説明

空気調和機

【課題】空気調和機に備えられた各々相関する複数の運転モードの設定を行う際に、相互に及ぼす影響を把握しながら運転モードの設定が行える空気調和機を提供する。
【解決手段】リモコン1は、表示画面11xとタッチパネル11yとからなる操作表示部11と、タッチパネル11yの操作情報に基づいて表示画面11xを制御する制御手段とを備えたものである。使用者は、空気調和機に備えられた各々相関する複数の運転モードのうち1つの運転モードを変更したい時は、リモコン1に備えられた優先設定ボタン11fを押下する。優先設定ボタン11fの押下を認識した制御手段は、表示画面11xに、1つの運転モードを変更した際に他の運転モードに与える影響を表した運転モード設定画面を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和機の操作入力方法とこれによる制御に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の空気調和機では、使用者は意図する空調環境を実現するためにリモコンを操作して、設定温度や室内湿度、風量や風向等といった運転条件を設定していた。そして、これらの運転条件は、設定温度や室内湿度であれば数値によって、風量や風向では予め定められた程度や状態を表す語句(強中弱や上下左右等)を選択することで設定がなされていた。
【0003】
以上のような運転条件の設定方法では、使用者の意図を反映した空調環境を実現するのが困難な場合がある。例えば、真冬日に使用者が帰宅した際、急速に室温が上昇するように空気調和機を運転したいと同時に室内が乾燥するのは避けたいと考えた場合、設定温度を高めに設定するだけでは意図する空調環境を実現できず室内湿度の設定も行う必要がある。このような場合、設定温度と室内湿度の両方を設定しなければならないことは使用者にとって煩わしく、また、意図に応じた設定温度と室内湿度を設定することは使用者にとって感覚的に把握しづらいものである。
【0004】
そこで、リモコンの表示部に、特定の2つの運転条件を縦横方向に対応させて表示し、使用者の意図する空調環境を言葉で表現した意図表記領域を上記2つの運転条件の値に対応付けて表示するリモコンを備えた空気調和機が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0005】
特許文献1に記載の空気調和機は、リモコンの液晶表示装置上に、空気調和に関わる運転条件である温度を横軸に、湿度を縦軸にそれぞれ表示し、それぞれの座標に対応して、「さわやかに」、「快適に」、「蒸し暑く」、「冷たく」等といった、使用者の意図する空調環境を言葉で表現した意図表記領域が表示されている。使用者は、リモコンを操作して現在の意図に近い意図表記領域を選択する。リモコンは、選択された意図に対応する運転条件(設定温度や室内湿度、風量や風向等)を空気調和機に送信する。そして、空気調和機は、受信した運転条件に基づいた空調運転を行う。
【0006】
以上説明した空気調和機では、使用者は、例えば設定温度や室内湿度といった数値に置き換えて運転条件を設定しなくても、現在の意図に近い意図表記領域を選択するだけでよいので、意図する空調環境となるような空調運転を的確に行うことができ、かつ、煩わしい設定作業を行わなくて済む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平10−259948号公報(第3〜4頁、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
近年、空気調和機には通常の空調制御に関する運転条件に加えて、複数の運転モードを備えたものが提案されている。この運転モードは、各々の実行レベルを変更することで他の運転モードに影響を与えるものであり、例えば、室外機に備えられた圧縮機の回転数を低くし、消費電力を抑える運転を行う省エネ運転モード、室内機の室内ファンの回転数を低くし、室内機での騒音を抑える静音モード、圧縮および室内ファンの回転数を一時的に所定の値まで上昇させ、設定温度に室温が到達する時間を短縮する急速運転モード、等といったものである。尚、ここで各々の実行レベルとは、例えば、省エネ運転モードであれば消費電力の増減度合い、静音モードであれば空気調和機で発生する騒音の高低度合い、急速運転モードであれば室温が設定温度となるまでの時間の長短度合い、を各々意味する。
【0009】
一般的に、上記運転モードの開始/停止やその実行レベルは、使用者がリモコンや空気調和機本体を操作することで設定できるようになっている。しかし、特許文献1に記載のものを含め従来の空気調和機では、例えば、使用者が「省エネ運転は行いたいが室温を急速に設定温度にしたい」という意図を持っている際に、急速運転モードの実行レベルをどれくらいに設定すれば省エネ運転と両立できるか、といったことに関する情報提供は使用者にはなされないため、一つの運転モードを設定した際に他の運転モードにどのような影響を及ぼすかが把握しづらいという問題があった。
【0010】
本発明は以上述べた問題点を解決するものであって、空気調和機に備えられた各々相関する複数の運転モードの設定を行う際に、相互に及ぼす影響を把握しながら運転モードの設定が行える空気調和機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記した課題を解決するために、本発明の空気調和機は、表示手段と、操作手段と、操作手段の操作情報に基づいて表示手段を制御する制御手段とを備えた表示装置を有するものである。この空気調和機には複数の運転モードが備えられ、複数の運転モードは各々複数の実行レベルを有し、一の運転モードの実行レベルが変化すれば他の運転モードの実行レベルも変化する相関関係にあり、また、表示手段には、複数の運転モードの実行レベルが表示される。そして、制御手段は、操作手段の選択により一の運転モードの実行レベルが変更されたとき他の運転モードの実行レベルの変化を表した運転モード設定画面を表示手段に表示するものである。
【発明の効果】
【0012】
上記のように構成した本発明の空気調和機によれば、一つの運転モードの実行レベルを変更すれば、他の運転モードの実行レベルをにどのように影響するかを運転モード設定画面によって表示手段に表示するので、空気調和機の使用者は、各運転モードの設定の際に、各運転モード相互の関係を把握しながら設定を行うことができ、より自分の意図に沿った空調制御を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施例である空気調和機のリモコン外観図であり、(A)は開閉蓋を閉じた状態図、(B)は開閉蓋を開いた状態図、(C)は表示手段の説明図である。
【図2】本発明の実施例である空気調和機のリモコンにおける、要部構成ブロック図である。
【図3】本発明の実施例である空気調和機のリモコンにおける、表示手段の操作説明図であり、(A)〜(F)は操作手順を表している。
【図4】本発明の実施例である空気調和機のリモコンにおける、表示手段の操作説明図であり、(A)および(B)は図3と異なる操作をした場合の状態説明図である。
【図5】本発明の実施例である空気調和機のリモコンにおける、表示手段の運転モード設定部が図3と異なる場合の操作説明図であり、(A)〜(F)は操作手順を表している。
【図6】本発明の他の実施例である空気調和機のリモコンにおける、運転モード設定時の操作説明図であり、(A)〜(G)は操作手順を表している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に基づいて詳細に説明する。実施例としては、表示装置として1台の室内機と1台の室外機とからなる空気調和機のリモコンを例に挙げて説明する。尚、本発明は以下の実施形態に限定されることはなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
【実施例1】
【0015】
本実施例のリモコン1は、図1に示すように、樹脂材で略直方体形状の箱体に形成された筺体16を有し、筺体16の長手方向の一端(上端)には、赤外線発光ダイオードや樹脂材からなるカバー等で構成された後述する送信部14が設けられている。
【0016】
筺体16の前面には、図1(A)に示すように、上端側に操作表示部11が、下端側に開閉蓋17が、それぞれ設けられている。開閉蓋17の下端部17aは、図1(B)に示すように、筺体16の下端に軸支され、ここを支点として回動することによって開閉することができ、開閉蓋17を開放した筺体16には操作キー12が配置されている。
【0017】
操作表示部11は、図1(C)に示すように、前面に設けられた操作手段であるタッチパネル11yとこのタッチパネル11yと対応する画面を表示する液晶ディスプレイからなる表示手段である表示画面11xとで構成されている。具体的には、表示画面11xが画面に設定温度や運転モード、風量等の空調運転に関する設定項目や、運転開始や設定開始等の指示内容を表示し、タッチパネル11yの各操作ボタンが上記表示位置に対応して配置されることによって、以下に説明する各種ボタン(11b〜11f)となっている。尚、表示画面11xの中央部は、各種設定時の数値や条件を選択するための画像等が表示される中央表示部11aとされている。
【0018】
温度設定ボタン11bは、空調運転時の目標室温となる設定温度を選択・決定するボタンである。温度設定ボタン11bを押下すると、図3(B)に示すように、中央表示部11aに上昇/下降の2つのボタンからなる設定ボタン11a1が表示される。使用者は、設定ボタン11a1を押下して温度設定ボタン11bに所望する設定温度を表示して温度設定ボタン11bを再度押下することで設定温度を決定する。
【0019】
空調モード設定ボタン11cは、冷房/暖房/除湿等といった空調モードを選択・決定するボタンである。空調モード設定ボタン11cを押下すると、図3(B)に示すように、中央表示部11aに設定ボタン11a1が表示される。使用者は、設定ボタン11a1を押下して空調モード設定ボタン11cに所望する空調モードを表示して空調モード設定ボタン11cを再度押下することで空調モードを決定する。
【0020】
風量・風向設定ボタン11dは、例えば、「強」「中」「弱」「自動」といった、室内機の吹出口から部屋に供給される空調空気の吹出し強度や、「左右スイング」「上下スイング」「停止」「自動」といった、空調空気の吹出し方向を選択・決定するボタンであり、風量・風向設定ボタン11dを押下する度に、風量を設定する状態と風向を設定する状態とに交互に切り換わる。風量・風向設定ボタン11dを押下して風量を設定する状態とした場合は、図3(B)に示すように、中央表示部11aに設定ボタン11a1が表示される。使用者は、設定ボタン11a1を押下して風量・風向設定ボタン11dに所望する風量を表示して風量・風向設定ボタン11dを再度押下することで風量を決定する。また、風量・風向設定ボタン11dを押下して風向を設定する状態とした場合、使用者は、設定ボタン11a1を押下して風量・風向設定ボタン11dに所望する吹出し方向を表示して風量・風向設定ボタン11dを再度押下することで風向を決定する。
【0021】
尚、以上説明した温度設定ボタン11b、空調モード設定ボタン11cおよび風量・風向設定ボタン11dについては、各設定ボタンを押下する度に各設定ボタンの表示が変化していくようにしてもよく、例えば、空調モード設定ボタン11cの場合は、押下する度に空調モード設定ボタン11cの表示が「冷房」→「暖房」→「除湿」→「自動」というように変化するようにしてもよい。
【0022】
運転ボタン11eは、空気調和機の運転開始/停止を指示するボタンであり、空気調和機が停止中は「運転」と表示され、空気調和機が運転中は図示しないが「停止」と表示される。
【0023】
優先設定ボタン11fは、相関する複数の運転モードの設定を行うためのボタンであり、詳細は後述するが、優先設定ボタン11fが押下されると、図3に示すように、中央表示部11aに運転モード設定画面110が表示され、運転モード設定画面110にて運転モードの実行レベルが設定できる。尚、優先設定ボタン11fは、運転モード設定を行う際には、運転モード設定を中止もしくは完了するための戻りボタン11gと、設定した運転モードの実行レベルを解除もしくは取り消すための解除ボタン11hとになる。
【0024】
操作キー12は、操作表示部11のタッチパネル11yに備えられた各種設定ボタンのうち、一部の機能を実現するよう補助的に設けられたキーであり、タッチパネル11yが操作しづらい場合を想定して、設定温度や運転モードが設定できるよう最低限の設定キーが設けられている。また、これら以外に、タイマー運転設定キー、リモコン1を初期状態に戻すためのリセットキー等も設けられている。
【0025】
次に、リモコン1の要部構成について、図2を用いて説明する。リモコン1は、図2に示すように、上述した操作表示部11および操作キー12に加え、記憶部13と、送信部14と、これらを制御する制御手段15とを備えている。また、操作表示部11は表示画面11xとタッチパネル11yとから構成されている。
【0026】
記憶部13には、操作表示部11や操作キー12に対応する制御コードや、各種データやプログラム等が記憶されている。
【0027】
制御手段15は、使用者によって操作された操作表示部11や操作キー12に対応する制御コードを記憶部13から読み出し、この制御コードから送信コードを生成して送信部14へ出力する。また、操作内容に対応した表示画面を操作表示部11の表示画面11xに表示する。
送信部14は、制御手段15から入力した送信コードに基づいた赤外線信号を空気調和機に送信する。
【0028】
次に、図1乃至図3を用いて、本発明の空気調和機のリモコン1における、空気調和機に備えられた相関する複数の運転モードの設定方法について具体的に説明し、一つの運転モードの変更による他の運転モードへの影響を表示することによる効果について説明する。尚、以下の説明では、空気調和機に備えられた相関する複数の運転モードとして、室外機に備えられた圧縮機の回転数を低くし、消費電力を抑える省エネ運転モード、室内機の室内ファンの回転数を低くし、室内機での騒音を抑える静音モード、および、圧縮および室内ファンの回転数を一時的に所定の値まで上昇させ、設定温度に室温が到達する時間を短縮する急速運転モード、の3つの運転モードを備えているものとする。
【0029】
また、以下の説明では、空気調和機は設定温度:26℃で冷房運転を行っている場合を例に挙げ、制御手段15は、各運転モードの変更を行っても設定温度は変えないように制御するものとして説明する。また、空気調和機の停止時は、リモコン1の操作表示部11には運転ボタン11eと現在の時刻のみ表示されているものとする。
【0030】
使用者は、空気調和機の運転を開始するため、図3(A)に示すように、操作表示部11の運転ボタン11eを押下する。運転ボタン11eが押下されると、制御手段15は、運転開始信号を空気調和機に送信するとともに、温度設定ボタン11b、運転モードボタン11cおよび風量・風向設定ボタン11dを、現在の設定状態とともに表示画面11xに表示する。また、制御手段15は、優先設定ボタン11fを表示するとともに、図3(B)に示すように、運転ボタン11eの表示を「停止」に変更する。尚、運転ボタン11eが押下されて空気調和機が運転を開始した時は、制御手段15は中央表示部11aには何も表示しない。
【0031】
使用者は、空気調和機の運転を開始すると、温度設定ボタン11b、運転モードボタン11cおよび風量・風向設定ボタン11dをそれぞれ押下して、意図する空調環境となるように各種設定を行う。この時、図3(B)に示すように、制御手段15は、中央表示部11aに設定ボタン11a1を表示する。尚、制御手段15は設定された内容に対応した送信コードを生成して送信部14に出力し、送信部14は入力した送信コードに基づいた赤外線信号を空気調和機に送信する。
【0032】
空気調和機の運転中に、使用者が複数の運転モードのうちいずれかを開始、または、現在実行している運転モードの設定変更をしたい場合、図3(B)に示すように、優先設定ボタン11fを押下する。
【0033】
優先設定ボタン11fが押下されると、制御手段15は、図3(C)に示すように、風量・風向設定ボタン11dの表示を現在の風量を示す風量表示11d1に、優先設定ボタン11fの表示を戻りボタン11gおよび解除ボタン11hの表示に、また、運転ボタン11eの表示を設定ボタン11e1の表示に、それぞれ変更するとともに、中央表示部11aに運転モード設定画面110を表示する。
【0034】
運転モード設定画面110は、各運転モードの実行レベルに対応する3本の座標軸111と、現在の各運転モードの実行レベルを表示しタッチパネル11yの操作ボタンが対応付けられたレベル設定ボタン112とからなるレーダーチャートで表示される。3本の座標軸111は、運転モード設定画面110の中心部に各軸の原点をまとめて放射線状に表示されており、それぞれ、省エネ運転モードの実行レベルに対応する省エネ座標軸111a、静音モードの実行レベルに対応する静音座標軸111b、急速運転モードの実行レベルに対応する急速座標軸111c、とされている。
【0035】
座標軸111の目盛りは各運転モードの実行レベルと対応しており、各々の目盛り1〜3が実行レベル1〜3と対応している。尚、図3(C)では、各座標目盛りに数字を付しているが、これは本実施例の説明のためであって、実際の運転モード設定画面110にはこの数字は表示されなくてもよい。
【0036】
実行レベルは、省エネ座標軸111aでは、レベル1から3と大きくなるに従って省エネ効果が大きくなり、静音座標軸111bでは、レベル1から3と大きくなるに従って室内機から発生する騒音が小さく(静音効果が大きく)なり、急速座標軸111cでは、レベル1から3と大きくなるに従って設定温度に室温が到達する時間が短くなる。
【0037】
また、運転モード設定画面110では、各運転モードは短縮して表示され、省エネ運転モードは「省エネ」、静音モードは「静音」、急速運転モードは「急速」とそれぞれ表示される。また、レベル設定ボタン112は、初期状態(設置後に空気調和機を初めて運転する際や、停止していた空気調和機の運転を開始した際)では、図3(C)に示すように、全ての座標軸111において実行レベル:2の位置に設定されている。
【0038】
使用者は、各運転モードの実行レベルを変更したい時は、レベル設定ボタン112に手指を接触させ、そのまま各座標軸111に沿ってレベル設定ボタン112を移動させる。例えば、図3(C)に示す初期状態から、室内機の騒音を下げたい、つまり、静音モードの実行レベルを上げたいと思えば、図3(D)に示すように、静音座標軸111b上の目盛り2に表示されているレベル設定ボタン112に手指を接触させ、レベル設定ボタン112を目盛り2から目盛り3に移動させる。この操作により、静音モードの実行レベルが2から3に上がる。尚、この時風量表示部11d1の風量表示は、図3(C)の状態から図3(D)の状態に変化し、黒塗りの部分を少なすることで風量が低下したことを表示する。
【0039】
静音モードの実行レベルを上げるということは、室内機の室内ファンの回転数を下げるということである。従って、室温を設定温度:26℃に維持しようとすれば、室外機に備えられた圧縮機の回転数を上げて室内熱交換器に流す冷媒量を増加させる必要があり、空気調和機全体としての消費電力が増えて省エネ性が下がる。また、室内ファンの回転数を下げることによって室内に供給される空調空気が減少するので、一旦上昇した室温を設定温度である26℃に戻す時間が長くなる。
【0040】
従って、制御手段15は、使用者が静音座標軸111b上のレベル設定ボタン112を操作して静音モードの実行レベルを2から3に上げた場合、省エネ運転モードの実行レベルが低下することと、急速運転モードの実行レベルが低下することを運転モード設定画面110に表示する。具体的には、図3(D)に示すように、制御手段15は、静音モードの実行レベルが2から3に上げられると、これに連動して省エネ座標軸111a上および急速座標軸111c上のレベル設定ボタン112の表示位置をそれぞれ移動させ、省エネ座標軸111a上のレベル設定ボタン112の位置が2から1となる、つまり、省エネ運転モードの実行レベルが2から1に下がり、急速座標軸111c上のレベル設定ボタン112の位置が2から1となる、つまり、急速運転モードの実行レベルが2から1に下がることを、運転モード設定画面110に表示する。
【0041】
以上のように、一の運転モードの実行レベルを変更すれば、他の運転モードの実行レベルにどのように影響するかを運転モード設定画面110に表示するので、使用者は運転モードの設定の際に、各運転モード相互の関係を把握しながら設定を行うことができる。従って、例えば、省エネ志向の強い使用者であれば、急速運転モードを使用したいときや静音モードを使用したいときでも、省エネ効果を考慮しながら各運転モードの実行レベルの設定が行える、といったように、使用者の意図により沿った各運転モードの設定が行える。
【0042】
使用者は、図3(D)に示すように静音モードの実行レベルを設定し、他の運転モードに及ぼす影響を確認してこれでよいと判断すれば、図3(E)に示すように、設定ボタン11e1を押下して上記設定を確定させる。設定ボタン11e1の押下を認識した制御手段15は、図3(F)に示すように、戻りボタン11gおよび解除ボタン11hの表示を優先設定ボタン11fの表示に、また、設定ボタン11e1の表示を運転ボタン11eの表示に、それぞれ戻して表示するとともに、設定された各運転モードの実行レベルに対応する制御信号を生成し、送信部14を介して空気調和機に送信する。
【0043】
尚、図3(E)の状態で、使用者が戻るボタン11gを押下すれば、制御手段15は、変更した静音座標軸111b上のレベル設定ボタン112の表示位置を元の状態に戻す、つまり、操作表示部11の表示を図3(C)の状態に戻す。また、図3(C)乃至(E)の状態で、使用者が解除ボタン11hを押下すれば、制御手段15は、運転モードを設定する状態を取りやめて操作表示部11の表示を図3(A)の状態に戻す。
【0044】
また、記憶部13には、各運転モードの実行レベルと空気調和機に備えられた装置の制御パラメータ(例えば、圧縮機や室内ファンの回転)とを対応づけたテーブルが記憶されており、制御手段15は、各運転モードの実行レベルが設定されれば、記憶部13にアクセスしてこのテーブルから設定内容に対応した制御パラメータを読み出し、これに基づいて制御信号を生成する。
【0045】
以上説明した実施例では、静音モードの実行レベルを変更した場合を説明したが、他の運転モードの実行レベルを変更した場合、例えば、図4(A)に示すように、急速運転モードの実行レベルを2から3に上げた場合、室内機の室内ファン回転数を上げる必要があるためこれに起因する騒音は増加するが、室内ファン回転数を上げることによる消費電力の増加量は空気調和機全体の消費電力と比べると微々たるものであるので、制御手段15は、静音座標軸111b上のレベル設定ボタン112を2から1に移動させて表示するとともに、省エネ座標軸111a上のレベル設定ボタン112はそのままの位置に表示する。
【0046】
また、以上の説明では設定温度は変更しないという条件で説明したが、例えば、省エネ運転モードの実行レベルを2から3に上げた場合、室外機の圧縮機回転数を下げるとともに室内ファンの回転数を下げることとなり、これにより設定温度の実現が困難となる場合が考えられる。このような場合には、図4(B)に示すように、制御手段15が、静音座標軸111b上のレベル設定ボタン112を2から3に、急速座標軸111c上のレベル設定ボタン112を2から1に、それぞれ移動させて表示するとともに、温度設定ボタン11bに表示されている設定温度を上げて(例えば、26℃から28℃)表示し、変更した設定温度となるような制御信号を室内機に送信するようにしてもよい。
【0047】
また、運転モード設定画面110が、座標軸111とレベル設定ボタン112とで構成される場合について説明したが、他の表示形態、例えば、図5に示すように、各運転モードの実行レベルに対応した操作バー121からなる運転モード設定画面120であってもよい。
【0048】
図5に示す操作表示部11は、運転モード設定画面120以外については、図3を用いて説明した操作方法や動作原理、効果等と同一であるため詳細な説明を省略し、以下では主に図5(C)および図5(D)を用いて運転モード設定画面120に関する説明を行う。運転モード設定画面120は、各運転モードの実行レベルに対応する3本の操作バー121からなる。
【0049】
3本の操作バー121は、図5(C)に示すように、棒グラフ状の形状で運転モード設定画面120に横方向に並んで表示されており、それぞれ、省エネ運転モードの実行レベルに対応する省エネ操作バー121a、静音モードの実行レベルに対応する静音操作バー121b、急速運転モードの実行レベルに対応する急速操作バー121c、とされている。
【0050】
各操作バー121は4つのブロックに仕切られており、各ブロックに対応してタッチパネル11yの操作ボタンが割り当てられている。各ブロックは対応する運転モードの実行レベルと対応しており、各々のブロック1〜4が実行レベル1〜4と対応している。尚、図5(C)では、各ブロックに数字を付しているが、これは本実施例の説明のためであって、実際の運転モード設定画面120にはこの数字は表示されなくてもよい。
【0051】
実行レベルは、省エネ操作バー121aでは、レベル1から4と大きくなるに従って省エネ効果が大きくなり、静音操作バー121bでは、レベル1から4と大きくなるに従って室内機から発生する騒音が小さく(静音効果が大きく)なり、急速操作バー121cでは、レベル1から4と大きくなるに従って設定温度に室温が到達する時間が短くなる。
【0052】
尚、運転モード設定画面120では、各運転モードは短縮して表示され、省エネ運転モードは「省エネ」、静音モードは「静音」、急速運転モードは「急速」とそれぞれ表示される。また、操作バー121では、ブロックに手指を合わせ、手指をスライドさせることで実行レベルを変更することができる。そして、手指が接触しているブロック以下が白色からグレー色に表示が切り替わり、グレー色の状態がその実行レベルが選択されている状態を示している。尚、初期状態(設置後に空気調和機を初めて運転する際や、停止していた空気調和機の運転を開始した際)では、図5(C)に示すように、全ての操作バー121において実行レベル:2の位置に設定されているため、各ブロックにおいて実行レベル2に対応するブロック以下がグレー色で表示されている。
【0053】
使用者は、各運転モードの実行レベルを変更したい時は、操作バー121のブロックを手指で押下する。例えば、図5(C)に示す初期状態から、室内機の騒音を下げたい、つまり、静音モードの実行レベルを上げたいと思えば、図5(D)に示すように、静音操作バー121bのブロック4を押下する。この操作により、静音モードの実行レベルが2から4に上がる。尚、この時風量表示部11d1の風量表示は、図5(C)の状態から図5(D)の状態に変化し、黒塗りの部分を少なくすることで風量が低下したことを表示する。
【0054】
静音モードの実行レベルを上げるということは、室内機の室内ファンの回転数を下げるということである。従って、室温を設定温度:26℃に維持しようとすれば、室外機に備えられた圧縮機の回転数を上げて室内熱交換器に流す冷媒量を増加させる必要があり、空気調和機全体としての消費電力が増えて省エネ性が下がる。また、室内ファンの回転数を下げることによって室内に供給される空調空気が減少するので、一旦上昇した室温を設定温度である26℃に戻す時間が長くなる。
【0055】
従って、制御手段15は、静音操作バー121bのブロックが押下されて静音モードの実行レベルが2から4に上げられた場合、省エネ運転モードの実行レベルが低下することと、急速運転モードの実行レベルが低下することを運転モード設定画面120に表示する。具体的には、図5(D)に示すように、制御手段15は、静音モードの実行レベルが2から4に上げられると、これに連動して省エネ操作バー121aおよび急速操作バー121cのグレー色となるブロックが1となる、つまり、省エネ運転モードの実行レベルおよび急速運転モードの実行レベルが2から1に下がることを、運転モード設定画面120に表示する。
【実施例2】
【0056】
次に、本発明の空気調和機のリモコンの第2の実施例について説明する。尚、本実施例では、リモコンの基本的な構成要素や、運転モードの実行レベルを設定した際の相互の影響を表示する原理や方法については、第1の実施例と同じであるため、詳細な説明を省略する。第1の実施例と異なるのは、表示画面の前面にタッチパネルを備えず、運転モードの実行レベル設定を操作キーで行うことである。
【0057】
本実施例のリモコン2は、図6に示すように、樹脂材で略直方体形状の箱体に形成された筺体23を有し、筺体23の長手方向の一端(上端)には、赤外線発光ダイオードや樹脂材からなるカバー等で構成された送信部14が設けられている。
【0058】
筺体23の前面には、上端側に表示手段である表示画面21が、下端側に操作手段である操作キー22が、それぞれ設けられている。表示画面21は、例えば液晶ディスプレイであり、空調運転に関する設定運転モードや、使用者の指示した内容を表示するものであり、本実施例のリモコン2では、表示画面21の上部から順に、設定温度を表示する温度表示部21b、冷房・暖房等といった運転モードを表示する空調モード表示部21c、室内機の吹出口から部屋に供給される空調空気の吹出し強度や吹出し方向を表示する風量・風向表示部21d、各種設定時の数値や条件等を表示する状態表示部21aとされている。
【0059】
操作キー22は、使用者が空気調和機の運転に際し、様々な設定や指示を行うためのものであり、運転キー22a,優先設定キー22b、選択キー22c、調節キー22d、決定キー22e、戻るキー22f、およびタイマーキー22gから構成されている。
【0060】
運転キー22aは、空気調和機の運転開始/停止を指示するキーである。優先設定キー22bは、運転モードの設定を行うためのキーであり、優先設定キー22bを押下すると状態表示部21aに運転モード設定画面210が表示されるが、詳細は後述する。
【0061】
選択キー22cは、上昇および下降の2つのキーからなり、設定したい運転条件を選択するためのものである。調整キー22dは、プラス(+)およびマイナス(−)の2つのキーからなり、選択キー22cで選択した設定したい運転条件を変更するためのものである。
【0062】
決定キー22eは、選択キー22cや調整キー22dを操作して設定した内容を確定するためのものである。戻るキー22fは、選択キー22cや調整キー22dを操作して設定した内容を取り消して元の状態に戻すためのものである。タイマーキー22gは、空気調和機のタイマー運転設定を行うためのものである。
【0063】
次に、図2および図6を用いて、本発明の空気調和機のリモコン2における、運転モードの設定方法について具体的に説明する。尚、以下の説明では、第1の実施例と同じく、空気調和機は運転モードとして、省エネ運転モード、静音モード、および、急速運転モードの3つの運転モードを備えているものとする。また、リモコン2の要部構成は、第1の実施例で説明したリモコン1と同様とする。また、空気調和機は設定温度:26℃で冷房運転を行っている場合を例に挙げ、リモコン2の制御手段15は、各運転モードの変更を行っても設定温度は変えないものとして説明する。
【0064】
使用者は、空気調和機の運転を開始するため、図6(A)に示すように、運転キー22aを押下する。尚、図6において、押下される操作キー22は、説明の便宜上、グレー色で表示している。運転キー22aが押下されると、制御手段15は、運転開始信号を空気調和機に送信するとともに、表示画面21の温度表示部21b、空調モード表示部21c、風量・風向表示部21dに現在の設定内容を表示する。ここでは、設定温度は「26℃」、運転モードは「冷房」、風量は「自動」と表示されている。尚、運転キー22aが押下されて空気調和機が運転を開始した時は、制御手段は状態表示部21aには何も表示しない。また、空気調和機の停止時は、リモコン2の表示画面21には現在の時刻のみ表示されるものとする。
【0065】
使用者は、空気調和機の運転を開始すると、操作キー22を操作して、意図する空調環境となるように各種設定を行う。例えば、使用者が設定温度を変更するために選択キー22cを押下すれば、制御手段15は、温度表示部21bの表示を点滅させて設定温度が変更できることを示す状態とする。この状態で、使用者は調節キー22dを押下することで設定温度を上下でき、意図する設定温度となれば、決定キー22eを押下することで設定が確定する。設定温度以外の運転条件を設定したい場合は、選択キー22cを押下して所望の表示エリアを点滅させてから調節キー22dを押下して各種設定を行う。制御手段15は設定された内容に対応した制御信号を、送信部14を介して空気調和機に送信する。
【0066】
空気調和機の運転中に、使用者が複数存在する運転モードのうちいずれかを開始、または、現在実行している運転モードの設定変更をしたい場合、図6(B)に示すように、使用者は優先設定キー22bを押下する。
【0067】
優先設定キー22bが押下されると、制御手段15は、図6(C)に示すように、風量・風向表示部21dの表示を現在の風量を示す風量表示に変更するとともに、状態表示部21aに運転モード設定画面210を表示する。
【0068】
運転モード設定画面210は、各運転モードの実行レベルに対応する3本の座標軸211と、現在の各運転モードの実行レベルを表示するレベル表示点212と、設定内容を取り消す取消指示部213とからなる。3本の座標軸211は、運転モード設定画面210の中心部に各軸の原点をまとめて放射線状に表示されており、それぞれ、省エネ運転モードの実行レベルに対応する省エネ座標軸211a、静音モードの実行レベルに対応する静音座標軸211b、急速運転モードの実行レベルに対応する急速座標軸211c、とされている。
【0069】
座標軸211の目盛りは各運転モードの実行レベルと対応しており、各々の目盛り1〜3が実行レベル1〜3と対応している。尚、図6(C)では、各座標目盛りに数字を付しているが、これは本実施例の説明のためであって、実際の運転モード設定画面210にはこの数字は表示されなくてもよい。また、レベル表示点212は全てグレー色で表示されている。
【0070】
実行レベルは、省エネ座標軸211aでは、レベル1から3と大きくなるに従って省エネ効果が大きくなり、静音座標軸211bでは、レベル1から3と大きくなるに従って室内機から発生する騒音が小さく(静音効果が大きく)なり、急速座標軸211cでは、レベル1から3と大きくなるに従って設定温度に室温が到達する時間が短くなる。
【0071】
尚、運転モード設定画面210では、各運転モードは短縮して表示され、省エネ運転モードは「省エネ」、静音モードは「静音」、急速運転モードは「急速」とそれぞれ表示される。また、初期状態(設置後に空気調和機を初めて運転する際や、停止していた空気調和機の運転を開始した際)では、全てのモードの実行レベルは「2」に設定されており、図6(C)に示すように、レベル表示点212は、全ての座標軸211において実行レベル:2の位置に表示されている。
【0072】
使用者は、各運転モードの実行レベルを変更したい時は、選択キー22cを操作して変更したい運転モードを選択する。例えば、図6(C)に示す初期状態から、室内機の騒音を下げたい、つまり、静音モードの実行レベルを上げたいと思えば、図6(D)に示すように、選択キー22cを操作して運転モード設定画面210の「静音」を選択する。尚、「静音」が選択されたことは、「静音」の表示箇所を白色からグレー色に変更したことと、静音座標軸211b上のレベル表示点212がグレー色から黒色に変更したことで表示される。
【0073】
次に、使用者は、図6(E)に示すように、調節キー22dを操作して静音座標軸211b上のレベル表示点212を目盛り2から目盛り3に移動させる。そして、図6(F)に示すように、使用者が決定キー22eを押下すれば、制御手段15は、静音モードの実行レベルを2から3に上げるとともに、図6(G)に示すように、運転モード設定画面210の「静音」の表示箇所のグレー色を白色に戻し、静音座標軸211b上のレベル表示点212が黒色からグレー色に戻すことで、設定が完了したことを使用者に表示する。尚、上記操作において、風量・風向表示部21dの風量表示は、図6(C)の状態から図6(E)の状態に変化し、黒塗りの部分を少なくすることで風量が低下したことを表示する。
【0074】
尚、図6(F)の状態で、使用者が戻るキー22fを押下すれば、制御手段15は、変更した静音座標軸211b上のレベル表示点212の表示位置を元の状態に戻す、つまり、表示画面21の表示を図6(C)の状態に戻す。また、図6(C)乃至(F)の状態で、使用者が選択キー22cを押下して取消指示部213を選択し決定キー22eを押下すれば、制御手段15は、運転モードを設定する状態を取りやめて表示画面21の表示を図6(A)の状態に戻す。
【0075】
静音モードの実行レベルを上げるということは、室内機の室内ファンの回転数を下げるということである。従って、室温を設定温度:26℃に維持しようとすれば、室外機に備えられた圧縮機の回転数を上げて室内熱交換器に流す冷媒量を増加させる必要があり、空気調和機全体としての消費電力が増えて省エネ性が下がる。また、室内ファンの回転数を下げることによって室内に供給される空調空気が減少するので、一旦上昇した室温を設定温度である26℃に戻す時間が長くなる。
【0076】
従って、制御手段15は、使用者が操作キー22を操作して静音モードの実行レベルを2から3に上げた場合、省エネ運転モードの実行レベルが低下することと、急速運転モードの実行レベルが低下することを運転モード設定画面210に表示する。具体的には、図6(E)および(F)に示すように、制御手段15は、静音モードの実行レベルが2から3に上げられると、これに連動して省エネ座標軸211a上のレベル表示点212の表示位置が2から1となる、つまり、省エネ運転モードの実行レベルが2から1に下がり、急速座標軸211c上のレベル表示点212の表示位置が2から1となる、つまり、急速運転モードの実行レベルが2から1に下がることを、運転モード設定画面210に表示する。
【0077】
以上のように、1つの運転モードの実行レベルを変更すれば、他の運転モードの実行レベルにどのように影響するかを運転モード設定画面210に表示するので、使用者は運転モードの設定の際に、各運転モード相互の関係を把握しながら設定を行うことができる。従って、例えば、省エネ志向の強い使用者であれば、急速運転モードを使用したいときや静音モードを使用したいときでも、省エネ効果を考慮しながら各運転モードの実行レベルの設定が行える、といったように、使用者の意図により沿った各運転モードの設定が行える。
【0078】
以上説明した実施例では、運転モード設定画面210は、座標軸211とレベル表示点212とで構成される場合について説明したが、他の表示形態、例えば、図5を用いて説明したような、各運転モードの実行レベルに対応した棒グラフ状の実行レベル表示部からなり、選択されている実行レベルを、例えばグレー色として表示するものであってもよい。
【0079】
以上説明したように、本発明の空気調和機は、一つの運転モードを変更すれば、他の運転モードにどのように影響するかを運転モード設定画面によって表示装置に表示するので、空気調和機の使用者は、各運転モードの設定の際に、各運転モード相互の関係を把握しながら設定を行うことができ、より自分の意図に沿った空調制御を実現できる。
【0080】
尚、以上説明した2つの実施例では、空気調和機に備えられた運転モードとして、省エネ運転モードと静音モードと急速運転モードとを備える場合について説明したが、これらに代わり、あるいは、これらに加えて、マイナスイオン発生器を備え空調空気にマイナスイオンを乗せて部屋に拡散させる「うるおいモード」や、芳香剤を散布させる芳香発生器を備え空調空気に芳香成分を乗せて部屋に拡散させる「リラックスモード」等といった、別の運転モードを用いるようにしてもよい。
【0081】
また、表示装置がリモコンである場合について説明したが、これに限るものでなく、表示装置が空気調和機本体、例えば、ウインドエアコンや空気清浄機、脱臭機等の本体筺体に備えられていてもよく、また、複数の室内機と室外機からなる空気調和装置では、これらを管理する中央管理装置に表示装置が備えられていてもよい。尚、表示装置が空気調和機本体に備えられている場合は、空気調和機本体の制御手段が表示装置の制御手段を兼ねてもよい。
【符号の説明】
【0082】
1 リモコン
2 リモコン
11 操作表示部
11a 中央表示部
11d1 風量表示部
11f 優先設定ボタン
11x 表示画面
11y タッチパネル
15 制御手段
21 表示画面
21a 状態表示部
22 操作キー
22b 優先設定キー
22c 選択キー
22d 調節キー
22e 決定キー
110 運転モード設定画面
111 座標軸
111a 省エネ座標軸
111b 静音座標軸
111c 急速座標軸
112 レベル設定ボタン
120 運転モード設定画面
121 操作バー
121a 省エネ操作バー
121b 静音操作バー
121c 急速操作バー
210 運転モード設定画面
211 座標軸
211a 省エネ座標軸
211b 静音座標軸
211c 急速座標軸
212 レベル表示点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段と、操作手段と、同操作手段の操作情報に基づいて前記表示手段を制御する制御手段とを備えた表示装置を有する空気調和機であって、
前記空気調和機には複数の運転モードが備えられ、
前記運転モードは各々複数の実行レベルを有し、一の前記運転モードの前記実行レベルが変化すれば他の前記運転モードの前記実行レベルも変化する相関関係にあり、
前記表示手段には、複数の前記運転モードの前記実行レベルが表示され、
前記制御手段は、前記操作手段により一の前記運転モードの前記実行レベルが変更されたとき他の前記運転モードの前記実行レベルの変化を表した運転モード設定画面を前記表示手段に表示することを特徴とする空気調和機。
【請求項2】
前記操作手段は、前記表示手段に表示される表示画面と対応して配置されるタッチパネルであることを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
【請求項3】
前記複数の運転モードは、前記空気調和機での消費電力を増減する省エネ運転モードと、前記空気調和機で発生する騒音レベルを増減する静音モードと、前記空気調和機を運転する際の設定温度に室温が到達するまでの時間の長短を設定する急速運転モードであることを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
【請求項4】
前記運転モード設定画面は、前記複数の運転モードを軸にとり同軸の原点を1つにまとめて放射線状にしたレーダーチャートであることを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
【請求項5】
前記運転モード設定画面は、前記複数の運転モードの割合を表示する棒グラフであることを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−2717(P2013−2717A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−133619(P2011−133619)
【出願日】平成23年6月15日(2011.6.15)
【出願人】(000006611)株式会社富士通ゼネラル (1,266)
【Fターム(参考)】