説明

空気清浄機付喫煙所

【課題】排気用の空調工事が困難な室でも健康増進法の指針を順守でき、室内の一角に自在に設置撤去出来て、冬夏期の空調負荷も軽減出来る空気清浄機付喫煙所を提供する。
【解決手段】
室内2に組立分解自在のパッケージ型で、出入り自在の出入口3を有する部屋4であり、この部屋4内の一端に吸込口5を設け他端の天井部6下に吸込口5に向かう気流7を形成する吹出口8を設け、且つ天井部6上に排気筒9を設けて、更に吸込口5と吹出口8及び排気筒9との間の気密空間10内に空気清浄機11及びファン12を設けてなり、ファン12を作動し吸込口5から煙草の煙を吸い込んで、空気清浄機11で煙成分を除去し、清浄化エアーの一部を排気筒9から部屋4外に排出して、出入口3に部屋4内方に向かう0.2m/秒以上の制御気流13を起こし、残部を吹出口8から吹き出して気流7を形成し、それに煙を乗せて循環させることで、上記課題を達成出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造物の室内の一角に簡易的に喫煙所を設置することが出来る空気清浄機付喫煙所に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、煙草の煙を除去する空気清浄機は大別して3種類ある。これらは、1.煙を直接的に吸引して除去するタイプ、2.一定空間をエアーカーテンなどで囲い、煙を囲い外に出さないようにすると共に囲い内で吸引して除去するタイプ、3.上記の1と2とを組合せたもので、煙を直接的に吸引して除去し、吸引出来なかった煙をエアーカーテンなどによる囲いにより外に出さないようにするタイプ、である。
【0003】
1.のタイプとしては、本出願人の次のようなものが知られている。
【特許文献1】 特開平9−121947号公報

2.のタイプとしては、次のようなものが知られている。
【特許文献2】 実開平7−35927号公報

3.のタイプとしては、本出願人の次のようなものが知られている。
【特許文献3】 特開2001−174011号公報
【0004】
しかしながら、これらの空気清浄機は、煙草の煙に含まれる粉塵やタール分をかなりの部分除去することはできるが、有害ガス、特に喫煙の過程で発生する一酸化炭素を除去する機能を備えているものは現在のところ無い。したがって、これらの空気清浄機を構造物の室内に設置しても、充分な換気を行わない限り、室内の一酸化炭素濃度の上昇を免れないことになる。加えて、空気清浄機では臭気も充分に除去することが困難であり、換気を行わない限り室内に臭気が徐々に蓄積することになる。このような観点から、健康増進法が制定され、下記のような喫煙所のあるべき指針が示された。
【0005】
すなわち、構造物の一つの室を専用の喫煙所とするか、あるいは室内の一部を完全に囲い喫煙所とするかして、充分な換気を行い一酸化炭素濃度の上昇や臭気の蓄積を防ぎ、且つそれらの喫煙所から煙草の煙が外に漏れないようにする必要がある。このため、喫煙所の出入口において、少なくとも0.2m/秒以上の喫煙所の内方に向かう制御気流を常時存在させ、喫煙所の扉を開けたときでも喫煙所内から煙草の煙が外に漏れないようにする必要がある。
【0006】
今のところ、上記指針で示されたような喫煙所は、ビルなどの管理上の通常の換気に加えて換気扇を別途設け、喫煙所内を換気するという単純なものしかないのである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1〜3の空気清浄機は、すでに述べたように、脱臭機能を有しているものの一酸化炭素除去機能はほとんど無く、これら特許文献1〜3以外のものでも一酸化炭素除去機能を有しているものは現在のところ無い。したがって、室内にこれらの空気清浄機を設置しても、充分な換気を行う必要があり、室内外の温度差がある季節、特に冬夏期では空調負荷が高まる。この高空調負荷に対して、ほとんどの室が特別な配慮がなされていないから、夏は暑く冬は寒いことになって、それを避けると今度は室内の一酸化炭素濃度や臭気強度が上昇して、快適な室内でなくなる。これに対応するには、室内に別途空調機器を設置する必要がある。
【0008】
一方、上記指針で示された喫煙所は、喫煙者と非喫煙者とを明確に分け、非喫煙者に煙草の煙の影響を完全に排除している点では評価出来る。しかし、上記と同様に、室内外の温度差がある冬夏期では空調負荷が高まり、この高空調負荷に対して、上述の通り、喫煙所に指定したほとんどの室は特別な配慮がなされていないから、別途空調機器を設置しなければならなくなる。しかも、これは喫煙所に指定し出来る室を確保出来た場合の話であり、このような室を確保出来ない場合は、健康増進法による指針を守ろうとすると、室内の一部を完全に間仕切り喫煙所となし、この喫煙所に別途排気のための空調設備の設置工事をしなければならない。しかしながら、このような空調設備の設置工事をテナントビルで行うことは、ビルオーナーとの関係で難しい場合があり、加えて技術的に難しかったり、見栄えが悪かったりして、ほとんどの場合非常に困難である。
【0009】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、室内に単に空気清浄機を設置するのではなく、排気用の空調設備工事が困難な室でも健康増進法による指針を順守でき、しかも室内の一角に自在且つ容易に設置撤去出来て、冬夏期における空調負荷も軽減することが出来る空気清浄機付喫煙所を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記課題を達成するために提案されたものであって、下記の構成からなることを特徴とするものである。
すなわち、請求項1記載の発明は、構造物の室内に組立分解自在のパッケージタイプで、出入り自在の出入口を有する部屋であり、この部屋内の一方の端に吸込口を設けると共に他方の端の天井部下に前記吸込口に向かう気流を形成する吹出口を設け、且つ前記天井部上に排気筒を設けて、更に前記吸込口と前記吹出口及び前記排気筒との間の気密空間内に空気清浄機及びファンを設けてなり、前記ファンを作動させ前記吸込口から煙草の煙を吸い込んで、前記空気清浄機にて煙草の煙成分を除去し、その清浄化エアーの一部を前記排気筒から前記部屋外に排出して前記出入口に前記部屋の内方に向かう少なくとも0.2m/秒の制御気流を起こし、残部を前記吹出口から吹き出して前記気流を形成し、それに煙草の煙を乗せて循環させるようにしたことを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明は、前記出入口の上部にエアーカーテン吹出装置を設けたことを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の発明は、前記吹出口に除菌イオン発生器を設けたことを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の発明は、前記空気清浄機及びファンの下流側で前記排気筒への分岐点に位置する前記気密空間内に、前記吹出口及び前記排気筒に前記清浄化エアーを分ける分配用ダンパーを、設けたことを特徴とする。
【0014】
請求項5記載の発明は、前記天井部上に前記排気筒に代えて排気用アタッチメントを設け、該排気用アタッチメントは、外部換気口につなげる接続口と前記部屋外に排出する一部排気口とを有し、且つ前記接続口及び前記一部排気口に前記清浄化エアーを分ける振分け弁を有してなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、以下のような効果がある。
すなわち、請求項1記載の発明は、吸込口の周囲のエアーと共に気密空間内に導入された煙草の煙は、空気清浄機にて煙成分を除去し、その清浄化エアーの一部を排気筒から部屋外に排出して出入口に内方に向かう0.2m/秒の制御気流を起こし、残部を吹出口から吹き出して部屋内に吸込口に向かう気流を形成し、煙草の煙を乗せて循環させるようにしている。したがって、健康増進法による指針を順守でき、冬夏期における空調負荷も従前と変わらないようにすることが出来、しかも喫煙者から出た煙草の煙は直ちに吸込口に向かう気流に乗るから、他の喫煙者に影響を及ぼすことがない。その上、室内に単に空気清浄機を設置するのではなく、排気用空調設備工事が困難な室でも、その一角に自在且つ容易に設置撤去出来る効果がある。
【0016】
請求項2記載の発明は、エアーカーテン吹出装置からエアーカーテンを吹き下ろして、開放状態の出入口を気流的に塞ぐ。したがって、上記効果に加えて、出入口における制御気流の0.2m/秒の風速を充分に確保出来、その上、排気筒から部屋外あるいは外部換気口に排出する清浄化エアー量を減らすことが出来、室内に対する清浄化エアーの影響を軽減できる効果がある。
【0017】
請求項3記載の発明は、除菌イオン発生器から放出された除菌イオンは、吹出口から吹き出し吸込口に向かう気流に乗り、部屋内を循環する。したがって、上記効果に加えて、部屋内を循環する過程で除菌イオンが働き、部屋内を除菌する効果がある。
【0018】
請求項4記載の発明は、分配用ダンパーにより清浄化エアーを吹出口と排気筒とに自在に分ける。したがって、上記効果に加えて、分配用ダンパーにより、部屋の出入口における制御風速及び室内に対する清浄化エアーの影響をコントロール出来、且つ部屋内を循環する吹出口から吸込口に向かう気流もコントロール出来る効果がある。
【0019】
請求項5記載の発明は、上述の分配用ダンパーにより分けられた清浄化エアーを、更に排気用アタッチメントの振分け弁により接続口と一部排気口とに自在に分ける。したがって、上記効果に加えて、室内に対する清浄化エアーの影響及び外部換気口の換気量をコントロール出来る効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を説明する。
【実施例1】
【0021】
図1は本発明の実施形態を示す空気清浄機付喫煙所の出入口側から見た斜視図、図2は本発明の実施形態を示す空気清浄機付喫煙所の設置壁面側から見た斜視図、図3は本発明の実施形態を示す空気清浄機付喫煙所をL字型の壁面に沿わせて設置した状態の平面図、図4は本発明の実施形態を示す空気清浄機付喫煙所の設置壁面側から見た側面図、図5は空気清浄機付喫煙所の気密空間の一部を示す断面図である。図面において、空気清浄機喫煙所1は、構造物の室内2に組立分解自在のパッケージタイプで、出入り自在の出入口3を有する部屋4であり、この部屋4内の一方の端に吸込口5を設けると共に他方の端の天井部6下に吸込口5に向かう気流7を形成する吹出口8を設け、且つ天井部6上に排気筒9を設けて、更に吸込口5と吹出口8及び排気筒9との間の気密空間10内に空気清浄機11及びファン12を設けてなり、このファン12を作動させ吸込口5から煙草の煙を吸い込んで、空気清浄機11にて煙草の煙成分を除去し、その清浄化エアーの一部を排気筒9から部屋4外に排出して出入口3に部屋4の内方に向かう少なくとも0.2m/秒の制御気流13を起こし、残部を吹出口8から吹き出して気流7を形成し、それに煙草の煙を乗せて循環させるようにしたものである。
【0022】
前記構造物の室内2は、建築物、車両、船舶、航空機などの室内であり、人が現在出来る空間であれば特に限定がない。
【0023】
前記部屋4は、前記構造物の室内2に設置可能であり、且つ前記天井部6と側面を覆うパーティション20とからなり、組立分解自在のパッケージタイプである。図1〜4に示す部屋4は、室内2のL字型の壁面21、22を利用して設置するタイプなので、2側面にパーティション20が無く開いている。この部屋4は、図1〜4に示すものを1パッケージとし、2パッケージ以上連結して増設が可能であり、利用人数に合わせたものを自在に得ることが出来る。
【0024】
前記出入口3は、前記部屋4の側面一部が単に開口しているだけの扉がないタイプであるから、人が自在に出入りすることが出来る。勿論、出入口3に後に詳述する扉を設けても差し支えない。そして、この出入口3の上部にエアーカーテン吹出装置23が設けられ、このエアーカーテン吹出装置23からエアーカーテン24を吹き下ろせば、開放状態の出入口3を気流的に塞ぐことが出来る。この出入口3を気流的に塞ぐことは、出入口3の開口面積を実質的に狭めることになり、したがって、出入口3における制御気流13の0.2m/秒の風速を充分に確保することが出来、その上に、前記排気筒9から部屋4外あるいは構造物の室内2に設けられた外部換気口(不図示)に排出する清浄化エアー量を減らすことが出来て、室内2に対する清浄化エアーの影響を軽減できることになる。
【0025】
前記吸込口5は、部屋4内の一方の端、すなわち出入口3に相対角する場所に位置し、前記気密空間10の一部をなす箱体30に設けられている。この箱体30の下方に灰皿設置台31が設けられ、この灰皿設置台31に角筒体31aを介して箱体30が支持され、灰皿設置台31には2基の灰皿32が設置されている。なお、上記した気密空間10は、上記箱体30と、この箱体30の上面と前記天井部6の下面との間に位置して天井部6下面に沿って設けられた循環用ダクト33と、からなる。
【0026】
前記箱体30内には、既に述べたように、空気清浄機11及びファン12が設けられており、この空気清浄機11は、図5に示すように、前記吸込口5から箱体30内に吸い込んだ煙草の煙の比較的大きな粒子を除去するプレフィルター34と、このプレフィルター34を通過した微細粒子を除去する電気集塵機35と、この電気集塵機35を通過した超微細粒子、臭気成分などを除去する脱臭フィルター36と、の3部構成となっている。また、この電気集塵機35の代わりに、少なくとも微細粒子を除去出来るメカニカルフィルターを用い、更に、超微細粒子、臭気成分の除去機能をも併せ持つ高性能なメカニカルフィルターを併用してもよい。
【0027】
そして、前記ファン12は、吸込口5回りに漂う煙草の煙を周囲のエアーと共に箱体30内に吸い込むことが出来、その上に空気清浄機11、循環用ダクト33及び排気筒9を通過し、且つ、循環用ダクト33の最下流にある吹出口8から吹き出て、吸込口5に向かう気流7を形成させるのに必要とされる、基本的な容量及び圧力を有する条件が加算されること以外、特に限定がない。
【0028】
また、空気清浄機11及びファン12の下流側で排気筒9への分岐点に位置する気密空間10内、すなわち、この気密空間10における分岐管37下流の循環用ダクト33内には、吹出口8及び排気筒9に清浄化エアーを分ける分配用ダンパー38が設けられている。この分配用ダンパー38により、清浄化エアー量を吹出口8と排気筒9とに自在に分けることが出来る。したがって、この分配用ダンパー38により、部屋4の出入口3における制御気流13及び室内2に対する清浄化エアーの影響をコントロール出来、且つ部屋4内を循環する吹出口8から吸込口5に向かう気流7もコントロール出来ることになる。
【0029】
前記排気筒9は、天井部6上に設置され、八角筒体40の八面に小孔41が多数開けられてなり、これら小孔41から清浄化エアーを排出して室内2に拡散するものである。なお、この排気筒9は、後に詳述する排気用アタッチメント51に代えることが出来る。
【0030】
前記吹出口8は、上述の他方の端の天井部6下、すなわち、吸込口5の反対側の天井部6下に位置している循環用ダクト33の最下流に設けられている。この循環用ダクト33内に方向変換板42が吹出口8に臨んで設けられ、この方向変換板42により、循環用ダクト33内を通過した清浄化エアーが方向を転換して、吹出口8から吸込口5に向かう気流7となる。
【0031】
また、上記の吹出口8には除菌イオン発生器43が設けられ、この除菌イオン発生器43から放出された除菌イオンは、吹出口8から吹き出し吸込口5に向かう気流7に乗り、部屋4内を循環する。したがって、部屋4内を除菌イオンが循環する過程で、除菌イオンが働き、空気清浄機付喫煙所1内全体を除菌することが出来る。
【0032】
次に、上記構成になる空気清浄機付喫煙所1の使用方法を説明する。
まず、構造物の室内2の設置場所を確認し、更に喫煙所の広さを決める。構造物の室内2のL字型の壁面21、22を利用するから、図1、2に示すような2側面にパーティション20が無く開いている空気清浄機付喫煙所1を採用し、更に、喫煙所の広さから1パッケージか、それ以上かを決める。ここでは1パッケージとして、図1に示すように、空気清浄機付喫煙所1を設置し、例えば、分配用ダンパー38の開度調整など機器類の事前調整をしておく。次に、出入口3から人が入ると、人感知センサで感知するか、あるいは作動スイッチをオンすると、以下に示すように、空気清浄機付喫煙所1内の全ての機能が働き出す。
【0033】
すなわち、エアーカーテン吹出装置23からエアーカーテン24が吹き下ろされ、開放状態の出入口3が気流的に塞がれ、更に、ファン12が作動して吸込口5から箱体30内にエアーが入り、それに伴い排気筒9からエアーが排出し、吹出口8からもエアーが吹き出され、気流7を形成する。空気清浄機付喫煙所1内に入った人が喫煙すると、煙草の煙は直ちに気流7に乗り吸込口5から箱体30内に入り、空気清浄機11のプレフィルター34により比較的大きな粒子が除去され、プレフィルター34により除去出来なかった微細粒子が電気集塵機35により除去され、更に、電気集塵機35により除去出来なかった超微細粒子、臭気成分などが脱臭フィルター36により除去され、煙草の煙中に含まれる粉塵やタール分のほとんど無い清浄化エアーとなる。清浄化エアーは循環用ダクト33内に入り、予め調整した分配用ダンパー38の開度により、吹出口8と排気筒9と分けられて、清浄化エアーの一部は排気筒9から室内2に拡散排気され、循環用ダクト33内を通過した清浄化エアーの残部は方向変換板42により方向を転換して、吹出口8から吹き出され、吸込口5に向かう気流7となり循環する。循環した気流7は再び煙草の煙が乗り吸込口5から箱体30内に入り、上述と同様の作用がなされる。
【0034】
一方、清浄化エアーの一部を排気筒9から室内2に拡散排気することで、その量に見合うエアーが出入口3から空気清浄機付喫煙所1内に入り、それが制御気流13となり、煙草の煙が出入口3から出ない。更に、エアーカーテン装置23があると、エアーカーテン24により開放状態の出入口3が気流的に塞がれ、制御気流13の0.2m/秒の風速を充分且つ容易に確保できる。同時に既述の通り、室内2に対する清浄化エアーの影響をコントロール出来、吸込口5に向かう気流7もコントロール出来ることになる。また、この循環した気流7には除菌イオン発生器43から除菌イオンが放出され、その除菌イオンにより空気清浄機付喫煙所1内全体を除菌することが可能となる。
【実施例2】
【0035】
図6、7は本発明の他の実施形態を示す空気清浄機付喫煙所であり、この空気清浄機付喫煙所1aと図1ないし5に示す実施形態との相違点は、出入口3に扉50を設け、且つ前記天井部6上に前記排気筒9に代えて排気用アタッチメント51を設けた点にある。そして、扉50には吸気孔52が多数設けられ、空気清浄機付喫煙所1a内を換気可能にし、且つ当然に煙草の煙が外に漏れないようにする。一方、排気用アタッチメント51は、外部換気口(不図示)につなげる接続口53と部屋4外に排出する一部排気口54とを有し、且つ接続口53及び一部排気口54に清浄化エアーを分ける振分け弁55を有してなるものである。上述の通り分配用ダンパー38により分けられた清浄化エアーを、更に排気用アタッチメント51の振分け弁55により接続口53と一部排気口54とに自在に分けることが出来る。これにより、室内2に対する清浄化エアーの影響及び外部換気口への換気量をコントロールすることが出来る。その他の構成及び作用効果は図1ないし5に示す実施形態とほぼ同様なので、その説明を省略する。
【実施例3】
【0036】
図8は本発明の他の実施形態を示す空気清浄機付喫煙所であり、この空気清浄機付喫煙所1bと図1ないし5に示す実施形態との相違点は、室内2の壁面などを利用せず、独立して室内2内に設置出来る点にある。また、図9は本発明の他の実施形態を示す空気清浄機付喫煙所であり、この空気清浄機付喫煙所1cと図8に示す実施形態との相違点は、図8に示す空気清浄機付喫煙所1bが1パッケージであるのに対し、空気清浄機付喫煙所1cは、空気清浄機付喫煙所1bを2パッケージ連結した点にある。その他の構成及び作用効果は、図8の空気清浄機付喫煙所1bも、図9の空気清浄機付喫煙所1cもともに同様なので、その説明を省略する。
【0037】
以上、本発明の実施例1、2、3を説明したが、具体的な構成はこれに限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲での変更・追加、各請求項における他の組み合わせにかかるものも、適宜可能であることが理解されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明の空気清浄機付喫煙所は、改造が制限されるテナントビルや天井高が高すぎ排気ダクトを設置出来ないなど、排気用の空調設備工事が困難な室に、健康増進法による指針を順守できる喫煙所を設置したい場合に、利用可能性が極めて高くなる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】 本発明の実施形態を示す空気清浄機付喫煙所の出入口側から見た斜視図(実施例1)である。
【図2】 本発明の実施形態を示す空気清浄機付喫煙所の設置壁面側から見た斜視図(実施例1)である。
【図3】 本発明の実施形態を示す空気清浄機付喫煙所をL字型の壁面に沿わせて設置した状態の平面図(実施例1)である。
【図4】 本発明の実施形態を示す空気清浄機付喫煙所の設置壁面側から見た側面図(実施例1)である。
【図5】 空気清浄機付喫煙所の気密空間の一部を示す断面図(実施例1)である。
【図6】 本発明の他の実施形態を示す空気清浄機付喫煙所の出入口側から見た斜視図(実施例2)である。
【図7】 本発明の他の実施形態を示す空気清浄機付喫煙所の排気用アタッチメントを示す側面図(実施例2)である。
【図8】 本発明の他の実施形態を示す空気清浄機付喫煙所の斜視図(実施例3)である。
【図9】 本発明の他の実施形態を示す空気清浄機付喫煙所の斜視図(実施例3)である。
【符号の説明】
【0040】
1、1a、1b、1c 空気清浄機付喫煙所
2 構造物の室内
3 出入口
4 部屋
5 吸込口
6 天井部
7 気流
8 吹出口
9 排気筒
10 気密空間
11 空気清浄機
12 ファン
13 制御気流
20 パーティション
21、22 壁面
23 エアーカーテン吹出装置
24 エアーカーテン
30 箱体
31 灰皿設置台
31a 角筒体
32 灰皿
33 循環ダクト
34 プレフィルター
35 電気集塵機
36 脱臭フィルター
37 分岐管
38 分配用ダンパー
40 八角筒体
41 小孔
42 方向変換板
43 除菌イオン発生器
50 扉
51 排気用アタッチメント
52 吸気孔
53 接続口
54 一部排気口
55 振分け弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物の室内に組立分解自在のパッケージタイプで、出入り自在の出入口を有する部屋であり、この部屋内の一方の端に吸込口を設けると共に他方の端の天井部下に前記吸込口に向かう気流を形成する吹出口を設け、且つ前記天井部上に排気筒を設けて、更に前記吸込口と前記吹出口及び前記排気筒との間の気密空間内に空気清浄機及びファンを設けてなり、前記ファンを作動させ前記吸込口から煙草の煙を吸い込んで、前記空気清浄機にて煙草の煙成分を除去し、その清浄化エアーの一部を前記排気筒から前記部屋外に排出して、前記出入口に前記部屋の内方に向かう少なくとも0.2m/秒の制御気流を起こし、残部を前記吹出口から吹き出して前記気流を形成し、それに煙草の煙を乗せて循環させるようにしたことを特徴とする空気清浄機付喫煙所。
【請求項2】
前記出入口の上部にエアーカーテン吹出装置を設けた請求項1記載の空気清浄機付喫煙所。
【請求項3】
前記吹出口に除菌イオン発生器を設けた請求項1または2記載の空気清浄機付喫煙所。
【請求項4】
前記空気清浄機及びファンの下流側で前記排気筒への分岐点に位置する前記気密空間内に、前記吹出口及び前記排気筒に前記清浄化エアーを分ける分配用ダンパーを、設けた請求項1、2または3記載の空気清浄機付喫煙所。
【請求項5】
前記天井部上に前記排気筒に代えて排気用アタッチメントを設け、該排気用アタッチメントは、外部換気口につなげる接続口と前記部屋外に排出する一部排気口とを有し、且つ前記接続口及び前記一部排気口に前記清浄化エアーを分ける振分け弁を有してなる請求項1、2、3または4記載の空気清浄機付喫煙所。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−3058(P2006−3058A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−207929(P2004−207929)
【出願日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【出願人】(000228028)株式会社トルネックス (25)