡単であり、コストが非常に低い。室内、車内、公共場所等で応用することができ、特に加熱器上においたとき、天然の茶の香りを発散し、空気をきれいにする効果が得られる。
【0014】
本発明の空気清浄剤を顆粒状にし、座布団やベッドのマットレスに詰める場合、特に厚さを5m/m〜50m/mとしたとき、強力な吸着能力が得られ、吸汗性と通気性に優れており、同時に、茶葉が発散する天然のポリフェノール活性化因子が効果的にマットレス全体の湿気と臭いを取り除き、脳の血液循環と新陳代謝を促進すると共に、疲労を取り除き、睡眠の品質を向上し、各種疾病を予防することができる。
【0015】
本発明の空気清浄剤を顆粒状にし、枕の充填物とする場合、独特の多孔構造と吸着性を持つだけでなく、通気性に優れ、吸汗除湿、消臭等の効果がある。さらに、人体の血液循環を促進し、全面的に身体の筋肉疲労を和らげ、睡眠の品質を向上することができる。発散する天然のポリフェノール活性化因子がさらに空気品質を改善し、空気をきれいに、自然に保つ。
【0016】
本発明の空気清浄剤を顆粒状に製造し、自動車のクッションやマットの充填物とする場合、その発散する天然のポリフェノール活性化因子が自動車内のホルムアルデヒド等の異臭を取り除き、空気を浄化して車内の空気をきれいかつ健康に保ち、運転者の安全を向上することができ、特に購入して間もない新車で効果を発揮する。
【0017】
本発明の空気清浄剤を室内または自動車内に置くときは、7gの重さの薄片とすることができ、加熱後に天然のポリフェノール活性化因子が発散され、室内や自動車内の臭いを取り除き、空気品質を効果的に改善すると共に、発散される茶の香りが頭をすっきりさせ、情緒を鎮静化し、ストレスを緩和すると共に、真菌や細菌ウイルスおよびダニの発生を抑制し、抗菌と疾病予防に効果的である。
【0018】
本発明の空気清浄剤を香り袋とするときは、効果的に空気中の匂いを吸着し、空気品質を効果的に改善することができ、新装の家屋の家具等が発散するホルムアルデヒド等の有害な気体を取り除くことができるため、カビの除去や消臭等に優れた効果を発揮する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、審査委員各位に本発明の内容およびその達成する効果についてより理解を促すため、図面に基づき詳細に説明する。
【実施例1】
【0020】
本発明の空気清浄剤およびその製造方法は、図1の製造手順に示すように、前記空気清浄剤が主に茶葉を主要原料とし、澱粉とアルギン酸を加えて混合し、最後に水で均一に混合した後加熱し、乾燥させて成る。
【0021】
その製造手順は次の通りである:
(一)粉砕10:茶葉を粉砕し、≧200のメッシュの篩いを経て粉状にする。
(二)混合20:澱粉とアルギン酸を加えて茶葉と混合させ、さらに水を加えて茶葉、澱粉、アルギン酸と均一に混合させる。
(三)成型30:水を加えて均一に混合した後の茶葉、澱粉およびアルギン酸を乾燥させて粉状製品を得る。または、水を加えて均一に混合した後の茶葉、澱粉およびアルギン酸を粒状にした後、さらに乾燥させて顆粒製品を得る。或いは、水を加えて均一に混合した後の茶葉、澱粉およびアルギン酸を球状、片状、塊状等にする。
【0022】
本発明の実施例1では、質のよい鉄観音茶葉100kgを用い、粉砕して≧200のメッシュの篩いを経た後、10kgの強力小麦粉と1kgアルギン酸を加え、撹拌機に入れて15分間混合した後、さらに入11kgの蒸留水を加え、さらに均一に撹拌した後、造粉機で1.0mmの顆粒にする。さらにプレス機で得られた顆粒状材料を40mm(長さ)×25mm(幅)×4mm(厚さ)の片状似プレスし、乾燥オーブンで水分含有量が材料総量の5%以下になるまで乾燥させると、空気清浄片が形成される。
【0023】
前記空気清浄片を自動車の加熱器上に置くと、車内の空気に芳香を与え、乗員に天然の茶葉の香りを楽しませることができる。また、セラミック加熱器で前記空気清浄片に対して過熱を行ってもよく、住宅環境やオフィス環境、公開活動場所等で応用すれば、人々に天然の茶葉の香りを楽しませることができると共に、空気をきれいにする効果が得られる。
【実施例2】
【0024】
本発明の実施例2は、良質の杭州龍井茶または蘇州羅春茶100kgを使用し、粉砕した後≧250メッシュの篩いにかけ、米粉8kgとアルギン酸1.2kgを加えた後、撹拌機に入れて10分間混合し、さらに水道水を加えて均一に撹拌した後、水の含有量が材料総量の4%になるまで乾燥すると、粉状の空気清浄剤が得られる。また、定型機を用いて球状、片状、塊状の空気清浄剤としてもよい。
【実施例3】
【0025】
本発明の実施例3は、武夷岩茶100kgを使用し、粉砕した後200メッシュの篩いにかけ、サツマイモ粉15kgとアルギン酸1.5kgを加えた後、撹拌機に入れて20分間混合し、さらに純浄水を加えて均一に撹拌した後、製丸機で直接2〜5mmの球状物にし、さらに乾燥オーブンで水の含有量が材料総量の4.5%になるまで乾燥させると、球状の空気清浄剤が得られる。
【実施例4】
【0026】
本発明の実施例4は、緑茶100kgを使用し、粉砕した後250メッシュの篩いにかけ、とうもろこし粉5kgとアルギン酸0.8kgを加えた後18分間撹拌し、さらに水道水を加えて均一に撹拌した後、プレス機で50mm(長さ)×30mm(幅)×4.5mm(厚さ)の片状にし、最後に乾燥オーブンで水の含有量が材料総量の4.2%〜4.5%になるまで乾燥させると、片状の空気清浄剤が得られる。
【実施例5】
【0027】
本発明の実施例5は、紅茶100kgを使用し、粉砕した後200メッシュの篩いにかけ、小麦粉12kgとアルギン酸0.5kgを加えた後18分間撹拌し、さらに水道水を加えて均一に撹拌した後、プレス機で40mm(長さ)×25mm(幅)×10mm(厚さ)の塊状にし、最後に乾燥オーブンで水の含有量が材料総量の4%になるまで乾燥させると、塊状の空気清浄剤が得られる。
【実施例6】
【0028】
本発明の実施例6は、烏龍茶100kgを使用し、粉砕した後200メッシュの篩いにかけ、タピオカ粉20kgとアルギン酸3kgを加えた後15分間撹拌し、さらに蒸留水を加えて均一に撹拌した後、プレス機で40mm(長さ)×25mm(幅)×4mm(厚さ)の片状にし、最後に乾燥オーブンで水の含有量が材料総量の4%になるまで乾燥させると、片状の空気清浄剤が得られる。
【実施例7】
【0029】
本発明の実施例7は、本発明の空気清浄剤を顆粒にして座布団やベッドのマットレスに入れる際、特に厚さが5m/m〜50m/mに達するとき、強力な吸着能力が得られ、優れた吸汗性、通気性が得られると同時に、茶葉の中から発散される天然的ポリフェノール活性化因子が効果的に座布団やマットレス全体の湿気と臭いを取り除き、脳の血液循環と新陳代謝を促進すると共に、疲労を取り除き、睡眠の品質を向上し、各種疾病を予防することができる。
【実施例8】
【0030】
本発明の実施例8は、本発明の空気清浄剤を顆粒にして枕の充填物とする場合、独特の多孔構造と吸着性を備えているだけでなく、通気性に優れさわやかであり、吸汗除湿、消臭等の効果も発揮し、さらに、人体の血液循環を促進し、全面的に身体の筋肉疲労を緩和して睡眠の品質を向上することができる。また、その発散する天然的ポリフェノール活性化因子が空気品質を改善し、空気をきれいに、自然に保つ。
【実施例9】
【0031】
本発明の実施例9は、本発明の空気清浄剤を顆粒にして自動車のクッションやマットの充填物とする場合、その発散する天然のポリフェノール活性化因子が自動車車内のホルムアルデヒド等の臭いを取り除き、空気を浄化して車内の空気をきれいかつ健康に保ち、運転者の安全を向上することができ、特に購入して間もない新車で効果を発揮する。
【実施例10】
【0032】
本発明の実施例10は、室内または自動車の車内において、本発明の空気清浄剤を厚さ5m/m、重量7g以下の薄片にし、加熱を経て天然のポリフェノール活性化因子を発散させると、室内や車内の臭いを取り除き、効果的に空気品質を改善できるだけでなく、また発散される茶の香りが頭をすっきりさせ、情緒を鎮静化し、ストレスを緩和すると共に、真菌や細菌ウイルスおよびダニの発生を抑制し、抗菌と疾病予防に効果的である。
【0033】
但し、上述の各名称は本発明の技術内容を説明する便宜のために定めたものであり、本発明の権利範囲を制限するものではなく、本発明の要旨に基づく同等効果を持つ部材の交換や代替はすべて本発明の保護範囲内に含まれるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の製造手順を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0035】
10 手順一 粉砕
20 手順二 混合
30 手順三 成型

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気清浄剤であって、茶葉を主要原料とし、澱粉およびアルギン酸を加え、さらに水を加えて均一に混合した後、加熱し乾燥させて成り、そのうち、前記茶葉、澱粉およびアルギン酸の質量比に基づく含有量が茶葉100、澱粉5〜20、アルギン酸0.5〜3である、空気洗浄剤。
【請求項2】
空気清浄剤の製造方法であって、以下の手順を含む:
手順一:「粉砕」:茶葉を粉砕して篩いにかけ、粉状にする;
手順二:「混合」:澱粉とアルギン酸を加えて茶葉と混合させ、さらに水を加えて茶葉、澱粉およびアルギン酸を均一に混合する;
手順三:「成型」:水を加えて均一に混合した後の茶葉、澱粉およびアルギン酸を粒状にした後、乾燥させて顆粒球状にするか、プレスして片状、塊状にする。
【請求項3】
顆粒球状または厚さが5m/m〜50m/mの塊状にしたものは枕、クッション、座布団、ベッドマットレス等の充填物として使用することができ、厚さ5m/m重量7g以下の片状のものは加熱器上に置いて使用することができる、請求項2に記載の空気清浄剤。

【図1】
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【公開番号】特開2008−259542(P2008−259542A)
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−102296(P2007−102296)
【出願日】平成19年4月10日(2007.4.10)
【出願人】(507117887)
【出願人】(507117902)
【Fターム(参考)】