説明

空気調和機

【課題】空気調和機の運転操作において、チャイルドロック機能でキー操作の受付禁止管理を行っている場合に一時的にこの受付禁止を解除して通常の運転操作が可能になる機能や、チャイルドロック機能をオフすることなく通常の操作を行うことができるリモコンを備えた空気調和機を提供する。
【解決手段】無線リモコンは、時間帯ごとのスケジュールに従ってチャイルドロック機能を実施中にチャイルドロック機能解除のキー操作を検出した場合、予め定めた一定解除時間だけ全てのキーの操作を受付けて処理する。また、チャイルドロック機能を実行中にチャイルドロックキー以外の長押しキーを検出した場合、検出したキーを受け付けて処理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和機に係わり、より詳細には、空気調和機を操作するリモコンのチャイルドロック機能に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より子供のイタズラ操作防止のため、電子機器の操作部にはキー操作を制限するチャイルドロック機能が備えられている。例えば『チャイルドロックキー』を長押しすることで、この機能のオン/ オフを行うことができる。しかしながら、この方式ではチャイルドロックをオン状態の時、ユーザーが通常の操作を行おうとした場合、この通常操作に先立ってチャイルドロック機能をオフするキー操作を行う必要があり、さらに、通常の操作の後に、もとの状態に戻すためチャイルドロック機能をオンするキー操作を行う必要があり、ユーザーの操作が繁雑であった。また、この機能のオン操作を忘れてしまう場合があった。
このため、視聴制限機能付のテレビにおいて、時間帯によりリモコンのチャイルドロック機能のオン/ オフを自動的に行うものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
一方、空気調和機においては、複数の家族、例えば幼児やその両親、同居している操作に不慣れな高齢者や操作をさせてはならない幼児など、操作する能力が異なる複数の人間が1台の空気調和機を1つのリモコンで共有して操作する場合がある。
【0004】
例えば、幼児の場合はリモコンを玩具として取り扱ってしまい、種々のキー操作により誤った運転を行う場合があった。従来から使用されている赤外線リモコンの場合は室内機へ向かって操作する必要があり、必ずしもイタズラ操作による赤外線信号が室内機へ届くことはなかったが、近年採用されつつある無線リモコンでは、操作においてリモコンの向きに関係がない。このため、イタズラ操作による空気調和機の意図しない動作を防止するためチャイルドロック機能が備えられている。
【0005】
しかしながら、このチャイルドロック機能を単純にオン/ オフする機能だけであると、前述のように通常の運転操作が繁雑であった。
このため、空気調和機の運転操作において、予め定めたスケジュールの時間帯によってチャイルドロック機能でキー操作の受付禁止管理を行っている場合に、一時的にこの受付禁止を解除して通常の運転操作が可能になる機能や、チャイルドロック機能でキー操作の受付禁止となっている場合に、チャイルドロック機能をオフすることなく通常の操作を簡単に行うことができる機能が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−354209号公報(第4−5頁、図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は以上述べた問題点を解決し、空気調和機の運転操作において、チャイルドロック機能でキー操作の受付禁止管理を行っている場合に一時的にこの受付禁止を解除して通常の運転操作が可能になる機能や、チャイルドロック機能をオフすることなく通常の操作を行うことができるリモコンを備えた空気調和機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上述の課題を解決するため、本発明の請求項1に記載の発明は、室内機と、前記室内機への運転指示操作に使用されるキーを備えたリモコンとを備え、
前記リモコンは、操作されたキーを検出するキー入力部と、時刻を計時する計時手段と、前記キー入力部で検出したキーに対応する処理の受付可否を時間帯毎に記憶する操作キー受付テーブルを格納する記憶部と、これらを制御するリモコン制御部とを備え、
前記リモコン制御部は、前記計時手段から入力した現在の時刻と対応する前記操作キー受付テーブルの時間帯における前記キーが受付不可となっている前記キーの操作を検出した場合、同キーの前記受付を行わない一方、
全ての前記キーの受付可を指示するチャイルドロック機能解除のキー操作を検出した場合、同キー操作を検出した直後から予め定めた一定解除時間内に操作された前記キーの受付を実行することを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項2に記載の発明は、室内機と、前記室内機への運転指示操作に使用されるキーを備え、特定の前記キーの操作により前記キーの操作と対応する処理の受付可否を行うチャイルドロック機能を備えたリモコンとを備え、
前記リモコンは、操作された前記キーを検出するキー入力部と、これを制御するリモコン制御部とを備え、
前記リモコン制御部は、前記リモコンがチャイルドロック機能による受付不可状態にある時、前記キーを予め定めた所定時間以上押下したままとする長押し状態のキーであって、かつ、前記特定のキー以外のキーを検出した場合、検出した前記キーの受付を実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
以上の手段を用いることにより、本発明による空気調和機によれば、請求項1に係わる発明は、スケジュールに従ってチャイルドロック機能を実行中に、チャイルドロック機能をオフするキー操作を行った場合、予め定めた一定解除時間だけ操作された全てのキーを受け付けるため、複数のキー操作を続けて行うことができ、ユーザーの操作性を向上させることができる。また、自動的に元のチャイルドロック状態の戻るため、再度、チャイルドロック機能をオンにする操作が不要であり、チャイルドロック機能をオンする操作を忘れることがない。
【0011】
請求項2に係わる発明は、チャイルドロック機能を実行中にチャイルドロックキー以外の長押しによるキー操作を検出した場合、検出したキーを受け付けて処理するため、チャイルドロック機能をオン/ オフすることなく1つの操作を受け付けて処理することができる。このため、ユーザーの操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明による空気調和機を示す斜視図である。
【図2】本発明によるリモコンの実施例を示すブロック図である。
【図3】本発明によるリモコンの実施例を示す説明図である。
【図4】本発明による操作キーの制限の原理を説明する説明図である。
【図5】本発明によるキー操作の制限を管理するキー操作受付テーブルの説明図である。
【図6】本発明によるリモコン制御部の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に基づいた実施例として詳細に説明する。
【実施例1】
【0014】
図1は本発明による空気調和機を示す斜視図である。空気調和機としては室内機2と無線リモコン1と図示しない室外機とを備えている。
この室内機2は前面パネル11と、この前面パネル11を支持するグリル12と、このグリル12の右に配置された右側面カバー14と、このグリル12の左に配置された左側面カバー15と、右側面カバー14と左側面カバー15との間の上方に配置された上部吸込グリル13とを備えている。
【0015】
上部吸込グリル13には複数の格子により区画された孔が配置されており、ここが空気を取り入れる上部吸込口35aになっている。また、同様にグリル12には図示しない複数の孔が配置され前部吸込口35bが形成されており、これらを合わせて吸込口35を構成している。室内機2の運転時には前面パネル11が前方に回動され、グリル12側からも空気を取り入れる構造になっている。また、グリル12の前面右側の下方内部には無線リモコン1と通信を行う無線通信部16が備えられている。一方、この室内機2は無線リモコン1からの電波を受信して空調運転を行うようになっている。
【0016】
図2は本発明による無線リモコン1の実施例を示すブロック図である。無線リモコン1は、ユーザーによって操作されたキーの状態を入力するキー入力部22と、電波を介して室内機2へ指示データを送信したり、室内機2からの通信データを受信する無線通信部26と、表示部21と、データを記憶する記憶部23と、時刻を計時する計時手段である時計部24と、これらを制御するプログラムを記憶したマイコンを備えたリモコン制御部25とを備えている。なお、時計部24はマイコンに内蔵されているタイマなどで代替してもよい。
【0017】
なお、記憶部23にはユーザーが指定した時間帯毎に指定されたキーの受付禁止/許可を管理する操作キー受付テーブルが記憶されており、リモコン制御部25は現在の時刻を時計部24から読出して、このテーブルの時間帯と比較し、指示された時間帯になったら、このテーブルに記憶されているキーの受付禁止/許可を行う。なお、キーの受付とは、キー入力部22で検出したキー操作と対応する処理、例えば後述する運転キーが押下されたら運転の開始や運転の停止の指示データを室内機2へ送信する処理を実行することである。
【0018】
図3は本発明による無線リモコンの実施例を示す説明図である。図3(A)は無線リモコン1の正面図であり、図3(B)と図3(C)は表示部21の表示内容の一例を示している。なお以降の説明において『全てのキー操作が無効』などの表現の場合、チャイルドロックキーの長押し操作は除外されているものとする。チャイルドロックキーの長押しはチャイルドロック機能の状態に係わらず常に有効であり、いかなる状態でも受け付けることができる。
【0019】
図3(A)に示すように無線リモコン1は、その上部に液晶パネルを備えた表示部21を、その下部にはキー操作を受け付ける複数のキーを備えたキー入力部22をそれぞれ備えている。表示部21には図3(B)や図3(C)に示すように各種の運転情報が表示されるようになっており、エアコンが運転中であることを示す『運転中』マークや現在の時刻、冷房/暖房などの運転モード、設定温度値を表示している。
【0020】
一方、図3(A)に示すようにキー入力部22は、運転の開始/停止を指示する運転キー22bや設定温度を上げ下げする温度キー22cやチャイルドロック機能をオン/オフするチャイルドロックキー22aや、運転モードの切り換えを行う運転切換キー、おやすみタイマー運転キーなど、各種の操作キーが配置されている。なお、温度キー22cは上下に2つのキーが配置されており、上側のキーは温度の1度上昇、下側のキーは温度の1度下降を指示するようになっている。
【0021】
チャイルドロック機能はチャイルドロックキー22aを3秒間長押しすることでオン/ オフすることができる。チャイルドロック機能がオンになっている時は図3(B)に示すようにチャイルドロックマークが点灯しており、チャイルドロック機能がオフの場合は図3(C)に示すようにチャイルドロックマークが消灯している。
【0022】
なお、後述するように運転キー22bや温度キー22cやこれら以外のキーが個別に禁止されている場合はこれに対応して、図3(B)に示すように時計の時刻表示の下に『運転』、『温度』、『他』の受付禁止キー種別の表示が行われる。この表示が行われている場合、対応するキーを操作しても受付を拒否される。
【0023】
また、チャイルドロックマークが点灯しており、かつ、これらの3つの受付禁止キー種別が消灯の場合は全てのキーの受付が禁止されていることを示す。さらに、後述するようにスケジュールに従ってチャイルドロック機能が実施される場合は、指定された時間帯にチャイルドロックマークが自動的に点滅してキー受付が制限される。このようにスケジュールでチャイルドロック機能を実行している場合はチャイルドロックマークが点滅して報知するようになっている。
なお、チャイルドロックキー22aのようにチャイルドロック機能をオン/ オフするキーを他の制限を受けるキーと区別して特定キーと呼称する。
【0024】
図4は本発明による操作キーの受付制限の原理を説明する説明図である。図4(1)は無線リモコン1が使用される場合の複数ユーザーの生活パターンを、図4(2)はチャイルドロック機能のオン/ オフ状態を、図4(3)はユーザーによるキー操作の状態をそれぞれ示している。なお、図4(2)のa)〜c)は運転キー、温度キー、その他キーがそれぞれ受付可/受付不可に設定されている状態を示しており、これらの設定は予めユーザーによってスケジュールの時間帯毎に設定されている。一方、横軸は時間を示しており、各時間帯毎に図4(2)のa)〜c)を設定しておくことにより、時刻に対応したキー受付制限を自動的に行うようになっている。
【0025】
図5はこのキー受付制限を自動的に行うためのキー操作受付テーブルを示す説明図である。このテーブルは時刻が縦方向に0:00〜23:00まで1時間毎に時間帯に区分されており、横方向にはキー操作の受付管理対象となる運転キー、温度キー、その他キー(運転キーと温度キー以外のすべてのキーのグループ)が並んでいる。このように受付管理の対象となるキーを所定キーと呼称する。
そして各所定キーは各時間帯毎に『○』受付可、もしくは、『×』受付不可が記憶されている。これらは予めユーザーが決定して無線リモコン1に記憶させたものである。なお、テーブル上で受付可となっている所定キーを有効キー、受付不可となっている所定キーを無効キーとそれぞれ呼称する。
【0026】
例えば0時台〜7時台までの時間帯では全てのキーが受付可能(○印)であり、8時台〜9時台までの時間帯では運転キーのみ受付可能であり、10時台〜11時台までの時間帯では全てのキーが受付不可であり、12時台〜20時台までの時間帯では温度キーのみ受付可能であり、21時台以降の時間帯では全てのキーが受付可能となっている。このキー操作受付テーブルは製品の初期値としてすべてキーが受付可になっており、ユーザーによって1箇所でもキーの受付不可が設定されると、以降はこのテーブルと現在の時刻によって前述した各キーの受付制限(チャイルドロック機能)が実行される。
なお、図5の例では8時台〜20時台までが何らかのキー受付制限を受けるチャイルドロック機能がオン状態である。
【0027】
図4では図5で説明した受付制限が自動的に行われる様子を示している。図4(1)の生活パターンにおいて、0時台〜7時台までの時間帯では両親と祖父は在宅しており幼児は自宅で就寝中であり、無線リモコン1の操作はいずれかの両親が行うため全てのキーが有効キーに設定されており、リモコン制御部25は操作キー受付テーブルに従ってすべてのキーを受け付ける。
【0028】
ただし、図4(3)で示すように0時台〜7時台までの時間帯にチャイルドロックキーが長押しされた場合、リモコン制御部25は従来のチャイルドロック機能と同様に全てのキーを受付不可状態にする。再度、チャイルドロックキーが長押しされた場合、リモコン制御部25は全てのキーを受付可の状態にする。これは幼児が早起きしたりして一時的にロックしたい場合などに有効である。
【0029】
一方、8:00を過ぎると図4(1)に示すように父親は会社に出勤し、母親と幼児と祖父とが在宅となる。例えば夏の場合、外気温の上昇に伴ってエアコンの運転を開始する場合があるため、祖父が自由に運転開始できるように運転キーの受付のみ許可とし、それ以外のキーは幼児のイタズラ防止のために受付不可に設定されている。
【0030】
一方、例えば急激に外気温が上昇し母親が設定温度を1度だけ下げるような場合、図4(3)に示すように温度キーの下側のキーを長押し(例えば3秒以上)する。
リモコン制御部25は、スケジュールによる管理において温度キーが受付禁止、つまり、チャイルドロック機能がオン状態であったとしても、温度キーの下側のキーが長押しである時はその1操作のみ受け付ける。(1操作受付機能)これは他のキーも同様であり、長押しされたキーはその時のみ受け付ける。
【0031】
一方、10:00を過ぎると母親は買い物のため外出し、祖父と幼児のみが在宅となる。この場合、幼児の監督がおろそかになるため、例えば予めエアコンを自動運転に指示しておき、この母親の外出期間中は全てのキー受付を禁止するように設定している。スケジュールでは母親の帰宅が12:00となっているが、必ずしもこの時間までに帰宅できない場合がある。従って次のスケジュールへ移行する12:00前に幼児が無線リモコン1をイタズラしていた時、次のスケジュールでキーの受付制限が解除になっていると12:00以降のイタズラ操作を受け付けてしまう虞がある。
【0032】
これを防止するため、リモコン制御部25は次のスケジュールへ移行する時刻の所定時間前、つまり、現在のスケジュールの終了時刻の所定時間前、例えば30分前から現在のスケジュールの終了時刻までに受付不可のキー操作(受付が禁止されているキー操作)が行われた場合、無線リモコン1を操作する能力を備えていないユーザーによるイタズラと判断し、次のスケジュールの開始時刻(現在のスケジュールの終了時刻)を所定延長時間、例えば30分だけ繰り下げる。(スケジュール延長機能)具体的には12:00までの本来のスケジュールを30分延長し、12:30まで継続管理を行う。なお、この延長は無効なキー操作が行われなくなり、所定時間が経過するまで繰り返し延長される。なお、所定時間後にはスケジュールによる次の時間帯管理へ移行するが、特別な操作を行うことにより直ちに次の時間帯管理へ移行するようにしてもよい。
【0033】
一方、スケジュールが予定通りの場合、12:00には母親が買い物から帰宅し、母親と幼児と祖父が在宅となる。午後になると外気温が上昇すると思われるため温度キーのみ受付可能に設定し、それ以外は受付禁止に設定している。このように、スケジュールで受付が禁止されたキーがある時、つまり、チャイルドロック機能がオン状態の時にチャイルドロックキーが長押しされた場合、リモコン制御部25は一時解除時間、例えば1分だけチャイルドロック機能をオフして一時的に全てのキー受付を有効にする。(一時ロック解除機能)なお、このようにチャイルドロック機能がオンの時に一時的に機能をオフさせるためのキーを特定キーと呼称する。
【0034】
これは複数の操作を続けて行う場合に有効であり、チャイルドロックキーを長押しした後、温度キー操作と風量キー操作と風向キー操作など複数の操作を連続して行うことができる。なお、キー操作が1分以内に連続している場合は一時解除時間は自動延長される。つまり、最後のキー操作から1分が経過した時、自動的に元のスケジュールによる管理に戻る。
【0035】
一方、21:00になると幼児は就寝し、無線リモコン1の操作は両親が行うため、チャイルドロックを解除して全てのキー操作を受け付ける設定がされている。
このように各家庭の生活パターンに対応してチャイルドロック機能をスケジュール管理することでユーザーの負担を軽減することができる。
【0036】
以上説明したように、スケジュールに従ってチャイルドロック機能を実行中に、チャイルドロック機能をオフするキー操作を行った場合、予め定めた一定解除時間だけ操作された全てのキーを受け付けるため、複数のキー操作を続けて行うことができ、ユーザーの操作性を向上させることができる。また、自動的に元のチャイルドロック状態の戻るため、再度、チャイルドロック機能をオンにする操作が不要であり、チャイルドロック機能をオンする操作を忘れることがない。
【0037】
また、チャイルドロック機能を実行中にチャイルドロックキー以外の長押しによるキー操作を検出した場合、検出したキーを受け付けて処理するため、チャイルドロック機能をオン/ オフすることなく1つの操作を受け付けて処理することができる。このため、ユーザーの操作性を向上させることができる。
【0038】
次に、本発明に係わる無線リモコン1の処理動作を、図6に示すリモコン制御部25のフローチャートを用いて説明する。なお、図6に記載のSTはステップを表し、これに続く数字はステップ番号を、また、YはYesを、NはNoをそれぞれ表している。なお、前提条件としてユーザーの設定により予め図5の操作キー受付テーブルの内容が記憶部23に記憶されているものとする。
【0039】
まず最初にリモコン制御部25はキー入力部22を介してキー操作が有るか確認する(ST1)。キー操作が無い場合(ST1−N)、キー操作受付テーブルの現在の時刻と対応する受付不可のキーを抽出して記憶すると共に、抽出した受付不可のキーを表示部の受付禁止キー種別として表示する(ST14)。そしてST1へジャンプする。
【0040】
一方、キー操作が有る場合(ST1−Y)、スケジュールによるキー受付制限管理中か確認する(ST2)。これは現在の時刻と対応するキー操作受付テーブルの時間帯に、受付不可のキーが有る場合を示す。スケジュールによるキー受付制限管理中でない場合(ST2−N)、つまり、キー操作受付テーブルにおいて現在の時間帯で受付制限されているキーが無い場合、操作されたキーはチャイルドロックキーの長押しか確認する(ST12)。
【0041】
操作されたキーがチャイルドロックキーの長押しの場合(ST12−Y)、チャイルドロック機能がオフの場合はチャイルドロック機能をオンに、また、既にチャイルドロック機能がオンの場合はチャイルドロック機能をオフに、それぞれ実行すると共に、チャイルドロックマークを表示部21に点灯させる(ST13)。そしてST1へジャンプする。操作されたキーがチャイルドロックキーの長押しでない場合(ST12−N)、チャイルドロック機能がオン状態であるか確認する(ST15)。チャイルドロック機能がオン状態の場合(ST15−Y)、全てのキーを無視するためST1へジャンプする。チャイルドロック機能がオン状態でない場合(ST15−N)、操作されたキーを受け付けて対応する処理を実行する(ST9)。そしてST1へジャンプする。
【0042】
一方、スケジュールによるキー受付制限管理中の場合(ST2−Y)、つまり、キー操作受付テーブルにおいて現在の時間帯で受付制限されているキーが1つでも存在する場合、操作されたキーは長押しか確認する(ST3)。操作されたキーが長押しの場合(ST3−Y)、操作されたキーはチャイルドロックキーか確認する(ST10)。
【0043】
操作されたキーがチャイルドロックキーでない場合(ST10−N)、ST9へジャンプしてキー操作を受け付ける。これが1操作受付機能でのキー受付である。つまり、チャイルドロックキーでない長押しキーは受付処理を行う。操作されたキーがチャイルドロックキーである場合(ST10−Y)、一時ロック解除機能を実行するために一時解除タイマ(1分)を起動する(ST11)。そしてST1へジャンプする。
【0044】
一方、操作されたキーが長押しでない場合(ST3−N)、次に操作されたキーは受付不可のキーか確認する(ST4)。これはST4で常に現在の時刻に対応する受付不可のキーを抽出して記憶しているため、この記憶した受付不可のキー種別と操作されたキー種別を比較することで判別できる。操作されたキーが受付不可のキーでない場合(ST4−N)、ST9へジャンプしてキーを受け付ける。
【0045】
操作されたキーが受付不可のキーである場合(ST4−Y)、次に一時解除タイマは起動中か確認する(ST5)。一時解除タイマが起動中の場合(ST5−Y)、一時ロック解除機能を実行中であるため、一時解除タイマを再起動(ST8)した後、ST9へジャンプして受付不可のキーであってもすべて受付処理を行う。
【0046】
一方、一時解除タイマが起動中でない場合(ST5−N)、現在の時間帯終了時刻まで30分未満か確認する(ST6)。現在の時間帯終了時刻とは操作キー受付テーブルにおいて、現在のキー操作受付可/不可の状態が次に変化する時間である。例えば図5において時刻が12:00までとそれ以降で各キーのキー操作受付可/不可の状態が変化している。従って現在が11:45分なら現在の時間帯は11時台であり、現在の時間帯終了時刻は12:00である。
【0047】
現在の時間帯終了時刻まで30分未満の場合(ST6−Y)、現在の時間帯の終了時刻を30分延長する(ST7)。このため操作キー受付テーブルの次の時間帯開始時刻を元のスケジュールに対して30分遅延させた値に書き換える。具体的には現在が11:45分なら次の時間帯の開始時刻である12:00を変更するため、これに置き換えて12:30を書き込む。そしてST1へジャンプする。なお、フローチャートに記載しないが、変更された操作キー受付テーブルの時間帯の時刻は24:00にもとに戻すようになっている。一方、次の時間帯まで30分以上の場合(ST6−N)、ST1へジャンプしてこのキー操作を受け付けない。
【0048】
なお、本実施例ではリモコンとして無線リモコンを用いた例を説明しているが、これに限るものでなく、赤外線リモコンなどであってもよい。また、エアコン用のリモコンでなく、ビデオ関連機器やその他家庭用の電子機器に使用されるリモコンであってもよい。
また、本実施例では受付制限される所定キーを、運転キー、温度キー、その他キーに区分けして管理しているが、これに限るものでなく、個別のキー毎に受付可/不可の管理を行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0049】
1 無線リモコン
2 室内機
11 前面パネル
12 グリル
13 上部吸込グリル
14 右側面カバー
15 左側面カバー
16 無線通信部
21 表示部
22 キー入力部
22a チャイルドロックキー
22b 運転キー
22c 温度キー
23 記憶部
24 時計部(計時手段)
25 リモコン制御部
26 無線通信部
35 吸込口
35a 上部吸込口
35b 前部吸込口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内機と、前記室内機への運転指示操作に使用されるキーを備えたリモコンとを備え、
前記リモコンは、操作されたキーを検出するキー入力部と、時刻を計時する計時手段と、前記キー入力部で検出したキーに対応する処理の受付可否を時間帯毎に記憶する操作キー受付テーブルを格納する記憶部と、これらを制御するリモコン制御部とを備え、
前記リモコン制御部は、前記計時手段から入力した現在の時刻と対応する前記操作キー受付テーブルの時間帯における前記キーが受付不可となっている前記キーの操作を検出した場合、同キーの前記受付を行わない一方、
全ての前記キーの受付可を指示するチャイルドロック機能解除のキー操作を検出した場合、同キー操作を検出した直後から予め定めた一定解除時間内に操作された前記キーの受付を実行することを特徴とする空気調和機。
【請求項2】
室内機と、前記室内機への運転指示操作に使用されるキーを備え、特定の前記キーの操作により前記キーの操作と対応する処理の受付可否を行うチャイルドロック機能を備えたリモコンとを備え、
前記リモコンは、操作された前記キーを検出するキー入力部と、これを制御するリモコン制御部とを備え、
前記リモコン制御部は、前記リモコンがチャイルドロック機能による受付不可状態にある時、前記キーを予め定めた所定時間以上押下したままとする長押し状態のキーであって、かつ、前記特定のキー以外のキーを検出した場合、検出した前記キーの受付を実行することを特徴とする空気調和機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−87953(P2013−87953A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−225395(P2011−225395)
【出願日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【出願人】(000006611)株式会社富士通ゼネラル (1,266)
【Fターム(参考)】