説明

空気調和機の室内機

【課題】マイナスイオンイオン発生器である空気清浄機の幅方向寸法を縮めた場合に、不安定にならずに支持できる、支持構造が得られる。
【解決手段】室内機本体内に、吸込み口、エアフィルタ、熱交換器、室内送風機と、吹出し口を順次連通する送風路が形成され、前記エアフィルタを支持する支持枠組立と、前記熱交換器の側部に隣接される電気部品箱を備えた空気調和機の室内機において、前記電気部品箱の側部で、前記熱交換器の送風路上流側に設けられる電気部品箱側面カバーと、この電気部品箱側面カバーに一端部を掛合して仮保持され、そのあと、反掛合方向にスライドさせて他端部を前記支持枠組立に掛合することで、両端部が固定される空気清浄機とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施態様は、空気清浄機を備えた空気調和機の室内機に関する。
【背景技術】
【0002】
近時、空気清浄機を備えた空気調和機の室内機が多用される。これは、空気中に含まれる塵埃をマイナスに荷電するマイナスイオン発生器を備え、熱交換器にアース電位を掛けて、熱交換器においてマイナスに荷電した塵埃を捕捉し収集するようにした。単に、空気調和作用をなすばかりでなく、吹出し空気を清浄化することで、汎用性が拡大する。
【0003】
熱交換器で捕捉されない荷電粒子は、熱交換器を通過した直後に室内送風機の横流ファンに衝突し、よって荷電粒子は消滅する。荷電粒子が吹出し口から放出されることはなく、壁汚れ等の防止を図れる。また、熱交換器に付着した塵埃は、熱交換器に対する防汚処理によって自然的に除去され、結露水とともに屋外へ放出されて手間がかからない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−175201号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
室内機本体のほとんど幅方向に亘って吸込み口が設けられ、この吸込み口と対向する幅方向全般に亘って熱交換器が設けられる。マイナスイオン発生器は、熱交換器に吸込まれる空気全部にマイナスイオンを掛けるため、当初は熱交換器の幅方向全般に亘って設けられていた。
【0006】
しかるに、近時は、必ずしもマイナスイオン発生器である空気清浄機を室内機本体の幅方向全般に亘って設ける必要がないことが判明した。すなわち、熱交換器の一側部に対向して配置するだけで、熱交換器に吸込まれる空気に含まる塵埃にマイナスイオンを掛けられる。
【0007】
そこで、マイナスイオンイオン発生器である空気清浄機の幅方向寸法を縮めた場合に、不安定にならずに支持できる、支持構造の対応が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本実施形態では、室内機本体内に、吸込み口、エアフィルタ、熱交換器、室内送風機と、吹出し口を順次連通する送風路が形成され、前記エアフィルタを支持する支持枠組立と、前記熱交換器の側部に隣接される電気部品箱を備えた空気調和機の室内機において、前記電気部品箱の側部で、前記熱交換器の送風路上流側に設けられる電気部品箱側面カバーと、この電気部品箱側面カバーの前記電気部品箱側と反対側の側部に突設された支持用片部と、この支持用片部の前面に左右に所定の間隙を存して設けられた仮保持用係止部および固定部と、前記電気部品箱側面カバー側の側部より突設され前記支持用片部にスライドして嵌り込むように構成する係合用片部と、この係合用片部に形成し、前記支持用片部にスライドすることにより前記支持用片部に形成する前記仮保持用係止部および前記固定部と対向した位置に係合される係合固定部と、前記電気部品箱側面カバー側とは反対側の側部より突設され前記支持枠組立に形成した受け腕部にスライドして掛止する掛止用突起部と、を備えた空気清浄機とを具備し、前記空気清浄機を、前記電気部品箱側面カバーに一端部を嵌め合わせて前記係合固定部と前記仮保持用係止部との係合により仮保持し、そのあと、反掛合方向にスライドさせて他端部を前記支持枠組立に掛止することで、両端部を固定した。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施形態に係る、空気調和機の室内機の縦断面図。
【図2】同実施形態に係る、前パネルを取外した状態の空気調和機本体の正面図。
【図3】同実施形態に係る、電気部品箱側面カバーの一部正面図。
【図4】同実施形態に係る、電気部品箱側面カバーに空気清浄機を仮固定し、空気清浄機と電気部品箱とを配線して配線カバーを取付けた図。
【図5】同実施形態に係る、エアフィルタ支持枠を取付けた状態の正面一部の斜視図。
【図6】同実施形態に係る、空気清浄機をスライドさせ、エアフィルタ支持枠の取付け部に取付けた状態の正面一部の斜視図。
【図7】同実施形態に係る、空気清浄機をスライドさせる前の、空気清浄機と配線カバーとの位置関係図。
【図8】同実施形態に係る、空気清浄機をスライドさせた後の、空気清浄機と配線カバーとの位置関係図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本実施形態を図面にもとづいて説明する。
図1は空気調和機の室内機の縦断面図であり、図2は室内機から前パネルを取外した状態の正面図であり、図1は図2のA−A線に沿う縦断面図である。
図示しない室外機とともに空気調和機を構成する壁掛け式の室内機Kは、一般に居室の壁の高所に取付けられる。室内機本体1は、前面、上面、下面および左右両側面の外郭筐体を構成する前パネル2と、この前パネル2内部および背面部の筐体を構成する後本体3とからなる。
【0011】
前記前パネル2の前面と図示しない左右両側部は、パネルで遮蔽されている。さらに、前パネル2の上面部に吸込み口4が開口され、常時、開放状態にある。前記前パネル2の下面前部には吹出し口用の開口部が形成されている。
【0012】
前記後本体3の前面には、支持枠組立6が形成されている。前記支持枠組立6は、上面部が枠状に形成され、前記前パネル2の吸込み口4と一致する形状面積である。前記支持枠組立6は、下面前部には、前記前パネル2の吹出し口用の開口部と同一面積の開口部が設けられる。この支持枠組立6は、前記前面パネル2と一体に形成されているか、または別個に独立して形成される。
【0013】
前記支持枠組立6の前面中央に、縦桟7が設けられている。この縦桟7の左右両側は開口されていて、左右2枚のエアフィルタFを着脱自在に支持している。(なお、図2はエアフィルタFも図示しない)
前記エアフィルタFは網目状のものであり、この下端部は支持枠組立6の下端部に沿って設けられる受け部に支持される。前記エアフィルタFの上端部は、前記支持枠組立6の上端部に沿って設けられる差込み部に差し込まれていて、このようにして前記エアフィルタFは前記支持枠組立6に支持される。
【0014】
なお、前記支持枠組立6は、後述する空気清浄機Sの一側部を支持し、前記空気清浄機Sの他側部は後述する電気部品箱側面カバー8に支持されるので、一方のフィルタFは空気清浄機Sと電気部品箱側面カバー8の前面を覆う。
さらに、前記後本体3には、熱交換器9および室内送風機10が支持され、吹出し口5が設けられる。室内送風機10が駆動されることで、室内機本体1内には、吸込み口4、エアフィルタF、熱交換器9、室内送風機10、吹出し口5を順次連通する送風路12が形成される。
【0015】
前記熱交換器9は、前側熱交換器部9Aと後側熱交換器部9Bとで略逆V字状に形成される。前記前側熱交換器部9Aは湾曲状に形成され、前記後側熱交換器部9Bは直状で斜めに傾斜している。前記熱交換器9は、図示しない室外機に収容される圧縮機および室外熱交換器などと冷媒管を介して連通され、これらで冷凍サイクルが構成される。
【0016】
前記熱交換器9の前後側熱交換器部9A,9B相互間に、室内送風機10が配置される。前記室内送風機10は、室内機本体1の一側端のスペースに配置されたファンモータと、このファンモータの回転軸に連結される横流ファンとからなる。横流ファンの軸方向長さは熱交換器9の幅方向長さと同一に設定され、互いに正しく対向するよう配置される。
【0017】
前記前側熱交換器部9Aの下端部は、前ドレンパン13a上に載り、前記後側熱交換器部9Bの下端部は後ドレンパン13b上に載る。前、後ドレンパン13a,13bは、それぞれ前記後本体3に一体に成形され、前後側熱交換器部9A,9Bから滴下するドレン水を受けて、図示しないドレンホースを介して屋外へ排水できる。
【0018】
前記吹出し口5には、上下風向調節板14aが設けられ、この奥方に位置する送風路12に、左右風向調節板14bが設けられる。前記上下風向調節板14aは、回動姿勢によって吹出し口5を開閉し、かつ運転条件に応じて熱交換空気の吹出し方向を設定することができる。前記左右風向調節板14bは、いわゆる首振り運動をなす。
【0019】
前記支持枠組立6は、前記前側熱交換器部9Aの前面と間隙を存して曲成され、前記エアフィルタFも前記前側熱交換器部9Aの前面に沿って曲成した状態で支持される。さらに、前記支持枠組立6は、前記後側熱交換器部9Bの上面に間隙を存して対向するよう曲成され、前記エアフィルタFも前記後側熱交換器部9Bの上面に間隙を存して対向するよう曲成した状態で支持される。
【0020】
前記熱交換器9の一側部(右側部)に隣接した位置に、電気部品箱15が並んで配置される。この電気部品箱15の前面一部と電気部品箱側面カバー8を前記支持枠組立6が覆うパネル面となっていて、このパネル面は前記支持枠組立6の一側部まで設けられる。前記電気部品箱15の注意書き部分15aのみパネル面は欠落加工され、注意書きが読めるようになっている。
【0021】
前記電気部品箱15は、前記熱交換器9の熱交換作用を制御し、冷凍サイクル運転の切換えをなす。さらに、前記電気部品箱15は前記室内送風機10の駆動を制御する制御用電気部品を収容するとともに、前記空気清浄機Sを電気的に制御する部品および、その他の電気部品を収容する。
【0022】
通常、空気調和機の室内機には、前記熱交換器を2分し、冷凍サイクルの途中に除湿弁を介在させることで再熱作用による除湿運転を行う機種と、除湿弁を設けず弱冷房運転により除湿運転を行う機種とが存在する。これらの機種は、共用化を図るため、同一の筐体構造を備えた室内機本体で構成される。
前記除湿弁は、前記熱交換器9に形成される冷媒流路を二分する位置に設けられる。冷房運転時と暖房運転時は全開となって何らの作用もなさないが、除湿運転時は冷媒流路を絞る膨張弁となって、熱交換器9を熱交換部と再熱器部とに区分する。
【0023】
上記電気部品箱側面カバー8は、たとえば合成樹脂部品からなり、電気絶縁性を有するとともに、前面に通気孔を備えている。本来は、除湿弁が前記電気部品箱15の側部で熱交換器9の前面側あるいは側面側に取付けられる。そして、この除湿弁の配置された前面部を前記電気部品箱側面カバー8で覆う。
【0024】
前記電気部品箱側面カバー8は、除湿弁表面に生じたドレン水が室内機前面側から室内に滴下することなく、下部に配置された前ドレンパン13aに流下するように作用させるとともに、室内機の前面側から電気部品箱15の側面側に手などが触れないよう保護するためのものである。
【0025】
ここでは、除湿弁を備えていない場合の実施例が示されており、前記電気部品箱側面カバー8は、前記前パネル2を開放した状態で前記電気部品箱15の左側の側面部をカバーするよう、前記電気部品箱側面カバー8の一端側が、前記電気部品箱15の熱交換器9側端部に近接するよう配置され、表面が前記電気部品箱15の前面と位置を揃えるよう支持枠組立6に支持される。
電気部品箱15の前面は支持枠組立6のパネル面で保護され、かつ電気部品箱15の右側の側面部は前記前パネル2の右側の側面部で保護される。
【0026】
このような電気部品箱側面カバー8の前記電気部品箱15側と反対側の側部に、空気清浄機Sの一側部が支持される。前記空気清浄機Sの他側部は、前記支持枠組立6に一体に設けられる受け腕部17に支持される。前記空気清浄機Sに対する支持構造については後述する。
【0027】
前記空気清浄機Sは、マイナスイオンを発生するマイナスイオン発生器であり、以後、空気清浄機をマイナスイオン発生器Sと呼ぶ。これに対して前記熱交換器9は、マイナスイオン発生器Sの対向電極として、アース電位が印加されるようになっている。
【0028】
すなわち、前記熱交換器9は導電性を有していて、熱交換器9を構成する前側熱交換器部9Aと後側熱交換器部9Bのフィンは、導電性を有するアルミニュウム材が選択される。そして、前後側熱交換器部9A、9Bはマイナスイオン発生器Sの対向電極と同電位が印加されるよう、アース電位に接続されている。
【0029】
前記マイナスイオン発生器Sは、前記熱交換器9を構成する前記前側熱交換器部9Aの前方に間隙を存して配置されていて、前記送風路12において熱交換器9の送風路12上流側に位置する。これに対して前記エアフィルタFは、前記マイナスイオン発生器Sの送風路12上流側に位置し、前記熱交換器9はマイナスイオン発生器Sの送風路12下流側に配置されることとなる。
【0030】
上記のように構成される空気調和機の室内機であり、作用について説明する。
冷房運転もしくは暖房運転等の空調運転開始の信号がリモコンから制御部に入ると、冷凍サイクル運転が開始されるとともに、室内送風機10に駆動信号が送られる。さらに、上下風向調節板14aが空調運転に適応した姿勢で回動し、吹出し口5が開放される。
【0031】
室内空気は吸込み口4から室内機本体1内に吸込まれ、送風路12に沿って導かれる。はじめにエアフィルタFを流通し、室内空気に含まれる塵埃は捕捉される。一部の塵埃はそのままエアフィルタを通過するが、ここでマイナスイオン発生器Sにより、マイナスイオンが荷電される。
【0032】
そして、前記熱交換器9を構成する前側熱交換器部9Aと後側熱交換器部9Bに導かれる。前後側熱交換器部9A,9Bにはアース電位が掛けられ、マイナスイオンに荷電された塵埃が吸着される。清浄化した室内空気は熱交換器9と熱交換をなし、冷房運転モードが選択されていれば室内空気は冷気となり、暖房運転モードが選択されていれば暖気に変る。
【0033】
熱交換空気は吹出し側の送風路12に沿って導かれ、吹出し口5から左右風向調節板14bと、上下風向調節板14aに案内されて室内へ吹出される。冷気が室内に吹出されることにより室内温度が低下し、冷房作用をなす。暖気が室内に吹出されることにより室内温度が上昇し、暖房作用をなす。
【0034】
いずれにしても、室内機本体1内に吸込まれた室内空気は、エアフィルタFとマイナスイオン発生器Sと熱交換器9を流通する際に、室内空気に含まれる全ての塵埃が捕捉され、常に清浄化した熱交換空気が室内に吹出されて、室内の清浄化をなす。
【0035】
つぎに、マイナスイオン発生器Sの支持構造について説明する。
図3は、電気部品箱側面カバー8の一部を拡大して示す図である。図4は、電気部品箱側面カバー8に前記マイナスイオン発生器Sの一側部を取付けて仮保持した状態を示す図である。
【0036】
図3に示すように、この電気部品箱側面カバー8における電気部品箱15とは反対側の側部に、支持用片部20が一体に設けられる。前記支持用片部20は、電気部品箱側面カバー8の上下方向の略中央部に突設される、縦横略同一寸法の小突片である。前後の厚み寸法はある程度確保し、前面に固定部であるねじ孔21と仮固定用係止部である突起部22が、左右に所定の間隙を存して設けられる。
【0037】
図4に示すように、前記電気部品箱側面カバー8の支持用片部20にマイナスイオン発生器Sの一側部が支持される。
すなわち、マイナスイオン発生器Sは、電極部Saと、この電極部Saと連結し電気的に接続される電源部Sbとから構成されていて、前記電気部品箱側面カバー8と反対側の電極部Saの側部には掛止用突起部23が側方に突設され、前記電気部品箱側面カバー8側の電源部Sbの側部には係合用片部24が側方に突設される。
【0038】
上記電極部Saは、マイナスイオン発生電極と針金状のアース電極である対向電極を備えていて、これらマイナスイオン発生電極と対向電極は電極ケース(いずれも図示しない)に取付けられ、これを押えカバー25が覆い保護する。
【0039】
上記マイナスイオン発生電極は、長手方向に沿い所定間隔を存して、複数本の針電極が長手方向とは直交する方向に突設される。対向電極は、たとえば針金状のものが用いられていて、マイナスイオン発生電極と同じ全長であり、両側端部のみが上記電極ケースに取付け支持される。
【0040】
電極ケースは強度を保持し、マイナスイオン発生電極からマイナスイオンを効率良く放出できる形状をなす。押えカバー25は対向電極を電極ケースに押え付け、対向電極の弛みなどの変形を規制する。特に、マイナスイオン発生電極に高電圧がかかるので、電極ケースと押えカバー25は難燃性樹脂であるABS樹脂で構成する。
【0041】
マイナスイオン発生電極と対向電極が電極ケースに取付けられてなる電極部Saの端部が、前記電源部Sbの側面に突設される接続部に挿入し嵌合することで、電極部Saと電源部bが電気的に接続され、前記マイナスイオン発生器Sが一体的に組立てられる。
【0042】
前記電極部Saの、前記電源部Sbとは反対側の側部には、前記掛止用突起部23が突設されていて、これは支持枠組立6の後述する受け腕部17に掛止する。前記電源部Sbの、前記電極部Sa側とは反対側の側部に、前記係合用片部24が突設される。
【0043】
この係合用片部24は、上記電気部品箱側面カバー8の側部に一体に設けられる前記支持用片部20の前面にスライドして嵌り込むような形状をなす。ただし、この軸方向長さは支持用片部20の軸方向長さの略半分程度であり、電源部Sb内に前記支持用片部20が入り込むスペースを確保している。
【0044】
さらに、前記係合用片部24には係合固定部である孔部26が設けられていて、マイナスイオン発生器Sを仮保持する場合は、孔部26に前記支持用片部20に設けられる前記突起部22に嵌め込まれ係合される。すなわち、支持枠組立6を取付ける前に、電気部品箱15と電気部品箱側面カバー8を所定位置に取付けた後、電気部品箱側面カバー8の前記支持用片部20にマイナスイオン発生器Sの前記係合用片部24を嵌め込む。
【0045】
詳しくは、マイナスイオン発生器Sの電源部Sbに突出する係合用片部24を電気部品箱側面カバー8の支持用片部20に嵌め込み、一旦、係合用片部24の前記孔部26を支持用片部20の前記突起部22に嵌め込み係止させる。このことにより、配線作業の際にマイナスイオン発生器Sの位置が簡単には変らず、確実に仮保持できる。
【0046】
この状態にして、電源部Sbから図示しないリード線を繰り出し、電気部品箱側面カバー8の上端背面側を介して電気部品箱15内まで延出し、箱内の所定の電気部品に電気的に接続する。このとき、電気部品箱15とマイナスイオン発生器Sの電源部Sbとを電気的に接続するリード線は充分な余裕を保持するよう、弛みを持たせておく。
【0047】
そして、リード線表面を保護する配線カバー27を、電気部品箱15とマイナスイオン発生器Sとの間に取付ける。前記配線カバー27は、電気部品箱側面カバー8と熱交換器9との隙間に取付けられることとなる。
前記マイナスイオン発生器Sを前記電気部品箱側面カバー8に仮保持したあと、前記支持枠組立6を所定の位置に取付ける。
【0048】
図5は、電気部品箱側面カバー8にマイナスイオン発生器Sを仮保持した後、後本体3に支持枠組立6を取付けた状態の、室内機本体1の一部外観図である。
前記支持枠組立6には、前記受け腕部17が形成される。前記受け腕部17は仮保持されたマイナスイオン発生器Sの一側部に突出する前記掛止用突起部23に対向する孔部を有する。この状態で、図に矢印で示すようにマイナスイオン発生器Sを図中左側へスライド付勢する。
【0049】
図6は、マイナスイオン発生器Sをスライド付勢した後の状態を示す、室内機本体1の一部外観図である。
前記マイナスイオン発生器Sの一側部に突出する前記掛止用突起部23は、前記支持枠組立6の受け腕部17に設けられる孔部に挿入し、支持される。前記マイナスイオン発生器Sの前記係合用片部24は電気部品箱側面カバー8の前記支持用片部20をスライドして、ここに設けられる前記孔部26が支持用片部20に設けられる突起部22から出て前記ねじ孔21に対向する。
【0050】
このことから、前記孔部26を介して前記ねじ孔21に止め具である小ねじ28を螺挿して、前記マイナスイオン発生器Sの係合用片部24を前記電気部品箱側面カバー8の支持用片部20に固定する。マイナスイオン発生器Sは左右両側部を支持されることになり、移動しない。
【0051】
すなわち、前記支持枠組立6に前記エアフィルタFを取付け、さらに後本体3に前記前パネル2を取付けても、マイナスイオン発生器Sの位置がずれることはなく、安全に作用する。小ねじ28を止めるだけの簡単な操作でマイナスイオン発生器Sを支持できて、作業性が向上する。
前記マイナスイオン発生器Sの熱交換器9に対する位置を常に一定に保持でき、空気清浄機能を確保する。サービス後も同様であり、サービス前後で空気清浄能力を一定に保つことができる。
【0052】
図7は、マイナスイオン発生器Sを電気部品箱側面カバー8に仮保持したときの、配線カバー27とマイナスイオン発生器Sとの関係を示す図である。図8は、マイナスイオン発生器Sを正規位置に保持した時の、配線カバー27とマイナスイオン発生器Sとの関係を示す図である。
【0053】
前記マイナスイオン発生器Sの係合用片部24を、前記電気部品箱側面カバー8の支持用片部20に仮保持した状態で、マイナスイオン発生器S上端部から電気部品箱側面カバー8の上端部背面と熱交換器9との隙間を介して電気部品箱15にリード線を繋ぎ、電気配線する必要がある。そして、リード線は配線カバー27で保護する。
【0054】
前記マイナスイオン発生器Sと前記配線カバー27は、それぞれ単体で二重絶縁構造を備えている。マイナスイオン発生器Sを図8に示すようにスライドさせたあとでも、二重絶縁構造を維持するため、スライド前は図7に示すように、前記マイナスイオン発生器Sと前記配線カバー27の互いの重なり部Wを互いに大きくし(寸法d)、マイナスイオン発生器Sの上から配線カバー27で覆う構造とする。
【0055】
そして、前記マイナスイオン発生器Sを正規位置に保持するため、図8に示すようにスライドさせても、前記マイナスイオン発生器Sと前記配線カバー27の互いの重なり部W(寸法m)がわずかでも残り、リード線が露出することはない。
前記リード線は、前記マイナスイオン発生器Sと前記配線カバー27との中に余裕を持って収納している。マイナスイオン発生器Sをスライドさせてもリード線が突っ張るようなことはなく、常に安全性を確保する。
【0056】
前記マイナスイオン発生器Sをスライドさせることにより、マイナスイオン発生器Sの係合用片部24に設けられる孔部26と、電気部品箱側面カバー8の支持用片部20に設けられるねじ孔21の位置が一致し、ここに止め具である小ねじ28を螺挿する。したがって、簡単な構成でありながら、マイナスイオン発生器Sを確実に保持する。
【0057】
以上、本実施形態を説明したが、上述の実施形態は、例として提示したものであり、実施形態の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置換え、変更を行うことができる。これら実施形態およびその変形は、発明の範囲および要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0058】
1…室内機本体、4…吸込み口、F…エアフィルタ、9…熱交換器、10…室内送風機、5…吹出し口、12…送風路、6…支持枠組立、17…受け腕部、15…電気部品箱、8…電気部品箱側面カバー、20…支持用片部、21…ねじ孔(固定部)、22…突起部(仮固定用係止部)、S…空気清浄機(マイナスイオン発生器)、23…掛止用突起部、24…係合用片部、26…孔部(係合固定部)、27…配線カバー、28…止め具。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内機本体内に、吸込み口、エアフィルタ、熱交換器、室内送風機と、吹出し口を順次連通する送風路が形成され、前記エアフィルタを支持する支持枠組立と、前記熱交換器の側部に隣接される電気部品箱を備えた空気調和機の室内機において、
前記電気部品箱の側部で、前記熱交換器の送風路上流側に設けられる電気部品箱側面カバーと、
この電気部品箱側面カバーの前記電気部品箱側と反対側の側部に突設された支持用片部と、この支持用片部の前面に左右に所定の間隙を存して設けられた仮保持用係止部および固定部と、
前記電気部品箱側面カバー側の側部より突設され、前記支持用片部にスライドして嵌り込むように構成する係合用片部と、この係合用片部に形成し、前記支持用片部にスライドすることにより前記支持用片部に形成する前記仮保持用係止部および前記固定部と対向した位置に係合される係合固定部と、前記電気部品箱側面カバー側とは反対側の側部より突設され前記支持枠組立に形成した受け腕部にスライドして掛合する掛止用突起部と、を備えた空気清浄機と、を具備し、
前記空気清浄機を、前記電気部品箱側面カバーに一端部を嵌め合わせて前記係合固定部と前記仮保持用係止部との係合により仮保持し、そのあと、反掛合方向にスライドさせて他端部を前記支持枠組立に掛止することで、両端部を固定した
ことを特徴とする空気調和機の室内機。
【請求項2】
前記空気清浄機の電源部と前記電気部品箱内の電気部品に電気的に接続するリード線を、前記電気部品箱側面カバーの上端背面側を介して前記電気部品箱内まで延出し、前記リード線の表面を、前記空気清浄機をスライドさせても前記リード線が露出することのないよう構成する配線カバーで保護する
ことを特徴とする請求項1記載の空気調和機の室内機。
【請求項3】
前記空気清浄機の前記係合用片部に形成する前記係合固定部が、前記電気部品箱側面カバーの前記支持用片部の前記固定部と対向した位置に係合された状態で止め具を介して取付け固定した
ことを特徴とする請求項1記載の空気調和機の室内機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−68332(P2013−68332A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−205226(P2011−205226)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(502285664)東芝コンシューマエレクトロニクス・ホールディングス株式会社 (2,480)
【出願人】(503376518)東芝ホームアプライアンス株式会社 (2,436)
【Fターム(参考)】