説明

空気調和機および空気調和機の製造方法

【課題】一般的に空気調和機のクロスフローファンは、両端のみで支持される構成されているため、輸送時にコンテナなどに保管された場合、周囲温度が高温になり、自重でクロスフローファンがたわみ、エアコン運転時に筐体の振動が大きくなるという課題を有していた。
【解決手段】前記クロスフローファン3と前記エアガイダー4との間隙に着脱自在に挿入体6を挟持するように構成されることにより、輸送時にコンテナなどに保管され周囲温度が高温になった場合、自重で前記クロスフローファン3がたわんでも、前記挿入体6が挟持しているためたわみが少なくなるので、安価な材料でクロスフローファンを作ることができ、筐体の振動を少なくすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は空気調和機および空気調和機の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、一般的に空気調和機のクロスフローファンは、両端のみで支持される構成が一般的である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図9は、特許文献1に記載された従来の空気調和機の室内機の横断面図を示すものである。同図に示すように、本空気調和機の室内機は、筐体1内に熱交換器2とクロスフローファン3とエアガイダー4とからなる風回路5を具備した構成となっている。
【特許文献1】特開2004−332953号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の構成では、空気調和機のクロスフローファンは、両端のみで支持される構成されているため、輸送時にコンテナなどに保管された場合、周囲温度が高温になり、自重でクロスフローファンがたわみ、エアコン運転時に筐体の振動が大きくなるという課題を有していた。
【0005】
また、クロスフローファンのたわみを、空気調和機の運転に支障ない程に少なくするためにはクロスフローファンの材料に高価な材料を用いなければならず、コストが嵩むという課題を有していた。
【0006】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、筐体内に熱交換器とクロスフローファンとエアガイダーとからなる風回路を具備し、前記クロスフローファンと前記エアガイダーとの間隙に着脱自在に挿入体を挟持したことを特徴とする空気調和機であって、前記クロスフローファンと前記エアガイダーとの間隙に着脱自在に挿入体を挟持することにより、輸送時にコンテナなどに保管され周囲温度が高温になった場合でも、クロスフローファンの自重でのたわみが少なくなり、安価な材料でクロスフローファンを作ることができ、その結果、筐体の振動を少なくすることができる空気調和機の室内機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために、本発明の空気調和機の室内機は、筐体内に熱交換器とクロスフローファンとエアガイダーとからなる風回路を具備した空気調和機において、前記クロスフローファンと前記エアガイダーとの間隙に着脱自在な挿入体を少なくとも前記空気調和機の梱包時に挟持したもので、この構成をなすことにより、前記クロスフローファンと前記エアガイダーとの間隙に着脱自在に挿入体を挟持したにより、輸送時にコンテナなどに保管され周囲温度が高温になった場合でも、クロスフローファンの自重でのたわみが少なくなり、安価な材料でクロスフローファンを作ることができ、筐体の振動を少なくすることができる。
【0008】
また本発明の空気調和機は、挿入体に前記エアガイダーの曲面に略沿う曲面あるいは曲線を具備したもので、この構成をなすことにより、前記挿入体が前記エアガイダーに沿うように挟持されるので確実に前記クロスフローファンを支えることが出来、輸送時にコンテナなどに保管され周囲温度が高温になった場合でも、クロスフローファンの自重でのたわみが少なくなり、安価な材料でクロスフローファンを作ることができ、筐体の振動を少
なくすることができる。
【0009】
また本発明の空気調和機は、挿入体に前記クロスフローファンの外周面に略沿う曲面あるいは曲線を具備したもので、この構成をなすことにより、挿入体が前記クロスフローファンに沿うように挟持されるので確実に前記クロスフローファンを支えることが出来、輸送時にコンテナなどに保管され周囲温度が高温になった場合でも、クロスフローファンの自重でのたわみが少なくなり、安価な材料でクロスフローファンを作ることができ、筐体の振動を少なくすることができる。
【0010】
また本発明の空気調和機は、挿入体に前記エアガイダーの曲面に略沿う曲面あるいは曲線と前記クロスフローファンの外周面に略沿う曲面あるいは曲線を具備したもので、この構成をなすことにより、前記挿入体が前記エアガイダーと前記クロスフローファンに沿うように挟持されるので確実に前記クロスフローファンを支えることが出来、輸送時にコンテナなどに保管され周囲温度が高温になった場合でも、クロスフローファンの自重でのたわみが少なくなり、安価な材料でクロスフローファンを作ることができ、筐体の振動を少なくすることができる。
【0011】
また本発明の空気調和機は、挿入体を少なくとも前記クロスフローファンの長手方向の略中央に挟持したもので、この構成をなすことにより、効率的にクロスフローファンを支えることが出来、輸送時にコンテナなどに保管され周囲温度が高温になった場合でも、クロスフローファンの自重でのたわみが少なくなり、安価な材料でクロスフローファンを作ることができ、筐体の振動を少なくすることができる。
【0012】
また本発明の空気調和機は、前記風回路の吹出口を介して出し入れし着脱自在に挟持するもので、この構成をなすことにより、室内機を設置後、風回路の吹出口から挿入体を容易に取り出すことが出来、輸送時にコンテナなどに保管され周囲温度が高温になった場合でも、クロスフローファンの自重でのたわみが少なくなり、安価な材料でクロスフローファンを作ることができ、筐体の振動を少なくすることができる。
【0013】
また本発明の空気調和機は、筐体内に熱交換器とクロスフローファンとエアガイダーとからなる風回路を具備した空気調和機であって、前記挿入体を前記空気調和機の工場出荷前に前記吹出口から挿入し、前記クロスフローファンと前記エアガイダーとに前記挿入体が当接したときに前記挿入体をテープで前記筐体に固定し、前記クロスフローファンと前記エアガイダーとの間隙に挟持するもので、この構成をなすことにより、輸送時にコンテナなどに保管され周囲温度が高温になった場合でも、クロスフローファンの自重でのたわみが少なくなり、安価な材料でクロスフローファンを作ることができ、筐体の振動を少なくすることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の空気調和機は、クロスフローファンとエアガイダーとの間隙に着脱自在に挿入体を挟持することにより、輸送時にコンテナなどに保管され周囲温度が高温になった場合でも、クロスフローファンの自重でのたわみが少なくなり、安価な材料でクロスフローファンを作ることができ、筐体の振動を少なくすることができる。
【0015】
また筐体内に熱交換器とクロスフローファンとエアガイダーとからなる風回路を具備した空気調和機であって、挿入体を空気調和機の工場出荷前に吹出口から挿入し、クロスフローファンとエアガイダーとに挿入体が当接したときに挿入体をテープで筐体に固定し、クロスフローファンとエアガイダーとの間隙に挟持することにより、輸送時にコンテナなどに保管され周囲温度が高温になった場合でも、クロスフローファンの自重でのたわみが少なくなり、安価な材料でクロスフローファンを作ることができ、筐体の振動を少なくす
ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
第1の発明は、筐体内に熱交換器とクロスフローファンとエアガイダーとからなる風回路を具備した空気調和機において、前記クロスフローファンと前記エアガイダーとの間隙に着脱自在な挿入体を少なくとも前記空気調和機の梱包時に挟持することによりクロスフローファンのたわみが少なくなり、安価な材料でクロスフローファンを作ることができ、筐体の振動を少なくすることができる。
【0017】
第2の発明は、特に第1の発明の挿入体に、前記エアガイダーの曲面に略沿う曲面あるいは曲線を具備することによりクロスフローファンのたわみが少なくなり、安価な材料でクロスフローファンを作ることができ、筐体の振動を少なくすることができる。
【0018】
第3の発明は、特に第1の発明の挿入体に、前記クロスフローファンの外周面に略沿う曲面あるいは曲線を具備することによりクロスフローファンのたわみが少なくなり、安価な材料でクロスフローファンを作ることができ、筐体の振動を少なくすることができる。
【0019】
第4の発明は、特に第1の発明の挿入体に、前記エアガイダーの曲面に略沿う曲面あるいは曲線と前記クロスフローファンの外周面に略沿う曲面あるいは曲線を具備することによりクロスフローファンのたわみが少なくなり、安価な材料でクロスフローファンを作ることができ、筐体の振動を少なくすることができる。
【0020】
第5の発明は、特に第1の発明の挿入体を少なくとも前記クロスフローファンの長手方向の略中央に挟持することによりクロスフローファンのたわみが少なくなり、安価な材料でクロスフローファンを作ることができ、筐体の振動を少なくすることができる。
【0021】
第6の発明は、特に第1の発明の挿入体を、風回路の吹出口を介して出し入れし着脱自在に挟持することによりクロスフローファンのたわみが少なくなり、安価な材料でクロスフローファンを作ることができ、筐体の振動を少なくすることができる。
【0022】
第7の発明は、筐体内に熱交換器とクロスフローファンとエアガイダーとからなる風回路を具備した空気調和機であって、前記挿入体を前記空気調和機の工場出荷前に前記吹出口から挿入し、前記クロスフローファンと前記エアガイダーとに前記挿入体が当接したときに前記挿入体をテープで前記筐体に固定し、前記クロスフローファンと前記エアガイダーとの間隙に挟持することによりクロスフローファンのたわみが少なくなり、安価な材料でクロスフローファンを作ることができ、筐体の振動を少なくすることができる。
【0023】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0024】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における空気調和機の室内機の断面図を図示したものである。
図1において、本空気調和機の室内機は、筐体1内に熱交換器2とクロスフローファン3とエアガイダー4とからなる風回路5を具備し、前記クロスフローファン3と前記エアガイダー4との間隙に着脱自在な挿入体6を少なくとも空気調和機の筐体の梱包時に挟持するように構成されている。
【0025】
以上のように構成された空気調和機について、以下その動作、作用を説明する。
前記クロスフローファン3と前記エアガイダー4との間隙に着脱自在な挿入体6を挟持す
るように構成されることにより、輸送時にコンテナなどに保管され周囲温度が高温になった場合でも、クロスフローファンの自重でのたわみが少なくなり、安価な材料でクロスフローファンを作ることができ、筐体の振動を少なくすることができる。
【0026】
(実施の形態2)
図2は、本発明の第2の実施の形態における空気調和機の室内機の断面図を図示したものである。
【0027】
図2において、挿入体6aは、前記エアガイダー4の曲面に略沿う曲面7あるいは曲線7を具備することにより、前記挿入体6aが前記エアガイダー4に沿うように挟持されるので確実に前記クロスフローファン3を支えることが出来、輸送時にコンテナなどに保管され周囲温度が高温になった場合でも、クロスフローファンの自重でのたわみが少なくなり、安価な材料でクロスフローファンを作ることができ、筐体の振動を少なくすることができる。
(実施の形態3)
図3は本発明の第3の実施の形態における空気調和機の室内機の断面図を図示したものである。
【0028】
図3において、挿入体6bに、前記クロスフローファン3の外周面に略沿う曲面8あるいは曲線8を具備することにより、前記挿入体6bが前記クロスフローファン3に沿うように挟持されるので確実に前記クロスフローファン3を支えることが出来、輸送時にコンテナなどに保管され周囲温度が高温になった場合でも、クロスフローファンの自重でのたわみが少なくなり、安価な材料でクロスフローファンを作ることができ、筐体の振動を少なくすることができる。
【0029】
(実施の形態4)
図4は本発明の第4の実施の形態における空気調和機の室内機の断面図を図示したものである。
【0030】
図4において、挿入体6cに、前記エアガイダー4の曲面に略沿う前記曲面7あるいは曲線7と前記クロスフローファン3の外周面に略沿う前記曲面8あるいは曲線を具備することにより、前記挿入体6cが前記エアガイダー4と前記クロスフローファン3に沿うように挟持されるので確実に前記クロスフローファン3を支えることが出来、輸送時にコンテナなどに保管され周囲温度が高温になった場合でも、クロスフローファンの自重でのたわみが少なくなり、安価な材料でクロスフローファンを作ることができ、筐体の振動を少なくすることができる。
(実施の形態5)
図5は本発明の第5の実施の形態における空気調和機の室内機の正面部分図を図示したものである。
【0031】
図5において、前記挿入体6を少なくとも前記クロスフローファン3の長手方向の略中央において前記クロスフローファンとエアガイダーとの間に挟持することにより、少ない挿入体で効率的にクロスフローファンを支えることが出来、輸送時にコンテナなどに保管され周囲温度が高温になった場合でも、クロスフローファンの自重でのたわみが少なくなり、安価な材料でクロスフローファンを作ることができ、筐体の振動を少なくすることができる。
(実施の形態6)
図6は本発明の第6の実施の形態における空気調和機の室内機の断面図を図示したものである。
【0032】
図6において、前記挿入体6を前記風回路5の吹出口9を介して出し入れし着脱自在に挟持することにより、室内機を設置後、前記風回路5の吹出口9から前記挿入体6を容易に取り出すことが出来、輸送時にコンテナなどに保管され周囲温度が高温になった場合でも、クロスフローファンの自重でのたわみが少なくなり、安価な材料でクロスフローファンを作ることができ、筐体の振動を少なくすることができる。
(実施の形態7)
図7は本発明の第7の実施の形態における空気調和機の室内機の横断面図を図示したもので、図8は本発明の第7の実施の形態における挿入体挿入時の斜視図ある。
【0033】
図7において、前記筐体1内に前記熱交換器2と前記クロスフローファン3と前記エアガイダー4とからなる前記風回路5を具備した空気調和機であって、前記挿入体6を空気調和機の工場出荷前に吹出口9から挿入し、前記クロスフローファン3と前記エアガイダー4とに前記挿入体6が当接したときに前記挿入体6をテープ10で前記筐体1に固定し、前記クロスフローファン3と前記エアガイダー4との間隙に挟持することにより、工場で簡単に組立てが出来、輸送時にコンテナなどに保管され周囲温度が高温になった場合でも、クロスフローファンの自重でのたわみが少なくなり、安価な材料でクロスフローファンを作ることができ、筐体の振動を少なくすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
以上のように、本発明の空気調和機の室内機は、クロスフローファンとエアガイダーとの間隙に着脱自在な挿入体を挟持したことにより、輸送時にコンテナなどに保管され周囲温度が高温になった場合でも、クロスフローファンの自重でのたわみが少なくなり、安価な材料でクロスフローファンを作ることができ、筐体の振動を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施の形態1における空気調和機の室内機の横断面図
【図2】本発明の実施の形態2における空気調和機の室内機の横断面図
【図3】本発明の実施の形態3における空気調和機の室内機の横断面図
【図4】本発明の実施の形態4における空気調和機の室内機の横断面図
【図5】本発明の実施の形態5におけるクロスフローファンの支持構造の正面部分図
【図6】本発明の実施の形態6における空気調和機の室内機の挿入体出し入れ時の横断面図
【図7】本発明の実施の形態6における空気調和機の室内機の横断面図
【図8】本発明の実施の形態7における空気調和機の室内機の横断面図
【図9】従来の空気調和機の室内機の横断面図
【符号の説明】
【0036】
1 筐体
2 熱交換器
3 クロスフローファン
4 エアガイダー
5 風回路
6 挿入体
6a 挿入体
6b 挿入体
6c 挿入体
7 曲面
8 曲面
9 吹出口
10 テープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体内に熱交換器とクロスフローファンとエアガイダーとからなる風回路を具備した空気調和機において、前記クロスフローファンと前記エアガイダーとの間隙に着脱自在な挿入体を少なくとも前記空気調和機の梱包時に挟持したことを特徴とする空気調和機。
【請求項2】
前記挿入体は、前記エアガイダーの曲面に略沿う曲面あるいは曲線を具備したことを特徴とする請求項1記載の空気調和機。
【請求項3】
前記挿入体は、前記クロスフローファンの外周面に略沿う曲面あるいは曲線を具備したことを特徴とする請求項1記載の空気調和機。
【請求項4】
前記挿入体は、前記エアガイダーの曲面に略沿う曲面あるいは曲線と前記クロスフローファンの外周面に略沿う曲面あるいは曲線を具備したことを特徴とする請求項1記載の空気調和機。
【請求項5】
前記挿入体を少なくとも前記クロスフローファンの長手方向の略中央に挟持したことを特徴とする請求項1記載の空気調和機。
【請求項6】
前記挿入体は、前記風回路の吹出口を介して出し入れし着脱自在に挟持することを特徴とする請求項1記載の空気調和機。
【請求項7】
筐体内に熱交換器とクロスフローファンとエアガイダーとからなる風回路を具備した空気調和機であって、前記挿入体を前記空気調和機の工場出荷前に前記吹出口から挿入し、前記クロスフローファンと前記エアガイダーとに前記挿入体が当接したときに前記挿入体をテープで前記筐体に固定し、前記クロスフローファンと前記エアガイダーとの間隙に挟持することを特徴とする空気調和機の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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