説明

空気調和機

【課題】
従来、前面パネルを開いた状態に保持するために、前面パネルの裏面の上面両側にある回動用アームに凸部を設けている。この凸部が本体と当接することで、前面パネルを開いた状態に保持することが出来る。現在、前面パネルは、オープンパネルと吸込みグリルから構成されている。その為、現在の前面パネルは、従来よりも重くなっている。そのため、従来の方法では、前面パネルを開いた状態で保持することが出来ない問題があった。
【解決手段】
本発明は、上記問題を解決する為に、本体の前面吸込口を右前面吸込口と左前面吸込口とに区画する桟に、一端を回動可能に軸支された支持部材を設けた。この支持部材の他端が、前面パネルの裏面にある係止部に係止されることで、前面パネルを開いた状態に保持することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前面パネルを開いた状態に保持することで、フィルタを容易に取り出すことのできる空気調和機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、前面パネルを開けた状態で保持するものとして、文献1に示すようなものがある。この文献1に開示されている空気調和機では、図7に示すように、前面パネル2の上部両側には回動用アームを有し、本体1の上面両側には回動用アームを回動自在に軸支する軸受け部を有している。この回動用アームと軸受け部を組み合わせることで前面パネル2を本体1に回動自在に取付けることができる。また、回動用アームには凸部19が設けられ、この凸部19を本体1前面と当接させることで、前面パネル2を開いた状態に保持することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−130796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年の空気調和機の前面パネルは意匠性を良くするために、空気を本体内に取り込む吸込グリルと、同吸込グリルの前面に取付けられたオープンパネルとから構成されている。また、吸込グリルには、オープンパネルの開閉を行う駆動機構を備えているため、前面パネルは、従来の前面パネルよりも重くなっている。その為、文献1に開示されている前面パネルの保持方法では、重さのある前面パネルを開いた状態で保持することが出来ない問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、従来の前面パネルよりも重くなった前面パネルを開いた状態で保持することのできる空気調和機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成する為に、本発明の空気調和機は、少なくとも前面吸込口と吹出口とを有する本体と、同本体の前面に回動自在に取付けられた前面パネルとを備えた空気調和機であって、前記前面吸込口は、桟によって右前面吸込口と左前面吸込口に区画されており、前記桟の前記前面パネルと対向する面には、一端を回動可能に軸支された支持部材が設けられ、前記前面パネルの裏面には、前記支持部材の他端を係止する係止部が設けられている。前記右前面吸込口と前記左前面吸込口には、フィルタが各々備えられ、各々の前記フィルタを清掃するフィルタ清掃ユニットが、前記桟に設置されている。さらに、前記支持部材は、一端が前記桟の上側に軸支され、他端が前記桟の下側に配置されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の空気調和機においては、本体に設けた支持部材を前面パネルの係止部に係止させることで、重い前面パネルであっても安定に開いた状態に保持することが出来る。また、支持部材が軸支されている桟にはフィルタ清掃ユニットが設置される為、フィルタ清掃ユニットがない場合よりも幅広となり、支持部材を軸支できるだけのスペースを確保することができる。さらに、支持部材の上端を桟の上側に軸支することで、前面パネルを高い位置に保持することができ、フィルタの取出しが容易となる。また、前面パネルが閉じている時、支持部材の他端が下側に来るので、使用者の手が届きやすくなり、前記支持部材を容易に起立できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施例の空気調和機を運転している状態を示す斜視図である。
【図2】本実施例の空気調和機の前面パネルを開いている状態を示す斜視図である。
【図3】本実施例の空気調和機の分解斜視図である。
【図4】本実施例の空気調和機の前面パネルを背面側から見た斜視図である。
【図5】本実施例の空気調和機の支持部材が前面パネルを保持した状態を示す斜視図である。
【図6】本実施例の空気調和機の支持部材が桟に接触している状態を示す斜視図である。
【図7】従来発明における空気調和機の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の空気調和機では、前面吸込口に、右前面吸込口と左前面吸込口に区画する桟を備え、前記桟上に回動自在に設置した支持部材により前面パネルを支持することで、前面パネルを開いた状態に保持するものである。
【0010】
以下、本発明の実施の形態における空気調和機について、図1ないし図6を基に説明する。
【0011】
図1および図2に示すように、本体1の前面には、前面パネル2が開閉自在に取付けられている。この前面パネル2は、吸込グリル3とオープンパネル4から構成されている。吸込グリル3は、本体1の前面に回動自在に取付けられおり、本体1内に空気を流入させる為、後述する前面上部の吸込口9を開閉する。オープンパネル4は、吸込グリル3の前面に開閉自在に取付けられおり、本体1の前面の意匠性を良くするためにフラットな形状となっている。本実施例の空気調和機の運転時には、オープンパネル4を開くことで、吸込グリル3から空気を吸い込むことができる。また、本実施例の空気調和機の停止時には、オープンパネル4を閉じることで吸込グリル3が閉じられ、本体1内にチリやホコリが侵入するのを防ぐことができる。
【0012】
また、本体1は、前面上部と上面に吸込口9を形成し、前面下部から下面にかけて吹出口7を形成している。前面上部の吸込口9は、桟15によって右前面吸込口と左前面吸込口に区画されており、この右前面吸込口と左前面吸込口には、フィルタ6が備えられている。このフィルタ6は、空気中のチリやホコリなどを除去するためのものである。
【0013】
前記桟15には、前面パネル2を開いた状態に保持する為に、前面パネル2を支持する支持部材14が設けられている。この支持部材14は、一端が桟15の上側に回動自在に軸支されている。これにより、前面パネル2を高い位置に保持することができ、フィルタ6の取出しが容易となる。また、前面パネル2が閉じている時、支持部材14の他端が下側に来るので、使用者の手が届きやすくなり、支持部材14を容易に起立できる。より詳細には、図5に示すように、支持部材14は、長尺の棒状に形成され、桟15の前面パネル2と対向する面に一端が回動自在に軸支されている。支持部材14を回動して、その他端を前面パネル2の裏面に形成された係止部13に係止することで、前面パネル2を開いた状態に保持することができる。なお、本実施例では、支持部材14は桟15の前面パネル2と対向する面に軸支されているが、これに限定したものではなく、桟15上であれば良い。図6に示すように、支持部材14の他端も桟15上に位置させることで前面パネル2を閉じる時に邪魔になるようなことはない。また、図2に示すように、本体1前面の右端の下部に表示部5が設けている。この表示部5は、運転状態を使用者に知らせるためのものである。
【0014】
図4に示すように、前面パネル2を構成する吸込グリル3の上部両側には、本体1に係止する為の回動軸部11を有している。この回動軸部11は、本体1の上面両側にある回動軸受け部12に軸支されることで、前面パネル2は回動自在に取付けられる。また、吸込グリル3の裏面の中央には、支持部材14の他端を係止する係止部13が形成されている。支持部材14の他端を係止部13に係止することで、前面パネル2を開いた状態に保持することができる。
【0015】
図5に示すように、本体1は、フィルタ清掃ユニット8を取付ける為のフィルタ清掃ユニット取付部17を有する。このフィルタ清掃ユニット8を駆動する為の駆動部16は、本体1の中央にある桟15の上側に設置されている。この駆動部16により、フィルタ6がフィルタ清掃ユニット8に対して移動することで、フィルタ6の掃除が行われる。また、桟15は駆動部16を備えている為、フィルタ清掃ユニット8がない場合よりも幅広となり、支持部材14を軸支するだけのスペースを確保できる。フィルタ6は、本体1のフィルタガイド18に沿って移動するようになっている。
【0016】
次に、前面パネル2の開閉動作について説明する。図2、図5に示すように、支持部材14は、桟15上に、一端を軸支されている。また、前面パネル2を構成する吸込グリル3の背面の中央に、支持部材14の他端を係止する係止部13が設けられている。これにより、前面パネル2を上方に回動した後、支持部材14を上方に回動して、その他端を前面パネル2の係止部13に係止することで、図2に示すように前面パネル2を開いた状態に安定に保持することが出来る。これにより、使用者はフィルタ6の取り外し等の作業を容易に行うことができる。また、前面パネル2を閉じるときは、支持部材14の他端の係止部13による係止を解き、図6に示すように支持部材14を回動して桟15上に位置させることで、前面パネル2は閉じられる。
【符号の説明】
【0017】
1 本体
2 前面パネル
3 吸込グリル
4 オープンパネル
5 表示部
6 フィルタ
7 吹出口
8 フィルタ清掃ユニット
9 吸込口
11 回動軸部
12 回動軸受け部
13 係止部
14 支持部材
15 桟
16 駆動部
17 フィルタ清掃ユニット取付部
18 フィルタガイド
19 凸部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも前面吸込口と吹出口とを有する本体と、
同本体の前面に回動自在に取付けられた前面パネルとを備えた空気調和機であって、
前記前面吸込口は、桟によって右前面吸込口と左前面吸込口に区画されており、
前記桟の前記前面パネルと対向する面には、一端を回動可能に軸支された支持部材が設けられ、
前記前面パネルの裏面には、前記支持部材の他端を係止する係止部が設けられていることを特徴とする空気調和機。
【請求項2】
前記右前面吸込口と前記左前面吸込口には、フィルタが各々備えられ、
各々の前記フィルタを清掃するフィルタ清掃ユニットが、前記桟に設置されていることを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
【請求項3】
前記支持部材は、一端が前記桟の上側に軸支され、他端が前記桟の下側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−141077(P2012−141077A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−292428(P2010−292428)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(000006611)株式会社富士通ゼネラル (1,266)
【Fターム(参考)】